JP4491074B2 - ニトロエナミン化合物の立体選択的製造方法 - Google Patents

ニトロエナミン化合物の立体選択的製造方法 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は、キラルなエナミノエステル異性体を、特定のジアステレオ異性体の立体選択性が向上したニトロケトンジアステレオ異性体の製造に利用する不斉マイケル(Michael)付加反応に関する。
発明の背景
鏡像異性的に濃縮したα−二置換シクラノン類は、1−フェニルエチルアミンとα−置換シクラノンを反応させてキラルなイミンを製造して、続いてこれをα−二置換シクラノン類の製造に利用するという効率的なマイケル法によって製造されてきた。「アスポドスペルマアルカロイドのエナンチオ選択的合成の新規戦略;[ABC]型三環式中間体の1−構造(A New Strategy For The Enantioselective Synthesis Of Aspodosperma Alkaloids;1−Construction Of The[ABC]−Type Tricyclic Intermediates)」(J.D’Angelo and D.Desmaele,Unite De Chimie Organique Associateau CNRS,879〜882頁)。
直鎖カルボニル化合物におけるイミン製造の制約は、EおよびZ二級エナミン互変体の両方が生成することである。2−アセチルブチロアセトンを、(S)−2−メチルベンジルアミンと反応させて、一種類の二級エナミン互変体が得られた。「キラル直鎖α,α−二置換二級アミンのエナンチオ選択的マイケル型反応(Enantioselective Michael−type Reaction of Chiral Liner α,α−Disubstituted Secondary Enamines)」(A.Felkら、Tetrahedron:Asymmetry,第5巻、第8号、1459〜1462頁、1994年)。
立体選択性の向上したジアステレオマーを製造する、キラルなエナミノエステル異性体と電子不足オレフィン類の不斉マイケル付加を含む製法が引き続き必要とされている。
本発明の方法により製造された化合物は、血管作用性を有するエンドセリン拮抗化合物の製造工程で使用することができる。特に、本発明の方法は、1996年2月29日公開のPCT特許出願第WO 96/06095号に開示される化合物の調製に有用となりうる。PCT特許出願第WO 96/06095号を本明細書に組み込む。
発明の詳細な説明
本発明の新規方法は、キラルエナミノエステル異性体を使用してジアステレオ選択性を向上させたニトロケトンジアステレオマーを合成することを特徴とする不斉マイケル付加を含む。本方法は、反応図式1に示すように、キラル一級アミン化合物(2)をβ−ケトエステル化合物(1)と反応させ、キラルエナミノエステル(3)を生成する。このキラルエナミノエステル(3)を、次にニトロスチレン化合物(4)と反応させて、ジアステレオマーのうちの一方の量が他方よりも多いキラルニトロエナミン(5)を生成する。キラルニトロエナミン(5)の加水分解によって、四種のニトロケトン(6)ジアステレオマー生成物が生成し、そのうち二種のジアステレオマーが多量に生成する。
反応図式1で示される本発明の好ましい実施例の一つは、キラル第一アミン化合物(2)とβ−ケトエステル(1)を第一溶媒および酸の存在下で反応させてキラルエナミノエステル(3)を生成することができる方法である。一級アミンとβ−ケトエステルの反応に適した第一溶媒には、以下に限定することを意図したものではないが、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)、等が含まれる。キラルエナミノエステル(3)は、数時間から数日の時間を経て生成する。別の方法として、反応混合物を数時間還流させてもよい。
本発明に適したキラル一級アミン化合物には、R1およびR2が独立に、アルキル、置換および非置換アリール、複素環、アルコキシ、からなる群より選択される一級アミンが含まれる。R3は、アルキルおよび、置換および非置換アリールからなる群より選択される。(S)−一級アミンは(S)エナミノエステルの生成に使用され、また(R)−一級アミンは(R)−エナミノエステルの生成に使用される。
本発明に適したケトエステルには、R3がアルキルおよび、置換および非置換アリールであるβ−ケトエステルが含まれる。
キラルエナミノエステル(3)は、一級アミン/β−ケトエステル/第一溶媒混合物に酸を加えることで生成する。適当な酸の例には、以下に限定することを意図したものではないが、酢酸、クエン酸、アスパラギン酸、安息香酸、乳酸、硫酸、コハク酸、等が含まれる。酸は、約0.05〜約1酸当量の範囲で使用することができる。
キラルエナミノエステル(3)は、次にニトロスチレン化合物(4)と反応させると、ニトロエナミン(5)が生成する。次にニトロエナミン(5)を加水分解すると、ニトロケトン(6)が生成する。キラルエナミノエステル/ニトロスチレン反応によるニトロエナミンの生成は、約−15℃〜約100℃の温度範囲で行うことができる。この反応のより好ましい温度範囲は、ほぼ周囲温度〜約70℃である。
本発明の別の実施例では、キラルエナミノエステルとニトロスチレンを第二溶媒の存在下で反応させて、ニトロエナミンを生成することができる。
エナミノエステルとニトロスチレンの反応に適した第二溶媒には、以下に限定することを意図したものではないが、テトラヒドロフラン(THF)、アセトニトリル、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)、トルエン、酢酸エチル、および以下に限定することを意図したものではないがメタノール、エタノール、イソプロパノールを含むアルカノール類、等が含まれる。この反応は、約−15℃から溶媒の還流温度までの温度で行うことができる。例えば、アルカノール類を室温で使用して、数時間から数日の時間をかけることでニトロエナミン(5)を生成することができる。別の方法として、この反応を、特定のアルカノールの還流温度で数時間混合物を還流させることで行うこともできる。
第二溶媒の存在下におけるエナミノエステル(3)とニトロスチレン(4)からのニトロエナミン(5)の生成反応を促進するために、塩基を使用することができる。この反応で使用するために適当な塩基には、以下に限定することを意図したものではないが、ナトリウムエトキシドおよび炭酸カリウムが含まれる。塩基は、約0.05〜約1塩基当量の範囲で使用することができる。(S)または(R)α−メチルベンジルアミンのいずれかを使用して、対応する(S)または(R)エチル(4−メトキシフェニル)−1−(αメチルベンジルアミノ)プロピオネート(3)を生成することができる。
ニトロエナミン(5)の加水分解によるニトロケトン(6)の生成は、水性有機酸または水性無機酸を使用して行うことができる。適した有機酸の例には、以下に限定することを意図したものではないが、酢酸、クエン酸、アスパラギン酸、安息香酸、乳酸、コハク酸が含まれる。適した無機酸の例には、以下に限定することを意図したものではないが、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸が含まれる。
ニトロエナミン(5)のイミノピロリジン(7)への水素化は、水素化条件で行うことができる。例えば、ニトロエナミン(5)および水素を含む酸性溶液(約0.01〜約1当量の酸)を触媒の存在下におくと、イミノピロリジンが生成する。イミノピロリジンをさらに水素化すれば、ピロリジン化合物(8)を生成することができる。
本発明に適した触媒には、以下に限定することを意図したものではないが、ラネーニッケル、白金、およびパラジウムの触媒が含まれる。パラジウム触媒は、パラジウム/炭素(Pd/C)、水酸化パラジウム(Pd(OH)2、パラジウム(黒)、担持されたパラジウムであってもよい。好ましくは、パラジウム系水素化触媒はPd(OH)2またはPd/Cである。
水素化反応は、約5psi〜約100psiの圧力で行われる。より好ましくは、本発明の新規方法では、水素化反応は約5psi〜約60psiの圧力で行うことができる。水素化反応は、約5℃〜約70℃の温度で行うことができる。より好ましくは、水素化反応は約60℃からの温度で行われる。
Figure 0004491074
より好ましい実施例の一つを反応図式2に示す。反応図式2は、キラルα−メチルベンジルアミン(反応図式2には(S)α−メチルベンジルアミンが示されている)とエチル(4−メトキシフェニル)−1−オキソ−プロピオネート(2)を第一溶媒および酸の中で反応させることによるキラルエチル(4−メトキシフェニル)−1−(α−メチルベンジルアミノ)プロピオネート(3)の生成を含んでいる。キラルエチル(4−メトキシフェニル)−1−(α−メチルベンジルアミノ)プロピオネート(3)の生成には、数時間から数日の時間がかかる。別の方法として、反応混合物を数時間還流させてもよい。次に、エチル(4−メトキシフェニル)−1−(α−メチルベンジルアミノ)プロピオネート(3)と3’,4’−メチレンジオキシ−2−ニトロスチレン(4)に溶媒を使用してまたは使用しないで反応させると、2−(エトキシカルボニル)−1−(4−アニシル)−3−ピペロニル−4−ニトロブタン1−(α−メチルベンジルアミノ)(5)を生成する。次に、2−(エトキシカルボニル)−1−(4−アニシル)−3−ピペロニル−4−ニトロブタン1−(α−メチルベンジルアミノ)(5)を加水分解すると、2−(エトキシカルボニル)−1−(4−アニシル)−3−ピペロニル−4−ニトロブタノン(6)が生成する。
エチル(4−メトキシフェニル)−1−(αメチルベンジルアミノ)プロピオネート(3)と3’,4’−メチレンジオキシ−2−ニトロスチレン(4)の第二溶媒存在下でのニトロエナミン(5)生成反応を促進するために、塩基を使用してもよい。この反応への使用に適した塩基には、以下に限定することを意図したものではないが、ナトリウムエトキシドが含まれる。(S)または(R)α−メチルベンジルアミンの一方をを使用すると、対応する(S)または(R)エチル(4−メトキシフェニル)−1−(αメチルベンジルアミノ)プロピオネート(3)を生成することができる。
反応図式2で示される別の実施例では、イミノピロリジン化合物(7)を、2−(エトキシカルボニル)−1−(4−アニシル)−3−ピペロニル−4−ニトロブタン1−(α−メチルベンジルアミノ)(5)に水素を加え触媒の存在下において加圧条件で水素化することで直接生成する。イミノピロリジン化合物(7)をさらに水素化すると、3−(エトキシカルボニル)−2−(4−アニシル)−4−ピペロニルピロリジン(8)が生成する。
2−(エトキシカルボニル)−1−(4−アニシル)−3−ピペロニル−4−ニトロブタン1−(α−メチルベンジルアミノ)(5)の2−(エトキシカルボニル)−1−(4−アニシル)−3−ピペロニル−4−ニトロブタノン(6)への加水分解は、水性有機酸または水性無機酸を使用して行うことができる。適した有機酸の例として、以下に限定することを意図したものではないが、酢酸、クエン酸、アスパラギン酸、安息香酸、乳酸、コハク酸が含まれる。適した無機酸の例として、以下に限定することを意図したものではないが、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸が含まれる。
Figure 0004491074
以下の化合物を本発明の方法によって合成した。以下に示す実施例は、説明を意図したものであって、本発明を限定するものではない。
実施例1
エチル(4−メトキシフェニル)−1−(α−メチルベンジルアミノ)プロピオネート
(S)α−メチルベンジルアミン(0.6グラム(g)、5ミリモル(mmol))とエチル(4−メトキシフェニル)−1−オキソ−プロピオネートをテトラヒドロフラン1.8gに加えて混合した。セチル酸(cetic acid)(5滴)をこの混合物に加えて、混合物を還流温度で10時間加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮し、その結果得られた残渣を、シリカゲルカラムを用いて5〜10%酢酸エチルのヘプタン溶液で抽出して精製すると、純粋な(S)エチル(4−メトキシフェニル)−1−(α−メチルベンジルアミノ)プロピオネート0.97gが得られ、これを1H−NMRで確認した。次の実施例では、(R)エチル(4−メトキシフェニル)−1−(α−メチルベンジルアミノ)プロピオネートを、(R)異性体を(R)α−メチルベンジルアミンを用いて生成したことを除けば、(S)異性体と同様の方法で調製した。1NMR(400MHz:CDCl3)1.3(3H,t);1.45(3H,d);3.8(3H,s);4.18(2H,qd)、4.4〜4.55(1H,m);4.6(1H,m);6.8〜6.85(m,2H);7.1〜7.3(m,5H)。
実施例2
2−(エトキシカルボニル)−1−(4−アニシル)−3−ピペロニル−4−ニトロブタノン
(R)エチル(4−メトキシフェニル)−1−(α−メチルベンジルアミノ)プロピオネート(500ミリグラム(mg)、1.54mmol、1.1当量(equiv.))と3’,4’−メチレンジオキシ−2−ニトロスチレン(270mg、1.40mmol、1.0当量)を、5ミリリットル(ml)のエタノールと混合し、反応物を室温で3日間撹拌した。HPLC分析によると、反応(2−(エトキシカルボニル)−1−(4−アニシル)−3−ピペロニル−4−ニトロブタン1−(αベンジルアミノ)生成物の形成)は65%しか終了していなかったが、この溶液に1.28mlの10%硫酸(H2SO4は0.128ml、4.6mmol、3当量)と0.5mlのテトラヒドロフラン(THF)を加えて5℃で加水分解した。16時間後、試料の加水分解されていないエナミノエステルは1%未満であった。ジアステレオマーの2−(エトキシカルボニル)−1−(4−アニシル)−3−ピペロニル−4−ニトロブタノン生成物が、約26.8分、約31.1分(第一組)および約38.0分、約57.5分(第二組)に観測できた。2−(エトキシカルボニル)−1−(4−アニシル)−3−ピペロニル−4−ニトロブタノン生成物(第一組)は、第二ピークを選ぶと23%であった。2−(エトキシカルボニル)−1−(4−アニシル)−3−ピペロニル−4−ニトロブタノン生成物(第二組)は、第三ピークを選ぶと42%であった。1NMR(400MHz:CDCl3)1.14,1.15(2t,3H);1.32,1.33(2d,3H);3.72,3.73(2s,3H);3.93〜4.20(m,4H);4.70〜4.95(m,2H);5.81(2s,2H0;6.32〜6.45(m,2H),6.48〜6.70(m,3H),6.82〜6.98(m,3H);9.90,9.93(2 brd,1H)。
実施例3
2−(エトキシカルボニル)−1−(4−アニシル)−3−ピペロニル−4−ニトロブタノン
(R)エチル(4−メトキシフェニル)−1−(α−メチルベンジルアミノ)プロピオネート(500mg、1.54mmol、1.1当量)と3’,4’−メチレンジオキシ−2−ニトロスチレン(270mg、1.40mmol、1.0当量)を5mlのエタノールに加えて混合し、不均一反応を還流させながら行った。16時間後、HPLC分析(Zorbax Rx−C8;25cm×4.6mm;30:70から70:30のアセトニトリル/水(0.1%リン酸による15分間の傾斜溶出;流量1.5ml/分;UV230nm)より、3’,4’−メチレンジオキシ−2−ニトロスチレンはほぼ消費されたことが分かり、この溶液を濃縮してクロマトグラフ(SiO2、ヘプタンから30%酢酸エチル/ヘプタンによる傾斜溶出)にかけると、2−(エトキシカルボニル)−1−(4−アニシル)−3−ピペロニル−4−ニトロブタン1−(α−メチルベンジルアミノ)ジアステレオマーが120mg(0.23mmol)生成した。この試料に、64マイクロリットル(μl)の硫酸(2.3mmol、10当量)、0.5mlの水、1mlのエタノール、および0.5mlのTHFを加えた。16時間後、この試料の加水分解されていないエナミンが1%未満となり、この溶液をChiralpakASカラム(10%エタノール/ヘキサン溶出液、1ml/min;254nm)を用いて分析した。ジアステレオマーの2−(エトキシカルボニル)−1−(4−アニシル)−3−ピペロニル−4−ニトロブタノン生成物が、26.8分、31.1分(第一組)と38.0分、57.5分(第二組)の組で観測された。2−(エトキシカルボニル)−1−(4−アニシル)−3−ピペロニル−4−ニトロブタノン生成物(第一組)は、第二ピークを選択すると16%であった。2−(エトキシカルボニル)−1−(4−アニシル)−3−ピペロニル−4−ニトロブタノン(第二組)は第四ピークを選択すると6%であった。
実施例4
2−(エトキシカルボニル)−1−(4−アニシル)−3−ピペロニル−4−ニトロブタノン
(S)エチル(4−メトキシフェニル)−1−(α−メチルベンジルアミノ)プロピオネート(650mg、2.0mmol)と3’,4’−メチレンジオキシ−2−ニトロスチレン(380mg、2.0mmol)をエタノール(5ml)に加えて混合したものを、50℃で1時間加熱した。この反応混合物のHPLC分析を行うと、ほとんど反応していないことが分かった。この混合物を65℃で40分間加熱したが、まだ反応は観測できなかった。次に混合物を還流温度で4.5次間加熱すると、出発物質が消費された。この粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(10%ETOAc/ヘプタン)で精製して、470mgの2−(エトキシカルボニル)−1−(4−アニシル)−3−ピペロニル−4−ニトロブタン 1−(α−メチルベンジルアミノ)生成物(黄色油状)を得た。この2−(エトキシカルボニル)−1−(4−アニシル)−3−ピペロニル−4−ニトロブタン 1−(α−メチルベンジルアミノ)生成物(203mg、0.319mmol)をエタノール(4ml)と混合して、濃H2SO4(35μl、0.66mmol)を水(4ml)に加えた溶液をこの混合物に加えた。この結果得られた均一溶液を、周囲温度で16時間撹拌して、HPLC分析を行うと加水分解していないエナミンは1%未満であることが分かった。この溶液の2−(エトキシカルボニル)−1−(4−アニシル)−3−ピペロニル−4−ニトロブタノンジアステレオマーの存在の分析を、ChiralPakASカラム(90/10のヘキサン/エタノール;1ml/min;254nmでUV検出)を使用して行った。2−(エトキシカルボニル)−1−(4−アニシル)−3−ピペロニル−4−ニトロブタノンジアステレオマー生成物を、27.2分、31.7分(第一組)と、38.8分、61.0分(第二組)の組で観測した。第一組の2−(エトキシカルボニル)−1−(4−アニシル)−3−ピペロニル−4−ニトロブタノンジアステレオマーとして第一ピークを選ぶと8%であり、第二組の2−(エトキシカルボニル)−1−(4−アニシル)−3−ピペロニル−4−ニトロブタノンジアステレオマーとして第三ピークを選ぶと4%であった。
実施例5
2−(エトキシカルボニル)−1−(4−アニシル)−3−ピペロニル−4−ニトロブタノン
(S)エチル(4−メトキシフェニル)−1−(α−メチルベンジルアミノ)プロピオネート(510mg、1.57mmol)と3’,4’−メチレンジオキシ−2−ニトロスチレン(306mg、1.59mmol)をエタノール(5ml)に加えた混合物を、室温で72時間撹拌した。HPLC分析から、反応混合物のほぼ50%が反応して2−(エトキシカルボニル)−1−(4−アニシル)−3−ピペロニル−4−ニトロブタン1−(α−メチルベンジルアミノ)生成物が生成したことが分かった。この混合物を氷水浴で冷却し、10%H2SO4(w/w)(4.6グラム(g)、4.71mmol)を加えると、不溶性物質が生成した。THF(0.5ml)を加えて氷浴からはずすと、均一溶液が得られ、これを16時間撹拌した。HPLC分析から、加水分解していないエナミンは1%未満であり、2−(エトキシカルボニル)−1−(4−アニシル)−3−ピペロニル−4−ニトロブタノンジアステレオマーの存在が確認できた。ジアステレオマーの2−(エトキシカルボニル)−1−(4−アニシル)−3−ピペロニル−4−ニトロブタノン生成物を、27.6分、32.2分(第一組)と、39.4分、62.3分(第二組)の組で観測した。第一組の2−(エトキシカルボニル)−1−(4−アニシル)−3−ピペロニル−4−ニトロブタノン生成物として第一ピークを選ぶと54%であり、第二組の2−(エトキシカルボニル)−1−(4−アニシル)−3−ピペロニル−4−ニトロブタノンとして第四ピークを選ぶと15%であった。
実施例6
2−(エトキシカルボニル)−1−(4−アニシル)−3−ピペロニル−4−ニトロブタン1−(α−メチルベンジルアミノ)
(S)エチル(4−メトキシフェニル)−1−(α−メチルベンジルアミノ)プロピオネート(1.1g、3.38mmol)と3’,4’−メチレンジオキシ−2−ニトロスチレン(850mg、4.4mmol)を混合して、70℃で12時間加熱した。この反応(2−(エトキシカルボニル)−1−(4−アニシル)−3−ピペロニル−4−ニトロブタノン 1−(α−メチルベンジルアミノ)の生成)は90%完結していたことがHPLC分析より分かった。ジアステレオマーの比は3:1であった。
実施例7
Cis,Cis−3−(エトキシカルボニル)−2−(4−アニシル)−4−ピペロニルピロリジン
2−(エトキシカルボニル)−1−(4−アニシル)−3−ピペロニル−4−ニトロブタン1−(α−メチルベンジルアミノ)(3.0g)を加えた20mlのTHFに、酢酸(346mg)とラネーニッケル(0.75g)を加えて混合した。この混合物を60psi、60℃で17.5時間かけて水素化した。トリフルオロ酢酸(1.86g)とラネーニッケル(1.5g)を加えて、水素化反応をさらに16時間続けた。ピロリジンの生成をHPLC分析で確認した。この反応混合物を、蒸留水(20ml)と炭酸カリウム(20ml、20%)を加えて洗浄した。減圧下で溶媒を除去して、残留物をクロマトグラフにかけて、2.0gのcis,cis−3−(エトキシカルボニル)−2−(4−アニシル)−4−ピペロニルピロリジンを得た。

Claims (12)

  1. 式:
    Figure 0004491074
    で表されるピロリジンジアステレオマーの製造方法であって、
    (a.)式:
    Figure 0004491074
    のキラル一級アミン(式中R1およびR2 の一方はアルキルであり、他方は非置換アリールである)と、
    式:
    Figure 0004491074
    のβ−ケトエステル化合物(式中R3は、アルキル、置換および非置換アリール、からなる群より選択される)とを、
    第一溶媒と酸の存在下で反応させて、式:
    Figure 0004491074
    のキラルエナミノエステルを生成する工程と、
    (b.)前記キラルエナミノエステルと式:
    Figure 0004491074
    のニトロスチレン化合物とを反応させて、式:
    Figure 0004491074
    のキラルニトロエナミノアイソマーを生成する工程と、
    (c.)前記キラルニトロエナミノアイソマーを水素化して、式:
    Figure 0004491074
    のイミノピロリジン化合物を生成する工程と、
    (d.)前記イミノピロリジン化合物を水素化して、前記ピロリジンジアステレオマーを生成する工程と
    を含む製造方法。
  2. 前記第一溶媒が、テトラヒドロフラン、トルエン、およびメチルtert−ブチルエーテル、からなる群より選択される請求項1記載の方法。
  3. 前記酸が、酢酸、クエン酸、アスパラギン酸、安息香酸、乳酸、硫酸、およびコハク酸、からなる群より選択される請求項1記載の方法。
  4. 前記キラルエナミノエステルと前記ニトロスチレン化合物より前記キラルニトロエナミノアイソマーを生成する反応で第二溶媒を使用する請求項1記載の方法。
  5. 前記第二溶媒が、テトラヒドロフラン(THF)、アルカノール類、アセトニトリル、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)、トルエン、および酢酸エチル、からなる群より選択される請求項記載の方法。
  6. 塩基を段階(b.)に加える請求項1記載の方法。
  7. 前記塩基がナトリウムエトキシドである請求項6記載の方法。
  8. 前記一級アミンがα−メチルベンジルアミンであり前記β−ケトエステル化合物がエチル(4−メトキシフェニル)−1−オキソ−プロピオネートである請求項1記載の方法。
  9. 前記キラルエナミノエステルがエチル(4−メトキシフェニル)−1−(α−メチルベンジルアミノ)プロピオネートであり前記ニトロスチレン化合物が3’,4’−メチレンジオキシ−2−ニトロスチレンである請求項1記載の方法。
  10. 前記水素化を酸性溶液中の水素および触媒を用いて行う請求項記載の方法。
  11. 前記ニトロエナミノアイソマーが2−(エトキシカルボニル)−1−(4−アニシル)−3−ピペロニル−4−ニトロブタン1−(α−メチルベンジルアミノ)アイソマーである請求項1記載の方法。
  12. 前記ピロリジンジアステレオマーが、cis,cis−3−(エトキシカルボニル)−2−(4−アニシル)−4−ピペロニルピロリジンジアステレオマーである請求項記載の方法。
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