JP2002529437A - (シクロ)アルキルフェニルグリコール酸の立体選択的調製プロセス - Google Patents

(シクロ)アルキルフェニルグリコール酸の立体選択的調製プロセス

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JP2002529437A JP2000580968A JP2000580968A JP2002529437A JP 2002529437 A JP2002529437 A JP 2002529437A JP 2000580968 A JP2000580968 A JP 2000580968A JP 2000580968 A JP2000580968 A JP 2000580968A JP 2002529437 A JP2002529437 A JP 2002529437A
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Abstract

(57)【要約】 アルキルフェニルグリコール酸の調製プロセスが開示される。本プロセスは、置換アセトアルデヒドとマンデル酸を縮合して5−フェニル−1,3−ジオキソラン−4−オンとし、これをアルキルケトン又はアルキルアルデヒドと縮合させて5−(1−ヒドロキシアルキル)−5−フェニル−1,3−ジオキソラン−4−オンとし、これを脱水和して5−(1−アルケニル)−5−フェニル−1,3−ジオキソラン−4−オンとする順序に従う。この5−(1−アルケニル)−5−フェニル−1,3−ジオキソラン−4−オンは加水分解し還元してα−アルキルフェニルグリコール酸にすることができ、この加水分解と還元の工程は逆にすることもできる。本プロセスはシクロヘキシルフェニルグリコール酸(CHPGA)の単一鏡像異性体の製造を可能にする。ラセミのマンデル酸とアセトンを用いる類似のラセミCHPGA製造プロセスが開示される。新規な中間体も開示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明はα−アルキルフェニルグリコール酸を調製する化学的プロセスに関し
、そしてそのプロセスにおける中間体に関する。
【0002】 発明の背景 シクロヘキシルフェニルグリコール酸(本明細書では「CHPGA」とも呼ば
れる)は重要な生物学的及び治療上の活性を有する化合物を製造するための出発
原料として用いられる。このような化合物としては、例えば、オクスフェンシク
リミン、オキシフェノニウム臭化物、オキシピロニウム臭化物、オキシソニウム
ヨウ化物、オキシブチニン(フェニルシクロヘキシルグリコール酸4−ジエチル
アミノ−2−ブチニル)及びデスエチルオキシブチニン(フェニルシクロヘキシ
ルグリコール酸4−エチルアミノ−2−ブチニル)などのその代謝物が挙げられ
る。
【0003】
【外6】
【0004】 立体化学と生物活性との間の重要な関係は広く知られている。例えば、オキシ
ブチニン及びデスエチルオキシブチニンの(S)−鏡像異性体は、米国特許第5
,532,278号及び第5,677,346号に開示されたように、尿失禁を
治療する際に優れた治療法を提供することが示された。オキシブチニンの(R)
−鏡像異性体も有用な薬物候補であることが示唆された(ノロンハ−ブロブら,
J. Pharmacol. Exp. Ther. 256, 562-567 (1991)) 。
【0005】 ラセミのCHPGAは一般に二つのプロセスの一つにより調製される。即ち、
(1)スキーム1に示すようにフェニルマンデル酸又はフェニルマンデル酸エス
テル類の選択的水素化、又は(2)スキーム2に示すようにフェニルグリオキシ
ル酸塩へのシクロヘキシルマグネシウムハライドの付加である。
【0006】
【外7】
【0007】 CHPGAの個々の鏡像異性体の不斉合成はグリオキシル酸のキラル補助エス
テルへのグリニャール付加によりエステル類のジアステレオマー混合物を得ると
いうスキーム2の線に沿ったアプローチであった。さらにグリニャール試薬を用
いる(D)−アラビノースから(R)−CHPGAへの多工程不斉合成が報告さ
れた。
【0008】 以下のスキーム3に概述するように、R* がキラルアルコールの残基である単
純なキラルエステルは、エステル交換反応(R’=醋酸塩)により、又は加水分
解してキラルCHPGAとし、次いでエステル化(R’=H)することによりキ
ラル薬物又はキラル薬物候補に直接変換することができる。
【0009】
【外8】
【0010】 上記の不斉合成法は多くの目的に適しているが、その化学収率は場合によって
は低く、そし立体選択性は必ずしも高くない。また、良好な収率そしてより高い
立体選択性を与えるキラル補助試薬は極めて高価であることが多い。こうして、
これらのプロセスはキラルな医薬化合物の商業的規模での製造に使用することは
費用の面でしばしば禁止される。
【0011】 不斉合成への可能性のある別法はラセミのCHPGAの分割である。これは、
エフェドリン、キニーネ、及び(+)及び(−)−アンフェタミンなどの分割試
薬を用いて分析的規模で成功した。しかしながら、このような分割試薬は高価で
あり、既知の不斉合成と同様に既知の分割プロセスを実施不能とする。さらに、
これらの試薬を用いる分割法は立体選択性が低い。この貧弱な立体選択性のため
、単一のCHPGA鏡像異性体を単離するために複数の再結晶化工程が必要とな
る。これはこれらの前駆体から作られるキラル薬物の製造費に付加される。
【0012】 従って、工業的規模でα−アルキルフェニルグリコール酸、とりわけα−アル
キルフェニルグリコール酸の単一鏡像異性体を製造するためのより効率的且つ経
済的な方法が望まれる。このような方法は少ない処理工程で高い純度の化合物を
高い化学収率で提供すべきである。
【0013】 発明の概要 本発明の原理によれば、上記の必要性は満たされ、先行技術の限界は克服され
、そして他の利益が実現される。本発明は一つの側面で一つの鏡像異性体を豊富
に含むアルキルフェニルグリコール酸を調製するプロセスであって、下記の逐次
工程、すなわち (a) 置換されたアセトアルデヒドとマンデル酸の単一鏡像異性体とを縮 合させて5−フェニル−1,3−ジオキソラン−4−オンを形成させる工程 、 (b) 該5−フェニル−1,3−ジオキソラン−4−オンをアルキルケト ン又はアルキルアルデヒドと縮合させて5−(1−ヒドロキシアルキル)− 5−フェニル−1,3−ジオキソラン−4−オンを形成させる工程、 (c) 該5−(1−ヒドロキシアルキル)−5−フェニル−1,3−ジオ キソラン−4−オンを脱水和条件に曝露して5−(1−アルケニル)−5− フェニル−1,3−ジオキソラン−4−オンを形成させる工程、 (d) 該5−(1−アルケニル)−5−フェニル−1,3−ジオキソラン −4−オンを加水分解してα−アルケニルフェニルグリコール酸を形成させ る工程、及び (e) 該α−アルケニルフェニルグリコール酸を還元してα−アルキルフ ェニルグリコール酸を形成させる工程、 を含むプロセスに関する。
【0014】 別の実施態様では、最後の二つの工程(加水分解と還元)を逆にすることがで
きる。すなわち、 (d) 該5−(1−アルケニル)−5−フェニル−1,3−ジオキソラン −4−オンを還元して5−アルキル−5−フェニル−1,3−ジオキソラン −4−オンを形成させる工程、及び (e) 該5−アルキル−5−フェニル−1,3−ジオキソラン−4−オン を加水分解してα−アルキルフェニルグリコール酸を形成させる工程、 である。特に、好ましい実施態様では、前記置換されたアセトアルデヒドがピバ
ルアルデヒドであり、アルキルケトンがシクロヘキサノンであり、マンデル酸が
(S)−(+)−マンデル酸又は(R)−(−)−マンデル酸であり、そしてS
又はR鏡像異性体のいずれかが豊富なシクロヘキシルフェニルグリコール酸がそ
れぞれ製造される。
【0015】 別の一側面では、本発明はラセミのアルキルフェニルグリコール酸を調製する
ためのプロセスであって、下記の第一工程、すなわち (a) アセトアルデヒド又は対称ジアルキルケトンとラセミのマンデル酸 を縮合させて5−フェニル−1,3−ジオキソラン−4−オンを形成させる 工程、 を含むプロセスに関する。このプロセスの後は、単一の鏡像異性体について上に
述べたと同じプロセスに従う。アセトアルデヒド、対称ジアルキルケトン又は置
換されたアセトアルデヒドとマンデル酸との縮合は、酸触媒の存在下に達成しう
る。5−フェニル−1,3−ジオキソラン−4−オンとアルキルケトン又はアル
キルアルデヒドとの縮合は塩基性条件下で達成しうる。
【0016】 別の一側面では、本発明は下記の構造式
【0017】
【外9】
【0018】 から成る群より選択される化合物に関する。上式中R1 は炭素数1〜10のアル
キル又は総炭素数4〜20の置換されたアルキルである。これらの化合物はCH
PGAの合成における新規な中間体である。
【0019】 詳細な説明 本明細書で用いられるラセミ化合物、アンビスカレミック化合物及びスカレミ
ック化合物又は鏡像異性体的に純粋な化合物の図式表示はメール,J. Chem. Ed.
62,114-120 (1985)から得られ、黒及び線で表した楔型はキラルな元素の絶対コ
ンフィギュレーションを記すために用いられ、波線はそれが表す結合が作りうる
如何なる立体化学的意味をも否定し、黒太線及び破線太線はラセミ性の相対的コ
ンフィギュレーションを示す幾何学的記述子であり、そして中抜き及び点線又は
破線の楔型は未確定の絶対コンフィギュレーションを持つ鏡像異性体的に純粋な
化合物を示す。こうして、例えば、式5は光学的に純粋な5−シクロヘキシル−
5−フェニルジオキソール−2−オンのいずれか一方を包摂することを意図して
いる。
【0020】
【外10】
【0021】 用語「鏡像異性体過剰率」とは当分野で周知であり、ab→a+bの分割に対
しては下記の式により定義される。
【0022】
【外11】
【0023】 用語「鏡像異性体過剰率」は古い用語である「光学的に純粋」に関連がある。
両者は同じ現象の尺度であるからである。eeの値は0から100までの数とな
る。ゼロはラセミ体であり、100は純粋な単一の鏡像異性体である。過去に9
8%光学純度と呼ばれた化合物は今日ではより正確に96% e.e. と記述される
。換言すれば、90% e.e. は問題の物質の中に一方の鏡像異性体が95%、他
方の鏡像異性体が5%存在することを反映する。用語「ジアステレオマー過剰率
(d.e.) 」は以下のように同様に定義される。
【0024】
【外12】
【0025】 ここで、p及びqはジアステレオマーであり、90%deはpが95%、qが5
%を反映する。このジアステレオマー過剰率は反応又はプロセスのジアステレオ
選択性の尺度である。
【0026】 「置換されたアセトアルデヒド」は、ジオキソロン環に組み込まれたとき塩基
−不活性となるアルデヒドを生ずるように一つ以上の水素が置換されているアセ
トアルデヒドを意味する。鏡像異性体選択性が重要な合成では、バルキーな、塩
基−不活性なアルデヒドが必要である。本明細書で用いるとき、用語「バルキー
な、塩基−不活性なアルデヒド」とは、(1)それが、ジオキソロンアニオン(
7)
【0027】
【外13】
【0028】 へのケトンの接近がC−5炭素における鏡像異性体の1:1混合物でないアルコ
ール生産物を生ずる程に立体的に充分な大きさを持つこと、及び(2)それが、
塩基と置換基の反応性のためジオキソロンのC−5におけるアニオンの形成を妨
げるような置換基を持たないこと、という二つの基準を満たすアルデヒドを指す
。これらの基準を満たすアルデヒドは、下記の条件下で推定的アルデヒドをS−
マンデル酸、次いでシクロヘキサノンと単に反応させ、C−2のプロトンのシグ
ナルについて 1H−NMRを検討することにより、熟練者により容易に決定され
る。即ち、δ5とδ6の間に等面積シグナル強度の一対のシグナルがあるときは
該アルデヒドは上記基準(1)に合致せず、δ5とδ6の間にシグナルがないと
きは該アルデヒドは基準(2)に合致せず、δ5とδ6の間に等しくない面積の
シグナル強度の2本以上のシグナルがあるときは該アルデヒドは両基準に合致し
、δ5とδ6の間に1本のシグナルしか存在しないときは該アルデヒドは両基準
に合致するだけでなく好ましくもある。バルキーであり且つ「塩基−不活性」で
ある置換されたアセトアルデヒドの例としては、ピバルアルデヒド及びジフェニ
ルアセトアルデヒドが挙げられる。一般に、「置換されたアセトアルデヒド」に
は、α−炭素上の少なくとも二つの水素がアルキル基又はアリール基で置換され
たアセトアルデヒドが含まれるが、この二つのアルキル基がメチル基よりもバル
キーでないとき(イソブチルアルデヒド)は、その結果得られるジオキソロンは
高い鏡像異性体選択性を可能とする程にC−5における充分な指向効果を持たな
いことを本発明者らは見出した。
【0029】 本明細書で用いられるとき「アルキル」とは、直鎖状又は分岐鎖状の20以下
の炭素を含む飽和炭化水素残基並びに3〜8炭素の単環構造及びデカリンを指す
。「アリール」には、フェニル、ナフチル、及び一つ以上のアルキル又はアルコ
キシルで置換されたフェニルが含まれる。
【0030】 対称ジアルキルケトンにはアセトン及びジエチルケトンが含まれる。前記ケト
ン及びアルデヒドの等価物は、例えば市販されていることが多いアセトンジメチ
ルアセタール(ジメトキシプロパン)などの対応するアセタール類になるであろ
うことは熟練者には容易に理解されることである。これらはアルコール交換によ
り類似の条件下でジオキソロンに変換されるであろう。
【0031】 本発明のプロセスはシクロヘキサノンをアルキルケトンの例として用いてスキ
ーム4及びスキーム5に例示される。スキーム4は5−シクロヘキセニル−5−
フェニルジオキソール−2−オン(3)がまずα−シクロヘキセニルフェニルグ
リコール酸(4)に開裂し、次いで還元されるプロセスを図示する。スキーム5
は5−シクロヘキセニル−5−フェニルジオキソール−2−オン(3)がまず5
−シクロヘキシル−5−フェニルジオキソール−2−オン(5)に還元され、次
いで還元される(reduced)プロセスを図示する。
【0032】
【外14】
【0033】
【外15】
【0034】 スキーム4及びスキーム5の両方に図示したプロセスに従って、アルデヒドR 1 CHOを酸触媒の存在下にマンデル酸と縮合させて5−フェニル−1,3−ジ
オキソラン−4−オン(1)を形成させる。鏡像異性体選択的合成にとって好ま
しいアルデヒド類はピバルアルデヒド及びジフェニルアセトアルデヒドである。
アセトンはラセミ合成を行うとき好ましい。アルデヒド類の縮合に好ましい酸は
メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸及びトルエンスルホン酸など
のスルホン酸類であり、アセトンを用いるときは硫酸が用いられる。
【0035】 5−フェニル−1,3−ジオキソラン−4−オン(1)はアルキルケトン又は
アルキルアルデヒドと縮合される。この場合、シクロヘキサノンは塩基の存在下
に5−(1−ヒドロキシアルキル)−5−フェニル−1,3−ジオキソラン−4
−オン(2)を形成する。該塩基はリチウムジメチルアミド又はリチウムビス(
トリメチルシリル)アミドなどのリチウムアミドが好ましい。このプロセスは周
囲温度より低い温度で行われるとき最良の収率が得られる。これらのスキーム(
1 はt−ブチルである)に記述されたシクロヘキサノン付加物の場合には、最
初に形成される(動力学的に好ましい)2S,5Sジオキソロン(2)は、この
反応が−40℃より低い温度でS−マンデル酸から生ずるジオキソロン(1)に
ついて行われるとき得られる。一方、熱力学的に有利な2S,5Rジオキソロン
(2)は、−20℃より高い温度でS−マンデル酸から生ずるジオキソロン(1
)について行われるとき得られる。−40℃と−20℃の間では、混合物が得ら
れ、従って、このプロセスは一つの鏡像異性体が望まれるときは魅力的でない。
鏡像異性体選択性が問題でないときは、温度が低い程収率は良いものの、周囲温
度より低い任意の温度が使用できよう。−78℃で、SS生産物が92%の収率
で得られ、0℃ではSR生産物が64%の収率で得られる。こうして、S−CH
PGAを得たいときは、S−マンデル酸で出発し、−78℃でこのアルドール反
応を行うか、又はR−マンデル酸で出発し0℃で該アルドールを行うことができ
よう。その化学収率はSからSへのプロセスでより良いようである。逆に、R−
CHPGAを得たいときは、R−マンデル酸で出発し、−78℃でこのアルドー
ルを行うか、又はS−マンデル酸で出発し、0℃で該アルドールを行うことがで
きよう。この反応は、反応に対して望ましい温度より低い氷点を有する不活性溶
媒又は不活性溶媒混合液中で行われる。代表的な溶媒には、低級アルカン類、エ
ーテル類及びこれらの混合物が含まれる。
【0036】 5−(1−ヒドロキシアルキル)−5−フェニル−1,3−ジオキソラン−4
−オン(2)は脱水和条件に曝されると5−(1−アルケニル)−5−フェニル
−1,3−ジオキソラン−4−オン(3)を生ずる。好ましい脱水和条件は塩化
チオニル次いでピリジンでの逐次処理であるが、アルコールをアルケンに変換す
るための当業者に知られている無数の条件のいずれをも使用できよう。使用され
うる他の脱水和反応としては、ギ酸(ワングら J. Chem. Soc. 1949, 2186)、重
硫酸カリウム( クックら J. Chem. Soc. 1938, 58)、硫酸 (ロヒテ J. Am. Chem
Soc. 75, 4477 (1953))、塩化亜鉛、シュウ酸及びヨウ素 (クリーギー Chem. B
er. 85, 144 (1952)) 、硝酸 (ナメトキン Chem Ber. 56, 1803 (1926)) 、塩化
ホスホリル (サウアーズ J. Am. Chem. Soc. 81, 4873 (1959)) 、硫酸アルミニ
ウム (フォーゲル J. Chem Soc. 1938, 1323) 、ヨウ素 (ソナウェーンら Tetra
hedron 1986, 6673)、オキシ塩化リンとピリジン( キャンベル J. Chem. Soc. B 1968, 349) 、p-トルエンスルホン酸(オラー J. Org. Chem. 55, 1792 (1990)
及びハンフリーズ J. Chem. Soc. P1 1978, 33) 、N−ブロモスクシンイミド(
タグチ Tet. Lett. 1973, 2463) 、HCl(メイラード Bull. Soc. Chim. Fr. 1966 , 1683) 、及びトリフルオロ酢酸( レヴィンら Tet. Lett. 1985, 505)が挙
げられる。
【0037】 上述のように、ジオキソラン−4−オン(3)はスキーム4に示すように先ず
加水分解され次いで還元されるか、又はスキーム5に示すように先ず還元され次
いで加水分解される。いずれの場合も、加水分解は水性アルカリ金属水酸化物を
アルコール性溶媒又は極性非プロトン性溶媒中で用い、例えば、メタノール−水
の中で水酸化カリウムを用いて行うことが好ましい。還元は貴金属触媒の存在下
に水素ガスに曝露することにより達成することが好ましい。この水素は気体状の
水素として供給され又はギ酸アンモニウムなどの水素供給源からメタセシスによ
り誘導されうる。該触媒はカーボンなどの固体支持体上のパラジウムが好ましい
が、プラチナ触媒やロジウム触媒などの他の貴金属触媒を用いることもてきる。
【0038】 以下の例から明らかなように、最初は実験方法を誘導するために各中間体を単
離し精製したが、このようにすることは必要でない。 以下の実施例はアルキルケトンがシクロヘキサノンであった場合の合成である
。当業者には明らかなように、他のケトンやアルデヒドを他のα−アルキルフェ
ニルグリコール酸を製造するためにシクロヘキサノンの代わりに使用することが
できよう。
【0039】 実施例 各中間体を単離し鹸化の前に還元するプロセス シス−(2S,5S)−2−(tert−ブチル)−5−フェニル−1,3−ジオキ ソラン−4−オン(1): ペンタン(150mL)中の(S)−(+)−マンデル酸(10.0g,65
.7ミリモル)の懸濁液にピバルアルデヒド(8.56mL,78.8ミリモル
)を添加し、次いでメタンスルホン酸(213μL,3.2ミリモル)を室温で
添加した。この反応フラスコにディーン−スターク・トラップを添加した。この
混合物を75℃まで温め5.5時間還流した。反応混合物を水(2×150mL
)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を次に真空濃縮して白色
の固体を得た。この粗物質を熱酢酸エチルの50mLに溶解し、0℃まで冷却し
た。形成された固体を濾過により集め、乾燥して生産物10.7g(74%)を
得た。 1H−NMR(CDCl3 )δ1.12(s,9H),5.28(s,1
H),5.36(s,1H),7.47(m,5H)。13C−NMRδ23.8
0,24.42,34.64,109.47,127.23,128.91,1
29.35,133.70,172.04。
【0040】シス−(2S,5S)−2−(tert−ブチル)−5−フェニル−5−(シクロヘ キシル−1−オール)−1,3−ジオキソラン−4−オン(2): THF(250mL)中のリチウムビス−(トリメチルシリル)−アミド(4
6.7mL,46.7ミリモル、ヘキサン中1.0M)の−78℃溶液にシス−
(2S,5S)−2−(tert−ブチル)−5−フェニル−1,3−ジオキソラン
−4−オン(9.80g,44.5ミリモル、80mLのTHF中に溶解)を添
加した。この反応混合物を−78℃で0.5時間攪拌し、その後シクロヘキサノ
ン(5.07mL,46.7ミリモル)を添加した。さらに2時間−78℃で攪
拌した後、飽和NH4 Cl溶液(8.0mL)を添加した。この反応混合物を飽
和NH4 Cl溶液(300mL)を含む分別ロート中に注いだ。その水層を分離
し、酢酸エチル(2×300mL)で洗浄した。有機層を合わせ、乾燥(Na2 SO4 )し、濾過し、真空濃縮して粗アルドール生産物12.01g(85%)
を白色固体として得た。 1H−NMR(CDCl3 )δ0.95(s,9H),
1.38−1.98(m,10H),5.53(s,1H),7.39(m,3
H),7.76(m,2H)。13C−NMRδ21.14,21.23,23.
59,25.32,30.99,31.22,35.69,86.68,111
.10,126.98,127.66,128.13,135.42,172.
54。
【0041】シス−(2S,5S)−2−(tert−ブチル)−5−フェニル−5−(シクロヘ クス−1−エン)−1,3−ジオキソラン−4−オン(3) : THF(300mL)中のシス−(2S,5S)−2−(tert−ブチル)−5
−フェニル−5−(シクロヘキシル−1−オール)−1,3−ジオキソラン−4
−オン(120g,37.8ミリモル)の0℃溶液にピリジン(30.6mL,
378ミリモル)次いで塩化チオニル(8.2mL,113.5ミリモル)を添
加した。この反応混合物を0℃で1時間攪拌した後、飽和NH4 Cl溶液(30
0mL)を添加した。2層を分離させ、その水層を酢酸エチル(2×200mL
)で洗浄した。有機層を合わせ、乾燥(Na2 SO4 )し、濾過し、真空濃縮し
て粗生産物を11.37g得た(96%)。 1H−NMR(CDCl3 )δ1.
03(s,9H),1.54−2.19(m,8H),5.17(s,1H),
6.07(m,1H),7.37(m,3H),7.55(m,2H)。13
−NMRδ22.10,22.60,23.78,23.90,24.43,2
5.30,34.45,86.35,107.38,126.20,127.4
8,128.40,132.66,136.91,171.86。
【0042】シス−(2S,5S)−2−(tert−ブチル)−5−フェニル−5−(シクロヘ キシル)−1,3−ジオキソラン−4−オン(5) : メタノール(35mL)中のシス−(2S,5S)−2−(tert−ブチル)−
5−フェニル−5−(シクロヘクス−1−エン)−1,3−ジオキソラン−4−
オン(2.34g,7.8ミリモル)の溶液に10%Pd/C(0.23g)を
添加した。この反応物を水素1ATMに曝し、6時間攪拌した。反応混合物をセ
ライトの詰め物を通して濾過し、真空濃縮して2.21gの粗生産物を得た(9
4%)。 1H−NMR(CDCl3 )δ0.92(s,9H),1.04−1.
80(m,11H),5.39(s,1H),7.34(m,3H),7.65
(m,2H)。13C−NMRδ23.73,26.13,26.15,26.2
8,26.33,28.23,35.78,48.61,85.35,110.
83,125.52,127.73,128.03,138.03,173.9
9。
【0043】(S)−CHPGA: メタノール(105mL)中のシス−(2S,5S)−2−(tert−ブチル)
−5−フェニル−5−(シクロヘキシル)−1,3−ジオキソラン−4−オン
(11.44g,37.9ミリモル)の溶液にKOHの1.8M溶液(105m
L,5当量)を添加した。この反応物を2.5時間還流した。室温まで冷やした
後、揮発性物質(メタノール)を真空下に除去し、水性反応混合物を酢酸エチル
(50mL)で洗浄した。その水層を1N塩酸でpH1の酸性とし、得られた混
合物を酢酸エチル(2×200mL)で洗浄した。有機層を合わせ、乾燥(Na 2 SO4 )し、濾過し、真空濃縮して粗(S)−CHPGAの7.9gを得た(
89%,91.6% e.e.)。
【0044】 得られた灰色がかった白色の固体を65℃の温度でトルエン36.4mLに溶
解した。この温かい溶液にオーバーヘッド機械式攪拌機を用い42mLのヘプタ
ンを10分間かけて添加した。この溶液を徐々に0℃まで冷やすと白色の結晶が
生成した。0℃で1時間攪拌した後、反応内容物を濾過して6.0gの(S)−
CHPGA(67%,99.8% e.e.)を得た。 1H−NMR(CDCl3 )δ
1.01−1.82(m,10H),2.25(m,1H),7.32(m,3
H),7.63(m,2H)。13C−NMRδ25.57,26.27,26.
42,27.52,81.15,126.10,127.85,128.24,
140.03,180.97。
【0045】還元前に鹸化するプロセス (S)−シクロヘキセニルフェニルグリコール酸(4): THF(27mL)中のシス−(2S,5S)−2−(tert−ブチル)−5−
フェニル−5−(シクロヘクス−1−エン)−1,3−ジオキソラン−4−オン
(2.9g,9.9ミリモル)の溶液にKOHの1.8M溶液(27mL,5当
量)を添加した。この反応物を7時間還流した。室温まで冷却した後、反応混合
物をヘプタン(75mL×2)で洗浄した。その水層を1N塩酸でpH1の酸性
とし、得られた混合物を酢酸エチル(2×75mL)で洗浄した。有機層を合わ
せ、乾燥(Na2 SO4 )し、濾過し、真空濃縮して粗(S)−シクロヘキセニ
ルフェニルグリコール酸の1.19gを得た(51%,98.3% e.e.)。 1
−NMR(CDCl3 )δ1.04−1.68(m,4H),2.00−2.0
9(m,4H),5.70(m,1H),7.27(m,3H),7.56(m
,2H)。13C−NMRδ22.11,22.97,24.88,25.46,
82.40,127.12,127.27,128.22,128.25,13
8.05,179.24。
【0046】(S)−CHPGA: メタノール(16mL)中の(S)−シクロヘキセニルフェニルグリコール酸
(1.11g,4.78ミリモル)の溶液に10%Pd/C(0.11g)を添
加した。この反応物を水素1ATMに曝し、18時間攪拌した。反応混合物をセ
ライトの詰め物を通して濾過し、真空濃縮して1.01gの(S)−CHPGA
を得た(91%,98.3% e.e.)。
【0047】単離せずにアルドール反応、脱離反応及び鹸化反応を結合するプロセス シス−(2S,5S)−2−(tert−ブチル)−5−フェニル−1,3−ジオキ ソラン−4−オン((SS)−1): ペンタン(150mL)中の(S)−(+)−マンデル酸(10.0g,65
.7ミリモル)の懸濁液にピバルアルデヒド(8.56mL,78.8ミリモル
)を添加した後、室温でメタンスルホン酸(213μL,3.2ミリモル)を添
加した。この反応フラスコにディーン−スターク・トラップを添加した。この混
合物を65℃まで温め、5.5時間還流させた。この反応混合物を室温まで冷却
し、酢酸エチル(200mL)を添加し、この溶液をNaHCO3 (150mL
)で洗浄し、真空濃縮して白色の固体を得た。この粗物質を熱酢酸エチルの50
mLに溶解しそして0℃まで冷却した。生成した固体を濾過により集め、乾燥し
て生産物9.95g(69%)を得た。
【0048】(S)−シクロヘキセニルフェニルグリコール酸((S)−4): リチウムビス(トリメチルシリル)−アミド(147.6mL,147.6ミ
リモル,ヘキサン中1.0M)の−78℃溶液にシス−(2S,5S)−2−(
tert−ブチル)−5−フェニル−1,3−ジオキソラン−4−オン((SS)−
1)(25.0g,113.5ミリモル,172mLのTHFに溶解)を添加し
た。この反応混合物を−78℃で0.5時間攪拌した後、シクロヘキサノン(1
6.47mL,158.9ミリモル)を添加した。−78℃に2時間置いた後、
塩化チオニル(28.97mL,397.2ミリモル)を添加し、次いでピリジ
ン(41.3mL,510.7ミリモル)を添加し、−78℃でさらに30分間
反応物を攪拌した。この反応混合物を0℃まで徐々に温め、さらに4時間攪拌し
た後、120mLのH2 Oに溶解したKOH(99.5g,1.7モル)を添加
した。反応混合物を蒸留して275mLの溶媒を除去した。この反応混合物に7
5mLのメタノールを添加し6時間還流した。反応物を室温まで冷やし、ヘプタ
ン(100mL×2)で洗浄した。その水層を6N塩酸でpH2の酸性とした。
濾過により褐色の結晶を集め、真空乾燥して21.5gの(S)−4を得た(8
1%,96.7% e.e.)。
【0049】CHPGA: メタノール(24mL)中のシス−(2S,5S)−2−(tert−ブチル)−
5−フェニル−5−(シクロヘクス−1−エン)−1,3−ジオキソラン−4−
オン(S−4)(2.4g,10.3ミリモル)の溶液に10%Pd/C(0.
24g)を添加した。この反応物を水素1ATMに曝し、18時間攪拌した。こ
の反応混合物をセライトの詰め物を通して濾過し、10mLのメタノールを用い
て濾過ケーキを洗浄した。その溶媒を蒸留して20mLの容積とし、その後トル
エン40mLを添加した。これを3回繰り返し、最後の蒸留では溶媒(トルエン
)の最終容量は11mLであった。この混合物を65℃まで温め、それに12.
9mLのヘプタンを添加した。混合物を徐々に室温まで冷却し、次いで0℃で2
時間冷却した。濾過により結晶を集め、乾燥して純粋な(S)−CHPGA2.
11gを得た(87%,99% e.e.)。
【0050】環化/アルドール工程及び脱離/鹸化工程の結合プロセス シス−(2S,5S)−2−(tert−ブチル)−5−フェニル−5−(シクロヘ キシル−1−オール)−1,3−ジオキソラン−4−オン((S)−2): ペンタン(250mL)中の(S)−(+)−マンデル酸(25.0g,16
4ミリモル)の懸濁液にピバルアルデヒド(21.3mL,196ミリモル)を
添加し、次いで室温でトリフルオロメタンスルホン酸(625μL,7.0ミリ
モル)を添加した。この反応フラスコにディーン−スターク・トラップを添加し
た。この混合物を65℃まで温め、4時間還流させた。反応の完了を判断した後
、重炭酸ナトリウム水溶液(100mLの水中13.77g)を添加し、次いで
ペンタンを蒸留により除去した。生成した白色の固体を濾過により集めて生産物
であるジオキソロン(S,S)−1を34.2g(95%)得た。
【0051】 リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(ヘキサン中1.0Mの77.94
mL,77.94ミリモル)の−78℃溶液に(S,S)−1(59.96ミリ
モル,90.8mLのTHFに溶解)を添加した。この反応混合物を−78℃で
0.5時間攪拌した後、シクロヘキサノン(8.70mL,83.9ミリモル)
を添加した。この反応物を−78℃でさらに2時間攪拌した後、5%NaClを
含む10%NaH2 PO4 溶液の13.2mLで反応を停止させた。反応混合物
を10%NaH2 PO4 溶液(174mL)を含む分別ロート中に手早く注いだ
。その有機層を分離し、真空濃縮して粗アルドール生産物を白色固体として得た
。この白色固体を80℃でヘプタン中の1%THF135mLに溶解した。この
溶液を0℃まで徐々に冷却し、2時間攪拌した後、白色結晶を濾過し、乾燥して
14.4gのアルドレート(S,S)−2を得た(76%収率、>99.9% d
.e.)。
【0052】 THF(332mL)中の(S,S)−2(31.8g,100ミリモル)の
0℃溶液に塩化チオニル(21.2mL,291ミリモル)を添加した。10分
後、ピリジン(37.8mL,468ミリモル)を0℃でゆっくり添加した。こ
の反応混合物を0℃で15分間攪拌した後、飽和NH4 Cl溶液(250mL)
を添加した。底層(水層)を除去し、上層(有機層)を120mLの水中のKO
H(29.1g,520ミリモル)で処理した。この反応混合物を蒸留して30
0mLの溶媒を除去した。メタノール(60mL)を添加し、反応物を95℃で
2時間還流した。この反応物をヘプタン(60mL)で洗浄し、その水層を6N
塩酸でpH2の酸性とした。白色の沈澱を濾過により集め、乾燥して(S)−4
の21.5gを得た(93%、99.96% e.e.)。
【0053】 メタノール(100mL)中のシス−(2S,5S)−2−(tert−ブチル)
−5−フェニル−5−(シクロヘクス−1−エン)−1,3−ジオキソラン−4
−オン((S)−4)(18.0g,77.58ミリモル)に10%Pd/C(
0.54g,3モル%)を添加した。この反応物を30psiの水素に曝し、1
8時間攪拌した。この反応混合物をソルカ・フロークの詰め物を通して濾過し、
20mLのメタノールを用いて濾過ケーキを洗浄した。この溶媒を95℃で蒸留
して9mLの容量とした後、100mLのH2 Oをゆっくり添加した。この混合
物を室温まで徐々に冷却し、次いで0℃で2時間放置した。濾過により固体を集
め、乾燥して17.2gの(S)−CHPGAを得た(95%、100% e.e.)
。 [α] D 20 =+26.23(c=0.017,エタノール)。
【0054】ラセミ合成のためのプロセス 2−(ジメチル)−5−フェニル−1,3−ジオキソラン−4−オン: 100mLの丸底フラスコに攪拌棒とマグネティックスターラーを装備した。
(S)−マンデル酸(5.0g,32.8ミリモル)及びアセトン(15mL)
を室温で添加した。この反応混合物を−10℃に冷却し、それにH2 SO4 (3
.17g,32.8ミリモル)を滴下しながら添加した。−10℃で1時間後、
反応内容物をK2 CO3 (60mLの水中の8.3g)の氷冷溶液中に注いだ。
白色の沈澱物を濾過し、1Nの水酸化ナトリウム(20mL)及びH2 O(20
mL)で逐次洗浄した。一晩乾燥した後、2−(ジメチル)−5−フェニル−1
,3−ジオキソラン−4−オンの5.4g(93%)が白色の固体として得られ
た。
【0055】2−(ジメチル)−5−フェニル−5−(シクロヘキシル−1−オール)−1, 3−ジオキソラン−4−オン: 乾燥THFの16mL中のリチウムビス−(トリメチルシリル)アミド(2.
98mL,2.98ミリモル,ヘキサン中1.0M)の−78℃溶液に、3mL
のTHFに溶解した2−(ジメチル)−5−フェニル−1,3−ジオキソラン−
4−オン(0.50g,2.84ミリモル)を添加した。この反応混合物を−7
8℃で0.5時間攪拌した後、シクロヘキサノン(0.32mL,3.2ミリモ
ル)を添加した。−78℃で1時間後、ピリジン(2.29mL,28.4ミリ
モル)を添加し、次いでSOCl2 (0.31mL,4.26ミリモル)を添加
し、この反応物を−78℃でさらに30分間攪拌した。この反応混合物を徐々に
0℃まで温め、さらに1時間攪拌した。この反応混合物を飽和NH4 Cl(10
mL)を含む分別ロート中に注いだ。このTHF層を真空濃縮し、3%酢酸エチ
ル/ヘキサンを溶出液として用いるシリカゲルでクロマトグラフィーを行い、純
粋な2−(ジメチル)−5−フェニル−5−(シクロヘキシル−1−オール)−
1,3−ジオキソラン−4−オンの0.495g(64%)を得た。
【0056】シクロヘキセニルフェニルグリコール酸: メタノール(7mL)中の2−(ジメチル)−5−フェニル−5−(シクロヘ
キシル−1−オール)−1,3−ジオキソラン−4−オン(0.285g,1.
048ミリモル)の溶液に、KOHの1.8M溶液(7mL,12当量)を添加
した。この反応物を2時間還流した。室温まで冷やした後、反応混合物をジエチ
ルエーテル(20mL)で洗浄した。その水層を1N塩酸でpH1の酸性とし、
得られた混合物を酢酸エチル(30mL)で洗浄した。その有機層を乾燥(Mg
SO4 )し、濾過し、真空濃縮して粗シクロヘキセニルフェニルグリコール酸の
0.2g(82%)を白色固体として得た。
【0057】CHPGA: メタノール(5mL)中のシクロヘキセニルフェニルグリコール酸(0.15
g,0.687ミリモル)の溶液に10%Pd/C(0.03g)を添加した。
この反応混合物を1ATMの水素に曝し、18時間攪拌した。反応混合物をセラ
イトの詰め物を通して濾過し、真空濃縮して、粗CHPGAの142mg(94
%)を白色固体として得た。
【0058】置換されたアセトアルデヒドとしてジフェニルアセトアルデヒドを用いるプロセ ス: シス−(2S,5S)−2−(ジフェニルメチレン)−5−フェニル−1,3− ジオキソラン−4−オン〔(1),R1 =CH(Ph)2 〕: ペンタン(60mL)中の(S)−(+)−マンデル酸(3.0g,19.7
ミリモル)の懸濁液に、(2,2)−ジフェニルエタナール(6.55mL,2
3.7ミリモル)を添加した後、室温でメタンスルホン酸(75μL,0.84
ミリモル)を添加した。この反応フラスコにディーン−スターク・トラップを添
加した。この混合物を65℃まで温め、4.0時間還流した。その反応混合物を
室温まで冷却し、酢酸エチル(50mL)を添加し、この溶液を飽和NaHCO 3 溶液(50mL)で洗浄し、真空濃縮して、白色の固体を得た。この粗物質の 1 H−NMR分析は58対42のジアステレオ選択性を示唆した。この粗物質を
2%酢酸エチル/ヘキサンでクロマトグラフィーを行い、一つのジアステレオマ
ーを得た。
【0059】シス−(2S,5S)−2−(ジフェニルメチレン)−5−フェニル−5−(シ クロヘキシル−1−オール)−1,3−ジオキソラン−4−オン: リチウムビス−(トリメチルシリル)アミド(0.88mL,0.88ミリモ
ル,ヘキサン中1.0M)の−78℃溶液に、5mLのTHFに溶解したシス−
(2S,5S)−2−(ジフェニルメチレン)−5−フェニル−1,3−ジオキ
ソラン−4−オン(0.68ミリモル)を添加した。この反応混合物を−78℃
で0.5時間攪拌した後、シクロヘキサノン(0.098mL,0.93ミリモ
ル)を添加した。この反応物を−78℃でさらに2時間攪拌した後、その反応を
飽和NH4 Cl溶液(1.0mL)で停止させた。この反応混合物を飽和NH4 Cl溶液(15.0mL)を含む分別ロート中に手早く注いだ。その有機層を分
離し、真空濃縮して粗アルドール生産物0.223gを白色の固体として58%
の収率で得た(42%の s.m. が残った)。この粗物質の 1H−NMRは78対
22のジアステレオ選択性を示唆した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD ,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL, PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,S L,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4H006 AA01 AA02 AB20 AC11 AC41 AC46 AC81 BA25 BA61 BB14 BB31 BC14 BE01 BE10 BE20 BJ20 BJ50 BN10 BS10 4H039 CA19 CA40 CA42 CA61 CA62 CB10 CE20

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一つの鏡像異性体を豊富に含むアルキルフェニルグリコール
    酸を調製するプロセスであって、下記の逐次工程、すなわち (a) 置換されたアセトアルデヒドとマンデル酸の単一鏡像異性体とを縮 合させて5−フェニル−1,3−ジオキソラン−4−オンを形成させる工程 、 (b) 該5−フェニル−1,3−ジオキソラン−4−オンをアルキルケト ン又はアルキルアルデヒドと縮合させて5−(1−ヒドロキシアルキル)− 5−フェニル−1,3−ジオキソラン−4−オンを形成させる工程、 (c) 該5−(1−ヒドロキシアルキル)−5−フェニル−1,3−ジオ キソラン−4−オンを脱水和条件に曝して5−(1−アルケニル)−5−フ ェニル−1,3−ジオキソラン−4−オンを形成させる工程、 (d) 該5−(1−アルケニル)−5−フェニル−1,3−ジオキソラン −4−オンを加水分解してα−アルケニルフェニルグリコール酸を形成させ る工程、及び (e) 該α−アルケニルフェニルグリコール酸をα−アルキルフェニルグ リコール酸に還元する工程、 を含むプロセス。
  2. 【請求項2】 一つの鏡像異性体を豊富に含むアルキルフェニルグリコール
    酸を調製するプロセスであって、下記の逐次工程、すなわち (a) 置換されたアセトアルデヒドとマンデル酸の単一鏡像異性体とを縮 合させて5−フェニル−1,3−ジオキソラン−4−オンを形成させる工程 、 (b) 該5−フェニル−1,3−ジオキソラン−4−オンをアルキルケト ン又はアルキルアルデヒドと縮合させて5−(1−ヒドロキシアルキル)− 5−フェニル−1,3−ジオキソラン−4−オンを形成させる工程、 (c) 該5−(1−ヒドロキシアルキル)−5−フェニル−1,3−ジオ キソラン−4−オンを脱水和条件に曝して5−(1−アルケニル)−5−フ ェニル−1,3−ジオキソラン−4−オンを形成させる工程、 (d) 該5−(1−アルケニル)−5−フェニル−1,3−ジオキソラン −4−オンを還元して5−アルキル−5−フェニル−1,3−ジオキソラン −4−オンを形成させる工程、及び (e) 該5−アルキル−5−フェニル−1,3−ジオキソラン−4−オン を加水分解してα−アルキルフェニルグリコール酸を形成させる工程、 を含むプロセス。
  3. 【請求項3】 該置換されたアセトアルデヒドがピバルアルデヒド又はジフ
    ェニルアセトアルデヒドである、請求項1又は請求項2いずれかに記載のプロセ
    ス。
  4. 【請求項4】 ラセミのアルキルフェニルグリコール酸を調製するプロセス
    であって、下記の逐次工程、すなわち (a) アセトアルデヒド又は対称アルキルケトンとラセミのマンデル酸と を縮合させて5−フェニル−1,3−ジオキソラン−4−オンを形成させる 工程、 (b) 該5−フェニル−1,3−ジオキソラン−4−オンをアルキルケト ンをアルキルケトンまたはアルキルアルデヒドと縮合させて5−(1−ヒド ロキシアルキル)−5−フェニル−1,3−ジオキソラン−4−オンを形成 させる工程、 (c) 該5−(1−ヒドロキシアルキル)−5−フェニル−1,3−ジオ キソラン−4−オンを脱水和条件に曝して5−(1−アルケニル)−5−フ ェニル−1,3−ジオキソラン−4−オンを形成させる工程、 (d) 該5−(1−アルケニル)−5−フェニル−1,3−ジオキソラン −4−オンを加水分解してα−アルケニルフェニルグリコール酸を形成させ る工程、 (e) 該α−アルケニルフェニルグリコール酸を還元してα−アルキルフ ェニルグリコール酸を形成させる工程、 を含むプロセス。
  5. 【請求項5】 ラセミのアルキルフェニルグリコール酸を調製するプロセス
    であって、下記の逐次工程、すなわち (a) アセトアルデヒド又は対称アルキルケトンとラセミのマンデル酸と を縮合させて5−フェニル−1,3−ジオキソラン−4−オンを形成させる 工程、 (b) 該5−フェニル−1,3−ジオキソラン−4−オンとアルキルケト ン又はアルキルアルデヒドとを縮合させて5−(1−ヒドロキシアルキル) −5−フェニル−1,3−ジオキソラン−4−オンを形成させる工程、 (c) 該5−(1−ヒドロキシアルキル)−5−フェニル−1,3−ジオ キソラン−4−オンを脱水和条件に曝して5−(1−アルケニル)−5−フ ェニル−1,3−ジオキソラン−4−オンを形成させる工程、 (d) 該5−(1−アルケニル)−5−フェニル−1,3−ジオキソラン −4−オンを還元して5−アルキル−5−フェニル−1,3−ジオキソラン −4−オンを形成させる工程、及び (e) 該5−アルキル−5−フェニル−1,3−ジオキソラン−4−オン を加水分解してα−アルキルフェニルグリコール酸を形成させる工程、 を含むプロセス。
  6. 【請求項6】 該対称アルキルケトンがアセトンである、請求項4又は請求
    項5いずれかに記載のプロセス。
  7. 【請求項7】 該アルキルケトンがシクロヘキサノンである、請求項1,2
    ,4又は5いずれか1項に記載のプロセス。
  8. 【請求項8】 アルデヒド又はケトンとマンデル酸との該縮合工程が酸触媒
    を用いるものである、請求項1,2,4又は5いずれか1項に記載のプロセス。
  9. 【請求項9】 該酸触媒がメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン
    酸及びトルエンスルホン酸から成る群より選択されるものである、請求項8記載
    のプロセス。
  10. 【請求項10】 アセトンとマンデル酸との縮合工程が硫酸の添加により触
    媒されるものである、請求項6記載のプロセス。
  11. 【請求項11】 5−フェニル−1,3−ジオキソラン−4−オンが約1当
    量の塩基の存在下にアルキルケトン又はアルキルアルデヒドと縮合させるもので
    ある請求項1,2,4又は5いずれか1項に記載のプロセス。
  12. 【請求項12】 該塩基がリチウムアミドであり且つ該プロセスが周囲温度
    より低い温度で行われるものである、請求項11記載のプロセス。
  13. 【請求項13】 5−(1−ヒドロキシアルキル)−5−フェニル−1,3
    −ジオキソラン−4−オンを脱水和条件に曝す該工程が該5−(1−ヒドロキシ
    アルキル)−5−フェニル−1,3−ジオキソラン−4−オンを塩化チオニル及
    びピリジンで逐次処理する工程を含むものである、請求項1,2,4又は5いず
    れか1項に記載のプロセス。
  14. 【請求項14】 該5−(1−アルケニル)−5−フェニル−1,3−ジオ
    キソラン−4−オンを加水分解する工程がアルコール性溶媒又は極性非プロトン
    性溶媒中での水性アルカリ金属水酸化物への暴露により達成されるものである、
    請求項1又は請求項4記載のプロセス。
  15. 【請求項15】 該5−アルキル−5−フェニル−1,3−ジオキソラン−
    4−オンを加水分解する工程がアルコール性溶媒又は極性非プロトン性溶媒中で
    の水性アルカリ金属水酸化物への暴露により達成されるものである、請求項2又
    は請求項5記載のプロセス。
  16. 【請求項16】 該α−アルケニルフェニルグリコール酸を還元する工程が
    貴金属触媒の存在下に水素ガスへの曝露により達成されるものである、請求項1
    又は請求項4記載のプロセス。
  17. 【請求項17】 該5−(1−アルケニル)−5−フェニル−1,3−ジオ
    キソラン−4−オンを還元する工程が貴金属触媒の存在下に水素ガスへの曝露に
    より達成されるものである、請求項2又は請求項5記載のプロセス。
  18. 【請求項18】 該アルキルケトンがシクロヘキサノンであり、該マンデル
    酸が(S)−(+)−マンデル酸であり、5−フェニル−1,3−ジオキソラン
    −4−オンとアルキルケトン又はアルキルアルデヒドとの該縮合工程がリチウム
    アミドを用いるものであり、且つ該プロセスが−40℃より低い温度で行われ、
    それにより(S)鏡像異性体の豊富なシクロヘキシルフェニルグリコール酸が製
    造されるものである、請求項3記載のプロセス。
  19. 【請求項19】 該アルキルケトンがシクロヘキサノンであり、該マンデル
    酸が(R)−(−)−マンデル酸であり、5−フェニル−1,3−ジオキソラン
    −4−オンとアルキルケトン又はアルキルアルデヒドとの該縮合工程がリチウム
    アミドを用いるものであり、且つ該プロセスが−40℃より低い温度で行われ、
    それにより(R)鏡像異性体の豊富なシクロヘキシルフェニルグリコール酸が製
    造されるものである、請求項3記載のプロセス。
  20. 【請求項20】 該アルキルケトンがシクロヘキサノンであり、該マンデル
    酸が(S)−(+)−マンデル酸であり、5−フェニル−1,3−ジオキソラン
    −4−オンとアルキルケトン又はアルキルアルデヒドとの該縮合工程がリチウム
    アミドを用いるものであり、且つ該プロセスが−20℃より高い温度で行われ、
    それにより(R)鏡像異性体の豊富なシクロヘキシルフェニルグリコール酸が製
    造されるものである、請求項3記載のプロセス。
  21. 【請求項21】 50% e.e. より大きなシクロヘキシルフェニルグリコー
    ル酸の鏡像異性体を調製するための請求項1記載のプロセスであって、下記の逐
    次工程、すなわち (a) ピバルアルデヒド又はジフェニルアセトアルデヒドとマンデル酸の 単一鏡像異性体とをスルホン酸触媒の存在下に縮合させて対応する5−フェ ニル−1,3−ジオキソラン−4−オンを形成させる工程、 (b) 該5−フェニル−1,3−ジオキソラン−4−オンをシクロヘキサ ノンとリチウムアミドの存在下に−40℃より低い温度で縮合させて、一方 のジアステレオマーの豊富な5−(1−ヒドロキシシクロヘキシル)−5− フェニル−1,3−ジオキソラン−4−オンを形成させる工程、 (c) 該5−(1−ヒドロキシシクロヘキシル)−5−フェニル−1,3 −ジオキソラン−4−オンを塩化チオニル次いでピリジンに逐次曝露して5 −(1−シクロヘキセニル)−5−フェニル−1,3−ジオキソラン−4− オンを形成させる工程、 (d) 該5−(1−シクロヘキセニル)−5−フェニル−1,3−ジオキ ソラン−4−オンを水性アルカリ金属水酸化物で加水分解してα−シクロヘ キセニルフェニルグリコール酸を形成させる工程、及び (e) 該α−シクロヘキセニルフェニルグリコール酸を貴金属触媒の存在 下に水素ガスで還元して単一鏡像異性体の豊富なα−シクロヘキシルフェニ ルグリコール酸を形成させる工程、 を含むプロセス。
  22. 【請求項22】 該マンデル酸が(S)−(+)−マンデル酸であり、それ
    によりS鏡像異性体の豊富なシクロヘキシルフェニルグリコール酸が製造される
    ものである、請求項21記載のプロセス。
  23. 【請求項23】 シクロヘキシルフェニルグリコール酸の50% e.e. より
    大きな鏡像異性体を調製するための請求項2記載のプロセスであって、下記の逐
    次工程、すなわち (a) ピバルアルデヒド又はジフェニルアセトアルデヒドとマンデル酸の 単一鏡像異性体とをスルホン酸触媒の存在下に縮合させて対応する5−フェ ニル−1,3−ジオキソラン−4−オンを形成させる工程、 (b) 該5−フェニル−1,3−ジオキソラン−4−オンとシクロヘキサ ノンとをリチウムアミドの存在下に−40℃より低い温度で縮合させて、一 方のジアステレオマーが豊富な5−(1−ヒドロキシシクロヘキシル)−5 −フェニル−1,3−ジオキソラン−4−オンを形成させる工程、 (c) 該5−(1−ヒドロキシシクロヘキシル)−5−フェニル−1,3 −ジオキソラン−4−オンを塩化チオニル次いでピリジンに逐次曝露して5 −(1−シクロヘキセニル)−5−フェニル−1,3−ジオキソラン−4− オンを形成させる工程、 (d) 該5−(1−シクロヘキセニル)−5−フェニル−1,3−ジオキ ソラン−4−オンを貴金属触媒の存在下に水素ガスで還元して5−シクロヘ キシル−5−フェニル−1,3−ジオキソラン−4−オンを形成させる工程 、及び (e) 該5−シクロヘキシル−5−フェニル−1,3−ジオキソラン−4 −オンを水性アルカリ金属水酸化物で加水分解して単一鏡像異性体の豊富な α−シクロヘキシルフェニルグリコール酸を形成させる工程、 を含むプロセス。
  24. 【請求項24】 該マンデル酸が(S)−(+)−マンデル酸であり、それ
    によりS鏡像異性体の豊富なシクロヘキシルフェニルグリコール酸が製造される
    ものである、請求項23記載のプロセス。
  25. 【請求項25】 下記の構造式より成る群から選択される化合物であって、 【外1】 1 が炭素数1〜10のアルキル又は総炭素数4〜20の置換されたアルキルで
    ある化合物。
  26. 【請求項26】 下記構造式の請求項25記載の化合物。 【外2】
  27. 【請求項27】 下記構造式の請求項25記載の化合物。 【外3】
  28. 【請求項28】 下記構造式の請求項25記載の化合物。 【外4】
  29. 【請求項29】 下記構造式の請求項25記載の化合物。 【外5】
  30. 【請求項30】 R1 がt−ブチルである請求項26〜請求項28いずれか
    1項に記載の化合物。
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