JPH09255080A - 大型槽体 - Google Patents

大型槽体

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JPH09255080A
JPH09255080A JP8062216A JP6221696A JPH09255080A JP H09255080 A JPH09255080 A JP H09255080A JP 8062216 A JP8062216 A JP 8062216A JP 6221696 A JP6221696 A JP 6221696A JP H09255080 A JPH09255080 A JP H09255080A
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JP
Japan
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tank body
fraction
large tank
tank
curvature
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JP8062216A
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English (en)
Inventor
Hideki Hamanaka
英機 浜中
Koji Ichikawa
康治 市川
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 必要とされる成形金型の数が少なく、しかも
種々の容量の大型槽体を容易に製作することができる大
型槽体の構造を提供することと、コンパクトでありなが
ら、容量が大きい大型槽体を提供とすること。 【解決手段】 組み合わされてことにより、大型槽体2
の胴部を構成する同一形状を持つ複数の湾曲された第1
分画4と、第1分画4と異なる同一形状を持ち、組み合
わされることにより、大型槽体2の端板部を構成する複
数の湾曲された第2分画6とを有する。これら分画4,
6はポリノルボルネン系樹脂で成形される。胴部の横断
面における槽体の高さをHとし、槽体の幅をWとし、槽
体の側壁の曲率半径をR1 とした場合に、1.0≦R1
/W≦2.0および1.0≦R1/H≦2.0が成り立
つことが好ましい。Wは1800〜2500mm、Hは
2000〜3000mmである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば防火用水
槽、非常時の飲料用水槽、浄化槽などとして用いること
ができる大型槽体に関する。
【0002】
【従来の技術】火事や地震などの災害に際しての備えと
して、防火用水槽あるいは非常時の飲料用水槽の重要性
が高まってきている。これらの水槽は、従来では、コン
クリート、鋼板、または繊維強化不飽和ポリエステル樹
脂(FRP)などで構成されている。これらの水槽は、
用地を有効に利用するためと地震で破壊されにくいよう
に、地下に設置されることが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、コンク
リート水槽を地下に設置することは、工事が大がかりに
なり、コストが増大する。また、コンクリート製水槽で
は、飲料水として保存するには適さない場合もある。な
お、特開昭54−102,049号公報に示すように、
プレストリスドコンクリート製貯水槽が提案されている
が、現場施工が困難なことから、運搬が煩雑で工事費も
かさむ。
【0004】また、FRP製水槽では、大型の耐圧性金
型は高価で、プレス成形法は実用性がないことから、常
圧成形のハンドレイアップ法が行なわれる。しかし、施
工時にガラス繊維粉が舞い、作業環境が悪く、槽体、特
に角部の肉厚のばらつきが生じ易く、槽体の機械的強度
の確保が困難であった。
【0005】そこで、このような槽体をノルボルネン系
モノマーの反応射出成形体で成形することが検討されて
いる。ノルボルネン系モノマーの反応射出成形体は、耐
食性および耐衝撃性に優れ(耐衝撃性はFRPの20〜
40倍)、しかも常圧に近い低圧で成形できるので大型
金型を用いる成形が容易であることから、槽体を構成す
る材質として好適である。
【0006】ところが、防火用水槽、非常時の飲料用用
水槽、浄化槽などとして用いられる大型槽体は、その用
途や設置場所などにより、必要とされる容量がまちまち
である。したがって、各種の大きさの槽体をその都度設
計し、金型を製作していたのでは、製造コストが増大す
る。
【0007】また、大型槽体では、コンパクトでありな
がら、容量が大きい槽体が望まれている。本発明は、こ
のような実状に鑑みてなされ、必要とされる成形金型の
数が少なく、しかも種々の容量の大型槽体を容易に製作
することができる大型槽体の構造を提供することを第1
の目的とする。また、本発明は、コンパクトでありなが
ら、容量が大きい大型槽体を提供とすることを第2の目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、本発明に係る大型槽体は、組み合わされてこ
とにより、大型槽体の胴部を構成する同一形状を持つ複
数の湾曲された第1分画と、前記第1分画と異なる同一
形状を持ち、組み合わされることにより、大型槽体の端
板部を構成する複数の湾曲された第2分画とを有する。
【0009】前記第1分画および/または第2分画が、
反応射出成形により得られるポリノルボルネン系樹脂で
構成してあることが好ましい。上記第2の目的を達成す
るために、本発明に係る大型槽体は、複数の前記第1分
画で構成される大型槽体の胴部の横断面における槽体の
高さをHとし、槽体の幅をWとし、槽体の側壁の曲率半
径をR1 とした場合に、1.0≦R1 /W≦2.0およ
び1.0≦R1 /H≦2.0が成り立つことが好まし
い。さらに好ましくは、1.4≦R1 /W≦1.7およ
び1.4≦R1 /H≦1.7である。
【0010】本発明に係る大型槽体では、大型槽体の胴
部を構成する同一形状を持つ複数の湾曲された第1分画
の組合わせ数を増減することで、容量を自由に設定する
ことができる。したがって、本発明の大型槽体では、種
々の容量の大型槽体を、二種類の第1分画と第2分画と
を組み合わせて構成することができる。二種類の分画の
みで、大型槽体を構成することができるので、金型も二
種類のみを準備すればよく、金型の製作費が増大するこ
ともない。また、容量の変更も容易である。
【0011】第1分画および/または第2分画を、ノル
ボルネン系モノマーの反応射出成形体で成形すれば、得
られる大型槽体の耐食性および耐震性が向上する。本発
明に係る大型槽体において、大型槽体の胴部の横断面に
おける槽体の高さをHとし、槽体の幅をWとし、槽体の
側壁の曲率半径をR1 とした場合に、1.0≦R1 /W
≦2.0および1.0≦R1 /H≦2.0とすることが
好ましいことは、本発明者らにより見い出された。
【0012】1.0>R1 /Wまたは1.0>R1 /H
では、大型槽体の胴部の断面形状が円に近くなる。同じ
幅と同じ高さとでは、断面矩形に近い形状の方が断面積
が大きくなり、容量が大きい。また、2.0<R1 /W
または2.0<R1 /Hでは、大型槽体の胴部の断面形
状が矩形断面に近い形状となり、容量が増大するが、大
型槽体の機械的強度が不足する傾向にある。
【0013】本発明に係る第1分画および第2分画の肉
厚は、特に限定されないが、8mm以上であることが好ま
しい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る大型槽体を、
図面に示す実施形態に基づき、詳細に説明する。図1
は、本発明の一実施形態に係る大型槽体の概略図であ
る。
【0015】図1に示す実施形態に係る大型槽体2は、
たとえば防火用水槽として用いられるものであり、組み
合わされることにより、大型槽体の胴部を構成する同一
形状を持つ複数の湾曲された第1分画4と、第1分画4
とは異なる形状を持ち、組み合わされることにより、大
型槽体2の端板部を構成する複数の湾曲された第2分画
6とを有する。
【0016】第1分画4は、図2に示すように、横断面
がU字形状の湾曲板材で構成してあり、その縁の部分に
は、フランジ8が形成してある。フランジ8は、他の第
1分画4または第2分画6に形成されたフランジ8に接
合することができる。第2分画6は、図3に示すよう
に、大型槽体2の端板部の1/2部分を形成するような
形状を有し、その縁部には、フランジ8が形成してあ
る。フランジ8は、他の第2分画6または第1分画4に
形成されたフランジ8に接合することができる。
【0017】なお、第1分画4は、図2に示すような単
一部材で構成することなく、図4に示すように、二部材
4a,4aを接続することにより構成しても良い。二部
材4a,4aの接続部分にも、フランジ8が用いられ
る。また、第1分画4には、図5に示すように、マンホ
ールあるいは集水ピットとなるポート10を装着しても
良い。このポート10は、第1分画4と一体に成形して
も良いが、別体で成形し、第1分画4の壁面に穴をあけ
て取り付けても良い。ポート10を第1分画と一体に成
形する場合には、ポート10の部分を形成するための付
加的な金型を、第1分画4を成形するための金型に装着
するのみで良い。
【0018】大型槽体2の胴部を構成する第1分画4を
上下で組み合わせた形状を、図7(A)に示す。胴部の
横断面における槽体2の高さをHとし、槽体2の幅をW
とし、槽体2の側壁の曲率半径をR1 とする。同じ幅W
と同じ高さHとを備えた槽体を比べると、断面が矩形に
近い形状の方が断面積が大きくなり、容量が大きい。従
って1.0≦R1 /W≦2.0および1.0≦R1 /H
≦2.0が成り立つような形状であることが好ましく、
1.4≦R1 /W≦1.7及び1.4≦R1 /H≦1.
7が成立つ形状であることがより好ましい。
【0019】1.0>R1 /Wまたは1.0>R1 /H
では、大型槽体2の胴部の断面形状が図7(B)に示す
ように、半径D(=H=W)の円に近づく。また、2.
0<R1 /Wまたは2.0<R1 /Hでは、大型槽体2
の胴部の断面形状が矩形に近い形状となり、容量が増大
するが、大型槽体2の機械的強度が不足する傾向にあ
る。したがって、上記数値範囲の形状が好ましい。
【0020】ここで、槽体の幅Wは、1800〜250
0mm、好ましくは2000〜2300mmで、かつ槽
体の高さHは2000〜3000mm、好ましくは22
00〜2800mmである。WまたはHがそれぞれ18
00mmまたは2000mmより小さければ大型の槽体
が得られない。しかし、WおよびHがこれらの下限値を
越えるほどの大きさの第1分画4および第2分画6は、
従来の槽体材料のFRPでは、30〜100kgf/c
2 、100〜180°Cの高圧かつ高温の反応に耐え
る金型が高価すぎて実用化されない。本発明により、実
質上常圧かつ常温の反応射出成形法(RIM)によって
得られるポリノルボルネン系樹脂により上記の第1分画
4および第2分画6を工業的に製造することができるの
である。一方、WまたはHが各々2500mmまたは2
000mmを越えると強度確保のためには経済性に難点
がある。
【0021】また、槽体側壁の曲率半径R1 は、280
0〜5000mm、好ましくは3200〜4200mm
である。R1 が2800mmより小さいと槽体断面形状
が円に近くなり、5000mmより大きいと槽の角部近
傍が角形の断面形状になり、槽にかかる荷重によって生
ずる、図8(B)に示す槽側中央部の変位δが、図9か
ら判るように著大になり破壊の危険が生ずる。
【0022】なお、胴部の角部の曲率半径R2 は、成形
性からは、好ましくは350〜600mmの曲率半径、よ
り好ましくは450〜550mmの曲率半径を有するこ
とが望ましい。第1分画4相互、第2分画6相互、ある
いは第1分画4と第2分画6とを接続するためのフラン
ジ8の接続部の構造は、特に限定されないが、たとえば
図6に示す構造であることが好ましい。
【0023】図6に示す構造では、フランジ8の先端部
8aが、基端部に対して厚肉に構成してある。しかも、
フランジ8の先端部8aの合わせ面18が、基端部の合
わせ面20よりも突出するように構成してある。先端部
8aの合わせ面18と基端部の合わせ面20との段差S
は、好ましくは0.5〜2.5mm程度である。フランジ
8の先端部8aの厚みt1 は、フランジ8の基端部の厚
さをt2 とした場合に、t2 +2〜30mm(好ましくは
3〜15mm)であることが望ましい。基端部の厚さt2
は、フランジ8が形成される第1分画4または第2分画
6の厚さt3 と同程度である。
【0024】第1分画4または第2分画6の厚さt3
は、特に限定されないが、好ましくは8mm以上である。
8mm以上にすることで、大型槽体として要求される十分
な強度を持たせることができる。ただし、厚さt3 の上
限は、好ましくは30mm以下、より好ましくは20mm以
下、特に好ましくは15mm以下である。厚すぎると、第
1分画4および第2分画6を構成する成形体の製造が困
難になる。 フランジ8において、先端部の合わせ面1
8と基端部の合わせ面20との間には、接着剤溝16と
パッキン溝14とが形成してある。接着剤溝16には、
接着剤26が充填され、パッキン溝14には、パッキン
12が配置される。フランジ8,8相互は、パッキン1
2の外側位置で、ボルト22およびナット24により締
め付け固定される。接着剤26としては、ポリウレタン
系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、ポリアクリレート系
接着剤などを用いることができる。パッキンとしては、
ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、スチ
レン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、これらの発泡
体、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレン、ウレタン
エラストマー、シリコンゴム、軟質ポリ塩化ビニル(P
VC)などで構成されたものを用いることができる。
【0025】本実施形態では、フランジ8の先端部の厚
みt1 を厚くすることで、フランジ8の補強となり、フ
ランジ8の部分に外力が作用しても、その部分が破損す
るおそれが少なくなる。また、フランジ8の先端部の厚
みt1 を厚くすることで、その先端部の合わせ面18が
長手方向に沿って波打つ形状となることがなくなり、合
わせ面18の平滑化を図ることができる。
【0026】また、段差Sを設けることで、フランジ
8,8相互をボルト22およびナット24で締め付ける
際に、パッキン12が都合良く押し潰され、シール性が
向上する。本実施形態では、このようなフランジ8が形
成された第1分画4および第2分画6が、反応射出成形
法(RIM)によって得られるポリノルボルネン系樹脂
で構成される。特に、エラストマーで改質されたノルボ
ルネン系モノマーの開環重合体で構成されたものが好ま
しい。
【0027】エラストマーとしては、例えば、ポリブタ
ジエン、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ス
チレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SB
S)、ポリイソプレン、スチレン−イソプレン−スチレ
ンブロック共重合体(SIS)、エチレン−プロピレン
−ジエンターポリマー(EPT)などを挙げることがで
きる。
【0028】エラストマーの配合割合は、ノルボルネン
系モノマー100重量部に対して、1〜20重量部、好
ましくは2〜15重量部である。エラストマーの配合割
合が少ないと、可撓性が低下する。逆に、エラストマー
の配合割合が多すぎると、ガラス転移温度が低下し、か
つ、強度が低下するので好ましくない。
【0029】モノマーは、ジシクロペンタジエンやジヒ
ドロジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセン、ト
リシクロペンタジエン等のノルボルネン環を有するシク
ロオレフィンである。メタセシス触媒は、六塩化タング
ステン、トリドデシルアンモニウムモリブデート、トリ
(トリデシル)アンモニウムモリブデート等のモリブデ
ン酸有機アンモニウム塩等のノルボルネン系モノマーの
塊状重合用触媒として公知のメタセシス触媒であれば特
に制限はないが、モリブデン酸有機アンモニウム塩が特
に好ましい。
【0030】活性剤(共触媒)としては、エチルアルミ
ニウムジクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド等の
アルキルアルミニウムハライド、これらのアルコキシア
ルキルアルミニウムハライド、有機スズ化合物等が挙げ
られる。反応射出成形の前準備として、ノルボルネン系
モノマー、メタセシス触媒および活性剤を主材とする反
応射出成形用材料をノルボルネン系モノマーとメタセシ
ス触媒とよりなる液と、前記のノルボルネン系モノマー
と活性剤とよりなる液との安定な2液に分けて別の容器
に入れておく。反応射出成形に際しては、この2液を混
合し、次いで、この混合液を、金型のキャビティ内に注
入し、キャビティ内で塊状重合して、第1分画4および
第2分画6を得る。
【0031】反応射出成形に用いる金型は、必ずしも剛
性の高い高価な金型である必要はなく、金属製金型に限
らず、樹脂製金型、または単なる型枠を用いることがで
きる。ノルボルネン系樹脂の反応射出成形は、低粘度の
反応液を用い、比較的低温低圧で成形できるためであ
る。金型内は不活性ガスでシールし、重合反応に用いる
成分類は窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下で貯蔵し、
かつ操作することが好ましい。
【0032】金型温度は、好ましくは、10〜150
℃、より好ましくは、30〜120℃、さらに好ましく
は、50〜100℃である。金型圧力は通常0.1〜1
00Kg/cm2 の範囲である。重合時間は、適宜選択
すればよいが、通常、反応液の注入終了後、30秒〜2
0分、好ましくは、5分以下である。
【0033】本発明に係る第1分画4および第2分画6
は、反応射出成形法により得られるポリノルボルネン系
樹脂で構成してあるので、比較的大型の成形体を容易に
成形することができる。また、ポリノルボルネン系樹脂
は、比剛性は低いが比強度は高いという材料的特徴を利
用して、組合せ後の大型総体2として必要とされる十分
な耐圧を有することができる。
【0034】本実施形態に係る大型槽体2では、大型槽
体2の胴部を構成する同一形状を持つ複数の湾曲された
第1分画4の組合わせ数を増減することで、槽体2の容
量を自由に設定することができる。したがって、本実施
形態の大型槽体2では、種々の容量の大型槽体2を、二
種類の第1分画4と第2分画6とを組み合わせて構成す
ることができる。二種類の分画4,6のみで、大型槽体
2を構成することができるので、金型も二種類のみを準
備すればよく、金型の製作費が増大することもない。ま
た、槽体2の容量の変更も容易である。
【0035】また、本実施形態では、第1分画4および
第2分画6を、ノルボルネン系モノマーの反応射出成形
体で成形してあるので、得られる大型槽体2の耐食性お
よび耐震性が向上する。なお、本発明は、上述した実施
形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々
に改変することができる。
【0036】たとえば、本発明に係る大型槽体の用途
は、防火用水槽に限らず、非常時の飲料用水槽、浄化槽
などとして用いることができる。
【0037】
【実施例】以下、本発明をさらに具体的な実施例により
説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
図7(A)および図8(A),(B)に示す大型槽体の
胴部を構成する第1分画4のモデルにおいて、胴部の幅
Wを2300mmとし、胴部の高さHを2400mmとし、
図8(B)に示すように、上側の第1分画4の側面にF
1 =0.5トン/m2 の圧力を外部から加え、下側の第
1分画4の側面にF2 =1.0トン/m2 の圧力を外
部から加えて、胴部の中央部での撓み(最大変位)δを
計算した。
【0038】図7(A)に示す角部の曲率半径R2 =5
00mmで一定とし、第1分画4の厚みt3 =8.0mmで
一定とし、胴部側部の曲率半径R1 を、3200〜46
00mmの間で変化させたところ(R1 /W=1.4〜
2.0)、図9に示すように、曲率半径R1 を増大させ
るほど、最大変位δが大きくなることが確認された。し
たがって、R1 /W≦2.0およびR1 /H≦2.0が
好ましいことが確認された。また、胴部の断面積は、R
1 /W=1.4〜2.0において、5.053〜5.1
36m2 と変化し、R1 /Wが大きいほど大きくなるこ
とが確認された。
【0039】次に、図7(A)に示す側部の曲率半径R
1 =3200mmで一定とし、第1分画4の厚みt3
8.0mmで一定とし、角部の曲率半径R2 を、350〜
600mmの間で変化させたところ、図10に示すよう
に、曲率半径R2 を増大させても最大変位δがほとんど
変化せず、この部分の曲率が槽体の強度に寄与しないこ
とが確認された。
【0040】次に、図7(A)に示す側部の曲率半径R
1 =3200mmで一定とし、角部の曲率R2 =350mm
で一定とし、厚みt3 を、4〜16mmの間で変化させた
ところ、図11に示すように、厚みを増大させるほど、
最大変位δが小さくなり、強度が向上することが確認さ
れた。反応射出成形時の成形性を考慮すると、厚みt 3
は、8〜16mmが好ましい。
【0041】次に、図2,3に示す第1分画4と第2分
画6とを、以下の反応射出成形法で実際に成形した。反
応射出成形に際しては、ジシクロペンタジエン(DC
P)85%と、非対称型シクロペンタジエン三量体15
%を用い、これにスチレン−イソプレン−スチレンブロ
ック共重合体(クレイトン1170、シェル社製)を5
%とフェノール系の酸化防止剤であるイルガノックス1
010(チバガイギー社製)を2%溶解させ、これを2
つの容器に入れ、一方にはモノマーに対しジエチルアル
ミニウムクロリド(DEAC)を40ミリモル濃度、n
−プロパノールを44ミリモル濃度、四塩化ケイ素を2
0ミリモル濃度となるように添加した(A液)。他方に
は、モノマーに対しトリ(トリデシル)アンモニウムモ
リブデートを10ミリモル濃度となるように添加した
(B液)。
【0042】このようにして調製されたA液およびB液
を、それぞれギヤーポンプにて1対1の容積比となるよ
うにパワーミキサーに送液し、次いで、金型内に、金型
温度70℃および注入圧力2.0Kg/cm2 以下で注
入した。金型内では3分間の反応を行ない、これらの一
連の操作は、窒素雰囲気下で行った。
【0043】その後、金型より成形体を取り出して、図
2,3に示す第1分画4と第2分画6とを得た。これら
第1分画4と第2分画6とを組み合わせて、図1に示す
種々の容量の大型槽体2を製作した。
【0044】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明に係る
大型槽体によれば、大型槽体の胴部を構成する同一形状
を持つ複数の湾曲された第1分画の組合わせ数を増減す
ることで、容量を自由に設定することができる。したが
って、本発明の大型槽体では、種々の容量の大型槽体
を、二種類の第1分画と第2分画とを組み合わせて構成
することができる。二種類の分画のみで、大型槽体を構
成することができるので、金型も二種類のみを準備すれ
ばよく、金型の製作費が増大することもない。また、容
量の変更も容易である。
【0045】また、第1分画および/または第2分画
を、ノルボルネン系モノマーの反応射出成形体で成形す
れば、得られる大型槽体の耐食性および耐震性が向上す
る。また、本発明に係る大型槽体において、大型槽体の
胴部の横断面における槽体の高さをHとし、槽体の幅を
Wとし、槽体の側壁の曲率半径をR1 とした場合に、
1.0≦R1 /W≦2.0および1.0≦R1 /H≦
2.0とすることで、大型槽体のコンパクト化を図りつ
つ、大型槽体の機械的強度を低下させることなく、その
容量を最大限にすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施形態に係る大型槽体の概
略図である。
【図2】図2は図1に示す第1分画の斜視図である。
【図3】図3は図1に示す第2分画の斜視図である。
【図4】図4は第1分画の変形例を示す斜視図である。
【図5】図5は第1分画のその他の変形例を示す斜視図
である。
【図6】図6は接合部の一例を示す要部断面図である。
【図7】図7(A),(B)は大型槽体の胴部の横断面
図である。
【図8】図8(A),(B)は実施例で用いた第1分画
の応力解析のモデルを示す斜視図と断面図である。
【図9】図9は胴部の側部の曲率半径に対する最大変位
の変化を示すグラフである。
【図10】図10は胴部の角部の曲率半径に対する最大
変位の変化を示すグラフである。
【図11】図11は第1分画の厚さに対する最大変位の
変化を示すグラフである。
【符号の説明】
2… 大型槽体 4… 第1分画 6… 第2分画 8… フランジ H… 槽体の高さ W… 槽体の幅 R1 … 槽体の側壁の曲率半径 R2 … 槽体の角部の曲率半径 t3 … 槽体の厚さ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 胴部の横断面における槽の幅Wが180
    0〜2500mm、槽の高さHが2000〜3000m
    mの大型槽体であって、組み合わされることにより前記
    大型槽体の胴部を構成する同一の湾曲形状を持つ複数の
    第1分画と、前記第1分画と異なる湾曲形状を持ち、組
    み合わされることにより前記大型槽体の端板部を構成す
    る複数の第2分画を有し、前記第1分画および/または
    第2分画が、反応射出成形により得られるポリノルボル
    ネン系樹脂で形成されていることを特徴とする大型槽
    体。
  2. 【請求項2】 槽体の側壁の曲率半径R1 が2800〜
    4200mmで、かつ1.0≦R1 /W≦2.0および
    1.0≦R1 /H≦2.0であることを特徴とする請求
    項1に記載の大型槽体。
JP8062216A 1996-03-19 1996-03-19 大型槽体 Pending JPH09255080A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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