JP3380644B2 - 大型浄化槽 - Google Patents

大型浄化槽

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JP3380644B2
JP3380644B2 JP3270495A JP3270495A JP3380644B2 JP 3380644 B2 JP3380644 B2 JP 3380644B2 JP 3270495 A JP3270495 A JP 3270495A JP 3270495 A JP3270495 A JP 3270495A JP 3380644 B2 JP3380644 B2 JP 3380644B2
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紀夫 井口
勝一 逸見
建孔 山田
英次 吉田
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帝人メトン株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は軽量で衝突に対して強
く、且つ耐久性に優れた大型浄化槽に関するものであ
る。また本発明は繊維強化の必要もなく、リサイクルが
可能であり、さらに廃棄焼却処分時有害ガスを発生しな
い無公害な、一体成形された大型浄化槽に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、浄化槽の多くは繊維強化プラスチ
ック(FRP)を使用して成形されている。特にガラス
繊維で強化した不飽和ポリエステル樹脂を使用して成形
されている。このガラス繊維で強化した不飽和ポリエス
テル樹脂を用いて浄化槽を成形する場合、ガラス繊維を
含んだ大量の粉塵が発生し、作業環境が劣悪となる問題
があった。その上かかるFRPを使用した浄化槽は重量
も大きく、また運搬時落とした場合や施工時小石があた
った場合、その衝撃によって容易に割れ目が発生すると
いう欠点があった。さらにFRPの成形品は、ガラス繊
維入りのため廃棄時に破砕、粉砕が困難であり、また焼
却してもガラス繊維が大量に残りその処理に手間を要し
ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の第一の
目的は、従来のFRPを使用した浄化槽が有する諸問題
を解消した大型浄化槽を提供することにある。本発明の
第二の目的は、製造過程において環境問題を起こさず、
しかも反応射出成形法により比較的簡単に成形すること
ができる大型浄化槽を提供することにある。本発明の第
三の目的は、軽量でありその上衝撃に対して充分な強度
を有し、さらに設置後に内部および外部の圧力にも充分
耐え得る大型浄化槽を提供することにある。
【0004】本発明の第四の目的は、地中に埋設して使
用した場合でも、地上からの圧力に対して強く、地下水
による浮上防止に効果的な大型浄化槽を提供することに
ある。本発明の第五の目的は、浄化槽を設置し使用した
とき、浄化槽本体の膨れや凹みが小さく、形状の安定し
た大型浄化槽を提供することにある。本発明の第六の目
的は、浄化槽を運搬したり設置したりする際に、浄化槽
をフランジ部分で吊り上げる場合、フランジ部分が変形
せず安全に作業できる大型浄化槽を提供することにあ
る。
【0005】本発明の他の目的は、使用した樹脂成形品
のリサイクル使用が可能であり、また廃棄処理が容易な
大型浄化槽を提供することにある。本発明のさらに他の
目的は、大型浄化槽、特に合併型浄化槽として有利に利
用しうる大型浄化槽を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記本発明
の目的を解決するために鋭意研究を進めた結果、メタセ
シス重合触媒系(複分解触媒系)を用いてメタセシス重
合性環状オレフィンを金型内で重合および架橋反応せし
めることによって得られた架橋重合体を利用し、特定の
フランジ構造および特定の凹凸形状のリブを形成させる
ことにより、製造が容易で軽量化が可能で衝撃に対して
強く、短期的にも長期的にも耐久性および耐圧性を有
し、リサイクル可能の大型浄化槽を得ることができるこ
とを見い出し本発明に到達したものである。
【0007】すなわち、本発明によれば、上槽部および
下槽部より構成されるか或いは上槽部、下槽部およびそ
れらを連結する板状帯の中間槽部より構成される大型浄
化槽であって、該大型浄化槽は、(1)少なくとも上槽
部および下槽部は、メタセシス重合触媒系の触媒成分を
含有するメタセシス重合性環状オレフィンからなるモノ
マー液A(溶液A)とメタセシス重合触媒系の活性化剤
成分を含有するメタセシス重合性環状オレフィンからな
るモノマー液B(溶液B)とを混合し、その原料混合液
を金型内に注入しその金型内において重合および架橋反
応せしめることによって得られた架橋重合体成形品であ
り、(2)上槽部および下槽部、或いは上槽部、中間槽
部および下槽部は、互いに接合する部分に設けられたフ
ランジを介して接合するような構造を有し、そして
(3)該フランジは下記特性(i)および(ii)を満
しかつ接合する各々のフランジは一方のつばの先が他
方のつばの先端部を覆うように折れ曲がった構造である
ことを特徴とする大型浄化槽が提供される。 (i) 50≦L≦150 (ii) 4≦M≦20 [但し、Lはフランジ部のつばの長さをミリ単位で示
し、Mはフランジ部のつばの厚みをミリ単位で示す。]
【0008】さらに本発明によれば、上槽部および下槽
部より構成されるか或いは上槽部、下槽部およびそれら
を連結する板状帯の中間槽部より構成される大型浄化槽
であって、該大型浄化槽は、(1)前記架橋重合体成形
品であって、(2)上槽部および下槽部、或いは上槽
部、中間槽部および下槽部は、互いに接合する部分に設
けられたフランジを介して接合するような構造を有し、
そして(3)該フランジ部には、浄化槽外郭部本体と接
する部分に多数の補強リブを有し、かつその補強リブは
下記特性(a)〜(c)を満足することを特徴とする大
型浄化槽が提供される。 (a)20≦S≦200 (b)20≦S’≦150 (c)3≦T≦20 [但し、Sは浄化槽外郭部本体と接する部分の補強リブ
の長さミリ単位で示し、S’はフランジ部と接する補
強リブの長さをミリ単位で示し、Tは補強リブの厚みを
ミリ単位で示す。]
【0009】かかる本発明によれば槽容量が2m3
上、好ましくは3〜15m3、特に好ましくは3〜12
3の大型の浄化槽が提供される。
【0010】以下本発明についてさらに具体的に説明す
る。本発明の浄化槽を構成する架橋重合体を形成するた
めのメタセシス重合性環状オレフィンとしては、メタセ
シス重合性シクロアルケン基を分子中に1〜2個含有す
るものが使用される。好ましくはノルボルネン骨格を分
子中に少なくとも1つ有する化合物である。これらの具
体例としては、ジシクロペンタジエン、トリシクロペン
タジエン、シクロペンタジエン−メチルシクロペンタジ
エン共二量体、5−エチリデンノルボルネン、ノルボル
ネン、ノルボルナジエン、5−シクロヘキセニルノルボ
ルネン、1,4,5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,
7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,4−メタノ
−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタ
レン、6−エチリデン−1,4,5,8−ジメタノ−1,
4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、
6−エチリデン−1,4,5,8−ジメタノ−1,4,4a,
5,6,7,8,8a−ヘプタヒドロナフタレン、1,4,
5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−ヘキ
サヒドロナフタレン、エチレンビス(5−ノルボルネ
ン)などを挙げることができこれらの混合物も使用する
ことができる。特にジシクロペンタジエンまたはそれを
50モル%以上、好ましくは70モル%以上含む混合物
が好適に用いられる。
【0011】また、必要に応じて、酸素、窒素などの異
種元素を含有する極性基を有するメタセシス重合性環状
オレフィンを共重合モノマーとして用いることができ
る。かかる共重合モノマーも、ノルボルネン構造単位を
有するものが好ましく且つ極性基としてはエステル基、
エーテル基、シアノ基、N−置換イミド基、ハロゲン基
などが好ましい。かかる共重合モノマーの具体例として
は、5−メトキシカルボニルノルボルネン、5−(2−
エチルヘキシロキシ)カルボニル−5−メチルノルボル
ネン、5−フェニロキシメチルノルボルネン、5−シア
ノノルボルネン、6−シアノ−1,4,5,8−ジメタノ
−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタ
レン、N−ブチルナデック酸イミド、5−クロルノルボ
ルネンなどを挙げることができる。
【0012】本発明におけるモノマー液A(溶液A)中
には、メタセシス重合触媒系の触媒成分が含有されてい
る。かかる触媒成分としては、タングステン、レニウ
ム、タンタル、モリブデンなどの金属のハライドなどの
塩類が用いられるが、特にタングステン化合物が好まし
い。かかるタングステン化合物としては、タングステン
ヘキサハライド、タングステンオキシハライドなどが好
ましく、より具体的にはタングステンヘキサクロライ
ド、タングステンオキシクロライドなどが好ましい。ま
た、有機アンモニウムタングステン酸塩なども用いるこ
とができる。かかるタングステン化合物は、直接モノマ
ーに添加すると、直ちにカチオン重合を開始することが
分かっており好ましくない。従って、かかるタングステ
ン化合物は不活性溶媒、例えばベンゼン、トルエン、ク
ロロベンゼンなどに予め懸濁し、少量のアルコール系化
合物および/またはフェノール系化合物を添加すること
によって可溶化させて使用するのが好ましい。さらに上
述した如き、好ましくない重合を予防するためにタング
ステン化合物1モルに対し、約1〜5モルのルイス塩基
またはキレート化剤を添加することが好ましい。かかる
添加剤としてはアセチルアセトン、アセト酢酸アルキル
エステル類、テトラヒドロフラン、ベンゾニトリルなど
を挙げることができる。極性モノマーを用いる場合に
は、前述の如く、そのものがルイス塩基である場合があ
り、上記の如き化合物を特に加えなくてもその作用を有
している場合もある。前述の如くして、触媒成分を含む
モノマー液A(溶液A)は、実質上充分な安定性を有す
ることになる。
【0013】一方、本発明におけるモノマー液B(溶液
B)中には、メタセシス重合触媒系の活性化剤成分が含
有されている。この活性剤化成分は、周期律表第I〜第
III族の金属のアルキル化物を中心とする有機金属化
合物、特にテトラアルキル錫、アルキルアルミニウム化
合物、アルキルアルミニウムハライド化合物が好まし
く、具体的には塩化ジエチルアルミニウム、ジ塩化エチ
ルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、ジオクチ
ルアルミニウムアイオダイド、テトラブチル錫などを挙
げることができる。これら活性化剤成分としての有機金
属化合物をモノマーに溶解することにより、モノマー液
B(溶液B)が形成される。
【0014】基本的には前記溶液Aおよび溶液Bを混合
し、金型内に注入することによって、目的とする架橋重
合体の成形品を得ることができるが、上記組成のままで
は、重合反応が非常に速く開始されるので、成形金型に
十分流れ込まない間に硬化が起こることもあり、度々問
題となる場合が多い。従って、活性調節剤を用いること
が好ましい。かかる調節剤としては、ルイス塩基類が一
般に用いられ、なかんずく、エーテル類、エステル類、
ニトリル類などが用いられる。具体例としては安息香酸
エチル、ブチルエーテル、ジグライムなどを挙げること
ができる。かかる調節剤は一般的に、有機金属化合物の
活性化剤の成分の溶液(溶液B)の側に添加して用いら
れる。前述と同様にルイス塩基を有するモノマーを使用
する場合には、それを調節剤の役目を兼ねさせることが
できる。
【0015】メタセシス重合触媒系の使用量は、例えば
触媒成分としてタングステン化合物を用いる場合は、上
記原料モノマーに対するタングステン化合物の比率は、
モル基準で約1,000対1〜15,000対1、好まし
くは2,000対1の付近であり、また、活性化剤成分
はアルキルアルミニウム類を用いる場合には、上記原料
モノマーに対するアルミニウム化合物の比率は、モル基
準で約100対1〜10,000対1、好ましくは20
0対1〜500対1の付近が用いられる。さらに上述し
た如き、キレート剤や調節剤については、実験によって
上記触媒系の使用量に応じて、適宜調節して用いること
ができる。
【0016】本発明の成形品は、基本的には、前記した
溶液Aおよび溶液Bを混合して金型内へ注入することに
より得ることができる。その際溶液Aおよび溶液Bを混
合することによって形成されるメタセシス触媒系の触媒
活性は、両溶液を混合した時から混合液が流動性を失う
までの時間で表わすことができる。すなわち、この流動
性を失うまでの時間を、両溶液を攪拌機を備えたガラス
容器中に入れて混合を開始してからその攪拌機の攪拌軸
に溶液がゲル化して絡み出すまでの時間と定義すれば、
本発明の溶液Aおよび溶液Bは、30℃で前記流動性を
失う時間が1〜120秒、好ましくは2〜100秒の間
であることが望ましい。
【0017】本発明によって得られる架橋重合体の成形
品には、実用に当ってその特性を改良または維持するた
めに更にその目的に応じた各種添加剤を配合することが
できる。かかる添加剤としては、充填剤、顔料、酸化防
止剤、光安定剤、難燃剤、高分子改良剤などがある。こ
のような添加剤は、本発明の架橋重合体が成形されて後
は添加することが不可能であるから添加する場合には予
め前述した原料溶液に添加しておく必要がある。
【0018】その最も容易な方法としては、前記溶液A
および溶液Bのいずれかまたは両方に前もって添加して
おく方法を挙げることができるが、その場合、その液中
の反応性の強い触媒成分、活性化剤成分と実用上差支え
ある程度には反応せず、且つ重合を阻害しないものでな
くてはならない。どうしても、その反応が避け得ないも
のが共存しても、重合は実質的に阻害しないものの場合
は、モノマーと混合して、第三液を調製し、重合直前に
混合使用することもできる。また、重合触媒または活性
化剤を第三液とし、これを含まない溶液Aまたは溶液B
に上記添加物を添加する方法も考えられる。さらに、固
体の充填剤の場合であって、両成分が混合されて、重合
反応を開始する直前あるいは重合しながら、その空隙を
充分に埋め得る形状の物については、成形型内に、充填
しておくことも可能である。添加剤としての補強材また
は充填剤は、曲げモジュラスを向上するのに効果があ
る。かかるものとしては、ガラス繊維、雲母、カーボン
ブラック、ウオラストナイトなどを挙げることができ
る。これらを、いわゆるシランカップラーなどによって
表面処理したものを好適に使用できる。
【0019】また、本発明による成形物は、酸化防止剤
を添加しておくことが好ましく、そのため、フェノール
系またはアミン系の酸化防止剤を予め溶液中に加えてお
くことが望ましい。これら酸化防止剤の具体例として
は、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、N,N'
−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、テトラキス
[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
シンナメート)]メタンなどが挙げられる。
【0020】また、本発明の成形物は、他の重合体を成
形時にモノマー溶液状態の時に添加しておいて得ること
ができる。かかる重合体添加剤としてはエラストマーの
添加が、成形物の耐衝撃性を高めることおよび溶液の粘
度を調節する上で効果がある。かかる目的に用いられる
エラストマーとしては、スチレン−ブタジエン−スチレ
ントリブロックゴム、スチレン−イソプレン−スチレン
トリブロックゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、
ブチルゴム、エチレンプロピレン−ジエンターポリマ
ー、ニトリルゴムなど広範なエラストマーを挙げること
ができる。
【0021】本発明の浄化槽を成形するための型の材質
としては、スチール、鋳造あるいは鍛造のアルミニウ
ム、亜鉛合金などの鋳造や溶射、ニッケルや銅などの電
鋳および樹脂などが挙げられる。また型の構造は成形時
に型内に発生する圧力が数kg/cm2と他の成形方法
に比べて極めて低いので簡単なもので十分であり、従っ
て他の成形方法の型に比べて安価に作ることができる。
【0022】本発明の環状オレフィン架橋重合体成形品
の特長の一つは耐衝撃性の優れていることであり落下さ
せてもまた小石などの固形物が衝突しても容易に壊れる
ことはない。さらに本発明の成形品は基本的にはガラス
繊維などの補強材を特に用いる必要はない。そのため曲
げ弾性率はこれらの補強材を用いたものと比べて一般に
低くなる。これを解決する手段として、後述するように
縦方向に特定構造の凹凸状のリブを有していることが好
ましい。
【0023】浄化槽は一旦設置すると10〜20年以上
の長期にわたって使用されるものであり、またその内部
に水が入るので内部に水圧がかかり、さらに地下に埋設
した場合、上部からに限らず、土砂や地下水によって外
側からも圧力が常にかかるなど、耐久性および耐熱性も
厳しさが要求される。かかる要求特性に対し本発明の大
型浄化槽は、上槽部および下槽部、或いは上槽部、中間
槽部および下槽部と互いに接合する部分に設けられたフ
ランジの構造を特定の形状とするか、またはこれらのフ
ランジには浄化槽外郭部本体と接する部分に特定の形状
の補強リブを設けることによって、短期的のみならず長
期的に耐圧性および耐久性に問題が解消されたことにな
る。特に本発明の大型浄化槽は、上槽部と下槽部を合わ
せる、あるいは場合によっては中間槽部をその間に設置
する構造であり、その合わせ場所であるフランジ部分
は、合わせて水漏れを防ぐ機能ばかりでなく、浄化槽内
外の応力に対して浄化槽の変形を抑える大きな働きをす
る部分でもある。
【0024】次に本発明の大型浄化槽の構造について図
面により説明する。本発明の大型浄化槽は、基本的には
2個または3個の部材より構成される。すなわち、上槽
部および下槽部の2個の部材より構成されるか、あるい
は上槽部、下槽部およびそれらを連結する板状帯の中間
槽部の3個より構成される。
【0025】図1には本発明の大型浄化槽の1例が示さ
れておりはその正面図であり、はその側面図であ
る。図1において1は上槽部であり4は下槽部である。
図1において上槽部1と下槽部4とはフランジ3および
3'によって固定される。また上槽部1と下槽部4と
は、それらを連結する板状帯の中間槽部より固定されて
いてもよい。この中間槽部は図1には示されていない。
中間槽部は、上槽部と下槽部とを通常フランジを介して
その両者の間に固く固定される。この中間槽部を設ける
ことにより、内容積が増大した浄化槽とすることができ
る。
【0026】本発明の大型浄化槽は、少なくとも上槽部
および下槽部は、前述したメタセシス重合性環状オレフ
ィンの架橋重合体の成形品であり、好ましくは上槽部、
下槽部および中間槽部の全てがこの架橋重合体の成形品
である。これら上槽部、下槽部および中間槽部のそれぞ
れは、一体成形品である点にも特徴を有している。
【0027】本発明の成形品は、ガラス繊維などの補強
材を含有しなくともよく素材自体は剛性が小さいにも拘
わらず、その凹凸のリブの形状に基づいて構造体として
剛性を向上させたものであり、前述したように内圧およ
び外圧に耐える構造として凹凸リブは浄化槽の縦方向に
設けられているけられている。図1の大型浄化槽では上
槽部および下槽部にそれぞれリブ2、2'が縦方向に設
けられている(凹凸リブの数は図1の場合、正面図で4
本、側面図で2本である)。
【0028】本発明の大型浄化槽は、上槽部および下槽
部、或いは上槽部、中間槽部および下槽部は互いに設け
られたフランジを介して接合するような構造を有し、そ
してそのフランジは下記(i)および(ii)の特定を
満足しかつ接合する各々のフランジは一方のつばの先が
他方のつばの先端部を覆うように折れ曲がった構造であ
点に特徴を有している。 (i) 50≦L≦150 (ii) 4≦M≦20 [但し、Lはフランジ部のつばの長さをミリ単位で示
し、Mはフランジ部のつばの厚みをミリ単位で示す。]
【0029】図2に、本発明の大型浄化槽の上槽部と下
槽部とを接合した状態におけるフランジ部の断面図を示
す。そのおよびはそれぞれフランジ部の断面形状図
である。図2中、1は上槽部本体、4は下槽部本体を示
し、3および3'はそれぞれに結合しているフランジ部
を示す。図2のおよびにおいて、フランジ部のつば
の長さはL(mm)で示され、またフランジ部の厚みは
M(mm)で示される。上槽部と下槽部に結合している
フランジにおいて、つばの長さ(L)と厚み(M)は、
それぞれ同一である必要はなく、前記(i)および(i
i)を満足する限り異なっていてもよい。
【0030】このつばの長さLは50〜150mmの範
囲、好ましくは60〜90mmの範囲である。長さLは
50mmより小さい場合、浮上に抗する力が小さくな
り、また浄化槽内に水が注入された場合、膨れ横に拡が
ろうとする変形を抑える効果が小さい。一方、150m
mを超えると本発明の架橋重合体では、例えばFRPに
比べ、低いモジュラスのため変形しやすくなり、また重
量も増加する。フランジ部の厚みMは4〜20mmの範
囲、好ましくは5〜10mmの範囲で、従って上・下
槽、上槽中間槽、下槽中間槽の各槽のフランジ部を合わ
せた全体のフランジ部のつばの厚みは8〜40mmの範
囲、好ましくは10〜30mmの範囲である。つばの厚
みMは4mmより小さいと変形しやすくなり、一方厚す
ぎると軽量化の意味がなくなる。各々のフランジ部は、
のように一方のつば先が他方のつばの先端部を覆うよ
うに折れ曲がった構造である。6は接着剤を示す。
【0031】また、別の態様による本発明の大型浄化槽
は、上槽部および下槽部、或いは上槽部、中間槽部およ
び下槽部は、互いに接合する部分に設けられたフランジ
を介して接合するような構造を有し、そしてそのフラン
ジには、浄化槽外郭部本体と接する部分に多数の補強リ
ブを有し、かつその補強リブは下記特性(a)〜(c)
を満足すること特徴を有している。 (a)20≦S≦200 (b)20≦S’≦150 (c)3≦T≦20 [但し、Sは浄化槽外郭部本体と接する部分の補強リブ
の長さミリ単位で示し、S’はフランジ部と接する補
強リブの長さをミリ単位で示し、Tは補強リブの厚みを
ミリ単位で示す。]
【0032】前記補強リブの構造の1例を図3に示す。
図3において補強リブは5で示されている。この図3
は、上槽部外郭部本体1の面と上槽部に設けられたフラ
ンジ3の面の両面に接して、それぞれの面に直角に三角
形の補強リブ5が設けられている。このような補強リブ
は上槽部(または下槽部或いは中間槽)の外郭部本体の
面と、そのフランジの面とに直角またはほぼ直角に設け
られているのが好ましい。
【0033】図3において、補強リブの長さSは上槽部
外郭部本体と接する部分の補強リブの長さを示し、20
〜200mmの範囲、望ましくは25〜150mmの範
囲である。一方補強リブの長さS'はフランジ部と接す
る部分の補強リブの長さを示し、20〜150mmの範
囲、望ましくは25mm以上フランジの巾以下の範囲で
ある。長さSおよびS'が20mmよりも小さいと補強
効果が少なくなり、前記範囲よりも大きすぎると成形上
の欠陥が出やすくなる。補強リブの厚みTは3〜20m
mの範囲であり、望ましくは4〜10mmの範囲であ
る。3mmより薄いと補強効果が少なくなり、20mm
よりも厚すぎるとヒゲなどの成形上の欠陥が出やすい。
浄化槽本体の大きさ、フランジ部のつばの長さ、厚みに
よっては補強リブの個数は大型浄化槽周囲(図1の
よびの方向)1m当り平均0.5個以上、好ましくは
平均1〜3個である。
【0034】本発明の大型浄化槽は、前述したように、
フランジを前記特性(i)〜(ii)を満足する構造と
するか、或いはフランジには浄化槽外郭部本体と接する
部分に前記特性(a)〜(c)を満足する補強リブを設
けることにより、目的を達成することができる。しか
し、前記特性(i)〜(ii)を満足するフランジ並び
に前記特性(a)〜(c)を満足する補強リブを同時に
設けた大型浄化槽は一層効果的である。
【0035】浄化槽は一旦設置すると10〜20年以上
の長期にわたって使用されるものであり、またその内部
に水が入るので内部に水圧がかかり、さらに地下に埋設
した場合、土砂や地下水によって外側からも圧力が常に
かかるなど、耐久性および耐熱性も厳しさが要求され
る。かかる厳しい要求特性に対し、上槽部と下槽部或い
は上槽部、下槽部およびそれらを連結する板状帯の中間
槽部の接合部に設けられたフランジを以下に説明する方
法により固定化することが望ましい。
【0036】フランジの固定方法に関して最も普通に考
えられるのは締結金具としてボルトとナットを使用する
方法である。しかしながらこの方法のみでは浄化槽の場
合、土中に埋設後、内部の汚水がフランジの間を通って
土中に滲み出し汚染の原因になり不完全である。また、
リベットで固定する方法が考えられるが、作業が簡単に
なり工程短縮が出来るものの、汚染問題が発生すると同
時に強度的にも不十分で、厳しい使用条件には耐えられ
るものではなかった。
【0037】そこで、本発明者らはこれらの固定方法と
接着剤或いは接着剤とシール材の併用についてさらに検
討した。先ず、前記重合体成形品の結合について十分な
接着強度を有する接着剤の検討を進めた。プラスチック
に対する代表的な接着剤としては、ポリウレタン系接着
剤、エポキシ樹脂系接着剤、アクリル樹脂系接着剤およ
びシアノアクリレート系接着剤などが挙げられる。これ
らの接着剤について、前記重合体成形品の平板状標準成
形品を使って接着性を検討したところ、ポリウレタン系
の接着剤が十分な強度を有することが判った。この接着
剤を前記重合体成形品で構成された大型浄化槽の上槽部
と下槽部のフランジ部に塗布し、ボルトとナットで両槽
を留め硬化反応が十分完了した後、強度試験に供した。
前記重合体成形品の浄化槽は、耐衝撃性に優れ堅固であ
るが多少軟かい材料であるため、変形が大きくなる。こ
のため、該重合体成形品のテスト中の変形に追随し得な
いような固い接着剤は割れてしまうことが明らかになっ
た。即ち、該重合体成形品の浄化槽に最適且つ厳しい使
用条件に耐え得る接着剤は、十分な接着力を有するのみ
では不十分であって、変形に追随し得る程度の柔軟性を
有することが必要であり、この要求を満足するのはポリ
ウレタン系接着剤であることが見い出された。
【0038】ポリウレタン系接着剤としては、通常ポリ
ウレタン系接着剤として市販されているものを使用する
ことができる。そのポリウレタン系接着剤の構成要素と
しては、イソシアネート成分として、脂肪族系イソシア
ネートのヘキサメチレンジイソシアネート、脂環族系イ
ソシアネートのイソホロンジイソシアネート、水素添加
トリレンジイソシアネート、ヘキサヒドロメタキシリレ
ンジイソシアネート、ジシクロヘキサメタンジイソシア
ネートなど、芳香族イソシアネートのトリレンジイソシ
アネート(TDI)、3,3'−トリレン−4,4'−ジイ
ソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート(M
DI)、クルードMDI、ポリメリックジフェニルメタ
ンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシア
ネート、トリレンダイマー、ナフタレンジイソシアネー
ト、トリス(4−フェニルイソシアネート)チオホスフ
ェート、TDI三量体、メタキシリレンジイソシアネー
ト、トリメチルプロパン−1−メチル−2−イソシアノ
−4−カルバメート、ポリメチレンポリフェニルイソシ
アネート、3,3'−ジメトキシ−4,4'−ジフェニルジ
イソシアネートおよびジフェニルエーテルトリイソシア
ネートなどを挙げることができる。
【0039】ポリオール成分として、低分子量ポリオー
ルのエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,
4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリ
エーテルポリオールのポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、
ポリエステルポリオールとして、ポリカプロラクトン、
ジオールと二塩基酸からのポリエステルなどを挙げるこ
とができる。
【0040】これらの成分が基本原料となり、接着剤の
タイプにより、触媒、安定剤、顔料、充填剤、粘着付与
剤などが使用される。これらの主たる構成要素からなる
ポリウレタン系接着剤は使用形態から2つのタイプに大
別出来、ポットライフの制限から使用上注意が必要であ
るが、硬化時間が比較的短いために、本発明の用途には
1液形に比べ2液形の方が使用し易い。即ち、2液形と
しては、例えばイソシアネート化合物と合成ゴムポリオ
ールなどとの組み合せ、NCO基末端のプレポリマーと
ポリオールなどの組み合せ、イソシアネート化合物とO
H基末端の熱可塑性ポリマーの組み合せなどが挙げられ
る。また、1液形としては、例えばイソシアネート化合
物と水、NCO基末端のプレポリマーと水などの組み合
せが挙げられる。
【0041】さらにポリウレタン系接着剤は元来柔軟性
を有するものではあるが、該重合体成形品の浄化槽の変
形に追随し得る柔軟性については引張破断伸度で規定出
来ることが明らかになった。即ち、引張破断伸度は40
%以上を有することが好適である。また、本発明におい
てフランジの固定化にポリウレタン系接着剤を使用すれ
ば、前記重合体成形品の浄化槽に対し十分な性能を有す
るが、水漏れなどの防止をより一層十分にするために、
フランジ接合部に合成ゴムの帯状パッキング材を挟むこ
とも可能である。
【0042】本発明の大型浄化槽は、前記したフランジ
構造および/または補強リブ構造を有するとともに、浄
化槽の縦方向に図1の2、2’に示すように凹凸リブを
設けることが望ましい。この凹凸リブは角形であって、
浄化槽の横方向(図1におけるFおよびJの方向)の長
さに対して平均1m当り1.5〜5個、好ましくは2〜
4個有するのが有利である。そしてこの縦方向の凹凸リ
ブは、下記形状特性(イ)〜(ニ)を満足するものが好
ましい。 (イ) 10≦h≦80 (ロ) 30≦W≦300 (ハ) 2≦R≦h、2≦R'≦h (ニ) 3≦t [但し、tは凹凸リブの長さ方向に対する直角断面の成
形品の平均厚さを示し、RおよびR'は、それぞれ凹凸
部の屈曲部の半径を示す。t、h、W、RおよびR'の
単位はミリ(mm)で表わす。] この縦方向の凹凸リブの形状は、その断面の一例が図4
に示されている。
【0043】図4において凹凸リブの凸部(或いは凹
部)の高さはhで表わされる。この高さhは10〜80
mmの範囲、好ましくは15〜50mmの範囲である。
高さhが10mmよりも小さい場合、構造体の剛性の向
上は少なくなり、一方80mmを超えると凹凸リブの深
さが大き過ぎ、運搬や施工時の取り扱いが面倒となり、
さらに浄化槽内部の構造が複雑となる。凹凸リブの巾W
は30mm〜300mmの範囲、好ましくは50〜20
0mmの範囲である。30mmより狭くてもまた300
mmより広すぎても構造体の強い剛性のために望ましく
ない。
【0044】本発明の浄化槽の厚み(t)は凹凸リブの
厚みと同様に強度上3mm以上、好ましくは4mm以
上、さらに好ましくは4.5mm以上である。一方厚く
なれば厚いほど構造体としての強度および剛性は大きく
なるが重量が重くなり、価格も高くなる。従って本発明
の浄化槽(凹凸のリブ)の厚み(t)としては15mm
以下、好ましくは10mm以下が適当である。
【0045】本発明の大型浄化槽においては、本発明の
前記凹凸リブ以外にも通常の棒状リブや板状リブを設け
ることもできる。さらに浄化槽としての機能上、浄化槽
内部には区画するための仕切り板が必要であるが、該仕
切板は浄化槽構造体として、内圧、外圧に対する変形防
止には重要であり、該仕切板に剛性の高い材料あるいは
構造とすることにより、浄化槽全体の変形を防止するこ
とができる。本発明においては凹凸リブは浄化槽の縦方
向に設置するが、浄化槽を地下埋設する場合、浄化槽底
部で地下水の突き上げ圧力も一般に大きい。そこで縦方
向に設けた凹凸リブの一部をそのまま浄化槽底部にまで
延長して設けることにより底部の剛性アップをはかるこ
ともできる。
【0046】本発明の浄化槽は、一般には上槽部と下槽
部の2つに分けて、必要により中間槽部がある場合には
それぞれ別個に成形する。その成形方法はすでに公知
の、例えば特公平3−28451号公報により開示され
た方法で成形される。上槽部および下槽部の開口部には
合わせ目となるフランジ部(図1の3、3')が設けら
れており、該フランジで合わせることにより上槽部と下
槽部が合体し浄化槽となる。本発明においては上槽部と
下槽部のフランジの間に、上下のフランジを有する帯状
の中間槽部を介してさしはさむことにより浄化槽の高さ
と容積を増すこともできる。該フランジは、浄化槽を構
造体としてみた場合、横方向に設けたリブ構造となり、
その形状は強度保持のために適当な長さと厚みを有する
のが好ましい。
【0047】本発明の浄化槽内部は図示されていないが
通常の浄化槽内部と同じであり、嫌気槽、好気槽(接触
ばっ気槽)、消毒槽など各能別に区画されており、各
区画は排水を効率よく浄化するための各種部材を充填
し、かつ流水路を設けてある。本発明の浄化槽はし尿処
理だけのいわゆる単独槽としても、或いはし尿と家庭排
水の両方を浄化処理する合併浄化槽としても使用でき
る。特に本発明の浄化槽は大型化、特に内容積が2m 3
以上のものが適しており、今後環境対策の上から需要の
大きい合併浄化槽の用途に特に好適に用いることができ
る。
【0048】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を説明する。な
お、実施例は説明のためのものであって、本発明はこれ
らに限定されるわけではない。
【0049】[実施例1] [型]図1に示す製品形状を盛り込んだアルミニウム型
を使用した。実施例で作った浄化槽の寸法は次のとおり
であった。 A=390mm B=520mm C=490mm D
=340mm E=520mm F=2260mm G=950mm
H=800mm I=260mm J=1140mm フランジ部の形状は図2において下記形状およびサイズ
を有するものであった。 (i) L=60mm (ii) M=6mm
【0050】フランジ部に補強リブを取り付けた場合の
補強リブは図3において下記形状およびサイズを有する
ものであった。その補強リブはほぼ等間隔で16個取り
付けた。 (a) S=30mm S'=30mm (b) S'=30mm (c) T=5mm 凹凸状のリブはいずれも図4において下記形状およびサ
イズを有するものであった。 (i) h=30mm (ii) W=160mm (iii) R=25mm R'=25mm (iv) t=4.3mm
【0051】[モノマー液] [溶液Aの調製]六塩化タングステン20重量部を窒素
気流中下で乾燥トルエン70重量部に添加し、次いでノ
ニルフェノール2重量部およびトルエン16重量部より
なる溶液を添加して0.5Mのタングステン含有触媒溶
液を調製し、この溶液に対し窒素ガスを一晩パージし
て、六塩化タングステンとノニルフェノールとの反応に
よって生成される塩化水素ガスを除去して、さらにかか
る溶液10容量部に対し、1容量部のアセチルアセトン
を加えて重合用触媒とした。
【0052】次いで、精製ジシクロペンタジエン(純度
99.7重量%、以下同様)95重量部、精製エチリデ
ンノルボルネン(純度99.5重量%、以下同様)5重
量部よりなるモノマー混合物に対し、エチレン含有70
モル%のエチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネ
ン重合ゴム3重量部、酸化安定剤としてエタノックス7
02 2重量部を加えた溶液に上記重合用触媒溶液をタ
ングステン含量が0.01/リットルになるように加え
て触媒成分を含有するモノマー液A(溶液A)を調製し
た。
【0053】[溶液Bの調製]トリオクチルアルミニウ
ム85、ジオクチルアルミニウムアイオダイド15、ジ
グライム100のモル割合で混合調製した重合用活性化
剤混合溶液を精製ジシクロペンタジエン95重量部、精
製エチリデンノルボルネン5重量部、エチレン含有70
モル%のエチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネ
ン重合ゴム3重量部よりなるモノマー混合物にアルミニ
ウムが含量が0.03モル/リットルになる割合で混合
し、活性化剤成分を含有するモノマー液B(溶液B)を
調製した。溶液Bの粘度は30℃で300cpsであっ
た。
【0054】[成形]成形用アルミニウム金型をキャビ
ティー型90℃、コア型60℃に加熱し型を閉じた後、
この中へRIM成形機を利用してミキシングヘッド中で
等量の溶液Aと溶液Bを衝突混合し注入した。液注入充
填後2分で型を開き3.5分後に架橋重合体成形品を取
り出した。
【0055】[浄化槽としての評価]得られた架橋重合
体成形品の上下槽をフランジ部を介しボルトとポリウレ
タン系接着剤で固定して評価用製品とした。なお該製品
は予めFRP製仕切板3枚を用い同じボルトおよび接着
剤で固定されてある。該製品はJISA4101に基づ
く剛性試験、耐久試験をいずれも満足した。
【0056】また、さらに以下の評価を行った。はじめ
に浄化槽の内部に水を上部より300mmの所まで注入
し、1時間後に接触ばっ気槽のフランジ部の膨れを測定
した。膨れの変形量は最大で6mmであった。また、こ
の浄化槽の四隅(フランジの補強リブの近く)にフック
を付け、クレーンで浄化槽を吊り上げ、フランジの変形
量を測定した。変形量は上に9mmであった。
【0057】[比較例1]実施例1でフランジのつばの
長さL=40mm、つばの厚み=3.5mmとしたこと
と、フランジの補強リブを全て取り外した以外は、実施
例1と全く同じ形状の浄化槽を成形し実施例1と同様に
組み立てた。実施例1同様に、浄化槽内に水を注入した
場合と、吊り上げた場合の変形量をそれぞれ測定した。
結果を表1に示す。
【0058】[実施例2]実施例1でフランジの補強リ
ブを全て取り外した以外は、実施例1と全く同じ形状の
浄化槽を成形し実施例1と同様に組み立てた。実施例1
同様に、浄化槽内に水を注入した場合と、吊り上げた場
合の変形量をそれぞれ測定した。結果を表1に示す。
【0059】[実施例3]実施例1でフランジのつばの
長さL=40mm、つばの厚み=3.5mmとしたこと
以外は、実施例1と全く同じ形状の浄化槽を成形し実施
例1と同様に組み立てた。実施例1同様に、浄化槽内に
水を注入した場合と、吊り上げた場合の変形量をそれぞ
れ測定した。結果を表1に示す。
【0060】下記表1の結果から、フランジが本発明の
長さと厚み、また補強リブがあると、変形が極く小さい
ことが分かる。しかし、フランジあるいは補強リブ単独
でも補強効果は認められた。
【0061】
【表1】
【0062】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における大型浄化槽の1例を示すもので
あり、は正面図、は側面図を示す。
【図2】本発明における大型浄化槽フランジ部の断面図
であり、は実施例で使用した断面形状図、は別の態
様の断面形状図を示す。
【図3】本発明における大型浄化槽のフランジ部の補強
リブの構造を示す。
【図4】本発明における大型浄化槽における凹凸リブの
断面図を示す。
【符号の説明】
1 浄化槽上層部 2 凹凸リブ 2' 凹凸リブ 3 フランジ 3' フランジ 4 浄化槽下槽部 5 補強リブ 6 接着剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 英次 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人メ トン株式会社 テクニカルセンター内 (56)参考文献 特開 昭63−222824(JP,A) 実開 平3−54799(JP,U) 実開 昭56−69999(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29D 22/00 B29C 45/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上槽部および下槽部より構成されるか或
    いは上槽部、下槽部およびそれらを連結する板状帯の中
    間槽部より構成される大型浄化槽であって、該大型浄化
    槽は、(1)少なくとも上槽部および下槽部は、メタセ
    シス重合触媒系の触媒成分を含有するメタセシス重合性
    環状オレフィンからなるモノマー液A(溶液A)とメタ
    セシス重合触媒系の活性化剤成分を含有するメタセシス
    重合性環状オレフィンからなるモノマー液B(溶液B)
    とを混合し、その原料混合液を金型内に注入しその金型
    内において重合および架橋反応せしめることによって得
    られた架橋重合体成形品であって、(2)上槽部および
    下槽部、或いは上槽部、中間槽部および下槽部は、互い
    に接合する部分に設けられたフランジを介して接合する
    ような構造を有し、そして(3)該フランジは下記特性
    (i)および(ii)を満足しかつ接合する各々のフラ
    ンジは一方のつばの先が他方のつばの先端部を覆うよう
    に折れ曲がった構造であることを特徴とする大型浄化
    槽。 (i) 50≦L≦150 (ii) 4≦M≦20 [但し、Lはフランジ部のつばの長さをミリ単位で示
    し、Mはフランジ部のつばの厚みをミリ単位で示す。]
  2. 【請求項2】 上槽部および下槽部より構成されるか或
    いは上槽部、下槽部およびそれらを連結する板状帯の中
    間槽部より構成される大型浄化槽であって、該大型浄化
    槽は、(1)少なくとも上槽部および下槽部は、メタセ
    シス重合触媒系の触媒成分を含有するメタセシス重合性
    環状オレフィンからなるモノマー液A(溶液A)とメタ
    セシス重合触媒系の活性化剤成分を含有するメタセシス
    重合性環状オレフィンからなるモノマー液B(溶液B)
    とを混合し、その原料混合液を金型内に注入しその金型
    内において重合および架橋反応せしめることによって得
    られた架橋重合体成形品であって、(2)上槽部および
    下槽部、或いは上槽部、中間槽部および下槽部は、互い
    に接合する部分に設けられたフランジを介して接合する
    ような構造を有し、そして(3)該フランジは浄化槽外
    郭部本体と接する部分に多数の補強リブを有し、かつそ
    の補強リブは下記特性(a)〜(c)を満足することを
    特徴とする大型浄化槽。 (a)20≦S≦200 (b)20≦S’≦150 (c)3≦T≦20 [但し、Sは浄化槽外郭部本体と接する部分の補強リブ
    の長さミリ単位で示し、S’はフランジ部と接する補
    強リブの長さをミリ単位で示し、Tは補強リブの厚みを
    ミリ単位で示す。]
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