JPH07290484A - 大型浄化槽 - Google Patents

大型浄化槽

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JPH07290484A
JPH07290484A JP8295894A JP8295894A JPH07290484A JP H07290484 A JPH07290484 A JP H07290484A JP 8295894 A JP8295894 A JP 8295894A JP 8295894 A JP8295894 A JP 8295894A JP H07290484 A JPH07290484 A JP H07290484A
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JP
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tank
tank part
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septic tank
present
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JP8295894A
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English (en)
Inventor
Norio Iguchi
紀夫 井口
Eiji Yoshida
英次 吉田
Katsuichi Henmi
勝一 逸見
Kenko Yamada
建孔 山田
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Teijin Metton KK
Original Assignee
Teijin Metton KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 上槽部、下槽部およびそれらを連結する板状
帯の中間槽部より構成される大型浄化槽であって、該大
型浄化槽は、(1)各槽部は、メタセシス重合触媒系の
触媒成分を含有するメタセシス重合性環状オレフィンの
架橋重合体成形品であり、そして(2)該中間槽部は対
象形状を有する2個の板状成形品より構成されている大
型浄化槽。 【効果】 本発明による大型浄化槽は、成形コストが低
く、軽量で衝撃に対して強く、内外の圧力に充分耐え得
るものであり、しかも耐久性を有し、また組み立ても容
易であり、リサイクル可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は軽量で衝撃に対して強
く、且つ耐久性に優れた大型浄化槽に関するものであ
る。また本発明は繊維強化の必要もなく、リサイクルが
可能であり、さらに廃棄焼却処分時有害ガスを発生しな
い無公害な、一体成形された大型浄化槽に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、浄化槽の多くは繊維強化プラスチ
ック(FRP)を使用して成形されている。特にガラス
繊維で強化した不飽和ポリエステル樹脂を使用して成形
されている。このガラス繊維で強化した不飽和ポリエス
テル樹脂を用いて浄化槽を成形する場合、ガラス繊維を
含んだ大量の粉塵が発生し、作業環境が劣悪となる問題
があった。その上かかるFRPを使用した浄化槽は重量
も大きく、また運搬時落とした場合や施工時小石があた
った場合、その衝撃によって容易に割れ目が発生すると
いう欠点があった。さらにFRPの成形品は、ガラス繊
維入りのため廃棄時に破砕、粉砕が困難であり、また焼
却してもガラス繊維が大量に残りその処理に手間を要し
ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の第1の
目的は、従来のFRPを使用した浄化槽が有する諸問題
を解消した大型浄化槽を提供することにある。本発明の
第2の目的は、製造過程において環境問題を起さず、し
かも反応射出成形法により比較的簡単に成形することが
できる大型浄化槽を提供することにある。本発明の第3
の目的は、軽量でありその上衝撃に対して充分な強度を
有し、さらに施置後に内部および外部の圧力にも充分耐
え得る大型浄化槽を提供することにある。本発明の第4
の目的は、浄化槽の内容積を増大させるに際し、中間槽
部の形状を工夫することにより、初期投資が少なく且つ
効果的に製造することが可能な大型浄化槽を提供するこ
とにある。
【0004】本発明の他の目的は、使用した樹脂成形品
のリサイクル使用が可能であり、また廃棄処理が容易な
大型浄化槽を提供することにある。本発明のさらに他の
目的は、合併型浄化槽として有利に利用しうる大型浄化
槽を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記本発明の
目的を解決するために鋭意研究を進めた結果、メタセシ
ス重合触媒系(複分解触媒系)を用いてメタセシス重合
性環状オレフィンを金型内で重合および架橋反応せしめ
ることによって得られた上槽部および下槽部の架橋重合
体成形品を組み合わせて形成された浄化槽の内容積を増
大させて、より大型の浄化槽とするに際し、特定の形状
を有する架橋重合体からなる中間槽部を上槽部と下槽部
との間に設けることにより、製造が容易で、軽量化が可
能であり、衝撃に対して強く、耐久性および耐圧性を有
し、その上リサイクル可能な大型浄化槽が提供できるこ
とを見出し、本発明に到達した。
【0006】すなわち、本発明によれば上槽部、下槽部
およびそれらを連結する板状帯の中間槽部より構成され
る大型浄化上槽であって、該大型浄化槽は、(1)各槽
部はメタセシス重合触媒系の触媒成分を含有するメタセ
シス重合性環状オレフィンからなるモノマー液A(溶液
A)とメタセシス重合触媒系の活性化剤成分を含有する
メタセシス重合性環状オレフィンからなるモノマー液B
(溶液B)とを混合し、その原料混合液を金型内に注入
しその金型内において重合および架橋反応せしめること
によって得られた架橋重合体成形品であり、そして
(2)該中間槽部は対称形状を有する2個の板状成形品
より構成されることを特徴とする大型浄化槽が提供され
る。
【0007】かかる本発明によれば槽容量が2m3
上、好ましくは3〜15m3、特に好ましくは3〜12
3の大型の浄化槽が提供される。
【0008】以下本発明についてさらに具体的に説明す
る。本発明の浄化槽を構成する架橋重合体を形成するた
めのメタセシス重合性環状オレフィンとしては、メタセ
シス重合性シクロアルケン基を分子中に1〜2個含有す
るものが使用される。好ましくはノルボルネン骨格を分
子中に少なくとも1つ有する化合物である。これらの具
体例としては、ジシクロペンタジエン、トリシクロペン
タジエン、シクロペンタジエン−メチルシクロペンタジ
エン共二量体、5−エチリデンノルボルネン、ノルボル
ネン、ノルボルナジエン、5−シクロヘキセニルノルボ
ルネン、1,4,5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,
7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,4−メタノ
−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタ
レン、6−エチリデン−1,4,5,8−ジメタノ−1,
4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、
6−エチリデン−1,4,5,8−ジメタノ−1,4,4a,
5,6,7,8,8a−ヘプタヒドロナフタレン、1,4,
5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−ヘキ
サヒドロナフタレン、エチレンビス(5−ノルボルネ
ン)などを挙げることができこれらの混合物も使用する
ことができる。特にジシクロペンタジエンまたはそれを
50モル%以上、好ましくは70モル%以上含む混合物
が好適に用いられる。
【0009】また、必要に応じて、酸素、窒素などの異
種元素を含有する極性基を有するメタセシス重合性環状
オレフィンを共重合モノマーとして用いることができ
る。かかる共重合モノマーも、ノルボルネン構造単位を
有するものが好ましく且つ極性基としてはエステル基、
エーテル基、シアノ基、N−置換イミド基、ハロゲン基
などが好ましい。かかる共重合モノマーの具体例として
は、5−メトキシカルボニルノルボルネン、5−(2−
エチルヘキシロキシ)カルボニル−5−メチルノルボル
ネン、5−フェニロキシメチルノルボルネン、5−シア
ノノルボルネン、6−シアノ−1,4,5,8−ジメタノ
−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタ
レン、N−ブチルナデック酸イミド、5−クロルノルボ
ルネンなどを挙げることができる。
【0010】本発明におけるモノマー液A(溶液A)中
には、メタセシス重合触媒系の触媒成分が含有されてい
る。かかる触媒成分としては、タングステン、レニウ
ム、タンタル、モリブデンなどの金属のハライドなどの
塩類が用いられるが、特にタングステン化合物が好まし
い。かかるタングステン化合物としては、タングステン
ヘキサハライド、タングステンオキシハライドなどが好
ましく、より具体的にはタングステンヘキサクロライ
ド、タングステンオキシクロライドなどが好ましい。ま
た、有機アンモニウムタングステン酸塩なども用いるこ
とができる。かかるタングステン化合物は、直接モノマ
ーに添加すると、直ちにカチオン重合を開始することが
分かっており好ましくない。従って、かかるタングステ
ン化合物は不活性溶媒、例えばベンゼン、トルエン、ク
ロロベンゼンなどに予め懸濁し、少量のアルコール系化
合物および/またはフェノール系化合物を添加すること
によって可溶化させて使用するのが好ましい。さらに上
述した如き、好ましくない重合を予防するためにタング
ステン化合物1モルに対し、約1〜5モルのルイス塩基
またはキレート化剤を添加することが好ましい。かかる
添加剤としてはアセチルアセトン、アセト酢酸アルキル
エステル類、テトラヒドロフラン、ベンゾニトリルなど
を挙げることができる。極性モノマーを用いる場合に
は、前述の如く、そのものがルイス塩基である場合があ
り、上記の如き化合物を特に加えなくてもその作用を有
している場合もある。前述の如くして、触媒成分を含む
モノマー液A(溶液A)は、実質上充分な安定性を有す
ることになる。
【0011】一方、本発明におけるモノマー液B(溶液
B)中には、メタセシス重合触媒系の活性化剤成分が含
有されている。この活性剤化成分は、周期律表第I〜第
III族の金属のアルキル化物を中心とする有機金属化
合物、特にテトラアルキル錫、アルキルアルミニウム化
合物、アルキルアルミニウムハライド化合物が好まし
く、具体的には塩化ジエチルアルミニウム、ジ塩化エチ
ルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、ジオクチ
ルアルミニウムアイオダイド、テトラブチル錫などを挙
げることができる。これら活性化剤成分としての有機金
属化合物をモノマーに溶解することにより、モノマー液
B(溶液B)が形成される。
【0012】基本的には前記溶液Aおよび溶液Bを混合
し、金型内に注入することによって、目的とする架橋重
合体の成形品を得ることができるが、上記組成のままで
は、重合反応が非常に速く開始されるので、成形金型に
十分流れ込まない間に硬化が起こることもあり、度々問
題となる場合が多い。従って、活性調節剤を用いること
が好ましい。かかる調節剤としては、ルイス塩基類が一
般に用いられ、なかんずく、エーテル類、エステル類、
ニトリル類などが用いられる。具体例としては安息香酸
エチル、ブチルエーテル、ジグライムなどを挙げること
ができる。かかる調節剤は一般的に、有機金属化合物の
活性化剤の成分の溶液(溶液B)の側に添加して用いら
れる。前述と同様にルイス塩基を有するモノマーを使用
する場合には、それを調節剤の役目を兼ねさせることが
できる。
【0013】メタセシス重合触媒系の使用量は、例えば
触媒成分としてタングステン化合物を用いる場合は、上
記原料モノマーに対するタングステン化合物の比率は、
モル基準で約1,000対1〜15,000対1、好まし
くは2,000対1の付近であり、また、活性化剤成分
はアルキルアルミニウム類を用いる場合には、上記原料
モノマーに対するアルミニウム化合物の比率は、モル基
準で約100対1〜10,000対1、好ましくは20
0対1〜500対1の付近が用いられる。さらに上述し
た如き、マスク剤や調節剤については、実験によって上
記触媒系の使用量に応じて、適宜、調節して用いること
ができる。
【0014】本発明によって得られる架橋重合体の成形
品には、実用に当ってその特性を改良または維持するた
めに更にその目的に応じた各種添加剤を配合することが
できる。かかる添加剤としては、充填剤、顔料、酸化防
止剤、光安定剤、難燃剤、高分子改良剤などがある。こ
のような添加剤は、本発明の架橋重合体が成形されて後
は添加することが不可能であるから添加する場合には予
め前述した原料溶液に添加しておく必要がある。
【0015】その最も容易な方法としては、前記溶液A
および溶液Bのいずれかまたは両方に前もって添加して
おく方法を挙げることができるが、その場合、その液中
の反応性の強い触媒成分、活性化剤成分と実用上差支え
ある程度には反応せず、且つ重合を阻害しないものでな
くてはならない。どうしても、その反応が避け得ないも
のが共存しても、重合は実質的に阻害しないものの場合
は、モノマーと混合して、第三液を調製し、重合直前に
混合使用することもできる。また、重合触媒または活性
化剤を第三液とし、これを含まない溶液Aまたは溶液B
に上記添加物を添加する方法も考えられる。さらに、固
体の充填剤の場合であって、両成分が混合されて、重合
反応を開始する直前あるいは重合しながら、その空隙を
充分に埋め得る形状の物については、成形型内に、充填
しておくことも可能である。添加剤としての補強材また
は充填剤は、曲げモジュラスを向上するのに効果があ
る。かかるものとしては、ガラス繊維、雲母、カーボン
ブラック、ウオラストナイトなどを挙げることができ
る。これらを、いわゆるシランカップラーなどによって
表面処理したものを好適に使用できる。
【0016】また、本発明による成形物は、酸化防止剤
を添加しておくことが好ましく、そのため、フェノール
系またはアミン系の酸化防止剤を予め溶液中に加えてお
くことが望ましい。これら酸化防止剤の具体例として
は、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、N,N'
−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、テトラキス
[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
シンナメート)]メタンなどが挙げられる。
【0017】また、本発明の成形物は、他の重合体を成
形時にモノマー溶液状態の時に添加しておいて得ること
ができる。かかる重合体添加剤としてはエラストマーの
添加が、成形物の耐衝撃性を高めることおよび溶液の粘
度を調節する上で効果がある。かかる目的に用いられる
エラストマーとしては、スチレン−ブタジエン−スチレ
ントリブロックゴム、スチレン−イソプレン−スチレン
トリブロックゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、
ブチルゴム、エチレンプロピレン−ジエンターポリマ
ー、ニトリルゴムなど広範なエラストマーを挙げること
ができる。
【0018】本発明の浄化槽を成形するための型の材質
としては、スチール、鋳造あるいは鍛造のアルミニウ
ム、亜鉛合金などの鋳造や溶射、ニッケルや銅などの電
鋳および樹脂などが挙げられる。また型の構造は成形時
に型内に発生する圧力が数kg/cm2と他の成形方法
に比べて極めて低いので簡単なもので十分であり、従っ
て他の成形方法の型に比べて安価に作ることができる。
【0019】本発明の環状オレフィン架橋重合体成形品
の特長の一つは耐衝撃性の優れていることであり落下さ
せてもまた小石などの固形物が衝突しても容易に壊れる
ことはない。さらに本発明の成形品は基本的にはガラス
繊維などの補強材を特に用いる必要はない。そのため曲
げ弾性率はこれらの補強材を用いたものと比べて一般に
低くなる。本発明者らは、これを解決する手段として特
定構造の凹凸状のリブを有した形状が大型浄化槽に有効
であることを既に提案した(特願平5−285097号
明細書;平成5年11月15日出願)。この先に提案し
た大型浄化槽は、上槽部および下槽部より構成されるか
或いは上槽部、下槽部およびそれらを連結する板状帯の
中間槽部より構成される大型浄化槽であって、該大型浄
化槽は、(1)前記環状オレフィンの架橋重合体成形品
であり、(2)少なくとも上槽部および下槽部は、縦方
向に角形凹凸リブを有し、その凹凸リブは浄化槽の横方
向の巾の長さに対し平均して1m当たり1.5〜5個有
し、且つ(3)それぞれの凹凸リブは下記形状特性
(i)〜(iv) (i) 10≦H≦50 (ii) 30≦W≦200 (iii)2≦R<H、2≦R'<H (iv) 3≦t [但し、tは凹凸リブの長さ方向に対する直角断面の成
形品の平均厚さを示し、Hは成形品表面からの凸部の高
さを示し、Wは凹凸部の巾を示し、RおよびR'は、そ
れぞれ凹凸部の屈曲部の半径を示す。t、H、W、Rお
よびR'の単位はミリ(mm)で表わされる。]を満足
する点に特徴を有している。本発明の大型浄化槽は、こ
のようなリブを有することができ、むしろその方が好ま
しい。また中間槽部が設けられる場合、中間槽部にも同
様のリブを有することができる。
【0020】浄化槽は一旦設置すると10〜20年以上
の長期にわたって使用されるものであり、またその内部
に水が入るので内部に水圧がかかり、さらに地下に埋設
した場合、土砂や地下水によって外側からも圧力が常に
かかるなど、耐久性および耐熱性も厳しさが要求され
る。かかる要求特性に対し、本発明の大型浄化槽は少な
くとも上槽部および下槽部が先に提案したような特定の
凹凸のリブ形状を有しているだけでなく、各槽部をフラ
ンジ構造によって中間槽部と固定している。このフラン
ジ構造により浄化槽全体の強度と剛性を向上させ、短期
的にも長期的にも耐圧性および耐久性の目標品目達成の
一手段としている。
【0021】通常、内容積の異なる浄化槽を作る時に
は、上槽部および下槽部の大きさと形状をそれぞれ変え
たものを成形し、これを組み合わせて対応している。従
って、それぞれに対応する金型を別個に作らなければな
らず、この形状が大きいこともあり、金型投資に要する
金額は莫大であった。本発明の中間槽部は、上槽部と下
槽部の間に位置してフランジで両者を固定するものであ
り、それによって、同じ大きさの上槽部および下槽部の
成形品を使用しても内容積を大きくすることができ、よ
り大型にするために新たな金型投資をする無駄が防げ
る。その上、中間槽部は対称形状を有する板状成形品で
あり、2個組み合わせて帯状として使用して上槽部と下
槽部をフランジによって固定する。
【0022】より大きな内容積が必要な場合には、中間
槽部をいくつか連続して結合し使用することもできる。
かくして中間槽部用の金型は、板状成形品1個用のもの
で充分であり、従って金型投資額を最小で済ませること
ができ、大型浄化槽の製造には極めて有利である。かく
して本発明の大型浄化槽は、上槽部用、下槽用および中
間槽部用の3つタイプの金型を用いるのみで、種々の容
量のものを形成することができる。
【0023】次に本発明の大型浄化槽の構造について図
面により説明する。本発明の大型浄化槽は、基本的には
4個の部材より構成される。すなわち、上槽部、下槽部
およびそれらを連結する2個の中間槽部の4個より構成
される。
【0024】図1には本発明の大型浄化槽の1例が示さ
れておりAはその正面図であり、Bはその側面図であ
る。図1において1は上槽部であり2は下槽部である。
3は中間槽部である。図1において上槽部1と中間槽部
3とはフランジ4と4”によって、また中間槽部3と下
槽部2とはフランジ4’と4”’によって固定される。
この中間槽部を設けることによって、同形状の上槽部と
下槽部を使用しても、内容積が増大した浄化槽とするこ
とができる。
【0025】本発明の大型浄化槽の上槽部、中間槽部お
よび下槽部は前述したメタセシス重合性環状オレフィン
の架橋重合体の成形品であり、それぞれは一体成形品で
ある点にも特徴を有している。本発明の成形品は、ガラ
ス繊維などの補強材を含有しないため素材自体は剛性が
小さいにも拘らず、上槽部と下槽部はその凹凸のリブ5
と5’の形状に基づいて構造全体として剛性が向上して
いる。また中間槽部は通常の棒状リブ6によって補強さ
れ、2個の中間槽部はフランジ7によって互いに固定さ
れる。
【0026】図2には、2個の中間槽部を配置した斜視
図を示した。2個の中間槽部はフランジ7、7’を介し
て穴8を通したボルトとナットによって固定される。棒
状リブ6は図1の6に相当し補強用のものである。上槽
部に対して、図1のフランジ4”に相当するフランジ
4”によって穴9を通したボルトとナットによって固定
される。同様に下槽部に対しては、図1のフランジ
4”’に相当するフランジ4”’によって穴10を通し
たボルトとナットによって固定される。中間槽部は図1
と図2に示したように上下対称形状であり、1個の金型
で打った同じ形状をした2個の成形品を組み合わせて中
間槽部として使用できるので、金型投資が安くなり有利
である。また上槽部と下槽部を直接固定する場合に比
べ、中間槽部を使うとフランジの数が1個増えることに
なり、大型浄化槽全体の剛性を向上するためにも役立
つ。
【0027】本発明の大型浄化槽において、上槽部、中
間槽部および下槽部は互いにフランジを介して互いに接
合されるが、その接合手段は最も代表的には締結金具と
してボルトおよびナットまたはリベットを使用する方法
である。しかし、これらの締結金具のみで各槽部を接合
した場合、土中に埋設後、内部の汚水がフランジの間を
通って土中に滲み出し、汚染の原因となることが度々起
こり、また強度的にも不充分で厳しい使用条件に耐えら
れない場合がある。本発明者らの研究によれば、各槽部
をフランジにて接合した場合、ボルトとナット或いはリ
ベットの如き締結金具で固定すると共に、フランジ間を
ポリウレタン系接着剤を使用して接着すると、各槽部が
強固に接着され厳しい使用条件に充分耐え、また汚水の
滲み出しも起こらないことがわかった。
【0028】各槽部の接合に使用されるポリウレタン系
接着剤としては、通常ポリウレタン系接着剤として市販
されているものを使用することができる。そのポリウレ
タン系接着剤の構成要素としては、イソシアネート成分
として、脂肪族系イソシアネートのヘキサメチレンジイ
ソシアネート、脂環族系イソシアネートのイソホロンジ
イソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、
ヘキサヒドロメタキシリレンジイソシアネート、ジシク
ロヘキサメタンジイソシアネートなど、芳香族イソシア
ネートのトリレンジイソシアネート(TDI)、3,3'
−トリレン−4,4'−ジイソシアネート、ジフェニルメ
タンジイソシアネート(MDI)、クルードMDI、ポ
リメリックジフェニルメタンジイソシアネート、トリフ
ェニルメタントリイソシアネート、トリレンダイマー、
ナフタレンジイソシアネート、トリス(4−フェニルイ
ソシアネート)チオホスフェート、TDI三量体、メタ
キシリレンジイソシアネート、トリメチルプロパン−1
−メチル−2−イソシアノ−4−カルバメート、ポリメ
チレンポリフェニルイソシアネート、3,3'−ジメトキ
シ−4,4'−ジフェニルジイソシアネートおよびジフェ
ニルエーテルトリイソシアネートなどを挙げることがで
きる。
【0029】ポリオール成分として、低分子量ポリオー
ルのエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,
4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリ
エーテルポリオールのポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、
ポリエステルポリオールとして、ポリカプロラクトン、
ジオールと二塩基酸からのポリエステルなどを挙げるこ
とができる。
【0030】これらの成分が基本原料となり、接着剤の
タイプにより、触媒、安定剤、顔料、充填剤、粘着付与
剤などが使用される。これらの主たる構成要素からなる
ポリウレタン系接着剤は使用形態から2つのタイプに大
別出来、ポットライフの制限から使用上注意が必要であ
るが、硬化時間が比較的短いために、本発明の用途には
1液形に比べ2液形の方が使用し易い。即ち、2液形と
しては、例えばイソシアネート化合物と合成ゴムポリオ
ールなどとの組み合せ、NCO基末端のプレポリマーと
ポリオールなどの組み合せ、イソシアネート化合物とO
H基末端の熱可塑性ポリマーの組み合せなどが挙げられ
る。また、1液形としては、例えばイソシアネート化合
物と水、NCO基末端のプレポリマーと水などの組み合
せが挙げられる。
【0031】さらにポリウレタン系接着剤は元来柔軟性
を有するものではあるが、該重合体成形品の浄化槽の変
形に追随し得る柔軟性については引張破断伸度で規定出
来ることが明らかになった。即ち、引張破断伸度は40
%以上を有することが好適である。また、本発明の大型
浄化槽において各槽部の接合にポリウレタン系接着剤を
使用すれば、前記重合体成形品の浄化槽に対し十分な性
能を有するが、水漏れなどの防止をより一層十分にする
ために、フランジ接合部に合成ゴムの帯状パッキング材
を挟むことも可能である。
【0032】本発明の浄化槽内部は図示されていないが
通常の浄化槽内部と同じであり、嫌気槽、好気槽、消毒
槽など各機能別に区画されており、各区画は排水を効率
よく浄化するための各種部材を充填し、かつ流水路を設
けてある。本発明の大型浄化槽はし尿処理だけのいわゆ
る単独槽としても、或いはし尿と家庭排水の両方を浄化
処理する合併浄化槽としても使用できる。
【0033】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を説明する。な
お、実施例は説明のためのものであって、本発明はこれ
らに限定されるわけではない。
【0034】(1)金型 図1に示す製品形状を盛り込んだアルミニウム型を使用
した。実施例における浄化槽の寸法は次の通りであっ
た。 C=2260mm D=950mm E=800mm F=1140mm G=200mm 4、4’、4”は厚み6mmで巾65mmのフランジを
表わす。また、上下槽のボルト穴は平均して150mm
間隔でフランジに開けてある。また、上下対称形状を有
する2個の中間槽部を結合するボルト穴は50mm間隔
で3個フランジに開けてある。
【0035】(2)モノマー液 (溶液Aの調製)六塩化タングステン20重量部を窒素
気流中下で乾燥トルエン70重量部に添加し、次いでノ
ニルフェノール2重量部およびトルエン16重量部より
なる溶液を添加して0.5Mのタングステン含有触媒溶
液を調製し、この溶液に対し窒素ガスを一晩パージし
て、六塩化タングステンとノニルフェノールとの反応に
よっと生成される塩化水素ガスを除去して、さらにかか
る溶液10容量部に対し、1容量部のアセチルアセトン
を加えて重合用触媒とした。
【0036】次いで、精製ジシクロペンタジエン(純度
99.7重量%、以下同様)95重量部、精製エチリデ
ンノルボルネン(純度99.5重量%、以下同様)5重
量部よりなるモノマー混合物に対し、エチレン含有70
モル%のエチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネ
ン重合ゴム3重量部、酸化安定剤としてエタノックス7
02 2重量部を加えた溶液に上記重合用触媒溶液をタ
ングステン含量が0.01/リットルになるように加え
て触媒成分を含有するモノマー液A(溶液A)を調製し
た。
【0037】(溶液Bの調製)トリオクチルアルミニウ
ム85、ジオクチルアルミニウムアイオダイド15、ジ
グライム100のモル割合で混合調製した重合用活性化
剤混合溶液を精製ジシクロペンタジエン95重量部、精
製エチリデンノルボルネン5重量部、エチレン含有70
モル%のエチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネ
ン重合ゴム3重量部よりなるモノマー混合物にアルミニ
ウムが含量が0.03モル/リットルになる割合で混合
し、活性化剤成分を含有するモノマー液B(溶液B)を
調製した。溶液Bの粘度は30℃で300cpsであっ
た。
【0038】(成形)成形用アルミニウム金型をキャビ
ティ型90℃、コア型60℃に加熱し型を閉じた後、こ
の中へRIM成形機を利用してミキシングヘッド中で等
量の溶液Aと溶液Bを衝突混合し注入した。液注入充填
後2分で型を開き3.5分後に架橋重合体成形品を取り
出した。
【0039】(浄化槽としての評価)得られた架橋重合
体成形品の上下槽と中間槽とをフランジ部を介しボルト
と接着剤で固定化して評価用製品とした。なお該製品は
予めFRP製仕切板3枚を用い同じボルトおよび接着剤
で固定されてある。該製品はJISA4101に基づく
剛性試験、耐圧試験をいずれも満足した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の浄化槽の1例を示すものであり、Aは
正面図、Bは側面図を示す。
【図2】本発明における中間槽部の1例を示すものであ
り、2個の上下対称形状を有する成形品を組み合わせて
中間槽部として使用した斜視図を示す。
【符号の説明】
1 上槽部 2 下槽部 3 中間槽部 4 フランジ 4’ フランジ 4” フランジ 4”’フランジ 5 凹凸リブ 5' 凹凸リブ 6 リブ 7 中間槽部結合用のフランジ 7’ 中間槽部結合用のフランジ 8 フランジに形成されたボルト用の穴 9 フランジに形成されたボルト用の穴 10 フランジに形成されたボルト用の穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 建孔 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人ハー キュレス株式会社テクニカルセンター内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上槽部、下槽部およびそれらを連結する
    板状帯の中間槽部より構成される大型浄化槽であって、
    該大型浄化槽は、(1)各槽部は、メタセシス重合触媒
    系の触媒成分を含有するメタセシス重合性環状オレフィ
    ンからなるモノマー液A(溶液A)とメタセシス重合触
    媒系の活性化剤成分を含有するメタセシス重合性環状オ
    レフィンからなるモノマー液B(溶液B)とを混合し、
    その原料混合液を金型内に注入しその金型内において重
    合および架橋反応せしめることによって得られた架橋重
    合体成形品であり、そして(2)該中間槽部は対称形状
    を有する2個の板状成形品より構成されていることを特
    徴とする大型浄化槽。
  2. 【請求項2】 上槽部、2個の中間槽部および下槽部は
    互いに接合する部分に設けられたフランジを介して接合
    する構造を有する請求項1記載の大型浄化槽。
JP8295894A 1994-04-21 1994-04-21 大型浄化槽 Withdrawn JPH07290484A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100330302B1 (ko) * 1998-05-28 2002-03-27 미즈타니 치카히사 정화조의 제조방법 및 성형틀

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100330302B1 (ko) * 1998-05-28 2002-03-27 미즈타니 치카히사 정화조의 제조방법 및 성형틀

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