JPH09253597A - 遮水用シート - Google Patents

遮水用シート

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JPH09253597A
JPH09253597A JP7081596A JP7081596A JPH09253597A JP H09253597 A JPH09253597 A JP H09253597A JP 7081596 A JP7081596 A JP 7081596A JP 7081596 A JP7081596 A JP 7081596A JP H09253597 A JPH09253597 A JP H09253597A
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JP
Japan
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ethylene
polymer
mfr
density
weight
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Application number
JP7081596A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Asuke
哲也 足助
Toshio Taka
敏雄 鷹
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Petrochemicals Co Ltd filed Critical Nippon Petrochemicals Co Ltd
Priority to JP7081596A priority Critical patent/JPH09253597A/ja
Publication of JPH09253597A publication Critical patent/JPH09253597A/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/30Landfill technologies aiming to mitigate methane emissions

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  • Revetment (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐候性、耐薬品性、耐油性等の耐久性、融着
強度、引裂強度等の機械的強度、柔軟性等に優れ、施工
性がよく、安価な遮水性シートを提供する。 【解決手段】 (A)エチレン系重合体90〜50重量
%と特定の条件を満足する(B)他のエチレン(共)重
合体10〜50重量%の樹脂組成物からなることを特徴
とする遮水用シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一般廃棄物処分場、
産業廃棄物処分場や家畜の屎尿処分場あるいは貯水池、
護岸用等に用いられる遮水用シートに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】遮水用シートは処理場や貯水池からの水
の漏洩、透過を防止することを目的とするものであっ
て、各種廃棄物の処理場からの汚水の漏出防止や貯水
池、護岸の漏水防止のために土面に排水用シートを敷き
詰めることが行われている。これら遮水用シートに要求
される主な実用上の特性は、(1)廃棄物の処理場や貯
水池のような広大な面積を大型のシートを継ぎ合わせて
敷き詰めることになるために、シート相互の熱融着性に
優れ、現場での施工性等に優れることが要求されるた
め、ヒートシール性が容易で熱融着性に優れることが必
要であること、(2)一般廃棄物処理場、産業廃棄物処
理場、屎尿処分場等では廃棄物からでる油や薬品、腐敗
等に対する抵抗性、すなわち、耐油性、耐薬品性や直射
日光、風雨等の長期に亘る耐候性等の化学的性質に優れ
ること、(3)地盤の変動や地面の凹凸に追随しうる柔
軟性に優れること、(4)土中の岩角、廃棄物中の金属
などの突起物等に対する抵抗性、すなわち、突刺強度、
引裂強度等の機械的強度に優れること、(5)安価で経
済的な優位性を有していること等が望まれている。
【0003】従来このような遮水用シートには、主とし
てゴムシート、軟質ポリ塩化ビニルシート、高密度ポリ
エチレンシート等が用いられているが、ゴムシートは柔
軟性や突刺強度に優れるものの、ヒートシール性に劣り
熱融着性に難点を有する。軟質ポリ塩化ビニルシート
は、時間の経過と共に可塑剤がブリードアウトし、脆化
し柔軟性がなくなり、機械的強度が低下や耐候性、耐薬
品性、耐油性等が劣るものとなる。また、焼却処分の際
には塩素ガスを発生するという問題点を有する。高密度
ポリエチレン(HDPE)シートは、耐候性、耐薬品
性、耐油性等の化学的性質や機械的性質に優れるもの
の、柔軟性に劣るという問題点を有している。また、他
の樹脂シートとしては、低密度ポリエチレン(LDP
E)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、熱可塑性樹脂エラ
ストマー(TPE)等が提案されているが、LDPEシ
ートは、突刺強度等の機械的強度や柔軟性もいまだ充分
でなく、追随性などに問題を有している。線状低密度ポ
リエチレン(LLDPE)シートは、柔軟性と低温ヒー
トシール性に多少難点を有している。また、EVAシー
トは、柔軟性と低温ヒートシール性に優れているが、突
刺強度等の機械的強度が不充分である。TPEシート
は、上述の(1)〜(4)の特性を比較的満足してする
ものの、シール強度がいまだ十分でなく、かつシート同
士のブロッキングが生じ、取扱性に問題があり、価格が
高いという難点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記遮水用
シートとしての特性を満足させるものであって、低温ヒ
ートシール性を有し、熱融着性に優れ、耐候性、耐薬品
性、耐油性等の化学的性質、機械的強度、経済性等に優
れる遮水用シートを提供することを目的とするものであ
る。
【0005】
【課題が解決するための手段】本発明は、(A)下記
(B)以外のエチレン系重合体90〜50重量%と
(B)下記(イ)〜(ヘ)を満足するエチレン(共)重
合体10〜50重量%との樹脂組成物からなることを特
徴とする遮水用シートである。 「エチレン(共)重合体」 (イ)密度 0.86〜0.97g/cm3 (ロ)メルトフローレート(MFR) 0.01〜50
g/10分 (ハ)分子量分布(Mw/Mn) 1.5〜4.5 (ニ)組成分布パラメーターCb 2.00以下 (ホ)25℃におけるオルソジクロロベンゼン(ODC
B)可溶分の量X(wt%)と密度dおよびMFRが次
の関係を満足すること 1)密度dおよびMFRの値がd−0.008×log
MFR≧0.93の場合 X<2.0 2)密度dおよびMFRの値がd−0.008×log
MFR<0.93の場合 X<9.8×103 ×(0.9300 −d+0.008 ×logMFR)2
+2.0 (ヘ)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度
−溶出量曲線のピークが複数個存在すること
【0006】以下本発明を更に詳細に述べる。本発明の
(A)エチレン系重合体としては、(A1)従来のチタ
ン、バナジウム、クロム、ジルコニウム等の遷移金属化
合物を含有する固体触媒成分と有機アルミニウム等の助
触媒とからなるイオン重合法によるチグラー系触媒また
はフイリップス系触媒、メタロセン系触媒等(以下総称
してチグラー型触媒等という)を用いて重合して得られ
る密度0.86〜0.97g/cm3 のエチレン重合体
またはエチレン・α−オレフィン共重合体または(A
2)高圧ラジカル重合により得られるエチレン系重合体
が挙げられる。上記(A1)は、前記したとおりチグラ
ー型触媒等を用いて重合して得られる密度0.86〜
0.97g/cm3 のエチレン重合体またはエチレン・
α−オレフィン共重合体であって、具体的には高密度ポ
リエチレン(HDPE)、線状中密度ポリエチレン(M
DPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超
低密度ポリエチレン(VLDPE)等が挙げられる。
【0007】該チグラー型触媒等による高密度・線状中
・低密度ポリエチレン(HDPE、MDPE、LLDP
E)とは、密度が0.91〜0.97g/cm3 、好ま
しくは0.91〜0.96g/cm3 の範囲であり、M
FRが0.005〜20g/10分、好ましくは0.0
5〜10g/10分、さらに好ましくは0.08〜10
g/5分の範囲で選択される。溶融張力は0.3〜40
g、好ましくは0.4〜35g、さらに好ましくは0.
5〜30gである。Mw/Mnは2.5〜13、好まし
くは3〜8である。なおMw/Mnは、GPC分析によ
る重量平均分子量/数平均分子量である。
【0008】また、上記チグラー型触媒等による超低密
度ポリエチレン(VLDPE)は、密度が0.86〜
0.91g/cm3 未満、好ましくは0.88〜0.9
05g/cm3 、MFRが0.01〜20g/10分、
好ましくは0.1〜10g/10分の範囲で選択され
る。該超低密度ポリエチレン(VLDPE)は、直鎖状
低密度ポリエチレン(LLDPE)とエチレン・α−オ
レフィン共重合体ゴム(EPR、EPDM)との中間の
性状を示すポリエチレンを有しており、示差走査熱量測
定法(DSC)による最大ピーク温度(Tm)60℃以
上、好ましくは100℃以上、かつ沸騰n−ヘキサン不
溶分10重量%以上の性状を有する特定のエチレン・α
−オレフィン共重合体であり、少なくともチタンおよび
/またはバナジウムを含有する固体触媒成分と有機アル
ミニウム化合物とからなる触媒を用いて重合され、直鎖
状低密度ポリエチレンが示す高結晶部分とエチレン・α
−オレフィン共重合体ゴムが示す非晶部分とを合わせ持
つ樹脂であって、前者の特徴である機械的強度、耐熱性
などと、後者の特徴であるゴム状弾性、耐低温衝撃性な
どがバランスよく共存している。
【0009】上記チグラー型触媒等によるエチレン・α
−オレフィン共重合体のα−オレフィンとしては、炭素
数3〜12、好ましくは3〜10の範囲であって、具体
的にはプロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−
1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1、ドデセ
ン−1等を挙げることができる。これらα−オレフィン
の含有量は3〜40モル%の範囲で選択されることが好
ましい。
【0010】本発明のエチレン系重合体の(A2)高圧
ラジカル重合によるエチレン系重合体とは、低密度ポリ
エチレン(LDPE)、エチレン・ビニルエステル共重
合体、エチレンとα、β−不飽和カルボン酸またはその
誘導体との共重合体が挙げられる。
【0011】上記低密度ポリエチレン(LDPE)は、
MFR(メルトフローレート)が0.05〜20g/1
0分、好ましくは0.1〜10g/10分、さらに好ま
しくは1.0〜10g/10分の範囲である。この範囲
内であれば組成物の溶融張力が適切な範囲となりシート
成形等がし易い。また密度は0.91〜0.94g/c
3 、好ましくは0.912〜0.935g/cm3
さらに好ましくは0.912〜0.930g/cm3
あり、溶融張力は1.5〜25g、好ましくは3〜20
g、さらに好ましくは3〜15gである。また、Mw/
Mnは3.0〜12、好ましくは4.0〜8.0であ
る。溶融張力は樹脂の弾性項目であり、上記の範囲であ
ればシート成形等がし易い。
【0012】本発明のエチレン・ビニルエステル共重合
体とは、高圧ラジカル重合法で製造されるエチレンを主
成分とするプロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、カプロン
酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステ
アリン酸ビニル、トリフルオル酢酸ビニルなどのビニル
エステル単量体との共重合体である。これらの中でも特
に好ましいものとしては、酢酸ビニルを挙げることがで
きる。すなわち、エチレン50〜99.5重量%、ビニ
ルエステル0.5〜50重量%、他の共重合可能な不飽
和単量体0〜49.5重量%からなる共重合体が好まし
い。特にビニルエステル含有量は3〜30重量%、好ま
しくは5〜25重量%の範囲である。これら共重合体の
MFRは、0.1〜20g/10分、好ましくは0.3
〜10g/10分であり、溶融張力は2.0〜25g、
好ましくは3〜20gである。
【0013】本発明のエチレンとα、β−不飽和カルボ
ン酸またはその誘導体との共重合体の代表的な共重合体
としては、エチレン・(メタ)アクリル酸またはそのア
ルキルエステル共重合体が挙げられ、これらのコモノマ
ーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メ
チル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタク
リル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロ
ピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソプロ
ピル、アクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸−n−ブ
チル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロ
ヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリ
ル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル、
アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等を挙
げることができる。この中でも特に好ましいものとして
(メタ)アクリル酸のメチル、エチル等のアルキルエス
テルを挙げることができる。特に(メタ)アクリル酸エ
ステル含有量は3〜30重量%。好ましくは5〜25重
量%の範囲である。これら共重合体のMFRは、0.1
〜20g/10分、好ましくは0.3〜10g/10分
であり、溶融張力は2.0〜25g、好ましくは3〜2
0gである。
【0014】本発明の特定の(B)エチレン(共)重合
体は、エチレン重合体またはエチレン−α−オレフィン
共重合体からなり、(イ)密度が0.86〜0.97g
/cm3 、好ましくは0.89〜0.95g/cm3
範囲であり、密度が0.86g/cm3 未満では剛性、
耐熱性が劣り、0.97g/cm3 を越えると耐衝撃性
が十分でない。また、(A)エチレン(共)重合体の
(ロ)メルトフローレートは0.01〜50g/10
分、好ましくは0.03〜30g/10分の範囲であ
る。MFRが0.01g/10分未満では成形加工性が
劣り、50g/10分を越えると強度が低下する。
【0015】本発明のエチレン(共)重合体の(ハ)M
w/Mnは1.5〜4.5であり、好ましくは1.8〜
4.0、さらに好ましくは2.0〜3.0の範囲にある
ことが望ましい。Mw/Mnが1.5未満では成形加工
性が劣り、4.5を越えると衝撃性が劣る。本発明のエ
チレン(共)重合体の分子量分布(Mw/Mn)の算出
方法は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(G
PC)により重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
(Mn)を求め、この比Mw/Mnを求めるものであ
る。
【0016】本発明のエチレン(共)重合体の組成分布
パラメーターは測定法は下記の通りである。試料に耐熱
安定剤を加え、ODCBに濃度0.2重量%となるよう
に135℃て加熱溶解する。溶液を、けい藻土(セライ
ト545)を充填したカラムに移送し、0.1℃/mi
nで25℃まで冷却し、試料をセライト表面に沈着す
る。次に、ODCBを一定流量で流しながら、カラム温
度を5℃きざみに120℃まで段階的に昇温し、試料を
溶出させ試料を分別する。溶液をメタノールで再沈後、
濾過、乾燥し、各溶出温度の試料を得る。各試料の重量
分率および分岐度(炭素数1000個あたりの分岐数)
を測定する。分岐度(測定値)は13C−NMRにより求
める。
【0017】30℃から90℃のフラクションについて
は次のような、分岐度の補正を行う。すなわち、溶出温
度に対して測定した分岐度をプロットし、相関関係を最
小自乗法で直線に近似し、検量線を作成する。この近似
の相関係数は十分大きい。この検量線により求めた値を
各フラクションの分岐度とする。溶出温度95℃以上で
は溶出温度と分岐度に必ずしも直線関係が成立しないの
でこの補正は行わない。
【0018】次にそれぞれのフラクションの重量分率w
iを、溶出温度5℃当たりの分岐度bi の変化量(bi
−bi-1 )で割って相対濃度ci を求め、分岐度に対し
て相対濃度をプロットし、組成分布曲線を得る。この組
成分布曲線を一定の幅で分割し、次式より組成分布パラ
メーターCbを算出する。
【0019】
【数1】
【0020】ここでcj とbj はそれぞれj番目の区分
の相対濃度と分岐度である。組成分布パラメーターCb
は試料の組成が均一である場合に1となり、組成分布が
広がるに従って値が大きくなる。
【0021】ポリマーの組成分布を測定する方法は多く
の提案がなされている。例えば特開昭60−88016
号では、試料を溶剤分別して得た各分別試料の分岐数に
対して、累積重量分率が特定の分布(対数正規分布)を
すると仮定して数値処理を行い、重量平均分岐度(C
w)と数平均分岐度(Cn)の比を求めている。この近
似計算は、試料の分岐数と累積重量分率が対数正規分布
からずれると精度が下がり、市販のLLDPEについて
測定を行うと相関係数R2はかなり低く、値の精度は充
分でない。また、このCw/Cnの測定法は、補発明の
Cbのそれと異なるが、あえて数値の比較を行えば、C
w/Cnの値は、Cbよりかなり大きくなる。
【0022】本発明のエチレン(共)重合体の(ニ)組
成分布は2.00以下であり、共重合体の場合には1.
08〜2.00の範囲であり、好ましくは1.10〜
1.70、さらに好ましくは1.12〜1.50の範囲
にあることが望ましい。該共重合体の(ニ)組成分布が
2.00を超えると機械的強度の格段なる改良が望めな
い恐れがある。
【0023】本発明のエチレン(共)重合体の25℃に
おけるODCB可溶分(X重量%)は、下記の方法によ
り測定する。試料0.5gを20mlのODCBに加え
135℃で2時間加熱し、試料を完全に溶解した後、2
5℃まで冷却する。この溶液を25℃で一晩放置後、テ
フロン製フィルターで濾過して濾液を採取する。試料溶
液のメチレンの非対称伸縮振動の波数2925cm-1
近の吸収ピーク面積を求め、あらかじめ作成した検量線
により試料濃度を算出する。この値より、25℃におけ
るODCB可溶分を求める。
【0024】本発明のエチレン(共)重合体は、(ホ)
25℃におけるオルソジクロロベンゼン(ODCB)可
溶分の量X(wt%)と密度dおよびMFRが密度dお
よびMFRの値がd−0.008×logMFR≧0.
93を満たす場合は、Xは2重量%未満であり、d−
0.008×logMFR<0.93の場合はX<9.
8×103 ×(0.9300−d+0.008×log
MFR)2 +2.0の関係を満足しており、好ましく
は、密度dおよびMFRの値がd−0.008×log
MFR≧0.93を満たす場合は、Xは1重量%未満で
あり、d−0.008×logMFR<0.93の場合
はX<7.4×103 ×(0.9300−d+0.00
8×logMFR)2 +1.0であり、さらに好ましく
は、密度dおよびMFRの値がd−0.008×log
MFR≧0.93を満たす場合は、Xは0.5重量%未
満であり、d−0.008×logMFR<0.93の
場合はX<5.6×103 ×(0.9300−d+0.
008×logMFR)2 +0.5関係を満足している
ことが望ましい。
【0025】25℃におけるオルソジクロロベンゼン可
溶分は、ポリマーに含まれる高分岐度成分および低分子
量成分であり、耐熱性の低下、成形品表面のベタツキの
原因をなるためこの含有量は少ないことが望ましい。O
DCB可溶分の量は、コモノマーの含有量および分子量
に影響される。従ってこれらの指標である密度およびM
FRとODCB可溶分の量が上記の関係を満たすこと
は、共重合したコモノマーのうち、ポリマーの高分岐度
成分に含まれるものの割合が少ないことを示す。
【0026】本発明の(B)成分がエチレン共重合体の
場合は、(ヘ)連続昇温溶出分別法(TREF)により
求めた溶出温度−溶出量曲線において、ピークが複数で
あることが好ましく、これらの溶出温度は85℃から1
00℃の間にピークが存在することが特に好ましい。こ
のピークが存在することにより、成形体の耐熱性および
剛性が向上する。また、図1には本発明の共重合体の溶
出温度−溶出量曲線を示し、図2は一般のメタロセン触
媒による共重合体の溶出温度−溶出量曲線を示したもの
である。この図から明らかなように本発明の(B)成分
のエチレン(共)重合体は、一般のメタロセン触媒によ
るエチレン−α−オレフィン共重合体とは明確に区別さ
れるものである。
【0027】本発明にかかわる連続昇温溶出分別法(T
REF)の測定方法は下記の通りである。試料に耐熱安
定剤を加え、ODCBに濃度0.05重量%となるよう
に135℃で加熱溶解00する。試料溶液5mlを、ガ
ラスビーズを充填したカラムに注入し、0.1℃/mi
nの冷却速度で25℃まで冷却し、試料をガラスビーズ
表面に沈着する。次に、このカラムにODCBを一定流
量で流しながら、カラム温度を50℃/hrの一定速度
で昇温し、試料を順次溶出させる。この際、溶剤中に溶
出する試料について、メチレンの非対称伸縮振動の波数
2925cm-1に対する吸収を赤外検知機で検出し、定
量分析する。この値から、溶液中PEの重量濃度定量分
析し、溶出温度と溶出速度の関係を求める。TREF分
析は極少量の試料で、温度変化に対する溶出速度の変化
を連続的に分析できるため、分別法では検出できない比
較的細かいピークの検出が可能である。
【0028】本発明の(B)エチレン(共)重合体は、
エチレンまたはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフ
ィンより選ばれた一種以上との共重合で製造される。こ
の炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、好ましく
は炭素数3〜12のものであり、具体的にはプロピレ
ン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキ
セン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、など
が挙げられる。また、これらのα−オレフィンの含有量
は、合計で通常30モル%以下、好ましくは3〜20モ
ル%の範囲で選択されることが望ましい。
【0029】本発明の特定の(B)エチレン(共)重合
体は、上記(イ)〜(ヘ)の性状を満足することが肝要
であるが、好ましくは以下のD1〜D5からなる触媒で
重合することが望ましい。
【0030】すなわち、D1:Me1 1 p (OR2
q 1 4-p-qで表される化合物(式中Me1 はZr、T
i、Hfを示し、R1 およびR2 は各々炭素数1〜24
の炭化水素基、X1 はハロゲン原子を示し、p、qおよ
びrは各々0≦p<4、0≦p+q≦4の範囲を満たす
整数である)、D2:一般式Me2 3 m (OR4 n
2 z-m-n で表される化合物(式中Me2 は周期律表第
I〜III族元素、R3およびR4 は各々炭素数1〜2
4の炭化水素基、X2 はハロゲン原子または水素原子
(ただし、X2 が水素原子の場合はMe2 は周期律表第
III族元素の場合に限る)を示し、zはMe2 の価数
を示し、mおよびnは各々0≦m≦z、0≦n≦zの範
囲を満たす整数であり、かつ、0≦m+n≦zであ
る)、D3:共役二重結合を持つ有機環状化合物、およ
びD4:Al−O−Al結合を含む変性有機アルミニウ
ムオキシ化合物、D5:無機担体および/または粒子状
ポリマー担体を相互に接触させて得られる触媒である。
【0031】上記触媒成分(D1)の一般式Me1 1
p (OR2 q 1 4-p-qで表される化合物の式中Me1
はZr、Ti、Hfを示す。これらの遷移金属の種類は
限定されるものではなく、複数を用いることもできる
が、共重合体の耐候性の優れるZrが含まれることが特
に好ましい。R1 およびR2 は各々炭素数1〜24の炭
化水素基で、好ましくは炭素数1〜12、さらに好まし
くは1〜8であり、具体的にはメチル基、エチル基、プ
ロピル基、イソプロピル基、ブチル基などのアルキル
基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;フェニル
基、トリル基、キシリル基、メシチル基、インデニル
基、ナフチル基などのアリール基;ベンジル基、トリチ
ル基、フェネチル基、スチリル基、ベンズヒドリル基、
フェニルブチル基、ネオフイル基などのアラルキル基な
どが挙げられる。これらは分岐があってもよい。X1
フッ素、ヨウ素、塩素および臭素などのハロゲン原子を
示し、pおよびqはそれぞれ0≦p<4、0≦q<4、
0≦p+q≦4の範囲を満たし、好ましくは0≦p+q
≦4の範囲である。
【0032】上記触媒成分(D1)一般式で示される化
合物の例としては、テトラメチルジルコニウム、テトラ
エチルジルコニウム、テトラベンジルジルコニウム、テ
トラプロポキシジルコニウム、トリプロポキシモノクロ
ロジルコニウム、ジプロポキシジクロロジルコニウム、
テトラブトキシジルコニウム、トリブトキシモノクロロ
ジルコニウム、ジブトキシジクロロジルコニウム、テト
ラブトキシチタン、テトラブトキシハフニウムなどが挙
げられ、これらを2種以上混合して用いても差し支えな
い。
【0033】上記触媒成分(D2)の一般式Me2 3
m (OR4 n 2 z-m-n で表される化合物の式中Me
2 は周期律表第I〜III族元素を示し、リチウム、ナ
トリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜
鉛、ホウ素、アルミニウムなどである。R3 およびR4
は各々炭素数1〜24の炭化水素基、好ましくは炭素数
1〜12、さらに好ましくは1〜8であり、具体的には
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブ
チル基などのアルキル基;ビニル基、アリル基などのア
ルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、メシ
チル基、インデニル基、ナフチル基などのアリール基;
ベンジル基、トリチル基、フェネチル基、スチリル基、
ベンズヒドリル基、フェニルブチル基、ネオフィル基な
どのアラルキル基などが挙げられる。これらは分岐があ
ってもよい。X2 はフッ素、ヨウ素、塩素および臭素な
どのハロゲン原子または水素原子を示すものである。た
だし、X2 が水素原子の場合はMe2 はホウ素、アルミ
ニウムなどに例示される周期律表第III族元素の場合
に限るものである。また、zはMe2 の価数を示し、m
およびnは各々0≦m≦z、0≦n≦zの範囲を満たす
整数であり、かつ、0≦m+n≦zである。
【0034】上記触媒成分(D2)の一般式で示される
化合物の例としては、メチルリチウム、エチルリチウム
などの有機リチウム化合物;ジメチルマグネシウム、ジ
エチルマグネシウム、メチルマグネシウムクロライド、
エチルマグネシウムクロライドなどの有機マグネシウム
化合物;ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛などの有機亜鉛化
合物;トリメチルボロン、トリエチルボロンなどの有機
ボロン化合物;トリメチルアルミニウム、トリエチルア
ルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシ
ルアルミニウム、トリデシルアルミニウム、ジエチルア
ルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライ
ド、エチルアルミニウムセスキクロライド、ジエチルア
ルミニウムエトキサイド、ジエチルアルミニウムハイド
ライドなどの有機アルミニウム化合物等の誘導体が挙げ
られる。
【0035】上記触媒成分(D3)の共役二重結合を持
つ有機環状化合物とは、環状で共役二重結合を2個以
上、好ましくは2〜4個、さらに好ましくは2〜3個有
する環を1個または2個以上もち、全炭素数が4〜2
4、好ましくは4〜12である環状炭化水素化合物;前
記環状炭化水素化合物が部分的に1〜6個の炭化水素残
基(典型的には、炭素数1〜12のアルキル基またはア
ラルキル基)で置換された環状炭化水素化合物;共役二
重結合を2個以上、好ましくは2〜4個、さらに好まし
くは2〜3個有する環を1個または2個以上もち、全炭
素数が4〜24、好ましくは4〜12である環状炭化水
素基を有する有機ケイ素化合物;前記環状炭化水素基が
部分的に1〜6個の炭化水素残基またはアルカリ金属塩
(ナトリウムまたはリチウム塩)で置換された有機ケイ
素化合物が含まれる。特に好ましくは分子中のいずれか
にシクロペンタジエン構造をもつものが望ましい。
【0036】上記の好適な化合物としては、シクロペン
タジエン、インデン、アズレンまたはこれらのアルキ
ル、アリール、アラルキル、アルコキシまたはアリール
オキシ誘導体などが挙げられる。また、これらの化合物
がアルキレン基(その炭素数は通常2〜8、好ましくは
2〜3)を介して結合(架橋)した化合物も好適に用い
られる。
【0037】環状炭化水素基を有する有機ケイ素化合物
は、下記一般式で表示することができる。 AL SiR4-L ここで、Aはシクロペンタジエニル基、置換シクロペン
タジエニル基、インデニル基、置換インデニル基で例示
される前記環状水素基を示し、Rはメチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などのアル
キル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブト
キシ基などのアルコキシ基;フェニル基などのアリール
基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジル基
などのアラルキル基で示され、炭素数1〜24、好まし
くは1〜12の炭化水素残基または水素を示し、Lは1
≦L≦4、好ましくは1≦L≦3である。
【0038】上記成分(D3)の有機環状炭化水素化合
物の具体例は、シクロペンタジエン、メチルシクロペン
タジエン、エチルシクロペンタジエン、1,3−ジメチ
ルシクロペンタジエン、インデン、4−メチル−1−イ
ンデン、4,7−ジメチルインデン、シクロヘプタトリ
エン、メチルシクロヘプタトリエン、シクロオクタテト
ラエン、アズレン、フルオレン、メチルフルオレンのよ
うな炭素数5〜24のシクロポリエンまたは置換シクロ
ポリエン、モノシクロペンタジエニルシラン、ビスシク
ロペンタジエニルシラン、トリスシクロペンタジエニル
シラン、モノインデニルシラン、ビスインデニルシラ
ン、トリスインデニルシラン等が挙げられる。
【0039】触媒成分(D4)Al−O−Al結合を含
む変性有機アルミニウムオキシ化合物とは、アルキルア
ルミニウム化合物と水とを反応させることにより、通常
アルミノキサンと称される変性有機アルミニウムが得ら
れ、分子中に通常1〜100個、好ましくは1〜50個
のAl−O−Al結合を含有する。また、変性有機アル
ミニウムオキシ化合物は線状でも環状でもいずれでもよ
い。
【0040】有機アルミニウムと水との反応は通常不活
性炭化水素中で行われる。該不活性炭化水素としては、
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベン
ゼン、トルエン、キシレン等の脂肪族、脂環族、芳香族
炭化水素が好ましい。水と有機アルミニウム化合物との
反応比(水/Alモル比)は通常0.25/1〜1.2
/1、好ましくは0.5/1〜1/1であることが望ま
しい。
【0041】触媒成分(D5)の無機物担体および/ま
たは粒子状ポリマー担体とは、炭素質物、金属、金属酸
化物、金属塩化物、金属炭酸塩またはこれらの混合物あ
るいは熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。該
無機物担体に用いることができる好適な金属としては、
鉄、アルミニウム、ニッケルなどが挙げられる。具体的
にはSiO2 、Al2 3 、MgO、ZrO2 、TiO
2 、B2 3 、CaO、ZnO、BaO、ThO2 等ま
たはこれらの混合物が挙げられ、SiO 2 −Al
2 3 、SiO2 −V2 5 、SiO2 −TiO2 、S
iO2 −V2 5 、SiO2 −MgO、SiO2 −Cr
2 3 等が挙げられる。これらの中でもSiO2 および
Al2 3 からなる群から選択された少なくとも1種の
成分を主成分とするものが好ましい。また、粒子状ポリ
マー担体としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいず
れも使用でき、具体的には、粒子状のポリオレフィン、
ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ(メ
タ)アクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリノルボルネ
ン、各種天然高分子およびこれらの混合物等が挙げられ
る。
【0042】上記無機物担体および/または粒子状ポリ
マー担体は、このまま使用することもできるが、好まし
くは予備処理としてこれらの担体を有機アルミニウム化
合物やAl−O−Al結合を含む変性有機アルミニウム
オキシ化合物などに接触処理させた後に成分(D5)と
して用いることもできる。
【0043】本発明の(B)エチレン(共)重合体は、
気相法、スラリー法、溶液法等で製造され、一段重合
法、多段重合法など特に限定されるものではない。
【0044】本発明の遮水用シートは、(A)エチレン
系重合体90〜50重量%と(B)エチレン(共)重合
体を10〜50重量%の樹脂組成物からなることを特徴
とするものであり、好ましくは(A)エチレン系重合体
80〜60重量%、(B)エチレン(共)重合体40〜
20重量%、より好ましくは(A)成分が75〜60重
量%、(B)成分25〜40重量%の範囲とすることに
より、前記遮水用シートの諸機能と経済性をバランスよ
く維持することができる。該(A)エチレン系重合体が
90重量%を超え、50重量%以下では柔軟性、突刺強
度、熱融着性、耐薬品性、柔軟性等の特性、経済性のバ
ランスが損なわれる虞が生じる。また本発明において経
済性を考慮した場合には(A)、(B)成分の一方又は
両方として、通常生産過程で取得される再生樹脂または
再生樹脂組成物を用いることが望ましい。
【0045】本発明の遮水用シートの製造法は特に限定
されなく、インフレーション法、Tダイ法等により製造
される。すなわち、インフレーション法では厚みのある
幅広のシートを高速で成形することができ、経済性に優
れるものとなる。また、該遮水用シートの厚みは一般的
には200μm以上、特に300μm以上が望ましく、
超柔軟性グレードとしては、ヤング率が約200N/m
2 以下、より好ましくは100N/mm2 以下に調整
することが望ましい。
【0046】本発明の遮水用シートは、耐候性を向上さ
せる目的で、前記樹脂成分に100重量部に対して、
(C)カーボンブラックを0.1〜10重量部、好まし
くは1〜5重量部配合することが好ましい。上記(C)
カーボンブラックとしては、好ましくはファーネスブラ
ックで、平均粒子径が1〜200mμ、好ましくは3〜
100mμ、さらに好ましくは5〜50mμの範囲のも
のを選択することが望ましい。該(C)カーボンブラッ
クの粒子径・配合量が前記範囲以外であると耐候性の効
果が小さかったり、あるいは遮水用シートの性能に支障
をきたす虞が生じる。
【0047】本発明の遮水用シートを取り扱う場合に
は、例えば巻回した状態で廃棄処分場の敷設現場まで運
び、処分場内でシートを展開し、処分場の表面を完全に
覆うように多数の遮水用シートを敷設した後、それらの
遮水用シートを相互に接合する。接合方法は、任意の公
知技術を使用することができる。例えば、接着剤による
接合、粘着剤性シーリング材と高熱を利用した熱板式接
合、シート同志を高熱で溶融して接合する熱風溶着法、
溶接棒を用いる溶接式溶着法などが挙げられるが、特に
熱風溶着法および溶接式融着法が好ましい。また、溶接
式法により接合する場合には、遮水用シートを相互に重
ね、重なる部分に遮水用シートと同一の材質からなる樹
脂を溶接棒として利用し、熱により融着させて一体化す
る。この方法によれば、接合部の劣化を生じるような異
材質の溶剤や接着剤を使用しないため、融着部分は遮水
用シートと全く同一の強度、遮水性および耐久性をもつ
ことになる。本発明の遮水用シートは、熱により容易か
つ完全に接合を行うことができるため有利である。
【0048】本発明の遮水用シートは、前記の樹脂成
分、もしくは樹脂成分にカーボンブラックを配合し、そ
のまま用いることができるが、その性能を逸脱しない範
囲内で、天然ゴム、各種合成ゴム、熱可塑性エラストマ
ー、あるいは粘着付与材、架橋剤、さらには炭酸カルシ
ウム、タルク、シリカ、金属繊維、炭素繊維等の各種フ
ィラーや酸化防止剤、紫外線防止剤、難燃剤、着色剤、
架橋剤などを必要に応じて配合してもよい。
【0049】
【作用】本発明の遮水用シートは、低温ヒートシール、
ヒートシール強度等のヒートシール特性や引裂強度等の
機械的強度等に優れる特定のエチレン(共)重合体とL
DPE、LLDPE、EVA等の従来の重合体あるいは
それらの再生樹脂との混合組成物層の遮水用シートとす
ることにより、廃棄物処分場や屎尿処分場や貯水池や護
岸用などの漏水防止はもちろんであるが、耐候性、耐薬
品性、耐油性などの耐久性、地面形状に合わせて変形で
きる柔軟性、引裂強度や突刺強度などの機械的強度、さ
らに広大な敷地面積にこれら遮水用シートを熱融着して
敷き設するための熱融着性に優れるものであり、経済性
にも優位性を有するものである。
【0050】
【実施例および比較例】以下、本発明を実施例および比
較例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらに
よって限定されるものではない。なお、得られた遮水用
シートの性能は以下の方法で評価した。
【0051】<引張破壊強さ、引張伸度、ヤング率>J
IS K−7127に準拠して測定した。使用した試験
片は、一号ダンベル、試験速度は、ヤング率:50mm
/min.、引張破壊強さ:500mm/min.で行
った。 <シール強度>JIS K−7127で規定した一号ダ
ンベルの形状のシートを、それぞれの温度毎に圧力2.
0Kg/cm2 、シール時間5秒の条件でヒートシール
した試験片を各々各5個ずつ測定してその平均値で評価
した。 <突刺強度>70mm×70mmに切断した遮水用シー
トを装置に両面テープで取り付け100mm/分の速度
で先端部の半径が0.25mmおよび0.45mmの針
で突き刺して破れたときの荷重で評価した。
【0052】(A)成分:<エチレン系重合体> A2a:高圧ラジカル重合による低密度ポリエチレン
(密度=0.921g/cm3 、MFR=0.3g/1
0分、商品名:ジェイレクス LDPE 日本ポリオレ
フィン(株)製) A2b:高圧ラジカル重合による低密度ポリエチレンの
再生品(MFR=1.0〜2.0g/10分)
【0053】(B)成分:実施例で用いる<エチレン
(共)重合体>は以下の方法で重合した。 (固体触媒の調製)窒素下で電磁誘導攪拌機付き触媒調
製器1に精製トルエンを加え、ついでジプロポキシジク
ロロジルコニウム(Zr(OPr)2 Cl2 )28gお
よびメチルシクロペンタジエン48gを加え、0℃に系
を保持しながらトリデシルアルミニウムを45gを滴下
し、滴下終了後、反応系を50℃に保持して16時間攪
拌した。この溶液をA液とする。次に窒素下で別の攪拌
器付き触媒調製器2に精製トルエンを加え、前記A溶液
と、ついでメチルアルミノキサン6.4molのトルエ
ン溶液を添加し反応させた。これをB液とする。次に窒
素下で攪拌器付き調製器1に精製トルエンを加え、つい
であらかじめ400℃で所定時間焼成処理したシリカ
(富士デビソン社製、グレード#952、表面積300
2 /g)1400gを加えた後、前記B溶液の全量を
添加し、室温で攪拌した。ついで窒素ブローにて溶媒を
除去して流動性の良い固体触媒粉末を得た。これを触媒
Cとする。
【0054】(試料B1の重合)連続式の流動床気相法
重合装置を用い、重合温度70℃、全圧20kgf/c
2 Gでエチレンと1−ブテンの共重合を行った。系内
のガス組成は、1−ブテン/エチレンモル比0.12、
エチレン濃度60mol%とした。前記触媒Cを連続的
に供給して重合を行い、系内のガス組成を一定に保つた
め、各ガスを連続的に供給した。
【0055】なお、生成した共重合体の物性は以下に示
した。 B1:エチレン−1−ブテン共重合体 密度:0.910g/cm3 MFR:0.5g/10分 分子量分布(Mw/Mn):2.7 組成分布(Cb):1.24 d−0.008logMFR:0.912 ODCB可溶分:3.0<9.8×103 ×(0.93
00−d+0.008logMFR)2 +2.0 TREFピーク温度(℃)=70.3, 75.1,
95.1 B2:エチレン−1−ヘキセン共重合体 密度:0.912g/cm3 MFR:0.7g/10分 分子量分布(Mw/Mn):2.6 組成分布(Cb):1.23 d−0.008logMFR:0.913 ODCB可溶分:2.8<9.8×103 ×(0.93
00−d+0.008logMFR)2 +2.0 TREFピーク温度(℃)=69.7, 92.1
【0056】(C)成分:<カーボンブラック> :ファーネスブラック (粒径=15mμ、商品名;Vulcan9 Cabo
t社製)
【0057】〔実施例1〜12、比較例1〜12〕A2
a(LDPE)又は、A2b(LDPE再生品)とB1
(エチレン−1−ブテン共重合体)又は、B2(エチレ
ン−1−ヘキセン共重合体)からなる樹脂組成物および
カーボンブラック(C)粒径15μmを表1に示した配
合樹脂組成物を90mmの押出機に供給し、樹脂温度1
80℃、ブローアップ比1.7の条件で400mmφの
環状ダイを用いて押出して全体厚み500μm、折径1
050mmのシートをチューブ状で製膜した。ついで該
チューブを切り開き厚み500μm、幅2100mmの
遮水用シートとした。該シートの特性を表1に示した。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
【表4】
【0062】
【表5】
【0063】
【表6】
【0064】
【表7】
【0065】
【発明の効果】本発明の遮水用シートは、特定の触媒を
用いて得られるエチレン(共)重合体を利用することに
より、下記の効果を示すことから、廃棄物処分場、プー
ル、ゴルフ場のウォーターハザード、鑑賞池の遮水用シ
ートとしてきわめて有用である。 <本発明の遮水用シートの効果> (1)機械的強度及び伸びが大きい。 (2)低温に於ける機械的強度伸びが大きいので、寒冷
地でも十分使用することができる。 (3)使用する樹脂成分の密度範囲が広いため、必要に
応じていかような硬さのシートでも設定できる。 (4)柔軟性があるシートでは賦形性がよく、外部から
の応力に適切に対応することができる。 (5)耐熱性、耐候性、耐薬品性、耐油性に優れる。 (6)低温ヒートシール性に優れ、融着強度が非常に大
きい。 (7)可塑剤などの添加剤を必要としないため、環境汚
染の心配がない。 (8)機械的特性とシートの柔軟性との調合が取れるた
め、機械的性能と施工性が共に優れる。 (9)再生樹脂を使用することができるため経済性に優
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエチレン(共)重合体の溶出温度−溶
出量曲線を示す。
【図2】一般のメタロセン触媒による共重合体の溶出温
度−溶出量曲線を示したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 33/00 C08L 33/00 E02B 3/12 E02B 3/12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記(B)以外のエチレン系重合
    体90〜50重量%と(B)下記(イ)〜(ヘ)を満足
    するエチレン(共)重合体10〜50重量%との樹脂組
    成物からなることを特徴とする遮水用シート。 「エチレン(共)重合体」 (イ)密度 0.86〜0.97g/cm3 (ロ)メルトフローレート(MFR) 0.01〜50
    g/10分 (ハ)分子量分布(Mw/Mn) 1.5〜4.5 (ニ)組成分布パラメーターCb 2.00以下 (ホ)25℃におけるオルソジクロロベンゼン(ODC
    B)可溶分の量X(wt%)と密度dおよびMFRが次
    の関係を満足すること 1)密度dおよびMFRの値がd−0.008×log
    MFR≧0.93の場合 X<2.0 2)密度dおよびMFRの値がd−0.008×log
    MFR<0.93の場合 X<9.8×103 ×(0.9300 −d+0.008 ×logMFR)2
    +2.0 (ヘ)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度
    −溶出量曲線のピークが複数個存在すること
  2. 【請求項2】 前記(A)エチレン系重合体、(B)エ
    チレン(共)重合体またはそれらの組成物が、再生樹脂
    または再生樹脂組成物であることを特徴とする請求項1
    に記載の遮水用シート。
  3. 【請求項3】 前記(A)エチレン系重合体が、下記の
    エチレン系重合体から選択された少なくとも1種である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の遮水用シー
    ト。 [エチレン系重合体] (A1)チーグラー型触媒等による密度0.86〜0.
    97g/cm3 のエチレン単独重合体またはエチレン・
    α−オレフィン共重合体 (A2)高圧ラジカル重合による低密度ポリエチレン、
    エチレン・ビニルエステル共重合体、エチレンとα、β
    −不飽和カルボン酸またはその誘導体との共重合体
  4. 【請求項4】 前記樹脂成分100重量部に対して、
    (C)カーボンブラック0.1〜10重量部を配合した
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    遮水用シート。
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