JPH09251469A - セミカスタム・データベースシステム - Google Patents

セミカスタム・データベースシステム

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JPH09251469A
JPH09251469A JP8061219A JP6121996A JPH09251469A JP H09251469 A JPH09251469 A JP H09251469A JP 8061219 A JP8061219 A JP 8061219A JP 6121996 A JP6121996 A JP 6121996A JP H09251469 A JPH09251469 A JP H09251469A
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藤 春 海 齋
Hisashi Nagashima
島 久 史 永
Tetsuya Iwagai
貝 哲 也 岩
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数のユーザーが共通のデータとデータ処理
システムを使用できる一方、各ユーザーが独自のデータ
と処理方法を追加定義でき、この追加したデータと共通
データとを全く同一のデータベースシステムのデータと
して取り扱うことができるセミカスタム・データベース
システムを提供する。 【解決手段】 定型データのコード化表名・項目名と非
コード化表名・項目名とを格納する定型データディクシ
ョナリー8と、非定型データのコード化表名・項目名と
非コード化表名・項目名とを格納する非定型データディ
クショナリー7と、定型データを格納する定型データベ
ース6と、非定型データを格納する非定型データベース
5と、引数機能を有するデータ処理システム9と、を備
えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分散化型コンピュ
ータシステムにおけるデータベースシステムに係り、特
に分散処理を行うユーザーがシステム共通のデータを共
有し、かつ、各ユーザーが自由に独自のデータを付加し
てデータ処理を行うことができるセミカスタム・データ
ベースシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から各技術分野・産業分野で種々の
情報をデータベース化しており、特に、今日のコンピュ
ータの普及に伴って企業においても、独自の企業内デー
タベースシステムを所有するようになった。たとえば、
顧客リスト、各顧客の取引履歴、各顧客に関する情報、
社員・店舗の営業実績などの情報を蓄積したデータベー
スシステムなどはその一例である。
【0003】これまでは、上記企業内データベースシス
テムは、企業内コンピュータセンターに設けられた大型
のホストコンピュータによって一括して集中処理されて
いた。このホストコンピュータによる集中処理を行うた
めに、ホストコンピュータに接続された端末が企業の各
所に設けられ、ユーザーは端末からホストコンピュータ
にデータ処理の命令を送り、その処理結果を各端末に備
えられた出力装置から得るようにしていた。
【0004】これに対して、最近では小型コンピュータ
の性能と通信技術の向上に伴い、ホストコンピュータに
よる集中処理に換えて複数の小型コンピュータによる分
散処理システムが主流になりつつある。
【0005】この分散処理システムは、小型コンピュー
タを通信ネットワークで結び、複数の小型コンピュータ
が参加して一つの処理を行ったり、一つの小型コンピュ
ータで処理した結果を他の小型コンピュータが共用した
りするものである。
【0006】この分散処理システムによれば、処理を行
うユーザーの場所の制約が大きく広がる。たとえば、企
業内データベースシステムにおいては、従来は事業所ご
とに集中処理を行っていたが、分散処理システムによれ
ば通信回線を介して場所的に遠く離れた複数の事業所が
共通のデータベースを使用することができるようになっ
た。
【0007】しかし、場所的に遠く離れた事業所が共通
のデータベースシステムを使用する場合は、データベー
スシステム自体に従来になかった機能が求められるよう
になった。
【0008】すなわち、事業所ごとにデータベースシス
テムを使用している従来の集中処理システムは、その事
業所に必要な情報処理のみを行えば足りるが、場所的に
遠く離れた事業所が共通のデータベースを使用する分散
処理システムは、企業としての共通のデータ処理の他
に、各事業所独自のデータ処理を同時に行う必要が生じ
た。
【0009】たとえば、本店と支店が日本の各所に分散
している企業の企業内データベースシステムにおいて
は、本店は企業全体の顧客リストを使用して企業全体の
業績アナリシス等を行うことが多いが、各支店は企業全
体の業績アナリシスよりも、むしろ各支店ごとの顧客の
細かい情報収集や各顧客との接触履歴等のためにデータ
ベースを使用することの方がより重要となる。
【0010】つまり、本店と支店では、一部共通するデ
ータを使用しながら、異なる目的の処理を行うことが多
く、かつ、それぞれの処理は企業内データベースシステ
ムとリンクした形(整合性を維持する形)で行うことが
必要となるのである。
【0011】この場合に、本店とすべての支店で処理す
るデータの種類や、データ処理の方法の全部を含んだ企
業内データベースシステムを構築すれば、システムが膨
大かつ複雑なものにならざるを得ない。このようなデー
タベースシステムでは、企業内のいずれのユーザーにと
っても、自分が必要としない処理システムがシステムの
大部分を占め、難解である上に、コンピュータ資源を浪
費することになる。
【0012】これに対して現状の企業内データベースシ
ステムは、本店と支店が必要とする処理システムの共通
部分を中心に企業内データベースシステムを構築し、デ
ータの項目にメモ程度の文書データを付加できるように
している。
【0013】図5にメモ程度の文書データを付加した企
業内データベースシステムの出力画面の一例を示す。
【0014】図5の例では、所定の顧客情報の画面の右
下隅にメモ欄20が設けられており、これにユーザーが
自由に文書データを入力できるようになっている。この
例では、「カントリーリスクについて、おおよそ理解。
…」が入力されている。
【0015】メモ欄20に入力された文書データは、一
定の出力画面あるいは一定の顧客に付随して表示される
ものであって、この文書データについて独自のデータの
集計等を行うことはできない。このため、たとえば、顧
客の持ち家、出身校、負債金額等について系統的に情報
を収集して活用したい場合には、上記メモ欄20を付加
する方法では不十分であった。
【0016】上記顧客の持ち家、出身校、負債金額等に
ついて情報を収集活用したい要求に対しては、従来は支
店独自のデータベースシステムを構築していた。この支
店のデータベースシステムは、企業内データベースシス
テムとは別個独立のシステムであり、各支店が独自に構
築し、企業内データベースシステムとの整合性をとるた
めに、データの更新等を独自に行っていた。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上記メモ程度の文書デ
ータを付加する従来のデータベースシステムでは、付加
できる情報量も限られ、かつ、付加した情報をデータベ
ースシステムのデータとして活用することもできなかっ
た。つまり、上記文書データは通常、所定のデータ処理
結果に対して一定のコメントをつけられるようにしたも
のであったが、この文書データは、上記例からもわかる
ようにデータとして定義をされておらず、これを所定の
条件で検索したり、演算子の操作の対象とすることがで
きなかった。
【0018】このため、ユーザーが付加した文書データ
は、そのデータベースシステムのデータとして活用する
ことができなかった。
【0019】一方、共通の企業内データベースシステム
とは別に各支店ごとに独自のデータベースシステムを構
築する上記従来の方法は、支店ごとに重複した労力と時
間がかかっていた。また、支店のデータベースシステム
と企業内データベースシステムのデータの整合性を維持
するのが極めて困難であった。
【0020】さらに、各支店で収集した有用な情報が、
他の支店や本店で活用されず、情報資源の無駄となって
いた。
【0021】そこで、本発明の解決しようとする課題
は、複数のユーザーが共通のデータとデータ処理システ
ムを使用できる一方、各ユーザーが独自のデータと処理
方法を追加定義でき、この追加したデータと共通データ
とを全く同一のデータベースシステムのデータとして取
り扱うことができるセミカスタム・データベースシステ
ムを提供することにある。
【0022】なお、本発明は、要するに共通のデータベ
ースに対してユーザーが自由に自分が定義したデータベ
ースを付加して活用するデータベースシステムであり、
上記企業内データベースシステムに限らず、たとえば、
一般ユーザーを対象として市販される技術データベー
ス、経済情報データベースにユーザー独自のデータを付
加するデータベースシステムにも適用することができ
る。
【0023】
【課題を解決するための手段】本願請求項1に記載のセ
ミカスタム・データベースシステムは、共通に使用する
定型データのコード化表名・項目名と、前記定型データ
の非コード化表名・項目名とを対応させて格納する定型
データディクショナリーと、ユーザーが独自に定義可能
な非定型データのコード化表名・項目名と、前記非定型
データの非コード化表名・項目名とを対応させて格納す
る非定型データディクショナリーと、前記定型データを
格納する定型データベースと、前記非定型データを格納
する非定型データベースと、データ処理命令を実行する
データ処理システムであって、ユーザーが入力したデー
タ処理命令に含まれている非コード化表名・項目名に対
応するコード化表名・項目名を、前記定型データディク
ショナリーおよび非定型データディクショナリーから検
出し、それら検出されたコード化表名・項目名を使用し
て前記データ処理命令を実行し、前記定型データベース
および非定型データベースにアクセスして所定のデータ
の処理を行うデータ処理システムと、を備えたことを特
徴とするものである。
【0024】本願請求項2に記載のセミカスタム・デー
タベースシステムは、上記請求項1のセミカスタム・デ
ータベースシステムにおいて、前記非定型データディク
ショナリーは、予め用意されたデータのコード化表名・
項目名を有しており、ユーザーが任意のデータの表名・
項目名を定義すると自動的にそのデータの表名・項目名
に対して所定の前記コード化表名・項目名を割り当てて
登録することを特徴とするものである。
【0025】本願請求項3に記載のセミカスタム・デー
タベースシステムは、上記請求項1のセミカスタム・デ
ータベースシステムにおいて、前記非定型データベース
と、定型データベースと、定型データディクショナリー
と、非定型データディクショナリーは、通信ネットワー
クに接続されたサーバーに格納されており、前記データ
処理システムは、前記サーバーに接続された複数のクラ
イアントに接続されていることを特徴とするものであ
る。
【0026】
【発明の実施の形態】次に、本発明によるセミカスタム
・データベースシステムの一実施形態について以下に説
明する。なお、上述した通り、本発明のセミカスタム・
データベースシステムは、複数のユーザーが共通して使
用するデータに各ユーザーが独自のデータを付加して使
用するデータベースシステムであるが、企業内データベ
ースシステムとして使用する場合が理解しやすいので、
以下の実施形態では企業内データベースシステムを用い
て説明するが、企業内データベースシステムに限るもの
ではない。
【0027】図1に本実施形態によるセミカスタム・デ
ータベースシステムの構成を示す。本実施形態のセミカ
スタム・データベースシステム1は、全社用通信ネット
ワーク2に複数接続された支店用データベースシステム
上で稼働している。ここで支店用データベースシステム
は、独自のデータを付加するユーザーのシステムという
意味であり、実際には本店用のデータベースシステムを
も含む。
【0028】本実施形態による支店用データベースシス
テムは、図1に示すように、全社用通信ネットワーク2
に接続された支店サーバ3と、この支店サーバ3に複数
接続されたクライアント4a,4b,4c,…とからな
る。
【0029】支店サーバ3は、全社用通信ネットワーク
2との通信を行う役割を担い、内部に支店用非定型デー
タベース5と、全社用定型データベース6と、支店用デ
ータディクショナリー7と、全社用データディクショナ
リー8とを格納している。ここで、データベース、デー
タディクショナリーという用語は、データファイル的な
意味で使用しているが、特許請求の範囲でデータベー
ス、データディクショナリーという場合には、データベ
ース、データディクショナリーを格納した記憶装置とい
う意味で使用する。これらのデータベースおよびデータ
ディクショナリーの構造や機能については後にさらに詳
しく説明する。
【0030】クライアント4a,4b,4c,…は、そ
れぞれが情報処理機能を有し、本発明によるセミカスタ
ム・データベースシステム1の作動時にはデータ処理シ
ステム9a,9b,9c,…を起動させている。クライ
アント4a,4b,4c,…は、汎用性のあるコンピュ
ータであってもよいし、データ処理システム用に専用化
された装置であってもよい。
【0031】上記支店用非定型データベース5は、支店
独自のデータ(非定型データ)を系統的に格納・管理す
るデータの集まりである。「非定型」とは、全社共通の
データに対して、各支店が自由に定義しうるデータの意
である。これらの非定型データは、データベースとして
機能するように、レコード(行)と項目(列)からなる
表(一定の性質のデータの集まり)の形に整理されて支
店用非定型データベース5に格納されている。
【0032】一方、全社用定型データベース6は、全社
共通のデータ(定型データ)を系統的に格納・管理する
データの集まりである。「定型」とは、全社共通のデー
タであって、通常はユーザーがデータを改変しない定型
的なデータの意である。これらの定型データも、データ
ベースとして機能するように、レコード(行)と項目
(列)からなる表(一定の性質のデータの集まり)の形
に整理され、全社用定型データベース6に格納されてい
る。
【0033】支店用データディクショナリー7は、支店
が定義するデータ(非定型データ)の表名・項目名と、
予め用意されたコード化表名・項目名との対照リストを
備えている。
【0034】上記支店用データディクショナリー7の対
照リストの一例を以下に示す。
【0035】 非コード化表名・項目名 コード化表名・項目名 顧客収集情報(表名) AA2101(表名) 持ち家 AA2101_001 出身県 AA2101_002 保有不動産坪数 AA2101_003 負債金額 AA2101_004 : : : : 一方、全社用データディクショナリー8は、定型データ
のコード化された表名・項目名とそれらのコード化され
ていない表名・項目名の対照リストを備えている。
【0036】この全社用データディクショナリー8の一
例を以下に示す。
【0037】 非コード化表名・項目名 コード化表名・項目名 顧客名漢字 KYAKU_MEI_KJ 顧客名フリガナ KYAKUMEI_KN 部店コード BTN_CD 口座番号 KOZA_NO 顧客セールスコード KYAKU_SLS_CD : : : :
【0038】上記に例示したように、支店用データディ
クショナリー7と全社用データディクショナリー8と
に、データベースで取り扱うコード化表名・項目名とコ
ード化されていない表名・項目名(非コード化表名・項
目名)とを対照させて定義しておくのは、データを体系
的に管理するにはコード化表名・項目名が好都合である
一方、ユーザーがデータを操作・加工するには非コード
化表名・項目名が好都合だからである。
【0039】つまり、データの表名・項目名は、データ
の整理の要求から、数字と記号による表現が好都合であ
るが、データ量が膨大になった場合には、コード化表名
・項目名が複雑になり、これらをユーザーが検索・加工
等するのがきわめて困難になるからである。
【0040】そこで、本実施形態のように支店用データ
ディクショナリー7と全社用データディクショナリー8
において、コード化された表名・項目名とコード化され
ていないユーザーが理解可能な表名・項目名とを対照さ
せて定義しておくことにより、ユーザーは、理解しやす
い非コード化表名・項目名を使用できる一方、データベ
ース上ではコード化された表名・項目を使用できるよう
にしたのである。
【0041】この支店用データディクショナリー7と全
社用データディクショナリー8の機能を発揮させるた
め、本発明のデータ処理システム9は、引数機能を有し
ている。
【0042】ここで、引数機能とは、ユーザーが入力し
た表名や項目名が、リレーショナル言語によるプログラ
ム中の引数に入力され、その引数に入力されたデータに
所定の処理を行い、その処理結果に対してプログラムを
実行する機能をいう。
【0043】本実施形態のデータ処理システム9a,9
b,9c,…の場合、データ処理システム9a,9b,
9c,…は、ユーザーが入力した非コード化ファイル名
・項目名をプログラム中の各引数に入力し、支店用デー
タディクショナリー7と全社用データディクショナリー
8から対応するコード化表名・項目名を検索し、それら
検索されたコード化表名・項目名を各引数に代入してプ
ログラムを実行する。この引数機能については後にさら
に説明する。
【0044】図2に本実施形態のセミカスタム・データ
ベースシステム1の全体の処理の流れを示す。
【0045】セミカスタム・データベースシステム1を
企業内データベースシステムとして使用するには、最初
に全社用データディクショナリー8に全社用の定型デー
タを定義をする(ステップ100)。
【0046】全社用定型データは、本店を含む各支店が
共通して使用する最大公約数的なデータを選別し、デー
タの表名と項目名のコード体系を定め、各コード化表名
・項目名の内容を簡潔に表す非コード化表名・項目名を
定めて全社用データディクショナリー8に登録する。こ
の作業は通常専門のシステムエンジニアによって行われ
る。
【0047】このように全社用データディクショナリー
8の定義を終了したセミカスタム・データベースシステ
ム1は実際に各支店(本店を含む)の使用に供される
(ステップ110)。
【0048】各支店がセミカスタム・データベースシス
テム1を使用するには、最初に各支店が支店用データデ
ィクショナリー7に独自の非定型データを定義する(ス
テップ120)。この非定型データは、各支店によって
異なるが、たとえば、その支店が営業上必要な顧客の情
報等が考えられる。
【0049】図3に非定型データの定義の画面を示す。
図3に示すように、非定型データは、ユーザーが項目
名、単位、分類、項目表示順序、入力規則を入力すれ
ば、自動的にこのデータ項目に対するコード化された項
目名を割り振り、支店用データディクショナリー7に登
録する。
【0050】たとえば、ユーザーが顧客について、定型
データの他に「持ち家」が有るか無いかの情報を収集し
たい場合に、ユーザーは図3のダイヤログボックス10
に「持ち家」に関する項目名、分類等を入力すると、項
目と定義に対してコード化項目名「AA2101_00
1」が自動的に割り振られ、非定型データ「持ち家」が
支店用データディクショナリー7に登録される。
【0051】登録後は、ユーザーが「持ち家」に関する
情報を入力あるいは検索等する場合は、「持ち家」とい
う項目名で、コード化項目「AA2101_001」に
情報を入力あるいは検索することができる。このため、
ユーザーは、コード化項目「AA2101_001」に
ついて全く意識する必要がない。
【0052】ここで、また図2のフローチャートに戻っ
てセミカスタム・データベースシステム1の処理につい
て説明する。
【0053】ステップ120により、ユーザーが自分が
欲しい情報についてデータを定義した後は、そのデータ
について情報を入力する必要がある。ステップ130以
降の処理は、情報を蓄積したデータを活用する段階の諸
処理を示している。
【0054】データを活用するには、最初に支店ユーザ
ーが非コード化表名・項目名を使用してデータ処理命令
をクライアント4a,4b,4c,…を介して入力する
(ステップ130)。
【0055】クライアント4a,4b,4c,…のデー
タ処理システム9a,9b,9c,…は、上述した引数
機能により、支店ユーザーが入力した非コード化表名・
項目名について支店用データディクショナリー7と全社
用データディクショナリー8とを検索して該当するコー
ド化表名・項目名を取得し(ステップ140)、これら
のコード化表名・項目名をプログラム中の引数に代入し
てデータ処理命令を実行する(ステップ150)。
【0056】これにより、支店用非定型データベース5
と全社用定型データベース6の双方から、ユーザーが欲
しい情報を検索・加工することができる(ステップ16
0)。
【0057】ここで、引数機能の実体について、例を用
いて若干説明する。
【0058】たとえば、ユーザーが実行を命令したデー
タ処理命令がSQL(Structured Quer
y Language)によるSELECT文であると
仮定する。
【0059】SELECT文は、指定されたデータ表か
ら指定された項目のデータを抽出しなさいという命令で
あり、たとえば、 SELECT AA2101_001,AA21
01_002,AA2101_003 FROM AA2101 というSELECT文は、表[AA2101]から項目
[AA2101_001],[AA2101_00
2],[AA2101_003]を抽出しなさいという
内容を示している。
【0060】ここで、SELECT文で指定する表名や
項目名は、コード名を使用しなければならないことに注
意する。
【0061】これに対して、引数を用いた同一のSEL
ECT文の記述は下記のごとくである。
【0062】 SELECT %K1%,%K2%,%K3% FROM %H1% ここで、%_%は引数を示している。この引数を用いた
SELECT文を実行すべく、たとえばユーザーが表
「顧客収集情報」から顧客の「持ち家」、「出身県」、
「保有不動産坪数」に関する情報を抽出せよという命令
をクライアント4a,4b,4c,…に入力したとする
と、データ処理システム9a,9b,9c,…は、「顧
客収集情報」(表)、「持ち家」、「出身県」、「保有
不動産坪数」の各非コード化表名・項目名に対して、そ
れらに対応するコード化表名・項目名[AA2101
(表名)],[AA2101_001],[AA210
1_002],[AA2101_003]を、支店用デ
ータディクショナリー7と全社用データディクショナリ
ー8とから検出し、引数[%H1%],[%K1%],
[%K2%],[%K3%]に代入し、しかる後にSE
LECT文を実行する。
【0063】上記例では、たまたまデータ項目はすべて
非定型データであったが、定型データと非定型データと
を混在して指定しても、全く同様にデータを検索するこ
とができる。
【0064】言葉を換えれば、引数を用いて記述したS
QL文、また、これらSQL文の集合であるデータ処理
システム9a,9b,9c,…は、データの検索・更新
・削除・追加等の機能のみであって、その取り扱うもの
はユーザーが入力し、データディクショナリー7,8か
ら検出したものということができる。
【0065】以上の説明から明らかなように、本発明の
セミカスタム・データベースシステム1は、全社的に使
用するデータと、ユーザーが自由に定義できるデータの
表や項目を用意し、全社的に使用するデータとユーザー
が定義したデータとを全く同一のデータベースのように
取り扱えるようにしたものということができる。
【0066】さらに、支店用データディクショナリー7
と全社用データディクショナリー8を備えることによ
り、ユーザーはコード化された表名や項目名を全く意識
することなく、理解可能な非コード化表名・項目名をそ
のまま使用でき、一般的なユーザーが容易に使用するこ
とができるセミカスタム・データベースシステムを提供
することができる。
【0067】図4に上記セミカスタム・データベースシ
ステム1による出力画面を例示する。図4の出力画面
は、従来のデータベースシステムの出力画面(図5参
照)と比較しやすいように、全社用定型データ部分11
については全く同一のものを示している。
【0068】本実施形態のセミカスタム・データベース
システム1による出力画面は、図に示すように、画面の
左下隅に支店独自の非定型データ欄12を有している。
この非定型データ欄12には、支店が収集した持ち家、
出身県、出身校、保有不動産坪数、負債金額等の情報が
表示されている。
【0069】全社用定型データ部分11は、全社用定型
データベース6から抽出したデータを表示しているの
で、常にリアルタイムで最新のデータを表示することが
できる。
【0070】また、非定型データ欄12のデータと全社
用定型データ部分11のデータは、全く同一のデータベ
ース上のデータとして取り扱うことができるものである
ので、支店用非定型データをキー・データとして、全社
用定型データを整理して表示することも可能である。
【0071】たとえば、「持ち家:有」(非定型デー
タ)の顧客の取引情報(定型データ)を表示させること
ができる。
【0072】なお、本実施形態では支店のデータベース
システムは、クライアント・アンド・サーバーシステム
であったが、支店用非定型データベースと、全社用定型
データベースと、支店用データディクショナリーと、全
社用データディクショナリーと、データ処理システムが
同一のコンピュータ内に格納され、このコンピュータが
通信ネットワークによって複数接続されている形態であ
ってもよい。
【0073】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のセミカスタム・データベースシステムによれば、複数
のユーザーが共通に使用する定型データの非コード化表
名・項目名と、定型データのコード化表名・項目名とを
対応させて定型データディクショナリーに登録し、次に
各ユーザーが、任意の非定型データの非コード化表名・
項目名を非定型データディクショナリーに登録しておく
ことにより、ユーザーは非コード化表名・項目名を使用
してデータ処理を命令でき、データ処理システムは引数
機能により、コード化表名・項目名を使用して非定型デ
ータベースと定型データベースとにアクセスし、必要な
データを処理を行うことができる。
【0074】すなわち、本発明のセミカスタム・データ
ベースシステムによれば、共通に使用する定型データの
データベースに対して、各ユーザーが独自に非定型デー
タを付加することができ、それら定型データと非定型デ
ータとを全く同一のデータベースのように処理すること
ができる。
【0075】これにより、複数のユーザーが共通に同一
のデータベースを使用し、かつ、その同一のデータベー
スにそれぞれの独自のデータベースを付加して使用する
ことができ、全体のデータの整合性と各ユーザーの要求
とをともに高度に満たし、コンピュータ資源的にも、情
報資源的にも極めて効率が高いセミカスタム・データベ
ースシステムを提供することができる。
【0076】また、定型データディクショナリーと非定
型データディクショナリーの定義を変えることにより、
データ処理システムの内容を変えることなく、処理する
データを変化させることができ、また、データ処理シス
テムの命令のみを変えることにより、異なる処理を行う
ことができるので、極めてメインテナンスが容易なデー
タベースシステムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるセミカスタム・データベースシス
テムの一構成例とその情報の流れを示したブロック図。
【図2】本発明のセミカスタム・データベースシステム
による処理の流れを示したフローチャート。
【図3】ユーザーが自由に定義可能な非定型データの定
義用画面の例を示した図。
【図4】一部にユーザーが定義した非定型データを出力
した本発明のセミカスタム・データベースシステムによ
る出力画面の例を示した図。
【図5】所定の処理結果にメモ欄を設けて文書データを
入力できるようにした従来のデータベースシステムの出
力画面の例を示した図。
【符号の説明】
1 セミカスタム・データベースシステム 2 全社用通信ネットワーク 3 支店サーバ 4 クライアント 5 支店用非定型データベース 6 全社用定型データベース 7 支店用データディクショナリー 8 全社用データディクショナリー 9 データ処理システム 10 ダイヤログボックス 11 全社用定型データ部分 12 非定型データ欄 20 メモ欄

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】共通に使用する定型データのコード化表名
    ・項目名と、前記定型データの非コード化表名・項目名
    とを対応させて格納する定型データディクショナリー
    と、 ユーザーが独自に定義可能な非定型データのコード化表
    名・項目名と、前記非定型データの非コード化表名・項
    目名とを対応させて格納する非定型データディクショナ
    リーと、 前記定型データを格納する定型データベースと、 前記非定型データを格納する非定型データベースと、 データ処理命令を実行するデータ処理システムであっ
    て、ユーザーが入力したデータ処理命令に含まれている
    非コード化表名・項目名に対応するコード化表名・項目
    名を、前記定型データディクショナリーおよび非定型デ
    ータディクショナリーから検出し、それら検出されたコ
    ード化表名・項目名を使用して前記データ処理命令を実
    行し、前記定型データベースおよび非定型データベース
    にアクセスして所定のデータの処理を行うデータ処理シ
    ステムと、を備えたことを特徴とするセミカスタム・デ
    ータベースシステム。
  2. 【請求項2】前記非定型データディクショナリーは、予
    め用意されたデータのコード化表名・項目名を有してお
    り、ユーザーが任意のデータの表名・項目名を定義する
    と自動的にそのデータの表名・項目名に対して所定の前
    記コード化表名・項目名を割り当てて登録することを特
    徴とする請求項1に記載のセミカスタム・データベース
    システム。
  3. 【請求項3】前記非定型データベースと、定型データベ
    ースと、定型データディクショナリーと、非定型データ
    ディクショナリーは、通信ネットワークに接続されたサ
    ーバーに格納されており、 前記データ処理システムは、前記サーバーに接続された
    複数のクライアントに接続されていることを特徴とする
    請求項1に記載のセミカスタム・データベースシステ
    ム。
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