JPH09249194A - 船外機用エンジンのタイミングプーリー取付構造 - Google Patents

船外機用エンジンのタイミングプーリー取付構造

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JPH09249194A
JPH09249194A JP8088761A JP8876196A JPH09249194A JP H09249194 A JPH09249194 A JP H09249194A JP 8088761 A JP8088761 A JP 8088761A JP 8876196 A JP8876196 A JP 8876196A JP H09249194 A JPH09249194 A JP H09249194A
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JP
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crankshaft
engine
timing pulley
timing
press
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JP8088761A
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Masaaki Takahashi
正哲 高橋
Hiroshi Oishi
浩 大石
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Yamaha Marine Co Ltd
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Sanshin Kogyo KK
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B61/00Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing
    • F02B61/04Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing for driving propellers
    • F02B61/045Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing for driving propellers for marine engines
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B67/00Engines characterised by the arrangement of auxiliary apparatus not being otherwise provided for, e.g. the apparatus having different functions; Driving auxiliary apparatus from engines, not otherwise provided for
    • F02B67/04Engines characterised by the arrangement of auxiliary apparatus not being otherwise provided for, e.g. the apparatus having different functions; Driving auxiliary apparatus from engines, not otherwise provided for of mechanically-driven auxiliary apparatus
    • F02B67/06Engines characterised by the arrangement of auxiliary apparatus not being otherwise provided for, e.g. the apparatus having different functions; Driving auxiliary apparatus from engines, not otherwise provided for of mechanically-driven auxiliary apparatus driven by means of chains, belts, or like endless members

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 船外機のタイミングプーリー取付構造を、固
定のネジ加工やナットを不要とし、また、クランク軸の
ネジ切りによる強度低下を回避すると共に、スペースを
省略してフライホイールの位置を低く、プーリーの径を
小さくできて、エンジン全体のコンパクト化を図る。 【解決手段】 吸・排気バルブを駆動するための各カム
軸20,21やクランク軸26がそれぞれ上下方向とな
るように、各気筒が縦方向に配列されており、バルブ駆
動用の各カム軸20,21とクランク軸26とに掛け渡
されるタイミングベルト28が、エンジン本体の上面側
で水平方向に設置され、上方のクランク軸26上端部に
フライホイール27が取り付けられている船外機用エン
ジンにおいて、クランク軸26に取り付けられるタイミ
ングプーリー30を、圧入によりクランク軸26に対し
て固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、小型船舶に搭載さ
れる船外機のエンジンに関し、特に、そのようなエンジ
ンのタイミングプーリー取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】小型船舶に搭載される船外機では、クラ
ンク軸が上下方向となるように縦方向に各気筒を配列さ
せたエンジン本体が、船外機上部のトップカウリング内
に収納されており、そのような船外機のエンジンにおい
て、4サイクルエンジンの場合には、吸・排気バルブを
駆動するための各カム軸とクランク軸がそれぞれ上下方
向となるため、各カム軸とクランク軸に渡って掛け渡さ
れるタイミングベルト(タイミングチェーンも含む)
が、エンジン本体の上面側で水平方向に配置されること
となる。
【0003】そして、タイミングベルトを掛け渡すため
に各カム軸とクランク軸に取り付けられるそれぞれのタ
イミングプーリー(ドライブギアも含む)は、何れもエ
ンジン本体の上面側に位置する各軸の上端部付近に取り
付けられ、クランク軸に対しては、タイミングプーリー
よりも上方の上端部に、更にフライホイールが取り付け
られていて、図10に示すように、その場合のクランク
軸26に対するフライホイール27やタイミングプーリ
ー30の取り付けについては、従来は、それぞれクラン
ク軸26に切られたネジによりナット71,72による
締めで固定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
にクランク軸にナット締めによりタイミングプーリーを
固定する従来の船外機用エンジンのタイミングプーリー
取付構造については、クランク軸に対するネジ加工が必
要であり、ネジに螺合させるナットが必要であると共
に、クランク軸の上端に取り付けられるフライホイール
と、その下方に位置するタイミングプーリーとの間に、
ナットを設置するためのスペースが必要となって、フラ
イホイールの位置が高くなってしまうという問題があ
る。
【0005】その上、上端に重量のあるフライホイール
を取り付けたクランク軸に対して、フライホイールの下
方にネジを切ることとなるため、当該部分のクランク軸
の強度低下も問題となってくる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
課題を解決するために、上記の請求項1に記載したよう
に、吸・排気バルブを駆動するための各カム軸やクラン
ク軸がそれぞれ上下方向となるように、各気筒が縦方向
に配列されており、バルブ駆動用の各カム軸とクランク
軸とに掛け渡されるタイミングベルトが、エンジン本体
の上面側で水平方向に設置され、タイミングベルトより
上方のクランク軸上端部にフライホイールが取り付けら
れている船外機用エンジンにおいて、タイミングベルト
を掛け渡すためにクランク軸に取り付けられるタイミン
グプーリーが、圧入によりクランク軸に対して固定され
ていることを特徴とするものである。
【0007】また、上記の請求項1に記載した船外機用
エンジンのタイミングプーリー取付構造において、上記
の請求項2に記載したように、タイミングプーリーを圧
入する時の突き当て部が、該プーリーの径よりも大きい
径のフランジとして、クランク軸に形成されていること
を特徴とするものである。
【0008】さらに、上記の請求項2に記載した船外機
用エンジンのタイミングプーリー取付構造において、上
記の請求項3に記載したように、圧入突き当て部となる
フランジが、クランク軸に一体的に形成されていること
を特徴とするものである。
【0009】また、上記の請求項2に記載した船外機用
エンジンのタイミングプーリー取付構造において、上記
の請求項4に記載したように、圧入突き当て部となるフ
ランジが、別体のカラー部材をクランク軸に圧入するこ
とにより形成されていることを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の船外機用エンジン
のタイミングプーリー取付構造の実施形態について図面
に基づいて説明する。
【0011】図1は、本発明のタイミングプーリー取付
構造が適用されているエンジンを搭載した船外機の右舷
側から見た外観を示すもので、船外機1は、トップカウ
リング2とアッパーケース3とロアーケース4により構
成されるハウジング内に各部品が収納されており、トッ
プカウリング2は、アッパーカウル2aとボトムカウル
2bとエアダクトカバー2cにより構成され、アッパー
ケース3は、その上部がエプロン5によって覆われてい
て、ロアーケース4に対してプロペラ6が装着され、取
付部材7を介して、船体8の後尾板に対して上下および
左右回動可能に取り付けられるものである。
【0012】図2〜図5は、船外機1のハウジング内部
における各部品の設置状態を示すもので、図2は、右舷
側から見た船外機1の内部を示し、図3は、そのトップ
カウリング2の部分を示し、図4は、そのアッパーケー
ス4の部分を示し、図5は、上方から見たトップカウリ
ング2内を示すものである。
【0013】船外機1には、縦方向に各気筒が配列され
た4サイクル4気筒のL型エンジン10が、ボトムカウ
ル2bとアッパーケース3の間に設置されたエキゾース
トガイド11の上面に固定され、上面側がカバー部材1
2で覆われた状態で、上部のトップカウリング2内に収
納されている。
【0014】エンジン10は、図3または図5に示すよ
うに、その本体部分が、ヘッドカバー13と、シリンダ
ヘッド14と、シリンダボディとクランク室の一部を構
成するシリンダブロック15と、クランクケース16を
船体の前後方向に沿って一体的に連結することにより構
成されていて、クランクケース16の側が前部となり、
ヘッドカバー13の側が後部となるように配置されてい
る。
【0015】シリンダヘッド14には、各気筒の吸・排
気バルブ17,18が装着され、各バルブ17,18を
駆動するためのカム軸20,21が、それぞれ回転軸線
方向が上下方向となるように、ヘッドカバー13に覆わ
れたカムキャップ22とシリンダヘッド14の軸受部分
により軸支されていて、各カム軸20,21の上端部に
は、それぞれカムプーリー23,24が固定されてい
る。
【0016】シリンダブロック15の前部とクランクケ
ース16によって画成されているクランク室25には、
回転軸線方向が上下方向となるようにクランク軸26が
軸支されており、このクランク軸26に対して、その上
端部にフライホイール27が固定され、フライホイール
27の下方にタイミングプーリー30が固定されてい
て、タイミングプーリー30と各カムプーリー23,2
4とに渡って、クランク軸26の回転を吸・排気バルブ
17,18のカム軸20,21に伝動させるためのタイ
ミングベルト28が掛け渡されている。
【0017】なお、タイミングベルト28に対しては、
その弛みを防ぐためのアイドラー29が配置されてお
り、アイドラー29は、ガスを封入したガスシリンダー
によるテンショナー(図示せず)によって、常にタイミ
ングベルト28を内側に押圧する方向に付勢されてい
る。
【0018】エンジン10の前方左側には、クランクケ
ース16の前面に一体的に連結された状態で、吸気経路
の空気導入部となるサージタンク31が設置されてお
り、サージタンク31から延びる吸気通路32は、スロ
ットル部33を介して、シリンダヘッド14の左側部分
に上下方向で間隔をおいて形成された各気筒の吸気ポー
ト34にそれぞれ接続されている。
【0019】シリンダヘッド14の右側部分には、各気
筒の燃焼室に接続する各排気ポート35が上下方向で間
隔をおいて形成されており、各排気ポート35に対し
て、それらを一本に集合させてエンジン本体の下方に排
気ガスを排出するための排気通路36が、シリンダ37
の右側でシリンダブロック15に一体的に形成されてい
て、シリンダブロック15内で上下方向に延びる排気通
路36は、その下端がエキゾーストガイド11の排気通
路11aに接続されている。
【0020】なお、上記のエンジン10には、エンジン
本体内に設けられたオイル通路に対して、エキゾースト
ガイド11の下方に配置されたオイルパンから潤滑オイ
ルを吸い上げるためのオイルポンプ38が、クランク軸
26の下端近傍に設けられており、エンジン本体内に設
けられた冷却水による冷却経路に対して、シリンダおよ
び燃焼室周りの温度に応じて冷却水の排出量を制御する
ためのサーモスタットバルブ41と、冷却経路内の水圧
が所定以上とならないように該冷却経路から冷却水を逃
がすためのプレッシャーバルブ42がそれぞれ設けられ
ている。
【0021】また、エンジン10に対して、船体8内に
設置された燃料タンク(図示せず)からエンジン10に
燃料を送給するための燃料ポンプ43が、その吸気側に
配置されており、エンジン本体の冷却経路から冷却水の
一部を取り出してトップカウリング2の放水口45から
パイロット水として放水するためのパイロット水送水管
44が、その排気側に接続されている。
【0022】トップカウリング2の下方に位置するアッ
パーケース3には、図4に示すように、エンジン10か
ら戻される冷却水を一時的に受け止める水溜め部50が
画成されており、該水溜め部50と隔離された状態で、
エンジン10のクランク軸26に上端を連結させたドラ
イブ軸51が、その下端部がロアーケース4内に延びる
ように、上下方向に貫通されている。
【0023】アッパーケース3内を通るドライブ軸51
のロアーケース4近傍には、ドライブ軸51の回転に連
動して駆動されるウォーターポンプ52が設置されてお
り、該ウォーターポンプ52には、図示していないが、
下方に向かって、ロアーケース4内の吸水口に延びる冷
却水吸入管が接続され、上方に向かって、アッパーケー
ス3内を通ってエンジン10に延びる冷却水送給管53
が接続されている。
【0024】一方、アッパーケース3の水溜め部50に
は、エキゾーストガイド11の下面に密着して、その上
面開放部がエキゾーストガイド11の下面によって閉鎖
されるように、有底のオイルパン54が設置されてお
り、該オイルパン54には、その底部の中央付近からオ
イルパン54内の空間部を上下に貫通する筒状の排気管
挿通部54aが一体的に立設されている。
【0025】また、水溜め部50のオイルパン54下方
には、その上面開放部が排気管挿通部54aを含むオイ
ルパン54の下面により覆われるように、底壁に排気ガ
ス排出口55aを設けたマフラー(排気ガス膨張室)5
5が設置されており、該マフラー55の内部空間は、排
気ガス排出口55aを介して、ロアーケース4内に画成
された排気通路(図示せず)に連通されている。
【0026】オイルパン54の排気管挿通部54aに
は、エキゾーストガイド11の排気通路11aに接続さ
れる排気管56が取り付けられており、排気管56の下
端は、オイルパン54より下方に突出してマフラー55
内に開口されていて、該マフラー55の内部空間は、排
気管56とエキゾーストガイド11の排気通路11aを
介して、エンジン10の排気通路36と連通されてい
る。
【0027】オイルパン54の内部には、オイルパン5
4内に溜まったオイルを吸入してエンジン10のオイル
ポンプ38に送り込むためのサクションパイプ57が、
エキゾーストガイド11の下面から下方に突設されてい
る。
【0028】オイルパン54の周壁には、オイルパン5
4を取り囲む水溜め部50の水をオーバーフローさせる
ための導水管58が一体的に形成されており、水溜め部
50の側に入水口が開口された導水管58の水通路は、
マフラー55の周壁上端外側に一体的に形成された水通
過部55bを介して、アッパーケース3の水落下口3a
に連通されている。
【0029】アッパーケース3には、水落下口3aから
ロアーケース4に続く排水通路59が下方に画成されて
いると共に、さらに、マフラー55に連通するアイドル
膨張室60が上方に画成されていて、アイドル膨張室6
0には、機外に通じる排気孔61と排水孔62が開口さ
れている。
【0030】アッパーケース3の下方に位置するロアー
ケース4には、図示していないが、アッパーケース3を
貫通したドライブ軸51の下端部が軸支されており、該
ドライブ軸51の下端部は、シフト変換ギア部を介し
て、ロアーケース4に装着されたプロペラ6の回転軸と
連結されている。
【0031】また、図示していないが、ロアーケース4
には、ウォーターポンプ52により吸い上げられる冷却
水の吸水口が設けられていると共に、アッパーケース3
のマフラー55を経て送られてきた排気ガスをプロペラ
6の回転に伴って水中に排出するための排気通路が画成
され、アッパーケース3から落下された冷却水を機外に
排出するための冷却水排出部が画成されている。
【0032】上記のように各部材が配置されている船外
機1の排気経路について、エンジン10の本体に形成さ
れた排気通路36から下方に排出された排気ガスは、エ
キゾーストガイド11の排気通路11aと排気管56を
経て、マフラー55内に送り込まれ、アイドル膨張室6
0から排気孔61を通って大気中に放出されると共に、
プロペラ6が回転している走行時には、大部分の排気ガ
スは、マフラー55の排気ガス排出口55aからロアー
ケース4内の排気通路を通って、プロペラ6の回転に連
れて水中に排出される。
【0033】また、船外機1の冷却経路について、ウォ
ーターポンプ52によりロアケース4の吸水口から吸い
上げられた冷却水は、冷却水送給管53によりアッパー
ケース3内を冷却しながら、エキゾーストガイド11を
介してエンジン10に送給され、エンジン10内の冷却
水圧力が所定以上とならないように、プレッシャーバル
ブ42を通して余分の冷却水がアッパーケース3に戻さ
れる状態で、エンジン10を冷却してから、サーモスタ
ットバルブ41を経てアッパーケース3に戻され、更に
オイルパン54やマフラー55の周りを冷却してから、
ロアーケース4内に落下して冷却水排出部から機外に排
出される。
【0034】ところで、上記のような船外機1におい
て、トップカウリング2に収納されている4サイクルの
エンジン10には、既に述べたように、そのエンジン本
体の上面側で、クランク軸26の上端部と各カム軸2
0,21の上端部とに渡って、クランク軸26の回転を
各カム軸20,21に伝動するためのタイミングベルト
28が、水平方向に掛け渡されている。
【0035】図6は、そのようなエンジン10の本体上
方部分を示すもので、各カム軸20,21の上端部にそ
れぞれカムプーリー23,24が固定されていると共
に、エンジン本体の上面から突出したクランク軸26の
上端部にタイミングプーリー30が固定されていて、カ
ムプーリー23,24とタイミングプーリー30とにタ
イミングベルト28が掛け渡されている。
【0036】また、タイミングプーリー30より上方の
クランク軸26の上端には、更にフライホイール27が
固定されていて、フライホイール27,カムプーリー2
3,24およびタイミングベルト28等の上方を覆うよ
うに、空気通路12aを設けた二重構造のカバー部材1
2が、エンジン10とトップカウリング2の間に配設さ
れている。
【0037】図7は、フライホイール27とタイミング
プーリー30を取り付けたクランク軸26の上端部を示
すもので、タイミングプーリー30は、上端からの圧入
によりクランク軸26に固定されていて、本実施形態で
は、クランク軸26のエンジン本体内から上方に突出し
た部分の基部に、タイミングプーリー30の径よりも大
きい径のフランジ26aが形成されており、このフラン
ジ26aを圧入時の突き当て部として、タイミングプー
リー30がクランク軸26上端部の下部円柱部26bに
圧入されている。
【0038】タイミングプーリー30を圧入するときの
突き当て部となるフランジ26aは、図8に示すよう
に、クランク軸26に一体的に形成することも可能であ
り、また、図9に示すように、別体のカラー部材をクラ
ンク軸26に圧入することにより形成することも可能で
ある。
【0039】また、タイミングプーリー30の上方に位
置するフライホイール27は、タイミングプーリー30
が圧入された後で、それより上方のクランク軸26上端
部のテーパー部26cに嵌め込まれて、ナット71の締
めにより固定されている。
【0040】上記のように、タイミングプーリー30
が、フランジ26aを圧入時の突き当て部として、圧入
によりクランク軸26に固定されている本実施形態の船
外機用エンジン10のタイミングプーリー取付構造によ
れば、図10に示すような、ナット72によりタイミン
グプーリー30をクランク軸26に固定したような従来
のタイミングプーリー取付構造と比べて、ナット72を
設ける必要がなく、クランク軸26にネジ26dを切る
必要もない。
【0041】したがって、クランク軸26の上端に取り
付けられるフライホイール27と、その下方に位置する
タイミングプーリー30との間で、ナット72を設置す
るためのスペースを省略することができ、フライホイー
ル27の位置を従来よりも低くすることができると共
に、上端に重量のあるフライホイール27を取り付けた
クランク軸26に対して、フライホイール27の下方に
ネジ26dを切る必要がないため、当該部分の強度低下
を回避することができる。
【0042】また、クランク軸26にネジを切る必要が
ないことに関連して、当該部分の強度が従来と同じで良
ければ、当該部分の径を小さくしてタイミングプーリー
30の径を小さくすることができ、タイミングプーリー
30に対応するカムプーリー23,24の径も小さくす
ることができるため、エンジン全体をよりコンパクトな
ものとすることができる。
【0043】さらに、本実施形態では、クランク軸26
に対して、タイミングプーリー30の径よりも大きい径
のフランジ26aが、圧入時の突き当て部として形成さ
れているため、図10に示すような従来のタイミングプ
ーリー取付構造におけるガイドプレート73を廃止する
ことができる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したような本発明の船外機用エ
ンジンのタイミングプーリー取付構造によれば、タイミ
ングプーリーを固定するためのネジ加工やナットが不要
となり、また、クランク軸のフライホイール下方でのネ
ジ切りによる強度低下を回避することができると共に、
ナットを設置するためのスペースを省略してフライホイ
ールの位置を低くすることができ、さらに、クランク軸
や各カム軸に取り付けられるプーリーの径を小さくする
ことができて、エンジン全体のコンパクト化を図ること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のタイミングプーリー取付構造を適用し
たエンジンが搭載される船外機の概略を示す右舷側から
見た側面図。
【図2】図1に示した船外機の内部構造を示す側方から
見た一部断面説明図。
【図3】図2の示した船外機内部構造のトップカウリン
グ部分を示す側方から見た一部断面説明図。
【図4】図2の示した船外機内部構造のアッパーケース
部分を示す側方から見た断面説明図。
【図5】図2の示した船外機内部構造のトップカウリン
グ部分を示す上方から見た断面説明図。
【図6】図3に示したエンジンの上部を示す一部拡大説
明図。
【図7】本発明の船外機用エンジンのタイミングプーリ
ー取付構造の一実施形態を示すクランク軸の上端部付近
の縦断面図。
【図8】図7に示した一実施形態におけるフランジの具
体的な構造の一例を示すクランク軸の上端部の縦断面
図。
【図9】図7に示した一実施形態におけるフランジの具
体的な構造の他の例を示すクランク軸の上端部の縦断面
図。
【図10】船外機用エンジンのタイミングプーリー取付
構造の従来例を示すクランク軸の上端部付近の縦断面
図。
【符号の説明】
1 船外機 10 エンジン 20 (吸気バルブの)カム軸 21 (排気バルブの)カム軸 26 クランク軸 26a フランジ(圧入突き当て部) 27 フライホイール 28 タイミングベルト 30 タイミングプーリー

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸・排気バルブを駆動するための各カム
    軸やクランク軸がそれぞれ上下方向となるように、各気
    筒が縦方向に配列されており、バルブ駆動用の各カム軸
    とクランク軸とに掛け渡されるタイミングベルトが、エ
    ンジン本体の上面側で水平方向に設置され、タイミング
    ベルトより上方のクランク軸上端部にフライホイールが
    取り付けられている船外機用エンジンにおいて、タイミ
    ングベルトを掛け渡すためにクランク軸に取り付けられ
    るタイミングプーリーが、圧入によりクランク軸に対し
    て固定されていることを特徴とする船外機用エンジンの
    タイミングプーリー取付構造。
  2. 【請求項2】 タイミングプーリーを圧入する時の突き
    当て部が、該プーリーの径よりも大きい径のフランジと
    して、クランク軸に形成されていることを特徴とする請
    求項1に記載の船外機用エンジンのタイミングプーリー
    取付構造。
  3. 【請求項3】 圧入突き当て部となるフランジが、クラ
    ンク軸に一体的に形成されていることを特徴とする請求
    項2に記載の船外機用エンジンのタイミングプーリー取
    付構造。
  4. 【請求項4】 圧入突き当て部となるフランジが、別体
    のカラー部材をクランク軸に圧入することにより形成さ
    れていることを特徴とする請求項2に記載の船外機用エ
    ンジンのタイミングプーリー取付構造。
JP8088761A 1996-03-18 1996-03-18 船外機用エンジンのタイミングプーリー取付構造 Pending JPH09249194A (ja)

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