JPH09249145A - 車両の運動制御装置 - Google Patents

車両の運動制御装置

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Publication number
JPH09249145A
JPH09249145A JP5867496A JP5867496A JPH09249145A JP H09249145 A JPH09249145 A JP H09249145A JP 5867496 A JP5867496 A JP 5867496A JP 5867496 A JP5867496 A JP 5867496A JP H09249145 A JPH09249145 A JP H09249145A
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JP
Japan
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vehicle
target
wheel steering
steering angle
rear wheel
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Application number
JP5867496A
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English (en)
Inventor
Katsumi Fukaya
克己 深谷
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)
  • Steering-Linkage Mechanisms And Four-Wheel Steering (AREA)
  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両の走行安定性等を維持しつつ種々の車両
走行状態に即した最適な車両運動制御を行う、車両の運
動制御装置を提供する。 【解決手段】 検出センサ4〜10にて検出される実挙
動量δf,Vを目標挙動量演算部12に入力し、走行状
態判定部12aが所定の判断基準に基づいて走行状態を
判定する。選択部12bが、判定結果に基づいて、走行
状態に対応する目標特性情報Kγ(V),Kβ(V),τ(V)
を記憶部12cより選択して規範車両運動モデル12d
に適用し、目標ヨーレイトγdes及び目標車体横滑角βd
esを演算する。後輪舵角制御演算部16が、推定量推定
演算部14により求められる推定ヨーレイトγest及び
推定車体横滑角βestを目標ヨーレイトγdes及び目標車
体横滑角βdesに一致させる後輪操舵角δrcを演算し、
後輪舵角制御制限部18が所定の許容条件に基づいて後
輪操舵角δrcを制限し、制限後の後輪操舵角δr*にて
後輪を操舵制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、後輪操舵機構、制
動力配分機構などの車両の運動状態を変更可能な駆動制
御手段を制御することにより、車両の運動状態を理想的
なものに近づける車両の運動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の運動制御装置としては、
特願平6−186118号に示されたものがある。この
運動制御装置は、車速や前輪舵角等の車両の実際の運動
状態量を検出し、この運動状態量に基づいて所定の運動
状態特性に対応した目標ヨーレート等の目標運動状態量
を設定すると共に、かかる目標運動状態量と上記運動状
態量との偏差に基づき駆動制御手段たる運動状態変更機
構を制御することによって、車両の旋回特性及び走行安
定性等の向上を図っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の車
両の運動制御装置にあっては、車速に対する目標運動状
態量が車速に対して一定値で与えられており、車両の種
々変化する走行状態に対して、必ずしも最適な目標運動
特性とはならず、車両の走行状態に対する最適な制御を
常に維持することは難しい。
【0004】本発明はこのような従来技術の課題に鑑み
てなされたものであり、車両の種々変化する走行状態に
対応して車両の運動状態を最適制御することにより、車
両のの走行安定性等を更に向上させる運動制御装置を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るため、本発明の車両の運動制御装置は、車両の実挙動
量を検出する挙動量検出手段と、前記車両の走行状態を
判定する走行状態判定手段と、前記走行状態に基づく目
標特性を予め記憶する記憶手段と、前記走行状態検出手
段により検出された走行状態に基づき前記記憶手段に記
憶された目標特性を選択する選択手段と、前記選択手段
により選択された前記目標特性を規範車両運動モデルに
適用することにより目標挙動量を演算する目標挙動量演
算手段と、前記目標挙動量と前記実挙動量との比較値に
基づいて制御指示値を演算する演算手段と、前記演算手
段により演算された前記制御指示値に基づき車両運動を
制御する駆動制御手段とを具備する構成とした。
【0006】かかる構成において、前記走行状態判定手
段にて判定された現実の車両走行状態に対応する目標特
性が記憶手段から選択されると共に、この目標特性が規
範車両運動モデルに適用されることにより走行状態に対
応した目標挙動量が演算される。そして、前記実挙動量
と当該目標挙動量との比較値に基づく制御指示値にて車
両運動を制御することにより、現実の車両走行状態に即
した車両の運動制御が実現される。
【0007】また、前記挙動量検出手段により検出され
た前記実挙動量を実車両運動モデルに適用することによ
り推定挙動量を演算する状態量推定演算手段を備え、前
記演算手段は、前記目標挙動量と、前記推定挙動量及び
前記実挙動量のいずれか一方又は相互の組合せとの比較
値に基づいて制御指示値を演算する構成とした。かかる
状態量推定演算手段により、車両の運動状態量を推定挙
動量として検出する。
【0008】また、前記演算手段により演算された前制
御指示値と現制御指示値との偏差が所定値を超える場
合、前記現制御指示値による前記駆動制御手段の制御を
制限する制限手段を備える構成とした。
【0009】かかる制限手段にて、前記現制御指示値に
基づく前記駆動制御手段の制御に制限を加えることによ
り、目標挙動特性が切り換わることに起因して制御指示
値の変化が過大になった場合においても、車両の走行安
定性等が良好に保たれる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を後輪操舵制御に適
用した実施の形態を図面と共に説明する。尚、図1は、
車両の運動制御装置の構成を示すブロック図、図2ない
し図7は作動原理を説明するための説明図である。
【0011】(実施の形態の構成)図1に基づいて運動
制御装置の構成を説明する。前輪舵角δfを検出する前
輪舵角検出センサ4と、車速Vを検出する車速検出セン
サ6と、車両の旋回に伴う水平面内でのヨーレイトγを
検出するヨーレイト検出センサ8と、後輪舵角δrを検
出する後輪舵角検出センサ10が備えられ、これらの挙
動量検出手段4〜10で検出された車両の実際の運動状
態量(以下、総称して実挙動量という)δf,V,γ,
δrは、目標挙動量演算部12と状態量推定演算部14
に供給される。
【0012】目標挙動量演算部12は、前輪舵角δf及
び車速Vに基づいて車両の現在の走行状態を判定する走
行状態判定部12aと、種々の走行状態に対応する目標
特性情報を予め記憶した記憶部12cと、走行状態判定
部12aの判定結果に基づいて記憶部12cより現走行
状態に対応する目標特性情報Kγ(V),Kβ(V),
τ(V)を選択して出力させる選択部12bを有してい
る。
【0013】更に目標挙動量演算部12は、車両の運動
特性を数学モデルにて実現した規範車両運動モデル12
dを有し、この規範車両運動モデル12dに、前輪舵角
δfと車速V及び目標特性情報Kγ(V),Kβ
(V),τ(V)を適用することによって、目標挙動量
である目標ヨーレイトγdes及び目標車体横滑角βdesを
演算する。
【0014】ここで、走行状態判定部12aは、例えば
車両の現走行状態が市街地や一般道路等の一般路走行中
の状態にあるか、高速道路等の高速路走行中の状態にあ
るか、山岳路等の曲がりくねった道を走行中、即ちワイ
ンディング走行中の状態にあるか等を、前輪舵角δf及
び車速Vに基づく所定の判断基準に従って判定する。
【0015】また、例えば図2(a)〜(c)に示す如
く、目標特性情報Kγ(V)は車速Vに対する目標ヨー
レイトゲイン、目標特性情報Kβ(V)は車速Vに対す
る目標車体横滑角ゲイン、目標特性情報τ(V)は車速
Vに対する目標特性時定数が適用されており、上記一般
路速走行中において実験的に計測された目標特性情報K
γ(V)の特性曲線NMと、高速路走行中において実験
的に計測された目標特性情報Kβ(V)の特性曲線HW
と、ワインディング走行中において実験的に計測された
目標特性情報τ(V)の特性曲線WD等からなってい
る。
【0016】そして、選択部12bが、特性曲線NM,
HW,WDの内から、走行状態判定部12aにて判定さ
れた走行状態に対応するいずれか1つの特性曲線を選択
すると共に、現在の車速Vに対応する特定の目標特性情
報即ち、目標ヨーレイトゲインKγ(V)と目標車体横
滑角ゲインKβ(V)及び目標特性時定数τ(V)を規
範車両運動モデル12dへ供給する。
【0017】状態量推定演算部14は、一般的に車体横
滑角を各種センサーにて直接計測することが困難である
ことから、実挙動量γ,δr,δf,Vを現代制御理論に
基づく観測器(オブザーバ)に適用することにより、高
精度の推定車体横滑角βest及び推定ヨーレイトγestを
演算する。
【0018】後輪舵角制御演算部16は、目標ヨーレイ
トγdesと推定ヨーレイトγestとの偏差eγ、及び目標
車体横滑角βdesと推定車体横滑角βestとの偏差eβに
基づいてロバスト制御可能な制御指示値(以下、後輪操
舵角という)δrcを演算する。
【0019】後輪舵角制御制限部18は、後輪舵角制御
演算部16により今回求められた後輪操舵角δrcに基づ
いて後輪操舵制御することの是非を、所定の判断基準に
基づいて判断し、該判断基準を満足する場合には後輪操
舵角制御演算部16で求められる後輪操舵角δrcを最終
決定した後輪操舵角δr*とし、判断基準を満足しない
場合には所定の制限処理を行って成る後輪操舵角δr*
にて後輪操舵制御を行う。
【0020】(各構成ブロックの原理及び作動)次に、
かかる構成を有する運動制御装置の各ブロックの制御原
理及び作動をより詳細に説明する。
【0021】本発明においては、車両の運動状態量詳し
くは車両の旋回に伴う水平面内の運動状態量としてヨー
レイトγ及び車体横滑角βを採用すると共に、同運動状
態量を最適に制御するために後輪を操舵する場合を想定
している。また、車両運動モデル12dとして2自由度
モデルを採用するものとし、車体横滑角β、ヨーレイト
γ、車速V、前輪舵角δf及び後輪舵角δrを、車両の運
動方程式に基づく下記数1〜数5により定義している。
【0022】
【数1】
【数2】
【数3】
【数4】
【数5】 尚、前記数4,5において、Mは車両重量、Izは車両
ヨーイング慣性モーメント、afは車両重心から前輪車
軸までの水平距離、arは車両重心から後輪車軸までの
水平距離、cfは前輪のコーナリングパワー、crは後輪
のコーナリングパワーであり、これらの車両パラメータ
は各車両に固有の値であって、固定値として扱う。次
に、前記数1,数3を下記数6のように書き換える。
【0023】
【数6】 ここで、前記数6中、B1,B2は下記数7,8で定義さ
れる。
【0024】
【数7】
【数8】 一方、目標ヨーレイトγdes及び目標車体横滑角βdesを
操舵入力の一次遅れで近似するものとし、下記数9のよ
うに定義する。
【0025】
【数9】 尚、前記数9中、δfは前輪舵角、sはラプラス演算子
である。また、τ(V)は車速Vをパラメータとする車
体の一次遅れ時定数(目標特性時定数)、Kβ(V)は
車速Vをパラメータとする目標車体横滑角ゲイン、Kγ
(V)は車速Vをパラメータとする目標ヨーレイトゲイ
ンであり、いずれも図1中の記憶部12cに予め記憶さ
れている。
【0026】次に、状態量推定演算部14を説明する
と、運動状態量である車体横滑角β、ヨーレイトγ、車
速V、前輪舵角δf及び後輪舵角δrの関係を、車両の運
動方程式に基づいて上記数1〜数5のように定義するこ
とは前述の通りである。
【0027】運動状態量β,γの内、ヨーレイトγは角
速度センサを用いたヨーレイト検出センサ8にて比較的
容易に測定できるため、同ヨーレイトγを観測可能な運
動状態量として扱い、一方、車体横滑角βを直接計測す
ることは一般的には難しいため、車体横滑角βを観測困
難な運動状態量として扱うことしている。従って、ヨー
レイトγを参照入力とし、車体横滑角を推定するオブザ
ーバを適用して、同オブザーバの出力方程式を下記数1
0,数11のように表す。
【0028】
【数10】
【数11】 尚、前記数1〜数5及び数10,数11で表される車両
の車両運動モデル(プラント)に対して同一次元オブザ
ーバを構成すると、全体モデルは図3のように表され
る。この場合、オブザーバの状態方程式は下記数12の
ように表される。
【0029】
【数12】 ここで、X*はXの推定値、dX*/dtは同推定値の
微分値、Kはオブザーバのフィードバックゲインであ
る。いま、「A−KC」の極をp1 ,p2(共に予め設
定された負の定数)とすると、X*はXに収束すること
はよく知られていることである。「A−KC」の極をp
1 ,p2とするようなフィードバックゲインKは、sを
ラプラス演算子とすると下記数13のような関係にあ
る。尚、Iは単位行列である。
【0030】
【数13】 前記数13により、フィードバックゲインKは下記数1
4のように表される。
【0031】
【数14】 ここで、前述した係数A,Bの各要素a11〜a22,b11
〜b22は、前記数4,数5より車速Vを変数とする関係
にある(一部の要素に関しては定数)ので、フィードバ
ックゲインKも車速Vの関数となっている。これによ
り、車速Vに依存しないで、極をp1,p2とするオブザ
ーバが構成できたことになる。
【0032】そして、より具体的には、前記数10及び
数12中のUを前輪舵角δf及び後輪舵角δr、Yをヨー
レイトγとすることにより、運動状態量β及びγに相当
する推定値X*、即ち図1中に示す推定車体横滑角βes
t及び推定ヨーレイトγestが求められる。
【0033】次に、後輪舵角制御演算部16を説明す
る。前述した運動状態量xである推定ヨーレイトγest
及び推定車体横滑角βestを、目標挙動量xdである目標
ヨーレイトγdes及び目標車体横滑角βdesに夫々一致さ
せたとすると、下記数15が成立する。
【0034】
【数15】 前記数15中のδrcは、x=xdとなる状態を平衡状態
としたときに同平衡状態からのずれを補正するためのフ
ィードバック制御を行うための後輪操舵角である。
【0035】いま、e=xd−xとおいて、eに対する
運動方程式を立てると前記数6,数15により下記数1
6が成立する。
【0036】
【数16】 したがって、前記数16の動特性をもつ偏差eを「e=
0」にする後輪操舵角δrcを計算することが、所望の運
動特性を実現するための後輪操舵制御則となる。
【0037】図4及び図5は前記数16の運動方程式に
対応した実車両運動モデル図である。図4及び図5にお
いて、一点鎖線で囲んだブロックは被制御対象である車
両を表し、P(s)は車両の各種パラメータが変動しな
い場合(数16のパラメータ行列A,B2が変動しない
場合)における後輪操舵角δrcの偏差eに対する伝達関
数であり、△(s)は車両の搭載重量やタイヤの経時変
化等による各種車両パラメータの変動分を表す伝達関数
である。また、F(s)は偏差eの後輪操舵角δrcに対
する伝達関数である。
【0038】ここで、制御対象である車両のパラメータ
行列A,B2が変動した場合でも、制御のロバスト安定
性を保証可能なH∞制御理論、又はロバスト制御性能を
理論的に保証可能なμシンセシス法を用いると、所定の
周波数特性を持つフィードバックゲインF(s)を下記
数17に示すように導出できると共に、車両の目標運動
状態量(目標挙動量)xdと運動状態量xとの偏差eに
前記フィードバックゲインF(s)を乗じた後輪操舵角
δrcを下記数18のように計算できる。即ち、図4と図
5の伝達関数△(s)を考慮して、フィードバックゲイ
ンF(s)及び後輪操舵角δrcを計算することがきる。
【0039】
【数17】
【数18】 これらの伝達関数F(s),F1(s),F2(s)は次の
如く決定される。まず、車両の各種パラメータが変動し
ない場合における伝達関数P(s)と、ロバスト安定性
を考慮して周波数に応じて重み付けした伝達関数Wt
(s)と、車体横滑角β及びヨーレイトγを検出するセ
ンサの零点ドリフト及び高周波ノイズとは無関係に制御
感度を確保するための周波数に応じて重み付けした伝達
関数Ws(s)とを決定する。伝達関数P(s)は車両
の各種パラメータにより決定されるものである。
【0040】伝達関数Wt(s)を決定するためには、
車両の各種パラメータが変動した場合(例えば、車両の
搭載重量やタイヤの経時変化により各種パラメータが変
動した場合)を想定して、これらの変動に対応した種々
のゲイン線図(図6の破線参照)を作成し、これらの全
てのゲイン線図を上回るゲイン線図(図6の実線参照)
を作成する。そして、この実線のゲイン線図を表す関数
を伝達関数Wt(s)として決定する。
【0041】また、伝達関数Ws(s)を決定するため
には、低周波数領域及び高周波数領域にてゲインを低く
設定することにより前記センサの零点ドリフト及び高周
波ノイズの影響を受けないゲイン線図(図7の実線参
照)を作成して、このゲイン線図を表す関数を伝達関数
Ws(s)として決定する。そして、これらの伝達関数
P(s),Wt(s),Ws(s)を基に、H∞制御理論
又はμシンセシス法を用いて伝達関数F(s),F
1(s),F2(s)を導出する。
【0042】その結果、これらの伝達関数F(s),F
1(s),F2(s)をフィードバックゲインとして後輪操
舵角δrcを計算して同舵角δrcに後輪を操舵すれば、車
両搭載重量、タイヤの経時変化などによる車両の各種パ
ラメータの変動に対するロバスト安定性及びセンサの零
点ドリフト、高周波ノイズとは無関係な制御性能が確保
されることになる。
【0043】次に、後輪舵角制御制限部18を説明す
る。この車両の運動制御装置は、所定の周期Tに同期し
て後輪をフィードバック制御することから、後輪舵角制
御制限部18は、今回求められた後輪操舵角δrc(t)と
周期T前に求められた前回の後輪操舵角δrc(t-T)との
偏差を逐次演算し、その偏差が予め決められた許容範囲
内にある場合に限り、今回の後輪操舵角δrc(t)を最終
的に決定した後輪操舵角δr*として出力し、一方、偏
差が記許容範囲外であれば、今回の後輪操舵角δrc(t)
による後輪操舵を禁止して、許容範囲内に制限された後
輪操舵角δr*に基づく後輪操舵制御を行わせる。
【0044】かかる後輪操舵角の制限処理によれば、目
標挙動特性が切り換わることに起因して前回の後輪舵角
δrc(t-T)に対する今回の後輪操舵角δrc(t)が過大に変
化した場合であっても、車両の挙動が不安定(例えば、
旋回時にギクシャク感を生じさせる等)になることを未
然に防止する。
【0045】尚、後輪舵角制御制限部18は、前述の如
く車両の挙動を安定化させる等の目的で設けられること
から、目標挙動特性の切り換わりに際して常に走行安定
性等が確保される場合には、後輪舵角制御制限部18を
省略して、後輪舵角制御演算部16により求められる後
輪操舵角δrcを最終決定された後輪操舵角δr*として
後輪操舵制御を行うようにしてもよい。
【0046】(マイクロコンピュータシステムを適用し
た制御)以上に説明した運動制御装置は、種々の技術的
手法によって実現することができるものであるが、本実
施の形態では、演算制御機能を有するマイクロプロセサ
を備えたマイクロコンピュータシステムにより、所定の
処理プログラムを実行することによって実現している。
そして、このプログラム制御を実現するために、前述し
た各理論式を次の離散系の演算式に変換し、これらの演
算式に基づいて、目標車体横滑角βdes、目標ヨーレイ
トγdes及び後輪操舵角δrc等を演算することとしてい
る。前記数9を離散系の演算式に変換すると、下記数1
9,数20のようになる。
【0047】
【数19】
【数20】 前記数19,数20中の各係数g10,g11,h1
20,g21,h2は下記数21〜数26で定義される。
【0048】
【数21】
【数22】
【数23】
【数24】
【数25】
【数26】 尚、前記数21〜26中のTは演算周期である。数18
を離散系の演算式に変換すると、下記数27のようにな
る。
【0049】
【数27】 尚、kは前記伝達関数F1(s),F2(s)の次数であ
る。また、前記数27中の各係数f10,f11,…,
1k,f20,f21,…f2k,g1,g2,…,gkは、前
記伝達関数F1(s),F2(s)をz変換又はタスティ
ン変換(Tustin変換)を用いて離散化した下記数28,
数29の各係数として定義されるものである。
【0050】
【数28】
【数29】 尚、前記数28,数29中のzは離散化した際の遅延を
示す遅れ演算子である。
【0051】次に、オブザーバを適用した後輪操舵角制
御演算部16についての離散系演算式への変換を説明す
る。
【0052】実際の推定演算について考えると、同演算
においては前記数12を離散化する必要がある。一般的
には、連続系から離散系への変換は、制御周期(演算周
期)をTとすると、前述した数1に対応する離散系の式
は下記数30で与えられる。
【0053】
【数30】 ただし、係数Ad ,Bd は下記数31,数32のように
表される。
【0054】
【数31】
【数32】 この数30を前記オブザーバの状態方程式を表している
数12に適用すると、同方程式は下記数33のようにな
る。
【0055】
【数33】 ただし、係数Ed ,Kd ,Fd は下記数34〜数36の
ように表される。
【0056】
【数34】
【数35】
【数36】 しかし、前記離散系への変換方法では、前記数30〜3
6中の「A−KC」,「K」,「B」はそれぞれ車速V
の関数として時変動するので、このままでは演算できな
い。そこで、離散化の方法として双1次変換すなわちタ
スティン変換(Tustin変換)を導入する。この双1次変
換においては、ラプラス演算子sは下記数37により表
される。
【0057】
【数37】 前記数37中のzは遅れ演算子であり、z−dX(n)
はX(n−d)に対応する。前記数12をラプラス演算
子sを用いて書き直すと、下記数38,数39のように
なる。
【0058】
【数38】
【数39】 これに、数37を代入して展開すると、下記数40のよ
うになる。
【0059】
【数40】 前記数40の各係数を前述した数4,数5を用いて車速
Vの関数として展開すると、下記数41のようになる。
【0060】
【数41】 前記数41中のg11〜g22,h11〜h22は下記数42〜
数49により表される。
【0061】
【数42】
【数43】
【数44】
【数45】
【数46】
【数47】
【数48】
【数49】 次に、前記数41を離散系に書き直すと、下記数50の
ようになる。
【0062】
【数50】 ただし、前記数50中のd1 ,d2は下記数51,数5
2の通りである。
【0063】
【数51】
【数52】 したがって、前記数42〜数49,数51,数52を用
いて数50の演算を逐次実行することにより、時変型オ
ブザーバを用いて車両の運動状態量としての推定ヨーレ
イトγest及び推定車体横滑角βestを推定している。
【0064】以上に説明したように、この実施の形態に
よれば、走行状態判定部12aに実際の車両の走行状態
を精密判定すると共に、この走行判定結果に基づいて、
車速Vと相関関係にある目標ヨーレイトゲインKγ
(V)、目標車体横滑角ゲインKβ(V)及び目標特性
時定数τ(V)を記憶部12cから選択して車両運動モ
デル12dに適用することにより、目標ヨーレイトγde
s及び目標車体横滑角βdesを演算することしたので、走
行状態に対応した精密な後輪操舵制御を可能にする。特
に、走行状態に係わらず一定のフィードバック後輪操舵
制御を行う場合と比較して、この走行状態に対応したフ
ィードバック後輪操舵制御を行うことは、車速や路面状
態等に対応した適切なドライバビリティを提供すること
ができると同時に、極めて高い走行安全性を実現するこ
とができる。
【0065】また、オブザーバを適用した状態量推定演
算部14により、運転状態量である推定ヨーレイトγes
t及び推定横滑角βestを演算するので、特に困難性を伴
う車体横滑角βの計測向上を図ることができ、高精度の
フィードバック後輪操舵制御を実現することができる。
また、後輪舵角制御演算部16において、ロバスト制御
を行うことにより、信頼性の高い車両の運動制御装置を
実現している。
【0066】また、後輪舵角制御制限部18において、
走行安定性等に寄与するか否かの判断及び制限処理を行
って、それにより求まる後輪操舵角δr*による後輪操
舵制御を行うようにしているので、車両の挙動が不安定
(例えば、旋回時にギクシャク感を生じさせる等)にな
ることを未然に防止して、高い走行安定性を確保するこ
とができる。
【0067】尚、この実施の形態では、前述の如く、状
態量推定演算部14により、運転状態量である推定ヨー
レイトγest及び推定車体横滑角βestを演算している
が、実挙動量であるヨーレイトγ及び車体横滑角βを直
接検出し、かかるヨーレイトγ及び車体横滑角βを前記
推定ヨーレイトγest及び推定車体横滑角βestに代えて
フィードバック後輪操舵制御に適用するようにしてもよ
いし、観測困難な車体横滑角に関しては推定車体横滑角
βestを適用し、一方、観測可能なヨーレイトγを前記
推定ヨーレイトγestに代えて適用するようにしてもよ
い。
【0068】
【実施例】以下、更なる具体的な実施例を図面と共に説
明する。尚、図8は実施例に係る車両全体を概略的に示
すブロック図、図9ないし図14は実施例の動作を説明
するためのフローチャートである。
【0069】図8において、この車両は左右前輪FW
1,FW2を操舵する操舵ハンドル20と、左右後輪R
W1,RW2を操舵する駆動制御手段としての駆動回路
38及びアクチュエータ22とを備えている。アクチュ
エータ22は左右後輪RW1,RW2を操舵可能に連結
したリレーロッド24と共に後輪操舵機構を構成し、リ
レーロッド24を軸線方向に駆動することにより左右後
輪RW1,RW2を操舵制御する。また、この車両は、
アクチュエータ22を駆動制御するための電気制御装置
26を備えている。
【0070】電気制御装置26は、車速Vを検出する車
速検出センサ28と、前輪舵角δfを検出する前輪舵角
検出センサ30と、後輪舵角δrを検出する後輪舵角検
出センサ32と、車両の運動状態量としてのヨーレイト
γを検出するヨーレイト検出センサ24とを備えてい
る。これらの各検出センサ28〜34の出力接点がマイ
クロコンピュータシステム36に接続されている。
【0071】マイクロコンピュータシステム36には、
図1に示した機能ブロック12,14,16,18と同
機能を発揮するフィードバック後輪操舵制御用の処理プ
ログラムが予め格納されると共に、図2に示した各走行
状態に対応した目標車体横滑角ゲインKβ(V)と目標
ヨーレートゲインKγ(V)及び目標特性時定数τ
(V)のデータを記憶する記憶部12cに相当するデー
タ記憶領域が設けられている。
【0072】上記処理プログラムは、図9のフローチャ
ートに対応した後輪操舵制御プログラムと、図10ない
し図12のフローチャートに対応した走行状態判定及び
目標特性設定処理のためのプログラムと、図13のフロ
ーチャートに対応した車体横滑角推定演算のためのプロ
グラムと、図14のフローチャートに対応した後輪操舵
角を制限するためのプログラムを備えている。そして、
これらのプログラムは、内蔵タイマにて設定される所定
周期(フィードバック制御周期)Tに同期して繰り返し
実行されると共に、マイクロコンピュータシステム36
より最終的に決定される後輪操舵角δr*基づいて駆動
回路38がアクチュエータ22を駆動することにより、
左右後輪RW1,RW2を操舵する。
【0073】図9において、マイクロコンピュータシス
テム36はステップS100にて後輪操舵制御プログラ
ムの実行を開始し、次にステップS102において、車
速検出センサ28と前輪舵角検出センサ30及びヨーレ
イト検出センサ34にて夫々検出された車速V、前輪舵
角δf及びヨーレイトγを入力する。
【0074】次に、ステップS104において、走行状
態の判定及びその判定結果に基づく目標車体横滑角ゲイ
ンKβ(V)と目標ヨーレートゲインKγ(V)及び目
標特性時定数τ(V)を選択するための目標特性設定処
理が行われ、詳くは図10〜図12のフローチャートに
従って行われる。
【0075】まず、図10のステップS200では、今
回検出された前輪舵角δf[n]及び車速V[n]を入力し、
次のステップS202において、周期T前に検出された
前回の前輪舵角δf[n-1]と今回検出された前輪舵角δf
[n]との偏差Δδf[n]を算出した後、ステップS204
において第1の走行状態検出処理を行う。
【0076】ステップS204の処理は図11に示すフ
ローに従って行われ、まずステップS300において、
前記車速V[n]が予め決められた第1の基準車速値VLM1
よりも大きいか否か判断する。ここで、第1の基準車速
値VLM1は時速70kmに設定されている。
【0077】ステップS300において肯定される場合
にはステップS302に移行し、今回の前輪舵角δf[n]
が予め決められた第1の前輪舵角値δfLM1より小さいか
否か判断する。ここで、第1の前輪舵角値δfLM1は約6
0°に設定されている。
【0078】ステップS302において肯定される場合
にはステップS304に移行し、前記の偏差Δδf[n]が
予め決められた第1の基準偏差値ΔδfLM1より大きいか
否かの判断を行い、肯定される場合にはステップS30
6に移行する。
【0079】このように、ステップS300〜S304
の全てにおいて肯定される場合は、車両の現在の走行状
態が高速路走行中の状態にあると判定する。即ち、第1
の基準車速値VLM1よりも高速で走行中であり且つ、第
1の前輪舵角値δfLM1よりも小さい前輪舵角で運転操作
がなされ、更に前回の前輪舵角と今回の前輪舵角との偏
差Δδf[n]が第1の基準偏差値ΔδfLM1よりも小さいと
いう3条件を満足する場合は、いわゆる高速且つ直進走
行中であることから、高速路走行中の状態にあると判断
する。
【0080】ステップS306においては、所定の内蔵
カウンタの計数値CNHWに1を加算し、加算後の計数値
を新たな計数値CNHWとして保持する。
【0081】次に、ステップS308において、前記内
蔵カウンタに保持されている最新の計数値CNHWが予め
決められた第1の基準計数値CLM1より大きいか否かの
判断を行い、肯定される場合にはステップS310に移
行して、高速路走行状態を示すフラグデータFLUGHW
に1を立てた後、図10のステップS206へ移行す
る。尚、第1の基準計数値CLM1は、高速路走行が継続
される比較的長時間に相当する値に設定されている。
【0082】このように、ステップS306,S308
において第1の基準計数値(比較的長い時間に相当す
る)CLM1に達するまで計数値CNHWをカウントアップ
し、高速路走行中の状態が所定時間(T×CNLM1)に渡
って継続しているか否かの判断を行うことにより、一過
性の変化に基づく誤判断を防止すると共に、過去の履歴
状態に基づく走行状態の判断精度の向上を図っている。
【0083】一方、ステップS300,S302,S3
04のいずれか一つでも否定されるとステップS312
へ移行して、前記内蔵カウンタの計数値CNHWを0にリ
セットし、更にステップS314においてフラグデータ
FLUGHWを0にリセットすることにより、高速路走行
中の状態でないとし、又は高速路走行中の状態と判断し
た結果の解除を行う。
【0084】また、ステップS308において否定され
る場合には、ステップS314においてフラグデータF
LUGHWを0にリセットすることにより、高速路走行中
の状態でないとし、又は高速路走行中の状態と判断した
結果の解除を行う。
【0085】再び図10において、ステップS206で
は、図12に詳細に示す第2の走行状態検出処理が行わ
れる。まず、ステップS400において、所定の内蔵カ
ウンタの計数値CNWDに1を加算し、加算後の計数値を
新たな計数値CNWDとして保持する。
【0086】次に、ステップS402において、今回の
前輪舵角δf[n]の絶対値が予め決められた第2の前輪舵
角値δfLM2より大きいか否かを判断し、ここで肯定され
る場合にはステップS404へ移行する。尚、第2の前
輪舵角値δfLM2は90°に設定されている。
【0087】次に、ステップS404では、今回の前輪
舵角δf[n]と前回の前輪舵角δf[n-1]との偏差が0以下
であるか否かの判断を行い、肯定される場合にはステッ
プS406において、車速V[n]が予め決められた第2
の基準車速値VLM2及び第3の基準車速値VLM3の範囲内
にあるか否かの判断を行い、肯定される場合にはステッ
プS408へ移行する。尚、第2の基準車速値VLM2
時速40km、第3の基準車速値VLM3は時速70km
に設定されている。
【0088】ステップS408においては、後述する他
の内蔵カウンタの計数値mにて指定される第m番目の前
輪舵角δfp[m]と今回の前輪舵角δf[n]との積が負値で
あるか否か判断し、肯定されるときはステップS410
へ移行する。
【0089】ステップS410においては、計数値mに
1を加算し、加算後の計数値mで指定される第m番目の
前輪舵角δfp[m]を今回の前輪舵角δf[n]に更新し、更
に、所定の内蔵タイマの値TMWD[m]を計数値CNWD
プリセットし、次に、ステップS412において計数値
CNWDを0にリセットする。
【0090】次に、ステップS414では、計数値mが
予め決められた基準値m0以上か否か判断し、肯定され
る場合にはステップS416に移行して、前記ステップ
S410にて設定されたm個のタイマ値TMWD[1]〜T
WD[m]の全加算演算を行い、更に、この全加算値が予
め決められた第2の基準計数値CLM2より小さいか否か
判断し、肯定される場合にはステップS418におい
て、いわゆるワインディング走行状態にあると最終判定
して、フラグデータFLUGWDに1を立ててこの処理を
終了する。尚、基準値m0は例えば、m0=6、第2の基
準計数値CLM2は、例えば1分間に相当する値に設定さ
れている。
【0091】このように、ステップS402,S40
4,S406,S408,S414の5条件を満足して
ステップS418の処理まで行われる場合は、時速40
km〜時速70kmの車速範囲内において、比較的大き
な前輪舵角にて高い頻度(例えば毎分6回)でステアリ
ング操作を繰り返した場合に該当することから、カーブ
の多い道を走行中、即ちワインディング走行状態にある
と判断する。
【0092】一方、前記ステップS402,S404,
S406,S408,S414のいずれか1つでも否定
される場合には、ワインディング走行状態にあるとの判
断を解除すべく、ステップS420においてフラグデー
タFLUGWDを0にリセットして、この処理を終了す
る。
【0093】再び図10において、このように走行状態
が判断された後にステップS208及びS210で前記
フラグデータFLUGHD,FLUGWDを調べ、ステップ
S212,S214,S216の内、フラグ1に対応す
る走行状態についての目標ヨーレイトゲインKγ[n]と
目標車体横滑角ゲインKβ[n]及び目標特性時定数τ[n]
を選択する。
【0094】即ち、高速路走行中の状態を示すフラグデ
ータFLUGHDが1であれば、ステップS212におい
て、図2(a)〜(c)中の特性曲線HWのデータに基
づいて今回の車速V[n]に対応する各データKγHW[V
[n]],KβHW[V[n]],τHW[V[n]]を選択し、ワインデ
ィング走行状態を示すフラグデータFLUGWDが1であ
れば、ステップS214において、図2(a)〜(c)
中の特性曲線WDのデータに基づいて今回の車速V[n]
に対応する各データKγWD[V[n]],KβWD[V[n]],τ
WD[V[n]]を選択し、一方、いずれのフラグデータFL
UGHD,FLUGWDも1でなければ、一般路速走行中の
状態であるとして、ステップS216において、図2
(a)〜(c)中の特性曲線NMのデータに基づいて今
回の車速V[n]に対応する各データKγNM[V[n]],Kβ
NM[V[n]],τNM[V[n]]を選択する。
【0095】このように、図10〜図12の処理によ
り、走行状態が判定され且つこの走行状態に対応する目
標ヨーレイトゲインKγ[n]と目標車体横滑角ゲインK
β[n]及び目標特性時定数τ[n]が選択され、次に、図9
のステップS106への処理へ移行する。
【0096】図9のステップS106では、前記数21
〜数26の演算を行うことにより、係数g10,g11,g
20,g21,h1 ,h2 を演算する。
【0097】次に、ステップ108にて、kT時間前か
らT時間前までのT時間毎の目標車体横滑角βdesをそ
れぞれ表す各時系列データβdes[n-k],…,βdes[n-1]
をこれらの各時系列データのT時間後の各時系列データ
βdes[n-k+1],…,βdes[n]にそれぞれ更新するととも
に、kT時間前からT時間前までのT時間毎の目標ヨー
レートγdesをそれぞれ表す各時系列データγdes[n-
k],…,γdes[n-1]をこれらの各時系列データのT時間
後の各時系列データγdes[n-k+1],…,γdes[n]にそれ
ぞれ更新する。
【0098】次に、ステップS110において、前記求
められた係数g10,g11,g20,g 21,h1 ,h2 と、
走行状態に対応する目標ヨーレイトゲインKγ[n]、目
標車体横滑角ゲインKβ[n]及び目標特性時定数τ[n]
を、前記数19及び数20に適用することにより、現在
の目標車体横滑角βdes[n]及び目標ヨーレートγdes[n]
を算出する。したがって、以上のステップS102〜S
110の処理により、図1中の目標挙動量演算部12に
相当する処理が実現される。
【0099】次に、ステップS112において、図1中
の状態量推定演算部14に相当する処理、即ち、車体横
滑角度推定演算処理を行うことにより、推定ヨーレイト
γest及び推定車体横滑角βestを求める。より詳細には
図13のフローに従って行われる。尚、説明の都合上、
以下のステップS500〜S520の処理の説明のため
に用いる変数と、図9〜図12のフローにて説明した変
数変数名が同じであっても、相互に独立したものとす
る。
【0100】図13のステップS500において、セン
サ28〜34にて今回実測された前輪舵角δf、後輪舵角
δr、車速V及びヨーレイトγを入力する。次に、ステ
ップS502,S504において、T時間前の前輪舵角
δfと後輪舵角δr及びヨーレイトγをそれぞれ表す前回
データδf[n-1],δr[n-1],γ[n-1]と、今回の前輪舵
角δfと後輪舵角δr及びヨーレイトγをそれぞれ表す今
回データδf[n],δr[n],γ[n]とを更新する。即ち、
前回データδf[n-1],δr[n-1],γ[n-1]を今回データ
δf[n],δr[n],γ[n]に更新すると共に、今回データ
δf[n],δr[n],γ[n]を前記入力した値δf ,δr ,
γに更新する。
【0101】次に、ステップS506において、図3に
示すモデルの係数A(a11,a12,a21,a22),B
(b11,b12,b21,b22)を前述した数4,数5に基
づいて算出する。ここで、車速Vは前記ステップS50
0の処理による検出値であるが、他のパラメータM,I
z ,af ,ar ,Cf ,Crは車種に対応して予め決め
られた定数である。
【0102】次に、ステップS508にて、予め定めた
負の定数である極p1 ,p2及び前記計算した係数A
(a11,a12,a21,a22)を用いて数14に基づきフ
ィードバックゲインk1 ,k2 を計算する。
【0103】次に、ステップS510,S512の処理
により、T時間前のモデルの係数B(b11,b12
21,b22)及びフィードバックゲインk1 ,k2 をそ
れぞれ表す前回係数データb11[n-1]〜b22[n-1]及び前
回ゲインデータk1[n-1],k2[n-1]と、現在のモデルの
係数B(b11,b12,b21,b22)及びフィードバック
ゲインk1 ,k2 をそれぞれ表す今回係数データb
11[n]〜b22[n]及び今回ゲインデータk1[n],k2[n]と
を更新する。即ち、ステップS510にて、前回係数デ
ータb11[n-1]〜b22[n-1]及び前回ゲインデータk1[n-
1],k2[n-1]を今回係数データb11[n]〜b22[n]及び今
回ゲインデータk1[n],k2[n]にそれぞれ更新し、ステ
ップS512にて、今回係数データb11[n]〜b22[n]及
び今回ゲインデータk1[n],k2[n]を前記計算した係数
11〜b22及びフィードバックゲインk1,k2 にそれ
ぞれ更新する。
【0104】前記ステップS512の処理後、ステップ
S514にて、極p1 ,p2 、演算周期(プログラムの
実行周期)T、パラメータM,Iz ,af ,ar
f ,c r及び検出車速Vを用いた前記数42〜数49
の演算を行うことにより、係数g1 1〜g22,h11〜h22
を計算する。
【0105】次に、ステップS516において、T時間
前の推定車体横滑角及び推定ヨーレイトを表す前回推定
車体横滑角データβest[n-1]及び前回推定ヨーレイトデ
ータγest[n-1]を、T時間前のステップS520の処理
により計算した今回推定車体横滑角データβest[n]及び
今回推定ヨーレイトデータγest[n]に更新する。
【0106】次に、ステップS518にて、各種前回デ
ータb11[n-1]〜b22[n-1],k1[n-1],k2[n-1],δf
[n-1],δr[n-1],γ[n-1]及び各種今回データb11[n]
〜b22[n],k1 [n],k2[n],δf[n],δr[n],γ
[n]を用いて前記数51,数52の演算を行うことによ
り、値d1,d2を計算する。
【0107】次に、ステップS520にて、前回推定車
体横滑角データβest[n-1]、前回推定ヨーレイトデータ
γest[n-1]及び値d1 ,d2 を用いるとともに係数g11
〜g 22,h11〜h22を現係数データg11[n]〜g22[n],
11[n]〜h22[n]として用いた数50の演算の実行によ
り現在の推定車体横滑角βest[n]及び推定ヨーレイトγ
est[n]を計算する。
【0108】そして、図9のステップS114に処理が
移行し、前記の推定車体横滑角βest[n]が図1中の状態
量推定演算部14から出力される今回の推定車体横滑角
βestに設定される。
【0109】次にステップS116において、kT時間
前からT時間前までのT時間毎の検出車体横滑角βをそ
れぞれ表す各時系列データβ[n-k],…,β[n-1]をこれ
らの各時系列データのT時間後の各時系列データβ[n-k
+1],…,β[n]にそれぞれ更新するとともに、現在の検
出車体横滑角を表す時系列データβ[n]を前記設定した
検出車体横滑角βestに設定する。
【0110】また、同ステップS116にて、kT時間
前からT時間前までのT時間毎の検出ヨーレートγをそ
れぞれ表す各時系列データγ[n-k],…,γ[n-1]をこれ
らの各時系列データのT時間後の各時系列データγ[n-k
+1],…,γ[n]にそれぞれ更新するとともに、現在の検
出ヨーレートγを表す時系列データγ[n]を前記入力し
たヨーレートγに設定する。
【0111】次に、ステップS118にて、kT時間前
からT時間前までのT時間毎の後輪操舵角δrcをそれぞ
れ表す各時系列データδrc[n-k],…,δrc[n-1]をこれ
らの各時系列データのT時間後の各時系列データδrc[n
-k+1],…,δrc[n]にそれぞれ更新する。尚、上述した
各時系列データは最初に、図示しない初期設定処理によ
り所定の初期値に設定されている。
【0112】前記ステップS118の処理後、ステップ
S120にて、前記ステップS108〜S118の処理
により更新した各時系列データと、上記数28,数29
により特定される各係数を用いた上記数27の演算を実
行することにより、現在の後輪操舵角δrc[n]を計算す
る。即ち、ステップS120において、図1中の後輪舵
角制御演算部16に相当する処理が行われることによ
り、現在の後輪操舵角δrc[n]が求められる。
【0113】次に、ステップS122の後輪舵角制御制
限処理において、前記の後輪操舵角δrc[n]を最終決定
した後輪操舵角δr*として駆動回路38及びアクチュ
エータ22を駆動制御すべきか否かの判断及び制限処理
が行われる。この処理の詳細は図14のフローに従って
行われる。
【0114】図14において、まずステップS600で
は、今回求められた後輪操舵角δrc[n] と周期T前に求
められた前回の後輪操舵角δrc[n-1]との偏差Δδrcを
算出し、次のステップS602において、この偏差Δδ
rcが予め決められた許容範囲の上限値ΔδrcLMよりも大
きいか否か判断する。ここで肯定される場合には、ステ
ップS604に移行して、前回の後輪操舵角δrc[n-1]
に所定の許容上限値ΔδrcLMを加算した値を今回の後輪
操舵角δrc[n]として更新した後、ステップS606へ
移行する。一方、ステップS602で否定される場合に
は、ステップS604の処理を行うことなくステップS
606の処理へ移行する。
【0115】ステップS606では、前記ステップS6
00にて求められた偏差Δδrcが予め決められた許容範
囲の下限値−ΔδrcLMよりも小さいか否か判断する。こ
こで肯定される場合には、ステップS608に移行し
て、前回の後輪操舵角δrc[n-1]に所定の許容下限値Δ
δrcLMを減算(別言すれば、−ΔδrcLMを加算)した値
を今回の後輪操舵角δrc[n]として更新した後、ステッ
プS610へ移行する。一方、ステップS606で否定
される場合には、ステップS608の処理を行うことな
くステップS610の処理へ移行する。
【0116】そして、ステップS610において、前記
の如く更新された後輪操舵角δrc[n]を最終的な後輪操
舵角δr*に決定する。即ち、ステップS600〜S6
10の処理によれば、前記偏差Δδrcが、−ΔδrcLM
Δδrc<ΔδrcLMの許容範囲内にあれば、図9中のステ
ップS120で求められた後輪操舵角δrc[n]を最終的
な後輪操舵角δr*に決定し、Δδrc≦−ΔδrcLM若し
くはΔδrcLM≦Δδrcの場合には、前記ステップS60
4若しくはS608にて更新処理して得られる後輪操舵
角δrc[n]を最終的な後輪操舵角δr*に決定する。
【0117】そして、図9中のステップS124におい
て、前記最終決定された後輪操舵角δr*を駆動回路3
8に供給すると共にアクチュエータ22を駆動すること
により、左右後輪RW1,RW2を後輪操舵角δr*に
対応して操舵制御する。
【0118】したがって、目標挙動特性が切換わること
に起因して後輪操舵角δrc[n]の変化が過大になった場
合においても、前記許容範囲内に制限された後輪操舵角
δr*による操舵がなされる結果、車両の挙動が不安定
(ギクシャク感)になることを防止し、常に走行安定性
を良好に保つことができる。
【0119】このように、この実施例によれば、目標運
動状態量としての目標車体横滑角βdes及び目標ヨーレ
ートγdesを、逐次変化する車両の走行状態に基づいて
積極的に更新することとしたので、実際に即した走行安
定性及びドライバビリティの向上等を図ることができ
る。
【0120】また、実挙動量δf,V,γ,δrを、オブ
ザーバを適用した状態量推定演算処理に適用することに
より、高精度で推定車体横滑角βest及び推定ヨーレイ
トγestを求めることができるので、より精密なフィー
ドバック後輪操舵制御を実現することができる。
【0121】また、目標車体横滑角βdes及び目標ヨー
レートγdesと推定車体横滑角βest及び推定ヨーレート
γestとの偏差について前記ステップS120の演算処
理を行うので、車両搭載重量、タイヤの経時変化等によ
る車両の各種パラメータの変動に対するロバスト安定性
及びセンサの零点ドリフト、高周波ノイズとは無関係な
制御性能を確保することが可能となり、車両の旋回に伴
う水平面内の運動状態を目標運動状態に良好に制御する
ことができる。
【0122】また、後輪操舵に適用する最終的な後輪操
舵角δr*を所定の許容範囲内に制限するようにしたの
で、常に走行安全性等を確保することができる等の優れ
た効果を発揮させることができる。
【0123】(変形例)次に、車両の運動状態、特に車
両の旋回に伴う水平面内における運動状態を左右の制動
力配分の制御により修正する機構を含むようにした変形
例について説明する。まず理論的な説明を行う。図8に
示すように左右の制動力差をFkとするとともにトレッ
ドをTr とすると、車体横滑角β、ヨーレートγ、車速
V、前輪舵角δf及び左右制動力差Fkは、車両の運動方
程式から下記数53〜数57のような関係になる。その
他の車両パラメータは上記実施例と同じである。
【0124】
【数53】
【数54】
【数55】
【数56】
【数57】 ここで、前記実施例と同様に、目標状態量xd を上述の
数9のように定義するとともに偏差eをe=xd −xと
おいて、偏差eに対する運動方程式を立てると、下記数
58の方程式が成立する。
【0125】
【数58】 前記数58は上記実施例の数16に対応する。したがっ
て、この変形例においては、偏差eを「0」にする左右
制動力差Fxを求めることが所望の車両の運動特性を実
現するための制御則となる。その結果、上記実施例の数
18〜数29にてフィードバック後輪操舵角δrcに代え
てフィードバック左右制動力差Fxを採用することによ
り、上記実施例と同様にしてフィードバック左右制動力
差Fxを計算できる。もちろん、この変形例におけるフ
ィードバック伝達関数F(s)は伝達関数P(s),W
t(s),Ws(s)が上記実施例とは異なるものである
ので、計算結果は上記実施例とは異なる。
【0126】次に、この変形例に係る具体的例について
図8を用いて説明すると、同変形例は上記実施例の後輪
操舵機構に代えて、各輪FW1,FW2,RW1,RW
2に設けたホイールシリンダ40〜46と同シリンダ4
0〜46に対するブレーキ油圧をそれぞれ制御するブレ
ーキ油圧制御装置48とからなる制動力配分機構を備え
ている。ブレーキ油圧制御装置48は駆動回路50によ
り電気的に制御されるようになっており、同回路50に
はマイクロコンピュータシステム36から左右制動力差
Fxを表す制御信号が供給されるようになっている。マ
イクロコンピュータ36は上記実施例の後輪操舵制御プ
ログラム(図9)の各ステップと同一の処理であるが、
上記実施例の後輪操舵角δrcをフィードバック左右制動
力差Fxに変更するとともに各種係数を前記理論説明に
適合するように変更した各ステップの処理からなる制動
力配分制御プログラムを実行する。
【0127】したがって、前述のように構成した変形例
においては、左右輪の制動力差を制御することにより、
車体横滑角β及びヨーレートγが目標車体横滑角βdes
及び目標ヨーレートγdesに一致する。その結果、その
変形例においても、車両の搭載重量の変化、タイヤの経
時変化などにより各種車両パラメータが変動しても、車
体横滑角β及びヨーレートγを検出するためのセンサ出
力に零点ドリフト及び高周波ノイズによる誤差が含まれ
ていても、車両の運動特性、特に車両の旋回に伴う水平
面内における運動特性が常に理想的に近く制御される。
【0128】(その他の変形例)前記実施例及び変形例
においては、車両の運動状態量(詳しくは車両の旋回に
伴う水平面内における運動状態量)として車体横滑角β
及びヨーレートγを採用するようにしたが、車両の運動
状態量として車体横速度、車体横加速度、ヨー角速度な
どを利用するようにしてもよい。
【0129】また、本発明は、具体的に説明した後輪操
舵制御に適用する場合に限るものではなく、前輪アクテ
ィブ操舵制御、四輪アクティブ操舵制御、車両挙動制御
などの、目標特性追従式車両横方向(横滑り)運動制御
系にも適用することができる。
【0130】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、車
両の走行状態に基づき目標特性を可変とすることで、種
々変化する走行状態に対応した最適な目標追従制御を可
能としたので、車両の走行安定性等の向上を図ることが
できる。
【0131】また、車両運動を制御するための現制御指
示値と前制御指示値との偏差に基づいて現制御指示値を
制限するので、目標挙動量の切換わりに起因して現制御
指示値が前制御指示値に対して大幅に変化するような場
合であっても、車両の挙動が不安定になることを防止
し、常に良好な走行安定性等を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る車両の運動制御装置
の構成を示すブロック図である。
【図2】走行状態に対応する各目標特性の一例を示す特
性曲線図である。
【図3】車両の2自由度モデルに対して同一次元オブザ
ーバを想定したモデルのブロック図である。
【図4】実施の形態に係る車両制御モデルのブロック図
である。
【図5】同車両モデルと等価な車両制御モデルのブロッ
ク図である。
【図6】ロバスト安定性を保証するための伝達関数のゲ
イン線図である。
【図7】検出センサの零点ドリフト及び高周波ノイズと
は無関係に制御感度を確保するための伝達関数のゲイン
線図である。
【図8】実施例に係る車両の全体構成を示す概略図であ
る。
【図9】実施例に係る後輪操舵制御後輪操舵制御プログ
ラムの処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】実施例に係る目標特性設定処理プログラムの
処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】実施例に係る第1の走行状態検出処理プログ
ラムの処理を説明するためのフローチャートである。
【図12】実施例に係る第2の走行状態検出処理プログ
ラムの処理を説明するためのフローチャートである。
【図13】実施例に係る推定車体滑角度検出処理プログ
ラムの処理を説明するためのフローチャートである。
【図14】実施例に係る後輪操舵指令値制限処理プログ
ラムの処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
4…前輪舵角検出センサ、6…車速検出センサ、8…ヨ
ーレイト検出センサ、10…後輪舵角検出センサ、12
…目標挙動量演算部、12a…走行状態判定部、12b
…選択部、12c…記憶部、14…状態量推定演算部、
16…後輪舵角制御演算部、18…後輪舵角制御制限
部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B62D 137:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の実挙動量を検出する挙動量検出手
    段と、 前記車両の走行状態を判定する走行状態判定手段と、 前記走行状態に基づく目標特性を予め記憶する記憶手段
    と、 前記走行状態検出手段により検出された走行状態に基づ
    き前記記憶手段に記憶された目標特性を選択する選択手
    段と、 前記選択手段により選択された前記目標特性を規範車両
    運動モデルに適用することにより目標挙動量を演算する
    目標挙動量演算手段と、 前記目標挙動量と前記実挙動量との比較値に基づいて制
    御指示値を演算する演算手段と、 前記演算手段により演算された前記制御指示値に基づき
    車両運動を制御する駆動制御手段と、を具備することを
    特徴とする車両の運動制御装置。
  2. 【請求項2】 車両の実挙動量を検出する挙動量検出手
    段と、 前記車両の走行状態を判定する走行状態判定手段と、 前記走行状態に基づく目標特性を予め記憶する記憶手段
    と、 前記走行状態検出手段により検出された走行状態に基づ
    き前記記憶手段に記憶された目標特性を選択する選択手
    段と、 前記選択手段により選択された前記目標特性を規範車両
    運動モデルに適用することにより目標挙動量を演算する
    目標挙動量演算手段と、 前記挙動量検出手段により検出された前記実挙動量を実
    車両運動モデルに適用することにより推定挙動量を演算
    する状態量推定演算手段と、 前記目標挙動量と、前記推定挙動量及び前記実挙動量の
    いずれか一方又は相互の組合せ、との比較値に基づいて
    制御指示値を演算する演算手段と、 前記演算手段により演算された前記制御指示値に基づき
    車両運動を制御する駆動制御手段と、を具備することを
    特徴とする車両の運動制御装置。
  3. 【請求項3】 前記演算手段により演算された前制御指
    示値と現制御指示値との偏差が所定値を超える場合、前
    記現制御指示値による前記駆動制御手段の制御を制限す
    る制限手段を備えたことを特徴とする請求項1又は請求
    項2に記載の車両の運動制御装置。
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