JPH09249101A - ブレーキ制御装置 - Google Patents

ブレーキ制御装置

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JPH09249101A
JPH09249101A JP5969996A JP5969996A JPH09249101A JP H09249101 A JPH09249101 A JP H09249101A JP 5969996 A JP5969996 A JP 5969996A JP 5969996 A JP5969996 A JP 5969996A JP H09249101 A JPH09249101 A JP H09249101A
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brake
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braking
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 坂道での停止時においても車両をその動き出
しを防止して確実に停止させることができるブレーキ制
御装置を提供する。 【解決手段】 目標制動効果と実制動効果とが一致する
ように、目標制動効果と実制動効果との比に応じて設定
される係数値にしたがって車輪回転抑制手段を制御する
制御手段が、車両停止中において、該車両停止に至った
時点の前記係数値を維持し、該係数値にしたがって車輪
回転抑制手段を制御する車両停止時制御手段を具備す
る。これにより、停止直前と直後とで、前記係数値すな
わちこの係数値で制御される車輪回転抑制手段の制御特
性が変化することがなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明はブレーキ制御装置に
関するものであり、特に、車両停止時の制御に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】自動車を減速、停止させるためのブレー
キ制御装置として、特開平5−39008号公報に開示
されたもの等がある。このブレーキ制御装置は、ブレー
キ操作部材と、該ブレーキ操作部材の操作量を検出する
操作量検出手段と、車輪の回転を抑制するブレーキを有
する車輪回転抑制手段と、該車輪回転抑制手段の制動効
果を検出する制動効果検出手段と、前記操作量検出手段
の検出結果に基づいて決まる目標制動効果と前記制動効
果検出手段により検出される実制動効果とが一致するよ
うに、前記目標制動効果と前記実制動効果との比に応じ
て設定される係数値にしたがって前記車輪回転抑制手段
を制御する制御手段とを有するもので、ブレーキ操作部
材の操作量を検出し、その検出結果に見合った大きさの
作動力をブレーキに発生させるようになっている。上記
ブレーキ制御装置は、車両停止中においては、実制動効
果が零となってしまうため、操作量検出手段の検出結果
に基づいて決まる目標制動効果と制動効果検出手段によ
り検出される実制動効果とを一致させる制御に代えて、
ブレーキの作動力がブレーキ操作部材の操作量に対応し
た大きさとなるように車輪回転抑制手段を制御し、これ
によりブレーキの作動力が過大となるのを防止するよう
になっている。具体的には、車両停止中は実制動効果が
零となってしまうことから、制御手段は、目標制動効果
と実制動効果との比に応じて設定される係数値を、停止
に至るまでの値とは別個の基本値に置き換えて前記車輪
回転抑制手段を制御するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように、停止中の係数値を停止に至るまでの値とは別個
の基本値に置き換えてしまうと、車輪回転抑制手段の制
御特性が停止直前と直後とで変化することになり、例え
ば坂道で停止する場合において、制御特性がブレーキの
作動力が減ってしまう方向に変化した場合、車両が動き
出してしまうという問題があった。したがって、本発明
の目的は、坂道での停止時においても車両をその動き出
しを防止して確実に停止させることができるブレーキ制
御装置を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、ブレーキ操作部材と、該ブレーキ操作部
材の操作量を検出する操作量検出手段と、車輪の回転を
抑制するブレーキを有する車輪回転抑制手段と、該車輪
回転抑制手段の制動効果を検出する制動効果検出手段
と、前記操作量検出手段の検出結果に基づいて決まる目
標制動効果と前記制動効果検出手段により検出される実
制動効果とが一致するように、前記目標制動効果と前記
実制動効果との比に応じて設定される係数値にしたがっ
て前記車輪回転抑制手段を制御する制御手段とを有する
ブレーキ制御装置において、前記制御手段は、車両停止
中において、該車両停止に至った時点の前記係数値を維
持し、該係数値にしたがって前記車輪回転抑制手段を制
御する車両停止時制御手段を具備することを特徴として
いる。これにより、車両停止中においては、該車両停止
に至った時点での係数値を維持して車輪回転抑制手段を
制御することになるため、停止直前と直後とで、前記係
数値すなわちこの係数値で制御される車輪回転抑制手段
の制御特性が変化することがなく、坂道で停止する場合
においても、車両が動き出してしまうことがない。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
を図1〜図3に基づいて詳細に説明する。図2において
10はブレーキ操作部材としてのブレーキペダルであ
る。ブレーキペダル10はマスタシリンダ12に接続さ
れており、マスタシリンダ12の2個の加圧室にそれぞ
れ、ブレーキペダル10の踏力に対応する液圧が発生さ
せられる。マスタシリンダ12の一方の加圧室は、液通
路14,16および分岐通路18,20により、左右前
輪22,24にそれぞれ設けられたブレーキのフロント
ホイールシリンダ26,28に接続されており、他方の
加圧室は、液通路30,32および分岐通路34,36
により、左右後輪38,40にそれぞれ設けられたブレ
ーキのリヤホイールシリンダ42,44に接続されてい
る。46は後輪38,40用の液通路32に設けられた
プロポーショニングバルブである。
【0006】上記分岐通路18,20,34,36には
それぞれ、電磁方向切換弁50,52,54,56が設
けられ、液圧制御弁58,60,62,64が接続され
ている。電磁方向切換弁50〜56のソレノイドは常に
は消磁されて図に示す原位置にあり、ホイールシリンダ
26,28,42,44を液圧制御弁58〜64に連通
させているが、ソレノイドが励磁されれば反対側の位置
に切り換えられ、ホイールシリンダ26,28,42,
44をマスタシリンダ12に連通させる。
【0007】液圧制御弁58〜64はそれぞれ、アキュ
ムレータ70とリザーバ72とに液通路74,76によ
り接続されており、アキュムレータ70にはリザーバ7
2の液がポンプ80によって汲み上げられ、一定の範囲
で蓄えられる。液圧制御弁58〜64は、ソレノイドの
励磁電流の制御により、アキュムレータ70の液圧を車
輪の回転を抑制するために必要な高さに制御してホイー
ルシリンダ26,28,42,44に供給し、その液圧
に基づいてブレーキが作動し、該ブレーキの作動力で車
輪の回転が抑制される。第1の実施の形態においては、
ホイールシリンダ26,28,42,44と、これらに
よって作動させられる図示しないブレーキと、ポンプ8
0、アキュムレータ70、液圧制御弁58〜64等とが
車輪回転抑制手段を構成しているのである。
【0008】前記マスタシリンダ12とフロントホイー
ルシリンダ26,28とを接続する液通路14と16と
の間、およびマスタシリンダ12とホイールシリンダ4
2,44とを接続する液通路30と32の間にはそれぞ
れ電磁方向切換弁84,86が設けられ、ストロークシ
ュミレータ88,90が接続されている。ストロークシ
ュミレータ88,90は、マスタシリンダ12から排出
されるブレーキ液を収容してブレーキペダル10の踏込
みを許容するとともに、踏込みストロークに応じた反力
をブレーキペダル10に与えるものである。車輪の回転
が液圧制御弁58〜64によって制御された液圧に基づ
いて抑制される状態においては、電磁方向切換弁84,
86のソレノイドが消磁されてマスタシリンダ12がス
トロークシュミレータ88,90に連通させられ、運転
者にあたかもホイールシリンダ26,28,42,44
に接続されているかのような操作フィーリングを与える
ようになされているのである。
【0009】本ブレーキ制御装置は制御装置(制御手
段,車両停止時制御手段)100によって制御される。
制御装置100はCPU102、ROM104、RAM
106、入力部108、出力部110およびバスを含ん
でいる。制御装置100の入力部108には、ブレーキ
ペダル10の踏込みを検出するブレーキスイッチ11
2、ブレーキペダル10の踏込み力を検出する操作量検
出手段としての踏力検出装置114、アキュムレータ7
0の液圧を検出する液圧センサ116、ホイールシリン
ダ26,28,42,44の液圧を検出する液圧センサ
118,120,122,124、左右の前輪22,2
4および後輪38,40の各回転速度を検出する車輪速
センサ126,128,130,132、各輪における
車体の高さを検出する車高センサ134,136,13
8,140および車体の前後方向の減速度を検出する前
後Gセンサ144が接続されている。
【0010】前後Gセンサ144は、軸受により車両の
左右方向の軸線まわりに回動可能に支持された扇形の錘
を有する。この錘には、その回動軸線を中心とする円弧
上に微小間隔を隔てて多数のスリットが形成されるとと
もに、比較的大きい間隔を隔てた2個の切欠が形成され
ており、これらスリットおよび切欠が光電的に検出され
ることによって、錘の原点、回動方向および回動角度を
検出し、前後方向の加速度が検出される。
【0011】出力部110には、液圧制御弁58〜64
および電磁方向切換弁50,52,54,56,84,
86が接続されている。また、ROM104には、図3
にグラフで示すブレーキペダル10の踏込み力と目標減
速度Grとの関係を規定するマップおよび図1にフロー
チャートで示す車輪回転抑制ルーチンが格納されてい
る。以下、このフローチャートに基づいて車輪回転の抑
制について説明する。
【0012】本ブレーキ制御装置による制動は、通常は
液圧制御弁58〜64により制御された液圧に基づいて
行われるのであって、電磁方向切換弁50〜56,8
4,86は常には消磁され、ホイールシリンダ26,2
8,42,44は液圧制御弁58〜64に連通させら
れ、マスタシリンダ12はストロークシュミレータ8
8,90に連通させられている。そして、イグニッショ
ンスイッチがONにされると同時に図示しないメインル
ーチンが実行され、その初期設定においてブレーキの摩
擦材の摩擦係数μが基本値μBに設定されてRAM10
6に設けられた摩擦係数記憶エリアに格納される。基本
値μBは設計上定められ、あるいは乾燥状態の摩擦材の
常温における実測値である。
【0013】ブレーキペダル10が踏み込まれれば、ま
ず、ステップS1(以下、S1と略称する)が実行さ
れ、ブレーキペダル10の踏込み力、車体の減速度G、
車輪速度および車高が読み込まれた後、S2において目
標減速度Grが演算される。ブレーキペダル10の踏込
み力と目標減速度Grとの関係を規定する前記マップか
ら目標減速度Grが演算されるのである。次いでS3が
実行され、車輪速度から算出される車体速度が0km/
hであるか否かにより、車両が停止しているか否かの判
定が行われる。車両が走行中であればS3の判定はNO
となり、S4〜S8が実行され、目標減速度Grと実減
速度Gとを一致させるべく、ホイールシリンダの制動液
圧を設定するために摩擦材の摩擦係数μが設定される。
【0014】摩擦係数μは実減速度Gの目標減速度Gr
に対する割合に応じて設定される。S4においては実減
速度Gが目標減速度Grの95%以下であるか否かの判
定が行われ、95%以下であればS4の判定結果がYE
SとなってS7が実行され、摩擦係数μが0.99μに
決定されて、それまで摩擦係数記憶エリアに格納されて
いた摩擦係数μと置き換えられる。また、実減速度Gが
目標減速度Grの95%より大きい場合にはS5が実行
され、実減速度Gが目標減速度Grの105%以上であ
るか否かの判定が行われる。目標減速度Grの105%
以上であればS5の判定がYESとなってS8が実行さ
れ、摩擦係数μが1.01μに決定される。さらに、実
減速度Gが目標減速度Grの95%より大きく、105
%より小さい場合にはS6が実行され、摩擦係数μはそ
れまで通りの値に決定される。これによって、実減速度
Gが目標減速度Grの95%以下である間は、車輪回転
抑制ルーチンの1実行サイクル毎に摩擦係数μが1%ず
つ減じられ、105%以上である間は1%ずつ増やさ
れ、95%と105%との間では変更されないこととな
る。
【0015】次いで、S9において左右の前輪22,2
4および後輪38,40の各車輪荷重が決定される。4
輪の各荷重の大きさは車両の構造や制動時に生ずる車両
後方から前方への荷重移動によって異なり、同じ制動力
では4輪が同時にロックするように車輪の回転を抑制す
ることができないため、各輪毎に適切な制動力が得られ
るように車輪荷重を決定するのである。左前輪22の荷
重FFLは次式に従って決定される。 FFL=WFL+{(H・GX)/2L−(H・RF・GY
/T}−M ただし、 WFL:停車状態において左前輪22にかかる車両重量 H:車両の重心高さ GX:前後加速度 L:ホイールベース RF:前輪のロール剛性配分 GY:横加速度 T:トレッド M:車両の質量
【0016】制動時には、前後加速度GXに車両の重心
の高さHおよび車両の質量Mを掛けた大きさのモーメン
ト(M・H・GX)が生じ、このモーメントは前輪に地
面から加えられる反力FにホイールベースLを掛けたモ
ーメント(F・L)と釣り合うことからF=(M・H・
X)/Lが得られ、さらにこの反力Fは左右の前輪2
2,24に加えられるのであるから、左前輪22の荷重
は(M・H・GX)/2Lだけ増大することとなる。
【0017】また、車両旋回時には車両の左右方向に荷
重移動が生ずる。車両旋回時には横加速度GYに重心高
さHを掛けた大きさのモーメント(M・H・GY)が生
じ、トレッドTに左の前後輪に地面から加えられる反力
Fを掛けたモーメント(F・T)と釣り合うことからF
=(M・H・GY)/Tが得られる。この力Fは前輪と
後輪とがそのロール剛性配分RF,RRの大きさに応じて
分担する。ロール剛性配分は、車両が前後方向の軸線ま
わりに回動する際に、懸架装置からばね上重量に伝えら
れる復元モーメントの前輪と後輪との配分比率であり、
(M・H・GY)/Tに前輪22,24のロール剛性配
分RFを掛けた値が旋回に伴う左前輪22の荷重の変化
量である。左旋回時における横加速度GYを正で表すと
すれば、左前輪22の場合、車両の左旋回時には荷重移
動により荷重が減少するため、上記式において(M・H
・RF・Gr)/Τが引かれ、右旋回時にはGYが負の値
となり、荷重が増大することとなる。
【0018】また、右前輪24の荷重FFRは次式によっ
て求められる。 FFR=WFR+{(H・GX)/2L+(H・RF・GY
/T}・M ただし、 WFR=停車状態において右前輪24にかかる車両重量 右前輪24の場合、車両の左旋回時には横方向の荷重移
動により荷重が大きくなり、これを加えることにより荷
重FFRが求められ、右旋回時にはGYの値が負になるた
め、荷重が減少する。
【0019】さらに、左後輪38および右後輪40の各
荷重FRL,FRRは次式によって求められる。 FRL=WRL−{(H・GX)/2L+(H・RR・GY
/T}・M FRR=WRR−{(H・GX)/2L−(H・RR・GY
/T}・M ただし、 WRL:停車状態において左後輪38にかかる車両重量 RR:後輪のロール剛性配分 WRR:停車状態において右後輪40にかかる車両重量 制動に伴う前後方向の荷重移動により後輪の荷重は減少
するため、(M・H・GX)/2Lを引くのである。ま
た、左右方向の移動荷重は(M・H・GY)/Tに後輪
のロール剛性の分担率RRを掛けることにより求めら
れ、この値を左後輪38の場合には引き、右後輪40の
場合には加えることとなる。
【0020】このように左右の前輪22,24および後
輪38,40の荷重が求められたならばS10が実行さ
れ、荷重の大きさに応じた制動力が得られるように、各
輪のホイールシリンダ26,28,42,44に供給さ
れる制動液圧PFL,PFR,PRL,PRRが次式により算出
される。 PFL=(FFL・Gr)/(μ・bF) PFR=(FFR・Gr)/(μ・bF) PRL=(FRL・Gr)/(μ・bR) PRR=(FRR・Gr)/(μ・bR) ただし、bFは前輪のブレーキファクタ、bRは後輪のブ
レーキファクタであり、bF,bRはそれぞれ次式によっ
て表される。 bF=2・AF・(r/R) bR=2・AR・(r/R) ただし、 AF:左右前輪22,24のブレーキのピストン断面積 AR:左右後輪38,40のブレーキのピストン断面積 r:ディスクロータの有効半径 R:タイヤの有効半径
【0021】したがって、実減速度Gが目標減速度Gr
の95%以下であって摩擦係数μが減少させられれば、
同じ目標減速度Gr対する制動液圧Pが高められること
となる。この場合には車輪回転の抑制量が不足している
ため、制動液圧Pが高く決定され、車輪回転の抑制量が
大きくなるようにされるのである。また、実減速度Gが
目標減速度Grの105%以上の場合には、車輪回転の
抑制が過大なのであるから、摩擦係数が増大させられて
同じ目標減速度Gr対する制動液圧Pが低く決定され、
車輪回転の抑制量が小さくされる。
【0022】そして、S9において、算出された制動液
圧が各ホイールシリンダ26,28,42,44に供給
されるように液圧制御弁58〜64のソレノイドの励磁
電流の大きさが制御される。液圧センサ118〜124
によって検出されるホイールシリンダ26,28,4
2,44に供給される液圧と設定された制動液圧Pとが
比較され、制動液圧Pが得られるように電流がフィード
バック制御されるのである。
【0023】このようにブレーキペダル10の踏込み力
に対応する目標減速度Grを得るために、実減速度Gの
目標減速度Grに対する割合によって制動液圧Pの高さ
が変えられる。実減速度Gが目標減速度Grの95%以
下である間はS7が実行される毎に摩擦係数μが1%ず
つ小さくされ、制動液圧Pが増大させられるのであり、
実減速度Gが目標減速度Grの105%以上である間は
S8が実行される毎に摩擦係数μが1%ずつ大きくさ
れ、制動液圧Pが減少させられる。そして、実減速度G
が目標減速度Grの95%より大きく、105%より小
さくなれば摩擦係数μは一定値に保たれ、実減速度Gが
目標減速度Grと正確に一致しなくても、その範囲内で
は制動液圧Pが一定に保たれる。そのため、電磁液圧制
御弁58〜64が増圧状態と減圧状態に頻繁に切り換え
られることがなく、振動を生ずることなく車輪の回転が
抑制される。
【0024】そして、第1の実施の形態においては、車
両が停止すると、S3の判定結果がYESとなり、S6
において摩擦係数μはそれまでの値すなわち車両が停止
に至った時点での値に決定される。これにより、車両停
止中においては、実減速度Gが0であって目標減速度G
rの95%以下であるが、車両停止中はS4およびS7
が実行されずに、停止中維持される車両停止に至った時
点での摩擦係数μと、停止中も変化する目標減速度Gr
すなわちブレーキペダル10の踏込み力とによって決ま
る制動液圧がホイールシリンダ26,28,42,44
に導入されて車両が制動される。このように、車両停止
中においては、該車両停止に至った時点での摩擦係数μ
を維持することになるため、ホイールシリンダ26,2
8,42,44のブレーキの作動力の制御特性、すなわ
ち入力であるブレーキペダル10の踏込み力に対する出
力であるブレーキの作動力の出力特性が停止直前と直後
とで変化することがなく、坂道で停止する場合において
も、車両が動き出してしまうことがない。したがって、
坂道での停止時においても、車両をその動き出しを防止
して確実に停止させることができる。しかも、車両停止
中はS4およびS7が実行されないため、摩擦係数μが
繰り返し減少させられて制動液圧Pが増大させられるこ
とはなく、所定の入出力特性にしたがって、ブレーキペ
ダル10の踏込み力により決まる作動力によって車両が
制動される。
【0025】以上の説明から明らかなように、第1の実
施の形態においては、前後Gセンサ144が制動効果検
出手段を構成し、制御装置100のうち、ROM104
のS1〜S10を記憶する部分ならびにCPU102お
よびRAM106のそれらステップを実行する部分が制
御手段に相当し、特にROM104のS3,S6を記憶
する部分およびCPU102のそれらステップを実行す
る部分が車両停止時制御手段に相当しているのである。
【0026】本発明の第2の実施の形態を図4〜図6を
参照して第1の実施の形態との相違部分を中心に以下に
説明する。第2の実施の形態は、前後Gセンサ144に
より検出された実減速度Gを車体の路面に対する傾斜お
よび路面の勾配に基づいて補正するようにしたものであ
る。前後Gセンサ144は、車両の左右方向の軸線まわ
りに回動する錘の回動角度および方向を検出することに
より減速度を検出するセンサであるため、減速度が生じ
た場合の他、車体が路面に対して傾斜している場合およ
び路面が傾斜している場合にも回動し、出力が得られ
る。そのため、前後Gセンサ144の出力値には減速
度、路面の勾配角度および車体の傾斜角度が含まれ、車
体や路面に傾斜がある場合には実際の減速度とは異なる
値となり、この出力値をそのまま目標減速度Grと比較
して制動液圧を決定すれば、ブレーキペダル10の踏込
み力に対応する減速度が得られないため、補正するので
ある。
【0027】路面の勾配角度θは、図4に示す路面勾配
角度演算用コンピュータ150によって演算される。こ
のコンピュータ150には、車輪速センサ126〜13
2、車高センサ134〜140、前後Gセンサ144お
よびピッチレイトセンサ152が接続され、各検出値が
入力されるようになっている。ピッチレイトセンサ15
2は、コリオリ力を利用して車両の垂直軸線まわりの回
動角速度を検出するヨーレイトセンサと同様のセンサ
を、センサ軸が車体の左右方向の軸に平行となる姿勢で
使用し、ピッチレイト、すなわち車体のその左右方向の
軸線まわりの回動角速度ωを検出するものである。ま
た、コンピュータ150のROMには図6に示す路面勾
配角度演算ルーチンが格納されており、このルーチンに
基づいて路面勾配角度θが演算され、車輪回転抑制用の
前記制御装置100に供給される。
【0028】路面勾配角度θの演算時には、まず、S1
21において車輪速、前後G、車高およびピッチレイト
の各センサ126〜132,144,134〜140,
152の出力値がそれぞれ読み込まれる。次いでS12
2が実行され、車体速度が一定であるか否かの判定が行
われる。前回S122の判定が行われたときの車体速度
と、今回S122の判定が行われるときの車体速度とが
比較され、今回の車体速度が前回の車体速度に対して設
定範囲内にあれば一定であると判定されるのである。
【0029】車体速度が一定の場合にはS122の判定
がYESとなり、S123においてカウンタのカウント
値Cが1増加させられた後、S124においてカウント
値Cが設定値C0以上であるか否かにより、車速が設定
時間以上一定であったか否かが判定される。S124の
判定は当初はNOであり、S129が実行され、ピッチ
レイトセンサ152の出力値に基づいて車体の前後方向
の回動角度の変化量Δθが演算される。ピッチレイトセ
ンサ152が検出するのは回動角速度ωであり、路面勾
配角度演算ルーチンの1回の実行サイクルタイムΔtを
掛けることにより変化量Δθが算出され、S130にお
いて路面勾配角度θにΔθが加えられる。このθについ
ては後に説明する。
【0030】車体速度がC0時間一定であればS124
の判定がYESとなり、S125において前後Gセンサ
144の出力値から車体の前後方向の傾斜角度θAが算
出される。車体速度が一定の場合には減速度は0であ
り、前後Gセンサ144の出力値は車体の前後方向の傾
斜角度θAに対応した値となるため、前後方向傾斜角度
θAを算出することができるのであり、この前後方向傾
斜角度θAは車体の路面に対する傾斜角度と路面の勾配
角度との和である。したがって、次いでS126におい
て車高センサ134〜140の出力に基づいて路面に対
する車体の相対傾斜角度θBが算出された後、S127
において車体の前後方向傾斜角度θAから車体の相対傾
斜角度θBを引くことにより、路面勾配角度θが求めら
れる。
【0031】車体速度が一定の間はS122〜S127
が繰り返し実行され、路面勾配角度θが更新される。車
体速度が一定でなくなればS122の判定がNOとな
り、S128においてカウント値Cがリセットされた
後、S129において車体の前後方向角度の変化量Δθ
が演算され、S130において路面勾配角度θに加えら
れ、この値が路面勾配角度θとされる。減速度が生じ、
車体速度が一定でなくなれば、前後Gセンサ144の出
力値には減速度が含まれることとなるため、S125〜
S127の実行によっては路面勾配角度θを演算するこ
とはできない。したがって、車体速度が一定でない間
は、ピッチレイトセンサ152の検出値に基づいて得ら
れる車体の前後方向の回動角度の変化量Δθが求めら
れ、先に求められている路面勾配角度θに加えられるこ
とにより、現在の路面勾配角度θが求められるのであ
る。
【0032】車体速度が一定でも、一定でなくても、ピ
ッチレイトセンサ152が検出する車体の前後方向の回
動角速度ωにより、車体の前後方向の回動角度の変化量
Δθを求め、路面勾配角度θを求めることはできるので
あるが、ピッチレイトセンサ152の出力値のみに基づ
いて路面勾配角度θを求めれば、ピッチレイトセンサ1
52の出力値の誤差が累積して路面勾配角度θに含まれ
ることとなる。それに対し、この第2の実施の形態にお
けるように車体速度が一定の間は前後Gセンサ144の
出力値と車体傾斜角度とに基づいて路面勾配角度θを求
め、車体速度が一定でなくなったときにピッチレイトセ
ンサ152の出力値に基づいて路面勾配角度θを求める
ようにすれば、ピッチレイトセンサ152の検出誤差の
累積が車体速度が一定になる毎に解消されることとな
り、路面勾配角度を精度良く求めることができる。
【0033】このように路面勾配角度演算ルーチンにお
いては、車体速度が一定の間はS125〜S127の実
行により、一定でない間はS129およびS130の実
行により路面勾配角度θが演算されるのであり、その演
算結果は制御装置100のコンピュータに出力される。
制御装置100のコンピュータのROMには図5に示す
車輪回転抑制ルーチンが格納されており、S101にお
いてブレーキペダルの踏込み力、車体の実減速度G、路
面勾配角度θおよび車高が読み込まれ、S2において目
標減速度Grが演算された後、S102において実減速
度Gが路面勾配角度θおよび車体傾斜角度θBに基づい
て補正される。路面の勾配および車体の路面に対する傾
斜の影響が除去されるのであり、S3〜S10において
は真の実減速度Gに基づいてホイールシリンダの制動液
圧Pが決定されることとなり、車両は正確にブレーキペ
ダル10の踏力に応じた減速度で制動されることとな
る。
【0034】この第2の実施の形態においても、車両が
停止すると、S3の判定結果がYESとなり、S4およ
びS7が実行されずに、S6において摩擦係数μはそれ
までの値すなわち車両が停止に至った時点での値に決定
され維持される。これにより、停止中維持される車両停
止に至った時点での摩擦係数μと、停止中も変化する目
標減速度Grすなわちブレーキペダル10の踏込み力と
によって決まる制動液圧がホイールシリンダ26,2
8,42,44に導入されて車両が制動される。このよ
うに、第2の実施の形態においても、車両停止中におい
ては、該車両停止に至った時点での摩擦係数μを維持す
ることになるため、ホイールシリンダ26,28,4
2,44のブレーキの作動力の制御特性、すなわち入力
であるブレーキペダル10の踏込み力に対する出力であ
るブレーキの作動力の出力特性が停止直前と直後とで変
化することがなく、坂道での停止時においても、車両を
その動き出しを防止して確実に停止させることができ
る。
【0035】本発明の第3の実施の形態を図7を参照し
て第1の実施の形態との相違部分を中心に以下に説明す
る。第3の実施の形態は、前後Gセンサ144を用いる
のではなく、車輪速センサ126,128,130,1
32を用いて車両の実減速度Gを検出するようになって
おり、これらが制動効果検出手段を構成している。すな
わち、制御装置100に格納された車輪回転抑制ルーチ
ンにおいて、第1の実施の形態のS1の代りに該S1か
ら車体減速度の読込みを削除したS201を実行し、該
S201とS2との間に、車輪速センサ126,12
8,130,132で検出される車輪速度をもとにして
車両の実減速度Gを演算するS202を追加している。
【0036】このS202の演算方法としては、4つの
車輪速センサ126,128,130,132で検出さ
れた車輪速度の最大値の所定時間間隔(100ms〜5
00msで、好ましくは200ms〜300ms)の変
化量をその時間間隔で除した値をもって実減速度Gとす
る方法、あるいは所定速度変化(1km/h〜5km/
hで好ましくは3km/h程度)毎にそれをその間の時
間で除した値をもって実減速度Gとする方法、さらに
は、アンチロックブレーキシステムあるいはトラクショ
ンコントロールシステムで用いられているいわゆる模擬
車体速度の傾斜をもって実減速度Gとする方法が採用さ
れる。この第3の実施の形態においても、実減速度Gの
求め方が異なるのみであるため、車両停止時において
は、第1の実施の形態と全く同様に、S3の判定結果が
YESとなり、S6において摩擦係数μはそれまでの値
すなわち車両が停止に至った時点での値に決定されるこ
とになり、よって、第1の実施の形態と同様の効果を発
揮することができる。それに加えて、第3の実施の形態
は、前後Gセンサおよび傾斜を補正するためのセンサを
設ける必要がなくなるため、大幅なコストダウンが図れ
ることになる。
【0037】本発明の第4の実施の形態を図8および図
9を参照して第3の実施の形態との相違部分を中心に以
下に説明する。第4の実施の形態は、図2に示される車
輪個々にブレーキ液圧を変調できる液圧制御弁58,6
0,62,64の代りに、出力が変調可能なブースタ1
60を用いた点が主たる相違点である。すなわち、第4
の実施の形態のブレーキ制御装置は、ブレーキペダル1
0とマスタシリンダ12との間に介在されて、マスタシ
リンダ12の2個の加圧室にそれぞれ、ブレーキペダル
10の踏込み力に対応する液圧を、ブレーキペダル10
の踏込み力を助勢しつつ発生させるブースタ160を有
しており、該ブースタ160は、上記したようにその出
力を制御装置100からの信号で変調することにより、
マスタシリンダ12から発生させる液圧を変調させるよ
うになっている(このブースタ160については実開昭
60−134067号公報、実開昭60−134068
号公報および実開昭60−134069号公報参照)。
【0038】マスタシリンダ12の一方の加圧室は、左
前輪22(図8においては図示略)に設けられたブレー
キのフロントホイールシリンダ26と右後輪40(図8
においては図示略)に設けられたブレーキのリヤホイー
ルシリンダ44に接続されており、他方の加圧室は、右
前輪24(図8においては図示略)に設けられたブレー
キのフロントホイールシリンダ28と左後輪38(図8
においては図示略)に設けられたブレーキのリヤホイー
ルシリンダ42に接続されている。後輪38,40用の
液通路にはプロポーショニングバルブ46がそれぞれ設
けられている。なお、符号162は、マスタシリンダ1
2からホイールシリンダ26,28,42,44への液
圧を必要に応じて遮断しつつホイールシリンダ26,2
8,42,44の液圧を減圧および増圧等させるABS
用アクチュエータである。また、第3の実施の形態と同
様、ブレーキペダル10の踏込み力を検出する操作量検
出手段としての踏力検出装置114、左右の前輪22,
24および後輪38,40の各回転速度を検出する車輪
速センサ126,128,130,132(図8におい
ては図示略)等が設けられている。なお、第4の実施の
形態においては、ホイールシリンダ26,28,42,
44と、これらそれぞれで作動させられる図示しないブ
レーキと、ブースタ160等とが車輪回転抑制手段を構
成している。
【0039】第4の実施の形態のブレーキ制御装置は、
第3の実施の形態に対して、上記ブースタ160を用い
る点が主に相違しているため、制御装置100に格納さ
れた車輪回転抑制ルーチンにおいて、目標減速度Gr
実減速度Gとの比に応じてブースタ160の出力を変更
し、ホイールシリンダ26,28,42,44に供給さ
れる制動液圧を制御するようになっており、また、S9
の車輪荷重の決定およびS10の制動液圧のフィードバ
ック制御は廃止され、これによりS201の代りに該S
201から車高の読込みを削除したS301を実行する
ようになっている。ここで、第4の実施の形態において
は、各目標減速度Grすなわちブレーキペダル10の各
踏込み力に一対一で対応するブースタ160の基準の出
力特性があらかじめ初期設定されマップとして制御装置
100に記憶されている。
【0040】車輪回転抑制ルーチンのS4において、実
減速度Gが目標減速度Grの95%以下であるか否かの
判定が行われ、95%以下であればS4の判定結果がY
ESとなってS307が実行され、ブースタ160の基
準の出力特性に対する実際の出力特性の係数値がその直
前の値に対し1%増加され、結果として、ブースタ16
0の実際の出力特性がその直前の出力特性に対し1%増
加されるようにブースタ160が制御される。なお、上
記したブースタ160の出力特性とは、入力に対するブ
ースタ160の出力特性のことであり、Sにおいては、
ブレーキペダル10からの各入力に一対一で対応する出
力(同じ入力に対し得られる出力)が、その直前のもの
に対し、すべて1%ずつ増やされるように出力特性を全
体として変化させるよう、制御装置100がブースタ1
60を制御するのである。
【0041】実減速度Gが目標減速度Grの95%より
大きい場合にはS5が実行され、実減速度Gが目標減速
度Grの105%以上であるか否かの判定が行われる。
目標減速度Grの105%以上であればS5の判定がY
ESとなってS308が実行され、ブースタ160の基
準の出力特性に対する実際の出力特性の係数値がその直
前の値に対し1%減少され、結果として、ブースタ16
0の実際の出力特性がその直前の出力特性に対し1%減
少するように、言い換えればブレーキペダル10からの
各入力に一対一で対応する出力が、その直前のものに対
し、すべて1%ずつ減らされように出力特性を全体とし
て変化させるようブースタ160が制御される。
【0042】実減速度Gが目標減速度Grの95%より
大きく、105%より小さい場合にはS306が実行さ
れ、ブースタ160の基準の出力特性に対する実際の出
力特性の係数値がその直前の値に維持され、結果として
ブースタ160の出力特性はその直前の状態が維持され
る。これによって、実減速度Gが目標減速度Grの95
%以下である間は、車輪回転抑制ルーチンの1実行サイ
クル毎にブースタ160の出力特性が1%ずつ増やさ
れ、よって同じブレーキペダルの踏込み力に対しより大
きい制動液圧がホイールシリンダ26,28,42,4
4に伝達されることになり、105%以上である間は出
力特性が1%ずつ減らされ、よって同じブレーキペダル
の踏込み力に対しより小さい制動液圧がホイールシリン
ダ26,28,42,44に伝達されることになり、9
5%と105%との間では変更されず、よって同じブレ
ーキペダルの踏込み力に対し同じだけの制動液圧がホイ
ールシリンダ26,28,42,44に伝達される。
【0043】また、ブレーキペダル10の踏込み力が零
になると、制御装置100はブースタ160の出力特性
を基準の出力特性に初期化する。そして、第4の実施の
形態においても、車両停止時には、S3の判定結果がY
ESとなり、S306において、ブースタ160の基準
の出力に対する実際の出力の係数値がそれまでの値すな
わち車両が停止に至った時点での係数値に決定されブー
スタ160の出力特性が車両が停止に至った時点での出
力特性に維持されることになり、また、前後Gセンサお
よび傾斜を補正するためのセンサも不要となるため、第
3の実施の形態と同様の効果を発揮することができ、そ
の上、車高センサが不要となって、さらなる低コスト化
が図れる。
【0044】本発明の第5の実施の形態を図10および
図11を参照して第4の実施の形態との相違部分を中心
に以下に説明する。第5の実施の形態は、第4の実施の
形態に対し制御内容が一部異なるものである。この第5
の実施の形態においては、図11に示すように、各目標
減速度Grすなわちブレーキペダル10の各踏込み力に
一対一で対応する基準の制動液圧の出力特性があらかじ
め初期設定されマップとして制御装置100に記憶され
ている。また、各制動液圧に一対一で対応するブースタ
160の出力特性もあらかじめ初期設定されマップとし
て制御装置100に記憶されている。
【0045】そして、これに基づいて、車輪回転抑制ル
ーチンのS4においては実減速度Gが目標減速度Gr
95%以下であるか否かの判定が行われ、95%以下で
あればS4の判定結果がYESとなってS407が実行
され、基準の制動液圧の出力特性に対する実際の制動液
圧の出力特性の係数値がその直前の値に対し1%増加さ
れ、結果として、実際の制動液圧の出力特性がその直前
の制動液圧の出力特性に対し1%増加されるようにブー
スタ160が制御される。なお、上記した制動液圧の出
力特性とは、入力に対する制動液圧の出力特性のこと
で、S407においては、ブレーキペダル10からの各
入力に一対一で対応する制動液圧の出力特性(同じ入力
に対し得られる出力)が、その直前のものに対し、すべ
て1%ずつ増やされるように制動液圧の出力特性を全体
として変化させるよう、制御装置100がブースタ16
0を制御するのである。
【0046】実減速度力Gが目標減速度Grの95%よ
り大きい場合にはS5が実行され、実減速度Gが目標減
速度Grの105%以上であるか否かの判定が行われ
る。目標減速度Grの105%以上であればS5の判定
がYESとなってS408が実行され、基準の制動液圧
の出力特性に対する実際の制動液圧の出力特性の係数値
がその直前の値に対し1%減少され、結果として、実際
の制動液圧の出力特性がその直前の制動液圧の出力特性
に対し1%減少されるように、言い換えればブレーキペ
ダル10からの各入力に一対一で対応する制動液圧が、
その直前のものに対し、すべて1%ずつ減らされように
制動液圧の出力特性を全体として変化させるようブース
タ160が制御される。
【0047】実減速度Gが目標減速度Grの95%より
大きく、105%より小さい場合にはS406が実行さ
れ、基準の制動液圧の出力特性に対する実際の制動液圧
の出力特性の係数値がその直前の値に維持され、結果と
して制動液圧の出力特性すなわちブースタ160の出力
特性はその直前と同じ状態に維持される。これによっ
て、実減速度Gが目標減速度Grの95%以下である間
は、車輪回転抑制ルーチンの1実行サイクル毎に基準の
制動液圧の出力特性に対する実際の制動液圧の出力特性
の係数値が1%ずつ増やされ、105%以上である間は
係数値が1%ずつ減らされ、95%と105%との間で
は変更されないこととなる。
【0048】そして、S410において、S406〜S
408で決定された実際の制動液圧の出力特性から得ら
れる液圧が各ホイールシリンダ26,28,42,44
に供給されるようにブースタ160が制御される。液圧
センサ118〜124によって検出されるホイールシリ
ンダ26,28,42,44に供給される液圧と、この
液圧を発生させるべく目標減速度Grすなわちブレーキ
ペダル10の踏込み力に応じて設定された前記制動液圧
とが比較され、設定された液圧が得られるようにブース
タ160がフィードバック制御される。
【0049】また、ブレーキペダル10の踏込み力が零
になると、目標減速度Grすなわちブレーキペダル10
の踏込み力に対する制動液圧の出力特性は基準の制動液
圧の出力特性に初期化される。そして、第5の実施の形
態においても、車両停止時には、S3の判定結果がYE
Sとなり、S406において、基準の制動液圧の出力特
性に対する実際の制動液圧の出力特性の係数値がそれま
での値すなわち車両が停止に至った時点での係数値に決
定され、車両が停止に至った時点での制動液圧の出力特
性が維持されることになり、また、前後Gセンサ、傾斜
を補正するためのセンサおよび車高センサも不要となる
ため、第4の実施の形態と同様の効果を発揮することが
できる。なお、この第5の実施の形態の制御内容を、第
1の実施の形態の液圧制御弁58,60,62,64を
有するブレーキ制御装置に適用することも可能である。
この場合は、第5の実施の形態のブースタ160を制御
する部分を液圧制御弁58,60,62,64の制御に
置き換えればよい。
【0050】ここで、上記各実施の形態においては、ブ
レーキペダル10の操作量として、ブレーキペダル10
の踏込み力を検出する場合を例にとり説明したが、ブレ
ーキペダル10の踏込み量を検出してもよい。この場
合、図12に示すように、ブレーキペダル10の踏込み
量に対する目標減速度の関係をあらかじめマップとして
設定しておくことになる。
【0051】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のブレーキ
制御装置によれば、車両停止中においては、該車両停止
に至った時点での係数値を維持して車輪回転抑制手段を
制御することになるため、停止直前と直後とで、前記係
数値すなわちこの係数値で制御される車輪回転抑制手段
のブレーキの作動力が変化することがなく、坂道で停止
する場合においても、車両が動き出してしまうことがな
い。したがって、坂道での停止時においても、車両をそ
の動き出しを防止して確実に停止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブレーキ制御装置の第1の実施の形態
の制御装置に格納された車輪回転抑制ルーチンを示すフ
ローチャートである。
【図2】本発明のブレーキ制御装置の第1の実施の形態
の構成図である。
【図3】本発明のブレーキ制御装置の第1の実施の形態
の制御装置に格納されたブレーキペダルの踏込み力と目
標減速度との関係を示すグラフである。
【図4】本発明のブレーキ制御装置の第2の実施の形態
の路面勾配角度演算用コンピュータを車輪回転抑制用の
制御装置と共に示す図である。
【図5】本発明のブレーキ制御装置の第2の実施の形態
の制御装置に格納された車輪回転抑制ルーチンを示すフ
ローチャートである。
【図6】本発明のブレーキ制御装置の第2の実施の形態
の路面勾配角度演算用コンピュータに格納された路面勾
配角度演算ルーチンを示すフローチャートである。
【図7】本発明のブレーキ制御装置の第3の実施の形態
の制御装置に格納された車輪回転抑制ルーチンを示すフ
ローチャートである。
【図8】本発明のブレーキ制御装置の第4の実施の形態
の構成図である。
【図9】本発明のブレーキ制御装置の第4の実施の形態
の制御装置に格納された車輪回転抑制ルーチンを示すフ
ローチャートである。
【図10】本発明のブレーキ制御装置の第5の実施の形
態の制御装置に格納された車輪回転抑制ルーチンを示す
フローチャートである。
【図11】本発明のブレーキ制御装置の第5の実施の形
態の制御装置に格納されたブレーキペダルの踏込み力と
制動液圧との関係を示すグラフである。
【図12】本発明のブレーキ制御装置に適用可能なブレ
ーキペダルの踏込み量と目標減速度との関係を示すグラ
フである
【符号の説明】
10 ブレーキペダル(ブレーキ操作部材) 26,28 フロントホイールシリンダ(車輪回転抑制
手段) 42,44 リヤホイールシリンダ(車輪回転抑制手
段) 58,60,62,64 液圧制御弁(車輪回転抑制手
段) 70 アキュムレータ(車輪回転抑制手段) 80 ポンプ(車輪回転抑制手段) 100 制御装置(制御手段,車両停止時制御手段) 126,128,130,132 車輪速センサ(制動
効果検出手段) 144 前後Gセンサ(制動効果検出手段)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキ操作部材と、 該ブレーキ操作部材の操作量を検出する操作量検出手段
    と、 車輪の回転を抑制するブレーキを有する車輪回転抑制手
    段と、 該車輪回転抑制手段の制動効果を検出する制動効果検出
    手段と、 前記操作量検出手段の検出結果に基づいて決まる目標制
    動効果と前記制動効果検出手段により検出される実制動
    効果とが一致するように、前記目標制動効果と前記実制
    動効果との比に応じて設定される係数値にしたがって前
    記車輪回転抑制手段を制御する制御手段とを有するブレ
    ーキ制御装置において、 前記制御手段は、車両停止中において、該車両停止に至
    った時点の前記係数値を維持し、該係数値にしたがって
    前記車輪回転抑制手段を制御する車両停止時制御手段を
    具備することを特徴とするブレーキ制御装置。
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