JPH09249093A - 盗難防止装置 - Google Patents

盗難防止装置

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JPH09249093A
JPH09249093A JP5786696A JP5786696A JPH09249093A JP H09249093 A JPH09249093 A JP H09249093A JP 5786696 A JP5786696 A JP 5786696A JP 5786696 A JP5786696 A JP 5786696A JP H09249093 A JPH09249093 A JP H09249093A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 暗唱コードの照合により盗難防止を行う装置
への電源ラインが短絡等の故障を起こしたとしても、盗
難防止が行えるようにする。 【解決手段】 盗難防止機能を備えたエンジン制御装置
は、エンジン回転数Neが0rpmになったことを判定
する(ステップ505)と、所定時間が経過したか否か
を判定し(ステップ535)、所定時間が経過したこと
を判定すると、車両のキーからの暗唱コードと車両側に
予め記憶された暗唱コードとの再照合を行い、両暗唱コ
ードが一致しないことを判定する(ステップ545)
と、盗難判定フラグを1にセットする(ステップ54
5)。この盗難判定フラグが1にセットされると、エン
ジン制御装置は、エンジン始動を禁止する。従って、エ
ンジン制御装置への電源ラインが短絡等の故障を起こし
たとしても、盗難防止を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両等の盗難防止
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用盗難防止装置においては、車両側
に記憶された暗証コードと車両のキーに記憶された暗証
コードとを照合する暗証コード照合装置を備え、エンジ
ンの始動前状態、例えばイグニッションスイッチがオン
したこと、あるいはキーがキーシリンダに挿入されたこ
とを検出して、暗証コード照合装置に車載バッテリから
電源供給が行われると、暗証コード照合装置が上記照合
を行ってその照合結果を記憶し、記憶された照合結果が
一致の時にエンジンの始動を許可し、照合結果が不一致
の時にエンジンの始動を禁止するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、暗証コ
ード照合装置への電源ラインが短絡して暗証コード照合
装置に常時電源が供給される状態になると、エンジンの
始動を許可する状態が継続してしまい、エンジン始動が
できる可能性が生じ、盗難防止装置として適切に機能し
なくなってしまうという問題がある。
【0004】本発明は上記問題に鑑みたもので、暗証コ
ード照合装置に常時電源が供給される状態になったとし
ても、盗難防止が行えるようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1乃至3に記載の発明においては、原動機の
回転数に基づき原動機の停止状態を判定した時に、記憶
された照合結果を無効化するようにしたことを特徴とし
ている。従って、暗証コード照合装置への電源ラインが
短絡等により常時電源が供給される状態になったとして
も、原動機の停止時に、記憶された照合結果を無効化す
ることによって、原動機の始動を防止することができ
る。
【0006】請求項2に記載の発明においては、上記無
効化を行う場合に、暗証コードの再照合を行うようにし
たことを特徴としている。このことにより、正規の使用
者以外の場合には、暗証コードの不一致により原動機の
始動を禁止し、正規の使用者の場合には暗証コードの一
致により原動機の再始動を可能にすることができる。
【0007】請求項3に記載の発明においては、原動機
の停止状態を判定した後、所定時間が経過したか否かを
判定して暗証コードの再照合を行うようにしたことを特
徴としている。このことにより、正規の使用者がエンス
ト等を起こして原動機が一時的に停止したような場合
に、所定時間内に原動機が再始動すれば、暗証コードの
再照合を行わないため、不要な再照合をなくすことがで
きる。
【0008】請求項4に記載の発明においては、原動機
の回転数に基づき原動機の停止状態を判定した時に、原
動機の始動許可を無効化するするようにしたことを特徴
としている。また、請求項5に記載の発明においては、
移動体が運転状態から非運転状態に移行したことを検出
した時に原動機の始動許可を無効化するようにしたこと
を特徴としている。
【0009】これら請求項4、5に記載の発明において
も、請求項1に記載の発明と同様、暗証コード照合装置
に常時電源供給される状態になっても、不正な操作によ
る原動機の始動を防止することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の盗難防止装置を車両に用
いた一実施形態について説明する。この実施形態におい
ては、暗証コードの照合を行う暗証コード照合装置とエ
ンジン制御を行うエンジン制御装置とを一体に構成して
いる。まず、図1を用いて本実施形態の全体構成につい
て説明する。
【0011】キー1内には、後述するアンテナ17から
送信されてくる電力(電波)に応じて電荷が蓄えられる
コンデンサと、このコンデンサに蓄えられた電荷を電源
として、キー1内に記憶された暗証コードをアンテナ1
7に送信する送信器とが内蔵されている。このキー1が
車両のステアリングコラム部分に設けられた図2のキー
シリンダ31に差し込まれると、図1のキー挿入スイッ
チ2が機械的に閉じる。このキー挿入スイッチ2は、閉
じるとローレベル信号を出力し、開くとハイレベル信号
を出力する。
【0012】図2において、キー1を回動しキーロータ
32が「ON」位置になった時に、図1のイグニッショ
ンスイッチ3が機械的に閉じる。このイグニッションス
イッチ3は、閉じるとハイレベル信号を出力し、開くと
ローレベル信号を出力する。キー1をさらに回動しキー
ロータ32が「START」位置になった時には、図1
のスタータスイッチ4が機械的に閉じ、バッテリー5か
らの電力がスタータ6に供給されて、スタータ6が始動
する。
【0013】エンジン電子制御ユニット7は、エンジン
制御装置8、EEPROM10、第1〜第3トランジス
タ11〜13、電源制御部14、およびメインリレー制
御部15を備えている。第1トランジスタ11は、エミ
ッタがバッテリー5に接続され、ベースがメインリレー
制御部15に接続され、コレクタがメインリレー21の
コイル21aに接続されている。この第1トランジスタ
11がオンすると、メインリレー21のコイル21aに
通電が行われ、接点21bが閉じる。
【0014】第2トランジスタ12は、エミッタがバッ
テリー5に接続され、ベースが電源制御部14に接続さ
れ、コレクタがメインリレー制御部15に接続されてい
る。また、第3トランジスタ13は、エミッタがメイン
リレー21の接点21bに接続され、ベースが電源制御
部14に接続され、コレクタがエンジン制御装置8およ
び増幅器16等に接続されている。
【0015】電源制御部14は、バッテリー5からの電
源供給を受けて常時作動状態となっており、第2トラン
ジスタ12および第3トランジスタ13の各コレクタ電
圧が所定電圧(本実施形態では5V)になるように、各
ベース電圧を制御している。従って、第2トランジスタ
12からメインリレー制御部15には常時5Vの電圧が
供給され、メインリレー制御部15は常時作動状態とな
っている。
【0016】メインリレー制御部15は、エンジン制御
装置8等に電源供給する状態を検出して第1トランジス
タ11をオンさせる制御を行う。図3に、メインリレー
制御部15の具体的な構成を示す。このメインリレー制
御部15は、RSフリップフロップ15b、オア回路1
5c、2つのノット回路15a、15dから構成されて
いる。
【0017】キー1がキーシリンダ31に差し込まれ、
キー挿入スイッチ2が閉じてキー挿入スイッチ2からの
信号22がローレベルになると、ノット回路15aの出
力信号がハイレベルに反転し、RSフリップフロップ1
5bがセットされる。このセットにより、フリップフロ
ップ15bの出力端子Qからハイレベル信号が出力され
る。
【0018】また、イグニッションスイッチ3が閉成し
た時には、イグニッションスイッチ3からの信号23が
ハイレベルになる。また、後述するCPU8aの処理に
よりCPU8aの動作を継続させる必要がある時には信
号24がハイレベルになる。フリップフロップ15bの
出力端子Qからの信号、イグニッションスイッチ3から
の信号23、およびCPU8aからの信号24のいずれ
かがハイレベルになると、オア回路15cの出力信号が
ハイレベルになり、ノット回路15dからの信号26が
ローレベルになって、第1トランジスタ11をオンさせ
る。
【0019】第1トランジスタ11がオンすると、メイ
ンリレー21のコイル21aに通電が行われ、接点21
bが閉じ、第3トランジスタ13を介してエンジン制御
装置8、EEPROM10、および増幅器16に5Vの
電圧が供給される。なお、図3中のRSフリップフロッ
プ15bは、後述するCPU8bの処理により、キー挿
入スイッチ2が閉じてから1分が経過したことを示す信
号25によりリセットされる。
【0020】エンジン制御装置8は、キー1内からの暗
証コードとEEPROM10内に記憶された暗証コード
(車両側に記憶された暗証コード)との照合を行い、両
暗証コードが一致した時に、エアフローメータ18およ
び回転角センサ19等からの信号に基づいて、燃料噴射
量および点火時期等の演算を行い、この演算結果に基づ
いてエンジン20(インジェクタ20a、イグナイタ2
0b等)を制御し、またエンジン20についての学習値
(例えば空燃比の学習値)をEEPROM10に書き込
む制御を行う。このエンジン制御装置8は、入出力ポー
ト8a、CPU8b、ROM8c、RAM8dを備えて
いる。
【0021】エンジン制御装置8は、入出力ポート8a
から、キー挿入スイッチ2、イグニッションスイッチ3
からの各信号、および増幅器16からの暗証コード(キ
ー1内の暗証コード)を取り込み、また後述する処理に
よって、入出力ポート8aにおけるCPU1分タイマポ
ート80a、CPUメインリレー制御ポート80cか
ら、上記した信号25、24を出力する。
【0022】また、入出力ポート8aにおける送受信切
換ポート80bは、アンテナ17から電波を送信する送
信モードと、キー1から暗証コードを受信する受信モー
ドとを切り換えるためのもので、例えばハイレベル信号
を出力した時には送信モードとなり、ローレベル信号を
出力した時には受信モードとなる。増幅器16は、アン
テナ17を介してキー1に送信する電波を変調、増幅す
るとともに、キー1から送信されてくる暗証コードを復
調する。
【0023】CPU8bには、バッテリー5からの電源
供給が遮断されても記憶内容を保持する不揮発記憶手段
としてのEEPROM10が接続されている。このEE
PROM10には、上記両暗証コードの照合結果を示す
盗難判定フラグをストアする第1記憶手段としての領域
10aと、エンジン20についての上記学習値をストア
する第2記憶手段としての領域10bと、車両側の暗証
コードをストアしている第3記憶手段としての領域10
cとが形成されている。
【0024】上記構成において、その作動を、エンジン
制御装置8のCPU8bが実行する制御処理とともに説
明する。キー1がキーシリンダ31に差し込まれ、キー
挿入スイッチ2が閉じると、上述したように、メイン制
御部15からローレベル信号が第1トランジスタ11の
ベースに印加され、第1トランジスタ11がオンする。
このことにより、メインリレー21のコイル21aに通
電が行われ、接点21bが閉成して、第3トランジスタ
13を介しエンジン制御装置8、EEPROM10、お
よび増幅器16に5Vの電圧が供給される。
【0025】エンジン制御装置8は、その電源供給を受
けて作動を開始し、各種初期設定を行う。この初期設定
の中には、後述する1分カウンタを0にする作動、およ
びNe≠0履歴フラグを0にする作動を含んでいる。こ
の初期設定後、図4のイニシャルルーチンを1回だけ行
う。このルーチンでは、最初のステップ100にて、キ
ー挿入スイッチ2が閉じているか否かを判定する。キー
挿入スイッチ2がキーシリンダ31に挿入されて、この
エンジン制御装置8が作動開始する正常動作の場合に
は、その判定がYESになる。
【0026】そして、次のステップ110にて、RAM
8d内のエラーカウンタに0をセットし、次のステップ
115にて、送受信切換ポート80bからハイレベル信
号を所定時間(例えば50ms)出力し、送信モードと
する。これによって、増幅器16にて増幅された電力
(電波)が、アンテナ17を介してキー1に所定時間送
信され続け、キー1内のコンデンサに電荷が蓄えられ
る。なお、ここでいう所定時間とは、上記コンデンサに
蓄えられる電荷量が、キー1内の送信器の電源となり得
るのに十分な時間である次のステップ120では、送受
信切換ポート80bにローレベル信号を出力して受信モ
ードとする。このことによって、キー1内の送信器が暗
証コードを送信する。そして、キー1からの暗証コード
を受信したか否かを判定し、暗証コードを受信するまで
ステップ115と120の処理を繰り返す。
【0027】暗証コードを受信した時には、ステップ1
25に進み、EEPROM10の領域10c内に記憶さ
れた暗証コードをロードする。そして、次のステップ1
30にて、キー1からの暗証コードとEEPROM10
からの暗証コードとの照合を行う。両暗証コードが一致
した時には、車両の盗難は無かったとみなし、次のステ
ップ145にて、EEPROM10内の盗難判定フラグ
を0にセットする。つまり、車両の盗難は無かったこと
をEEPROM10に記憶する。
【0028】また、両暗証コードが不一致の時には、ス
テップ135に進んでエラーカウンタを1つカウントア
ップし、次のステップ140にて、このエラーカウンタ
が所定数(本実施形態では10)を越えたか否かを判定
する。エラーカウンタが10を超えない時には、ステッ
プ115に戻り、上述した処理を繰り返す。また、エラ
ーカウンタが10を越えた時には、正しい暗証コードが
受信できないとして、次のステップ150にて、EEP
ROM10内の盗難判定フラグを1にセットする。
【0029】また、このエンジン制御ECU8は、所定
周期(本実施形態では4ms)毎に図5の割込みルーチ
ンを実行する。このルーチンでは、ステップ200に
て、RAM8d内の1分カウンタを1つカウントアップ
し、ステップ205にて、1分カウンタが1分の時間に
相当する所定数(本実施形態では15000)を越えた
か否かを判定する。キー1を挿入してから1分経過する
までは、ステップ205の判定がNOになり、CPU1
分タイマポート80aからメインリレー制御部15に出
力する信号25をローレベルにする。
【0030】また、キー1を挿入してから1分経過する
と、ステップ215に進み、CPU1分タイマポート8
0aからメインリレー制御部15に出力する信号25を
ハイレベルにする。このことにより、メインリレー制御
部15のRSフリップフロップ15bがリセットされ
る。この場合、RSフリップフロップ15bの出力信号
がローレベルに変化するが、キー1を挿入してから1分
経過するまでに、イグニッションスイッチ3がオンして
いれば、メインリレー制御部15から第1トランジスタ
11にローレベル信号が継続して出力されるため、エン
ジン制御ECU8には継続して電源供給が行われる。
【0031】なお、キー1を挿入してから1分経過する
までに、イグニッションスイッチ3がオンしない場合に
は、メインリレー制御部15から第1トランジスタ11
への信号がハイレベルになるため、エンジン制御ECU
8への電源供給が停止する。すなわち、キー1を挿入し
てから1分経過するまでにイグニッションスイッチ3が
オンしない時は、正常動作ではないとして、エンジン制
御ECU8の動作を停止させる。このことにより、何ら
かの操作でキー挿入スイッチ2を閉成したとしても、そ
の後1分以内にイグニッションスイッチ3がオンしなけ
れば、エンジン制御ECU8の作動が停止するため、不
正なエンジン始動を防止することができる。
【0032】また、このエンジン制御装置8は、所定周
期(本実施形態では4ms)毎に図6の割込みルーチン
を実行する。このルーチンでは、最初のステップ300
にて、EEPROM10に書き込まれた盗難判定フラグ
が0にセットされているか否かを判定する。つまり、車
両盗難が無かったか否かを判定する。盗難判定フラグが
0にセットされている時には、ステップ305および3
10にて、燃料噴射フラグおよび点火フラグを1にセッ
トするが、盗難判定フラグが1にセットされていると、
ステップ315および320にて、燃料噴射フラグおよ
び点火フラグを0にセットする。
【0033】エンジン制御装置8は、図示しない制御ル
ーチンにおいて、イグニッションスイッチ3が閉じてい
る時に、燃料噴射および点火等のエンジン制御を行う。
この場合、燃料噴射フラグが1にセットされていれば、
インジェクタ20aに燃料噴射パルスを送る制御を実行
し、また点火フラグが1にセットされていれば、イグナ
イタ20bに点火パルスを送る制御を実行する。しか
し、燃料噴射フラグが0にセットされていると、インジ
ェクタ20aに燃料噴射パルスを送出するのを禁止し、
また点火フラグが0にセットされていると、イグナイタ
20bに点火パルスを送出するのを禁止する。つまり、
燃料噴射フラグ、点火フラグが1にセットされている時
にはエンジン20の始動が許可され、燃料噴射フラグ、
点火フラグが0にセットされていると、エンジン20の
始動が禁止される。
【0034】このエンジン制御装置8は、さらに、所定
周期(本実施形態では4ms)毎に図7の割込みルーチ
ンを実行する。この割込みルーチンは、車両の運転終了
後にそれまでのエンジン制御で求められた学習値(RA
M8dにストアされたもの)をEPROM10に退避さ
せるために行われる。まず、最初のステップ400に
て、イグニッションスイッチ3がオンしているか否かを
判定する。ここで、イグニッションスイッチ3がオンし
ている時には、ステップ425にて、CPUメインリレ
ー制御ポート80cからメインリレー制御部15への信
号24をハイレベルにし、エンジン制御装置8への電源
供給を維持する。
【0035】また、車両の運転が終了しイグニッション
スイッチ3がオフすると、ステップ400の判定がNO
になり、ステップ405にて全ての割込み処理を禁止
し、次のステップ410にて、エンジン20についての
学習値をEEPROM10の領域10bに書き込む。そ
して、次のステップ415にて、学習値の書込が終了し
たか否かを判定し、書き込みが終了するまで上記処理を
繰り返し、書き込みが終了したことを判定すると、ステ
ップ420にて、CPUメインリレー制御ポート80c
からメインリレー制御部15への信号24をローレベル
にする。
【0036】この段階では、既にイグニッションスイッ
チ3がオフしているため、信号24がローレベルに変化
したことにより、メインリレー制御部15から第1トラ
ンジスタ11への信号がハイレベルになり、第1トラン
ジスタ11がオフする。このことにより、メインリレー
21が非通電状態となり、エンジン制御ECU8等への
電源供給が停止される。
【0037】上記した構成において、メインリレー21
の接点21bが何らかの原因で短絡すると、イグニッシ
ョンスイッチ3をオフしても、エンジン制御ECU8に
は常時、電圧が供給されることになる。この場合、EE
PROM10に記憶された盗難判定フラグが0のままに
なっていると、イグニッションスイッチ3を短絡させれ
ば、エンジンの始動が可能になってしまう。
【0038】そこで、本実施形態では、エンジン制御E
CU8に電圧が供給されて作動状態になっている時に、
エンジン回転数(機関回転数)が0rpmになったこと
を条件として、暗証コードの再照合を行い、照合結果が
不一致の時には、盗難判定フラグを1にして、イグニッ
ションスイッチ3の短絡によるエンジンの始動を不可能
にしている。
【0039】このため、エンジン制御装置8は、所定周
期(本実施形態では65ms)毎に図8の割込みルーチ
ンを実行する。まず、ステップ500にて、回転角セン
サ19からの信号によりエンジン回転数Neを算出す
る。このエンジン回転数Neは、上記したエンジン制御
において算出されたものを用いてもよい。次のステップ
505にて、エンジン回転数Neが0rpmであるか否
かを判定する。エンジン回転数Neが0rpmでない時
には、ステップ510にてNe≠0履歴フラグを1にセ
ットし、ステップ515にてエンストカウンタを0に
し、警告ランプ27を消灯させる。
【0040】また、ステップ505にてエンジン回転数
Neが0rpmであることを判定すると、ステップ52
5にてNe≠0履歴フラグを1であるか否かを判定す
る。車両の運転開始時において、キー挿入スイッチ2が
閉成しエンジン制御装置8が作動開始した状態で、まだ
エンジン始動を行っていない時には、上述した初期設定
にてNe≠0履歴フラグが0にセットされているため、
ステップ525の判定がNOになる。
【0041】しかし、一旦、エンジンがかかった状態で
は、ステップ510でNe≠0履歴フラグが1にセット
されている。この場合、運転終了時にイグニッションス
イッチ3をオフしてエンジンを停止させた場合、あるい
はエンストが発生した場合には、ステップ525に到来
した時、その判定がYESになる。そして、ステップ5
30にて、エンストカウンタをカウントアップし、ステ
ップ530に進んでエンストカウンタが1分の時間に相
当する所定値(本実施形態では9230)以上になった
か否かを判定する。1分経過するまでは、ステップ52
0に進む処理を実行する。
【0042】なお、イグニッションスイッチ3をオフし
てエンジンを停止させた場合には、1分経過するまでに
エンジン制御装置8への電源供給が停止するため、図8
に示す処理は上記作動中に終了する。また、エンストで
一時的にエンジンが停止した時には、1分経過するまで
に、エンジン始動を行えば、ステップ505の判定がN
Oになるため、それまでと同じ状態に復帰する。
【0043】しかし、上記したようにメインリレー21
の接点21bが短絡し、エンジン制御ECU8に常時電
圧が供給される状態になると、エンジン回転数Neが0
rpmになってもエンジン制御装置8はその作動状態を
継続する。この状態が1分経過すると、ステップ535
の判定がYESになり、ステップ540に進んで暗証コ
ードの再照合を行う。この再照合処理は、図4に示す処
理と同様のもので、キー1からの暗証コードとEEPR
OM10からの暗証コードとの照合を行う。両暗証コー
ドが一致し照合結果がOKの時には、ステップ545の
判定がYESとなり、正規の運転者がキー1をキーシリ
ンダ31に挿入したまま、エンジンを停止させているも
のとみなし、ステップ520に進む処理を実行する。
【0044】しかし、両暗証コードが一致せず照合結果
がNGになると、ステップ545の判定がNOになり、
ステップ550に進んでEEPROM10に記憶されて
いる盗難判定フラグを1にセットし、ステップ555に
進んで警告ランプ27を点灯させる。このことにより、
エンジン制御ECU8に常時電圧が供給されるような状
態になったとしても、EEPROM10に記憶された盗
難判定フラグが1にセットされるため、イグニッション
スイッチ3の短絡によるエンジン始動が禁止される。
【0045】上記した作動を、図9に示すタイミングチ
ャートを用いて説明する。キー1がキーシリンダ31に
挿入されてキー挿入スイッチ2がオンする(図9(a)
参照)と、図9(b)の実線で示すように、エンジン制
御装置8に電圧が供給されて、エンジン制御装置8が作
動状態になる。そして、エンジン制御装置8は、キー1
から暗証コードを受信し、EEPROM10に記憶され
た暗証コードとの照合を行う(図9(d)参照)。暗証
コードが一致すれば盗難判定フラグが0にセットされる
(図9(e)参照)ため、エンジン制御装置8は、イグ
ニッションスイッチ3のオン(図9(c)参照)によ
り、エンジン制御を開始する。また、イグニッションス
イッチ3がオフすると、エンジン制御装置8への電源供
給が終了する。
【0046】ここで、図9(b)の点線で示すように、
エンジン制御装置8に常時電圧が供給される状態になっ
た場合、エンジン回転数Neが0rpmになると、所定
時間t(例えば1分間)経過後に、暗証コードの再照合
が行われる。暗証コードが一致せず照合結果がNGにな
ると、盗難判定フラグが1にセットされる。このことに
より、イグニッションスイッチ3の短絡によるエンジン
始動が禁止される。 (他の実施形態)上記した実施形態では、車両が運転状
態から非運転状態に移行したことを、エンジン回転数N
eが0rpmになったことにより検出し、その検出時に
再照合を行うものを示したが、イグニッションスイッチ
3がオフしたことを条件として再照合を行うようにして
もよい。但し、イグニッションスイッチ3のオンオフを
検出する信号ラインにノイズ等が乗った場合に不必要な
再照合をしてしまう可能性があるため、上記実施形態に
示すように、エンジン回転数Neに基づく再照合の方が
好ましい。
【0047】また、上記実施形態では、メインリレー制
御部15をハードウェアで構成したが、同等の機能をソ
フトウェアで達成するようにしてもよい。また、上記実
施形態では、始動指示部材をキー1で構成したが、暗証
コードが組み込まれたカードで構成してもよい。さら
に、エンジンの始動前を検出する手段としては、運転者
がシートに着座したことを検出する着座スイッチや、ド
アが開いたことを検出するドアスイッチ、あるいは電
波、赤外線等でドアをアンロックする装置からのドアア
ンロック信号を受信したことを検出する手段等で構成し
てもよい。
【0048】さらに、上記実施形態では、暗証コード照
合装置とエンジン制御装置を一体で構成するものを示し
たが、それぞれを別体で構成し、DMA通信等により照
合結果をエンジン制御装置に送信するようにしてもよ
い。また、上記実施形態では、エンジン20を搭載した
車両に適用するもの示したが、例えば電気自動車のよう
にエンジンを備えていない車両に適用してもよい。この
場合、原動機は電動モータで構成される。また、車両以
外の移動体、例えばボートに適用してもよい。要は、原
動機が駆動した時に移動する移動体には全て適用するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両盗難防止装置の
全体構成を示すブロック図である。
【図2】上記実施形態のキーシリンダ31の正面図てあ
る。
【図3】図1中のメインリレー制御部15の構成を示す
ブロック図である。
【図4】図1中のエンジン制御装置8によるイニシャル
ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】図1中のエンジン制御装置8による割込みルー
チンを示すフローチャートである。
【図6】図1中のエンジン制御装置8による他の割込み
ルーチンを示すフローチャートである。
【図7】図1中のエンジン制御装置8による他の割込み
ルーチンを示すフローチャートである。
【図8】図1中のエンジン制御装置8による他の割込み
ルーチンを示すフローチャートである。
【図9】作動説明に供するタイミングチャートである。
【符号の説明】
1…キー、2…キー挿入スイッチ、3…イグニッション
スイッチ、5…バッテリー(電源)、7…エンジン電子
制御ユニット、8…エンジン制御装置、10…EEPR
OM、15…メインリレー制御部、20…エンジン、2
1…メインリレー、31…キーシリンダ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原動機(20)を備えた移動体に適用さ
    れ、 電源供給を受けて、前記原動機の始動を指示する始動指
    示部材(1)からの暗証コードと予め記憶された暗証コ
    ードとを照合し、その照合結果を記憶する暗証コード照
    合装置(8、10)と、 前記原動機の始動前状態を検出して前記暗証コード照合
    装置に電源供給を行う電源供給手段(11〜15、2
    1)を備え、 前記記憶された照合結果が一致の時に前記原動機の始動
    を許可し、照合結果が不一致の時に前記原動機の始動を
    禁止するようにした盗難防止装置において、 前記原動機の回転数を検出する検出手段(19、50
    0)と、 この検出手段にて検出した回転数に基づき前記原動機の
    停止状態を判定した時に、前記記憶されている照合結果
    を無効化する無効化手段(505、525〜550)を
    備えたことを特徴とする盗難防止装置。
  2. 【請求項2】 前記無効化手段は、前記記憶された暗証
    コードと、前記始動指示部材からの暗証コードとの再照
    合を行う手段(540、545)を有することを特徴と
    する請求項1に記載の盗難防止装置。
  3. 【請求項3】 前記無効化手段は、前記原動機の停止状
    態を判定した後、所定時間が経過したか否かを判定する
    判定手段(530、535)を備え、この判定手段にて
    前記所定時間が経過したことを判定した時に前記再照合
    を行うことを特徴とする請求項2に記載の盗難防止装
    置。
  4. 【請求項4】 原動機(20)を備えた移動体に適用さ
    れ、 電源供給を受けて、使用者側からの暗証コードと予め記
    憶された暗証コードとの照合を行う暗証コード照合装置
    (8、10)と、 前記原動機の始動前状態を検出して前記暗証コード照合
    装置に電源供給を行う電源供給手段(11〜15、2
    1)を備え、 前記照合結果が一致の時に前記原動機の始動を許可し、
    照合結果が不一致の時に前記原動機の始動を禁止するよ
    うにした盗難防止装置において、 前記原動機の回転数を検出する検出手段(19、50
    0)と、 この検出手段にて検出した回転数に基づき前記原動機の
    停止状態を判定した時に前記原動機の始動許可を無効化
    する無効化手段(505、525〜550)を備えたこ
    とを特徴とする盗難防止装置。
  5. 【請求項5】 原動機(20)を備えた移動体に適用さ
    れ、 電源供給を受けて、使用者側からの暗証コードと予め記
    憶された暗証コードとの照合を行う暗証コード照合装置
    (8、10)と、 前記原動機の始動前状態を検出して前記暗証コード照合
    装置に電源供給を行う電源供給手段(11〜15、2
    1)を備え、 前記照合結果が一致の時に前記原動機の始動を許可し、
    照合結果が不一致の時に前記原動機の始動を禁止するよ
    うにした盗難防止装置において、 前記移動体が運転状態から非運転状態に移行したことを
    検出する検出手段(19、500、505)と、 この検出手段にて非運転状態に移行したことを検出した
    時に前記原動機の始動許可を無効化する無効化手段(5
    25〜550)を備えたことを特徴とする盗難防止装
    置。
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