JP3972470B2 - エンジン始動制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンを始動するか否かを決定するエンジン始動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、運転者の利便性を追求すると共にセキュリティの向上を図るため、車両側通信装置が運転者の携帯する携帯通信装置と通信を行いその通信結果を利用してドアロックの解除等を行うシステムが開発されている。例えば、キーレスエントリシステムでは、運転者が携帯通信装置のボタンを操作すると、その携帯通信装置は各携帯通信装置毎に付与されたIDコードとともにドアのロック・アンロックを指示する指示コードを送信する。そして、車両側通信装置がこの信号を受信し、IDコードと正規コードを照合し、両者が一致したならば、指示コードに対応してドアのロック・アンロックを行う。このように従来のキーレスエントリシステムは、携帯通信装置から車両側通信装置への単方向通信を利用したシステムである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一方、スマートカードと呼ばれる送受信可能なICカードを利用して車両側通信装置と双方向通信を行い、ドアのロック・アンロックを行うシステムも開発されつつある。即ち、スマートカードを携帯している運転者が車両に近づくと、スマートカードは車両側通信装置が絶えず発信している要求信号を受信する。すると、スマートカードはこの要求信号に応じてIDコードを含む回答信号を送信し、車両側通信装置はこの回答信号を受信するとIDコードと正規コードを照合し、照合結果が一致したならば、ドアロックを解除する。
【0004】
このようなスマートカードを利用して車両の盗難を防止することが考えられる。例えば、車両側通信装置が上述のようにスマートカードのIDコードと正規コードとを照合し、照合結果が一致したならば、エンジンの始動を許可し、照合結果が不一致ならば、エンジンの始動を禁止することが考えられる。
【0005】
ところで、ドアロックを解除できたとしてもエンジンが始動しなければ車両を盗難することはできないので、ドアのロック・アンロックよりもエンジンを始動するかしないかは車両盗難を防止するうえで重要度が高いといえる。このため、車両盗難を確実に防止しようとすれば、上述の車両盗難防止用としての正規のスマートカードのスペア(複製)を安易に作成できるようにすることは避けるべきであり、また正規のスマートカードの枚数は少なめに限定するのが好ましい。その一方で、正規のスマートカードを携帯している者以外はエンジンの始動ができないとすれば、複数の者が同じ車両を使用する場合に不都合を生じることがある。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、正規の携帯通信装置を携帯していない者であっても、セキュリティを高く保った上でエンジンを始動させることができるエンジン始動制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、運転者が携帯する携帯通信装置と通信を行いその通信結果に基づいてエンジンを始動するか否かを決定するエンジン始動制御装置であって、
前記携帯通信装置が正規のものか否かを判断する第1判断手段と、
前記第1判断手段によって前記携帯通信装置が正規のものと判断されたときエンジンの始動を許可する第1始動許可手段と、
前記携帯通信装置の代用手段が存在するか否かを判断する第2判断手段と、
あるタイミングにおいて前記第1判断手段によって前記携帯通信装置が正規のものと判断され且つ前記第2判断手段によって前記代用手段が存在すると判断された場合、または、エンジンが始動してから停止するまでの間に前記第2判断手段によって前記代用手段が存在すると判断された場合には、その後、前記第2判断手段によって前記代用手段が存在すると判断されたならばエンジンの始動を許可する第2始動許可手段と
を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明のエンジン始動制御装置は、正規の携帯通信装置があればエンジンの始動を許可するが、あるタイミングにおいて携帯通信装置が正規のものと判断され且つ携帯通信装置の代用手段が存在すると判断された場合、その後代用手段の存在が確認されれば正規の携帯通信装置がなくてもエンジンの始動を許可する。このとき、代用手段は、正規の携帯通信装置と同時に存在するタイミングがあったことにより、正規の携帯通信装置に準じて取り扱ってもセキュリティ上問題はなく、このためその後において代用手段が存在すればエンジンの始動を許可するのである。
【0009】
あるいは、エンジン始動後停止までの間に代用手段が存在すると判断された場合、その後代用手段の存在が確認されれば正規の携帯通信装置がなくてもエンジンの始動を許可する。エンジンの始動には正規の携帯通信装置が必要であることを考慮すれば、エンジン始動後停止までの間には正規の携帯通信装置が存在しているとみなしても問題はない。つまり、エンジン始動後停止までの間に代用手段が存在すれば、正規の携帯通信装置と代用手段が同時に存在するタイミングがあったものと考えられ、代用手段を正規の携帯通信装置に準じて取り扱ってもセキュリティ上問題はなく、このためその後において代用手段が存在すればエンジンの始動を許可するのである。
【0010】
以上のように本発明のエンジン始動制御装置によれば、正規の携帯通信装置を携帯していない者であっても、セキュリティを高く保った上でエンジンを始動させることができる。なお、第1判断手段は、例えば、携帯通信装置から受信した識別符号と予め登録等された正規の符号とを照合し、両者が一致する場合に携帯通信装置が正規のものであると判断することが好ましい。
【0011】
本発明のエンジン始動制御装置のうち第2始動許可手段は、あるタイミングにおいて前記第1判断手段によって前記携帯通信装置が正規のものと判断され且つ前記第2判断手段によって前記代用手段が存在すると判断された場合、または、エンジンが始動してから停止するまでの間に前記第2判断手段によって前記代用手段が存在すると判断された場合には、その後、所定回数に限り、前記第2判断手段によって前記代用手段が存在すると判断されたならばエンジンの始動を許可してもよい。この場合、代用手段の存在のみによってエンジンの始動を許可する回数を所定回数に制限するため、セキュリティが向上する。
【0012】
本発明のエンジン始動制御装置のうち第2始動許可手段は、請求項2に記載したように、あるタイミングにおいて前記第1判断手段によって前記携帯通信装置が正規のものと判断され且つ前記第2判断手段によって前記代用手段が存在すると判断された場合、または、エンジンが始動してから停止するまでの間に前記第2判断手段によって前記代用手段が存在すると判断された場合には、その後、前記第2判断手段によって前記代用手段の不存在が確認されるまでエンジンの始動を許可してもよい。この場合、代用手段によるエンジン始動が不要になったときには、代用手段を不存在とすればよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は第1実施形態の車両通信システムの全体を表す概略ブロック図である。本実施形態の車両通信システムは、双方向通信可能で運転者携帯用のICカードであるスマートカード10と、このスマートカード10と双方向通信を行う車両側通信装置20とを備えている。
【0014】
スマートカード10は、本発明の携帯通信装置に相当するが、外部からの信号を送受信アンテナ11及び受信部12を介して受信すると共に、送信部13及び送受信アンテナ11を介して外部へ信号を送信する通信制御部14を備えている。この通信制御部14は、内蔵電源15から電力が供給されている。また、スマートカード10は個別のドアロック解除用のIDコードとエンジン始動用の識別符号を持っており、これらは通信制御部14の図示しない内部メモリに記憶されている。
【0015】
車両側通信装置20は、本発明のエンジン始動制御装置に相当するが、外部からの信号を受信アンテナ21及び受信部22を介して受信すると共に、送信部23及び送信アンテナ24を介して外部へ信号を送信する通信ECU25を備えている。なお、受信アンテナ21は車外受信アンテナ21aと車内受信アンテナ21bからなり、送信アンテナ24は車外送信アンテナ24aと車内送信アンテナ24bからなる。この通信ECU25は、本発明の第1、第2判断手段及び第1、第2始動許可手段に相当し、周知のCPU、ROM、RAM、カウンタなどを備えており、運転席に運転者が着座したことを検出する着座スイッチ33やサブカード検出器17からの検出信号などを入出力回路27を介して入力したり、ドアロック機構のアクチュエータ34やエンジンECU30に制御信号を入出力回路27を介して出力したりするものである。エンジンECU30は、点火・噴射制御プログラムに基づいてイグナイタ31やインジェクタ32を駆動制御して周知の点火・噴射制御を実行するものである。
【0016】
サブカード18は、本発明の代用手段に相当するが、車両内に設けられたサブカード挿入口16に挿入可能なカードである。サブカード18がサブカード挿入口16に挿入されると、サブカード挿入口16の内部に設けたサブカード検出器17がサブカード18の存在を検出する。
【0017】
次に本実施形態の車両側通信装置の動作について図2及び図3に基づいて説明する。図2は通信ECU25の図示しないROMに格納されたメインプログラムを表すフローチャートであり、図3はエンジン始動判定ルーチンを表すフローチャートである。
【0018】
車両側通信装置20の通信ECU25は、まず、ステップ(以下Sという)100において運転席に運転者が着座したか否かを着座スイッチ33の検出信号によって判断し、着座していなければ(S100でNO)、S110に進み、運転席のドア側に設けた車外送信アンテナ24aを介して車外へ要求信号を送信する。この要求信号はスマートカード10に対してドアロック解除用のIDコードを含む回答信号を要求する信号である。
【0019】
続くS120において、車外受信アンテナ21aを介して回答信号を受信したか否かを判断し、所定時間経過しても回答信号を受信していなければ(S120でNO)、車両の近傍にスマートカード10は存在しないと考えられるので、S160に進んでドアロック機構のアクチュエータ34を作動させてドアをロックし、この処理を終了する。
【0020】
一方、S120において回答信号を受信したならば(S120でYES)、S130に進み、回答信号に含まれるIDコードと通信ECU25の内部メモリに記憶された正規コードとの照合を行う。続くS140において、照合結果が一致したかどうかを判断し、一致したならば(S140でYES)、S150に進んでドアロック機構のアクチュエータ34を作動させてドアをアンロックし、一致していなければ(S140でNO)、S160に進んでドアをロックする。
【0021】
以上のS100〜S160の処理により、正規のスマートカード10を携帯している者がドアロックされている車両に近づくと自動的にドアがアンロックされ、またその者が運転席から降りて車両から離れると自動的にドアがロックされる。
【0022】
一方、S100において、運転席に運転者が着座していれば(S100でYES)、S170に進み、エンジン始動判定ルーチンを実行する。このエンジン始動判定ルーチンについて図3のフローチャートに基づいて説明する。まずS210において、車内送信アンテナ24bから要求信号を送信する。この要求信号はスマートカード10に対してエンジン指導用の識別符号(例えば前述のIDコードであってもよいし、別のIDコードや暗号コードであってもよい)を含む回答信号要求する信号である。
【0023】
続くS220において、車内受信アンテナ21aを介して回答信号を受信したか否かを判断し、所定時間経過しても受信していなければ(S220でNO)、後述するS221以下の処理を行う。一方、回答信号を受信したならば(S220でYES)、S230に進み、回答信号に含まれる識別符号と通信ECU25の内部メモリに記憶された正規の符号との照合を行う。続くS240において、照合結果が一致したかどうかを判断し、不一致ならば(S240でNO)、後述のS221以下の処理を行う。一方、S240において、照合結果が一致したならば(S240でYES)、S245に進んで再始動許可フラグをリセットつまりゼロにし、続くS250において、エンジンの始動を許可する制御信号をエンジンECU30に出力する。すると、エンジンECU30はこの制御信号を受けるとイグナイタ31やインジェクタ32に対して点火・噴射制御を実行するので、エンジンが始動する。
【0024】
続くS260において、サブカード挿入口16にサブカード18が挿入されているかをサブカード検出器17からの検出信号に基づいて判断し、サブカード18が挿入されていなければ(S260でNO)、S290に進み、エンジンが停止したか否かを判断し、エンジンが停止していなければ(S290でNO)、再びS260に戻り、エンジンが停止したならば(S290でYES)、このサブルーチンを終了する。
【0025】
一方、S260において、サブカード18が挿入されていれば(S260でYES)、S270に進んで再始動許可フラグをチェックし、「0」ならばS280に進んで再始動許可フラグに「1」をセットすると共に許可回数カウンタに初期値をセットし、その後既述のS290に進む。なお、初期値は、正規のスマートカードを所持する者が任意に設定できる構成としてもよいし、予め内部メモリに記憶された固定値であってもよい。一方、S270において再始動許可フラグが既に「1」ならば、直ちにS290に進む。
【0026】
このように、エンジンが始動してから停止するまでの間にサブカード18の存在が認められれば、スマートカード10とサブカード18が同時に存在したものとみなし、次回からサブカード18の存在のみでエンジンの始動を可能にするために再始動許可フラグに「1」をセットする。一方、エンジンが始動してから停止するまでの間にサブカード18の存在が認められなければ、次回サブカード18の存在のみではエンジンの始動ができないようにすべく再始動許可フラグをリセットする。なお、再始動許可フラグの内容は不揮発メモリ(例えばバックアップメモリ)に記憶するのが好ましい。
【0027】
さて、S220において、所定時間経過しても回答信号を受信しなかった場合(S220でNO)、あるいは、S240において、照合が不一致だった場合(S240でNO)、運転者は正規のスマートカード10を携帯していない者と考えられるが、この場合はS221に進み、サブカード18がサブカード挿入口16に挿入されているか否かを判断する。そしてS221において、サブカード18が挿入されていなければ(S221でNO)、運転者は正規のスマートカード10もサブカード18も携帯していないことになるので、S300に進んでエンジンの始動を禁止する制御信号をエンジンECU30に出力する。すると、エンジンECU30はこの制御信号を受けるとイグナイタ31やインジェクタ32に対して点火・噴射制御を実行しないので、エンジンは始動しない。このため、車両の盗難を確実に防止できる。
【0028】
一方、S221において、サブカード18が挿入されていれば(S221でYES)、続くS222において、再始動許可フラグをチェックし、再始動許可フラグが「0」ならば、S300に進んで前述の通りエンジンの始動を禁止する。このためエンジンは始動しない。一方、再始動許可フラグが「1」ならば、S223に進んでエンジンの始動を許可する制御信号をエンジンECU30に出力する。すると、エンジンECU30はこの制御信号を受けるとイグナイタ31やインジェクタ32に対して点火・噴射制御を実行するので、エンジンが始動する。
【0029】
その後、S224において、許可回数カウンタを1つダウンカウントし、続くS225において、その許可回数カウンタがゼロになったか否かを判断し、ゼロならば(S225でYES)、S226に進んで再始動許可フラグをリセットつまり「0」とし、許可回数カウンタがゼロでなければ(S225でNO)、そのままこのサブルーチンを終了する。
【0030】
このように、運転者が運転席に着座したときにその運転者が正規のスマートカード10を携帯していなくても、運転開始時にサブカード18が存在し且つ再始動許可フラグが「1」の場合には、エンジンを始動させることができる。本実施形態では、エンジンが始動してから停止するまでの間にサブカード18が存在すれば、正規のスマートカード10とサブカード18の両方が同時に存在するタイミングがあったものとみなすことができ、その後サブカード18を正規のスマートカード10に準じて取り扱ってもセキュリティ上問題はなく、このためその後においてサブカード18が存在すればエンジンの始動を許可するのである。つまり、正規のスマートカード10を携帯していない者であっても、セキュリティを高く保った上でエンジンを始動させることができる。
【0031】
但し、正規のスマートカード10を携帯していない者はたとえサブカード18を携帯していたとしても、エンジンを再始動できる回数が許可回数カウンタにセットされた初期値に制限されているため、サブカード18によるエンジン再始動の濫用を防止でき、セキュリティが向上する。
【0032】
なお、通信ECU25が行う処理のうち、図3のS210〜S240が本発明の第1判断手段の処理に相当し、S250が第1始動許可手段の処理に相当し、S260〜S280が第2判断手段の処理に相当し、S223が第2始動許可手段の処理に相当する。
【0033】
[第2実施形態]
第2実施形態は第1実施形態と同様の装置構成である。この第2実施形態において、車両側通信装置20の通信ECU25は、第1実施形態と同様、図2のメインプログラムの処理を実行するが、図3のエンジン始動判定ルーチンを実行する代わりに図5のエンジン始動判定ルーチンを実行し、また図4の割り込み処理を実行する。
【0034】
図4に示す割り込み処理は、例えば数ms〜数10msごとに開始される処理である。この処理が開始されると、通信ECU25は、まず、S410において、サブカード挿入口16にサブカード18が挿入されているか否かを判断し、サブカード18が挿入されていなければ(S410でNO)、S480に進んで再始動許可フラグをリセットする。一方、サブカード18が挿入されていれば(S410でYES)、S420に進んで再始動許可フラグをチェックし、再始動許可フラグが「1」ならば、既にS430〜S470までの処理を行ったことになるため(つまりサブカード18と正規のスマートカード10とが同時に存在することを確認済みのため)、そのままこの処理を終了する。
【0035】
一方、S420において再始動許可フラグが「0」ならば、S430に進んで車内送信アンテナ24bから要求信号を送信する。続くS440において、車内受信アンテナ21bを介して回答信号を受信したか否かを判断し、所定時間経過しても受信していなければ(S440でNO)、スマートカード10が車内に存在しないとみなし、S480にて再始動許可フラグをリセットする。一方、回答信号を受信したならば(S440でYES)、S450に進み、回答信号に含まれる識別符号と正規の符号との照合を行う。続くS460において、照合結果が一致したかどうかを判断し、不一致ならば(S460でNO)、S480に進んで再始動許可フラグをリセットする。一方、S460において、照合結果が一致したならば(S460でYES)、S470に進んで再始動許可フラグに「1」をセットし、この割り込み処理を終了する。以上の割り込み処理を実行することにより、いずれかのタイミングでサブカード18と正規のスマートカード10が同時に存在している場合には、再始動許可フラグは「1」にセットされる。
【0036】
図5はエンジン始動判定ルーチンを表すフローチャートであるが、図3に示す第1実施形態のエンジン始動判定ルーチンと比べて、再始動許可フラグに「1」をセットするS260〜S290の処理が省略されている点が異なるのみである。これは本実施形態では既述の割り込み処理(図4参照)によって再始動許可フラグに「1」をセットするからである。したがって、図5の各ステップの説明は省略する。なお、第2実施形態では、S410において否定判断されたとき再始動許可フラグがリセットされるため、一旦サブカード18をサブカード挿入口16から引き抜くとエンジンの再始動ができなくなる。
【0037】
以上のように第2実施形態によれば、第1実施形態と同様、エンジンを始動させることが可能な正規のスマートカード10を携帯していない者であっても、セキュリティを高く保った上でエンジンを始動させることができる。
尚、本発明の実施の形態は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
【0038】
例えば、代用手段としてのサブカード18は、スマートカード10と同様、車両側通信装置20と通信可能なICカードであってもよい。この場合、車両側通信装置20はサブカード18からIDコード等の識別符号を取得し、その識別符号と正規コードとを照合し、両者が一致していればサブカード18が存在していると判断してもよい。また、サブカード18に何らかの特徴的な情報(例えば凹凸などの機械的情報、あるい磁気情報などの物理的情報)を付与しておき、車両側通信装置20はその情報と正規の情報とを照合し、両者が一致していればサブカード18が存在していると判断してもよい。
【0039】
また、代用手段としては、例えば再始動許可スイッチを設けてもよい。この場合、車両側通信装置20は、再始動許可スイッチがオンにされると再始動許可スイッチの存在を確認し、再始動許可スイッチがオフにされると再始動許可スイッチの不存在を確認するものとする。このような再始動許可スイッチは、ステアリングコラム周辺(例えば現在のキーシリンダの位置)に設けてもよいし、運転席側のウインドウ操作パネルに設けてもよい。
【0040】
また、図2のフローチャートにおいて、S160の代わりに、許可回数カウンタのカウント値がゼロか否かを判断し、ゼロならばドアをロックし、ゼロでなければドアをアンロックするようにしてもよい。これは、許可回数カウンタがゼロでなければ、正規のスマートカード10を携帯していない者がサブカード18によって運転可能な状態であるため、その者の車両の出入りを確保すべく、ドアをアンロックにするのである。
【0041】
また、図3のフローチャートにおいて、S221で否定判断された場合やS260で否定判断された場合には、再始動許可フラグをリセットつまり「0」にしてからS300に進んでもよい。
更に、車両側通信装置20は、エンジン始動を許可した場合には、次のようにしてエンジンを始動させてもよい。▲1▼自動的にエンジンを始動させてもよい。この場合、エンジンを停止させるには例えばエンジン停止スイッチにより車両側通信装置20あるいはエンジンECU30にエンジン停止信号を出力すればよい。▲2▼スマートカード差込み口が車両に設けられており、この差込み口にスマートカード10が差し込まれると自動的にエンジンを始動させるようにしてもよい。また差込み口にスマートカード10が差し込まれた際、スマートカード10に予め付与しておいた機械的情報(例えば凹凸など)あるいは物理的情報(例えば磁気テープに記録した磁気情報など)が正規の情報かどうかを照合し、両者が一致していれば自動的にエンジンを始動させるようにしてもよい。この差込み口にはスマートカード10の内蔵電池15を充電可能な充電器を設けてもよい。▲3▼スマートカード10とは別に設けられたキーにより、イグニッションスイッチをオンしてエンジンを始動させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態の車両通信システムの全体を表す概略ブロック図である。
【図2】 第1実施形態のメインプログラムを表すフローチャートである。
【図3】 第1実施形態のエンジン始動判定ルーチンを表すフローチャートである。
【図4】 第2実施形態の割り込み処理を表すフローチャートである。
【図5】 第2実施形態のエンジン始動判定ルーチンを表すフローチャートである。
【符号の説明】
10・・・スマートカード、11・・・送受信アンテナ、12・・・受信部、13・・・送信部、14・・・通信制御部、16・・・サブカード挿入口、17・・・サブカード検出器、18・・・サブカード、20・・・車両側通信装置、21・・・受信アンテナ、22・・・受信部、23・・・送信部、24・・・送信アンテナ、24a・・・車外アンテナ、24b・・・車内アンテナ、25・・・通信ECU、27・・・入出力回路、30・・・エンジンECU、31・・・イグナイタ、32・・・インジェクタ、33・・・着座スイッチ、34・・・アクチュエータ。
Claims (2)
- 運転者が携帯する携帯通信装置と通信を行いその通信結果に基づいてエンジンを始動するか否かを決定するエンジン始動制御装置であって、
前記携帯通信装置が正規のものか否かを判断する第1判断手段と、
前記第1判断手段によって前記携帯通信装置が正規のものと判断されたときエンジンの始動を許可する第1始動許可手段と、
前記携帯通信装置の代用手段が存在するか否かを判断する第2判断手段と、
あるタイミングにおいて前記第1判断手段によって前記携帯通信装置が正規のものと判断され且つ前記第2判断手段によって前記代用手段が存在すると判断された場合、または、エンジンが始動してから停止するまでの間に前記第2判断手段によって前記代用手段が存在すると判断された場合には、その後、前記第2判断手段によって前記代用手段が存在すると判断されたならばエンジンの始動を許可する第2始動許可手段とを備え、
前記第2始動許可手段は、
あるタイミングにおいて前記第1判断手段によって前記携帯通信装置が正規のものと判断され且つ前記第2判断手段によって前記代用手段が存在すると判断された場合、または、エンジンが始動してから停止するまでの間に前記第2判断手段によって前記代用手段が存在すると判断された場合には、その後、所定回数に限り、前記第2判断手段によって前記代用手段が存在すると判断されたならばエンジンの始動を許可することを特徴とするエンジン始動制御装置。 - 前記第2始動許可手段は、
あるタイミングにおいて前記第1判断手段によって前記携帯通信装置が正規のものと判断され且つ前記第2判断手段によって前記代用手段が存在すると判断された場合、または、エンジンが始動してから停止するまでの間に前記第2判断手段によって前記代用手段が存在すると判断された場合には、その後、前記第2判断手段によって前記代用手段の不存在が確認されるまでエンジンの始動を許可することを特徴とする請求項1記載のエンジン始動制御装置。
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