JPH09248337A - 薬液注入装置 - Google Patents

薬液注入装置

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Publication number
JPH09248337A
JPH09248337A JP8087295A JP8729596A JPH09248337A JP H09248337 A JPH09248337 A JP H09248337A JP 8087295 A JP8087295 A JP 8087295A JP 8729596 A JP8729596 A JP 8729596A JP H09248337 A JPH09248337 A JP H09248337A
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JP
Japan
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pressure plate
elastic means
bag
link
drug solution
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Application number
JP8087295A
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English (en)
Inventor
Katsumi Sakamoto
勝美 坂元
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Piolax Inc
Original Assignee
Piolax Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薬液バックをスタンド等の支柱に吊さなくて
も薬液の投与ができ、しかも市販の薬液バックを用いて
も薬液の流量を最初から最後までできるだけ一定にする
ことができるようにした薬液注入装置を提供する。 【解決手段】 薬液バックの収納容器12内に圧板16
を配置し、薬液バック中の薬液の流出に伴って圧板16
が移動するとき、圧板16の移動に伴って押圧力が増大
する押圧手段を設ける。押圧手段としては、圧板16と
収納容器12内壁との間に圧板16に対して傾動可能に
配置されたリンク17a,17bと、このリンク17
a,17bの圧板16に対する角度を大きくするように
付勢する第1弾性手段25と、圧板16を直接押圧する
第2弾性手段26とからなり、圧板16の移動に対し、
第1弾性手段25及びリンク17a、17bによる押圧
力の増大量が、第2弾性手段26による押圧力の減少量
よりも大きくなるようにしたものが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薬液を持続的に人
体に投与するための薬液注入装置に関し、特に携帯に適
しており、かつ薬液の投与速度をできるだけ一定にでき
るようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】特に、体力消耗の大きい成人病患者など
の治療に使用される薬液の投与には、その患者の体力の
状態にあわせて長時間かけて投与する薬液投与システム
が必要である。
【0003】このようなシステムとして、柔軟なプラス
チックの容器に薬液を充填した薬液バックを、移動スタ
ンドの支柱の上部に取りつけて、薬液バックにチューブ
を介して注入針を連結し、患者の静脈などに注射針を挿
入し、重力によって薬液を吐出させて投与する方法、い
わゆる点滴が行なわれている。
【0004】しかし、この方法では、患者が点滴中にト
イレなどに行く場合にも、移動スタンドを持って移動し
なければならず、例えば階段などでは上り下りするのが
困難であるという不都合があった。
【0005】ところで、特開平5−220204号に
は、薬液バックを容器に入れ、容器の内部に配置したコ
イルバネで、圧板を介して薬液バックを押して薬液を押
出すことにより、薬液バックをスタンドの支柱等に吊さ
なくても、薬液の投与ができるようにした注入装置が開
示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
5−220204号に開示された薬液注入装置では、薬
液バックがしぼむにつれて、コイルバネが伸びてその押
圧力が減少してしまうので、薬液の流量を最初から最後
まで一定にすることが困難であった。
【0007】また、薬液バックを容器に入れ、押圧手段
によって薬液バックから薬液を押出す方式の従来の薬液
注入装置は、いずれも市販の薬液バックをそのまま使用
することができず、その装置専用の薬液バックに薬液を
入れ替える必要があった。すなわち、市販の薬液バック
を用いた場合には、薬液の流量を一定にすることが更に
困難となるためである。
【0008】したがって、本発明の目的は、薬液バック
をスタンドの支柱等に吊さなくても薬液の投与ができ、
しかも市販の薬液バックをそのまま用いても、薬液の流
量を最初から最後までできるだけ一定にすることができ
るようにした薬液注入装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、(A) 開閉可能な蓋を有する収納容器と、
(B) 前記収納容器内に収納される薬液バックと、(C) 前
記薬液バックを圧板を介して押圧する押圧手段とを備
え、前記薬液バックに接続されるチューブを通して薬液
を投与する薬液注入装置において、前記押圧手段は、前
記圧板と前記収納容器内壁との間に傾動可能に配設され
たリンクと、このリンクの前記圧板に対する角度を大き
くするように付勢する第1弾性手段と、前記圧板を前記
薬液バックに向けて直接押圧する第2弾性手段とで構成
されており、前記薬液バック中の薬液を流出させるのに
必要な前記圧板の移動に対し、前記リンク及び前記第1
弾性手段による押圧力の増大量が、前記第2弾性手段に
よる押圧力の減少量よりも大きくなるように設定されて
いることを特徴とする。
【0010】本発明の好ましい態様においては、前記薬
液バック中の薬液の投与開始時から投与終了時に至る前
記リンクの前記圧板に対する角度は、−45°〜+45
°の範囲、より好ましくは−10°〜+40°の範囲で
設定される。
【0011】また、前記リンクは、少なくとも一対のも
のからなり、一対のリンクの一端は、互いに近接させて
前記収納容器内壁に枢支され、一対のリンクの他端は、
互いに開いて前記圧板の両端に設けた長孔に挿通された
支持棒に枢支されており、かつ、前記収納容器内壁に枢
支されたリンクの一端には、互いの回転を伝達し合う回
動同期手段が設けられていることが好ましい。
【0012】この場合、前記回動同期手段は、ギヤによ
る歯合、又は同一半径の円曲線で囲まれた凸部と凹部と
の嵌合によって構成されていることが好ましい。
【0013】更に、前記圧板の両端に設けた長孔の内端
は、前記第1弾性手段による前記リンクの回動角を制限
するストッパをなしていることが好ましい。
【0014】また、本発明においては、前記薬液バック
に隣接して緩衝材が配置されることが好ましい。この場
合、緩衝材としては、流動物質を充填した袋が好ましく
使用され、流動物質としては、液体、ゾル状物質、ビー
ズから選ばれた少なくとも1種が使用される。更に、前
記緩衝材は、発泡合成樹脂、軟質エラストマー、ゲル状
物質、フェルト等の繊維物などから選ばれたものであっ
てもよい。
【0015】本発明の薬液注入装置によれば、薬液バッ
ク中の薬液を流出させるのに必要な圧板の移動に対し、
リンク及び第1弾性手段による押圧力の増大量が、第2
弾性手段による押圧力の減少量よりも大きくなるように
設定されている。その結果、合計の押圧力は、薬液バッ
ク中の薬液の流出に伴って圧板が移動するとき、圧板の
移動量に応じて増大するように設定され、それによっ
て、市販の薬液バックをそのまま用いても、薬液を一定
の流速で流出させることができる。
【0016】このことを更に具体的に説明すると、図9
において1はリンクであり、その一端1aは収納容器内
壁2に枢支され、他端1bは図示しない圧板に水平方向
に移動可能に支持されている。また、他端1bには、例
えば引張りコイルバネ、ゴム等の弾性手段3が連結さ
れ、弾性手段3は、リンク1を側方に引張って、圧板に
対するリンク1の角度θが大きくなるように付勢してい
る。そして、圧板に対するリンク1の角度θが大きくな
るに従って、圧板は上昇して薬液バックを押し縮めて薬
液を流出させるようになっている。
【0017】この状態で、弾性手段3の引張り荷重をf
1 とすると、この力f1 は、リンク1に対して接線方向
にとった力f2 と、リンク1を押し縮めようとする力f
3 とに別れる。しかし、リンク1を押し縮めようとする
力f3 は、リンク1自体の剛性によって受け止められる
ので、実質的に作用する力は、リンク1に対して接線方
向にとった力f2 だけとなり、この力f2 は[f1sin
θ]で求められる。
【0018】一方、圧板を押し上げて薬液バックを押す
力Fは、リンク1に対して接線方向にとった力f2 を更
にリンク1の他端1bに対して垂直方向にとった力とな
り、この力Fは[f2cosθ]で求められる。したがっ
て、リンク1と弾性手段3を組み合わせた押圧手段の出
力Fは、下記数1で求められる。
【0019】
【数1】F=f2cosθ=f1sinθ・cosθ
【0020】この結果、この押圧手段の出力は、θが0
〜45°の間では、薬液バックがしぼんで圧板に対する
リンク1の角度θが大きくなるに従って大きくなること
となる。このように、バネ材を単独で使用した場合とは
逆に、薬液バックがしぼむに従って出力が大きくなるよ
うな特性をもたらすことが可能となる。
【0021】また、本発明では、上記第1の弾性手段と
リンクとからなる押圧手段の他に、圧板を薬液バックに
向けて直接押圧する第2の弾性手段を設けている。この
第2の弾性手段は、薬液バックがしぼむにつれて出力が
小さくなる。このため、上記リンクと連係する第1の弾
性手段と、上記第2の弾性手段とを合計した出力は、第
1及び第2の弾性手段のばね定数等を選択することによ
って、常に一定となるようにすることもできるし、次第
に高くあるいは低くなるようにすることもできる。な
お、第2の弾性手段は、リンクが折り畳まれた状態、す
なわち図9における角度θが0又は0に近く、第1の弾
性手段及びリンクによる押圧力が非常に小さくなったと
きに、圧板に対して押圧力を付与する作用ももってい
る。
【0022】なお、図9における角度θをマイナスにと
った場合、すなわち、リンク1の一端1aを収納容器の
側壁の中間部等に枢支させ、圧板をリンク1よりも下方
に位置させた場合には、上記第1弾性手段とリンクによ
る押圧手段の出力Fがマイナスとなって圧板を逆方向に
押圧する、すなわち押し下げる力となるが、その場合に
は、第2弾性手段の出力荷重を上記出力Fよりも大きく
しておくことにより、第2弾性手段の出力で圧板を押圧
して上昇させることができる。そして、圧板の上昇に伴
なって角度θが0に近づくほど、上記マイナスの力が次
第に小さくなるので、第2弾性手段と組合せたときの合
計の出力荷重は、ほぼ一定にすることもできるし、次第
に高くなるようにすることができる。
【0023】本発明者らは、当初、薬液の流量を一定に
するためには、上記合計の出力が常に一定になればよい
と考えた。そして、図10に示すように、圧板のストロ
ークに対して出力荷重がほぼ一定(荷重変動3.6 %)に
なるように調整し、実際に薬液バックを組み込んで流速
の変化を測定したところ、意外なことに図11に示すよ
うに、流速は薬液バックがしぼむほど低下し、投与開始
から終了までの間に42%ダウンすることがわかった。
【0024】この理由を解明するため、次に図12に示
すような実験を行った。すなわち、板4、5の間に薬液
バック6を挟み、その薬液充填口6aにチューブ7を接
続し、このチューブ7に圧力計8を接続した。そして、
上方の板4に常に一定の荷重をかけて薬液バック6を押
圧し、薬液をチューブ7から徐々に流出させながら、圧
力計8によって薬液の流出圧の変化を測定した。そし
て、薬液バック6中の薬液の残量と流出圧力との関係を
調べたところ、図13に示すように、薬液の残量が少な
くなるほど流出圧力が低下することがわかった。この理
由は、薬液バック6中の薬液が流出して薬液バック6が
萎むと、薬液バック6の剛性によって圧縮されにくくな
ることが主な原因と考えられる。
【0025】そこで、薬液の流速は、薬液の流出圧に比
例すると考えられるので、上記流出圧を一定にするた
め、薬液バック中の薬液を流出させるのに必要な圧板の
移動に対し、第1弾性手段による押圧力の増大量が、第
2弾性手段による押圧力の減少量よりも大きくなるよう
に設定することにより、図14に示すように、押圧手段
の合計の出力荷重が圧板のストロークに対して徐々に上
昇するように調整した。なお、図14においてA線は、
押圧手段の合計の出力荷重、B線は図13の実験結果か
ら計算によって求めた一定の圧力を得るために必要な特
性である。このように、押圧手段の出力荷重と、一定の
流速を得るために必要な特性との荷重差は8%であっ
た。
【0026】そして、薬液バックを組み込んで圧板のス
トロークの変化に対する薬液の流速の変化を測定した。
その結果、図15に示すように、流速の変動幅が8%
で、全体としてほぼ一定の流速となることがわかった。
【0027】また、本発明の好ましい態様において、前
記薬液バックに隣接して緩衝材が配置されている場合に
は、薬液バックから薬液が流出して薬液バックの形状が
変化しても、上記緩衝材が薬液バックの形状に追随して
その接触面に押圧力を効果的に付与するので、薬液バッ
ク内の薬液をほとんど残さずに最後まで流出させること
ができるという作用、効果が得られる。
【0028】更に、前記リンクが少なくとも一対のもの
からなり、一対のリンクの一端に互いの回転を伝達し合
う回動同期手段が設けられている場合には、圧板を収納
容器内壁とほぼ平行な状態で移動させることが可能とな
り、薬液バックに平均した押圧力を与えることができ
る。
【0029】
【発明の実施の形態】図1〜3には、本発明による薬液
注入装置の一実施例が示されている。図3に示すよう
に、この薬液注入装置11は、箱形の収納容器12と、
この収納容器12にヒンジを介して開閉可能に取付けら
れた蓋13と、この蓋13を収納容器12に対して着脱
自在に締付ける留め具14と、収納容器12に取付けら
れた取っ手15とを備えている。なお、12aは、薬液
バックの薬液充填口に接続されるチューブ取り出し口で
ある。
【0030】図1、2に示すように、収納容器12内に
は、圧板16が配置されている。圧板16は、図示しな
い薬液バックの薬液充填口が配置される切欠き16aを
有する。これは、薬液バックの薬液充填口が比較的硬
く、圧板16で押圧するときの支障となるからである。
【0031】圧板16の両側には、一対ずつのリンク1
7a,17bがそれぞれ配置されている。リンク17
a,17bは、その一端を収納容器12の底壁中央に固
着された支持板18に軸19a,19bを介して枢支さ
れている。なお、軸19a,19bには、ギヤ20a,
20bが装着され、これらのギヤ20a,20bが互い
に噛合して、リンク17a,17bの回動角が同期し
て、圧板16を水平に押し上げるようになっている。こ
の実施例では、このギヤ20a、20bが本発明におけ
る回動同期手段をなしている。
【0032】なお、このような回動角同期手段として
は、図4に示すように、一方のリンク17aの端部に円
曲線で囲まれた丸い凸部21を形成し、他方のリンク1
7bの端部に上記と同一半径の円曲線で囲まれた丸い凹
部22を形成し、両者を嵌合させた構造を採用すること
もできる。
【0033】リンク17a,17bの他端は、圧板16
の両端に設けられた長孔23に挿通された支持棒24
a,24bに枢支されている。なお、支持棒24aは、
両側に対応するリンク17a,17aを連結し、支持棒
24bは、両側に対応するもう一方のリンク17b,1
7bを連結している。そして、支持棒24a,24bの
間には、一対の引っ張りコイルバネからなる第1弾性手
段25が張設され、それによって支持棒24a,24b
を近接させ、リンク17a,17bの圧板16に対する
角度を大きくするように、すなわち圧板16を押し上げ
るように付勢している。なお、長孔23の内端23a
は、リンク17a、17bの回動角を規制する、いいか
えると圧板16の上限位置を規制するストッパとしての
役割をなしている。
【0034】なお、薬液バック中の薬液の投与開始時か
ら投与終了時における、リンク17a、17bの圧板に
対する角度の変化範囲は、−45°〜+45°の範囲で
設定されることが好ましく、−10°〜+40°の範囲
で設定されることがより好ましい。
【0035】また、収納容器12の底壁と、圧板16の
下面との間には、一対の圧縮コイルバネからなる第2弾
性手段26が介装されている。この第2弾性手段26も
圧板16を押し上げるように付勢している。
【0036】図9に示した原理により、第1弾性手段2
5とリンク17a,17bとによる圧板16への押圧力
は、リンク17a,17bの圧板16に対する角度が大
きくなるほど、すなわち圧板16が上方に押し上げられ
るほど大きくなる。一方、第2弾性手段26による圧板
16への押圧力は、コイル長が長くなるほど、すなわち
圧板16が上方に押し上げられるほど小さくなる。した
がって、第1弾性手段25と第2弾性手段26のバネ定
数を適宜組み合わせることにより、両者の合計の出力荷
重の特性を所望に調整することが可能となる。
【0037】そして、本発明では、薬液バック中の薬液
を流出させるのに必要な圧板16の移動に対し、第1弾
性手段25とリンク17a,17bとによる押圧力の増
大量が、第2弾性手段26による押圧力の減少量よりも
大きくなるように設定することにより、上記合計の出力
荷重が、圧板16が上方に押し上げられるほど大きくな
るように調整されている。
【0038】この薬液注入装置11の使用に際しては、
収納容器12の蓋13を開き、圧板16を下方に押し下
げながら図示しない薬液バックを圧板16上に載せ、蓋
13を被せて留め具14で固定する。なお、薬液バック
の薬液充填口には、図示しない薬液チューブを接続し、
流量制御弁やフィルタ等を介して薬液チューブ先端に取
付けられた注入針を、患者の血管等に挿入する。
【0039】薬液バックは、第1弾性手段25とリンク
17a,17bによる押上力と、第2弾性手段26によ
る押上力とによって、圧板16により加圧され、薬液を
押出して、上記薬液チューブと流量制御弁とフィルタと
を介して注入針から薬液を流出させ、患者に投与する。
【0040】こうして投与を終了したら、患者から注入
針を抜いて、収納容器12の蓋13を開いて使用済の薬
液バックを取り出せばよい。なお、薬液の投与は、第1
弾性手段25と第2弾性手段26との加圧力によってな
されるので、投与の間、薬液注入装置11を手に持って
自由に移動することができ、従来の点滴のようにスタン
ドを引きずって移動する必要がない。
【0041】なお、この実施例の薬液注入装置11は、
リンク17a,17bを収納容器12の底壁に接触する
まで、すなわちほぼ水平になるまで押し下げることがで
き、その状態で第1弾性手段25及びリンク17a,1
7bによる押圧力が0になっても、第2弾性手段26に
よって押圧力が付与されるので、装置全体を薄く、コン
パクトにすることができるという利点が得られる。
【0042】図7には、本発明の薬液注入装置の他の実
施例が示されている。この薬液注入装置31は、開閉可
能な蓋32を有する収納容器33と、この収納容器33
に収納される薬液バック34と、前記薬液バック34を
押圧してバック内の薬液を押し出すための押出装置35
とから構成されている。
【0043】薬液バック34は、所定の高さ幅をもち、
ほぼ角形状とした本体部36と本体部36の一側面から
突出した薬液充填口37とからなり、薬液充填口37に
は薬液チューブ38が接続され、その先端部にはフィル
タ39、流量制御弁40を介して注射針41が取付けら
れている。なお、薬液バック34は幾分厚めの可撓性の
プラスチックシートにより成形されている。
【0044】押出装置35は、緩衝材42と、圧板43
と、この圧板43を薬液バック34の方向に向けて押圧
する押圧手段44とから構成されている。
【0045】緩衝材42は、可撓性のゴム、又はプラス
チックシート等の袋体からなり、角形状で、かつその大
きさは前記薬液バック34の大きさとほぼ同じ大きさと
なっている。この実施例の場合、緩衝材42は、水、油
などの液体を充填した袋からなり、この液体によって薬
液バック34の形状に追随して密接し、薬液バック34
にできるだけ平均的な押圧力を与えるようになってい
る。
【0046】なお、緩衝材は、上記のような液体の他、
気体、ゾル状物質、ビーズなどを充填した袋であっても
よく、あるいは発泡合成樹脂、軟質エラストマー、ゲル
状物質、フェルト等の繊維物などであってもよい。上記
ビーズとしては、例えばポリアクリル酸塩系吸水性ポリ
マーのビーズ(商品名「SNOW POWDER 」、株式会社スノ
ーヴァ製)などが使用でき、軟質エラストマーとして
は、例えばポリウレタン系の粘弾性高分子化合物(商品
名「ソルボセイン」、三進興産株式会社製)などが使用
できる。
【0047】また、緩衝材42を薬液バック34と蓋3
2との間に配置し、圧板43を薬液バック34の下面に
当接するように配置してもよい。この場合にも、緩衝材
42が薬液バック34の上面に当接して、薬液バック3
4との接触面全体に平均した押圧力が付与される。更に
は、緩衝材42を2個設け、薬液バック34を緩衝材4
2で挟むように配置してもよい。その場合には、圧板4
3による押圧は、いずれかの緩衝材42に対してなされ
ればよい。
【0048】前記圧板43は、硬質のプラスチック材料
の板、例えばナイロン、ポリカーボネート等で成形され
ており、その相対した二つの側面には、二個ずつのスラ
イド突出部45、45が平行状態で突出している。
【0049】押圧手段44は、パンタグラフ形状のリン
クユニット46と、このリンクユニット46に組み付け
られた引張りコイルバネからなる第1弾性手段47と、
収納容器33の底壁と圧板33との間に介装された2つ
の圧縮コイルバネからなる第2弾性手段48、49とで
構成されている。リンクユニット46は、収納容器33
の底壁に固着された下方ベース50と、圧板43の下面
に固着された上方ベース51と、下方ベース50及び上
方ベース51の間に配設された左右2つずつのリンク5
2、53、54、55とで構成され、上記第1弾性手段
47は、左側のリンク52、53の枢着部に一端を固定
され、右側のリンク54、55の枢着部に他端を固定さ
れていて、左右のリンクを内側に引張って圧板43に対
するリンクの角度が大きくなるように常時付勢してい
る。また、第2弾性手段48、49は、圧板43を直接
押圧している。
【0050】また、第1弾性手段47の引張りコイルバ
ネ、第2弾性手段48、49の圧縮コイルバネとして
は、ステンレス鋼、ばね鋼等の線材をコイル巻きしたも
のが好ましく採用される。また、引張りコイルバネの代
わりに、ゴム紐などの他の弾性手段を用いることも可能
である。
【0051】収納容器33は、前記薬液バック34と押
出装置35とを収納するためのもので、容器本体56
と、この容器本体56にヒンジ57によって開閉可能に
取付けられた蓋32とからなっている。前記容器本体5
6は、角形状をなし、前記薬液バック34及び押出装置
35を余裕をもって収納するだけのスペースを持ってい
る。そして、一つの側面には、薬液バック34の薬液充
填口37を突出させ、それが上下方向にある程度移動で
きるように、縦長の切り欠き58が形成されている。そ
して、隣接した両面には、前記圧板43のスライド突出
部45、45が挿入され、上下方向に所定距離移動でき
るようなスライド孔59、59が同じく縦方向に形成さ
れている。更に、蓋32には、フック60が取付けられ
ており、このフック60、60に係止される係止部6
1、61が容器本体56の外側の対応する個所に形成さ
れている。
【0052】この収納容器33の容器本体56と蓋32
は、それぞれプラスチックで成形されている。この材質
としては、例えばポリアセタール、ポリカーボネート、
変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンサ
ルファイド等が好ましく使用される。また、軽量化のた
め、肉厚をうすくしながら強度を維持するために、ガラ
ス繊維、炭素繊維、無機フィラー等を含有する補強プラ
スチックを用いてもよい。
【0053】なお、容器本体56又は蓋32に窓を設け
て、薬液バック34内の薬液の残量が見えるようにして
もよい。また、収納容器33には、取っ手や、バンドを
取付けて、携帯しやすくしてもよい。
【0054】そして、この薬液注入装置31において
も、第1弾性手段47とリンクユニット46とによる圧
板43への押圧荷重と、第2弾性手段48、49による
圧板43への押圧荷重との合計の出力荷重が、圧板43
が上方に移動するほど大きくなるように調整されてい
る。
【0055】なお、この薬液注入装置31の使用に際し
ては、収納容器33内に、リンクユニット46と、第1
弾性手段47と、第2弾性手段48、49とで構成され
る押圧手段44を予め設置しておく。この押圧手段44
上に圧板43を設置し、更に緩衝材42を載せ、その上
に薬液を充填した薬液バック34を載せて、収納容器3
3の蓋32を閉じる。その際、収納容器33の切り欠き
58から薬液バック34の薬液充填口37を突出させ、
それに接続された薬液チューブ38、フィルタ39、流
量制御弁40及び注射針41を外部に取出す。そして、
注射針41を患者の静脈等に挿入して薬液の投与を行え
ばよい。この薬液注入装置31においても、前記実施例
と同様に、薬液の投与の開始から終了まで薬液の流出速
度がほぼ一定し、安全な薬液投与を行うことができる。
【0056】図8には、本発明の薬液注入装置におい
て、リンクの構造を変えた他の実施例が示されている。
【0057】この実施例では、中間部を支軸62によっ
て枢支されてX字状に組まれた一対のリンク63、64
を有している。一方のリンク64の下端は、収納容器の
底壁65に支軸66を介して枢支され、他方のリンク6
3の下端は、底壁65に摺動可能に当接されている。そ
して、リンク63の下端とリンク64の下端との間に引
張りコイルバネからなる第1弾性手段67が張設されて
いる。更に、圧板68は、下方が開口された箱型をな
し、その側面にスリット68aが形成されており、この
スリット68aにリンク63、64の上端に設けられた
軸69、70が摺動可能に嵌合している。なお、圧板6
8と底壁69との間には図示しない圧縮コイルバネから
なる第2弾性手段が配置される。このように、本発明に
おけるリンクの構造としては各種の構造が採用できる。
【0058】
【実施例】図1〜3に示した薬液注入装置11におい
て、第1弾性手段25のばね定数を0.34kgf/cm2トし、第
2弾性手段26のばね定数を 0.12kgf/cm2とし、リンク
17a,17bの長さを96mmとし、圧板16のストロー
クを50mmとし、更にリンク17a、17bと圧板16と
のなす角度を、薬液の投与開始時に0°、薬液の投与終
了時に36°となるように設定して、圧板16のストロ
ークに対する第1弾性手段25及び第2弾性手段26に
よる合計の出力荷重(圧板16の押圧力)の変化を測定
した。
【0059】この結果を図5に示す。図5において、破
線aは第1弾性手段25とリンク17a、17bとによ
る出力荷重、破線bは第2弾性手段26による出力荷
重、実線cは両者の合計の出力荷重を表している。
【0060】このように、圧板16が押し上げられるほ
ど、合計の出力荷重cが増加する特性を得ることができ
た。
【0061】次に、1000mlの薬液が充填された薬液バッ
クを上記薬液注入装置11に組み込み、薬液バックに薬
液チューブと流量制御弁とフィルタと注入針とを接続
し、更に注入針の先端に流速計を接続して、薬液の流速
を測定しながら薬液の流出を行った。そして、薬液の流
出の開始から終了までの薬液の流速の変化を測定した。
この結果を図6に示す。このように、全体としてみると
薬液の流出開始から終了までほぼ一定の流速を得ること
ができた。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の薬液注入
装置によれば、圧板と収納容器内壁との間にリンクを傾
動可能に配設し、このリンクの前記圧板に対する角度を
大きくするように付勢する第1弾性手段を設けると共
に、前記圧板を直接押圧する第2弾性手段を設け、上記
押圧手段による合計の押圧力が、薬液バック中の薬液の
流出に伴って圧板が移動するとき、圧板の移動量に応じ
て増大するように設定したことにより、市販の薬液バッ
クをそのまま用いても、薬液をほぼ一定の流速で流出さ
せることができる。その結果、例えば末期ガン患者へ投
与されるモルヒネ等の劇薬であっても、安全な投与を行
うことが可能となる。また、薬液バックを収納容器に収
納した状態で投与ができるので、トイレ等にいく際にも
薬液バックを持って手軽に移動することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による薬液注入装置の一実施例を示す側
面断面図である。
【図2】同薬液注入装置の蓋を取り去った状態で示す平
面図である。
【図3】同薬液注入装置の全体を示す斜視図である。
【図4】同薬液注入装置において用いられるリンクの回
動同期手段の他の例を示す部分拡大図である。
【図5】同薬液注入装置の圧板のストロークと出力荷重
(圧板の押圧力)との関係を示す図表である。
【図6】同薬液注入装置を用いて薬液バックから薬液を
流出させたときの時間と流速との関係を示す図表であ
る。
【図7】本発明の薬液注入装置の他の実施例を示す斜視
図である。
【図8】本発明の薬液注入装置に用いられるリンクの他
の例を示す部分拡大図である。
【図9】リンク機構を利用した押圧手段の作用を説明す
るための説明図である。
【図10】圧板のストロークに対する出力荷重を一定に
したときの出力特性を示す図表である。
【図11】圧板のストロークに対する出力荷重を一定に
し、薬液を流出させたときの時間と流速との関係を示す
図表である。
【図12】圧板に一定の荷重をかけて薬液の流出圧を測
定するときに用いた方法を示す説明図である。
【図13】圧板に一定の荷重をかけて薬液を流出させた
ときの薬液の残量と流出圧との関係を示す図表である。
【図14】本発明の薬液注入装置の圧板のストロークと
出力荷重(圧板の押圧力)との関係を示す図表である。
【図15】本発明の薬液注入装置を用いて薬液を流出さ
せたときの圧板のストロークと薬液の流速との関係を示
す図表である。
【符号の説明】
11、31 薬液注入装置 12、33 収納容器 14 留め具 13、32 蓋 17a,17b,52,53,54,55,63,64
リンク 19a、19b 軸 20a、20b ギヤ 21 凸部 22 凹部 23 長孔 23a 内端 25、47、67 第1弾性手段 26、48、49 第2弾性手段 42 緩衝材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) 開閉可能な蓋を有する収納容器と、
    (B) 前記収納容器内に収納される薬液バックと、(C) 前
    記薬液バックを圧板を介して押圧する押圧手段とを備
    え、前記薬液バックに接続されるチューブを通して薬液
    を投与する薬液注入装置において、 前記押圧手段は、前記圧板と前記収納容器内壁との間に
    傾動可能に配設されたリンクと、このリンクの前記圧板
    に対する角度を大きくするように付勢する第1弾性手段
    と、前記圧板を前記薬液バックに向けて直接押圧する第
    2弾性手段とで構成されており、 前記薬液バック中の薬液を流出させるのに必要な前記圧
    板の移動に対し、前記リンク及び前記第1弾性手段によ
    る押圧力の増大量が、前記第2弾性手段による押圧力の
    減少量よりも大きくなるように設定されていることを特
    徴とする薬液注入装置。
  2. 【請求項2】 前記薬液バック中の薬液の投与開始時か
    ら投与終了時に至る前記リンクの前記圧板に対する角度
    が−45°〜+45°の範囲で設定されている請求項1
    記載の薬液注入装置。
  3. 【請求項3】 前記リンクは、少なくとも一対のものか
    らなり、一対のリンクの一端は、互いに近接させて前記
    収納容器内壁に枢支され、一対のリンクの他端は、互い
    に開いて前記圧板の両端に設けた長孔に挿通された支持
    棒に枢支されており、かつ、前記収納容器内壁に枢支さ
    れたリンクの一端には、互いの回転を伝達し合う回動同
    期手段が設けられている請求項1又は2記載の薬液注入
    装置。
  4. 【請求項4】 前記回動同期手段は、ギヤによる歯合、
    又は同一半径の円曲線で囲まれた凸部と凹部との嵌合に
    よって構成されている請求項3記載の薬液注入装置。
  5. 【請求項5】 前記長孔の内端は、前記第1弾性手段に
    よる前記リンクの回動角を制限するストッパをなしてい
    る請求項3記載の薬液注入装置。
  6. 【請求項6】 前記薬液バックに隣接して緩衝材が配置
    されている請求項1〜5のいずれか1つに記載の薬液注
    入装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006167286A (ja) * 2004-12-17 2006-06-29 Kao Corp 化粧料容器
WO2010003291A1 (zh) * 2008-07-11 2010-01-14 Lin Ronghua 一种自动输液装置
JP2013165757A (ja) * 2012-02-14 2013-08-29 Icomes Labo:Kk 輸液装置

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