JPH10272180A - 薬液注入装置 - Google Patents

薬液注入装置

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JPH10272180A
JPH10272180A JP9096578A JP9657897A JPH10272180A JP H10272180 A JPH10272180 A JP H10272180A JP 9096578 A JP9096578 A JP 9096578A JP 9657897 A JP9657897 A JP 9657897A JP H10272180 A JPH10272180 A JP H10272180A
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JP
Japan
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pressure plate
chemical solution
link
storage container
pressing
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Application number
JP9096578A
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English (en)
Inventor
Katsumi Sakamoto
勝美 坂元
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Piolax Inc
Original Assignee
Piolax Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧板の移動に対して押圧荷重が直線的に変動
するようにし、それによって薬液の流量をより一定化で
きる薬液注入装置を提供する。 【解決手段】 収納容器本体20及び蓋体70からなる
収納容器内に、押圧手段30と圧板50と薬液バック6
0とを配置し、押圧手段30により圧板50を介して薬
液バック60を押圧し、薬液バック60に連結された投
与チューブを通して薬液を患者に投与する。押圧手段3
0として、圧板50を直接押圧する第2弾性手段39
と、リンク34及びそれを回動付勢する第1弾性手段か
らなるものとを併用する。リンク34の一端を収納容器
本体20の底壁に枢支し、他端を圧板50に固定される
フレーム31に形成したガイド溝35に挿入した支軸3
6によって枢支する。そして、ガイド溝35の中間に圧
板50に対して斜めの傾斜部を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薬液を持続的に人
体に投与するための薬液注入装置に関し、特に携帯に適
しており、かつ薬液の投与速度をできるだけ一定にでき
るようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、薬液の投与は、主として点滴
によって行われている。点滴は、柔軟なプラスチックの
容器に薬液を充填した薬液バックを、移動スタンドの支
柱の上部に取付けて、薬液バックにチューブを介して注
入針を連結し、患者の静脈などに注射針を挿入し、重力
によって薬液を吐出させて投与する方法である。
【0003】しかし、この方法では、患者が点滴中にト
イレなどに行く場合にも、移動スタンドを持って移動し
なければならず、例えば階段などでは上り下りするのが
困難であり、長時間の点滴は患者にとって苦痛であると
いう問題があった。
【0004】この問題を解決すべく、例えば特開平5−
220204号には、薬液バックを容器に入れ、容器の
内部に配置したコイルバネで、圧板を介して薬液バック
を押して薬液を押出すことにより、薬液バックをスタン
ドの支柱に吊さなくても、薬液の投与ができるようにし
た注入装置が開示されている。
【0005】しかし、上記注入装置では、薬液バックが
しぼむにつれて、コイルバネが伸びてその押圧力が減少
してしまうので、薬液の流量を最初から最後まで一定に
することが困難であり、投与速度を厳密に管理する必要
がある薬液などには適用できなかった。
【0006】そこで、本出願人は、特開平8−2571
21号に示されるように、薬液バックがしぼむにつれて
押圧力が高まるような弾性手段と組み合わせることによ
り、薬液の流量を一定化させるようにした注入装置を提
案した。すなわち、この薬液注入装置は、圧板と収納容
器内壁との間に傾動可能に配設されたリンクと、このリ
ンクの圧板に対する角度を大きくするように付勢する弾
性手段と、圧板を直接押圧するバネ材とで、押圧手段を
構成したものである。
【0007】この注入装置によれば、弾性手段とリンク
とからなる押圧手段の出力は、リンクの圧板に対する角
度が大きくなるほど高まるので、薬液バックがしぼんで
圧板が移動するにつれて出力を高めることができる。し
たがって、この弾性手段を、薬液バックがしぼんで圧板
が移動するにつれて出力が低くなる、圧板を直接押圧す
るバネ材と組み合わせることにより、圧板の押圧力を一
定にして薬液の流量の変動を少なくすることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、圧板を
直接押圧するバネ材の出力は、圧板の移動量にほぼ比例
して低下するのに対して、弾性手段とリンクとからなる
押圧手段の出力は、圧板の移動量に対して比例して増大
するわけではなく、横軸に圧板の移動量、縦軸に出力を
とると、山形の曲線をなして増大する傾向がある。
【0009】このため、両者を合成した出力は、横軸に
圧板の移動量、縦軸に出力をとった場合、山形の曲線を
なし、圧板の移動に対する押圧荷重の変動を直線的にす
ることが難しかった。
【0010】したがって、本発明の目的は、弾性手段と
リンクとからなる押圧手段の出力の変動が、圧板の移動
量に対して直線的になされるようにし、圧板の移動に対
する押圧荷重の変動を理想的な状態に調整できるように
した薬液注入装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の第1は、薬液バックを着脱可能に収納する
収納容器と、この収納容器内に配置された圧板と、この
圧板を介して前記薬液バックを押圧する押圧手段とを備
え、前記薬液バックに接続されるチューブを通して薬液
を投与する薬液注入装置において、前記押圧手段は、前
記圧板と前記収納容器内壁との間に傾動可能に配設され
たリンクと、このリンクの前記圧板に対する角度を大き
くするように付勢する第1弾性手段と、前記圧板を前記
薬液バックに向けて直接押圧する第2弾性手段とで構成
されており、前記リンクは、その一端を前記収納容器内
壁に枢支され、その他端を前記圧板に形成したガイド溝
に摺動可能に支持されており、このガイド溝の途中が前
記圧板に対して斜めに傾斜していることを特徴とする薬
液注入装置を提供するものである。
【0012】上記第1の発明によれば、ガイド溝の途中
を圧板に対して斜めに傾斜させたことにより、圧板のス
トロークの途中においてリンクの回動力が圧板の押圧力
に変換される割合を低くし、第1弾性手段とリンクとか
らなる押圧手段の出力が、圧板の移動量に対してほぼ直
線的に増加するように調整することができる。
【0013】このため、第1弾性手段とリンクとからな
る押圧手段の出力と、圧板を直接押圧する第2弾性手段
の出力とを合成したとき、その合成出力が圧板の移動量
に対してほぼ一定あるいは直線的に変化するようにする
ことができ、薬液バックから流出する薬液の流量を一定
化させることが容易になる。
【0014】本発明の第2は、前記第1の発明におい
て、前記ガイド溝は、その両端が前記圧板とほぼ平行
で、その途中に傾斜部が設けられ、その傾斜部の傾斜
は、両端が緩やかで中央が急激になっている薬液注入装
置を提供するものである。
【0015】上記第2の発明によれば、第1弾性手段と
リンクとからなる押圧手段の出力が、圧板の移動量に対
してより直線的に増加するように調整することができ
る。
【0016】本発明の第3は、前記第1又は2の発明に
おいて、前記リンクは、少なくとも一対のものからな
り、一対のリンクの一端は、互いに近接させて前記収納
容器内壁に枢支され、一対のリンクの他端は、互いに開
いて前記圧板の両端部に設けた前記ガイド溝に摺動可能
に支持されており、前記一対のリンクの一端には互いの
回転を伝達し合う回動同期手段が設けられている薬液注
入装置を提供するものである。
【0017】上記第3の発明によれば、一対のリンクに
回動同期手段を設けたことにより、圧板を収納容器内壁
に対して平行に移動させることができ、薬液バックの圧
板が当接した面に平均した押圧力を付与することができ
る。
【0018】本発明の第4は、前記第1〜3の発明のい
ずれかにおいて、前記薬液バック中の薬液を流出させる
のに必要な圧板のストロークの過程で、前記第1弾性手
段及び前記リンクによる押圧力の増大量が、前記第2弾
性手段による押圧力の減少量よりも大きくなり、両者合
計の押圧力が次第に高くなるように設定されている薬液
注入装置を提供するものである。
【0019】上記第4の発明によれば、圧板の押圧力を
常に一定にした場合に比べて、薬液の流量をより一定化
することができる。この理由は明確ではないが、薬液バ
ックがしぼむにつれて、薬液バック自体の剛性による反
力が増加し、その分だけ押圧力を高める必要があるため
と考えられる。
【0020】
【発明の実施の形態】図7〜13には、本発明による薬
液注入装置の一実施例が示されている。図7は同薬液注
入装置を分解して示す側面断面図、図8は同薬液注入装
置を分解して示す正面断面図、図9は同薬液注入装置に
おける圧板の押圧手段を示す部分断面図、図10は同薬
液注入装置における圧板の押圧手段を示す平面図、図1
1は同薬液注入装置の収納容器のロック機構を示す説明
図、図12は同薬液注入装置の収納容器の外観を示す斜
視図、図13は同薬液注入装置の薬液バックへ注入針を
挿入した状態を示す斜視図である。
【0021】図7に示すように、この薬液注入装置10
は、収納容器本体20と、この収納容器本体20の底壁
に設置される押圧手段30と、この押圧手段30の上に
配置される圧板50と、この圧板50によって押圧され
る薬液バック60と、前記収納容器本体20に組み付け
られる蓋体70とを有している。収納容器本体20及び
蓋体70が、本発明における薬液バックの収納容器を構
成している。
【0022】図8を併せて参照すると、収納容器本体2
0は、底壁21と、両側壁22、22と、前後端面2
3、24とで構成されている。一方、蓋体70は、上方
に膨らんだ湾曲された断面の天板71と、両側壁72、
72と、前後端面73、74とで構成され、天板71に
は透明なパネルを嵌込んだ窓75が設けられている。両
側壁72、72の上半部には所定の隙間77を介してガ
イド壁76が設けられ、二重壁をなしている。この隙間
77に、収納容器本体20の両側壁22が挿入されるよ
うになっている。
【0023】また、蓋体70の両側壁72には、外側に
突出する突起78が所定間隔で複数形成されており、こ
の突起78が後述するロック機構に係合するようになっ
ている。更に、収納容器本体20の前端面23には切欠
き部25が形成され、蓋体70の前端面73には切欠き
部79が形成されていて、収納容器本体20と蓋体70
とを組み付けたとき、上記切欠き部25、73によって
薬液バック60を出し入れする開口Oが形成されるよう
になっている。
【0024】図9、10を併せて参照すると、押圧手段
30は、圧板50の下面に装着されるフレーム31を有
し、このフレーム31を介して圧板50を押し上げるよ
うに押圧力を付与するものである。
【0025】すなわち、収納容器本体20の底壁21の
中央に支持部材32が設置され、この支持部材32に支
軸33、33を介して一対のリンク34、34の一端が
枢支されている。リンク34、34の他端は、フレーム
31の側壁の両端部に形成されたガイド溝35、35に
挿入された支軸36、36によって枢支されている。そ
して、本発明の特徴は、図1に示すように、上記ガイド
溝35の両端35a、35bが圧板50とほぼ平行で、
その途中に傾斜部35cが設けられ、この傾斜部35c
の傾斜は、両端が緩やかで中央が急激になっている点に
ある。なお、ガイド溝35は、支軸36、36が貫通す
る透孔であってもよく、あるいは支軸36、36が嵌合
する凹溝であってもよい。
【0026】リンク34、34の支持部材32に枢支さ
れた方の端部には、互いに歯合する歯37、37が形成
され、これがリンク34、34を同期させて回動させる
回動同期手段をなしている。また、フレーム31側の支
軸36、36の両端には、引張りコイルバネからなる第
1弾性手段38(図10参照)が張設され、リンク3
4、34の外側に位置する両端を引張って、圧板50に
対するリンク34、34の角度が大きくなる方向に付勢
している。
【0027】図8に示すように、圧板50の両側壁に
は、突起51が形成されており、この突起51が後述す
るロック機構に係合するようになっている。なお、圧板
50の上面には、フェルト、発泡ウレタンシート等から
なる緩衝材を設けて、薬液バック60の表面にフィット
して平均した押圧力を付与するようにすることが好まし
い。また、圧板50の上面は、蓋体70の内壁に沿って
湾曲した形状をなし、蓋体70との間に均一な間隙が形
成されるようになっている。更に、圧板50の側壁にガ
イド溝35を直接形成し、リンク34の他端を圧板50
に直接枢支させてもよい。
【0028】収納容器本体20の底壁21と圧板50と
の間には、圧板50を直接押し上げるように弾性付勢す
る圧縮コイルバネからなる第2弾性手段39が、フレー
ム30の両側に複数個平均した間隔で配置されている。
【0029】図11(a)に示すように、収納容器本体
20の両側壁22の内側には、同図(b)に示す蓋ロッ
ク部材80と、同図(c)に示す圧板ロック部材90と
が、収納容器本体20の長手方向にスライド可能に装着
されている。
【0030】蓋ロック部材80は、上方に所定間隔で突
設された複数のフック81を有し、これらのフック81
には、図中A方向に斜め下方に突き出した係合部82が
形成されている。そして、図示しないコイルバネによっ
て、A方向に弾性付勢されている。蓋体70を被せて押
し下げたとき、蓋体70の突起78が係合部82に当接
して、その傾斜に沿って蓋ロック部材80をB方向にス
ライドさせ、係合部82の先端を乗り越えると、上記コ
イルバネによって再び蓋ロック部材80がA方向にスラ
イドし、突起78が係合部82の下辺に係合して蓋体7
0が収納容器本体20に組み付けられるようになってい
る。なお、蓋体70は、図示しないバネによって、収納
容器本体20に対して常時上方に持ち上がるように弾性
付勢されている。また、蓋ロック部材80には、後述す
るロック解除棒100と連動させるためのピン83が突
設されている。
【0031】圧板ロック部材90も上方に所定間隔で突
設された複数のフック91を有し、これらのフック91
には、図中B方向に斜め下方に突出した係合部92が形
成されている。そして、図示しないコイルバネによっ
て、B方向に弾性付勢されている。圧板50を収納容器
本体20に挿入して、前記押圧手段に抗して押し下げた
とき、圧板50の突起51が係合部92に当接して、そ
の傾斜に沿って圧板ロック部材90を図中A方向にスラ
イドさせ、係合部92の先端を乗り越えると、上記コイ
ルバネによって再びB方向にスライドし、突起51が係
合部92の下辺に係合して、圧板50を押し下げた状態
にセットできるようになっている。また、圧板ロック部
材90には、後述するロック解除棒100と連動させる
ためのピン93が突設されている。
【0032】図11(d)には、これらのロック部材8
0、90を解除させるロック解除棒100が示されてい
る。ロック解除棒100は、収納容器本体20の開口2
6を通して外部に延出されたレバー101を有し、この
レバー101を操作することにより、図中A又はB方向
にスライドするようになっている。ロック解除棒100
の先端には、操作片102が連接され、この操作片10
2には、2つの長孔103、104が形成されている。
一方の長孔103には、上記蓋ロック部材80のピン8
3が挿入され、他方の長孔104には、上記圧板ロック
部材90のピン93が挿入されている。
【0033】そして、図11(a)に示す状態から、ロ
ック解除棒100をB方向に引張ると、ピン83を介し
て、蓋ロック部材80がB方向にスライドし、蓋体70
のロックが解除されて、図示しないバネによって蓋体7
0が上方に開くようになっている。したがって、その状
態で開口Oから薬液バック60を取り出して交換するこ
とができるようになっている。
【0034】また、図11(a)に示す状態から、ロッ
ク解除棒100をA方向に押し込むと、ピン93を介し
て、圧板ロック部材90がA方向にスライドし、圧板5
0のロックが解除されて、前述した押圧手段によって圧
板50による薬液バック60の押圧、すなわち薬液の投
与が開始されることになる。
【0035】図12は、収納容器本体20と蓋体70と
を組み付けた状態での収納容器の外観を示している。蓋
体70が前記の機構によって昇降することにより、開口
Oが大きく開いたり小さく閉じたりし、この開口Oから
薬液バック60の着脱が可能となっている。
【0036】図13は、薬液バック60の口部61に設
けたゴム膜に、注入針110の先端111を挿入し、そ
の開口112を通して薬液の流出を行う状態を示してい
る。注入針110の基部113には、薬液投与チューブ
114が接続されている。また、注入針110の基部1
13には、フランジ115が形成され、このフランジ1
15が収納容器の図示しないホルダに係合して、注入針
110が抜け止めされるようになっている。
【0037】次に、この薬液注入装置10の作用につい
て説明する。図2は、圧板50と一体化されるフレーム
31に、水平なガイド溝35’を形成し、リンク34の
他端をこのガイド溝35’に挿入した支軸36に枢支し
てなる特開平8−257121号に示される従来例を示
している。
【0038】この場合、リンク34に作用する第1弾性
手段38のバネ力は矢印Faで示され、このバネ力Fa
によってリンク34を回動させる力は矢印Fbとなり、
この回動力Fbによってフレーム31を押し上げる力は
矢印Fcとなる。リンク34の収納容器本体20の底壁
21に対する角度をθとすると、回動力Fbは下記数
1、フレーム31の押上力Fcは下記数2で求めること
ができる。
【0039】
【数1】 Fb=Fa・cos(90°−θ)=Fa・sinθ
【0040】
【数2】 Fc=Fb・cosθ=Fa・sinθ・cosθ
【0041】したがって、圧板50のストロークに対す
る上記リンク機構による押上力Fcを出力特性を求める
と、図5の曲線aで示されるようになる。そして、図5
の直線bは、第2弾性手段39の出力特性を示してい
る。したがって、両者を合成した出力特性は、曲線cで
示されるように、ストロークの中間で荷重が増大する山
形の曲線をなす。
【0042】このため、図2に示した従来の押圧手段を
用いると、投与時間の経過に伴う薬液の流出特性は、図
6に示すように、投与の中間で流出量がやや高くなり、
投与の終了時には流出量が低下する傾向となり、薬液の
流量を十分に一定化させることが困難であった。
【0043】図1は、圧板50と一体化されるフレーム
31に、両端35a、35bが圧板50とほぼ平行で、
その途中に傾斜部35cが設けられ、その傾斜部35c
の傾斜は、両端が緩やかで中央が急激になっているガイ
ド溝35を形成し、リンク34の他端をこのガイド溝3
5に挿入した本発明の実施例を示している。
【0044】この場合、リンク34に作用する第1弾性
手段38のバネ力は矢印Faで示され、このバネ力Fa
によってリンク34を回動させる力は矢印Fbとなる。
ところが、ガイド溝35が上記のように途中で傾斜して
いるため、上記回動力Fbによってフレーム31に働く
力は、支軸36のガイド溝35の接点に対して垂直に働
く力Fc’となる。更に、この力Fc’によって、フレ
ーム31を押し上げる力は、Fdで示される力となる。
【0045】そこで、リンク34の収納容器本体20の
底壁21に対する角度をθ、支軸36のガイド溝35の
接点に対して垂直な方向と、フレーム31の平面に対し
て垂直な方向とのなす角度をαとすると、ガイド溝35
の接点に対して垂直に働く力Fc’は下記数3で求める
ことができ、フレーム31の押上力Fdは下記数4で求
めることができる。
【0046】
【数3】Fc’=Fa・sinθ・cos(θ−α)
【0047】
【数4】Fd=Fc’・cosα=Fa・sinθ・c
os(θ−α)・cosα
【0048】したがって、圧板50のストロークに対す
る上記リンク機構による押上力Fdの出力特性を求める
と、図3の略直線に近い線a’で示されるようになる。
そして、図5の直線bは、第2弾性手段39の出力特性
を示している。したがって、両者を合成した出力特性
は、略直線に近い線c’で示されるように、ストローク
に応じて荷重が直線的に増大する特性をなす。
【0049】このため、図1に示した実施例の押圧手段
を用いると、投与時間の経過に伴う薬液の流出特性は、
図4に示すように、投与の開始から終了まで、薬液の流
量を略一定させることが可能となる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
第1弾性手段とリンクとからなる押圧手段の出力と、圧
板を直接押圧する第2弾性手段の出力とを合成したと
き、その合成出力が圧板の移動量に対してほぼ一定ある
いは直線的に変化するような特性にすることができ、薬
液バックから流出する薬液の流量をより一定化させるこ
とが可能になる。その結果、例えば末期癌患者に対する
モルヒネなどの投与速度を厳密に管理しなければならな
い薬液の投与も安心して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薬液注入装置に用いられるリンク機構
を利用した押圧手段の原理を模式的に示す説明図であ
る。
【図2】従来の薬液注入装置に用いられるリンク機構を
利用した押圧手段の原理を模式的に示す説明図である。
【図3】本発明の薬液注入装置に用いられる押圧手段の
圧板のストロークに対する出力特性を示す図表である。
【図4】本発明の薬液注入装置を用いた場合の薬液投与
開始からの経過時間と薬液の流速との関係を示す図表で
ある。
【図5】従来の薬液注入装置に用いられる押圧手段の圧
板のストロークに対する出力特性を示す図表である。
【図6】従来の薬液注入装置を用いた場合の薬液投与開
始からの経過時間と薬液の流速との関係を示す図表であ
る。
【図7】本発明の一実施例による薬液注入装置を分解し
て示す側面断面図である。
【図8】同薬液注入装置を分解して示す正面断面図であ
る。
【図9】同薬液注入装置における圧板の押圧手段を示す
部分断面図である。
【図10】同薬液注入装置における圧板の押圧手段を示
す平面図である。
【図11】同薬液注入装置の収納容器のロック機構を示
す説明図である。
【図12】同薬液注入装置の収納容器の外観を示す斜視
図である。
【図13】同薬液注入装置の薬液バックへ注入針を挿入
した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 薬液注入装置 20 収納容器本体 30 押圧手段 31 フレーム 32 支持部材 33 支軸 34 リンク 35 ガイド溝 35a,35b 端部 35c 傾斜部 36 支軸 37 歯 38 第1弾性手段 39 第2弾性手段 50 圧板 60 薬液バック 70 蓋体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薬液バックを着脱可能に収納する収納容
    器と、この収納容器内に配置された圧板と、この圧板を
    介して前記薬液バックを押圧する押圧手段とを備え、前
    記薬液バックに接続されるチューブを通して薬液を投与
    する薬液注入装置において、 前記押圧手段は、前記圧板と前記収納容器内壁との間に
    傾動可能に配設されたリンクと、このリンクの前記圧板
    に対する角度を大きくするように付勢する第1弾性手段
    と、前記圧板を前記薬液バックに向けて直接押圧する第
    2弾性手段とで構成されており、 前記リンクは、その一端を前記収納容器内壁に枢支さ
    れ、その他端を前記圧板に形成したガイド溝に摺動可能
    に支持されており、このガイド溝の途中が前記圧板に対
    して斜めに傾斜していることを特徴とする薬液注入装
    置。
  2. 【請求項2】 前記ガイド溝は、その両端が前記圧板と
    ほぼ平行で、その途中に傾斜部が設けられ、その傾斜部
    の傾斜は、両端が緩やかで中央が急激になっている請求
    項1記載の薬液注入装置。
  3. 【請求項3】 前記リンクは、少なくとも一対のものか
    らなり、一対のリンクの一端は、互いに近接させて前記
    収納容器内壁に枢支され、一対のリンクの他端は、互い
    に開いて前記圧板の両端部に設けた前記ガイド溝に摺動
    可能に支持されており、前記一対のリンクの一端には互
    いの回転を伝達し合う回動同期手段が設けられている請
    求項1又は2記載の薬液注入装置。
  4. 【請求項4】 前記薬液バック中の薬液を流出させるの
    に必要な圧板のストロークの過程で、前記第1弾性手段
    及び前記リンクによる押圧力の増大量が、前記第2弾性
    手段による押圧力の減少量よりも大きくなり、両者合計
    の押圧力が次第に高くなるように設定されている請求項
    1〜3のいずれか1つに記載の薬液注入装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010003291A1 (zh) * 2008-07-11 2010-01-14 Lin Ronghua 一种自动输液装置

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