JPH09248318A - 電動車椅子 - Google Patents

電動車椅子

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JPH09248318A
JPH09248318A JP8059730A JP5973096A JPH09248318A JP H09248318 A JPH09248318 A JP H09248318A JP 8059730 A JP8059730 A JP 8059730A JP 5973096 A JP5973096 A JP 5973096A JP H09248318 A JPH09248318 A JP H09248318A
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Hiroshi Tanaka
弘志 田中
Kaoru Hatanaka
薫 畑中
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 目的は補助力の減衰の変化量が設定値以上に
ならないように制御して滑らかな走行ができる電動車椅
子を提供することにある。 【解決手段】 右主輪回転速度センサ103と、左主輪
回転速度センサ106と、右手動トルクセンサ11R
と、左手動トルクセンサ11Lと、ホールド処理機能を
有する電動機制御手段102と、右電動機駆動手段11
5と、左電動機駆動手段116と、右電動機117と、
左電動機118とを備えた電動車椅子1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は手動による操作力に
補助力を付加する電動機を有する電動車椅子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電動車椅子において、乗る人の手
で車椅子を操作するためのハンドリングが付設された主
輪を持ち、ハンドリングに加わった操作力の方向と大き
さを検出し、所定値を超えた操作力に応じて主輪に補助
力を付加する電動機と、この電動機を駆動制御する駆動
制御手段をそれぞれ左右一対に備えた電動車椅子は知ら
れている。
【0003】図5に電動車椅子の全体ブロック構成図を
示す。図17に従来の電動車椅子の制御信号処理手段の
要部ブロック構成図を示す。図5において、電動車椅子
1は、右主輪回転速度センサ103、左主輪回転速度セ
ンサ106、右手動トルクセンサ11R、左手動トルク
センサ11L、電動機制御手段102、右電動機駆動手
段115、左電動機駆動手段116、右電動機117、
左電動機118から構成される。
【0004】電動機制御手段102は、回転方向判別手
段(107、112)、車速演算手段(108、11
1)、A/D変換器(109、110)、右制御信号処
理手段120、左制御信号処理手段121、右駆動制御
手段113、左駆動制御手段114を備える。制御手段
102はマイクロコンピュータ(以下マイコンと略記)
等を備え、ここで行う各種の演算および制御はマイコン
を中心にして行う。
【0005】図17において、右制御信号処理手段16
0は手動トルク補正演算手段130、目標信号設定手段
132から構成され、左制御信号処理手段161は手動
トルク補正演算手段131、目標信号設定手段133を
備える。
【0006】右主輪回転速度センサ103は右主輪の回
転速度を検出して右主輪回転速度信号URを回転方向判
別手段107と車速演算手段108とに出力する。
【0007】回転方向判別手段107は右主輪回転速度
信号URから右主輪の回転方向をマイコン等で判別して
右主輪回転方向判別信号DRを右制御信号処理手段12
0に出力する。車速演算手段108は右主輪回転速度セ
ンサ103の右主輪回転速度信号URから車速をマイコ
ン等で演算して右車速信号VRを右制御信号処理手段1
20に出力する。
【0008】右手動トルクセンサ11Rは右主輪に布設
したハンドリングに操作した操作力の大きさと方向を検
出して右手動トルクアナログ信号TPRをA/D変換器1
09に出力する。A/D変換器109は右手動トルクア
ナログ信号TPRをデジタル信号に変換して右手動トルク
信号TRを右制御信号処理手段120に出力する。
【0009】左主輪回転速度センサ106、左手動トル
クセンサ11L、および制御手段102の回転方向判別
手段112、車速演算手段111、A/D変換器110
は上述した右主輪回転速度センサ103、右手動トルク
センサ11R、および制御手段102の回転方向判別手
段107、車速演算手段108、A/D変換器109と
構成および作用が同一なので説明を省略する。
【0010】図17に示すように右制御信号処理手段1
60(=120)は、右主輪回転方向判別信号DR、右
車速信号VR、右手動トルク信号TRと、左車速信号VL
および左手動トルク信号TLに応じた補助力を右の主輪
に付加するための目標信号SRを右駆動制御手段113
に出力し、また左制御信号処理手段161(=121)
は、左主輪回転方向判別信号DL、左車速信号VL、左手
動トルク信号TLと、右車速信号VRおよび右手動トルク
信号TRに応じた補助力を左の主輪に付加するための目
標信号SLを左駆動制御手段114に出力する。
【0011】右駆動制御手段113は目標信号SRに基
づいてパルス幅変調(PWM)の右駆動制御信号PWR
右電動機駆動手段115に出力し、また左駆動制御手段
114は目標信号SLに基づいてパルス幅変調(PW
M)の左駆動制御信号PWLを左電動機駆動手段116に
出力する。
【0012】右電動機駆動手段115は右駆動制御信号
WRに基づいて例えば4つの電界効果トランジスタ(F
ET)で構成するバイポーラ駆動回路で右電動機117
を駆動し、また左電動機駆動手段116は左駆動制御信
号PWLに基づいて例えば4つの電界効果トランジスタ
(FET)で構成するバイポーラ駆動回路で左電動機1
18を駆動する。
【0013】手動トルク補正演算手段130はRAMま
たは書換え可能なROM等のメモリを有し、右手動トル
ク信号TRと、左車速信号VLに応じて左手動トルク信号
Lとの混合の割合を決める図示しない係数KVRを設定
して数1に示す演算を行い、手動トルク補正信号TCR
目標信号設定手段132に出力する。係数KVRは左車速
信号VLに応じ、低車速領域では小さな値に設定され、
高車速領域では大きな値に設定される。ただし、係数K
VRは1以下とする。
【0014】
【数1】TCR=(TR+KVR×TL)/(1+KVR
【0015】目標信号設定手段132はRAMまたは書
換え可能なROM等のメモリを備え、メモリには手動ト
ルク補正信号TCRと、右主輪回転方向判断信号DRと、
右車速信号VRとのそれぞれの値に応じた目標信号SR
それぞれの値に応じた番地に記憶されていて、手動トル
ク補正信号TCRと、右主輪回転方向判断信号DRと、右
車速信号VRとのそれぞれの値をメモリの読出し番地と
して目標信号SRをメモリより読み出して右駆動制御手
段113に出力する。
【0016】手動トルク補正演算手段131はRAMま
たは書換え可能なROM等のメモリを有し、左手動トル
ク信号TLと、右車速信号VRに応じて右手動トルク信号
Rとの混合の割合を決める図示しない係数KVLを設定
して数2に示す演算を行い、手動トルク補正信号TCL
目標信号設定手段133に出力する。係数KVLは左車速
信号VRに応じ、低車速領域では小さな値に設定され、
高車速領域では大きな値に設定される。ただし、係数K
VLは1以下とする。
【0017】
【数2】TCL=(TL+KVL×TR)/(1+KVL
【0018】目標信号設定手段133はRAMまたは書
換え可能なROM等のメモリを備え、メモリには手動ト
ルク補正信号TCLと、左主輪回転方向判断信号DLと、
左車速信号VLとのそれぞれの値に応じた目標信号SL
それぞれの値に応じた番地に記憶されていて、手動トル
ク補正信号TCLと、左主輪回転方向判断信号DLと、左
車速信号VLとのそれぞれの値をメモリの読出し番地と
して目標信号SLをメモリより読み出して左駆動制御手
段114に出力する。
【0019】図18に車速信号V(VLW,VMD,VHI
をパラメータとした手動トルク信号(T)―目標信号
(TM)特性図(テーブル1)を示す。図18におい
て、車速信号VのVLW,VMDおよびVHIはそれぞれ低車
速領域、中車速領域および高車速領域を示し、手動トル
ク信号Tが同じであっても、車速信号Vが増加(VLW
MD→VHI)するに伴い、目標信号TMは減少するよう
予め設定されている。また、小さな操作力に電動機が追
従して電動車椅子の車両の直進安定性を損なうことのな
いよう所定値以下の手動トルク信号Tに対する目標信号
Mを零とする不感帯を設けてある。
【0020】このように、電動車椅子の制御信号処理手
段は、左車速信号VLに応じた係数KVRと、右車速信号
Rに応じた係数KVLを設定し、低車速領域では係数を
小さくして電動車椅子の回転性を維持し、且つ車速の上
昇とともに手動による左右のハンドリングに加える操作
力のタイミングがずれやすい高車速領域では係数を大き
くしてバランスのとれた補助力を付加し、また低車速領
域(VLW)では手動トルク信号Tに対して大きな補助力
が得られるよう大きな目標信号TMを出力し、一方、高
車速領域(VHI)では手動トルク信号Tに対して補助力
を抑えるように小さな目標信号TMを出力して車両の直
進安定性が得られるよう構成されている。
【0021】また、特開平7−136218号公報に片
腕が全く利かない身障者であっても使用することができ
る電動車椅子が開示されている。この電動車椅子は、車
輪に補助力を付加する補助動力装置を備え、一方の車輪
に加えられる人力による操作力を検出し、或は人力によ
る操作力が加えられる車輪の回転を検出して車椅子が直
進するようにその操作力の大きさ、或は車輪の回転に応
じた補助力を他方の、または左右の両車輪に付加するこ
とにより、片腕が全く利かない身障者であっても電動車
椅子を使用することができるとしている。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】乗員の手によってハン
ドリングに加える操作力は一定の連続量ではなく、加速
するための操作力をハンドリングに作用させ、作用させ
終わった後、一旦ハンドリングへの操作力が零になり、
再び加速するための操作力をハンドリングに作用させる
という具合に一般にはパルス的な不連続量である。ハン
ドリングに加えられるパルス的な不連続量である操作力
を手動トルクセンサで検出した手動トルク信号Tは、パ
ルス的な不連続信号となり、電動機による補助力もパル
ス的で不連続となる。
【0023】図19は、パルス的な不連続量である手動
トルク信号Tの波形と従来の電動車椅子における手動ト
ルク信号Tに基づいて電動機による補助力の大きさと方
向を決める目標信号TMの波形とそれぞれの関係を示し
たものである。
【0024】図19に示すように、手動トルク信号Tは
零より立上がり、これに応じて手動トルク信号Tの波形
と略相似形をした目標信号TMも零より立上がり、手動
トルク信号Tとこの目標信号TMに応じた補助力とによ
って車椅子は徐々に加速され、やがてほぼ一定の補助力
に達してこの状態をある期間保ち、車椅子を加速する。
次に手動トルク信号Tは急激に減衰(立下がり)して零
になり、これに応じて目標信号TMも急激に減衰(立下
がり)して零になり、この目標信号TMに応じた補助力
も急激に減衰(立下がり)して零になる。
【0025】このように従来の電動車椅子はハンドリン
グに加える操作力が無くなると直に補助力が無くなるた
め車椅子の走行に滑らかなさが無いという課題がある。
【0026】この発明はこのような課題を解決するため
になされたもので、その目的は補助力の減衰の変化量が
設定値以上にならないように制御して滑らかな走行がで
きる電動車椅子を提供することにある。また、手動トル
クセンサからの手動トルク信号を予測処理して手動トル
ク信号に混入するノイズ等による補助力への悪影響を軽
減して操作感覚の良い電動車椅子を提供することにあ
る。
【0027】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1に係る電動車椅子は、制御信号処理手段に目
標信号設定手段からの目標信号が急激に減少した場合、
目標信号をなだらかに減少させるように、減少する目標
信号を一定時間ホールドして処理をするホールド処理手
段を備えたことを特徴とする。
【0028】このように、電動車椅子の制御信号処理手
段に目標信号設定手段からの目標信号が急激に減少した
場合、目標信号をなだらかに減少させるように、減少す
る目標信号を一定時間ホールドして処理をするホールド
処理手段を備えたので、電動車椅子の走行安定性を向上
させることができる。
【0029】また、請求項2に係る電動車椅子は、制御
信号処理手段に閾値を設定する閾値設定手段と、この閾
値と目標信号設定手段からの目標信号との大きさを比較
する比較手段と、目標信号設定手段からの目標信号が急
激に減少した場合、目標信号をなだらかに減少させるよ
うに目標信号を処理するためのホールド時間を比較手段
からの信号に基づいて制御するホールド処理手段とを備
えたことを特徴とする。
【0030】このように、電動車椅子の制御信号処理手
段に、閾値を設定する閾値設定手段と、この閾値と目標
信号設定手段からの目標信号との大きさを比較する比較
手段と、目標信号設定手段からの目標信号が急激に減少
した場合、目標信号をなだらかに減少させるように目標
信号を処理するためのホールド時間を比較手段からの信
号に基づいて制御するホールド処理手段とを備えたの
で、電動車椅子の走行安定性をより向上させることがで
きる。
【0031】さらに、請求項3に係る電動車椅子は、制
御信号処理手段に目標信号設定手段からの目標信号が急
激に減少した場合、目標信号をなだらかに減少させるよ
うに、減少する目標信号を処理するためのホールド時間
を主輪回転速度センサからの信号に基づいた値によって
制御するホールド処理手段を備えたことを特徴とする。
【0032】このように、電動車椅子の制御信号処理手
段に、目標信号設定手段からの目標信号が急激に減少し
た場合、目標信号をなだらかに減少させるように、減少
する目標信号を処理するためのホールド時間を主輪回転
速度センサからの信号に基づいた値によって制御するホ
ールド処理手段を備えたので、電動車椅子の走行安定性
をさらに向上させることができる。
【0033】また、請求項4に係る電動車椅子は、制御
信号処理手段に手動トルクセンサからの手動トルク信号
の変化率が所定値を超えた場合、過去の手動トルク信号
から現時点の手動トルク信号を予測し、予測した手動ト
ルク信号で手動トルクセンサから得られた現時点の手動
トルク信号を置換して手動トルク補正演算手段に出力す
る予測処理手段を備えたことを特徴とする。
【0034】このように、電動車椅子の制御信号処理手
段に、手動トルクセンサからの手動トルク信号の変化率
が所定値を超えた場合、過去の手動トルク信号から現時
点の手動トルク信号を予測し、予測した手動トルク信号
で手動トルクセンサから得られた現時点の手動トルク信
号を置換して手動トルク補正演算手段に出力する予測処
理手段を備えたので、電動車椅子の走行安定性をなお一
層良くすることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基
づいて以下に説明する。なお、図1から図4は符号の向
きに見るものとする。図1は本発明に係る電動車椅子の
正面図であり、電動車椅子1(以下「車椅子1」と略記
する)は、ステップ2を含む車体フレーム3に、左右の
前部補助輪4,4及び左右の主輪5,5を回転自在に取
付け、主輪5,5にハンドリング6,6を付設したもの
で、外観は普通の手動式車椅子と同形であるが、電動の
ためのモータを主輪5,5に内蔵(詳細は後述)し、バ
ッテリ8、制御部9及びトルクセンサ11,11を備え
た点が相違する。
【0036】図2は本発明に係る車椅子の側面図であ
り、乗員Mは車体フレーム3に取付けたシート(図示せ
ず)に座り、ステップ2に足を載せた状態で、手でハン
ドリング6を操作することができる。主輪5はハブ5a
とスポーク5bとタイヤリム5cとタイヤ5dとからな
る。
【0037】前部補助輪4はいわゆる自在輪であり、車
体フレーム3のサブフレーム3aに取付けたブロック4
aと、このブロック4aに縦軸廻りに揺動可能に取付け
た揺動アーム4bと、この揺動アーム4bに軸支した補
助輪4cとからなり、車椅子の前進方向に応じて揺動
し、方向変換を円滑にする。ブロック4aをサブフレー
ム3aに沿って位置を変更することもできる。図示せぬ
シートの可能にバッテリ8及び制御部9が取付けれてい
ることをも示す。
【0038】図3は本発明に係るトルク検出機構の原理
図であり、トルク検出機構20は、タイヤリム5cに8
本のスプリング21で吊ったハンドリング6と、このハ
ンドリング6に一端が係止され、他端が車輪中央に伸び
たワイヤ22,22と、このワイヤを中継するタイヤリ
ム5c側の中継プーリ23,23と、前記トルクセンサ
11(図1参照)にワイヤ22,22の引き力を伝達す
る伝動部材(後述)と、トルクセンサ11とからなる。
【0039】先に図3の作用を説明すると、スプリング
21でニュートラル状態にあるハンドリング6を時計廻
りに強制回動(矢印)すると、ワイヤ22,22が引
かれる(矢印)。ワイヤ22,22が引かれる度合
はハンドリング6を廻す力(トルク)が強いほど大きく
なる。
【0040】図4は本発明に係る主輪のハブの拡大断面
図であり、ワイヤ22の他端とトルクセンサ11とを繋
ぐ伝動部材を説明すると、この伝動部材は、ベアリング
31のアウタレース32に形成した鍔33,33と、ベ
アリング31のインナレース34にナット35にて一端
を係止したロッド36とからなり、ロッド36は回転せ
ず、前記鍔33,33がワイヤ22,22とともに回転
する。ワイヤ22を引くことにより、ロッド36が引か
れ、トリクセンサ11がその度合を検出する。なお、ト
ルクセンサ11は車体フレーム側のボス41にナット4
2、ブラケット43及びビス44にて固定する。
【0041】次にハブに内蔵したモータ及び2段遊星減
速機構の説明をする。モータ50は、ホイルインモータ
と称するものであり、前記ボス41及びこのボス41に
一体的に取付けたチューブ45に固定したモータハウジ
ング51と、このモータハウジング51に取付けたコイ
ル52と、このコイル52を取り囲むマグネット53
と、これらのマグネット53を支えるロータ54とから
なる。詳しくは、ロータ54はマグネット53を直接支
えるカップ54aとこのカップ54aを支えるシリンダ
54bとからなる。
【0042】前記シリンダ54bの一端に刻設した第1
サンギヤ61と、前記ハウジング51の一端部に刻設し
た第1インナギヤ62と、これら第1サンギヤ61と第
1インナギヤ62とに噛合する第1プラネタリギヤ63
と、この第1プラネタリギヤ63から延びる第1キャリ
ア64とで第1遊星減速機構60を構成し、第1キャリ
ア64の一端に刻設した第2サンギヤ71と、前記ハウ
ジング51の一端部に刻設した第2インナギヤ72と、
これら第2サンギヤ71と第2インナギヤ72とに噛合
する第2プラネタリギヤ73と、この第2プラネタリギ
ヤ73から延びる第2キャリア(ハブ5aと兼用)とで
第2遊星減速機構70を構成する。第1・第2遊星減速
機構60,70で数百〜数千分の一に減速することによ
り、モータの高回転を走行に適した低回転に変換する。
【0043】図5は電動車椅子の全体ブロック構成図で
ある。図5に示した電動車椅子1は、電動車椅子の基本
ブロック構成図であり、本発明は図5に示す電動車椅子
1の全体ブロック構成図において、右制御信号処理手段
120と、左制御信号処理手段121との構成および作
用にある。図5において、右制御信号処理手段120と
左制御信号処理手段121以外のブロックの構成および
作用は従来例として説明したので、ここでは説明を省略
する。
【0044】また、本発明に係る実施の形態例として図
6と図8と図10と図12とに示す左右の制御信号処理
手段は構成および作用が同一なので、以下右制御信号処
理手段の構成および作用の説明を行い、左制御信号処理
手段の説明は省略する。また、本発明に係る実施の形態
例として図6と図8と図10と図12とに示す制御信号
処理手段を構成する手動トルク補正演算手段(130,
131)および目標信号設定手段(132,133)
は、従来例として図17に示した手動トルク補正演算手
段(130,131)および目標信号設定手段(13
2,133)と構成および作用が同一なので、以下図6
と図8と図10と図12とに示す手動トルク補正演算手
段および目標信号設定手段の説明を省略する。
【0045】制御手段102はマイクロコンピュータ
(以下マイコンと略記)等を備え、本発明に係る右制御
信号処理手段120と左制御信号処理手段121で行う
各種の演算および制御はこのマイコンを中心にして行
う。
【0046】図6は請求項1に係る電動車椅子の制御信
号処理手段の要部ブロック構成図である。図6におい
て、右制御信号処理手段122は、手動トルク補正演算
手段130と、目標信号設定手段132と、ホールド処
理手段134とから構成する。
【0047】目標信号設定手段132は手動トルク補正
信号TCRと、右主輪回転方向判断信号DRと、右車速信
号VRとのそれぞれの値に応じた目標信号TMRをホール
ド処理手段134に出力する。ホールド処理手段134
は目標信号TMRが急激に減少した場合、目標信号TMR
なだらかに減少させるように、減少する目標信号を一定
時間ホールドして所定の減衰特性になるように処理をし
て電動機による補助力の大きさと方向を決める補正目標
信号TMHRを右駆動制御手段113に出力する。
【0048】図7は請求項1に係る電動車椅子の制御信
号処理手段の動作説明図である。図7は、パルス的な不
連続量である手動トルク信号T(TR)の波形(特性)
と、目標信号設定手段132からホールド処理手段13
4に出力される目標信号TM(TMR)の波形(特性)
と、ホールド処理手段134から右駆動制御手段113
に出力される補正目標信号TMHRの波形(特性)と、そ
れぞれの関係を示したものである。
【0049】図7に示すように、手動トルク信号Tは零
より立上がり、やがてほぼ一定の振幅値に達してこの状
態をある期間保持してから急激に減少(立下がり)して
零になる。目標信号TMの波形は手動トルク信号Tの波
形と略相似形であり、手動トルク信号Tがある振幅値か
ら急激に減少して零になると目標信号TMもある振幅値
から急激に減少して零になる。
【0050】図7において、目標信号TMの急激な立下
がり部分では、現時点t0の目標信号TMの振幅値をTM
(t0)、現時点(t0)より所定時間Δt前の目標信号
Mの振幅値をTM(t-1)、許容目標信号変化量をΔT
とすると、ホールド処理手段134はD={TM(t0
−TM(t-1)}を行いD<−ΔTの場合、所定時間Δ
t間で目標信号TMの減衰量を許容目標信号変化量ΔT
として補正して図7に示すようになだらかに減衰する補
正目標信号TMHを右駆動制御手段113に出力する。
【0051】図8は請求項1に係る電動車椅子のホール
ド処理手段の動作を示す流れ図である。図8において、
現時点t0の目標信号TMの振幅値をTM(t0)、補正目
標信号TMHの振幅値をTMH(t0)とする。現時点
(t0)より所定時間Δt前の目標信号TMの振幅値をT
M(t-1)、補正目標信号TMHの振幅値をTMH(t-1
とし、許容振幅変化の所定値をΔTとする。
【0052】ステップP1は主輪に補助力を付加する電
動機が稼働状態か否かを判断する。ステップP1で電動
機が稼働状態(YES)と判断されればステップP2の
処理へ進み、カウンタの値Cを零にセットする。ステッ
プP3はカウンタの値Cが零であるか否かを判断する。
【0053】ステップP3でカウンタの値Cが零である
(YES)と判断されればステップP4Aに、否(N
O)と判断されればステップP4Bに進む。ステップP
4Aは現時点t0の目標信号TM(t0)の絶対値と前時
点t-1の目標信号TM(t-1)の絶対値との差分演算を
行い、その差分値D1を求める。ステップP5は現時点
0の目標信号TM(t0)と前時点t-1の目標信号T
M(t-1)との差分演算を行い、その差分値D2を求め
る。
【0054】ステップP6は差分値D1の絶対値と差分
値D2の絶対値とが等しいか否かを判断する。ステップ
P6で差分値D1の絶対値と差分値D2の絶対値とが等し
い(YES)と判断されればステップP7に進み、否
(NO)と判断されればステップP13に進む。
【0055】ステップP7は差分値D1が許容振幅変化
の許容目標信号変化量ΔTの(−ΔT)より小さいか否
かを判断する。ステップP7で差分値D1が所定値(−
ΔT)より小さい(YES)と判断されればステップP
8に進み、否(NO)と判断されればステップP13に
進む。
【0056】ステップP8は前時点(t-1)の目標信号
M(t-1)が零より大きいか否かを判断する。ステッ
プP8で前時点(t-1)の目標信号TM(t-1)が零よ
り大きい(YES)と判断されればステップP9Aに進
み、否(NO)と判断されればステップP12に進む。
【0057】ステップP9Aは前時点(t-1)の目標信
号TM(t-1)から許容目標信号変化量ΔTを引く演算
をして求めた値を現時点t0の補正目標信号TMH(t0
とする処理を行う。ステップP12は前時点(t-1)の
目標信号TM(t-1)が零より小さいか否かを判断す
る。ステップP12で前時点(t-1)の目標信号T
M(t-1)が零より小さい(YES)と判断されればス
テップP9Bに進み、否(NO)と判断されればステッ
プP13に進む。
【0058】9Bは前時点(t-1)の目標信号TM(t
-1)に許容目標信号変化量ΔTを加える演算をして求め
た値を現時点t0の補正目標信号TMH(t0)とする処理
を行う。ステップP10は現時点t0の目標信号TM(t
0)を前時点t-1の目標信号TM(t-1)とする処理を行
い、また現時点t0の補正目標信号TMH(t0)を前時点
-1の補正目標信号TMH(t-1)とする処理を行う。ス
テップP11はカウンタの値Cを1にセットする。
【0059】ステップP13は現時点t0の目標信号TM
(t0)を現時点t0の補正目標信号TMH(t0)とする
処理を行う。ステップP14はステップP10と同様に
現時点t0の目標信号TM(t0)を前時点t-1の目標信
号TM(t-1)とする処理を行い、また現時点t0の補正
目標信号TMH(t0)を前時点t-1の補正目標信号TMH
(t-1)とする処理を行う。ステップP15はステップ
P11と同様にカウンタの値Cを1にセットする。
【0060】ステップP16は電動機が稼働状態ではな
いか、否かを判断する。ステップP16で電動機が稼働
状態ではない(YES)と判断されれば、以上の一連の
動作を終了し、否(NO)と判断すれば、ステップP3
に戻る。ただし、この流れ図において、立ち始めの時の
目標信号TM(t-1)は目標信号TM(t0)に等しいと
し、補正目標信号TMH(t-1)は補正目標信号TMH(t
0)に等しいとする。
【0061】このように、電動車椅子の目標信号設定手
段からの目標信号が急激に零に収束した場合、目標信号
をなだらかに零に収束させるように、変化する目標信号
を一定時間ホールドして処理をするホールド処理手段を
制御信号処理手段に備えたので、電動車椅子の走行安定
性を向上させることができる。
【0062】図9は請求項2に係る電動車椅子の制御信
号処理手段の要部ブロック構成図である。図9におい
て、右制御信号処理手段124は、手動トルク補正演算
手段130と、目標信号設定手段132と、ホールド処
理手段140と、閾値設定手段136と、比較手段13
8とから構成する。
【0063】目標信号設定手段132は手動トルク補正
信号TCRと、右主輪回転方向判断信号DRと、右車速信
号VRとのそれぞれの値に応じた目標信号TMRをホール
ド処理手段140に出力する。目標信号TMRが急激に減
少した場合は、閾値設定手段136によって設定した閾
値TKと目標信号TMRとの大小を比較手段138で比較
してホールド処理手段140に比較信号JTRを出力し
て、減少する目標信号をなだらかに減少させるように処
理するためのホールド時間を制御する。
【0064】ホールド処理手段140は減少する目標信
号を所定の減衰特性になるように処理をして電動機によ
る補助力の大きさと方向を決める補正目標信号TMHR
右駆動制御手段113に出力する。
【0065】図10は請求項2に係る電動車椅子の制御
信号処理手段の動作説明図である。図10において、目
標信号設定手段132からホールド処理手段140に出
力されるパルス的な不連続量である目標信号T
M(TMR)の波形(特性)と、ホールド処理手段140
から右駆動制御手段113に出力される補正目標信号T
MH(TMHR)の波形(特性)と、それぞれの関係を示し
たものである。
【0066】図10に示すように、目標信号TMは零よ
り立上がり、やがてほぼ一定の振幅値に達してこの状態
をある期間保持してから急激に減少(立下がり)して零
になる。
【0067】目標信号TMの波形は手動トルク信号Tの
波形と略相似形であり、手動トルク信号Tがある振幅値
から急激に減少して零になると目標信号TMもある振幅
値から急激に減少して零になる。
【0068】図10において、目標信号TMの急激な立
下がり部分では、現時点t0の目標信号TMの振幅値をT
M(t0)、補正目標信号TMHの振幅値をTMH(t0)と
し、現時点(t0)より所定時間{Δt(H),Δt
(L)}前の目標信号TMの振幅値をTM(t-1)、補正
目標信号TMHの振幅値をTMH(t-1)とし、目標信号T
Mの閾値をTK、許容振幅変化の所定値をΔTとする。
【0069】ホールド処理手段134はD={T
M(t0)−TM(t-1)}を行いD<−ΔTの場合であ
ってTM(t0)>TKの場合、所定時間Δt(H)間で
目標信号TMの減衰量を許容目標信号変化量ΔTとして
補正して図10に示すようになだらかに減衰する補正目
標信号TMHを右駆動制御手段113に出力すし、D<−
ΔTの場合であってTM(t0)<TKの場合、所定時間
Δt(L)間で目標信号TMの減衰量を許容目標信号変
化量ΔTとして補正して図10に示すように、さらにな
だらかに減衰する補正目標信号TMHを右駆動制御手段1
13に出力する。
【0070】図11は請求項2に係る電動車椅子のホー
ルド処理手段の動作を示す流れ図である。図11は図8
の流れ図のステップ2とステップ3の間にステップ2−
1とステップ2−2とステップ2−3とが挿入されてお
り、ここではこれら挿入されたステップ2−1とステッ
プ2−2とステップ2−3の説明のみを行い、その他は
図8の流れ図と同じなので説明を省略する。
【0071】図11において、ステップP2−1は目標
信号TM(t-1)の絶対値が閾値TKの絶対値より大きい
か否かを判断する。ステップP2−1で目標信号T
M(t-1)の絶対値が閾値TKの絶対値より大きい(YE
S)と判断されればステップP2−2に進み、否(N
O)と判断されればステップP2−3に進む。
【0072】ステップP2−2は所定時間ΔtをΔt
(H)とし、ステップP2−2は所定時間ΔtをΔt
(L)とする。ただし、この流れ図において、図8に示
す流れ図と同様に立ち始めの時の目標信号TM(t-1
は目標信号TM(t0)に等しいとし、補正目標信号TMH
(t-1)は補正目標信号TMH(t0)に等しいとする。
【0073】このように、電動車椅子の目標信号設定手
段からの目標信号が急激に零に収束した場合、目標信号
をなだらかに零に収束させるように、変化する目標信号
を一定時間ホールドして処理をするホールド処理手段
と、閾値を設定する閾値設定手段と、この閾値と目標信
号との大きさを比較して、ホールド処理手段でのホール
ド処理時間を制御する信号をホールド処理手段に出力す
る比較手段とを制御信号処理手段に備えたので、電動車
椅子の走行安定性をより向上させることができる。
【0074】図12は請求項3に係る電動車椅子の制御
信号処理手段の要部ブロック構成図である。図12にお
いて、右制御信号処理手段126は、手動トルク補正演
算手段130と、目標信号設定手段132と、ホールド
処理手段142とから構成する。
【0075】目標信号設定手段132は手動トルク補正
信号TCRと、右主輪回転方向判断信号DRと、右車速信
号VRとのそれぞれの値に応じた目標信号TMRをホール
ド処理手段142に出力する。ホールド処理手段142
は目標信号TMRが急激に零に収束した場合、零に収束す
る目標信号をホールドし、ホールド時間を右車速信号V
Rに基づいて制御して急激に零に収束する目標信号TMR
をなだらかに零に収束するようにホールド処理を行い、
これを電動機による補助力の大きさと方向を決める補正
目標信号TMHRとして右駆動制御手段113に出力す
る。
【0076】図13は請求項3に係るホールド処理手段
の車速(V)−ホールド時間(△t)特性図である。図
13において、車速Vに対するホールド時間△t特性
は、ある車速V(VR)に達するまでホールド時間△t
が零の不感帯を設け、車速Vが増加して不感帯を過ぎる
と車速Vの増加に伴ってホールド時間△tが増加し、ま
たある車速Vに達してそれ以上の車速Vに対してホール
ド時間△tが一定値となる。
【0077】このように、電動車椅子の制御信号処理手
段に、目標信号設定手段からの目標信号が急激に零に収
束した場合、目標信号をなだらかに零に収束させるよう
に、零に収束する目標信号を処理するためのホールド時
間を図13に示すように車速信号に基づいた値によって
制御するホールド処理手段を備えたので、電動車椅子の
走行安定性をさらに向上させることができる。
【0078】図14は請求項4に係る電動車椅子の制御
信号処理手段の要部ブロック構成図である。図14にお
いて、右制御信号処理手段128は、手動トルク補正演
算手段130と、目標信号設定手段132と、ホールド
処理手段140と、閾値設定手段136と、比較手段1
38と、予測処理手段144とから構成する。
【0079】手動トルク補正演算手段130と、目標信
号設定手段132と、ホールド処理手段140と、閾値
設定手段136と、比較手段138とは、図9に示した
請求項2に係る電動車椅子の制御信号処理手段の要部ブ
ロック構成図における手動トルク補正演算手段130
と、目標信号設定手段132と、ホールド処理手段14
0と、閾値設定手段136と、比較手段138と、構成
および作用が同一なのでここでの説明は省略する。
【0080】予測処理手段144は、右手動トルク信号
Rの変化率が所定値を超えた場合、過去の右手動トル
ク信号TRから現時点の右手動トルク信号TRを予測し、
予測した右手動トルク信号TRで右手動トルクセンサ1
1Rから得られた現時点の右手動トルク信号TRを置換
することによって右手動トルク信号TRに混入して電動
車椅子の走行安定性を損ねる恐れのある外乱を除去す
る。
【0081】図15は手動トルク信号と外乱の模式図で
ある。図15において、手動トルク信号T(TR)は実
線で示し、外乱TNは破線で示した。
【0082】図16は請求項4に係る予測処理手段の動
作原理を説明するための手動トルク信号Tと外乱TN
模式図である。現時点(t=t0)の手動トルク信号T
の振幅値をT(t0)、(t=t-1)時の手動トルク信
号Tの振幅値をT(t-1)、(t=t-2)時の手動トル
ク信号Tの振幅値をT(t-2)、さらに(t=t-3)時
の手動トルク信号Tの振幅値をT(t-3)とし、許容手
動トルク変化量を△TPとする。
【0083】図16において、手動トルク信号T
(t-2)は手動トルク信号T(t-3)より△T2(△T2
<△TP)だけ増加し、さらに手動トルク信号T
(t-1)は手動トルク信号T(t-2)より△T1(△T2
<△T1<△TP)だけ増加しており、二次関数的に単調
増加する手動トルク信号T(t)の一例を示した。
【0084】現時点(t=t0)のTNH、またはTNL
手動トルク信号T(t-1)からの増加分が許容手動トル
ク変化量△TPを超えており、このTNH、またはTNL
外乱とみなし、手動トルク信号T(t-3)、手動トルク
信号T(t-2)および手動トルク信号T(t-1)から下
記に示す演算によって予測された予測手動トルク信号T
(t0)で置換される。手動トルク信号T(t)を数3
に示す二次方程式で表わす。
【0085】
【数3】T(t)=At2+Bt+C
【0086】数3の定数A,B,Cは既知の値である手
動トルク信号T(t-1),T(t-2),T(t-3)より
決まる。手動トルク信号T(t-1),T(t-2),T
(t-3)は数4のように表わすことができる。
【0087】
【数4】T(t-1)=A(t-12+Bt-1+C T(t-2)=A(t-22+Bt-2+C T(t-3)=A(t-32+Bt-3+C
【0088】よって、現時点(t=t0)の予測手動ト
ルク信号T(t0)は数5によって予測することができ
る。
【0089】
【数5】T(t0)=A(t02+Bt0+C
【0090】尚、本実施の形態では予測手動トルク信号
T(t0)は二次方程式を用いたがN次方程式による予
測でも良い。
【0091】このように、電動車椅子の制御信号処理手
段に、手動トルクセンサからの手動トルク信号の変化率
が所定値を超えた場合、手動トルク信号に外乱の混入あ
りとみなし、過去の手動トルク信号から現時点の手動ト
ルク信号を予測した予測手動トルク信号で手動トルクセ
ンサから得られた現時点の手動トルク信号を置換して手
動トルク信号に混入した電動車椅子の走行安定性を損ね
る恐れのある外乱を除去した予測手動トルク信号を手動
トルク補正演算手段に出力する予測処理手段を備えたの
で、電動車椅子の走行安定性をなお一層良くすることが
できる。
【0092】なお、上記実施形態は本発明の一実施例で
あり、本発明は上記実施形態に限定されるものではな
い。
【0093】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1に係る電動車椅子は、電動車椅子の制御
信号処理手段に目標信号設定手段からの目標信号が急激
に零に収束した場合、目標信号をなだらかに零に収束さ
せるように、変化する目標信号を一定時間ホールドして
処理をするホールド処理手段を制御信号処理手段に備
え、電動車椅子の走行安定性を向上させることができる
ので、安全性の高い、しかも手動走行性の良い電動車椅
子を提供することができる。
【0094】また、請求項2に係る電動車椅子は、制御
信号処理手段に、目標信号設定手段からの目標信号が急
激に零に収束した場合、目標信号をなだらかに零に収束
させるように、変化する目標信号を一定時間ホールドし
て処理をするホールド処理手段と、閾値を設定する閾値
設定手段と、この閾値と目標信号との大きさを比較し
て、ホールド処理手段でのホールド処理時間を制御する
信号をホールド処理手段に出力する比較手段とを制御信
号処理手段に備え、電動車椅子の走行安定性をより向上
させることができるので、安全性の高い、しかも手動走
行性のより良い電動車椅子を提供することができる。
【0095】さらに、請求項3に係る電動車椅子は、制
御信号処理手段に目標信号設定手段からの目標信号が急
激に零に収束した場合、目標信号をなだらかに零に収束
させるように、零に収束する目標信号を処理するための
ホールド時間を主輪回転速度センサからの信号に基づい
た値によって制御するホールド処理手段を備え、電動車
椅子の走行安定性をさらに向上させることができるの
で、安全性の高い、しかも手動走行性のさらに良い電動
車椅子を提供することができる。
【0096】また、請求項4に係る電動車椅子は、制御
信号処理手段に、手動トルクセンサからの手動トルク信
号の変化率が所定値を超えた場合、手動トルク信号に外
乱の混入ありとみなし、過去の手動トルク信号から現時
点の手動トルク信号を予測した予測手動トルク信号で手
動トルクセンサから得られた現時点の手動トルク信号を
置換して手動トルク信号に混入した電動車椅子の走行安
定性を損ねる恐れのある外乱を除去した予測手動トルク
信号を手動トルク補正演算手段に出力する予測処理手段
を備え、電動車椅子の走行安定性をなお一層良くするこ
とができるので、安全性の高い、しかも操作感覚の良い
電動車椅子を提供することにある。
【0097】よって、安全性の高い、しかも手動走行性
の良い電動車椅子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電動車椅子の正面図
【図2】本発明に係る車椅子の側面図
【図3】本発明に係るトルク検出機構の原理図
【図4】本発明に係る主輪のハブの拡大断面図
【図5】本発明に係る電動車椅子の全体ブロック構成図
【図6】請求項1に係る電動車椅子の制御信号処理手段
の要部ブロック構成図
【図7】請求項1に係る電動車椅子の制御信号処理手段
の動作説明図
【図8】請求項1に係る電動車椅子のホールド処理手段
の動作を示す流れ図
【図9】請求項2に係る電動車椅子の制御信号処理手段
の要部ブロック構成図
【図10】請求項2に係る電動車椅子の制御信号処理手
段の動作説明図
【図11】請求項2に係る電動車椅子のホールド処理手
段の動作を示す流れ図
【図12】請求項3に係る電動車椅子の制御信号処理手
段の要部ブロック構成図
【図13】請求項3に係るホールド処理手段の車速
(V)−ホールド時間(△t)特性図
【図14】請求項4に係る電動車椅子の制御信号処理手
段の要部ブロック構成図
【図15】手動トルク信号と外乱の模式図
【図16】請求項4に係る予測処理手段の動作原理を説
明するための手動トルク信号Tと外乱TNの模式図
【図17】従来の電動車椅子の制御信号処理手段の要部
ブロック構成図
【図18】車速信号V(VLW,VMD,VHI)をパラメー
タとした手動トルク信号(T)―目標信号(TM)特性
図(テーブル1)
【図19】手動トルク信号Tの波形と従来の電動車椅子
における目標信号TMの波形
【符号の説明】
1…電動車椅子、2…ステップ、3…車体フレーム、3
a…サブフレーム、4…前部補助輪、4a…ブロック、
4b…揺動アーム、4c…補助輪、5…主輪、5a…ハ
ブ、5b…スポーク、5c…タイヤリム、5d…タイ
ヤ、6…ハンドリング、8…バッテリ、11R…右手動
トルクセンサ、11L…左手動トルクセンサ、20…ト
ルク検出機構、21…スプリング、22…ワイヤ、23
…中継プーリ、31…ベアリング、32…アウタレー
ス、33…鍔、34…インナレース、35…ナット、3
6…ロッド、41…ボス、42…ナット、 43…ブラ
ケット、44…ビス、45…チューブ、50…モータ、
51…モータハウジング、52…コイル、53…マグ
ネット、 54…ロータ、54a…カップ、54b…シ
リンダ、60…第1遊星減速機構、61…第1サンギ
ヤ、62…第1インナギヤ、 63…第1プラネタリギ
ヤ、64…第1キャリア、70…第2遊星減速機構、7
1…第2サンギヤ、 72…第2インナギヤ、73…第
2プラネタリギヤ、102…制御手段、103…右主輪
回転速度センサ、106…左主輪回転速度センサ、10
7…回転方向判別手段、108…車速演算手段、109
…A/D変換器、110…A/D変換器、111…車速
演算手段、112…回転方向判別手段、113…右駆動
制御手段、114…左駆動制御手段、115…右電動機
駆動手段、116…左電動機駆動手段、117…右電動
機、118…左電動機、120…右制御信号処理手段、
121…左制御信号処理手段、122…右制御信号処理
手段、123…左制御信号処理手段、124…右制御信
号処理手段、126…右制御信号処理手段、128…右
制御信号処理手段、130,131…手動トルク補正演
算手段、132,133…目標信号設定手段、134,
140,142…ホールド処理手段、135…右係数設
定手段、136…閾値設定手段、137…平均車速演算
手段、138…比較手段、139…右電動機目標信号補
正演算手段、144…予測処理手段、A,B,C…定
数、D1,D2…差分値、DL…左主輪回転方向判別信
号、DR…右主輪回転方向判断信号、FET…電界効果
トランジスタ、JTR…比較信号、M…乗員、TN…外
乱、PDL…左電動機駆動信号、PDR…右電動機駆動信
号、PWL…左動制御信号、PWR…右動制御信号、PWM
…パルス幅変調器、SL…左電動機補正目標信号、SR
右電動機補正目標信号、T,TNH,TNL,TR,T(t
-1),T(t-2),T(t-3)…右手動トルク信号、T
C R…手動トルク補正信号、TK…閾値、TL…左手動トル
ク信号、TM,TMR,TM(t-1),TM(t0)…目標信
号、TMH,TMHR,TMH(t-1),TMH(t0)…補正目
標信号、TN…外乱、T(t0)…予測手動トルク信号、
0…現時点、Δt…所定時間、Δt(H),Δt
(L)…ホールド時間、ΔT…許容目標信号変化量、T
ML…左電動機目標信号、TMR…右電動機目標信号、TPR
…右手動トルクアナログ信号、TR…右手動トルク信
号、△TP…許容手動トルク変化量、△T2…手動トルク
変化量、UR…右輪回転速度信号、V…車速信号、VHI
…高車速領域、VLW…低車速領域、VMD…中車速領域、
L…左車速信号、VR…右車速信号。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体を人力で操作するためのハンドリン
    グを付設した主輪と、この主輪の回転速度を検出する主
    輪回転速度センサと、前記ハンドリングに加える操作力
    を検出する手動トルクセンサと、前記主輪に補助力を付
    加する電動機と、前記電動機を駆動制御する駆動制御手
    段と、この駆動制御手段からの信号によって前記電動機
    を駆動する駆動手段と、をそれぞれ左右一対に備えると
    共に、 左右ある内の一方の前記手動トルクセンサ、他方の前記
    手動トルクセンサおよび他方の前記主輪回転速度センサ
    からの信号に基づいた値によって手動トルクを補正する
    手動トルク補正演算手段と、前記電動機による補助力の
    大きさと方向を決める目標信号を前記主輪回転速度セン
    サおよび前記手動トルク補正演算手段からの信号に基づ
    いた値によって設定する目標信号設定手段と、を有する
    制御信号処理手段をそれぞれ左右一対に備えた電動車椅
    子において、 前記制御信号処理手段は、前記目標信号設定手段からの
    目標信号が急激に減少した場合、目標信号をなだらかに
    減少させるように、減少する目標信号を一定時間ホール
    ドして処理をするホールド処理手段を備えたことを特徴
    とする電動車椅子。
  2. 【請求項2】 前記制御信号処理手段は、閾値を設定す
    る閾値設定手段と、この閾値と前記目標信号設定手段か
    らの目標信号との大きさを比較する比較手段と、前記目
    標信号設定手段からの目標信号が急激に減少した場合、
    目標信号をなだらかに減少させるように、減少する目標
    信号を処理するためのホールド時間を前記比較手段から
    の信号に基づいて制御するホールド処理手段と、を備え
    たことを特徴とする請求項1記載の電動車椅子。
  3. 【請求項3】 前記制御信号処理手段は、前記目標信号
    設定手段からの目標信号が急激に減少した場合、目標信
    号をなだらかに減少させるように、減少する目標信号を
    処理するためのホールド時間を前記主輪回転速度センサ
    からの信号に基づいた値によって制御するホールド処理
    手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の電動車椅
    子。
  4. 【請求項4】 前記制御信号処理手段は、前記手動トル
    クセンサからの手動トルク信号の変化率が所定値を超え
    た場合、過去の手動トルク信号から現時点の手動トルク
    信号を予測し、予測した手動トルク信号で前記手動トル
    クセンサから得られた現時点の手動トルク信号を置換し
    て前記手動トルク補正演算手段に出力する予測処理手段
    を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載
    の電動車椅子。
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JP2001018881A (ja) * 1999-07-06 2001-01-23 Matsushita Electric Ind Co Ltd 補助動力装置付き車輌
US11432977B2 (en) * 2017-06-26 2022-09-06 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Power assist wheelchair, power assist unit for wheelchair, control device for power assist wheelchair, control method for power assist wheelchair, and program

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