JPH0924689A - 水性ボールペン用インキ蒸発及び流出防止体組成物 - Google Patents

水性ボールペン用インキ蒸発及び流出防止体組成物

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JPH0924689A
JPH0924689A JP19700695A JP19700695A JPH0924689A JP H0924689 A JPH0924689 A JP H0924689A JP 19700695 A JP19700695 A JP 19700695A JP 19700695 A JP19700695 A JP 19700695A JP H0924689 A JPH0924689 A JP H0924689A
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JP
Japan
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ink
composition
organic solvent
ballpoint pen
volatile organic
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JP19700695A
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Takako Toda
貴子 戸田
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Tombow Pencil Co Ltd
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Tombow Pencil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 炭化水素類より選ばれた難揮発性有機溶媒或
いは不揮発性有機溶媒を基材とし,これにポリオレフィ
ン系の熱可塑性エラストマーと比重の調整剤として微粒
子無機粉体を配合してなることを特徴とする水性ボール
ペン用インキ蒸発及び流出防止体組成物で,せん断応力
3Hzを与えたとき,複素弾性率G* が1.0 ×103 〜10
×103dyn/cm2であり,比重1以上の組成物。 【効果】 粘度が30〜1500cps である水性ボールペン用
インキのインキ蒸発及び流出防止体組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリエチレン又はポ
リプロピレンよりなる透明又は半透明のインキ収容管を
用いる水性ボールペンにおいて、25℃に於ける粘度が30
〜1500cps であるインキ上部に備えられたインキ蒸発及
び流出防止体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、油性ボールペンと言われるグリコ
ールエーテル系の高沸点有機溶剤或いはベンジルアルコ
ール等を配合した油性インキは、その粘度が数千〜一万
数千cps と高く、かつ溶剤の蒸発が極めて少ないため、
ポリエリレン又はポリプロピレンよりなる透明又は半透
明のインキ収容管にインキを充填し、長期間保存されて
もインキ粘度は変わることなく安定であるため、インキ
上部に蒸発防止剤を必ずしも備える必要がないが、水分
を主成分とする水性ボールペンインキにおいては、イン
キ上部に蒸発防止剤を備えないとインキ中の水分が蒸発
してしまうため、インキ粘度が上昇してしまう等の問題
を生じ筆記不良の原因となる。水性ボールペンインキに
於いてインキ上部にJIS K-2220におけるグリースを備え
筆記におけるインキ流出の流量調整を図ったもの(実開
昭57-134186)、あるいは逆流防止剤としてワセリン、シ
リコングリース、シリコンオイル等更にポリブデンを用
いたもの(実公平3-53902)が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】実際の処、グリースに
おいて筆記におけるインキ流出の流量調整を図る事はボ
ールペンチップの内部寸法、あるいはインキ粘度等の問
題から困難である。逆流防止剤としてワセリン、シリコ
ングリース、シリコンオイル、ポリブデンを用いた場合
ボールペンに落下等の衝撃が加えられた時、あるいは高
温の環境下に置かれた時などインキがパイプ末端より流
出するという問題は解決できるものの、ボールペンの先
端が上向きで筆記使用され、チップ内に空気が入り込ん
だ時に生じるインキ逆流に関しては何等効果を見い出す
ことはできない。更に、シリコーン類あるいはポリブデ
ンを用いるとポリエチレン又はポリプロピンよりなるイ
ンキ収容管の内壁をつたって、前記物質がチップ先端ま
で移動するというインキとの逆転現象が発生し、筆記不
良を引き起こす。また、逆転現象にならない場合でも長
期間水平横置き状態に放置されると、図1に示すような
逆流防止剤の横流れ現象が生じるという課題点がある。
【0004】又、画線機等による早書き時に流出防止組
成物がインキ収容管に付着し、筆記途中で流出防止効果
がなくなってしまうことがある。これを防ぐために、上
記のインキ流出調整を図ったもの(実開昭57-134186)、
あるいは逆流防止剤としてワセリン、シリコングリー
ス、シリコンオイル等、更にポリブデンを用いたもの
に、付着防止剤としてグリセリンジオレート及び/又は
ポリエチレングリコールジイソステアレート (特公平6-
47318)を添加したもの、更にHLB4以下のポリオキシ
エチレン、ポリオキシプロピレン及び、それらの誘導体
から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤 (特開平6-20
0235) を添加したインキが提案されている。しかしなが
ら、これらの逆流防止剤は温度依存性が大きく、低温下
(5℃以下)或いは高温下 (30℃以上) で物性に変化が生
じ、良好な筆記を得ることができない。これを防ぐため
に液状ポリブデン,流動パラフィン等と微粒子シリカを
混合したものに、デキストリン脂肪酸エステルのゲル化
剤とエチレンα−オレイン共重合体を添加したインキ逆
流防止体組成物 (特開平6-336584) が提案されている。
しかし、グリースのパイプへの付着防止と温度依存性の
抑制の両方を兼ね備えたグリースはない。更に、高温下
で長期に保存しておくとインキと反応してインキとの界
面に何らかの析出物が生じる場合がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上述した事情に
鑑みポリエチレン又はポリプロピレンよりなる透明又は
半透明のインキ収容管に於いて25℃における粘土が30〜
1500cps である水性インキを用いたボールペンにおける
インキの水分の蒸発及び流出防止体組成物に関して検討
を重ねた結果、炭化水素類より選ばれた難揮発性有機溶
媒或いは不揮発性有機溶媒を基材とし、これにポリオレ
フィン系の熱可塑性エラストマーと比重の調整剤あるい
は構造粘性付与剤として微粒子シリカを配合してなるも
のが最適であることを見出し、本発明を完成させたもの
である。本発明はポリオレフィン系熱可塑性エラストマ
ーを添加することで、上述した、パイプへの付着、低温
時の筆記、インキとの反応の3点の課題を解決するもの
である。
【0006】本発明で用いるポリオレフィン系熱可塑性
エラストマーとしてはAFFINITY SMー135
0、同SMー1300、同SMー1250、同HMー1
100、同SM8400、同ーFM1570、同ーPL
1840、同PLー1880、同PFー1140、同H
Fー1030、同FWー1650、同PLー1845E
NGAGE EGー8100、同EG8150、同EG
ー8200、同EPー8500(いずれもThe Dow Chem
ical Company) を用いることができる。また汎用のポリ
エチレンあるいはポリプロピレンも処理方法によっては
用いる事が出来る。ポリオレフィン系熱可塑性エラスト
マーは二重結合を含まない鎖状炭化水素できわめて安定
であるとともに、溶媒との親和性が強く、溶媒中に溶解
或いは分散して溶媒物質を三次元的に補捉し、溶媒の移
動を抑制する効果がある。筆記に伴うインキ消費量によ
って生じるパイプと本組成物とのズリ応力が加わると本
組成物はその界面で構造性も消失して流動するが組成物
の内容構造はそのままで変化が無い。更に筆記を中止す
ると組成物は再度三次元化して、元の状態にもどり、溶
媒の移動を防止する。インキ蒸発及び流出防止体組成物
全量に対しては用いる樹脂の種類及び無機物の添加量に
もよるが、0.5 〜15重量%が好ましい。0.5重量%未満
だと複素弾性率が1.0 ×103dyn/cm2以下になり、筆記時
にパイプ壁面への付着が生じ、15重量%以上になると
複素弾性率が高くなりすぎ、インキに追従しなくなり、
筆記不良が生じる。
【0007】本発明で用いる微粒子無機物質はZnO,CaCO
3,MgO,TiO2,Fe2O3,Fe3O4,Al2O3,SiO2,ケイソウ土、ケイ
石粉粘度鉱物などの微粒子であるがこれらは単一で或い
は混合して用いることができる。これらの微粒子は組成
物に対し、粒子凝集力に対応する構造力を付与する一
方、組成物の比重を1以上に保持する目的で添加するも
のである。その結果、前記エラトマーの添加量による組
成物の三次元化と相まって、組成物の構造化が相乗的に
得られる。一方、前述したように外力を加えた時だけ、
組成物がすぐに流動するという効果を損なうことは無
い。添加量は用いる無機物質の比重を考慮して本発明の
組成物の比重が1.0 〜1.2 になるように調整する。
【0008】本発明に用いる有機溶媒は難揮発性有機溶
媒を用いる。これらの溶媒は単一化合物に限定されるも
のではない。これらの溶媒の例としては、流動パラフィ
ン、シリコンオイル、ポリブデン、マシンオイル、切削
オイルなどがあげられる。これらの物質は表面張力が低
くインク収容管パイプであるポリエチレン或いはポリプ
ロピレンを良くぬらす.これらの物質の表面張力は30dyn
・cm-1以下のものが好ましい。この原因はポリエチレ
ン或いはポリプロピレンの固体の臨界表面張力値がそれ
ぞれ約30及び35dyn ・ cm-1であることによる。もし、比
重1以下であると逆転減少が生じる。また1.2 以上であ
るとチップ先端が上向きになった状態で筆記する、いわ
ゆる逆向き筆記時の追従性がよくない。
【0009】
【実施例】次に実施例により本発明を詳細に説明する。 実施例1 ポリブデン(5H)(出光石油化学) 80.0部 AFFINITY FW1650(ダウ・ケミカル) 0.7部 アエロジル Rー972 10.5部 上配合物をヘンシェルミキサーに入れ加熱攪拌を3時間
行い、水性ボールペン用蒸発及び流出防止体組成物を得
た。 実施例2 流動パラフィン(和光純薬) 80.0部 AFFINITY SM1300(ダウ・ケミカル) 3.0部 アエロジル Rー972(日本アエロジル) 10.5部 上配合物をヘンシェルミキサーに入れ加熱攪拌を3〜4
時間行い、水性ボールペン用蒸発及び流出防止体組成物
を得た。 実施例3 ポリブテン(5H) 80.0部 AFFINITY FW1650 3.0部 アエロジル Rー972 13.5部 上配合物を実施例1と同様に処理し、組成物を得た。 実施例4 シリコンオイル(信越化学) 80.0部 ENGAGE EG82100(ダウ・ケミカル) 5.0部 ケイソウ土 セライト281(ジョン・マンビル社) 2.51部 上配合物を実施例1と同様に処理し、組成物を得た。 実施例5 マシンオイル(スパーマチ68)(出光石油化学) 80.0部 AFFINITY FW1650 3.0部 酸化マグネシウム(和光純薬) 10.5部 上配合物を実施例1と同様に処理し、組成物を得た。 比較例1 ポリブテン(5H) 80.0部 AFFINITY FW1650 25.0部 アエロジル Rー972 13.5部 上配合物をヘンシェルミキサーに入れ加熱攪拌を3〜4
時間行い、水性ボールペン用蒸発及び流出防止体組成物
を得た 比較例2 ポリブテン(5H) 80.0部 AFFINITY FW1650 0.1部 アエロジル Rー972 2.51部 上配合物をヘンシェルミキサーに入れ加熱攪拌を3〜4
時間行い、水性ボールペン用蒸発及び流出防止体組成物
を得た。 比較例3 ポリブテン(5H) 80.0部 アエロジル Rー972 5.5部 上配合物をヘンシェルミキサーに入れ加熱攪拌を3〜4
時間行い、水性ボールペン用蒸発及び流出防止体組成物
を得た
【0010】
【発明の効果】以上実施例1、2、3、4、5および比
較例1、2、3、で得られたインキ蒸発及び流出防止体
組成物をポリプロピレン製インキ収容管に、25℃にお
いて粘度300cps の水性ボールペンインキを充填し、
一端にステンレスチップを装着したインキ上部にインキ
蒸発及び流出防止体組成物を充填し、先端上向逆転現
象、横流れ及び横置き逆転現象、インキ追従試験、低温
筆記試験を粘弾性測定実施し、下記のような結果を得
た。
【0011】
【表1】
【0012】(試験方法) 先端上向き逆転現象 :60℃に恒温された室内に1 ヶ
月間チップ上向きにして放置し、有無を見た。○は逆転
無、×は逆転有。 横置き流れ、逆転現象 :60℃に恒温された室内に1 ヶ
月間横置きにして放置し、逆転、横流れの有無を見た。
○は逆転、横流れ無、×は逆転、横流れ有り。 インキ追従試験 :蒸発及び流出防止体組成物
を、パイプ高さで15mm充填し、以下の条件で画線を行
い、画線終了後の蒸発及び流出防止体組成物の残分が15
mmであれば100 %とし、各残分の高さで%を算出した。 ・温度 25 ℃ ・筆記荷重 100g ・筆記角度 70 ゜ ・筆記速度 400cm/min 低温筆記試験 :-15 ℃に恒温された室内に1
日放置し、その後すぐに手書き筆記を行い、画線状態を
見た。 複素弾性率 :東洋精機製の並進、平行板型
のレオメター、レオログラフゾルを用いて、3Hzの周波
数を与え、複素弾性率を測定した。 比重 :各成分の密度と重量から算出
した。 インキ重量減少 :60℃に恒温された室内に1ヶ
月チップ下向きにして放置し、重量減少を見た。重量減
少が80%以内を○とした。 以上の説明からも明らかな如く、本発明における蒸発及
び流出防止体組成物によれば、炭化水素類より選ばれた
難揮発性有機溶媒或いは不揮発性有機溶媒を基材とし、
これに比重の調整剤として微粒子無機粉体を加え、ポリ
オレフィン系の熱可塑性エラストマーを配合してなるも
のは画線時の付着防止、低温下での筆記を可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】ボールペンを長時間水平横置き状態にした従来
のボールペンの一部省略した断面図である。 1 蒸発及び流出防止体組成物 2 インキ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエチレン又はポリプロピレンよりなる
    透明又は半透明のインキ収容管において、25℃に於ける
    粘度が30〜1500cps である水性インキを充填した水性ボ
    ールペン用インキ蒸発及び流出防止体組成物であって、
    該インキ蒸発及び流出防止体組成物は、ポリマーを含む
    難揮発性有機溶媒或いは不揮発性有機溶媒を基材とし、
    これにポリオレフィン系の熱可塑性エラストマーと比重
    の調整剤として微粒子無機物質を配合してなることを特
    徴とする水性ボールペン用インキ蒸発及び流出防止体組
    成物。
  2. 【請求項2】せん断応力3Hzを与えたとき、複素弾性
    率G* が1.0 ×103〜10×103dyn/cm2であり、比重1以
    上の請求項1記載の水性ボールペン用インキ蒸発及び流
    出防止体組成物。
JP19700695A 1995-07-10 1995-07-10 水性ボールペン用インキ蒸発及び流出防止体組成物 Pending JPH0924689A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008068404A (ja) * 2006-09-12 2008-03-27 Tombow Pencil Co Ltd ボールペン型接着具

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