JPH09246895A - マルチチャンネルレピータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 混変調歪みの発生が無く、低雑音で、しかも
個々の入力に応じた利得調整の可能なマルチチャンネル
レピータを提供する。 【解決手段】 入力したＲＦ信号を各セルアンプＡ１〜
Ａｎと制御ユニット４とに分配する分配手段１と、ＲＦ
信号を入力して増幅する複数のセルアンプＡ１〜Ａｎ
と、この出力を合成する合成手段３と、入力したＲＦ信
号の周波数を検出し、該当するチャンネルのセルアンプ
を動作させる制御ユニット４とを備え、前記制御ユニッ
ト４は検出したＲＦ信号の周波数に相当するチャンネル
のセルアンプに対し、中間周波数に変換するための変換
用信号６１〜６ｎを与え、また、入力したＲＦ信号のレ
ベルに応じ該当するセルアンプに対して利得調整信号７
を送出することにより、各セルアンプＡ１〜Ａｎの動作
と利得を制御する構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、移動体通信など
の無線通信に使用される広帯域の高周波増幅器に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】移動体通信等の無線通信において、受信
した電波によるＲＦ（Radio Frequen-cy）信号をそのま
ま増幅し、再送出するといった中継が行われている。こ
のような中継に使用される増幅器はレピータと呼ばれる
が、通常このレピータには広帯域多波増幅器が使用され
ている。

【０００３】図５は、このような従来のレピータの周波
数特性を示した図で、例えば、中心周波数Ｆ１，Ｆ２，
Ｆ３，Ｆ４・・・Ｆｎ−１，Ｆｎといった複数のチャン
ネルを受信できるような帯域幅が確保されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなマルチチャンネルの広帯域アンプで、複数のＲＦ信
号を増幅した場合、その周波数間隔が一定であるため、
各チャンネルの高調波が互いに重なり合い、混変調歪み
を生じることとなる。また、雑音の発生強度はその増幅
器の帯域幅に比例するため、帯域幅を広くするほど雑音
電力が増大してしまう。さらに、複数の入力波を単一の
増幅器で増幅するため、個々の入力波の入力レベルに応
じた利得調整ができず、入力レベルのバラツキがそのま
ま出力レベルの差となって現れてしまう。

【０００５】この発明はかかる点に鑑みなされたもの
で、その目的とするところは、混変調歪みの発生が無
く、低雑音で、しかも個々の入力に応じた利得調整の可
能なマルチチャンネルレピータを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、入力したＲＦ信号を増幅し同一周波数の信号
として再送出するマルチチャンネルレピータにおいて、
入力したＲＦ信号を各セルアンプＡ１〜Ａｎと制御ユニ
ット４とに分配する分配手段１と、マルチチャンネルレ
ピータの周波数帯域を分担する各チャンネルに対応し、
前記分配手段１からのＲＦ信号を入力して増幅する複数
のセルアンプＡ１〜Ａｎと、この各セルアンプＡ１〜Ａ
ｎからの出力を合成する合成手段３と、入力したＲＦ信
号の周波数を検出し、そのＲＦ信号の周波数に該当する
チャンネルのセルアンプを動作させる制御ユニット４と
を備えることとした。

【０００７】また、前記制御ユニット４は検出したＲＦ
信号の周波数に相当するチャンネルのセルアンプに対
し、中間周波数に変換するための変換用信号６１〜６ｎ
を与え、セルアンプは前記変換用信号６１〜６ｎを受け
取ることにより動作することとした。

【０００８】また、前記制御ユニット４は入力したＲＦ
信号のレベルを検出し、このＲＦ信号のレベルに応じ該
当するセルアンプに対して利得調整信号７を送出し、セ
ルアンプは前記利得調整信号７により増幅度を調整する
こととした。

【０００９】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て、図を参照しつつ説明する。図１は、本発明にかかる
マルチチャンネルレピータの基本構成を示したブロック
図である。図において、１は分配手段、２は各セルアン
プＡ１〜Ａｎを内蔵したセルアンプブロック、３は合成
手段、４は制御ユニットである。

【００１０】しかして、分配手段１はアンテナから受信
されたＲＦ信号を各セルアンプＡ１〜Ａｎと制御ユニッ
ト４に分割して与えるもので、通常高周波分配器が使用
される。セルアンプブロック２は複数のセルアンプＡ１
〜Ａｎにより構成され、この各セルアンプＡ１〜Ａｎ
は、レピータに要求される周波数帯域、言い換えれば受
信する複数の電波の周波数に対応した帯域幅を、それぞ
れのセルアンプＡ１〜Ａｎのチャンネルに分割して分担
させ、各セルアンプＡ１〜Ａｎは、それぞれこの分割さ
れたチャンネルに相当する周波数帯域の信号を増幅する
ようになっている。

【００１１】また、このセルアンプＡ１〜Ａｎは制御ユ
ニット４からの制御信号、すなわち、変換用信号６１〜
６ｎにより動作が制御され、利得調整信号７により増幅
度が制御される。このようなセルアンプＡ１〜Ａｎの構
成例を、図１のセルアンプＡ１に示した。このセルアン
プＡ１は、ダウンコンバータ２１、アンプ２２、帯域フ
ィルタ２３、利得調整用アンプ２４、アップコンバータ
２５を備えている。

【００１２】分配手段１から分配されたＲＦ信号は、前
記ダウンコンバータ２１に入力される。このダウンコン
バータ２１には、ダウンコンバート用の変換周波数ｆ１
の信号（中間周波数に変調するための信号）、つまり、
変換用信号（６１）が制御ユニット４より、必要に応じ
て与えられるようになっている。そして、この変換用信
号（６１）が与えられることにより、中間周波数に変換
され、セルアンプＡ１での信号増幅が可能となる。

【００１３】ダウンコンバータ２１の出力はアンプ２２
で所定のレベルに増幅され、帯域フィルタ２３に入力さ
れる。この帯域フィルタ２３は、各セルアンプに割り当
てられたチャンネルの、中間周波数での帯域に相当する
バンドパスフィルタとして作用する。従って、変換用信
号（６１）が与えられない時のＲＦ信号や、他のチャン
ネルの中間周波数の信号が入力され場合は、アンプ２２
の利得外の周波数であったり、帯域フィルタ２３により
規制され、このセルアンプＡ１での信号増幅は行われな
い。

【００１４】帯域フィルタ２３の出力は、利得調整用ア
ンプ２４に入力される。この利得調整用アンプ２４に
は、制御ユニット４から予め測定された信号レベル（Ｒ
Ｆ入力の）に応じて、出力を一定に保つよう、利得調整
信号７が与えられるようになっている。利得調整用アン
プ２４の出力はアップコンバータ２５に入力され、ダウ
ンコンバータ２１の場合とは逆に、同一周波数ｆ１の変
換用信号（６１）により、ＲＦ信号に変換され出力され
る。

【００１５】各セルアンプＡ１〜Ａｎの出力は合成手段
３により合成され、中継用ＲＦ信号として再びアンテナ
より放出される。制御ユニット４には分配手段１より分
配されたＲＦ信号が入力され、周波数と信号レベルが測
定される。そして、入力（受信）されたＲＦ信号の周波
数に相当するチャンネルのセルアンプ（ここではセルア
ンプＡ１とする）に対し、変換用信号（６１）を送出す
る。さらに、この時に測定した信号レベルに基づいて、
出力レベルが一定となるように利得調整信号７が設定さ
れ、セルアンプ（Ａ１）に与えられる。

【００１６】このようにして、入力信号の周波数帯域に
対応したセルアンプ（Ａ１）のみが動作し、しかも、そ
の入力信号に対応した利得制御が行われる。また、各セ
ルアンプＡ１〜Ａｎは独立していて、その周波数帯域
（チャンネル）は狭いため、混変調歪みが生じることは
無く、ＮＦ（Noize Figure）が改善され、動作するアン
プが少なければ消費電力も少なくて済み、Ｃ／Ｉ（信号
／妨害波）比も向上する。そして、図２に示すように、
中心周波数Ｆ１〜Ｆｎの各チャンネルに対応した、複数
のセルアンプＡ１〜Ａｎが集合して（つまり、セルアン
プブロック２として）動作することにより、見かけ上は
広帯域アンプとして動作することとなる。

【００１７】

【実施例】次に、本発明のより具体的な実施例について
説明する。図３は、図１における制御ユニット４のより
具体的な構成を示したブロック図である。図において、
４１はコンバータ、４２はレベル測定手段、４３は周波
数測定手段、４４は選択手段、４５は制御手段、４６は
基準周波数ｆ０を発生する発信器、４７は変換周波数ｆ
１の変換用信号を発生する発信器である。

【００１８】分配手段１より与えられたＲＦ信号は、コ
ンバータ４１に入力される。このコンバータ４１には、
変換用信号６１〜６ｎと同一の周波数ｆ１の信号が発信
器４７より与えられ、中間周波数にダウンコンバートさ
れる。このコンバータ４１の出力は、レベル測定手段４
２と周波数測定手段４３に入力される。レベル測定手段
４２は入力波を整流、調整した後、Ａ／Ｄ変換する等の
高周波回路における周知のレベル測定の技術手段により
構成される。周波数測定手段４３は、この例では発信器
４６より基準周波数ｆ０が入力されていて、ＰＬＬ（Pa
se Locked Loop）等と同様に、この基準周波数ｆ０と入
力周波数の差を検出し、この差に相当する信号パルスを
カウンタでカウントすることにより周波数を検出してい
る。

【００１９】制御手段４５は、プロセッサ、およびその
周辺部品、制御プログラム等により構成される。そし
て、周波数測定手段４３から得られた周波数データによ
り、どのセルアンプＡ１〜Ａｎを動作させるべきか、つ
まり、入力されたＲＦ信号がどのセルアンプＡ１〜Ａｎ
の周波数帯域に相当するかを判断し、該当するセルアン
プ（Ａ１）に対して選択手段４４を切り換えて、発信器
４７より周波数ｆ１の変換用信号（６１）を送出する。
この選択手段４４は、高周波信号の切り換えが可能な半
導体スイッチ素子等が使用される。

【００２０】また、この時制御手段４５は、レベル測定
手段４２から得られた信号レベルデータにより、所定の
出力を得るためにはセルアンプ（Ａ１）の利得をどの程
度にすればよいかを判断し、利得指示のための利得調整
信号７をセルアンプ（Ａ１）に対し送出する。なお、図
１では利得調整信号７は、各セルアンプＡ１〜Ａｎ共通
に送出されるように示されているが、この場合の各セル
アンプＡ１〜Ａｎでの信号の識別は、例えば所定のタイ
ミングでのラッチや、リード、ライト信号を用いるなど
の周知のデータ転送手段により容易に実現できる。ま
た、配線に余裕があれば変換用信号６１〜６ｎのように
パラにしても良い。

【００２１】このように、中間周波数に変換するための
変換用信号６１〜６ｎを、入力されたＲＦ信号の周波数
に相当するチャンネルのセルアンプＡ１に与えるだけ
で、そのセルアンプＡ１のみが動作し、しかも、各セル
アンプＡ１〜Ａｎは独立しているので、混変調歪み、Ｃ
／Ｎ比が良好となる。なお、通常レピータは数１００Ｍ
Ｈｚ〜数ＧＨｚの周波数帯域で使用され、携帯電話等の
通信では、各セルアンプＡ１〜Ａｎの帯域幅は、約２５
ＫＨｚ程度に設定される。

【００２２】次に、本発明の他の実施例について説明す
る。図４は、本発明の他の実施例を示した周波数特性図
である。図に示すように、各セルアンプＡ１〜Ａｎを１
チャンネルおきに２組のセルアンプブロックに分けて配
置する。つまり、中心周波数Ｆ１，Ｆ３，・・・Ｆｎ−
１のチャンネルのセルアンプＡ１，Ａ３，・・・Ａｎ−
１と中心周波数Ｆ２，Ｆ４，・・・Ｆｎのチャンネルの
セルアンプＡ２，Ａ４，・・・Ａｎをそれぞれ別ブロッ
クとし、２つのブロックをシールド５で分離する。

【００２３】このように、１チャンネルおきに配置する
ことで、隣接するチャンネルのセルアンプ同士の干渉が
防止され、さらに良好な結果を得ることができる。

【００２４】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、レピータ
に要求される周波数帯域を複数のチャンネルに分割し、
この分割した個々のチャンネルをそれぞれ分担する独立
したセルアンプにより増幅するので、基本的には混変調
歪みを生じることが無く、入力するＲＦ信号が少ない
程、つまり、動作するセルアンプが少ないほど雑音指数
（ＮＦ）が低くなり、消費電力も減少する。

【００２５】また、各セルアンプの動作は、変換用信号
を与えるか否かで制御されるので、回路構成がシンプル
となり、小型、低コストのレピータが提供できる。

【００２６】また、各チャンネル毎の利得調整が可能と
なり、複数のＲＦ入力信号レベルが異なっている場合で
も、一定の出力レベルに調整することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかるマルチチャンネルレピータの、
基本構成を示したブロック図である。

【図２】図１のマルチチャンネルレピータの、周波数特
性を示した図である。

【図３】図１における制御ユニット４の、詳細な構成を
示したブロック図である。

【図４】本発明の他の実施例を示した周波数特性図であ
る。

【図５】従来のレピータの周波数特性を示した図であ
る。

【符号の説明】

１ 分配手段 ２ セルアンプブロック Ａ１〜Ａｎ セルアンプ ３ 合成手段 ４ 制御ユニット ５ シールド ６１〜６ｎ 変換用信号 ７ 利得調整信号 ２１ ダウンコンバータ ２２ アンプ ２３ 帯域フィルタ ２４ 利得調整用アンプ ２５ ダウンコンバータ ４１ コンバータ ４２ レベル測定手段 ４３ 周波数測定手段 ４４ 選択手段 ４５ 制御手段 ４６ 発信器（周波数ｆ０） ４７ 発信器（周波数ｆ１）

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 入力したＲＦ信号を増幅し同一周波数の
   信号として再送出するマルチチャンネルレピータにおい
   て、 入力したＲＦ信号を各セルアンプと制御ユニットとに分
   配する分配手段と、各チャンネルに対応し前記分配手段
   からのＲＦ信号を入力して増幅する複数のセルアンプ
   と、この各セルアンプからの出力を合成する合成手段
   と、入力したＲＦ信号の周波数を検出し、そのＲＦ信号
   に該当するセルアンプを動作させる制御ユニットとを備
   えたことを特徴とするマルチチャンネルレピータ。
2. 【請求項２】 前記制御ユニットは検出したＲＦ信号の
   周波数に相当するチャンネルのセルアンプに対し、変換
   用信号を与えることにより動作させることを特徴とする
   請求項１記載のマルチチャンネルレピータ。
3. 【請求項３】 前記制御ユニットは入力したＲＦ信号の
   レベルを検出し、該当するセルアンプに対し、レベル調
   整用信号を送出することにより増幅度を調整することを
   特徴とする請求項１あるいは２記載のマルチチャンネル
   レピータ。