JPH09245679A - 陰極線管の偏向収差補正方法および陰極線管並びに画像表示装置 - Google Patents

陰極線管の偏向収差補正方法および陰極線管並びに画像表示装置

Info

Publication number
JPH09245679A
JPH09245679A JP5621596A JP5621596A JPH09245679A JP H09245679 A JPH09245679 A JP H09245679A JP 5621596 A JP5621596 A JP 5621596A JP 5621596 A JP5621596 A JP 5621596A JP H09245679 A JPH09245679 A JP H09245679A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
deflection
electron beam
magnetic field
ray tube
cathode ray
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5621596A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayoshi Misono
正義 御園
Atsushi Tsuruoka
淳 寉岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Hitachi Electronic Devices Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Electronic Devices Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd, Hitachi Electronic Devices Co Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP5621596A priority Critical patent/JPH09245679A/ja
Publication of JPH09245679A publication Critical patent/JPH09245679A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】特にダイナミックフォーカス電圧の供給を行う
ことなく画面全域、電子ビーム全電流域においてフォー
カス特性を向上させ、良好な解像度を得ると共に、小電
流域でのモアレを低減して陰極線管の偏向収差を補正す
る。 【解決手段】複数の電極からなる電子銃と偏向装置およ
び蛍光面を少なくとも備える陰極線管の偏向収差補正方
法において、前記偏向装置により形成される偏向磁界6
1中に固定した不均一磁界を形成する磁石を複数の電子
ビームのそれぞれに対して設置し、前記偏向装置の偏向
磁界61による偏向量に応じた大きさの磁界を作用させ
ることにより、電子ビーム62の偏向収差を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は陰極線管に係り、特
に蛍光面の全域でしかも電子ビームの全電流域において
フォーカス特性を向上させて良好な解像度を得ることの
できる電子銃を備えた陰極線管の偏向収差補正方法およ
び陰極線管並びに画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】テレビジョン受像管やディスプレイ管等
の陰極線管は、複数の電極から成る電子銃と蛍光面(蛍
光膜を有する画面、以下蛍光膜あるいは単にスクリーン
とも言う)を少なくとも有し、電子銃から出射する電子
ビームを蛍光面上に走査するための偏向装置を備えてい
る。
【0003】このような陰極線管において、蛍光面の中
心部から周辺部にわたって良好な再生画像を得るための
手段としては従来から次のような技術が知られている。
【0004】例えば、インライン配列された3電子ビー
ムを用いる電子銃のシールドカップの底面にインライン
配列方向と平行に3電子ビームの径路を挟んで上下2枚
の平行平板電極を主レンズ方向に向けて設置したもの
(特公平4−52586号公報)。
【0005】インライン配列された3電子ビームを用い
る電子銃で、インライン配列方向と平行に3電子ビーム
の径路を挟んで上下2枚の平行平板電極を主レンズ対向
部から蛍光面方向に向けて設置することにより、電子ビ
ームが偏向磁界に入る前に電子ビームを整形するもの
(米国特許第4086513号明細書、特公昭60−7
345号公報)。
【0006】電子銃の一部の電極間に静電4重極レンズ
を形成し、電子ビームの偏向に対応して静電4重極レン
ズの強度をダイナミックに変化させて画面全体で画像の
均一化を図ったもの(特開昭51−61766号公
報)。
【0007】予備集束レンズを形成する電極(第2電極
と第3電極)の領域内に非点収差レンズを設けたもの
(特公昭53−18866号公報)。
【0008】インライン配列の3電子ビーム電子銃の第
1電極と第2電極の電子ビーム通過孔を縦長とし、それ
ら各電極形状を異ならせたり、センター電子銃の電子ビ
ーム通過孔の縦横比をサイド電子銃のそれより小さくし
たもの(特開昭51−64368号公報)。
【0009】インライン配列電子銃の第3電極の陰極側
に形成したスリットにより非回転対称レンズを形成し、
スリットの電子銃軸方向の深さをセンタービームの方が
サイドビームよりも深くした少なくとも1個所の非回転
対称レンズを介して蛍光面に電子ビームを射突させるも
の(特開昭60−81736号公報)。
【0010】インライン配列電子銃を用いたカラー陰極
線管で、偏向磁界の漏れ磁界中に軟磁性材を配置して各
電子ビームのインライン配列方向と直角方向に偏向する
ピンクッション磁界を形成することにより、偏向磁界に
よるインラインと直角方向のハローを抑制するもの(特
開昭54−139372号公報)などがある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】陰極線管におけるフォ
ーカス特性の要求は、画面の全域でしかも電子ビームの
全電流域での解像度が良好で、かつ低電流域ではモアレ
の発生がなく、さらに全電流域での画面全体の解像度の
均一さである。このような複数の特性を同時に満足させ
る電子銃の設計は高度な技術を要する。
【0012】本発明者等の研究によれば、陰極線管に上
記諸特性を兼備させるためには、非点収差付のレンズと
大口径主レンズの組み合わせをもった電子銃を設けるこ
とが不可欠であることが分かった。
【0013】しかし、上記従来技術においては、電子銃
に非点収差レンズや非回転対称レンズを発生させる電極
を用いて画面全域にわたって良好な解像度を得るために
は電子銃の集束電極にダイナミックなフォーカス電圧を
印加する等の必要があった。図81は陰極線管に用いら
れる電子銃の一例を説明する全体側面図、図82は図8
1の矢印方向からみた要部部分断面図である。
【0014】この形式の電子銃は、陰極K、第1電極
(G1)1、第2電極(G2)2、第3電極(G3)
3、第4電極(G4)4、第5電極(G5)5、第6電
極(G6)6および第6電極(G6)6に一体化したシ
ールドカップとを含む複数の電極から構成される。な
お、第5電極(G5)5は2つの電極51,52で構成
されている。
【0015】そして、第3電極3と第5電極5にフォー
カス電圧を与え、第6電極6のみに陽極電圧を与えて、
陰極Kと第1電極1および第2電極2からなる所謂3極
部で生成された電子ビームを第3電極3〜第6電極6で
形成される電子レンズで加速、集束して図示しない蛍光
面方向に出射する。
【0016】この電子銃を構成する上記した各電極の長
さ、電子ビーム通過孔の口径等による電界の電子ビーム
に与える影響は全て異なる。例えば、陰極Kに近い第1
電極1の電子ビーム通過孔の形状は小電流域の電子ビー
ムのスポット形状を左右するが、第2電極2の電子ビー
ム通過孔の形状は小電流域から大電流域までの電子ビー
ムのスポット形状を左右する。
【0017】更に、第6電極6に陽極電圧を供給して第
5電極5と第6電極6の間に主レンズを形成するものに
おいては、主レンズを構成する第5電極5と第6電極6
の電子ビーム通過孔の形状は大電流域での電子ビームス
ポット形状には大きな影響を与えるが、小電流域での電
子ビームスポット形状に与える影響は上記大電流域に比
較して小さい。
【0018】さらに、上記電子銃の第4電極4の管軸方
向の長さは最適フォーカス電圧の大きさに影響し、かつ
小電流時と大電流時での各々の最適フォーカス電圧の差
に著しい影響を与えるが、第5電極5の管軸方向の長さ
変化による影響は第4電極4に比較して著しく小さい。
【0019】したがって、電子ビームのもつ各々の特性
値を最適化するためには、各々の特性に最も効果的に作
用する電極の構造を適正化する必要がある。
【0020】また、陰極線管の電子ビーム走査方向と直
角方向の解像度を増すため、電子ビーム走査方向と直角
方向のシャドウマスクピッチを小さくしたり、電子ビー
ム走査線の密度を大きくした場合、特に電子ビームの小
電流域では電子ビームとシャドウマスクとの間で光学的
な干渉が生じるため、モアレコントラストを適正化する
必要がある。しかし、従来の技術では、上記した様々な
問題点を克服することができなかった。
【0021】例えば、図83はフォーカス電圧の与え方
による電子銃の構造比較のための要部断面模式図であっ
て、(a)はフォーカス電圧固定方式、(b)はダイナ
ミックフォーカス電圧方式を示す。
【0022】同図(a)のフォーカス電圧固定方式電子
銃の電極構成は前記図81,図82に示したものと同じ
であり同一作用部分は同一符号を付してある。
【0023】同図(a)のフォーカス電圧固定方式電子
銃では、その第5電極5を構成する電極51と52には
同一電位のフォーカス電圧Vf1が印加される。
【0024】一方、同図(b)のダイナミックフォーカ
ス電圧方式の電子銃では、2つの電極51,52で構成
されている第5電極5の上記電極51,52のそれぞれ
に異なるフォーカス電圧が供給される。特に、片方の電
極52にはダイナミックフォーカス電圧dVfが供給さ
れる。
【0025】さらに、このダイナミックフォーカス電圧
方式の電子銃では、同図(b)に示したように他の電極
51内に入り組んだ部分43もあり、同図(a)に示し
た電子銃に比べて構造が複雑で部品のコストが高く、か
つ電子銃として組み立てる場合の作業性が劣るという欠
点がある。
【0026】図84は図83に示した各電子銃に供給す
るフォーカス電圧の説明図であって、(a)はフォーカ
ス電圧固定方式の電子銃におけるフォーカス電圧、
(b)はダイナミックフォーカス電圧方式の電子銃にお
けるフォーカス電圧である。
【0027】すなわち、同図(a)では固定のフォーカ
ス電圧Vf1 が第3電極3と第5電極5(51,52)
に印加され、同図(b)では固定のフォーカス電圧Vf
1 が第3電極3と第5電極5の一方の電極51に印加さ
れると共に、さらに別の固定のフォーカス電圧Vf2
ダイナミックフォーカス電圧dVfを重畳した波形の電
圧を第5電極5の他方の電極52に印加している。
【0028】このため、図84の(b)に示したダイナ
ミックフォーカス電圧方式の電子銃では陰極線管のステ
ムのフォーカス電圧供給用のステムピンが2本必要にな
り、他のステムピンからの絶縁に同図(a)のフォーカ
ス電圧固定方式の電子銃以上の配慮が必要になる。
【0029】したがって、テレビジョン受像機や端末装
置に組み込むためのソケットにも特別な構造を施す必要
があると共に、2系統の固定のフォーカス電源に加え
て、更にダイナミックフォーカス電圧発生回路を必要と
し、テレビジョン受像機や端末装置の組み立てラインで
のフォーカス電圧調整に時間を要するなどの問題があ
る。
【0030】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解消し、特にダイナミックフォーカス電圧の供給を行う
ことなく画面全域でしかも電子ビーム全電流域において
フォーカス特性を向上させ、良好な解像度を得ることが
できると共に、小電流域でのモアレを低減できる構成を
有する電子銃を備えた陰極線管の偏向収差補正方法およ
びその陰極線管並びに画像表示装置を提供することにあ
る。
【0031】本発明の他の目的は、上記従来技術の問題
点を解消し、特にダイナミックフォーカス電圧の電圧値
が低くても画面全域でしかも電子ビーム全電流域におい
てフォーカス特性を向上させ、良好な解像度を得ること
ができる構成を有する電子銃を備えた陰極線管の偏向収
差補正方法およびその陰極線管並びに画像表示装置を提
供することにある。
【0032】陰極線管では電子ビームの最大の偏向角度
(以下、単に偏向角あるいは偏向量ともいう)はほぼ決
まっているので、蛍光面のサイズが大形化するほど蛍光
面と電子銃の主集束レンズ間の距離が伸び此の領域で作
用する電子ビ−ムの空間電荷反発によるフォーカス特性
低下を助長する。
【0033】従って、空間電荷反発によるフォーカス特
性低下を軽減する手段があれば蛍光面のサイズを縮小し
たような細い電子ビームを得られるので陰極線管の解像
度は向上する。
【0034】本発明の更に他の目的は、陰極線管の蛍光
面と電子銃の主集束レンズ間で作用する電子ビームの空
間電荷反発によるフォーカス特性低下を軽減する陰極線
管の偏向収差補正方法およびその陰極線管並びに画像表
示装置を提供することにある。
【0035】本発明の更にまた他の目的は、上記フォー
カス特性を向上させると同時に、陰極線管の全長を短縮
できる電子銃を備えた陰極線管の偏向収差補正方法およ
びその陰極線管並びに画像表示装置を提供することにあ
る。
【0036】本発明の更にまた他の目的は、陰極線管の
偏向角を広げた場合に画面全体の画像の均一性が低下し
ない電子銃を備えた陰極線管の偏向収差補正方法および
その陰極線管並びに画像表示装置を提供することにあ
る。
【0037】偏向角を広げた場合も陰極線管の全長を短
縮できる。現行のテレビジョン受像機(以下、テレビセ
ットと言う)の奥行き寸法は陰極線管の全長に依存して
いるがテレビセットを家具と考えるとその奥行きは短い
のが好ましい。更に、テレビセットメーカなどが沢山の
テレビセットを搬送する場合セットの奥行きの短いのは
輸送効率上好ましい。
【0038】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は前記各請求項に記載した構成とした。
【0039】すなわち、本発明は、複数の電極から成る
電子銃と偏向装置および蛍光面を少なくとも備える陰極
線管において、偏向磁界中に磁石を設置することで不均
一磁界を形成することにより偏向収差を補正することを
特徴とする。
【0040】上記偏向収差の補正は、偏向磁界中で非偏
向時の電子ビームの軌道を挟む位置に各々1箇所以上の
偏向磁界に対応した不均一磁界を形成する磁石を設置す
ることにより偏向量に対応して偏向収差を補正すること
を特徴とする。
【0041】上記偏向収差の補正の別な方法は、偏向磁
界中で非偏向時の電子ビームの軌道を略中心とする偏向
磁界に対応した不均一磁界を形成する磁石を設置するこ
とにより偏向量に対応して偏向収差を補正することを特
徴とする。
【0042】また、上記不均一磁界は電子ビームを発
散、あるいは集束する作用をもち、電子ビームの走査線
方向、あるいは走査線と直角方向の偏向量に対応して偏
向収差を補正することを特徴とする。
【0043】さらに、本発明は、インライン配列された
3電子ビームを用いるカラー陰極線管において上記イン
ライン配列の中央電子ビームと脇電子ビームに対応する
上記偏向磁界中に設置した磁石で形成される不均一磁界
が異なる強度を持ちながら偏向量に対応して偏向収差を
補正することを特徴とする。
【0044】さらに、本発明は、インライン配列された
3電子ビームを用いるカラー陰極線管において上記イン
ライン配列の脇(サイド)電子ビームに対応する上記偏
向磁界中に設置した磁石で形成される不均一磁界の中央
(センター)電子ビーム寄り側と中央電子ビームから離
れる側の分布が異なる状態で偏向量に対応して偏向収差
を補正することを特徴とする。
【0045】さらに、本発明は、インライン配列された
3電子ビームを用いるカラー陰極線管において上記偏向
磁界中に設置した磁石による不均一磁界は、上記インラ
イン配列の垂直方向への偏向収差補正においては偏向磁
界に対応する発散作用をもつ不均一磁界を各電子ビーム
の非偏向時の軌道を挟んでインライン配列の垂直方向そ
れぞれの位置に一つ以上設置し、上記インライン配列方
向への偏向収差補正においては偏向磁界に対応して集束
作用をもつ不均一磁界を各電子ビームの非偏向時の軌道
をインライン配列方向に挟んでそれぞれの位置に設置す
ることにより偏向量に対応して偏向収差を補正すること
を特徴とする。
【0046】さらにまた、本発明での上記偏向収差の補
正は、偏向磁界中に非偏向時の電子ビームの軌道を挟む
位置に各々1箇所以上の偏向磁界の変化に伴い変化する
不均一磁界を形成する磁石を設置することにより偏向量
に対応して偏向収差を補正することを特徴とする。
【0047】さらにまた、前記不均一磁界を形成する磁
性材料がFe−Mn系、Fe−Cr−Co系、またはF
e−Cr−Co−V系の何れかであることを特徴とす
る。
【0048】さらにまた、本発明での上記偏向収差の補
正を行うために偏向磁界中に形成する磁石の材料として
硬磁化特性の磁性材料を用いることを特徴とする。
【0049】さらにまた、本発明での上記偏向収差の補
正を行うために偏向磁界中に形成する磁石の材料として
透磁率が50以上の硬磁化特性の磁性材料を用いること
を特徴とする。
【0050】
【発明の実施の形態】上記請求項に記載の構成とした本
発明の偏向収差補正方法および陰極線管並びにこの陰極
線管を用いた画像表示装置は、以下に記載したような形
態で実施できる。
【0051】(1)一般に、陰極線管では偏向量が増す
に従い偏向収差量が急激に増大する。本発明では偏向磁
界中に位置して電子ビームが偏向されてその軌道が変化
するとき、電子ビームの集束又は発散作用が変化する不
均一な磁界を形成する磁石を設置することにより、偏向
収差補正が可能になる。
【0052】(2)図65は偏向量(偏向角度)と偏向
収差量の関係の説明図、図66は偏向量と偏向収差補正
量の関係の説明図である。
【0053】図65に示したように、電子ビームは偏向
角度の増加に応じてその偏向収差量が増大する。本発明
では偏向磁界中に位置して電子ビームが偏向されてその
軌道が変化するとき、図66に示した様に、偏向量に応
じて偏向収差補正量が増加する不均一な磁界を形成する
磁石を設置することにより、偏向量に応じて急激に増大
する偏向収差の補正が可能になる。
【0054】(3)偏向磁界中に位置して電子ビ−ムが
偏向されてその軌道が変化するとき、偏向量に応じて適
切に電子ビームの集束又は発散作用が加速される不均一
な磁界の一つとして、非偏向時の電子ビームの軌道を挟
んだ位置への対称に分布する不均一な磁界の形成または
偏向の方向により非対称に分布する不均一な磁界の形成
が有効である。
【0055】非偏向時の電子ビームの軌道から離れるに
従い電子ビームの集束又は発散の作用量が増す。
【0056】なお、本発明で言う不均一な磁界とは磁束
密度又は並びに磁界の範囲に分布を持つことを意味す
る。
【0057】非偏向時の電子ビームと、非偏向時の電子
ビームの軌道を挟んで設置されている偏向磁界に対応し
た発散作用を持つ磁界を通過する偏向された電子ビーム
の状態とを比較すると、非偏向時の電子ビームの軌道か
ら離れた部分を通過する電子ビームは磁界中を進行する
に伴い発散し、かつ全体軌道も非偏向時の電子ビームの
軌道から離れていく。
【0058】更に、軌道の変わり方も非偏向時の電子ビ
ームの軌道から離れている部分の側が大きい。これは、
非偏向時の電子ビームの軌道からはなれるに従い鎖交す
る磁束の量が増すからである。鎖交する磁束の量が増す
のは磁力線の間隔が狭くなる(磁束密度が上がる)か又
は並びに磁界の範囲が広くなるからである。
【0059】一般的に陰極線管では、電子銃の主レンズ
から蛍光面までの距離は蛍光面中央よりは蛍光面周辺の
方が長いので、偏向磁界に集束又は発散作用が無い場合
には蛍光面中央で電子ビームを最適集束させると蛍光面
周辺では過集束となる。
【0060】本発明では、不均一磁界を偏向磁界中に形
成する磁石を設置することにより、偏向量が増すと該不
均一磁界による発散作用が増加して電子ビームの蛍光面
周辺での過集束を軽減できることにより、偏向量に対応
して前記図66のような偏向収差補正が可能になる。
【0061】本発明では、偏向磁界が電子ビームの集束
作用を持つ場合には、更に強度を増した傾向をもつ不均
一磁界を偏向磁界内に形成する磁石を設置することによ
り、偏向量が増すときの該不均一磁界による発散作用の
増加が偏向磁界による集束作用の増加を上回ることが可
能になり、前記陰極線管の構造に起因する蛍光面周辺の
電子ビームの過集束現象も含めた偏向収差の補正を可能
にする。
【0062】(4)図67は電子ビームの蛍光膜上の集
束状態の説明図であって、3は第3電極、4は第4電
極、13は蛍光膜、38は主レンズを示す。
【0063】また、図68は陰極線管の蛍光面(スクリ
ーン)を構成するパネル部に形成される走査線の説明図
であって、14はパネル部、60は走査軌跡を示す。
【0064】陰極線管の偏向は同図に示したように電子
ビームを直線状に走査させる方法が多い。直線状の走査
軌跡60を走査線と呼んでいる。
【0065】偏向磁界は走査線の方向(X−X)と走査
線と直角な方向(Y−Y)とでは異なる場合が多い。ま
た上記偏向磁界中に形成する不均一磁界の作用を大きく
受ける前に、前記複数の電子銃電極の少なくとも一つの
作用により、電子ビームは、その走査線方向と走査線と
直角方向の集束作用とが異なる場合も多い。
【0066】更に又、陰極線管の使途によって走査線方
向の偏向収差補正を重視するか、走査線と直角方向の偏
向収差補正を重視するかは重み付けが異なる。偏向収差
の走査線との方向対応、補正の内容、補正の量にそれぞ
れ対応する技術的手段は必ずしも同一でなく、要する価
格も異なるので、それぞれに適切に対応する手段は異な
る場合が多く、本発明ではそれらに適合する。
【0067】(5)非偏向時の電子ビームの軌道を略中
心とする偏向磁界に対応した集束作用を持つ不均一磁界
を持つ場合、非偏向時の電子ビームと偏向されて非偏向
時の電子ビーム軌道から離れた部分を通過する電子ビー
ムとを比較すると、非偏向時の電子ビーム軌道から離れ
た部分を通過する電子ビームが進行するに伴い偏向され
ない電子ビームに比べて集束量が大きく、かつ全体軌道
も非偏向時の電子ビームの軌道から離れていく。
【0068】更に、軌道の変わり方も非偏向時の電子ビ
ームの軌道から離れている側が小さい。これは非偏向時
の電子ビームの軌道からはなれるに従い鎖交する磁束の
量が減るからである。鎖交する磁束の量が減るのは、磁
力線の間隔が広くなる(磁束密度が下がる)又は並びに
磁界の領域が狭くなるからである。
【0069】偏向磁界が電子ビームの発散作用をもつ場
合、偏向量が増すと集束作用が増加して電子ビームの蛍
光面周辺での過集束を軽減出来るような不均一な磁界を
偏向磁界内に形成することにより、偏向量に対応して前
記図67で説明したような偏向収差補正が可能になる。
【0070】偏向収差の走査線との方向対応、補正の内
容、補正の量にそれぞれ対応する技術的手段は必ずしも
同一でなく、要する価格も異なるのでそれぞれに適切に
対応する手段は異なる場合が多く、本発明ではそれらに
適合する。
【0071】(6)3電子ビームを水平方向にインライ
ン配列したカラー陰極線管では、蛍光面上での3電子ビ
ームの集中を制御する回路の簡便化を図るため、後述す
る図72に示したように垂直偏向磁界にはバレル形の磁
力線分布、水平偏向磁界にはピンクッション形の磁力線
分布をそれぞれ用いている。
【0072】インライン配列の3電子ビームのうち、両
脇電子ビームが垂直偏向磁界により受ける偏向収差の量
は垂直偏向磁界の強さと水平偏向の方向により異なる。
例えば、蛍光面側から陰極線管を見て、インラインの右
側電子ビームが蛍光面の左に偏向する場合と右に偏向す
る場合では通過する偏向磁界の磁束分布が違うので偏向
収差量が異なり、蛍光面上での左右端で画質が変る。
【0073】これを抑制するには、脇電子ビームでは電
子銃の中心から右側と左側の電子軌道を通る場合の電子
ビームの集束又は発散作用の量が異なる状態が必要であ
る。本発明の如く、インラインの脇電子ビームでは電子
銃の中心から右側と左側の磁界の分布の異なる不均一磁
界を偏向磁界中に形成することが有効である。
【0074】非偏向時の電子ビーム軌道の位置を挟んで
異なった強度を持つ偏向磁界に対応した発散作用を持つ
不均一磁界を持つ場合、偏向された電子ビームは磁界中
を進行するに伴い非偏向時の電子ビームに比べて発散量
が大きく、かつ全体軌道も非偏向時の電子ビーム軌道か
ら離れていく。
【0075】更に、軌道の変わり方も非偏向時の電子ビ
ーム軌道から離れている側が大きい。これは、非偏向時
の電子ビーム軌道から離れるに従い鎖交する磁束の量が
増すからである。鎖交する磁束の量が増すのは磁力線の
間隔が狭くなるか又は並びに磁界の範囲が広くなるから
である。磁力線の間隔の狭くなり方が急激な程又は並び
に磁界の範囲の広がり方が急激な程、顕著である。
【0076】これに対して、非偏向時の電子ビーム軌道
から離れるに従い、磁力線の間隔の狭くなり方の少ない
方の又は並びに磁界の範囲の広がり方の少ない方の磁界
側では、偏向された電子ビームは磁界中を進行するに伴
い偏向されない電子ビームに比べて発散量が大きく、か
つ全体軌道も非偏向時の電子ビーム軌道から離れてい
く。
【0077】更に、軌道の変わり方も非偏向時の電子ビ
ーム軌道から離れている側が大きいが、変化の仕方は、
前記非偏向時の電子ビーム軌道から離れるに従い、磁力
線の間隔の狭くなり方が多い又は並びに磁界の範囲の広
がり方が大きい方向の軌道変化に比べて少ない。これ
は、非偏向時の電子ビーム軌道から離れるときの鎖交す
る磁束の量の増し方が少ないからである。鎖交する磁束
の量の増し方が少ないのは、磁力線の間隔の狭くなり方
が少ない又は並びに磁界の範囲の増し方が少ないからで
ある。
【0078】したがって、偏向量が増すと該磁界による
発散作用が偏向の方向により異なりながら増加するよう
な磁界を偏向磁界内に形成することにより、前記図67
に示したような偏向収差補正が可能になる。
【0079】偏向磁界が電子ビームの発散作用を持ち偏
向の方向により偏向収差が異なる場合の電子ビームは、
後述する図4に示したような傾向をもつ磁界を偏向磁界
内に形成することにより、偏向量が増すとき該磁界によ
る集束作用が偏向の方向により異なりながら増加して前
記図65に示したような偏向収差補正が可能になる。 (7)不均一な磁界を偏向磁界中に形成することにより
蛍光面全体での解像度の均一性向上を図るためには、該
磁界中でも電子ビームの軌道が偏向方向に必要量の分布
を持つ磁界の領域を通過するように偏向される必要があ
る。従って前記不均一な磁界は偏向磁界との位置関係に
制約される。
【0080】同時に、偏向収差を補正する効果は偏向磁
界中に設置した磁石によって形成される不均一な磁界の
磁束の量に依存する。磁束の量は磁束密度と磁界の範囲
に依存する。前記磁界は少なくとも磁石の二つの磁極間
で発生させる。前記磁束密度並びに範囲は前記少なくと
も磁石の二つの磁極の構造、位置、並びに磁極内の磁束
密度の組合せにより決まるので一意的ではないが、上記
磁界中を通過するときの実用的な電子ビームの太さ、実
用的な前記磁束密度などの制約を受ける。
【0081】前記磁界は少なくとも磁石の二つの磁極間
で発生させるが、前記偏向量に対応して偏向収差を補正
する磁石、すなわち前記不均一磁界を形成する磁石を偏
向収差補正磁石と呼ぶ(なお、前記したように、これを
単に磁石と称する)。この偏向収差補正磁石は複数あっ
てもよく、数量の制限はなく、また他の電極の一部に作
用を持たせてもよい。
【0082】周知のように、偏向に必要な磁束の量は蛍
光面の電圧に依存し、蛍光面電圧の平方根で除すること
により正規化できる。この値を用いると前記不均一の磁
界中での電子ビームの軌道が明確になり磁界設定の精度
が向上し、適切な偏向収差補正を可能にする。
【0083】必要な磁束は前記不均一な磁界の範囲と磁
束密度とに依存し、前記磁界の範囲が広いほど必要な磁
束密度は少なくてもよい。不均一な磁界の磁束密度は磁
石の隣接する磁極対の位置関係、磁極中での磁束密度並
びに前記不均一な磁界を形成する偏向収差補正磁石自体
の構造にも依存する。前記磁石の隣接する磁極対との位
置関係が接近するほど電子ビーム近傍の磁界は強くなる
が、距離はゼロにはできない。
【0084】前記磁石の隣接する磁極中の磁束密度を増
すことで磁界は強くできる。しかし、該磁界の大幅な増
加は電子ビームが偏向をあまり受けない軌道、すなわち
電子ビームが該陰極線管の蛍光面の中央近傍に射突する
場合にも不均一な磁界の影響で多量に歪んでしまい、蛍
光面中央近傍の解像度低下を無視できなくなる。従って
磁石の隣接する磁極間の磁束密度には制限がある。
【0085】前記不均一な磁界を形成する偏向収差補正
磁石の磁極対の間隔を狭めれば僅かな軌道の変化でも電
子ビームの集束又は発散が生ずるという期待もあるが、
電子ビームの太さまで考えると、実用的には前記不均一
な磁界を形成する磁石の磁極対の間隔は0.5ミリメー
トル程度が限界である。これらを考慮して、本発明で
は、該陰極線管の最大偏向角が100度以上の場合は、
前記正規化した磁束密度が蛍光面電圧の1キロボルトの
平方根あたり0.02ミリテスラ(mT)以上にすれば
効果を発揮できる。
【0086】前記磁石の磁極の蛍光面側が陰極線管の管
軸方向に入り組んでいる場合は前記距離は最も長い部分
である。
【0087】(8)該陰極線管の偏向磁界の分布は偏向
装置の構造に制約される。最大偏向角が決まれば前記蛍
光面電圧の平方根で正規化された磁束のうち、最大の磁
束密度の値もほぼ決まる。前記固定した不均一な磁界を
偏向磁界中に形成する磁石位置の設定としては、最大磁
束密度の所定のレベル以上の領域という設定方法があ
る。
【0088】この方法は前記磁束密度の絶対値で設定す
る場合に比べ磁束密度の測定を著しく簡便化できる。即
ち、最大磁束密度との相対値比較で十分であり、実用上
大変有為である。但し、磁束密度の最大値は磁石を構成
する磁性材料の形状によって変わるのでこの部分は誤差
となるが実用上支障ない。
【0089】本発明では、該陰極線管の最大偏向角が1
00度以上の場合は、前記(7)で述べた磁石の位置関
係の制限を考慮して、前記磁束密度のレベルは前記不均
一な磁界を形成する磁石の蛍光面側の端部で最大磁束密
度の5%以上にすれば実用上支障ない範囲で効果を発揮
できる。
【0090】(9)磁束密度は磁路の透磁率に依存する
ため、偏向磁界を発生させるコイルのコアを形成する磁
性材料からの位置と密接に対応する。必要磁束密度の領
域を示す方法の一つは、前記不均一な磁界を形成する磁
石と前記磁性材料間の距離がある。この方法は、偏向磁
界を発生させるコイルのコア位置さえ分かれば磁束密度
の測定を省略できるので、実用上大変有為である。
【0091】但し、磁束密度の分布は前記磁性材料の形
状によって変わるのでこの部分は誤差となるが実用上支
障ない。
【0092】本発明では、該陰極線管の最大偏向角が1
00度以上の場合は、前記(7)で述べた磁石の位置関
係の制限を考慮して、前記磁性材料の蛍光面から離れる
側の端から前記不均一な磁界を形成する磁石の蛍光面側
の端部までの距離は50ミリメートル以内にすれば実用
上支障ない範囲で効果を発揮できる。
【0093】前記偏向収差補正磁石の蛍光面側が陰極線
管の管軸方向に入り組んでいる場合は前記距離は最も長
い部分である。
【0094】(10)同様にして、本発明では該陰極線
管の最大偏向角が100度未満の場合は、前記(7)に
相当する正規化された磁束密度は蛍光面電圧1キロボル
トの平方根あたり0.004ミリテスラ以上が効果を発
揮できる。前記(8)に相当する磁束密度は10%以上
が実用上支障ない範囲で効果を発揮できる。前記(9)
に相当する距離は35ミリメートル以内が実用上支障な
い範囲で効果を発揮できる。
【0095】(11)陰極線管では、陰極線管全体や使
用する電子銃の、構造、作り易さ並びに使い勝手などの
実用的なことを考えると、前記不均一な磁界はその強度
を無制限に増すことはできない。
【0096】本発明では、使い易さも考えて比較的強度
の低い磁界でも効果を発揮するためには電子ビームは該
領域で適度な太さが必要である。一般的に陰極線管のう
ちで電子ビームの径が大きいのは主レンズ近傍である。
従って、前記不均一な磁界を形成する偏向収差補正磁石
の位置は主レンズからの距離に制約される。
【0097】更に、これを主レンズ部より極端に陰極側
に設置すると主レンズの集束作用で非点収差が相殺され
易く、又電子銃電極の一部に電子ビームの一部が射突す
る不具合が生じやすくなる。
【0098】該陰極線管の最大偏向角の85度未満のも
のや電子ビームが単一なもの、更には磁界による電子ビ
ームの集束をも利用するものなどの条件を考えあわせる
と、本発明では前記不均一な磁界を形成する磁石の蛍光
面に近い側端部と該陰極線管の該電子銃陽極の主レンズ
対向面間の距離は、前記端部が前記電子銃陽極の主レン
ズ対向面間よりも蛍光面側に向けて前記電子銃陽極の集
束電極対向部の走査線と直角方向の開孔径の5倍以下か
又は180ミリメートル以下、陰極側に向けて前記開口
径の3倍以下又は108ミリ以下の範囲が効果を発揮で
きる。
【0099】(12)本発明では、前記不均一な磁界領
域で効果を発揮するためには偏向磁界の磁束密度が必要
量存在することが条件である。前記偏向収差補正磁石は
硬磁性材料で構成すればよいが、前記偏向収差補正磁石
の少なくとも一部を高透磁率の磁性材料で構成すれば該
磁界領域の磁束密度をより高める手段となり更に偏向収
差の補正が良好になる。
【0100】(13)本発明では、前記偏向収差補正磁
石の構造は電子ビーム径路への近接配置が必要である。
そのための一つの手段としては、電子ビームの径路の一
部を挟む構造の設置である。前記(3)で述べたよう
に、非偏向時の電子ビームの軌道を挟む位置への対称に
分布する偏向磁界に対応した不均一な磁界設置または偏
向の方向により非対称に分布する不均一な磁界設置があ
る。
【0101】前記2種類の不均一磁界の形成は前記磁石
の構造により可能である。一般的に陰極線管の電子銃電
極部品は金属板をプレス加工して製作する。
【0102】近年陰極線管のフォーカス特性が著しく向
上し、前記電極部品に要求される精度は高く、前記偏向
収差補正磁石も例外ではない。大量生産の場合、前記偏
向収差補正磁石をプレス部品にすることにより、加工精
度が高くコストの低い部品を製作できる。この部品材料
としては、薄板化、線材化、およびカールや絞りの加工
が容易なFe−Mn系、Fe−Cr−Co系、Fe−C
r−Co−V系が好適である。
【0103】陰極線管の偏向では前記のように走査線を
形成するものが多い。走査線方式の偏向を行う陰極線管
では蛍光面の形状が略矩形の場合が多く、走査も前記矩
形の辺に略平行の場合が一般的で、該陰極線管では対応
する画像表示装置ヘの組込易さもあって蛍光面を設置す
る真空外囲部の外形も蛍光面に合わせた略矩形である。
【0104】従って、本発明では、前記2種類の不均一
磁界は走査線に対応する構造、蛍光面の形状に対応する
構造が画像形成には都合がよい。不均一磁界は走査線と
同じ方向か走査線と直角の2方向が考えられるが、該陰
極線管の使われ方にも関係し一意的に決まるものではな
い。
【0105】(14)本発明では、前記磁石の磁極の間
隔は、形成する磁界強度と当該箇所の電子ビームの軌道
に密接に関係し、間隔が極端に大きいと効果が低減す
る。
【0106】陰極線管を画像表示装置に用いる場合の装
置の奥行きは、該陰極線管の管軸の長さに制約されて自
由に短くすることはできない。
【0107】その一つの対応手段は該陰極線管の最大偏
向角の増量である。現時点で実用化されている最大偏向
角は、単電子ビームの陰極線管の場合114度、インラ
イン3電子ビームの陰極線管でも同程度である。
【0108】今後更に増加の傾向にあるが、最大偏向角
の増量は偏向磁界の最大磁束密度を加速度的に増加させ
る。実用的には陰極線管のネック部の径に制約される。
【0109】前記ネック部の径は偏向磁界を発生させる
電力を節約させる点、前記偏向磁界を発生させる機構部
の材料を節約させる点などで外径が最大40ミリメート
ル程度が使いやすい。
【0110】一般に、電子銃の電極の最大径は該陰極線
管のネック部の内径より小さく、かつネック部の肉厚は
機械的強度、絶縁性、及びX線の漏洩防止などのため数
ミリメートルの厚さが必要である。
【0111】本発明では、前記(7)で述べた電極並び
に電界関係の制限をも考慮して、偏向磁界中に偏向磁界
に対応する不均一磁界を形成することにより偏向収差を
補正するための磁石における前記磁極間隔の走査線方向
又は走査線と直角方向の最も狭い部分の最適距離は、該
電子銃の陽極の集束電極と対向する部分の前記走査線と
直角方向の開口径の1.5倍以下か、0.5から30ミ
リメートルの間にすることによりコストメリットが良く
かつ特性効果を発揮できる。
【0112】(15)本発明では、電子ビームの径路を
挟んで対向する磁石の磁極構造によっても不均一な磁界
の形成は可能である。
【0113】図69は偏向収差補正磁石の構成例の説明
図であって、(a)は磁石の正面図、(b)はその側面
図である。
【0114】また、後述する図11は不均一磁界を形成
するための磁石と非偏向時の電子ビーム軌道位置の配置
図である。
【0115】不均一な磁界を形成するために、例えば、
図69の(a)(b)に示したような磁石39を偏向磁
界内で図11の非偏向時の電子ビーム軌道を挟むように
配置すると、磁石39は高透磁率なので近傍の磁力線の
磁路となり対向部間に偏向磁界の変化に伴う強さの不均
一磁界が磁石39の間に発生する。
【0116】この磁石39により偏向収差補正磁石構造
が構成され、その対向部の形状は一部平行でない部分が
あったり、一部に切欠きをもたせることにより、該陰極
線管の使途、該電子銃の他の電極の特性との組み合わせ
に応じて最適な偏向収差補正が可能になる。
【0117】特に、該陰極線管が多品種少量生産の場
合、高価なプレス金型を各仕様に合わせて作るのはコス
ト高となる。この磁石はプレス加工で整形するよりは、
やや精度が劣るが薄い板状材料を切断またはエッチング
することで容易に製作できる。これにより、高価なプレ
ス金型が不要なので多品種少量生産でもコストの低い部
品を製作できる。
【0118】本発明では、前記磁石の対向部の最適寸法
範囲は前記(14)の磁石の磁極の間隔とほぼ同様であ
るが、対向する構造なので磁石の二つの磁極間の距離が
ゼロは含まれない。更に、対向する方向は前記(14)
と同様に走査線方式の偏向を行う陰極線管では走査線方
向又は並びに走査線と直角方向に対応すれば具合が良
い。
【0119】(16)前記偏向磁界に対応した不均一な
磁界を形成する偏向収差補正磁極が偏向量の増加に対応
して発散作用を増して偏向収差補正する場合は、前記磁
石の磁極の対向部間の磁界はその近傍の集束作用を持つ
偏向磁界よりも高磁束密度にする必要がある。
【0120】本発明では、前記磁石の磁極形状により対
向部間の磁界をその近傍の偏向磁界より強くすることに
より達成する。この場合上記磁極の対向部間には導電体
で形成された電極がなくともよい。
【0121】前記実施例十分な磁束密度をもつ偏向磁界
内に設置し、その磁極の構造、対向部間の距離を選ぶこ
とにより、前記磁極の対向部間に偏向磁界の変化に対応
した強い不均一な磁界を形成することができる。
【0122】前記偏向磁界に対応した不均一な磁界を形
成する手段の一つとして本発明では、陰極線管内部又は
並びに外部に硬磁化特性をもつ強磁性体からなる磁路を
形成する。
【0123】前記偏向磁界に対応した不均一な磁界は該
陰極線管の外部から調整可能にすると偏向収差の補正は
より精度を向上できる。
【0124】(17)前記(11)で述べたように、偏
向磁界内に偏向磁界に対応した不均一磁界を形成して偏
向収差を補正する場合、実用性から前記不均一磁界は比
較的強度の低い磁界でも効果を発揮するのが好ましく、
そのために電子ビームは該領域で適度な太さが必要であ
る。
【0125】一般的に、陰極線管のうちで電子ビームの
径が大きいのは主レンズ近傍である。前記偏向収差補正
磁石の位置は主レンズからの距離に制約されるが、適用
偏向磁界、電子銃の構造、広い電子ビーム電流範囲への
対応と特定電子ビーム電流域への対応では自ずと磁石の
磁極構造も異なるため上記主レンズからの距離は一意的
ではない。
【0126】陰極線管において、特にインライン型カラ
−受像管やカラー表示管などでは、一般にコンバーゼン
ス調整の簡便化から電子ビームの偏向磁界は非斉一であ
る。このような場合、偏向磁界による電子ビームの歪み
を抑制するために主レンズは可能な限り偏向磁界発生部
より離した方が良いため、通常、偏向磁界発生部は電子
銃の主レンズよりも蛍光面に近い位置に設置する。
【0127】(18)本発明では、偏向磁界中に偏向磁
界に対応した不均一磁界を形成して偏向収差補正をする
とき、上記非斉一の偏向磁界による電子ビームの歪みを
予め見込んで上記不均一磁界を形成する磁石を設置する
ことにより偏向磁界発生部と主レンズの接近を可能にす
る。
【0128】本発明では、該陰極線管の最大偏向角が1
00度以上の場合は、前記偏向磁界を発生させるコイル
のコアを成す磁性材の蛍光面から離れる側の端部と電子
銃陽極の集束電極対向面との最適距離は60ミリメート
ル以内である。
【0129】(19)一方、電子銃の陰極から主レンズ
間の長さは、電子銃の像倍率を縮小して蛍光面上のビー
ムスポット径を小さくするためには、長い方が良い。
【0130】従ってこれらの2つの作用に対応した解像
度の良い陰極線管は必然的に管軸長が長くなる。
【0131】しかし、本発明により、電子銃の陰極から
主レンズまでの間の長さを変化させない状態で主集束レ
ンズの位置を蛍光面に近付けることで、電子銃の像倍率
は更に縮小して蛍光面上の電子ビームスポット径を更に
小さく出来、同時に管軸長も短縮できる。
【0132】(20)主レンズの位置が蛍光面に近付く
ことにより、電子ビーム中の空間電荷の反発の持続する
時間が短縮されるので、蛍光面上のビームスポット径を
更に小さく出来る。
【0133】(21)上記(18)から(20)と同様
な内容を更に高精度で実施するために本発明では、該陰
極線管の最大偏向角が100度以上の場合での前記偏向
磁界と前記主レンズ間の最適距離は、前記偏向磁界のう
ち走査線方向又は並びに走査線と直角方向に偏向する磁
界の最大磁束密度の10%以上の磁界中に前記電子銃の
主レンズ対向部が含まれる部分があることである。
【0134】(22)上記(18)から(21)と同様
な内容を更に又高精度で実施するために本発明では、該
陰極線管の最大偏向角が100度以上の場合での偏向磁
界と前記主レンズ間の最適距離は、前記陰極線管の蛍光
面電圧をEボルト、電子銃陽極の主レンズ対向部で前記
偏向磁界のうち走査線方向または走査線と直角方向に偏
向する磁界の磁束密度をBテスラとするとき、BをEの
平方根で除した値が陽極電圧1キロボルトあたり0.0
04ミリテスラ以上の部分を含むことである。 (23)上記(18)から(22)と同様な内容で該陰
極線管の最大偏向角が85度以上で100度未満の場合
での本発明における偏向磁界と該電子銃の主レンズ間の
最適距離は、上記(18)から(20)に相当する部分
が40ミリメートル以内、上記(21)に相当する部分
が15%以上、上記(22)に相当する部分が0.00
3ミリテスラ以上である。
【0135】(24)上記(18)から(22)と同様
な内容で該陰極線管の最大偏向角が85度未満の場合で
の本発明における偏向磁界と該電子銃の主レンズ間の最
適距離は、上記(18)から(20)に相当する部分が
170ミリメートル以内、上記(21)に相当する部分
が5%以上、上記(22)に相当する部分が0.000
5ミリテスラ以上である。
【0136】(25)上記(18)から(24)で見ら
れるように、従来技術と異なり本発明では偏向磁界と該
電子銃の主レンズ間の最適距離を短縮出来る。
【0137】本発明での該陰極線管のネック部と前記電
子銃の主レンズとの最適位置は、前記電子銃陽極の主レ
ンズ対向面の位置が前記ネック部の蛍光面側端部を基準
として蛍光面と反対側15ミリメートルよりも蛍光面側
である。
【0138】従来技術では電子銃主レンズの位置を偏向
磁界から離していたため、電子銃陽極への電圧供給は該
陰極線管のネック部内壁から行っている。
【0139】本発明では、電子銃主レンズの位置を偏向
磁界から離す必要がなくなり蛍光面に近付けて設置でき
るため、該陰極線管のネック部内壁以外から電子銃陽極
への電圧供給が可能になる。
【0140】陰極線管においては、狭い空間に高電界を
形成するため品質を安定させるためには耐電圧特性の安
定化が重要技術の一つである。最大の電界強度は電子銃
主レンズ近傍である。付近の電界は電子銃陽極への電圧
を供給する該陰極線管のネック部内壁に塗布された黒鉛
膜や、陰極線管内に残留する異物のネック部内壁への付
着にも依存する。
【0141】本発明では、電子銃主レンズをネック部よ
り蛍光面側に設定することも可能であり耐電圧特性を著
しく安定化出来る。
【0142】(26)電子ビームスポットが蛍光面の中
央に位置する時は偏向磁界の影響を受けないので、偏向
磁界による歪み対策は不要になるため電子銃のレンズ作
用は回転対称の集束系となり、蛍光面上での電子ビーム
スポット径をより小さくすることが出来る。
【0143】(27)本発明では、前記偏向磁界内に偏
向磁界に対応した不均一磁界を形成する磁石を設置して
偏向収差を補正するのに加え、電子銃の一部の電極に偏
向に対応したダイナミックな電圧を印加することでより
一層螢光面の全域で適正な電子ビームの集束作用が可能
になり螢光面の全域で解像度が良好な特性を得られる。
更に必要な前記ダイナミック電圧を低くすることも可能
になる。
【0144】(28)本発明では、前記偏向磁界内に偏
向磁界に対応した不均一磁界を形成する磁石を設置して
偏向収差を補正するのに加え、電子銃を構成する複数の
電極で構成される複数の静電レンズの作る電界の少なく
とも一つを非回転対称電界とすることにより、螢光面の
画面中央部の大電流域での電子ビームスポットの形状を
略円形または略矩形とし、かつ電子ビーム走査方向に作
用する適正フォーカス電圧が走査方向と直角方向に作用
する適正フォーカス電圧より高いフォーカス特性を有す
る静電レンズと、上記螢光面中央部での小電流域の電子
ビームスポットの走査方向径より走査方向と直角方向の
径を走査方向と直角方向のシャドウマスクピッチや走査
線密度に適合させ、かつ走査方向に作用する適正フォー
カス電圧が走査方向と直角方向に作用する適正フォーカ
ス電圧より高いフォーカス特性を有する静電レンズが形
成され、これらの非回転対称電界によるレンズは電子ビ
ームを螢光面の画面上の全域でしかも全電流域において
モアレのない良好なフォーカス特性をもたらす。
【0145】(29)なお、本発明において使用してい
る「非回転対称」とは、円の如く回転中心から等距離の
点の軌跡で表されるもの以外を意味する。たとえば「非
回転対称」のビームスポットとは非円形のビームスポッ
トのことである。
【0146】(30)前記(25)で述べたように、本
発明では前記偏向磁界内に偏向磁界に対応した不均一磁
界を形成する磁石を設置して偏向収差を補正するため、
従来技術に比べて電子銃の主レンズを該陰極線管に用い
る偏向磁界に近接して使用出来る。
【0147】前記電子銃の主レンズにも前記偏向磁界が
浸透するので、前記主レンズよりも蛍光面に近い電極で
は電子ビームが射突しない構造が不可欠である。複数の
電極を持つインライン配列された3電子ビームを用いる
前記電子銃の場合における本発明の最適設計は、シール
ドカップの3電子ビームが通過する孔の仕切りのない前
記3電子ビーム共通の単一孔である。
【0148】同時に、前記偏向磁界内に偏向磁界に対応
した不均一磁界を形成して偏向収差を補正する磁石を前
記シールドカップの底面にある電子ビームが通過孔より
も蛍光面側に設置する場合は、前記磁石の磁極の対向部
に相当する部分が空間であることが偏向時の電子ビーム
の軌道が前記不均一磁界の中により入って行っても前記
磁極を取り付けてある電極に電子ビームが射突するポテ
ンシャルが下がり、前記偏向磁界に対応した不均一磁界
の効果を助長して蛍光面全域での解像度の均一性向上を
可能にする。
【0149】(31)本発明では、複数の電極を持つ電
子銃としてインライン配列された3電子ビームを用いて
前記偏向磁界内に偏向磁界に対応した不均一磁界を形成
する磁石を設置して偏向収差を補正するために、前記偏
向磁界に対応した不均一磁界を形成する磁石の前記3電
子ビームのうち中央電子ビームに対応する部分と脇電子
ビームに対応する部分とを異なる構造にすることにより
蛍光面上での前記3電子ビーム間の解像度のバランス調
整が出来る。
【0150】さらに、前記偏向磁界に対応した不均一磁
界を形成する磁石の前記3電子ビームのうち前記脇電子
ビームに対応する部分をインライン方向の中央電子ビー
ム側と逆側では異なった構造にすることにより、偏向磁
界によるコマ収差を低減出来る。
【0151】以上、本発明の個々の技術の効果について
述べたが、前記技術を二つ以上組み合わせることによ
り、該陰極線管では更に蛍光面全域での解像度の均一化
向上、および蛍光面中央での全電流域で解像度の向上、
並びに陰極線管の管軸短縮が可能になる。
【0152】更に、上記陰極線管を用いることで、蛍光
面全域での解像度の均一化向上、および蛍光面中央での
全電流域で解像度の向上、並びに奥行きの短い画像標示
装置が可能になる。
【0153】次に、本発明による電子銃を用いたことに
よる陰極線管のフォーカス特性と解像度が向上されるメ
カニズムを説明する。
【0154】図70はインライン型電子銃を備えたシャ
ドウマスク方式カラー陰極線管の断面を説明する模式図
であって、7はネック、8はファンネル、9はネック7
に収納した電子銃、10は電子ビーム、11は偏向ヨー
ク、12はシャドウマスク、13は蛍光面を構成する螢
光膜、14はパネル(画面)である。
【0155】同図において、この種の陰極線管は、電子
銃9から発射された電子ビーム10を偏向ヨーク11で
水平と垂直の方向に偏向させながらシャドウマスク12
を通過させて螢光膜13を発光させ、この発光によるパ
ターンをパネル14側から画像として観察するものであ
る。
【0156】また、図71は画面の中央部で円形となる
電子ビームスポットで画面の周囲を発光させた場合の電
子ビームスポットの説明図であって、14は画面、15
は画面中央部でのビームスポット、16は画面の水平方
向(X−X方向)端でのビームスポット、17はハロ
ー、18は画面垂直方向(Y−Y方向)端でのビームス
ポット、19は画面対角方向(コーナ部)端でのビーム
スポットを示す。
【0157】また、図72は陰極線管の偏向磁界分布の
説明図であって、Hは水平偏向磁界分布、Vは垂直偏向
磁界分布を示す。
【0158】最近のカラー陰極線管では、コンバーゼン
ス調整を簡略化するために図72に示したように水平偏
向磁界Hをピンクッション形、垂直偏向磁界Vをバレル
形の非斉一磁界分布を用いている。
【0159】このような磁界分布のためと、螢光面(画
面)中央部とその周囲とでは電子ビーム10の電子銃の
主レンズから蛍光面に至る軌道長が異なることのため
と、かつ画面周辺部では電子ビーム10は螢光膜13に
対して斜めに射突するために、画面の周辺部では電子ビ
ーム10による発光スポットの形状は円形ではなくな
る。
【0160】前記図71に示したように、水平方向端に
おけるビームスポット16は中央部でのスポット15が
円形であるのに対し横長となり、かつ主レンズと蛍光面
間の距離が画面中央より長くなるため、電子ビームは上
下に過収束となり、ビームスポツトの上下にハロー17
が発生する。このため、水平方向端のビームスポット1
6の大きさが大となり、かつハロ−17の発生でスポッ
ト16の輪郭が不明瞭となって解像度が劣化し画像品質
を著しく低下させてしまう。
【0161】さらに、電子ビーム10の電流が少ない場
合は、電子ビーム10の垂直方向の径が過剰に縮小して
シャドウマスク12の垂直方向のピッチと光学的に干渉
を起こし、モアレ現象を呈すると共に、画質の低下をも
たらす。
【0162】また、画面垂直方向端におけるスポット1
8は、垂直方向の偏向磁界によって電子ビーム10が上
下方向(垂直方向)に集束されて横つぶれの形状となる
と共にハロー17が発生して画質の低下をもたらす。
【0163】画面のコーナ部での電子ビームスポット1
9は、上記スポット16のように横長となるのと、主レ
ンズと蛍光面間の距離の増加によるハローの発生、さら
に上記スポット18のように横つぶれになるのとが相乗
的に作用するのに加え、電子ビーム10の回転が生じ、
ハロー17の発生はもとより、発光スポット径自身も大
きくなって、著しく画質の低下をもたらす。
【0164】図73は上記した電子ビームスポット形状
の変形を説明する電子銃の電子光学系の模式図であっ
て、理解を容易にするために上記系を光学系に置き換え
てある。
【0165】同図では、図の上半分に画面の垂直方向
(Y−Y)断面、下半分に画面の水平方向(X−X)断
面を示す。
【0166】そして、20,21はプリフォーカスレン
ズ、22は前段主レンズ、23は主レンズであり、これ
らのレンズで前記図80の電子銃に相当する電子光学系
を構成する。また、24は垂直偏向磁界により生じるレ
ンズ、25は水平偏向磁界により生じるレンズであり、
偏向による電子ビームが蛍光膜13に対して斜めに射突
することにより見掛け上水平方向に引き延ばされるのを
等価的なレンズとして表したものである。
【0167】先ず、陰極Kから発射される画面の垂直方
向断面の電子ビーム27はプリフォーカスレンズ20と
21の間で陰極Kから距離l1 のところでクロスオーバ
Pを形成後、前段主レンズ22と主レンズ23で蛍光膜
13に向けて集束される。
【0168】偏向が零である画面中央部では軌道28を
通って蛍光膜13に射突するが、画面周辺部では垂直偏
向磁界により生じるレンズ24の作用で軌道29を通っ
て横つぶれのビームスポットとなる。さらに、主レンズ
23には球面収差があるので、一部の電子ビームは軌道
30で示すように、蛍光膜13に達する前に焦点を結ん
でしまう。これが前記図71に示したような画面垂直方
向端のビームスポット18のハロー17やコーナ部のビ
ームスポット19のハロー17が発生する理由である。
【0169】一方、陰極Kから発射された画面の水平方
向断面の電子ビーム31は上記垂直方向断面の電子ビー
ム27と同様に、プリフォーカスレンズ20,21、前
段主レンズ22,主レンズ23により集束され、偏向磁
界の作用が零である画面中央部では軌道32を通って蛍
光膜13に射突する。
【0170】偏向磁界が作用する領域でも水平偏向磁界
によるレンズ25の発散作用のために軌道33を通って
横長のスポット形状となるが、水平方向にハロー17が
発生することはない。
【0171】ただし、画面中央部に比較して主レンズ2
3と蛍光膜13との間の距離が大きくなるため垂直方向
の偏向作用のない前記図71の水平方向端部16におい
ても垂直方向の断面では蛍光膜13に到達する以前に一
部の電子ビームは焦点を結ぶため、ハロー17が発生す
る。
【0172】このように、電子銃のレンズ系を、水平方
向,垂直方向共に同一な系となる構造とした回転対称の
レンズ系において画面中央部での電子ビームのスポット
形状を円形にすると、画面周辺部での電子ビームのスポ
ット形状は歪んでしまい、画質を著しく低下させる。
【0173】図74は図73で説明した画面周辺部での
画質の低下を抑制する手段の説明図であって、図73と
同一符号は同一部分に対応する。
【0174】同図に示したように、画面の垂直方向(Y
−Y)断面での主レンズ23−1の集束作用を水平方向
(X−X)断面での主レンズ23より弱くする。これに
より、電子ビームの軌道は垂直偏向磁界により生じるレ
ンズ24を通過した後でも図示の軌道29に示したよう
になり、図71で説明したような極端な横つぶれは発生
せず、またハロー17も生じ難くなる。しかし、画面中
央部での軌道28は電子ビームのスポット径を増す方向
にシフトする。
【0175】図75は図74に示したレンズ系を用いた
場合の螢光面14の電子ビームスポット形状を説明する
模式図であって、水平方向端部のビームスポット16と
垂直方向端部のビームスポット18およびコーナ部のビ
ームスポット19、すなわち画面周辺部でのビームスポ
ットではハロー17が抑制されるので、これらの個所の
解像度は向上する。
【0176】しかし、画面中央部でのビームスポット1
5を見ると、垂直方向のスポット径dYは水平方向のス
ポット径dXより大きくなり、垂直方向の解像度は低下
する。
【0177】したがって、主レンズ23の画面垂直方向
と水平方向の集束効果が異なった構造とした非回転対称
電界系にすることでは、画面全体の解像度を同時に向上
させるという目的からは根本的解決策とはならない。
【0178】図76は主レンズ23のレンズ強度を非回
転対称とする代わりにプリフォーカスレンズ21の水平
方向(X−X)レンズ強度を強化した電子銃の電子光学
系の模式図であって、クロスオーバ点Pの像を発散させ
る水平方向プリフォーカスレンズ21−1の強度を垂直
方向プリフォーカスレンズ21のそれより大きくし、電
子ビーム31の前段主レンズ22への入射角を増し、主
レンズ23を通過する電子ビームの径を大きくすること
によって、蛍光膜13での水平方向での電子ビームスポ
ット径を小さくすることができる。
【0179】しかし、画面垂直方向の電子ビーム軌道は
前記図52に示したものと同様であるのでハロー28の
抑制効果はない。
【0180】図77は上記図76の構成にハローの抑制
効果を付加した電子銃の電子光学系の模式図であって、
前段主レンズを22−1に示したように垂直方向(Y−
Y)のレンズ強度を増すことにより、主レンズ23の垂
直方向の電子ビーム軌道が光軸に接近して、焦点深度の
深い結像系となり、ハロー28は目立たなくなって解像
度が向上する。
【0181】図78は上記図77に示した構成のレンズ
系を用いたときの画面14上での電子ビームのスポット
形状を説明する模式図であって、ビームスポット15,
16,18,19に示されたように画面全域にわたって
ハローのない良好な解像度が得られる様子が分かる。
【0182】以上は、電子ビームの電流量が比較的大き
な場合(大電流域)の電子ビームスポット形状の説明で
ある。しかし、電子ビームの電流量が少ない場合(小電
流域)では、電子ビームの軌道は結像系の近軸のみを通
過するので、口径の大きいレンズ21,22,23の水
平方向と垂直方向のレンズ強度の差の影響は少なく、図
79に34,35,36,37で示したように、ビーム
スポットは画面中央部では円形(33)で、画面周辺部
では横長(34,35)あるいは斜長(36)となって
モアレ発生の原因になり、ビームスポット径の横方向径
(水平方向径)の増加により解像度が低下する。
【0183】この対策としては、レンズ口径が小さく、
レンズ強度の非回転対称性が結像系の近軸付近まで影響
する部位のレンズでの対処が必要になる。
【0184】図79は小電流時での電子ビームの軌道を
説明する電子銃光学系の模式図であって、この場合は、
陰極Kからクロスオーバ点Pまでの距離l2 は、前記図
73の同距離l1 より陰極Kの近くになる。
【0185】図80はプリフォーカスレンズの内の発散
レンズ側の画面垂直方向(Y−Y)のレンズ強度を大き
くした場合の電子銃の光学系を示す模式図であって、プ
リフォーカスレンズ20を構成する発散レンズの垂直方
向強度を増すことで、クロスオーバPの陰極Kからの距
離l3 は前記l2 よりも長くなる。
【0186】このため、垂直方向断面の電子ビーム27
がプリフォーカスレンズ21に入射する位置は図78の
場合よりもさらに近軸となり、レンズ21,22−1お
よび23のレンズ効果は小さくなって画面の垂直方向の
焦点深度が深い結像系となる。
【0187】ただし、大電流時と小電流時の各レンズで
の影響は完全には独立しておらず、同図の垂直方向のプ
リフォーカスレンズ20−1のレンズ効果は大電流時の
電子ビームのスポット形状に影響するので、各レンズの
特性を活かして全体のバランスのとれた系にする必要が
ある。特に、主レンズの構造が異なったり、画質のどの
ような項目をより向上すべきか等は陰極線管の使途によ
り異なるので、非回転対称のレンズの位置および各々の
レンズ強度については一意的ではない。
【0188】また、上記のように、通常の陰極線管の使
途では、全電流域での解像度を向上させるためには、大
電流域と小電流域とで別の部位での非回転対称電界を形
成するレンズの設置が必要であり、また各レンズの非回
転対称性には電界強度の変化に限界があり、かつレンズ
部位に依っては非回転対称電界の強度を増すとビーム形
状が極端に歪んで、解像度の低下をもたらす原因とな
る。
【0189】以上は電子ビームのスポットの変形による
フォーカス特性の低下を抑制する一般的な手段である。
実際の電子銃ではこのような目的のために、前記したよ
うに、フォーカス電圧を固定の状態で用いる方式のもの
と、陰極線管の画面上で電子ビ−ムの偏向角に応じてそ
の位置での最適フォーカス電圧をダイナミックに供給す
る方式のものが有る。
【0190】上記2つの方式にはそれぞれ長所短所が有
る。フォーカス電圧を固定の状態で用いる方式のものは
電子銃のコストが低くかつフォーカス電圧を供給する電
源回路も簡単で、回路のコストが低い反面、非点収差補
正を行うために陰極線管の画面上での各位置でそれぞれ
最適フォーカス状態にできるわけではないので、ビーム
スポットの径は最適フォーカス状態に比べて大きくな
る。
【0191】一方、陰極線管の画面上で電子ビームの偏
向角に応じてその位置での最適フォーカス電圧をダイナ
ミックに供給する方式は、画面上の各点で良好なフォー
カス特性が得られる反面、電子銃の構造およびフォーカ
ス電圧を供給する電源回路も複雑になり、さらにテレビ
セットやディスプレイ端末の組立ラインでのフォーカス
電圧の設定に時間を要するのでコストも上昇する。
【0192】本発明では、上記2つの方式のそれぞれの
長所を併せ持ち、かつ短所を除くと共に上記2つにはな
い管軸長の短いという第3の長所をも持つ電子銃を用い
た陰極線管を提供するものである。
【0193】以下、本発明の実施の形態につき、具体的
な実施例の図面を参照して詳細に説明する。
【0194】陰極線管では偏向量が増すに従い前記図6
5で説明したように、偏向収差量が急激に増大する。
【0195】本発明は、偏向磁界中に位置して電子ビ−
ムが偏向されてその軌道が変化するとき、電子ビ−ムの
集束又は発散作用が変化する不均一な磁界を形成する磁
石を設置することにより、適正な電子ビームの集束作用
を可能にして螢光面上での解像度の均一性を向上させる
ものである。
【0196】また、本発明では、偏向磁界中に位置して
電子ビ−ムが偏向されてその軌道が変化するとき、前記
図67で説明したように、偏向量に応じて偏向収差補正
量が加速される不均一な磁界を形成する磁石を設置する
ことにより、偏向量に応じて前記図66のように急激に
増大する偏向収差の補正を行い、螢光面の全域で適正な
電子ビームの集束作用を可能としたものである。その結
果、螢光面の全域で解像度の均一性の向上が可能にな
る。
【0197】偏向磁界中に位置して、偏向された電子ビ
−ムがその軌道を変化するとき偏向量に応じて適切に電
子ビームの発散作用が加速される不均一な磁界の一つと
して、非偏向時の電子ビーム軌道位置を挟んで略対称な
位置に各々不均一な磁界を形成する磁石を設置するのが
有効である。
【0198】非偏向時の電子ビーム軌道を挟んで略対称
な位置に各々偏向磁界に対応する不均一な磁界を形成す
る磁石を設置することで、偏向量が増すに従い電子ビー
ムの発散の作用量が増す。
【0199】図1は本発明による陰極線管の偏向収差補
正方法の第1実施例を説明する模式図であって、電子ビ
ームが偏向量、すなわち偏向量は偏向磁界に対応するの
で偏向磁界に対応する発散作用を持つ不均一磁界を発生
する磁石を非偏向時の電子ビーム中心軌道Z−Zから離
れた位置に対称にそれぞれ設置したときの磁界分布の断
面の例を示す。
【0200】同図において、61は磁力線、62は偏向
されて非偏向時の電子ビーム中心軌道から離れた部分を
通過する電子ビームである。63は非偏向時の電子ビー
ム軌道であり、この場合は偏向磁界に対応する発散作用
を持つ不均一磁界は存在しないので62との状態が異な
り、誤解を避けるため破線で示してある。
【0201】偏向されて非偏向時の電子ビーム中心軌道
から離れた部分を通過する電子ビーム62は磁界中を進
行する間に非偏向時の電子ビーム63に比べて発散量が
大きく、かつ全体軌道も非偏向時の電子ビーム中心軌道
から離れていく。更に、軌道の変わり方も非偏向時の電
子ビーム中心軌道から離れている側が大きい。磁力線6
1の間隔が非偏向時の電子ビーム中心軌道から離れるに
従い狭くなるからである。
【0202】このような偏向量に対応する不均一磁界を
磁石によって偏向磁界中に形成することにより、電子ビ
ームが偏向されてその軌道が変化するとき偏向量に応じ
て電子ビームの発散作用が加速され、偏向収差が電子ビ
ームの集束を強める場合の偏向収差補正を可能にする。
【0203】例えば、前記図67に示したように、陰極
線管では一般的に電子銃の主レンズから蛍光面までの距
離は蛍光面中央よりは蛍光面周辺の方が長いので、偏向
磁界に集束作用が無い場合でも蛍光面中央で電子ビーム
を最適集束させると蛍光面周辺では過集束となる。
【0204】本実施例では、図1に示したような偏向量
に対応した不均一磁界を磁石により偏向磁界内に形成す
ることにより、偏向量の増加に応じて発散作用が増加
し、前記図67に示したような偏向収差補正が可能にな
る。
【0205】偏向磁界中に位置して、偏向された電子ビ
−ムがその軌道を変化するとき、偏向量に応じて適切に
電子ビームの集束作用が加速される不均一な磁界の一つ
として、非偏向時の電子ビームの中心軌道を中心とする
偏向量に対応した不均一な磁界を形成するのが有効であ
る。
【0206】非偏向時の電子ビームの中心軌道を中心と
する偏向磁界に対応する不均一な磁界を形成する磁石を
設置することで、偏向量が増すに従い電子ビームの集束
の作用量が増す。
【0207】本発明による陰極線管の偏向収差補正方法
の第2実施例は、図1に示したような磁石による不均一
磁界を偏向磁界中に形成し、走査線方向又は並びに走査
線とは直角方向の偏向収差補正をするものである。
【0208】3電子ビームを水平方向にインライン配列
したカラー陰極線管では、蛍光面上での3電子ビームの
集中を制御する回路の簡便化を図るため、前記図72に
示したように垂直偏向磁界にはバレル形の磁界分布、水
平偏向磁界にはピンクッション形の磁界分布をそれぞれ
用いている。
【0209】インライン配列の3電子ビームのうち、両
脇電子ビームは垂直偏向磁界により受ける偏向収差の量
が垂直偏向磁界の強さと水平偏向の方向により異なる。
例えば、蛍光面側から陰極線管を見て、インラインの右
側電子ビームが蛍光面の左に偏向する場合と右に偏向す
る場合では、通過する偏向磁界の磁界分布が違うので偏
向収差量が異なる。蛍光面上での左右コーナで画質が変
る。
【0210】このような場合の脇電子ビームの偏向収差
補正には、偏向磁界中に脇電子ビーム用電子銃の中心軸
を挟んで水平偏向方向に非対称な偏向磁界に対応した不
均一磁界を発生する磁石の設置が有効である。
【0211】図2は本発明による陰極線管の偏向収差補
正方法の第3実施例を説明する模式図であって、電子銃
の中心軸を挟んで磁界分布の異なる電子ビームの発散作
用を持つ不均一磁界を発生する磁石をそれぞれ設置した
例である。
【0212】同図(a)(b)は磁力線密度が高い側で
の電子ビームの発散を説明する模式図で、磁力線61の
密度の高い側で電子銃の中心軸Z−Zから離れた部分を
通過する電子ビーム62−2では、磁界中を進行するに
伴い発散し、かつ全体軌道も中心軸Z−Zから離れてい
く。更に、軌道の変わり方も中心軸Z−Zから離れた側
が大きい。これは、磁力線61の間隔が中心軸Z−Zか
ら離れるに従い狭くなるからである。
【0213】また、(c)(d)は磁力線密度が低い側
での電子ビームの発散を説明する模式図で、中心軸Z−
Zから離れた部分を通過する電子ビーム62−3はやは
り電子ビーム62−2のように磁界中を進行するに伴い
発散し、全体軌道も中心軸Z−Zから離れていき、かつ
軌道の変わり方も中心軸Z−Zから離れた側が大きい
が、変わり方が電子ビーム62−2に比較して小さい。
これは、磁力線61の間隔が中心軸Z−Zから離れても
あまり狭くならないからである。
【0214】このような偏向量に対応する不均一磁界を
磁石により偏向磁界中に形成して電子ビームが偏向され
てその軌道が変化するとき、偏向量に伴う電子ビームの
発散作用の加速のされ方が偏向の方向により異なるの
で、偏向収差量が偏向の方向により異なる集束作用の場
合の偏向収差補正をする。
【0215】実際には、適用する最大偏向角を含む陰極
線管の構造、組み合わせる偏向磁界発生部の構造、不均
一な磁界を形成する磁石、不均一な磁界を形成する部分
以外の電子銃構造、陰極線管の駆動条件、陰極線管の使
途などに依存するので一意的ではない。
【0216】図3は本発明による陰極線管の偏向収差補
正方法の第4実施例を説明する模式図であって、電子銃
の中心軸近傍に非対称な電子ビームの集束作用を持つ不
均一磁界を発生する磁石を設置した例である。偏向され
て磁力線61で形成される磁界の内で磁束密度の高い側
の中心軸Z−Zから離れた部分を通過する電子ビーム6
2−4と、やはり偏向されて磁力線61で形成される磁
界の内で磁束密度の低い側の中心軸Z−Zから離れた部
分を通過する電子ビーム62−5の状態比較である。
【0217】磁束密度の高い側の電子ビーム62−4は
磁界中を進行するに伴い集束しながら、かつ全体軌道も
中心軸Z−Zから離れていく。更に、軌道の変わり方も
中心軸Z−Zに近い側が大きい。これは、磁力線61の
間隔が中心軸Z−Zから離れるに従い広くなるからであ
る。
【0218】磁束密度の低い側の中心軸Z−Zから離れ
た部分を通過する電子ビーム62−5もやはり電子ビー
ム62−4のように磁界中を進行するに伴い集束してい
き、かつ全体軌道も中心軸Z−Zから離れていく。かつ
軌道の変わり方も中心軸Z−Zに近い側が大きいが、変
わり方が電子ビーム62−4に比較して小さい。これ
は、磁力線61の間隔変化が中心軸Z−Zから離れても
あまり変わらないからである。
【0219】このような偏向量に対応する不均一磁界を
偏向磁界中に形成して電子ビームが偏向されてその軌道
が変化するとき、偏向量に伴う電子ビ−ムの集束作用の
加速のされ方が偏向の方向により異なるので、偏向収差
量が偏向の方向により異なる発散作用の場合の偏向収差
補正する。
【0220】実際には、適用する最大偏向角を含む陰極
線管の構造、組み合わせる偏向磁界発生部の構造、不均
一な磁界を形成する磁石、不均一な磁界を形成する個所
以外の電子銃構造、陰極線管の駆動条件、陰極線管の使
途などに依存するので一意的ではない。
【0221】3電子ビームを水平方向にインライン配列
したカラー陰極線管では、蛍光面上での3電子ビームの
集中を制御する回路の簡便化を図るため、前記図72の
様に垂直偏向磁界にはバレル形の磁界分布、水平偏向磁
界にはピンクッション形の磁界分布をそれぞれ用いてい
る。
【0222】このようなカラー陰極線管ではインライン
配列の方向、つまり上記水平方向が走査線方向である。
インライン配列の3電子ビームのうち、両脇電子ビーム
は垂直偏向磁界により受ける偏向収差の量が垂直偏向磁
界の強さと水平偏向の方向により異なる。
【0223】例えば、蛍光面側から陰極線管を見て、イ
ンラインの右側電子ビームが蛍光面の左に偏向する場合
と右に偏向する場合では、通過する偏向磁界の磁界分布
が違うので偏向収差量が異なる。
【0224】本発明の別の実施例では、インライン配列
の3電子ビームのうち、両脇電子ビームに対応する偏向
磁界中に偏向磁界に対応した不均一磁界として上記走査
線方向に図2または図3のような中心軸に対して非対称
な磁界を磁石により形成して偏向収差補正する。
【0225】実際には適用する最大偏向角を含む陰極線
管の構造、組み合わせる偏向磁界発生部の構造、不均一
な磁界を形成する磁石、不均一な磁界を形成する個所以
外の電子銃構造、陰極線管の駆動条件、陰極線管の使途
などに依存するので一意的ではない。
【0226】図4は本発明による陰極線管の第1実施例
を説明する断面模式図であって、1は電子銃の第1電極
(G1)、2は第2電極(G2)、3は第3電極(G
3)で、この実施例ではフォーカス電極である。
【0227】4は第4電極(G4)でこの実施例では陽
極である。7は電子銃を収納する陰極線管のネック部、
8はファンネル部、14はパネル部でこれら3つの組合
せにより陰極線管の真空外囲器を構成する。
【0228】また、10は電子銃から発射された電子ビ
ームであり、シャドウマスク12の開口部を通過してパ
ネル14の内面に形成された蛍光膜13に射突して該蛍
光膜13を発光させ、陰極線管の画面上に表示を行う。
11は電子ビーム10を偏向させる偏向ヨークで、電子
ビームを制御する映像信号に同期して磁界を発生させ電
子ビーム10の蛍光膜13への射突位置を制御する。
【0229】なお、38は電子銃の主レンズで、陰極K
から発射された電子ビーム10が第1電極(G1)1,
第2電極(G2)2,第3電極(G3)3を通過後、陽
極4との間に形成される主レンズ38の電界により電子
ビーム10を蛍光面13上に焦点を結ぶ作用をする。
【0230】そして、39は偏向ヨーク11の磁界内に
位置して偏向磁界に対応する不均一磁界を形成し、電子
ビーム10を偏向ヨーク11の磁界で偏向するとき、当
該偏向角に応じて電子ビーム10の偏向収差を補正する
磁石である。
【0231】本実施例では、この偏向収差補正磁石39
は陽極4に機械的に固定され、電子ビーム10の垂直方
向上下に紙面に垂直な方向に各1個、計2個の間隙をな
す磁極で構成されて、上記2個の間隙と間隙の間を通過
する電子ビーム10に発散作用する不均一磁界を形成す
る。なお、40は電子銃の電極をステムピン(図示せ
ず)に接続するリードである。
【0232】同図では、上記偏向収差補正磁石39を構
成する2個の間隙を作る磁極の上下間隔は、実際には上
記2個の間隙を作る磁極の取付け位置,蛍光膜13に向
かって延びる長さ,偏向磁界の分布,上記2個の間隙間
を通過するときの電子ビームの径,陰極線管の最大偏向
角などの組合せで決まるので、その広がりの程度は一意
的ではない。
【0233】図示されたように、本実施例では、電子銃
の主レンズ38は偏向ヨーク11の偏向磁界内で、該偏
向ヨーク取付け位置より蛍光膜13側に寄った位置にあ
るごとく示しているが、この主レンズ38は偏向ヨーク
の磁界領域内であれば図示された位置に限るものではな
い。
【0234】図5は本発明による陰極線管の作用を説明
する要部断面模式図であって、前記図4の偏向ヨーク1
1の磁界内に位置して、電子ビーム10を該偏向ヨーク
11の磁界で偏向するとき、その偏向角に応じて電子ビ
ーム10の偏向収差を補正する不均一磁界を形成するた
めの偏向収差補正磁石39の作用の1例を詳細に説明す
るものである。
【0235】この例でも上記不均一磁界は電子ビーム1
0に発散作用する。図4と同じ機能の部分は同一符号を
付してある。
【0236】また、図6は本発明の実施例による陰極線
管における不均一磁界形成磁石である偏向収差補正磁石
の作用を従来技術と対比説明するために上記偏向収差補
正磁石を欠如した図5と同様の要部断面模式図である。
【0237】図5,図6において、電子銃の第3電極
(G3)3を通過してきた電子ビーム10は第4電極
(G4)4との間に形成される主レンズ38により集束
され、偏向ヨーク11で形成される偏向磁界による偏向
を受けない場合(画面中央部)はそのまま直進して蛍光
膜13上に径D1 のビームスポットを結ぶ。
【0238】ここで、蛍光膜13の図中上側に偏向され
る場合を例にとり、偏向収差補正磁石39の作用の有り
(図5),無し(図6)で電子ビーム10の軌道がどの
ように変わるか定性的に説明する。
【0239】図6において、電子ビーム10の外周軌道
のうち、下側外周軌道は偏向収差補正磁石39の作用が
ないため10Dのように進む。上側外周軌道も偏向収差
補正磁石39の作用がないため10Uのように進み、蛍
光膜13に到達する前に下側外周軌道10Dと交差す
る。この結果、蛍光膜13上には図6に示した径D2
スポットを結ぶ。
【0240】これに対して、図5に示したように、偏向
収差補正磁石39が作用すると電子ビ−ムの上側に位置
する軌道の部分は偏向収差補正磁石39で形成される磁
力線の作用を受けて10U’のように進み、また電子ビ
ームの下側に位置する軌道の部分は偏向収差補正磁石3
9によって形成される磁路の為該部分の偏向磁界が減少
するので10Dのように進み、蛍光膜13に到達する前
に上記上側外周軌道10U' と交差することもなく蛍光
膜13に到達する。
【0241】この結果、蛍光膜13上には上記D2 より
小さな径D3 のスポットを結ぶ。これは、上記不均一な
磁界が図1のように形成されているからである。
【0242】径D3 のビームスポツトの蛍光膜13上各
位置での分布は偏向収差補正磁石39を構成する部品の
取付け位置、蛍光面13に向かって延びる長さ、偏向磁
界の分布、上記2つの間隙間を通過するときの電子ビー
ムの径、陰極線管の最大偏向角などの組合せで適正化で
き、画面中央部でのビームスポツト径D1 との差を小さ
くして画面全域で一様な解像度とすることができる。
【0243】図7は本発明の他の実施例の陰極線管の作
用を説明する要部断面模式図であって、前記図4の偏向
ヨーク11の磁界内に位置して、電子ビーム10を該偏
向ヨーク11の磁界で偏向するとき、その偏向角に応じ
て電子ビーム10の偏向収差を補正する不均一磁界を形
成するための偏向収差補正磁石39の作用の他の例を詳
細に説明するものである。同図において、(a)は上面
図、(b)は側面図である。
【0244】この例では、上記不均一磁界は電子ビーム
10に集束作用を与える。前記図4と同じ機能に部分に
は同一符号を付してある。
【0245】図8は上記本発明の他の実施例の陰極線管
における不均一磁界形成磁石である偏向収差補正磁石の
作用を従来技術と対比して説明するために上記偏向収差
補正磁石が欠如した図7と同様の要部断面模式図であ
る。
【0246】図7、図8において、電子銃の第3電極
(G3)3を通過してきた電子ビーム10は第4電極
(G4)4との間に形成される主レンズ38により集束
され、偏向ヨーク11で形成される偏向磁界による偏向
を受けない場合(画面中央部)はそのまま直進して蛍光
膜13上に径D1 のビームスポットを結ぶ。
【0247】ここで、蛍光膜13の図中蛍光面側から見
て右側に偏向される場合を例にとり、偏向収差補正磁石
39の作用のあり(図7)、なし(図8)で電子ビーム
10の軌道がどのように変わるかを定性的に説明する。
【0248】図8において、電子ビーム10の外周軌道
のうち、蛍光面側からみて右側外周軌道は偏向収差補正
磁石39の作用がないため10Rのように進む。左側外
周軌道も偏向収差補正磁石39の作用がないため10L
のように進み、蛍光膜13に到達するときは発散して径
2 のビームスポットを結ぶ。
【0249】これに対して、図7に示したように、偏向
収差補正磁石39が作用すると、電子ビームの左側に位
置する軌道の部分は、偏向収差補正磁石39で形成され
る磁力線の作用を受けて10L’のように進む。
【0250】また、電子ビームの右側に位置する軌道の
部分は、偏向収差補正磁極39によって形成される磁界
のため、該部分の偏向磁界が減少するので10Rのよう
に進み、蛍光膜13に到達するときは、電子ビーム10
は集束する。
【0251】この結果、蛍光膜13上には上記D2 より
小さな径の径D3 のビームスポットを結ぶ。これは、上
記不均一な磁界が前記図1のように形成されるからであ
る。径D3 のビームスポットの蛍光膜13上各位置での
分布は、偏向収差補正磁石39を構成する部品の取付け
位置、蛍光膜13に向かって延びる長さ、蛍光膜13と
略平行方向に延びる長さ、偏向磁界の分布、上記2つの
間隙間を通過するときの電子ビームの径、陰極線管の最
大偏向角などの組み合わせで適性化でき、画面中央のビ
ームスポット径D1 との差を小さくして画面全域で一様
な解像度とすることができる。
【0252】以上の結果、本実施例によれば、該電子銃
の一部の電極に電子ビームの偏向角に同期させてダイナ
ミックに電圧供給しなくても蛍光膜(画面)上で偏向角
に同期したフォーカス状態の制御が可能となり、安価で
かつ画面全体での表示の均一な陰極線管が提供可能とな
る。これ等の条件は、実際には適用する最大偏向角を含
む該陰極線管の構造、組み合わせる偏向磁界発生部の構
造、不均一な磁界を形成する偏向収差補正磁石、偏向収
差補正磁石以外の部分の電子銃構造、陰極線管の駆動条
件、陰極線管の使途などに依存するので一意的ではな
い。
【0253】偏向磁界に対応した不均一な磁界を偏向磁
界中に形成することによって蛍光面全体での解像度の均
一性向上を図るためには、該不均一磁界中でも電子ビー
ムの軌道が強度の異なった磁界領域を通過するように偏
向される必要がある。従って前記不均一な磁界は偏向磁
界との位置関係に制約される。
【0254】図9は偏向磁界分布の説明図であって、
(a)は偏向角度が100度以上の陰極線管における偏
向磁界の管軸上での分布例の説明図、(b)は(a)に
示した偏向磁界分布と偏向磁界発生機構の位置関係の説
明図である。
【0255】なお、同図において、向かって右側が蛍光
面に近い側、左側が蛍光面に遠い側である。
【0256】同図(a)および(b)において、Aは磁
界測定時に基準とした位置、BHは走査線方向に偏向す
る磁界の磁束密度64の最大値をもつ位置、BVは走査
線と直角方向に偏向する磁界の磁束密度65の最大値を
もつ位置、Cは偏向磁界を発生させるコイルのコアを形
成する磁性材料の陰極線管の蛍光面から離れる側の端部
である。
【0257】前記磁極の蛍光面側が陰極線管の管軸方向
に入り組んでいる場合は前記距離は最も長い部分であ
る。
【0258】図10は偏向磁界分布の説明図であって、
(a)は偏向角度が100度未満の陰極線管における偏
向磁界の管軸上での分布例の説明図、(b)は(a)に
示した偏向磁界分布と偏向磁界発生機構の位置関係の説
明図である。
【0259】なお、同図において、向かって右側が蛍光
面に近い側、左側が蛍光面に遠い側である。
【0260】同図(a)および(b)において、Aは磁
界測定時に基準とした位置、BHは走査線方向に偏向す
る磁界の磁束密度64の最大値をもつ位置、BVは走査
線と直角方向に偏向する磁界の磁束密度65の最大値を
もつ位置、Cは偏向磁界を発生させるコイルのコアを形
成する磁性材料の陰極線管の蛍光面から離れる側の端部
である。
【0261】図11は本発明の偏向磁界中に偏向磁界に
対応した不均一な磁界を形成する偏向収差補正磁石の構
造例を示す斜視図である。同図の偏向収差補正磁石39
は4個の硬磁化特性を持つ磁石板からなり、距離Dだけ
離して蛍光面に面Eが略平行に対向する。各々上下各1
個の間隙間の中央Zc−Zc,Zs−Zsを偏向磁界の
ないとき電子ビームが通過するようにする。
【0262】偏向収差補正磁石39は6つの間隙Dが走
査線と平行になるように角度設定すると共に、電子銃の
陽極に取付け、ネック部外径29ミリメートル、最大偏
向角112度で蛍光面サイズが68センチメートルのカ
ラー陰極線管に実際に封止した。
【0263】この陰極線管に図9(a)に示した偏向磁
界を組合せ、図11のE面を図9(a)の管軸位置96
ミリメートルの位置に設定して、陽極電圧30キロボル
トを用いて好結果を得た。
【0264】図11のE面を設定した位置に磁極がない
場合の磁束密度は陽極電圧1キロボルトの平方根あたり
0.0104ミリテスラであり、これは最大磁束密度の
約40%である。また、そのE面を設定した位置は偏向
磁界を発生させるコイルの蛍光面から遠い側のコア端部
から約18ミリメートルである。
【0265】これ等の条件は適用する最大偏向角を含む
陰極線管の構造、組み合わせる偏向磁界発生部の構造、
偏向収差補正磁石、偏向収差補正磁石以外の部分の電子
銃構造、陰極線管の駆動条件、陰極線管の使途などに依
存するので一意的ではない。また、偏向磁界中に偏向磁
界に対応した不均一な磁界を形成する図11に示した偏
向収差補正磁石を前記と同様に陰極線管に用い、電子銃
の陽極に取付けて、ネック部外径29ミリメートル、最
大偏向角90度で蛍光面サイズが48センチメートルの
カラー陰極線管に封止した。
【0266】該陰極線管に図10(a)の偏向磁界を組
合せ、図11のE面を図10(a)の管軸位置58ミリ
メートルの位置に設定して、陽極電圧30キロボルトを
用いて好結果を得た。
【0267】図11のE面の位置に磁極がない場合の磁
束密度は陽極電圧1キロボルトの平方根あたり0.01
6ミリテスラであり、これは最大磁束密度の約78%で
ある。また、そのE面の位置は偏向磁界を発生させるコ
イルのコアから約25ミリメートルの距離にある。
【0268】これ等の条件は、適用する最大偏向角を含
む陰極線管の構造、組み合わせる偏向磁界発生部の構
造、偏向収差補正磁石、偏向収差補正磁石以外の部分の
電子銃構造、陰極線管の駆動条件、陰極線管の使途など
に依存するので一意的ではない。
【0269】図12は本発明による陰極線管に用いられ
る電子銃の一例を示す要部断面図であって、主レンズ3
8を挟んで陽極6が陰極線管内部では蛍光面に近く配置
され、集束電極5が蛍光面から遠く配置される。
【0270】同図では、偏向磁界中に偏向磁界に対応し
た不均一な磁界を形成する偏向収差補正磁石39は、電
子銃の陽極6の主レンズ38との対向面6aよりも蛍光
面側に位置している。
【0271】図13は本発明の陰極線管に用いる電子銃
構成の1例を説明する模式図であって、陰極線管は最大
偏向角が85度未満の投射形陰極線管である。
【0272】同図においては、陽極4よりも蛍光面13
に近い位置のネック部7の外側に電磁集束用コイル74
が設置されている。また、陽極4の主レンズ38との対
向面4aから偏向磁界中に偏向磁界に対応した不均一な
磁界を形成する偏向収差補正磁石39の蛍光面13に近
い端部までの距離Lは180ミリメートル程度である。
陽極4は主レンズ38との対向面4aの開口径が30ミ
リメートルの円筒である。
【0273】同図の構成は、ネック部7の内面に形成さ
れた抵抗膜75と抵抗体76で蛍光膜の電位を分圧して
陽極4への供給電圧を発生させている。細かい条件は、
最大偏向角を含む当該陰極線管の構造、組み合わせる偏
向磁界発生部の構造、偏向収差補正磁石、偏向収差補正
磁石以外の部分の電子銃構造、陰極線管の動作条件、陰
極線管の使途などに依存するので一意的でない。
【0274】図14は本発明をインライン配列した3電
子ビームを用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補
正磁石の構造例を説明する要部構成図であって、(a)
は垂直方向の収差補正磁力線の説明図、(b)は水平方
向の収差補正磁力線の説明図である。
【0275】同図(a)において、偏向収差補正磁石3
9が各電子ビーム10のインライン方向の脇に位置し
て、各磁極の対向部を各電子ビーム10のインラインと
直角な位置に配置して当該部分に磁束を集中させる。
【0276】なお、同図(a)における77はインライ
ン配列と直角方向に電子ビーム10を偏向するための磁
力線であり、この偏向収差補正磁石39で偏向磁界中に
偏向磁界に対応した不均一な磁界を形成させることによ
り、電子ビーム10の非偏向時の軌道位置を挟んだ付近
に磁力線77を集めて該当部の偏向補正を行う。
【0277】また、同図(b)における78はインライ
ン配列方向に電子ビーム10を偏向するための磁力線で
あり、この偏向収差補正磁石39で偏向磁界中に偏向磁
界に対応した不均一な磁界を形成させることにより、電
子ビーム10の非偏向時の軌道位置を挟んだ付近に磁力
線78を集めて該当部の偏向補正を行う。
【0278】図15は本発明をインライン配列した3電
子ビームを用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補
正磁石の別の構造例を説明する要部構成図であって、
(a)は垂直方向の収差補正磁力線の説明図、(b)は
水平方向の収差補正磁力線の説明図である。
【0279】同図(a)において、偏向収差補正磁石3
9が各電子ビーム10のインライン方向の脇に位置し
て、その各磁極の対向部を各電子ビーム10のインライ
ンと直角な位置に配置して当該部に磁束を集中させる。
【0280】77はインライン配列方向と直角方向に電
子ビーム10を偏向するための磁力線であり、この偏向
収差補正磁石39で偏向磁界中に偏向磁界に対応した不
均一な磁界を形成させることにより、電子ビーム10の
非偏向時の軌道位置を挟んだ付近に磁力線77を集めて
該当部の偏向補正を行う。
【0281】また、同図(b)においては、偏向収差補
正磁石39が各電子ビーム10のインライン方向の脇に
位置して、その各磁極の対向部を各電子ビーム10のイ
ンライン配列方向に配置して当該部に磁束を集中させ
る。
【0282】78はインライン配列方向に電子ビーム1
0を偏向するための磁力線であり、この偏向収差補正磁
石39で偏向磁界中に偏向磁界に対応した不均一な磁界
を形成させることにより、電子ビーム10の非偏向時の
軌道位置を挟んだ付近に磁力線78を集めて該当部の偏
向補正を行う。
【0283】この構成によれば、前記図14の構成に比
べて、偏向収差補正磁石39の電子ビーム10に近い磁
極部分のがテーパ状に切り落とされているため、インラ
イン配列と直角方向への偏向磁界の磁力線77を電子ビ
ーム10の非偏向時の軌道位置を挟んだ付近に集める量
が少なくてもよい場合に適している。
【0284】図16は本発明をインライン配列した3電
子ビームを用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補
正磁石のさらに別の構造例を説明する要部構成図であっ
て、(a)は垂直方向の収差補正磁力線の説明図、
(b)は水平方向の収差補正磁力線の説明図である。
【0285】同図(a)において、偏向収差補正磁石3
9が各電子ビーム10のインライン方向の脇に位置し
て、その各磁極の対向部を各電子ビーム10のインライ
ンと直角な位置に配置して当該部に磁束を集中させる。
【0286】77はインライン配列方向と直角方向に電
子ビーム10を偏向するための磁力線であり、この偏向
収差補正磁石39で偏向磁界中に偏向磁界に対応した不
均一な磁界を形成させることにより、電子ビーム10の
非偏向時の軌道位置を挟んだ付近に磁力線77を集めて
該当部の偏向補正を行う。
【0287】また、同図(b)においては、偏向収差補
正磁石39が各電子ビーム10のインライン方向の脇に
位置して、その各磁極の対向部を各電子ビーム10のイ
ンライン配列方向に配置して当該部に磁束を集中させ
る。
【0288】78はインライン配列方向に電子ビーム1
0を偏向するための磁力線であり、この偏向収差補正磁
石39で偏向磁界中に偏向磁界に対応した不均一な磁界
を形成させることにより、電子ビーム10の非偏向時の
軌道位置を挟んだ付近に磁力線78を集めて該当部の偏
向補正を行う。
【0289】この構成によれば、前記図14の構成に比
べて、偏向収差補正磁石39の電子ビーム10に遠い部
分がテーパ状に切り落とされているため、インライン配
列と直角方向への偏向磁界の磁力線77を電子ビーム1
0の非偏向時の軌道位置を挟んだ付近に集める量がより
多く必要な場合に適している。
【0290】図17は本発明をインライン配列した3電
子ビームを用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補
正磁石のさらに別の構造例を説明する要部構成図であ
る。
【0291】同図において、偏向収差補正磁石39が各
電子ビーム10のインライン配列方向の脇に位置して、
その各磁極の対向部を各電子ビーム10のインライン方
向と直角な位置に配置して当該部に磁束を集中する。
【0292】なお、77はインライン配列方向と直角方
向に電子ビーム10を偏向するための磁力線であり、こ
の偏向収差補正磁石39で偏向磁界中に偏向磁界に対応
した不均一な磁界を形成させることにより、電子ビーム
10の非偏向時の軌道位置を挟んだ付近に磁力線77を
集めて該当部の偏向補正を行う。
【0293】さらに、同図において、インライン配列方
向に電子ビーム10を偏向するための磁力線78を電子
ビーム10の非偏向時の軌道位置付近に集める量を増加
できる。
【0294】図18は本発明をインライン配列した3電
子ビームを用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補
正磁石のさらに別の構造例を説明する要部構成図であ
る。
【0295】同図において、偏向収差補正磁石39が各
電子ビーム10のインライン配列方向の脇に位置して、
その各磁極の対向部を各電子ビーム10のインライン方
向と直角な位置に配置して当該部に磁束を集中する。
【0296】なお、77はインライン配列方向と直角方
向に電子ビーム10を偏向するための磁力線であり、こ
の偏向収差補正磁石39で偏向磁界中に偏向磁界に対応
した不均一な磁界を形成させることにより、電子ビーム
10の非偏向時の軌道位置を挟んだ付近に磁力線77を
集めて該当部の偏向補正を行う。
【0297】脇の電子ビームの更にネック管寄りの磁石
のインライン方向と直角方向の長さHsを中央の電子ビ
ーム寄りの部分の長さHcより伸ばすことにより、磁力
線の集中量を増すことができる。
【0298】図19は本発明をインライン配列した3電
子ビームを用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補
正磁石のさらに別の構造例を説明する要部構成図であ
る。
【0299】同図において、偏向収差補正磁石39が各
電子ビーム10のインライン配列方向の脇に位置して、
その各磁極の対向部を各電子ビーム10のインライン方
向と直角な位置に配置して当該部に磁束を集中する。
【0300】なお、77はインライン配列方向と直角方
向に電子ビーム10を偏向するための磁力線であり、こ
の偏向収差補正磁石39で偏向磁界中に偏向磁界に対応
した不均一な磁界を形成させることにより、電子ビーム
10の非偏向時の軌道位置を挟んだ付近に磁力線77を
集めて該当部の偏向補正を行う。
【0301】脇の電子ビームに対応する磁極の間隔Ls
と中央の電子ビームに対応する磁極の間隔Lcを異なっ
た長さにすることで、中央の電子ビームに対応する磁界
と脇の電子ビームに対応する磁界の強さを異なった値に
できる。
【0302】図20は本発明をインライン配列した3電
子ビームを用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補
正磁石のさらに別の構造例を説明する要部構成図であ
る。
【0303】同図において、偏向収差補正磁石39が各
電子ビーム10のインライン配列方向の脇に位置して、
その各磁極の対向部を各電子ビーム10のインライン方
向と直角な位置に配置して当該部に磁束を集中する。
【0304】なお、77はインライン配列方向と直角方
向に電子ビーム10を偏向するための磁力線であり、こ
の偏向収差補正磁石39で偏向磁界中に偏向磁界に対応
した不均一な磁界を形成させることにより、電子ビーム
10の非偏向時の軌道位置を挟んだ付近に磁力線77を
集めて該当部の偏向補正を行う。
【0305】脇の電子ビームに対応する磁極のインライ
ン方向と直角方向の長さで中央の電子ビーム寄りの長さ
Hcとネック管寄りの長さHsを異なった長さにするこ
とで、脇の電子ビームに対応する磁界にインライン方向
の分布を持たせることができる。
【0306】図21は本発明をインライン配列した3電
子ビームを用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補
正磁石のさらに別の構造例を説明する要部構成図であ
る。
【0307】同図において、偏向収差補正磁石39が各
電子ビーム10のインライン配列方向と直角方向の脇に
位置して、その各磁極の対向部を各電子ビーム10のイ
ンライン方向と直角な位置に配置して当該部に磁束を集
中する。
【0308】なお、77はインライン配列方向と直角方
向に電子ビーム10を偏向するための磁力線であり、こ
の偏向収差補正磁石39で偏向磁界中に偏向磁界に対応
した不均一な磁界を形成させることにより、電子ビーム
10の非偏向時の軌道位置を挟んだ付近に磁力線77を
集めて該当部の偏向補正を行う。
【0309】この構成は、インライン配列方向に偏向す
る磁界集中を必要としない場合に適している。
【0310】図22は本発明をインライン配列した3電
子ビームを用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補
正磁石のさらに別の構造例を説明する要部構成図であ
る。
【0311】同図において、偏向収差補正磁石39のイ
ンライン方向対向部を各電子ビーム10のインライン方
向と直角方向の位置から若干離れた位置の2箇所に配置
する。
【0312】すなわち、インライン方向と直角方向に電
子ビーム10を偏向するために2箇所に磁力線77aと
77bを形成し、偏向磁界中に偏向磁界に対応した不均
一な磁界を形成して、電子ビーム10の非偏向時の軌道
位置を挟んだ付近に磁力線77a,77bを集めて該当
部の偏向補正を行う。
【0313】この構成はインライン配列方向に偏向する
磁界集中を必要としない場合に適している。
【0314】図23は本発明をインライン配列した3電
子ビームを用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補
正磁石のさらに別の構造例を説明する要部構成図であっ
て、(a)は正面図、(b)は(a)のY−Y線方向か
らみた側面図である。
【0315】同図において、角形断面の棒状材料からな
る偏向収差補正磁石39のインライン配列方向の対向部
を各電子ビーム10のインライン配列方向と直角な位置
に配置して当該部に磁束を集中する。
【0316】なお、77はインライン配列方向と直角方
向に電子ビーム10を偏向するための磁力線であり、こ
の偏向収差補正磁石39で偏向磁界中に偏向磁界に対応
した不均一な磁界を形成させることにより、電子ビーム
10の非偏向時の軌道位置を挟んだ付近に磁力線77を
集めて該当部の偏向補正を行う。
【0317】この構成は、インライン配列方向に偏向す
る磁界集中を必要としない場合に適している。
【0318】図24は本発明をインライン配列した3電
子ビームを用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補
正磁石のさらに別の構造例を説明する要部構成図であっ
て、(a)は正面図、(b)は(a)のY−Y線方向か
らみた側面図である。
【0319】同図において、円形断面の棒状材料からな
る偏向収差補正磁石39のインライン配列方向の対向部
を各電子ビーム10のインライン方向と直角な位置に配
置して当該部に磁束を集中する。
【0320】なお、77はインライン配列方向と直角方
向に電子ビーム10を偏向するための磁力線であり、こ
の偏向収差補正磁極39で偏向磁界中に偏向磁界に対応
した不均一な磁界を形成させることにより、電子ビーム
10の非偏向時の軌道位置を挟んだ付近に磁力線77を
集めて該当部の偏向補正を行う。
【0321】この構成は、インライン配列方向に偏向す
る磁界集中を必要としない場合に適している。
【0322】図25は本発明をインライン配列した3電
子ビームを用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補
正磁石のさらに別の構造例を説明する要部構成図であっ
て、(a)は正面図、(b)は(a)のY−Y線方向か
らみた側面図である。
【0323】同図において、棒状材料からなる偏向収差
補正磁石39のインライン配列方向の対向部を各電子ビ
ーム10のインライン配列方向と直角な位置に配置して
当該部に磁束を集中する。
【0324】なお、77はインライン配列方向と直角方
向に電子ビーム10を偏向するための磁力線であり、こ
の偏向収差補正磁極39で偏向磁界中に偏向磁界に対応
した不均一な磁界を形成させることにより、電子ビーム
10の非偏向時の軌道位置を挟んだ付近に磁力線77を
集めて該当部の偏向補正を行う。
【0325】脇電子ビームよりネック管側に位置する磁
極のインライン配列方向と直角方向の長さを伸ばすこと
により、磁束の集中を高めることができる。
【0326】この構成は、インライン配列方向に偏向す
る磁界集中を必要としない場合に適している。
【0327】図26は本発明をインライン配列した3電
子ビームを用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補
正磁石のさらに別の構造例を説明する要部構成図であっ
て、(a)は正面図、(b)は(a)のY−Y線方向か
らみた側面図である。
【0328】同図において、板状材料からなる偏向収差
補正磁石39が各電子ビーム10のインライン配列方向
の脇に位置して各電子ビーム10に磁束を集中する。
【0329】すなわち、この偏向収差補正磁石39で偏
向磁界中に偏向磁界に対応した不均一な磁界を形成させ
ることにより、電子ビーム10の非偏向時の軌道位置を
挟んだ付近に電子ビーム10をインライン配列方向と直
角方向に偏向する磁力線77とインライン配列方向に偏
向する磁力線78を形成する。
【0330】図27は本発明をインライン配列した3電
子ビームを用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補
正磁石のさらに別の構造例を説明する要部構成図であっ
て、(a)は正面図、(b)は(a)のY−Y線方向か
らみた側面図である。
【0331】同図において、円形断面の棒状材料からな
る偏向収差補正磁石39が各電子ビーム10のインライ
ン配列方向の脇に位置して各電子ビーム10に磁束を集
中する。
【0332】すなわち、この偏向収差補正磁石39で偏
向磁界中に偏向磁界に対応した不均一な磁界を形成させ
ることにより、電子ビーム10の非偏向時の軌道位置を
挟んだ付近に電子ビーム10をインライン配列方向と直
角方向に偏向する磁力線77とインライン配列方向に偏
向する磁力線78を形成する。
【0333】図28は本発明をインライン配列した3電
子ビームを用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補
正磁石のさらに別の構造例を説明する要部構成図であっ
て、(a)は正面図、(b)は(a)のY−Y線方向か
らみた側面図である。
【0334】同図において、陰極線管の管軸方向に長い
板状材料からなる偏向収差補正磁石39が各電子ビーム
10のインライン配列方向の脇に位置して各電子ビーム
10に磁束を集中する。
【0335】すなわち、この偏向収差補正磁石39で偏
向磁界中に偏向磁界に対応した不均一な磁界を形成させ
ることにより、電子ビーム10の非偏向時の軌道位置を
挟んだ付近に電子ビーム10をインライン配列方向と直
角方向に偏向する磁力線77とインライン配列方向に偏
向する磁力線78を形成する。
【0336】図29は本発明をインライン配列した3電
子ビームを用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補
正磁石のさらに別の構造例を説明する要部構成図であ
る。
【0337】同図において、インライン配列方向と直角
方向に長い板状材料からなる偏向収差補正磁石39が各
電子ビーム10のインライン配列方向の脇に位置して各
電子ビーム10に磁束を集中する。
【0338】すなわち、この偏向収差補正磁極39で偏
向磁界中に偏向磁界に対応した不均一な磁界を形成させ
ることにより、また電子ビーム10の非偏向時の軌道位
置を挟んだ付近の偏向磁界に対応した磁力線77を斉一
にして該当部の偏向補正を行う。
【0339】なお、磁力線78は電子ビーム10をイン
ライン配列方向に偏向する磁力線である。
【0340】図30は本発明をインライン配列した3電
子ビームを用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補
正磁石のさらに別の構造例を説明する要部構成図であ
る。
【0341】同図において、インライン配列方向と直角
方向に長い幅狭の板状材料からなる偏向収差補正磁石3
9が各電子ビーム10のインライン配列方向の脇に位置
して各電子ビーム10に磁束を集中する。
【0342】すなわち、この偏向収差補正磁石39で偏
向磁界中に偏向磁界に対応した不均一な磁界を形成させ
ることにより、また電子ビーム10の非偏向時の軌道位
置を挟んだ付近の偏向磁界に対応した磁力線77を斉一
にして該当部の偏向補正を行う。
【0343】なお、磁力線78は電子ビーム10をイン
ライン配列方向に偏向する磁力線である。
【0344】図31は本発明をインライン配列した3電
子ビームを用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補
正磁石のさらに別の構造例を説明する要部構成図であ
る。
【0345】同図において、インライン配列方向と直角
方向に長い板状材料からなる偏向収差補正磁石39が各
電子ビーム10のインライン配列方向の脇に位置すると
共に、中央電子ビームの脇に位置する偏向収差補正磁石
の幅を脇の電子ビームのネック管寄りに位置する磁石の
幅よりも幅広とすることで各電子ビーム10に磁束を集
中する。
【0346】すなわち、この偏向収差補正磁極39で偏
向磁界中に偏向磁界に対応した不均一な磁界を形成させ
ることにより、また電子ビーム10の非偏向時の軌道位
置を挟んだ付近の偏向磁界に対応した磁力線77の特に
中央電子ビームに作用する磁力線77をより斉一にして
該当部の偏向補正を行う。
【0347】なお、磁力線78は電子ビーム10をイン
ライン配列方向に偏向する磁力線である。
【0348】また、4個の偏向収差補正磁石39の幅の
関係を上記と逆にすることで、脇の電子ビームに対応す
る磁力線77をより斉一にすることができる。
【0349】図32は本発明をインライン配列した3電
子ビームを用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補
正磁極のさらに別の構造例を説明する要部構成図であ
る。
【0350】同図において、インライン配列方向と直角
方向に長い偏向収差補正磁石39が各電子ビーム10の
インライン配列方向の脇に位置して各電子ビーム10に
磁束を集中する。
【0351】77はインライン配列方向と直角方向、7
8はインライン配列方向にそれぞれ電子ビーム10を偏
向するための磁力線である。
【0352】中央電子ビームの脇に位置する磁石の長さ
を脇の電子ビームのネック管寄りに位置する磁石の長さ
よりも長くする。これにより、中央の電子ビームに相当
する箇所の磁力線77をより斉一にできる。さらに、脇
の電子ビームに対応するネック管寄りの箇所の磁力線7
7を密度の高い非斉一にすることができる。
【0353】また、4個の偏向収差補正磁石39の長さ
の関係を上記と逆にすることで、脇の電子ビームに対応
する磁力線77をより斉一にすることができる。
【0354】図33は本発明をインライン配列した3電
子ビームを用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補
正磁石のさらに別の構造例を説明する要部構成図であ
る。
【0355】同図において、インライン配列方向と直角
方向に長い偏向収差補正磁石39が各電子ビーム10の
インライン配列方向の脇に位置して各電子ビーム10に
磁束を集中する。
【0356】77はインライン配列方向と直角方向、7
8はインライン配列方向にそれぞれ電子ビーム10を偏
向するための磁力線である。
【0357】中央電子ビームの脇に位置する磁石の長さ
を脇の電子ビームのネック管寄りに位置する磁石の長さ
よりも長くし、脇の電子ビームのネック管寄りの磁石の
うち電子ビームに近い側の長さを短くする。
【0358】この構成により、前記図32に示した構成
に比べて脇の電子ビームに対応する箇所の磁力線77を
ネック管寄りで高い密度のより高い非斉一とすることが
できる。
【0359】また、4個の磁極の形状関係を変えること
で上記とは異なる磁界分布を得ることができる。
【0360】図34は本発明をインライン配列した3電
子ビームを用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補
正磁石のさらに別の構造例を説明する要部構成図であ
る。
【0361】同図において、インライン配列方向に長い
棒状材料からなる偏向収差補正磁石39が各電子ビーム
10のインライン配列方向と直角方向に対向部を形成し
てインライン配列方向と直角方向に偏向する磁束を集中
する。
【0362】77はインライン配列方向と直角方向に、
78はインライン配列方向にそれぞれ電子ビーム10を
偏向するための磁力線である。
【0363】脇の電子ビームのネック管寄りの磁極は、
インライン配列方向と直角方向でインライン方向の中心
軸側に伸びる部分Fと、逆の方向に伸びる部分Gとを有
している。
【0364】この構成において、上記部分Fによりイン
ライン配列方向に偏向する偏向磁界の脇の電子ビームに
対応する磁界のうちネック管寄りの磁束密度を増すこと
ができる。また、部分Gによりインライン配列方向と直
角方向の偏向収差補正磁界を強めることができる。
【0365】図35は本発明をインライン配列した3電
子ビームを用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補
正磁石のさらに別の構造例を説明する要部構成図であっ
て、前記図34で説明した偏向収差補正磁石のネック管
寄りの磁極を棒状の材料を折り曲げて形成したもので、
その作用は上記図34の構成と同様である。
【0366】図36は本発明をインライン配列した3電
子ビームを用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補
正磁石のさらに他の実施例を説明する要部構成図であっ
て、(a)は正面図、(b)は(a)のY−Y線方向か
らみた側面図である。
【0367】同図において、偏向収差補正磁石39が各
電子ビーム10のインライン方向の脇に位置して、その
各磁極の対向部を各電子ビーム10のインライン方向と
直角方向の端部を陰極線管の管軸方向に突出させてい
る。
【0368】なお、77はインライン配列方向と直角方
向にそれぞれ電子ビーム10を偏向させるための磁力線
である。
【0369】このような構成の偏向収差補正磁石39で
偏向磁界中に、当該偏向磁界に対応した不均一な磁界を
形成させることにより、不均一磁界の管軸方向の範囲を
広げ、偏向収差の補正感度を向上させることができる。
【0370】図37は本発明をインライン配列した3電
子ビームを用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補
正磁石のさらに他の実施例を説明する要部構成図であっ
て、(a)は正面図、(b)は(a)のY−Y線方向か
らみた側面図である。
【0371】図示したように、偏向収差補正磁石39は
インライン方向両脇に位置する電子ビーム(脇電子ビー
ム)10sに対して開放先端部が当該電子ビームと中央
電子ビーム10cの垂直方向斜めから挟むような先端部
を形成したそれぞれ上下一対の磁極片39b,39b’
とから構成されている。
【0372】すなわち、この偏向収差補正磁石39は偏
向装置により形成される偏向磁界中に設置され、無偏向
時の電子ビーム10’の中心軌道を略中心とする不均一
磁界を形成して電子ビームの偏向量に対応した偏向収差
を補正する。
【0373】この偏向収差補正磁石39は前記3電子ビ
ームのインライン配列方向両脇に位置して前記脇電子ビ
ーム10s側の垂直方向中心からインライン方向外側に
ずれた位置に開放した断面コ字状の磁石片39aと、前
記脇電子ビーム10sと中央電子ビーム10cの間を垂
直方向から挟むように水平方向に位置して水平方向の各
先端が前記脇電子ビームおよび前記中央電子ビーム10
cの各垂直方向中心から前記脇電子ビーム10s側およ
び前記中央電子ビーム10c側にずれた位置に位置した
各一対の平行磁石片39b,39b’とから構成され
る。
【0374】電子ビームは図面の紙面表方向から裏方向
に通過し、この電子ビームに対して上記各磁石片39
a、39b,39b’には図示した極が形成され、それ
ぞれの磁石片39a、39b,39b’の極間にインラ
イン方向に指向する磁界が形成される。
【0375】これらの磁界により、各電子ビーム10
s、10cはインライン方向と直角な方向に引き寄せら
れる。
【0376】なお、上記の各偏向収差補正磁石の説明図
においても、その電子ビームの電流方向と各電子ビーム
を上方に偏向補正するための磁極形成はこの図37と同
様である。
【0377】図38は上記した本発明の偏向収差補正磁
石の各実施例の電子銃への設置例と電子ビームの収束状
態の説明図である。
【0378】同図(a)に示したように、偏向収差補正
磁石39は電子銃の蛍光面13側に固定されるシールド
カップの底面に固定され、電子ビーム通過口に近接して
設置される。
【0379】これにより、蛍光面上下方向(同図では上
方のみ示す)に偏向される電子ビーム10は同図(b)
の10U’と10Dに示したようにコアCの上部に若干
のハローHO を持って蛍光面13上に達する。これに対
し、上記偏向収差補正磁石を設けない場合の電子ビーム
は同図(a)の10Uと10Dに示したようにコアの下
部にに大きなハローHi を伴って蛍光面13上に達す
る。
【0380】図39は本発明をインライン配列した3電
子ビームを用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補
正磁石のさらに別の構成例を説明する要部構成図であっ
て、水平方向の収差補正磁力線の説明図である。
【0381】同図において、偏向収差補正磁石39の各
磁極の対向部を各電子ビーム10のインライン方向と垂
直方向に配置して当該対向部間に磁束を集中させること
により、偏向収差を補正する。
【0382】図40は本発明をインライン配列した3電
子ビームを用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補
正磁石のさらに別の構成例を説明する要部構成図であっ
て、水平方向の収差補正磁力線の説明図である。
【0383】同図において、偏向収差補正磁石39の各
磁極の対向部を各電子ビーム10のインライン方向と直
角方向に配置して当該対向部間に磁束を集中させること
により、偏向収差を補正する。
【0384】偏向収差の量がインライン配列した3電子
銃のうち中央に位置する電子銃と脇に位置する電子銃と
で異なるとき、磁極のインライン方向と直角方向の長さ
を当該電子銃に必要とする長さにすることにより、磁束
の集中量を変えてそれぞれの電子銃での補正量を適性化
することができる。
【0385】図41は本発明をインライン配列した3電
子ビームを用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補
正磁石のさらに別の構成例を説明する要部構成図であっ
て、水平方向の収差補正磁力線の説明図である。
【0386】同図において、偏向収差補正磁石39の各
磁極の対向部を各電子ビーム10のインライン方向と直
角方向に配置して当該対向部間に磁束を集中させること
により、偏向収差を補正する。
【0387】インライン配列した3電子銃のうち脇に位
置する電子銃の水平方向の電子ビームの発散状態が中央
に位置する電子銃側とその反対側で異なるとき、各電子
銃間の距離と偏向収差補正磁石39の各磁極間の距離を
変えることにより適性化することができる。
【0388】図42は本発明をインライン配列した3電
子ビームを用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補
正磁石のさらに別の構成例を説明する要部構成図であっ
て、水平方向の収差補正磁力線の説明図である。
【0389】同図において、偏向収差補正磁石39の各
磁極の対向部を各電子ビーム10のインライン方向と直
角方向に配置して当該対向部間に磁束を集中させること
により、偏向収差を補正する。
【0390】インライン配列した3電子銃のうち脇に位
置する電子銃の水平方向の電子ビームの発散状態が異な
るとき、各電子銃に対応する磁極のインライン方向の長
さを変えることにより適性化することができる。
【0391】図43は本発明をインライン配列した3電
子ビームを用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補
正磁石のさらに別の構成例を説明する要部構成図であっ
て、水平方向の収差補正磁力線の説明図である。
【0392】同図において、偏向収差補正磁石39の各
磁極の対向部を各電子ビーム10のインライン方向と直
角方向に配置して当該対向部間に磁束を集中させること
により、偏向収差を補正する。
【0393】インライン配列した3電子銃のうち脇に位
置する電子銃と中央に位置する電子銃の水平方向の電子
ビーム発散状態が異なるとき、各電子銃に対応する磁極
の対向部長さを変えることにより適性化することができ
る。
【0394】図44は本発明をインライン配列した3電
子ビームを用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補
正磁石のさらに別の構成例を説明する要部構成図であっ
て、水平方向の収差補正磁力線の説明図である。
【0395】同図において、偏向収差補正磁石39の各
磁極の対向部を各電子ビーム10のインライン方向と直
角方向に配置して当該対向部間に磁束を集中させること
により、偏向収差を補正する。
【0396】磁極の対向部側と対向部から離れる側でイ
ンライン方向の長さを変えることで磁束の集中状態を適
性化することができる。
【0397】図45は本発明をインライン配列した3電
子ビームを用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補
正磁石のさらに別の構成例を説明する要部構成図であっ
て、水平方向の収差補正磁力線の説明図である。
【0398】同図において、偏向収差補正磁石39の各
磁極の対向部を各電子ビーム10のインライン方向と直
角方向に配置して当該対向部間に磁束を集中させること
により、偏向収差を補正する。
【0399】磁極のインライン方向の長さを短くし、管
軸方向の長さを長くして電子ビームの中心近傍に密度が
高く電子ビームとの関わり合いが長い磁界を形成するこ
とにより、垂直偏向磁界への影響を抑えながら水平方向
の補正量を増加させることができる。
【0400】図46、図47、図48はそれぞれ本発明
をインライン配列した3電子ビームを用いるカラー陰極
線管に適用した偏向収差補正磁石のさらに別の構成例を
説明する要部構成図であって、水平方向の収差補正磁力
線の説明図である。
【0401】同各図において、偏向収差補正磁石39の
各磁極の対向部を各電子ビーム10のインライン方向と
直角方向に配置して当該対向部間に磁束を集中させるこ
とにより、偏向収差を補正する。
【0402】磁極のインライン方向の長さを短くし、磁
極の管軸方向の長さをインライン中心軸に近い位置より
インライン中心軸から離れた位置で長くして電子ビーム
の中心近傍に密度が高い磁界を形成することにより、垂
直偏向磁界への影響を抑えながら水平方向の補正量を増
加させることができる。
【0403】図49は本発明をインライン配列した3電
子ビームを用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補
正磁石のさらに別の構成例を説明する要部構成図であっ
て、垂直方向と水平方向の収差補正磁力線の説明図であ
る。
【0404】同図において、偏向収差補正磁石39aの
各磁極の対向部を各電子ビーム10のインライン方向と
直角方向に配置して当該対向部間に磁束を集中させるこ
とにより、偏向収差を補正する。
【0405】磁石のインライン方向の長さを短くし、磁
石の管軸方向の長さをインライン中心軸に近い位置より
インライン中心軸から離れた位置で長くして電子ビーム
の中心近傍に密度が高い磁界を形成することにより、垂
直偏向磁界への影響を抑えながら水平方向の補正量を増
加させることができる。
【0406】さらに、同図において、偏向収差補正磁石
39bの各磁極の対向部間隙を各電子ビーム10のイン
ライン方向と垂直方向に配置して、当該対向部間に磁束
を集中させることにより、垂直方向の偏向収差も補正す
ることができる。
【0407】偏向収差補正磁石39bのインライン方向
と直角方向の長さを短くし、水平偏向磁界への影響を抑
えながら垂直方向の補正量を増加させることができる。
【0408】さらに、同図において、水平、垂直偏向磁
界の相互の影響をさらに減らすため、各偏向磁界に対応
する磁極の管軸方向の位置を異なる状態にする。
【0409】図50は単一の電子ビームを用いる陰極線
管用電子銃に本発明を適用した主レンズ部の説明図であ
って、(a)は断面図、(b)は(a)の矢印方向から
みた正面図、(c)は斜視図である。
【0410】同図において、陽極4の径がフォーカス電
極3の径よりも大きく形成されている。このような電極
構造とすることにより、主レンズの口径を増すことが可
能となり、主レンズ通過時の電子ビーム径を大きくする
ことで、陰極線管の画面中央部でのビームスポツト径を
小さくすることができ、高解像度を得ることができる。
【0411】主レンズ通過時の電子ビーム径を大きくす
ることで、偏向時の主レンズから蛍光面までの距離の変
化による偏向収差の影響が増大し、画面中央部の解像度
向上と偏向収差増大の背反が生じる。
【0412】本発明では、偏向収差補正磁石39を設置
して偏向量に応じて電子ビームを発散させる磁界を形成
する。同図では上下方向へ偏向させる磁界に対応する電
子ビームを上下方向へ発散させる磁界を形成している。
【0413】図51は単一の電子ビームを用いる陰極線
管用電子銃に本発明を適用した他の構成例を示す主レン
ズ部の説明図であって、(a)は断面図、(b)は
(a)の矢印方向からみた正面図、(c)は斜視図であ
る。
【0414】この構成においては、主レンズを構成する
電極の構造は異なるが、基本的な作用は図49と同様で
ある。
【0415】図52、および図53は前記図50、図5
1の様に主レンズを構成する電極のうちの陽極の径がフ
ォーカス電極よりも大きい場合の電子銃要部と電子ビー
ムの軌道の説明図である。
【0416】同各図において、画面中央部では偏向磁界
がない状態で最適集束させる。偏向時は偏向収差補正磁
石がないときは100 で示すように画面の手前で集束す
る。また、偏向収差補正磁石39がある場合は100
で示すように画面上で最適集束する。
【0417】図54は単一の電子ビームを用いる陰極線
管用電子銃に本発明を適用した他の構成例を示す要部の
説明図であって、偏向収差補正磁石39は4個の部分か
ら構成されており、水平方向の磁極の間隙が狭い。
【0418】この構成により、垂直方向に電子ビーム1
0を偏向するときの偏向収差を補正することができる。
単一の電子ビームを用いる陰極線管として、投射型陰極
線管に好適である。
【0419】図55は単一の電子ビームを用いる陰極線
管用電子銃に本発明を適用した他の構成例を示す要部の
説明図であって、偏向収差補正磁石39は4個の部分か
ら構成されており、垂直方向の磁極の間隙が狭い。
【0420】この構成により、電子ビーム10を水平方
向に偏向するときの偏向収差を補正することができる。
単一の電子ビームを用いる陰極線管として、投射型陰極
線管に好適である。
【0421】そして、水平、垂直の磁界の分布に合わせ
て上記図50と図53に示した磁石を組み合わせること
もできる。
【0422】図56は単一の電子ビームを用いる陰極線
管用電子銃に本発明を適用した他の構成例を示す要部の
説明図であって、偏向収差補正磁石39は2個の部分か
ら構成されており、垂直方向の磁極の間隔が狭くされ
て、電子ビーム10を水平方向に偏向するときの偏向収
差を補正することができ、水平方向に磁極長が長いので
図54の構成に比べて水平方向の磁束を多量に集めるこ
とができる。
【0423】図57は単一の電子ビームを用いる陰極線
管用電子銃に本発明を適用した他の構成例を示す要部の
説明図であって、偏向収差補正磁石39は4個の部分か
ら構成されており、電子ビームを垂直並びに水平方向に
偏向するときの偏向収差を補正する。
【0424】図58は本発明を適用した単一電子ビーム
を用いた投射型陰極線管用電子銃の部分断面図である。
【0425】この電子銃は、最終加速電極4の内部に集
束電極3の一部が入り込んだ構造を有し、最終加速電極
4の内壁と集束電極3の端縁の間に主レンズが形成され
る。偏向収差補正磁石39は最終加速電極4の電子ビー
ム出射端に設置されている。
【0426】図59は本発明を適用したインライン配列
した3電子ビームを用いた他の陰極線管用電子銃の全体
外観図である。
【0427】また、本発明を適用したインライン配列し
た3電子ビームを用いたさらに他の陰極線管用電子銃の
部分断面図は前記図12に示したとおりである。
【0428】図60は主レンズと蛍光面の間で電子ビー
ムに対して空間電荷の反発がどのように影響するのかを
示す説明図であって、L2 は主レンズ38と蛍光膜13
との間の距離である。
【0429】同図において、電子ビーム10が陽極4
(第4電極)から十分離れると電子ビーム10の周囲は
陽極電位となり、電界はほぼ無くなる。この状態では、
主レンズ38による集束作用を受けて進んできた電子ビ
ーム10は空間電荷の反発による軌道変化の作用が増
し、蛍光膜13に達する前に最小径D4 となり、以後蛍
光膜13に近づくにつれて径は増加し蛍光膜13におい
て径D1 になる。
【0430】図61は主レンズと蛍光膜間の距離と蛍光
膜上の電子ビームスポツトの大きさの関係の説明図であ
って、上記した作用は陰極線管を同一条件で駆動する場
合に主レンズ38と蛍光膜13間の距離L2 に依存し、
このL2 が増加するにつれてビームスポット径D1 も増
加する。
【0431】カラーテレビ等に使用する陰極線管を例に
とれば、最大偏向角が決まれば主レンズ38と蛍光膜1
3間の距離L2 は陰極線管の画面サイズが増すにつれて
増加する。したがって、陰極線管の画面サイズが増すと
蛍光膜13上の電子ビーム10のスポツト径D1 が増し
て、画面サイズの増加にもかかわらず解像度はそれほど
増さない。
【0432】図62は本発明による陰極線管の1実施例
における寸法例を説明する断面模式図、また図63は本
発明による陰極線管の1実施例における寸法例と比較す
るための従来技術による陰極線管の断面模式図である。
【0433】図62と図63の何れも全く同一仕様の電
子銃を用いている。したがって、陰極線管の底部である
ステム部から主レンズ38に至る距離L3 はどちらも等
しい。
【0434】しかし、図63に示した従来技術による陰
極線管では、電子銃の主レンズ38を通過中の電子ビー
ムが偏向磁界により乱されるのを避けるために主レンズ
38を偏向ヨーク11によって形成される偏向磁界領域
から離さなければならないので、電子銃は偏向ヨーク1
1よりネック部7方向に後退した位置に設置されてお
り、主レンズ38と蛍光膜13との間の距離L2 を偏向
ヨーク11と蛍光膜13間の距離より短くすることがで
きなかった。
【0435】陰極線管の蛍光膜中央での解像度を向上さ
せるために恒常的に上記主レンズの大口径化が進められ
ている。この大口径化の効果は上記主レンズ38中を通
過時の電子ビームの径拡大で発揮される。偏向磁界で主
レンズ38を通過中の電子ビームの径が大きい程乱され
方も多いため、大口径化主レンズはますます偏向磁界か
ら離さなければならなかった。
【0436】これに対し、図62に示した本発明の構成
例では、偏向磁界で主レンズ38を通過中の電子ビーム
が乱されるのを予め見込んで偏向磁界中に当該偏向磁界
に対応した不均一磁界を形成する偏向収差補正磁石39
を設けた構造としたことにより、上記距離L2 を偏向ヨ
ーク11と蛍光膜13間の距離より短くすることが可能
となった。
【0437】したがって、上記本発明の実施例によれ
ば、陰極線管の主レンズと蛍光膜間の距離を従来技術に
よる陰極線管のそれよりも短縮可能となり、大口径化主
レンズへの適合性も相まって陰極線管の画面サイズが増
しても空間電荷の反発作用の影響を低減して蛍光膜13
上での電子ビームのスポツト径を縮小し、高解像度の陰
極線管を提供できる。
【0438】このように、いままで、電子銃のフォーカ
ス特性の低下を抑制して電子銃の長さを短縮することは
難しいため、陰極線管の全長L4 を短縮することに制約
があり、困難であったが、上記図63に示したように、
本発明の1実施例では主レンズ38と蛍光膜13間の距
離短縮により、陰極線管の全長L4 を電子銃の陰極から
主レンズに至る部分の偏向なしで従来例に比較して大幅
に短縮することができる。
【0439】本発明の1実施例では、偏向磁界中に偏向
磁界に対応した不均一磁界を形成する偏向収差補正磁石
として前記図11で説明した部品を図12に示したよう
に電子銃の陽極6に取付け、ネック部外径29ミリメー
トル、最大偏向角112度、蛍光膜の対角径が68セン
チメートルのインライン3電子ビームを用いるカラー陰
極線管に適用した。
【0440】陰極線管に前記図9(a)に示した偏向磁
界を組み合わせて、偏向収差補正磁石39の蛍光面側の
面Eを同図上の管軸位置96ミリメートルの位置に設定
して、陽極電圧30キロボルトで駆動して好結果を得
た。
【0441】上記の箇所の磁束密度は陽極電圧1キロボ
ルトの平方根あたり0.0104ミリテスラである。ま
た、これは最大磁束密度の約40%である。
【0442】さらに、上記偏向収差補正磁石39の面E
を設定した個所は、偏向磁界を発生させるコイルのコア
の蛍光膜から離れる側の端部から約18ミリメートルの
位置にある。なお、主レンズ対向面の管軸位置を図8
(a)上で100ミリメートル以下の位置に設定する
と、偏向磁界による電子ビームの乱れの影響が観察さ
れ、蛍光膜周辺の解像度が低下した。
【0443】本発明の他の実施例では、偏向磁界中に固
定した不均一磁界を形成する偏向収差補正磁極39とし
て前記図56の部品を前記図13に示したように電子銃
の陽極に取り付けて封止した。
【0444】この陰極線管は最大偏向角75度の投射型
陰極線管で電子銃の主レンズ以外に電磁集束コイル74
を用いる。図13では電子銃の陽極電圧は蛍光面電圧を
ネック部7の内壁に形成した抵抗体膜75と陰極線管内
部に設置した抵抗器76で分圧して発生させている。
【0445】電子銃の陽極4の主レンズ側対向面4aか
ら前記磁極39の蛍光膜側端部までの距離は180ミリ
メートルである。
【0446】前記図62では、偏向磁界中に固定した不
均一電界を形成する偏向収差補正磁石39の設置によ
り、偏向磁界の影響を抑制して主レンズ38を蛍光膜1
3に近付けることが可能となり、陽極4の主レンズ対向
面4aをネック部7の蛍光膜側端部7−1よりも蛍光面
側に近付けて設置できる。
【0447】陰極線管の電子銃は狭い電極間隙に高電圧
を印加するので高電界が発生し、耐電圧特性の安定化に
は高度な設計技術を要し、製造部門での品質管理に高度
な手法が必要である。最大の高電界は主レンズ38の近
傍である。主レンズ38の近傍の電界はネック部内壁の
帯電並びに陰極線管内部に残留する微小な塵埃の電子銃
電極への付着にも影響される。本実施例では主レンズ3
8がネック部7と対向しないので前記不具合を避けるこ
とができる。
【0448】更に又、電子銃陽極4への給電をネック部
7の内壁からファンネル部8の内壁に移すことにより、
ネック部7の内壁での黒鉛膜の削れによる耐電圧特性の
低下も防ぐことができる。
【0449】一般に、カラーテレビセットやコンピュー
タ端末のディスプレイ装置では、キャビネットの奥行き
は陰極線管の全長L4 に依存している。特に、最近のカ
ラーテレビセットでは陰極線管の画面サイズが増す傾向
に有り、一般家庭の住居に設置する場合にキャビネット
の奥行き寸法は無視出来ない状態である。特に他の家具
と並べて設置する場合数十ミリの奥行き寸法が問題にな
るケースも有り、キャビネットの奥行き寸法の短縮は設
置効率,使い勝手の観点からみても極めて大きな効果で
あるということができる。
【0450】このように、本発明の上記実施例によれ
ば、陰極線管の全長短縮によりフォーカス特性を損なわ
ずにキャビネットの奥行き寸法が従来製品より格段に短
くなったカラーテレビセットやコンピュータ端末のディ
スプレイ装置を提供でき、大きなセールスポイントに成
りうる。
【0451】一般に、カラーテレビセットや完成した陰
極線管,並びにファンネルのような陰極線管の部品材料
は、半導体素子のような電子部品に比べて体積が著しく
大きいので単位個数当りの輸送費は高価である。特に、
海外向けなど輸送経路が長大な場合この点は無視出来な
くなる。本発明の上記実施例では、陰極線管の全長が短
く、かつキャビネットの奥行き寸法の短いカラーテレビ
セットを提供できるので輸送費の節約が可能である。
【0452】図64は本発明の実施例の画像表示装置と
従来の画像表示装置の寸法比較の説明図である。
【0453】同図において(a),(b)が本発明によ
る陰極線管を用いた画像表示装置の場合で、陰極線管の
全長L4 を短縮出来るので奥行きL7 を短く出来る。
【0454】これに対し、(c),(d)は従来技術に
よる陰極線管を用いた画像表示装置の場合であり、陰極
線管の全長を短縮出来ないので画像表示装置の奥行きも
短くできない。
【0455】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
特にダイナミックフォーカス電圧の供給を行うことなく
画面全域でしかも電子ビーム全電流域においてフォーカ
ス特性を向上させ、良好な解像度を得ることができると
共に、小電流域でのモアレを低減できる構成を有する電
子銃を備えた陰極線管の偏向収差補正方法およびその陰
極線管を提供することができる。
【0456】また、本発明によれば、上記フォーカス特
性を向上させると同時に、陰極線管の全長を短縮できる
電子銃を備えた陰極線管の偏向収差補正方法およびその
陰極線管並びにこの陰極線管を用いた画像表示装置を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による陰極線管の偏向収差補正方法の第
1実施例を説明する模式図である。
【図2】本発明による陰極線管の偏向収差補正方法の第
3実施例を説明する模式図である。
【図3】本発明による陰極線管の偏向収差補正方法の第
4実施例を説明する模式図である。
【図4】本発明による陰極線管の第1実施例を説明する
断面模式図である。
【図5】本発明による陰極線管の作用を説明する要部断
面模式図である。
【図6】本発明の実施例による陰極線管における不均一
磁界を形成する偏向収差補正磁石の作用を従来技術と対
比説明するために上記偏向収差補正磁石を欠如した図6
と同様の要部断面模式図である。
【図7】本発明による別な陰極線管の作用を説明する要
部断面模式図である。
【図8】本発明の他の実施例による陰極線管における不
均一磁界を形成する偏向収差補正磁石の作用を従来技術
と対比説明するために上記偏向収差補正磁石を欠如した
図8と同様の要部断面模式図である。
【図9】偏向角度が100度以上の陰極線管における偏
向磁界の管軸上での偏向磁界分布の説明図である。
【図10】偏向角度が100度未満の陰極線管における
偏向磁界の管軸上での偏向磁界分布の説明図である。
【図11】本発明の偏向磁界中に偏向磁界に対応した不
均一磁界を形成する偏向収差補正磁石の構造例を示す斜
視図である。
【図12】本発明による陰極線管に用いられる電子銃の
一例を示す要部断面図である。
【図13】本発明の陰極線管に用いる電子銃構成の一例
を説明する模式図である。
【図14】本発明をインライン配列した3電子ビームを
用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補正磁石の構
造例を説明する要部構成図である。
【図15】本発明をインライン配列した3電子ビームを
用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補正磁石の別
の構造例を説明する要部構成図である。
【図16】本発明をインライン配列した3電子ビームを
用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補正磁石のさ
らに別の構造例を説明する要部構成図である。
【図17】本発明をインライン配列した3電子ビームを
用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補正磁石のさ
らに別の構造例を説明する要部構成図である。
【図18】本発明をインライン配列した3電子ビームを
用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補正磁石のさ
らに別の構造例を説明する要部構成図である。
【図19】本発明をインライン配列した3電子ビームを
用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補正磁石のさ
らに別の構造例を説明する要部構成図である。
【図20】本発明をインライン配列した3電子ビームを
用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補正磁石のさ
らに別の構造例を説明する要部構成図である。
【図21】本発明をインライン配列した3電子ビームを
用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補正磁石のさ
らに別の構造例を説明する要部構成図である。
【図22】本発明をインライン配列した3電子ビームを
用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補正磁石のさ
らに別の構造例を説明する要部構成図である。
【図23】本発明をインライン配列した3電子ビームを
用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補正磁石のさ
らに別の構造例を説明する要部構成図である。
【図24】本発明をインライン配列した3電子ビームを
用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補正磁石のさ
らに別の構造例を説明する要部構成図である。
【図25】本発明をインライン配列した3電子ビームを
用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補正磁石のさ
らに別の構造例を説明する要部構成図である。
【図26】本発明をインライン配列した3電子ビームを
用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補正磁石のさ
らに別の構造例を説明する要部構成図である。
【図27】本発明をインライン配列した3電子ビームを
用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補正磁石のさ
らに別の構造例を説明する要部構成図である。
【図28】本発明をインライン配列した3電子ビームを
用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補正磁石のさ
らに別の構造例を説明する要部構成図である。
【図29】本発明をインライン配列した3電子ビームを
用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補正磁石のさ
らに別の構造例を説明する要部構成図である。
【図30】本発明をインライン配列した3電子ビームを
用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補正磁石のさ
らに別の構造例を説明する要部構成図である。
【図31】本発明をインライン配列した3電子ビームを
用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補正磁石のさ
らに別の構造例を説明する要部構成図である。
【図32】本発明をインライン配列した3電子ビームを
用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補正磁石のさ
らに別の構造例を説明する要部構成図である。
【図33】本発明をインライン配列した3電子ビームを
用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補正磁石のさ
らに別の構造例を説明する要部構成図である。
【図34】本発明をインライン配列した3電子ビームを
用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補正磁石のさ
らに別の構造例を説明する要部構成図である。
【図35】本発明をインライン配列した3電子ビームを
用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補正磁石のさ
らに別の構造例を説明する要部構成図である。
【図36】本発明をインライン配列した3電子ビームを
用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補正磁石のさ
らに別の構造例を説明する要部構成図である。
【図37】本発明をインライン配列した3電子ビームを
用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補正磁石のさ
らに他の実施例を説明する要部構成図である。
【図38】本発明の偏向収差補正磁石の各実施例の電子
銃への設置例と電子ビームの集束状態の説明図である。
【図39】本発明をインライン配列した3電子ビームを
用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補正磁石のさ
らに別の構造例を説明する要部構成図である。
【図40】本発明をインライン配列した3電子ビームを
用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補正磁石のさ
らに別の構造例を説明する要部構成図である。
【図41】本発明をインライン配列した3電子ビームを
用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補正磁石のさ
らに別の構造例を説明する要部構成図である。
【図42】本発明をインライン配列した3電子ビームを
用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補正磁石のさ
らに別の構造例を説明する要部構成図である。
【図43】本発明をインライン配列した3電子ビームを
用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補正磁石のさ
らに別の構造例を説明する要部構成図である。
【図44】本発明をインライン配列した3電子ビームを
用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補正磁石のさ
らに別の構造例を説明する要部構成図である。
【図45】本発明をインライン配列した3電子ビームを
用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補正磁石のさ
らに別の構造例を説明する要部構成図である。
【図46】本発明をインライン配列した3電子ビームを
用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補正磁石のさ
らに別の構造例を説明する要部構成図である。
【図47】本発明をインライン配列した3電子ビームを
用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補正磁石のさ
らに別の構造例を説明する要部構成図である。
【図48】本発明をインライン配列した3電子ビームを
用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補正磁極のさ
らに別の構造例を説明する要部構成図である。
【図49】本発明をインライン配列した3電子ビームを
用いるカラー陰極線管に適用した偏向収差補正磁石のさ
らに別の構造例を説明する要部構成図である。
【図50】単一の電子ビームを用いる陰極線管用電子銃
に本発明を適用した主レンズ部の説明図である。
【図51】単一の電子ビームを用いる陰極線管用電子銃
に本発明を適用した他の構成例を示す主レンズ部の説明
図である。
【図52】図50、図51の様に主レンズを構成する電
極のうちの陽極の径がフォーカス電極よりも大きい場合
の電子銃要部と電子ビームの軌道の説明図である。
【図53】図50、図51の様に主レンズを構成する電
極のうちの陽極の径がフォーカス電極よりも大きい場合
の他の電子銃要部と電子ビームの軌道の説明図である。
【図54】単一の電子ビームを用いる陰極線管用電子銃
に本発明を適用した他の構成例を示す要部の説明図であ
る。
【図55】単一の電子ビームを用いる陰極線管用電子銃
に本発明を適用した他の構成例を示す要部の説明図であ
る。
【図56】単一の電子ビームを用いる陰極線管用電子銃
に本発明を適用した他の構成例を示す要部の説明図であ
る。
【図57】単一の電子ビームを用いる陰極線管用電子銃
に本発明を適用した他の構成例を示す要部の説明図であ
る。
【図58】本発明を適用した単一の電子ビームを用いた
陰極線管用電子銃の部分断面図である。
【図59】本発明を適用したインライン配列した3電子
ビームを用いた他の陰極線管用電子銃の全体外観図であ
る。
【図60】主レンズと蛍光面の間で電子ビームに対して
空間電荷の反発がどのように影響するのかを示す説明図
である。
【図61】主レンズと蛍光膜間の距離と蛍光膜上の電子
ビームスポツトの大きさの関係の説明図である。
【図62】本発明による陰極線管の1実施例における寸
法例を説明する断面模式図である。
【図63】本発明による陰極線管の1実施例における寸
法例を比較するための従来技術による陰極線管の断面模
式図である。
【図64】本発明の実施例の画像表示装置と従来の画像
表示装置の寸法比較の説明図である。
【図65】偏向量(偏向角度)と偏向収差量の関係の説
明図である。
【図66】偏向量と偏向収差補正量の関係の説明図であ
る。
【図67】電子ビームの蛍光膜上の集束状態の説明図で
ある。
【図68】陰極線管の蛍光面を構成するパネル部に形成
される走査線の説明図である。
【図69】偏向収差補正磁石の構成例の説明図である。
【図70】インライン型電子銃を備えたシャドウマスク
方式カラー陰極線管の断面を説明する模式図である。
【図71】画面の中央部で円形となる電子ビームスポッ
トで画面の周囲を発光させた場合の電子ビームスポット
の説明図である。
【図72】陰極線管の偏向磁界分布の説明図である。
【図73】電子ビームスポット形状の変形を説明する電
子銃の電子光学系の模式図である。
【図74】図71で説明した画面周辺部での画質の低下
を抑制する手段の説明図である。
【図75】図72に示したレンズ系を用いた場合の螢光
面の電子ビームスポット形状を説明する模式図である。
【図76】主レンズのレンズ強度を非回転対称とする代
わりにプリフォーカスレンズの水平方向(X−X)レン
ズ強度を強化した電子銃の電子光学系の模式図である。
【図77】図75の構成にハローの抑制効果を付加した
電子銃の電子光学系の模式図である。
【図78】図76に示した構成のレンズ系を用いたとき
の画面上での電子ビームのスポット形状を説明する模式
図である。
【図79】小電流時での電子ビームの軌道を説明する電
子銃の電子光学系の模式図である。
【図80】プリフォーカスレンズの内の発散レンズ側の
画面垂直方向(Y−Y)のレンズ強度を大きくした場合
の電子銃の電子光学系を示す模式図である。
【図81】陰極線管に用いられる電子銃の一例を説明す
る全体側面図である。
【図82】図81の矢印方向からみた要部部分断面図で
ある。
【図83】フォーカス電圧の与え方による電子銃の構造
比較のための要部断面模式図である。
【図84】図81に示した各電子銃に供給するフォーカ
ス電圧の説明図である。
【符号の説明】
4 第4電極(G4) 7 電子銃を収納する陰極線管のネック部 8 ファンネル部 14 パネル部 10,62,63 電子ビーム 11 偏向ヨーク 12 シャドウマスク 13 蛍光膜 38 電子銃の主レンズ 39 偏向収差補正磁石 61 磁力線。

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の電極からなる電子銃と偏向装置およ
    び蛍光面を少なくとも備える陰極線管の偏向収差補正方
    法において、 前記偏向装置により形成される偏向磁界中に固定した不
    均一磁界を形成する磁石を設置して電子ビームの偏向収
    差を補正することを特徴とする陰極線管の偏向収差補正
    方法。
  2. 【請求項2】複数の電極からなる電子銃と偏向装置およ
    び蛍光面を少なくとも備える陰極線管の偏向収差補正方
    法において、 前記偏向装置により形成される偏向磁界中に固定した不
    均一磁界を形成する磁石を設置して電子ビームの偏向量
    に対応した偏向収差を補正することを特徴とする陰極線
    管の偏向収差補正方法。
  3. 【請求項3】複数の電極からなる電子銃と偏向装置およ
    び蛍光面を少なくとも備える陰極線管の偏向収差補正方
    法において、 前記偏向装置により形成される偏向磁界中に非点収差を
    もつ固定した不均一磁界を形成する磁石を設置して電子
    ビームの偏向量に対応した偏向収差を補正することを特
    徴とする陰極線管の偏向収差補正方法。
  4. 【請求項4】請求項3において、前記固定した不均一磁
    界が電子ビームを発散する非点収差をもつことを特徴と
    する陰極線管の偏向収差補正方法。
  5. 【請求項5】請求項3において、前記固定した不均一磁
    界が電子ビームを発散する非点収差をもち、電子ビーム
    の走査線と直角方向の偏向量に対応した偏向収差を補正
    することを特徴とする陰極線管の偏向収差補正方法。
  6. 【請求項6】請求項3において、前記固定した不均一磁
    界が電子ビームを発散する非点収差をもち、電子ビーム
    の走査線方向の偏向量に対応した偏向収差を補正するこ
    とを特徴とする陰極線管の偏向収差補正方法。
  7. 【請求項7】請求項3において、前記固定した不均一磁
    界が電子ビームを集束する非点収差をもつことを特徴と
    する陰極線管の偏向収差補正方法。
  8. 【請求項8】請求項3において、前記固定した不均一磁
    界が電子ビームを集束する非点収差をもち、電子ビーム
    の走査線と直角方向の偏向量に対応した偏向収差を補正
    することを特徴とする陰極線管の偏向収差補正方法。
  9. 【請求項9】請求項3において、前記固定した不均一磁
    界が電子ビームを集束する非点収差をもち、電子ビーム
    の走査線方向の偏向量に対応した偏向収差を補正するこ
    とを特徴とする陰極線管の偏向収差補正方法。
  10. 【請求項10】複数の電極からなる電子銃と偏向装置お
    よび蛍光面を少なくとも備える陰極線管の偏向収差補正
    方法において、 前記偏向装置により形成される偏向磁界中にコマ収差を
    もつ固定した不均一磁界を形成する磁石を設置して電子
    ビームの偏向量に対応した偏向収差を補正することを特
    徴とする陰極線管の偏向収差補正方法。
  11. 【請求項11】請求項10において、前記固定した不均
    一磁界が電子ビームを発散するコマ収差をもち、電子ビ
    ームの偏向量に対応した偏向収差を補正することを特徴
    とする陰極線管の偏向収差補正方法。
  12. 【請求項12】請求項10において、前記固定した不均
    一磁界が電子ビームを発散するコマ収差をもち、電子ビ
    ームの走査線と直角方向の偏向量に対応した偏向収差を
    補正することを特徴とする陰極線管の偏向収差補正方
    法。
  13. 【請求項13】請求項10において、前記固定した不均
    一磁界が電子ビームを発散するコマ収差をもち、電子ビ
    ームの走査線方向の偏向量に対応した偏向収差を補正す
    ることを特徴とする陰極線管の偏向収差補正方法。
  14. 【請求項14】請求項10において、前記固定した不均
    一磁界が電子ビームを集束するコマ収差をもち、電子ビ
    ームの偏向量に対応した偏向収差を補正することを特徴
    とする陰極線管の偏向収差補正方法。
  15. 【請求項15】請求項10において、前記固定した不均
    一磁界が電子ビームを集束するコマ収差をもち、電子ビ
    ームの走査線と直角方向の偏向量に対応した偏向収差を
    補正することを特徴とする陰極線管の偏向収差補正方
    法。
  16. 【請求項16】請求項10において、前記固定した不均
    一磁界が電子ビームを集束するコマ収差をもち、電子ビ
    ームの走査線方向の偏向量に対応した偏向収差を補正す
    ることを特徴とする陰極線管の偏向収差補正方法。
  17. 【請求項17】複数の電極からなる電子銃と偏向装置お
    よび蛍光面を少なくとも備える陰極線管において、 前記偏向装置により形成される偏向磁界中に電子ビーム
    の偏向収差を補正する固定の不均一磁界を形成する磁石
    を備えたことを特徴とする陰極線管。
  18. 【請求項18】複数の電極からなる電子銃と偏向装置お
    よび蛍光面を少なくとも備える陰極線管において、 前記偏向装置により形成される偏向磁界中に電子ビーム
    の偏向量に対応した偏向収差を補正する固定の不均一磁
    界を形成する磁石を備えたことを特徴とする陰極線管。
  19. 【請求項19】請求項18において、前記磁石が電子ビ
    ームの偏向量に対応した非点収差をもつことを特徴とす
    る陰極線管。
  20. 【請求項20】請求項18において、前記磁石が電子ビ
    ームの偏向量に対応して電子ビームを発散する非点収差
    をもつことを特徴とする陰極線管。
  21. 【請求項21】請求項18において、前記磁石が走査線
    と直角方向の電子ビームの偏向量に対応して電子ビーム
    を発散する非点収差をもつことを特徴とする陰極線管。
  22. 【請求項22】請求項18において、前記磁石が走査線
    方向の電子ビームの偏向量に対応して電子ビームを発散
    する非点収差をもつことを特徴とする陰極線管。
  23. 【請求項23】請求項18において、前記磁石が電子ビ
    ームの偏向量に対応して電子ビームを集束する非点収差
    をもつことを特徴とする陰極線管。
  24. 【請求項24】請求項18において、前記磁石が走査線
    と直角方向の電子ビームの偏向量に対応して電子ビーム
    を集束する非点収差をもつことを特徴とする陰極線管。
  25. 【請求項25】請求項18において、前記磁石が走査線
    方向の電子ビームの偏向量に対応して電子ビームを集束
    する非点収差をもつことを特徴とする陰極線管。
  26. 【請求項26】請求項18において、前記磁石が電子ビ
    ームの偏向量に対応したコマ収差をもつことを特徴とす
    る陰極線管。
  27. 【請求項27】請求項18において、前記磁石が電子ビ
    ームの偏向量に対応して電子ビームを発散させるコマ収
    差をもつことを特徴とする陰極線管。
  28. 【請求項28】請求項18において、前記磁石が電子ビ
    ームの走査線と直角方向の偏向量に対応して電子ビーム
    を発散させるコマ収差をもつことを特徴とする陰極線
    管。
  29. 【請求項29】請求項18において、前記磁石が電子ビ
    ームの走査線方向の偏向量に対応して電子ビームを発散
    させるコマ収差をもつことを特徴とする陰極線管。
  30. 【請求項30】請求項18において、前記磁石が電子ビ
    ームの偏向量に対応して電子ビームを集束させるコマ収
    差をもつことを特徴とする陰極線管。
  31. 【請求項31】請求項18において、前記磁石が電子ビ
    ームの走査線と直角方向の偏向量に対応して電子ビーム
    を集束させるコマ収差をもつことを特徴とする陰極線
    管。
  32. 【請求項32】請求項18において、前記磁石が電子ビ
    ームの走査線方向の偏向量に対応して電子ビームを集束
    させるコマ収差をもつことを特徴とする陰極線管。
  33. 【請求項33】請求項17〜32において、前記不均一
    磁界を形成する磁石が硬磁化特性を持つ磁性材料である
    ことを特長とする陰極線管。
  34. 【請求項34】請求項33において、前記不均一磁界を
    形成する磁石が室温での透磁率が50以上の硬磁化特性
    を持つ磁性材料を設置することを特長とする陰極線管。
  35. 【請求項35】請求項33または34において、前記不
    均一磁界を形成する磁性材料がFe−Mn系、Fe−C
    r−Co系、またはFe−Cr−Co−V系の何れかで
    あることを特徴とする陰極線管。
  36. 【請求項36】請求項17〜35の何れかの陰極線管を
    用いたことを特徴とする画像表示装置。
JP5621596A 1996-03-13 1996-03-13 陰極線管の偏向収差補正方法および陰極線管並びに画像表示装置 Pending JPH09245679A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5621596A JPH09245679A (ja) 1996-03-13 1996-03-13 陰極線管の偏向収差補正方法および陰極線管並びに画像表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5621596A JPH09245679A (ja) 1996-03-13 1996-03-13 陰極線管の偏向収差補正方法および陰極線管並びに画像表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09245679A true JPH09245679A (ja) 1997-09-19

Family

ID=13020891

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5621596A Pending JPH09245679A (ja) 1996-03-13 1996-03-13 陰極線管の偏向収差補正方法および陰極線管並びに画像表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09245679A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5113112A (en) Color cathode ray tube apparatus
JPH03201347A (ja) カラーディスプレイ管システム
JPH08315751A (ja) 陰極線管の偏向収差補正方法および陰極線管並びに画像表示装置
US5177399A (en) Color cathode ray tube apparatus
KR100244672B1 (ko) 코마수차가 경감된 컬러음극선관
JP3156028B2 (ja) 陰極線管の偏向収差補正方法および陰極線管並びに画像表示装置
JP3034906B2 (ja) カラー受像管および偏向装置
EP0348912B1 (en) Color cathode ray tube apparatus
US5818156A (en) Color cathode-ray tube
JPH09245679A (ja) 陰極線管の偏向収差補正方法および陰極線管並びに画像表示装置
US6646370B2 (en) Cathode-ray tube apparatus
JP2645071B2 (ja) カラー受像管装置
JP2825265B2 (ja) カラー受像管および偏向装置
JP3156038B2 (ja) カラー陰極線管
JPH10116569A (ja) 陰極線管の偏向収差補正方法
JPH07211258A (ja) カラー陰極線管及び画像表示装置
JP3074179B2 (ja) 陰極線管
JP2957679B2 (ja) カラー受像管装置
JPH0636704A (ja) 陰極線管
JP3004658B2 (ja) カラー受像管装置
JP2806383B2 (ja) カラー受像管
JP2804052B2 (ja) カラー受像管装置
JP2963759B2 (ja) カラー受像管装置
KR20040076117A (ko) 칼라음극선관용 전자총
JPH0778573A (ja) 陰極線管