JP2963759B2 - カラー受像管装置 - Google Patents

カラー受像管装置

Info

Publication number
JP2963759B2
JP2963759B2 JP28419790A JP28419790A JP2963759B2 JP 2963759 B2 JP2963759 B2 JP 2963759B2 JP 28419790 A JP28419790 A JP 28419790A JP 28419790 A JP28419790 A JP 28419790A JP 2963759 B2 JP2963759 B2 JP 2963759B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electron
lens
electrode
neck
screen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP28419790A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03205747A (ja
Inventor
英治 蒲原
慈郎 下河辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Publication of JPH03205747A publication Critical patent/JPH03205747A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2963759B2 publication Critical patent/JP2963759B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明はカラー受像管装置に係り、特にインライン配
列された3本の電子ビームをこれらの電子ビームに共通
な大口径電子レンズにより集束ならびに集中させる電子
銃を有するカラー受像管装置に関する。
(従来の技術) 一般的なカラー受像管装置の断面を第10図に示す。同
図においてカラー受像管装置(1)は、スクリーン面
(2)をもつパネル(3)と、このパネルからファンネ
ル(4)を介して連結されたネック(5)と、このネッ
クに内装された電子銃(6)と、ネックからファンネル
にかけてこの外壁に装着された偏向装置(7)と、前記
スクリーン面と所定間隔をもって対設された多数のアパ
ーチャ(8)を有するシャドウマスク(9)と、このシ
ャドウマスクを保持するフレーム(10)と、このフレー
ムに取り付けられた内部磁気シールド(11)と、前記フ
ァンネルの内壁から前記ネックの一部にかけて一様に塗
布された内部導電膜(12)と、ファンネルの外部に塗布
された外部導電膜(13)と、ファンネルの一部に設けら
れた陽極端子(図示せず)とを具備している。そして、
スクリーン面2には赤色発光蛍光体、緑色発光蛍光体お
よび青色発光蛍光体がストライプ状または点状に多数塗
布されており、電子銃6から出た3本の電子ビームBR,B
GおよびBBはシャドウマスク9により選択されてそれぞ
れの蛍光体を衝撃し、これを発光させる。
また、電子銃6はインライン配列の平行な3本の電子
ビームBR,BGおよびBBを発生、加速ならびに制御するた
めの電子ビーム形成部GEと、これらの電子ビームを集
束、集中させるための主電子レンズ部MLを有している。
そして、3本の電子ビームBR,BGおよびBBを前記偏向装
置7によりスクリーン全面に偏向走査することにより、
ラスタを形成する。
実際のカラー受像管装置においては電子ビームを偏向
したときに、3電子ビームスポットのフェースプレート
での集中がくずれてくるので、この集中のくずれを防止
するため工夫が施されている。これはコンバーゼンスフ
リーシステムと称され、水平偏向磁界をピンクッション
形、垂直偏向磁界をバレル形にすることにより、蛍光面
全域に於いて、3電子ビームが集中するようにしたもの
である。
以上述べた如く、カラー受像管は多くの開発技術の採
用により品位は向上しているが、管の大型化、高品位化
が普及するにつれて新たな問題がクローズアップされつ
つある。
即ち電子ビームのスクリーン上でのスポット径の問
題、偏向されたときのスクリーン周辺部での電子ビー
ムスポットの歪の問題、スクリーン全面でのコンバー
ゼンスの問題がある。
管が大形になると電子銃からスクリーン面までの距離
が長くなり電子レンズの電子光学的倍率が大きくなって
スクリーン上でのスポット径を大きくしてしまい解像度
を劣化させてしまう。スポット径を小さくするには電子
銃の電子レンズの性能を向上させねばならない。
一般に主電子レンズ部は開口を有する複数の電極が同
軸上に配置されそれぞれ所定の位置が印加されることに
よって形成される。このような静電レンズは電極構成の
違いによりいくつかの種類があるが、基本的には電極開
口径を大きくした大口径レンズを形成させるかまたは、
電極間の距離を長くして緩やかな電位変化にして長焦点
レンズを形成することによりレンズ性能を向上させるこ
とができる。
しかし、カラー受像管の電子銃は一般に細いガラス円
筒であるネック内に封入されるため、まず電極の開口、
即ちレンズ口径が物理的に制約される。また、電極間に
形成される集束電界がネック内の多の不所望な電界の影
響を受けないようにするために電極間の距離が制限され
る。
特に、シャドウマスク型カラー受像管のように3本の
電子銃がデルタ配列やインライン配列として一本化した
場合には前述した如く電子ビーム間隔(Sg)が小さなも
の程、3本の電子ビームをスクリーン全面の近傍で一点
に集中させ易いし、また偏向電力が小さいという利点が
あるので、電子銃間隔を小さくするために電極の開口は
さらに小さくさぜるを得ない。
そこで、同一平面上に並んだ3個の電子レンズを完全
に重ね合わせ1個の大きな電子レンズとし、この大口径
電子レンズにより電子レンズ性能を最大限に発揮させよ
うとする方法が考えられる。第11図はこれを光学的に図
示したものである。同図に示す通り、映出される電子ビ
ームのコアは小さくなるが電子ビーム全体でみるとまだ
不十分な結果である。すなわち、ビーム間隔がSgである
3本の平行電子ビーム(BR),(BG),(BB)が1個の
共通大口電子レンズLELを通過すると、第11図の様に中
央に電子ビーム(BG)が適正集束した状態では両側の
電子ビーム(BR),(BB)は過集束状態、且つ過集中状
態となると共に大きなコア収差を伴ないスクリーン(10
1)上では、3本のビームスポット(SPR),(SPG),
(SPB)は大きく離れ両側のビームは歪む。
これら3本の電子ビームの集束状態を合せ、コマ収差
分を減少させるには、電子レンズLELのレンズ口径Dに
対する3本のビームの間隔Sgをある程度小さくしてゆけ
ば実用上問題はなくなるが、3本のビームのスクリーン
上での集中状態に関してはSgは極めて小さくしなければ
ならず、電子ビーム発生部の機械的配置の面で限界があ
る。
そこで、特公昭49−5591号公報(米国特許第3,448,31
6号明細書)及び米国特許4,528,476号明細書では第12図
に示す如く電子レンズLELに入射する3本の電子ビーム
に予め傾角θをもたせておいて3本の電子ビームが同時
に電子レンズLELの中央部を通過するようにして3本の
ビーム集束状態を合せ、その後、発散していく両側のビ
ームを第2のレンズLEL2により反対方向に強く(φ゜)
偏向させてスクリーン上で3本のビームが集中する様に
している。その結果、3電子ビームの集束および集中が
改善される。しかしながら両側のビームには大きな偏向
収差又はコマ収差が発生するという問題を残している。
このため、第13図(a)に示す如く、電子ビームの過
集中を補正するために、第13図(b)に示す3本の電子
ビームに共通な非円形開孔を有する板状体を大口径電子
レンズの近傍かつ電子ビーム発生部側に配置し、3本の
電子ビームが互いに交差することなく大口径電子レンズ
を通過させる方法が出願されている(特願昭62−18652
8)。
しかし、このような方法では、前記板状体が3本の電
子ビームに対して共通な開孔をもつため、大口径電子レ
ンズによる集中特性を補正することと、3本の電子ビー
ムの集束状況を完全に一致させることは難かしく、集束
されたビームスポットには大きなコマ収差が残り問題が
ある。
以上の如く3本の電子ビームに共通に働く大口径電子
レンズを利用することは難しく大口径電子レンズの性能
を最大限に発揮させることができない。
(発明が解決しようとする課題) このように、カラー受像管装置の画像性能を更に向上
させるためには、3本の電子ビームに共通な大口径電子
レンズを用いることにより電子銃の性能を向上させ、ス
クリーン面上のビームスポット径小さくすることが有効
であるが、従来技術では大口径電子レンズの性能を充分
に発揮させることができず、カラー受像管装置の画像性
能を更に向上させることは困難であるという問題があっ
た。したがって、カラー受像管装置の画像性能を更に向
上させるためには、大口径電子レンズの性能を充分に発
揮させうる電子銃を備えたカラー受像管装置を得ること
が望ましい。
本発明はかかる従来技術の課題を解決すべくなされた
もので、3本の電子ビームに共通な大口径電子レンズに
より各電子ビームの集束と集中を同時に、また容易に行
うことができる電子銃であって、この大口径電子レンズ
の性能を充分に発揮させうる電子銃を備えたカラー受像
管装置を提供することを目的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) すなわち本発明のカラー受像管装置は、パネル,ファ
ンネル,ネックから成る外囲器と、パネル内面に形成さ
れたスクリーンと、ネック内に封入された電子銃と、ネ
ックの一部からファンネルの内面に塗布された導電膜
と、ネックからファンネルにかけて配置された偏向ヨー
クから成るカラー受像管装置であって、 前記電子銃はインライン配列した平行な3本の電子ビ
ームを発生,加速,制御するカソードを含む電子ビーム
形成部と、この電子ビームを集束,集中させる主電子レ
ンズ部を備え、 前記主電子レンズ部はその最終段において3本の電子
ビームを共通に包含する第1の実質的な円筒電極と、該
第1の円筒電極内にあって3本の電子ビームを独立に通
過させる板状電極と、該第1の円筒電極を包含した第2
の実質的な円筒電極と、さらに前記ネックの内面の導電
膜とによって形成され、 前記第1の電極スクリーン側端から前記第2の電極の
スクリーン側端まで長さlを第2の電極の開孔径dに対
し20%乃至70%としたことを特徴とするカラー受像管装
置である。
(作 用) 本発明では3本の電子ビームを共通に通過させる第1
の円筒電極と第2の円筒電極およびネック内面の導電膜
の間に大きな電子レンズが形成されると共にそのレンズ
領域内に3本のビームを独立に通過させる板状電極のた
め個別の電子レンズが形成され前記大きな電子レンズの
収差を打ち消し、スクリーン上に3本の電子ビームを同
じように集束させると共に一点に集中させるようにな
る。
(実施例) 以下図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明す
る。
第1図は本発明を実施したカラー受像管装置のネック
部付近とスクリーン中央部の一部分X−Z面の断面を示
し、第2図はY−Z面の断面を示す。
第1図、第2図において(5)内に配置されている電
子銃部(100)は、カソード(K)とビム形成部のコン
トロールグリッド(G1)、スクリーングリッド(G2)、
主レンズ部の第1グリッド(GD1)、第2グリッド(GD
2)、第3グリッド(GD3)、第4グリッド(GD4)、第
5グリッド(GD5)、第6グリッド(GD6)、第7グリッ
ド(GD7)、第8グリッド(GD8)と、これらを支持する
絶縁支持体(MFG)及びバルブスペーサ(BS)から成
り、電子銃(100)はネック部のステムピン(STP)に固
定されている。
前記カソードKは内部にそれぞれヒータHを有してお
り3本の電子ビームBR,BG,BBを発生する。
また、ビーム形成部のコントロールグリッド(G1)、
第2グリッド(G2)は前記3個のカソードに対応して3
つの比較的小さなビーム通過孔を有し、第1グリッド
(GD1)のスクリーングリッド(G2)側はスクリーング
リッド(G2)より大きな3個のビーム通過孔を有し、カ
ソードKから第1グリッド(GD1)までの部分はカソー
ドKからの電子ビームを制御、加速、いわゆる電子ビー
ム形成部(GE)となる。
次いで、主レンズ部(ML)の第1グリッド(GD1)の
第2グリッド(GD2)側と第2グリッド(GD2)、及び第
3グリッド(GD3)の第2グリッド(GD2)側は第4図に
示す様に同じく3つのカソードKに対応して、3つの比
較的大きなビーム通過孔(121)を有する。また第2グ
リッド(GD2)の第3グリッド(GD3)側には第5図に示
す様に上下に平行な突出部(PJ)を有する。
次いで第3グリッド(GD3)の第4グリッド(GD4)側
と第4グリッド(GD4)、第5グリッド(GD5)、第6グ
リッド(GD6)、第7グリッド(GD7)、第6グリッド
(GD6)側は第6図(a)に示すように水平方向(X方
向)に細長い1つのビーム通過孔(122)を有し、3本
の電子ビームを挟む様に開孔から奥の方へ向って突出片
(IPT)を有する。
この突出片はGD5,GD6,GD7の各対向面側では、第6図
(b)のように両側のビームが通過する部分が中央のビ
ームが通過する部分より短くなっている(MHP)。
さらに、第7グリッド(GD7)の第8グリッド(GD8)
側は、大きな円筒(LCY7)となっており、この内部に第
7図のように3つの独立したビーム通過孔(123),(1
24),(124)をもつ板状電極(ECD)を有し、この板状
電極(ECD)の3つのビーム通過孔のうち両側のビーム
通過孔(124)には第8グリッド(GD8)側に向ってそれ
ぞれ上下に一対の突出部(VIS)をもつ。また3つのビ
ーム通過孔のうち両側のビーム通過孔(124)は中央の
ビーム通過孔(123)より大きく形成されている。
第8グリッド(GD8)は第7グリッド(GD7)を包囲す
る大きな円筒状の電極(LCY8)である。第8グリッド
(GD8)の先端外周にはバルブスペーサ(BS)を有しフ
ァンネル(4)内壁からネック(5)内壁に塗布してあ
るネック内導電膜(GDn)と接触しており、ファンネル
(4)に設けてある陽極端子から陽極高電圧を供給する
ように構成されている。
以上、カソードKと(G1)から(GD8)まで絶縁支持
体(MFG)によって固定支持されている。また、ネック
(5)からファンネル(4)にかけて偏向ヨーク(7)
が取り付けられおり、電子銃からの3本の電子ビーム
BR,BG,BBを水平,垂直に偏向するための水平偏向コイル
と垂直偏向コイルから成っている。
前記電子銃は、第8グリッド(GD8)を除いて全ての
電極はステムピン(STP)を通じ外部より所定の電圧が
印加されるようになっている。
以上の電極構成において、例えば、カソードKは約15
0Vのカットオフ電圧とし、これに映像信号を加え、G1
アース、G2は500〜1KV、GD1,GD3,GD5,GD7は5〜10KV、G
D2は0〜1KV、GD4は0〜3KV、GD6は15〜20KV、そしてGD
8およびGDnは陽極高電圧の25〜35KVを印加する。
このような電位を印加することによって電子レンズは
第3図のように形成される。
第3図(a)は電極位置を、同図(b)は水平断面
(X−Z断面)、同図(c)は中央ビームに対する垂直
断面(Y−Z断面)、同図(d)は両側ビームに対する
垂直断面の電子レンズ状態を示す。
各カソード(K)からその変調信号に応じて発生した
ビームはカソード(K),コントロールグリッド
(G1),スクリーングリッド(G2)により中心軸
(ZR),(ZG),(ZB)と交差して第1のクロスオーバ
ーCO1を形成してG2,GD1によるプリフォーカスレンズ(P
L)によって僅かに集束されGD1の中へ発散しながら入射
していく。
GD1の中へ入射してきた各電子ビームBR,BG,BBはGD1か
らGD8までの主電子レンズ部(ML)において集束作用且
つ両側のビームBR,BBは集束作用を受けてスクリーン
(2)上に集束・集中する。
この3本の電子ビームは偏向ヨーク(7)により水平
方向及び垂直方向に偏向走査されスクリーン(2)上に
所定の映像を映出する。このときスクリーン周辺部では
偏向ヨーク(7)の磁界により偏向収差をうけるので、
スクリーン周辺部に於ては主電子レンズの状態を変化さ
せ偏向収差を相殺するようにする。GD1からGD8までの主
電子レンズ部のレンズ作用を第3図を用いてさらに詳し
く説明していく。
第1のクロスオーバーCO1を形成してGD1へはいってき
た個々の電子ビームは、GD1−GD2−GD3の独立したビー
ム通過孔によってそれぞれに形成された個々の弱いユニ
ポテンシャルレンズ(L1)(第1のレンズ)で水平方
向、垂直方向共にそれぞれ少し集束される。このとき、
GD2のGD3側にある上下の突出部(PJ)のために上記第1
のレンズは水平方向よりも垂直方向が少し強く集束され
る。これは高電流域におけるビームスポット径を小さく
するためである。次いで、GD3−GD4−GD5の共通の横長
ビーム通過孔によって形成される3ビームに対して共通
の平面形ユニポテンシャルレンズL2(第2のレンズ)に
より個々のビームは垂直方向(Y方向)のみ強く集束さ
れる。このためGD5のグリッドの中間部で各ビームはそ
れぞれ垂直方向において水平面(X−Z面)と交差して
線状の第2のクロスオーバーCO2を形成し、その後発散
しながら進んでいく。
次いで、GD5−GD6−GD7の共通の横長ビーム通過孔に
よって形成される平面形ユニポテンシャルレンズL3(第
3のレンズ)により個々のビームは垂直方向(Y方向)
のみ少し集束され、最後にGD7−GD8−GDnによって形成
される大口径電子レンズ(L4)(第4のレンズ)に入射
していく。このとき、GD5,GD6,GD7の各対向面側は第6
図(b)のような電極となっているため中央ビームは両
側より少し強く集束される。このように中央ビームを内
側ビームより強く集束させる方法は第6図(b)のよう
な電極以外でも可能である。
従って第4のレンズ(L4)から見た、仮想物点位置は
中央ビームの水平方向OHC、垂直方向はOVC、両側ビーム
の水平方向はOHS、垂直方向はOVSの場所にあり、水平方
向は同じであるが、垂直方向は異なる。
ここで言う「第4レンズ(L4)から見た仮想物点の位
置」は、対称な電子ビームをスクリーン上に集束させる
ときの第4レンズの強弱、即ち電極電位の大小から推定
されるものである。従って、例えば中央ビームの水平方
向を集束させるためのGD7の電極電位と両側ビームの水
平方向を集束させるためのGD7の電極電位とに違いがあ
っても、スクリーン上に集束された2つの状態のビーム
が実用上許容できる範囲において小さければ中央ビーム
と両側ビームとの水平方向を集束させるための第4レン
ズの強さは同等と見直し得るものである。従って、第3
図(b)に示すように、中央ビームの水平方向の第4レ
ンズから見た仮想物点位置OHCと両側ビームの仮想物点
位置OHSは同じZ方向位置にあるけれども、これは実用
上許容できる範囲における差異は当然包含するものであ
る。(本実施例の後述する仕様例においても中央ビーム
の水平方向を集束させるためのGD7の電極電位と両側ビ
ームのそれとは約100Vの差があるが、スクリーン上に集
束されたビーム状態からはこの程度の差は許容できるも
のである。) このようなビームが第4のレンズ(L4)へ入射してい
くことによって水平方向、垂直方向共に集束され、且つ
両側のビームは集中作用を受けてスクリーン中央部にそ
れぞれ小さなビームスポットを形成する。また、第3の
レンズ(L3)ではGD6の電位をGD5,GD7の電位より高くし
たユニポテンシャルレンズとすることがレンズの収差の
点から好ましい。
第4のレンズ(L4)である大口径電子レンズはGD7とG
D8とGDnにより形成されるが、GD7の途中のGD8側近くに
配置してある3個の独立したビーム通過孔(123)(12
4)(124)をもつ板状電極(ECD)と突出部(VIS)によ
り第8図第9図の如くGD8,GDn側からの高電圧の浸透が
制御されるので、結局、GD7の先端部GD7T(3ビームに
共通な大開孔)とGD8の円筒(3ビームに共通な大開
孔)及びGDn(ネック内導電膜)により大きな1つの電
子レンズ(LEL)が形成されると共に、このレンズ領域
内においてその低電圧側に3個の個別にアスティグレン
ズ(AL1),(AL2),(AL3)が形成されていることに
なる。このとき両側のアスティグレンズ(AL2),(A
L3)が中央のアクティグレンズ(AL2)より弱くなるよ
うに、板状電極(ECD)の開孔(123),(124),(12
4)は、第7図の如く両側の開孔が中央の開孔より大き
くなっている。これによって、電子レンズ(LEL)によ
る両側のビームに対する集束力と中央のビームに対する
集束力の差を相殺する。また、板状電極(ECD)の両側
開孔の中心部はビームの入射位置と異なり、中央から離
れる方向へずれている。このため水平方向(X−Z面)
に関してはアスティグレンズAL1,AL3に対し両側のビー
ムはそれぞれ中央軸(Z軸)に近い方を通過してコマ収
差を発生するが、これは電子レンズ(LEL)によるコマ
収差と丁度反対方向であるため打ち消しあいスクリーン
上に集束される。両側の電子ビームにはコマ収差が無視
できるようになり、両側の電子ビームも良好なスポット
を形成する。
ここで第4レンズ(L4)全体としては、板状電極(EC
D)の位置、開孔形状、突出部の設計により中央ビーム
と両側ビームに対して水平方向の集束力は一致してい
て、垂直方向は集束力は中央ビームに対する集束力より
両側ビームに対する集束力が強くなっている。水平方向
は垂直方向より強く集束する。このため第4レンズ(L
4)に入射するビームの仮想物点位置(中央ビームと両
側ビームの水平方向OHC,OHS)は同じZ方向位置にあ
り、垂直方向は中央ビームの方(OVC)が両側ビームの
方(OVS)より第4レンズ(L4)より離れた位置にあ
り、且つ水平方向(OHC)は垂直方向(OVC)より第4レ
ンズ(L4)側にある。
前記板状電極(ECD)の位置、開孔形状、突出部の設
計によっては、水平方向と垂直方向の集束力を同等若し
くは逆に垂直方向の集束力を水平方向の集束力より強く
することも容易に可能である。
例えば第7図に示す板状電極(ECD)の中央のビーム
通過孔(123)の縦方向(Y方向)径を小さくし、第15
図の如く突出部(VIS)を長く突出させれば、第4レン
ズ(L4)の垂直方向の集束力を水平方向の集束力より強
くすることができる。このときの様子を第3図(a),
(b),(c),(d)に対応して第14図(a),
(b),(C)(d)に示す。同じ番号,名称は同じも
のを示す。第14図に示すように第4レンズ(L4)から見
た仮想物点位置は、中央ビームBGと両側ビームBR,BB
水平方向OHC,OHSは同じ(実用上同じ集束電圧)である
が、垂直方向は中央ビームの方(OVC)が両側ビームの
方(OVS)より少し第4レンズ(L4)より離れた位置に
あり、且つ垂直方向(OVC)は水平方向(OHC)より第4
レンズ(L4)側にある必要がある。このために第4レン
ズ(L4)に入射するビームの集束状態を第1レンズ(L
1)〜第3レンズ(L3)で少し調整すればよい。
さらに板状電極(ECD)の調製によっては垂直方向に
おける中央ビームと両側ビームの集束力の違いをも同等
若しくは逆にすることもできる。
これによって中央のビームと両側のビームは水平方
向、垂直方向共に同じスクリーン上に同時に集束され
る。(勿論水平方向、垂直方向が集束されるということ
はそれ以外の方向も同時に集束していく。)また、この
とき電子レンズ(LEL)とアスティグレンズ(AL1),
(AL3)により両側のビームは中央のビームの方へ曲げ
られスクリーン上で一点に集中するようになる。
これは計算機による3次元電界解析と本発明者等の実
験により明確になったものである。
本発明において重要なことは第1図に示す様にGD8のG
D7の先端(GD7T)より長さl8をGD8の開孔径d8より短く
設定している。このためその等電位線は第1図、第2図
の如くGD8からスクリーン方向へは緩やかに拡がると共
に、GD7側への高電圧の浸透も弱くなる。これは第8図
の如く軸上電位分布をとればさらによく理解される。こ
のように電位分布が緩やかになることによってレンズ口
径は拡大したことになりレンズ性能はさらに向上する。
このとき注意しなければならないことはl8をd8より短
くした場合はl8をd8より長くした場合に比べGD7側へ高
電圧の浸透も変わるため3本の電子ビームを同時に集束
・集中させようとする目的に対し、GD7の中にある板状
電極(ECD)の位置及び/又はビーム通過孔の大きさを
調整しなければならない。この調整はl8をd8に対しどの
程度短くするかによって変る。
これは本発明が3本の電子ビームを扱うカラー受像管
であるためで、単純に1本のビームを扱う場合と異な
る。
l8がd8に対し短くしていくと、ECDはカソード側へも
っていき、中央部のビーム通過孔と両側のビーム通過孔
の開孔径差をなくす方向にもっていく。さて、一般に第
9図の如く直径dの2つの円周電極にV1,V2の電位を印
加し電子レンズを形成されるとき、他方の電極電位は電
極開孔部から浸透してゆき、これによって軸上電位分布
は第9図の如くV1からV2へ変化し電子レンズが形成され
るが、この電子レンズ領域は電位が浸透している部分で
あり、即ち電位が変化する部分であり、その距離lは電
極の端部からその電極の開孔径分だけ浸透する。(l
d) 従って、GD8の長さl8をその開孔径d8より短くするこ
とによって即ち第4図のレンズ領域が終わらないうちに
ネック内壁の径大な導電膜の影響を受けるようにするこ
とが重要である。
一方、l8が短かすぎるとネック内壁の導電膜の影響を
強く受けすぎるようになるので後述のような不都合がで
てくることになる。
本発明者等の実験によるとこの不都合が実用上許容で
きる範囲としてl8をd8の20%以上とする方がよい。
さらに好ましくはl8(0.2〜0.7)d8である方がネッ
ク内壁の径大の影響をその大口径電子レンズのレンズ性
能向上のために使用できる。
上記不都合とは、ネックにガラス筒として製造されて
おり通常ネック内径が±0.5mm程度のバラツキがあるた
めGD8をとりさりネック内壁を完全にGD8の代りに使用し
た場合、このような内径のバラツキは即電子レンズの口
径のバラツキとなり、結局スクリーン上に集束、集中さ
せるためのフォーカス電圧であるGD7の電位がバラツク
ことになる。従ってテレビカセット側においてフォーカ
ス電圧の可変範囲を大きくとらねばならなくなり余分な
経済的負担を強いることになると共にカラー受像管の性
能も不安定になり大きな問題となる。
さらに電子銃をネックに封入するとき中心軸を一致さ
せることが難しい。これは電子銃は高精度な治具により
各電極を絶縁支持体に埋め込み製作するので各電極の中
心は高精度に一致させ得るが、この電子銃をネック内に
封入するとき、電子銃の先端はバブルスペーサによりネ
ック内に固定されることになり、このバブルスペーサは
ネックガラスを破損させないように弾力性をもっている
ので電子銃の中心軸が必ずしもネックの中心軸と一致す
るわけではない。
電子銃の中心軸とネックの中心軸が一致しないと、ネ
ック内壁を完全にGD8の代りに使用した場合GD7との間に
出来るレンズは歪んだ形(オフセンレンズ)となりここ
を通る3本の電子ビームはその進行方向を曲げられてし
まい、スクリーンの中央部に到達しなくなる。また内径
の真円度という点からも信頼性はなく歪んだレンズを形
成させてしまい、スクリーン上に集束されたビームスポ
ットも歪んでしまう。
このようなことのためネック内壁の導電膜を完全に一
方の電極として用いて電子レンズを形成させるわけには
いかない。
しかし、本発明においてはGD7の次に金属電極から成
るその開孔径に比して短いGD8を配置し、そしてネック
内壁の導電膜を利用するようにすることにより、上記問
題を解決すことができる。(勿論同時にGD7の中にある
板状電極ECDの調整は必要である。) これはGD8はGD1〜GD7までと同じように高精度な治具
を用いて同じ絶縁支持体によって組み立てるためGD7とG
D8にその軸が高精度に一致している。
従ってGD7とGD8によって第4レンズの主要部分が形成
されるので上述した様なフォーカス電圧の大幅なバラツ
キが電子ビームが所望しない方向へ大きく曲がったり大
きな収差が出るということはなくなる。GD8はその開孔
径に比して短いのでネック内壁の導電膜による電位はGD
8以降の電位変化を緩め前述した如くレンズ性能を向上
させる。
前記実施例の詳細な仕様は例えば以下のようになって
いる。
カソード間隔Sg=4.92mm 各電極の開孔径 G1φ,G1φ=0.62mm GD1,GD2,GD3φ=4.52mm GD3,GD4,GD5,GD6,GD7の縦径/横径=4.52/15.0mm
(両側の孔大部縦径/横径=8.0/2.5) GD7の板状電極部の縦径/横径 中央部 11.0/4.52mm 両側部 11.0/7.0 mm GD7φ=25.0mm GD8φ=(dg)=28.0mm 各電極の長さ GD1=2.5 mm,GD2=2.0 mm, GD3=9.2 mm,GD4=8.8 mm, GD5=17.0mm,GD6=4.4 mm, GD7=37.0mm,GD8=40.0mm,であり、 GD8のGD7先端からの距離l8は12.0mmである。
またネック内径は30.9mmである。
ここで32インチのスクリーンを有する110゜偏向カラ
ー受像管装置においてスクリーン中央部でビームスポッ
トを適正集束とするための各電極電位は GD1,GD3,GD5,GD7 9KV GD4 OV,GD4 2KV, GD6 20KV,GD8 32KV であり、これによってスクリーン中央部には3本の電子
ビームは一点に集中し、そのスポット径は従来技術によ
るビーム間隔4〜6mmのインライン形電子銃の場合の約1
/2から1/3と極めて小さくなる。
前記実施例では主レンズ部の構成をGD1〜GD8,GDn
し、第1レンズ(L1),第2レンズ(L2),第3レンズ
(L3),第4レンズ(L4)と4つのレンズを形成させて
いるが、第1レンズ〜第3レンズはいろいろな構成が考
えられ、本発明には重要ではない。
本発明では最終段において3本のビームを円筒状電極
により共通に集束,集中させるものであれば適用される
ものである。
[発明の効果] 以上述べたように、本発明のカラー受像管装置によれ
ば、共通大口径電子レンズの性能を充分に発揮させて、
この共通大口径電子レンズによりカソードから発生した
平行な3本の電子ビームをそれぞれ最適集束状態ならび
に最適集中状態でスクリーン面上に集束させることがで
きる。
したがって、スクリーン面上で非常に小さいビームス
ポットを実現することができ、画像性能の向上されたカ
ラー受像管装置を得ることができる。
また本発明を使用したカラー受像管装置はGD8を短く
できるので偏向ヨークによる金属電極の発熱等に対しさ
らに電子銃を深く封入することができるためカラー受像
管の全長を短くできるという経済的、実用的に極めて大
きな効果をもたらす。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は本発明の一実施例を示したカラー受
像管装置の要部X−Z断面図多びY−Z断面図、第3図
(a)は本発明のカラー受像管装置の電極構成図、第3
図(b)は第3図(a)のX−Z方向の等価光学モデ
ル、第3図(c)は第3図(a)の中央ビームに対する
Y−Z方向の等価光学モデル、第3図(d)は第3図
(a)のサイドビームに対するY−Z方向の等価光学モ
デル、第4図乃至第7図は本発明に用いる電極の模式
図、第8図は本発明の主レンズ部の軸上電位分布図、第
9図は一般的な主レンズ部の軸上電位分布、第10図は一
般的なカラー受像管の概略断面図、第11図及び第12図は
従来の電子銃の等価光学モデル、第13図(a)及び第13
図(b)はそれぞれ従来の電子銃の概略断面図及び電極
の模式図、第14図(a)乃至第14図(d)はそれぞれ第
3図(a)乃至第3図(d)に対応する光学モデル、第
15図は第7図の変形例を示す電極の模式図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パネル,ファンネル,ネックから成る外囲
    器と、パネル内面に形成されたスクリーンと、ネック内
    に封入された電子銃と、ネックの一部からファンネルの
    内面に塗布された導電膜と、ネックからファンネルにか
    けて配置された偏向ヨークから成るカラー受像管装置で
    あって、 前記電子銃はインライン配列した平行な3本の電子ビー
    ムを発生,加速,制御するカソードを含む電子ビーム形
    成部と、この電子ビームを集束,集中させる主電子レン
    ズ部を備え、 前記主電子レンズ部はその最終段において3本の電子ビ
    ームを共通に包含する第1の実質的な円筒電極と、該第
    1の円筒電極内にあって3本の電子ビームを独立に通過
    させる板状電極と、該第1の円筒電極を包含した第2の
    実質的な円筒電極と、さらに前記ネックの内面の導電膜
    とによって形成され、 前記第1の電極スクリーン側端から前記第2の電極のス
    クリーン側端まで長さlを第2の電極の開孔径dに対し
    20%乃至70%としたことを特徴とするカラー受像管装
    置。
JP28419790A 1989-10-25 1990-10-24 カラー受像管装置 Expired - Fee Related JP2963759B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27595189 1989-10-25
JP1-275951 1989-10-25

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03205747A JPH03205747A (ja) 1991-09-09
JP2963759B2 true JP2963759B2 (ja) 1999-10-18

Family

ID=17562701

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28419790A Expired - Fee Related JP2963759B2 (ja) 1989-10-25 1990-10-24 カラー受像管装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2963759B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03205747A (ja) 1991-09-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3051756B2 (ja) カラー受像管装置
JPH05502132A (ja) カラー陰極線管における複数電子ビームの動的収束制御の方法及びその装置
KR910009989B1 (ko) 칼라 수상관 장치
US5367230A (en) Cathode-ray tube with convergence yoke lens systems
US5091673A (en) Color cathode ray tube apparatus
KR100242924B1 (ko) 음극선관의 편향수차보정방법 및 이것을 적용한 음극선관 및 화상표시장치
JP2963759B2 (ja) カラー受像管装置
KR900002078B1 (ko) 칼라 수상관
KR100244672B1 (ko) 코마수차가 경감된 컬러음극선관
JP3034906B2 (ja) カラー受像管および偏向装置
JP2645071B2 (ja) カラー受像管装置
JP2645097B2 (ja) カラー受像管装置
JP2957679B2 (ja) カラー受像管装置
JP3004658B2 (ja) カラー受像管装置
JP2804052B2 (ja) カラー受像管装置
JP2692877B2 (ja) カラー受像管装置
JP2758231B2 (ja) カラー受像管装置
JP2957604B2 (ja) カラー受像管装置
JP2692858B2 (ja) カラー受像管装置
JP3156038B2 (ja) カラー陰極線管
JP2692837B2 (ja) カラー受像管装置
JP3053850B2 (ja) カラー受像管装置
JP2685823B2 (ja) カラー受像管装置
JP3074179B2 (ja) 陰極線管
JP2960498B2 (ja) カラー受像管装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees