JPH09244246A - 感放射線性樹脂組成物 - Google Patents

感放射線性樹脂組成物

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JPH09244246A
JPH09244246A JP8047783A JP4778396A JPH09244246A JP H09244246 A JPH09244246 A JP H09244246A JP 8047783 A JP8047783 A JP 8047783A JP 4778396 A JP4778396 A JP 4778396A JP H09244246 A JPH09244246 A JP H09244246A
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methyl
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Shinichiro Iwanaga
伸一郎 岩永
Takayoshi Tanabe
隆喜 田辺
Akira Tsuji
昭 辻
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Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 紫外線、遠紫外線、X線あるいは荷電子線の
如き各種放射線に有効に感応して、化学増幅型ポジ型レ
ジストとして極めて有用な感放射線性樹脂組成物を提供
する。 【解決手段】 下記式(1)、(2)で示される繰返し
単位からなる(A)共重合体10〜90重量部と下記式
(1)、(3)からなる(B)共重合体10〜90重量
部および感放射線性酸発生剤からなる感放射線性樹脂組
成物。 は水素原子またはメチル基を示す。Rは水素原子
またはメチル基、Rは水素原子、炭素数1〜10の鎖
状アルキル基等、RとRは互いに独立に炭素数1〜
10の鎖状アルキル基等、を示すかあるいはR、R
およびRのいずれか2つが互いに結合して5〜7員環
を形成していてもよい。R、RおよびRは同一も
しくは異なり、水素原子またはメチル基であり、R
tert−ブチル基等を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、感放射線性樹脂組成物
に関する。さらに詳しくは、紫外線、遠紫外線、X線あ
るいは荷電粒子線の如き各種放射線を使用する微細加工
に好適なレジストとして有用な感放射線性樹脂組成物に
関する。
【0002】
【従来技術】集積回路素子の製造に代表される微細加工
の分野においては、集積回路のより高い集積度を得るた
めに、リソグラフィーにおけるデザインルールの微細化
が急速に進行しており、近年では、線幅0.5μm以下
の高精度の微細加工を安定して行なうことができるリソ
グラフィープロセスの開発が強く推し進められている。
しかしながら、従来の可視光線(波長700〜400
nm)や近紫外線(波長400〜300nm)を用いる
方法では、このような微細パターンを高精度に形成する
ことが困難であり、そのため、より幅広い焦点深度を達
成でき、デザインルールの微細化に有効な短波長(波長
300nm以下)の放射線を用いるリソグラフィープロ
セスが提案されている。
【0003】このような短波長の放射線を用いるリソグ
ラフィープロセスとしては、例えばKrFエキシマレー
ザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波
長193nm)等の遠紫外線やシンクロトロン放射線等
のX線あるいは電子線等の荷電粒子線を使用する方法が
提案されている。そして、これらの短波長の放射線に対
応する高解像度レジストとして、インターナショナル・
ビジネス・マシーン(IBM)社により「化学増幅型レ
ジスト」が提唱され、現在、この化学増幅型レジストの
改良が精力的に進められている。
【0004】このような化学増幅型レジストは、それに
含有させる感放射線性酸発生剤への放射線の照射(以
下、「露光」という。)により酸を発生させ、この酸の
触媒作用により、レジスト膜中で化学反応(例えば極性
の変化、化学結合の分解、架橋反応等)を生起させ、現
像液に対する溶解性が露光部において変化する現象を利
用して、パターンを形成するものである。
【0005】そして、従来の化学増幅型レジストのうち
比較的良好なレジスト性能を示すものに、樹脂成分とし
て、アルカリ可溶性樹脂中のアルカリ親和性基をt−ブ
チルエステル基やt−ブトキシカルボニル基で保護した
樹脂(特公平2−27660号公報参照)、アルカリ可
溶性樹脂中のアルカリ親和性基をシリル基で保護した樹
脂(特公平3−44290号公報参照)、(メタ)アク
リル酸成分を含有する樹脂(特公平4−39665号公
報参照)、樹脂成分として、アルカリ可溶性樹脂中のア
ルカリ親和性基をケタール基で保護した樹脂(特開平7
−140666号公報参照)、アセタール基で保護した
樹脂(特開平2−161436号公報および特開平5−
249682号公報参照)を使用したレジストが知られ
ている。
【0006】しかしながら、これらの化学増幅型レジス
トにはそれぞれ固有の問題があり、実用化に際して種々
の困難を伴うことが指摘されている。
【0007】その大きな問題として露光からポストベー
クまでの引き置き時間(Post Exposure Time Delay 以
下「PED」という。)により、レジストパターンの線
幅が変化したり、あるいはT−型形状となることが挙げ
られる。また、パターン形状、PEDによるレジストパ
ターンの線幅変化等に加え、解像度、ベーク温度依存性
等も大きく、プロセス安定性も不十分で、化学増幅型レ
ジストとしての総合特性の観点からさらなる改善が求め
られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、紫外
線、遠紫外線、X線あるいは荷電子線の如き各種放射線
に有効に感応し、解像度、パターン形状、PED安定性
等の良好な、ベーク温度依存性が小さく、プロセス安定
性にも優れた、化学増幅型ポジ型レジストとして有用な
感放射線性樹脂組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によると、前記目
的は、(A)下記式(1)で表される繰返し単位と下記
式(2)で表される繰返し単位からなる共重合体(以
下、「共重合体(A)」という)、
【0010】
【化5】
【0011】ここで、R1は水素原子またはメチル基を
示す、
【0012】
【化6】
【0013】ここで、R2は水素原子またはメチル基を
示し、R3は水素原子、炭素数1〜10の鎖状アルキル
基、炭素数3〜10の環状アルキル基、炭素数6〜10
のアリール基または炭素数7〜11のアラルキル基を示
し、R4とR5は互いに独立に炭素数1〜10の鎖状アル
キル基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基、炭素
数3〜10の環状アルキル基、炭素数6〜10のアリー
ル基または炭素数7〜11のアラルキル基を示すかある
いはR3、R4およびR5のいずれか2つが互いに結合し
て5〜7員環を形成していてもよい、(B)下記式
(3)で表される繰返し単位および上記式(1)で表さ
れる繰返し単位からなる共重合体(以下、「共重合体
(B)」という)
【0014】
【化7】
【0015】ここで、R6、R7およびR8は同一もしく
は異なり、水素原子またはメチル基であり、R9はte
rt−ブチル基または下記式(4)
【0016】
【化8】
【0017】ここで、Xは水素原子、ハロゲン原子、水
酸基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜7の
アルキル基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜
5のアルコキシアルキル基、炭素数7〜12のアラルキ
ル基または単環もしくは2環のアリール基であり、nは
2〜9の整数であり、aは0〜2nの整数である、但
し、aが2以上の整数の場合、複数のXは同一でも異な
っていてもよい、および(C)感放射線性酸発生剤を含
有することを特徴とする感放射線性樹脂組成物によって
達成される。以下、本発明を詳細に説明するが、これに
より本発明の目的、構成および効果が明確となるであろ
う。
【0018】共重合体(A) 本発明において使用される共重合体(A)は、前記式
(1)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位
(1)」という)と、前記式(2)で表される繰返し単
位(以下、「繰返し単位(2)」という)からなる共重
合体である。式(1)において、R1は水素原子または
メチル基である。式(2)において、R2は水素原子ま
たはメチル基である。また、R3は水素原子、炭素数1
〜10(C1〜C10)の鎖状アルキル基、炭素数3〜1
0(C3〜C10)の環状アルキル基、炭素数6〜10
(C6〜C10)のアリール基または炭素数7〜11(C7
〜C11)のアラルキル基である。
【0019】C1〜C10の鎖状アルキル基は、直鎖状で
あっても分岐鎖状であってもよく、例えばメチル基、エ
チル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル
基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、
n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n
−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル
基、n−ノニル基、n−デシル基等を挙げることができ
る。
【0020】C3〜C10の環状アルキル基としては、例
えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチ
ル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオ
クチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基等を挙げる
ことができる。
【0021】C6〜C10のアリール基としては、例えば
フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、1−
ナフチル基等を挙げることができる。
【0022】また、C7〜C11のアラルキル基として
は、例えばベンジル、α−メチルベンジル基、フェネチ
ル基、ナフチルメチル基等を挙げることができる。
【0023】さらに、式(2)中において、R4とR5
互いに独立にC1〜C10鎖状アルキル基、C1〜C10ハロ
ゲン化アルキル基、C3〜C10環状アルキル基、C6〜C
10アリール基またはC7〜C11アラルキル基である。こ
れらのうち、ハロゲン化アルキル基以外の基の具体例と
しては、前記したものと同じものを挙げることができ
る。しかして、ハロゲン化アルキルとしては、例えばト
リフルオロエチル基、ヘキサフルオロプロピル基、ヘプ
タデカフルオロデシル基等を挙げることができる。
【0024】また、R3、R4およびR5は互いに結合し
て5〜7員環を形成することができる。R3とR4が結合
した場合の5〜7員環としては、例えばシクロペンチル
基、シクロヘキシル基およびシクロヘプチル基を挙げる
ことができる。また、R3とR5またはR4とR5が結合し
た場合の5〜7員環としては、例えばテトラヒドロフラ
ニル基およびテトラヒドロピラニル基を挙げることがで
きる。
【0025】しかして、上記式(2)における下記式
(2)−1
【0026】
【化9】
【0027】ここでR3、R4およびR5の定義は上記式
(2)に同じである、で表される基は、アセタール基ま
たはケタール基として呼称される基である。ここで、ま
ず、アセタール基としては、例えば1−メトキシエトキ
シ基、1−エトキシエトキシ基、1−n−プロポキシエ
トキシ基、1−i−プロポキシエトキシ基、1−n−ブ
トキシエトキシ基、1−i−ブトキシエトキシ基、1−
sec−ブトキシエトキシ基、1−t−ブトキシエトキ
シ基、1−シクロペンチルオキシエトキシ基、1−シク
ロヘキシルオキシエトキシ基、1−ノルボルニルオキシ
エトキシ基、1−ボルニルオキシエトキシ基、1−フェ
ニルオキシエトキシ基、1−(1−ナフチルオキシ)エ
トキシ基、1−ベンジルオキシエトキシ基、1−フェネ
チルオキシエトキシ基、(シクロヘキシル)(メトキ
シ)メトキシ基、(シクロヘキシル)(エトキシ)メト
キシ基、(シクロヘキシル)(n−プロポキシ)メトキ
シ基、(シクロヘキシル)(i−プロポキシ)メトキシ
基、(シクロヘキシル)(シクロヘキシルオキシ)メト
キシ基、(シクロヘキシル)(フェノキシ)メトキシ
基、(シクロヘキシル)(ベンジルオキシ)メトキシ
基、(フェニル)(メトキシ)メトキシ基、(フェニ
ル)(エトキシ)メトキシ基、(フェニル)(n−プロ
ポキシ)メトキシ基、(フェニル)(i−プロポキシ)
メトキシ基、(フェニル)(シクロヘキシルオキシ)メ
トキシ基、(フェニル)(フェノキシ)メトキシ基、
(フェニル)(ベンジルオキシ)メトキシ基、(ベンジ
ル)(メトキシ)メトキシ基、(ベンジル)(エトキ
シ)メトキシ基、(ベンジル)(n−プロポキシ)メト
キシ基、(ベンジル)(i−プロポキシ)メトキシ基、
(ベンジル)(シクロヘキシルオキシ)メトキシ基、
(ベンジル)(フェノキシ)メトキシ基、(ベンジル)
(ベンジルオキシ)メトキシ基、2−テトラヒドロフラ
ニルオキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基等を
挙げることができる。
【0028】次に、ケタール基としては、例えば1−メ
チル−1−メトキシエトキシ基、1−メチル−1−エト
キシエトキシ基、1−メチル−1−n−プロポキシエト
キシ基、1−メチル−1−i−プロポキシエトキシ基、
1−メチル−1−n−ブトキシエトキシ基、1−メチル
−1−i−ブトキシエトキシ基、1−メチル−1−se
c−ブトキシエトキシ基、1−メチル−1−t−ブトキ
シエトキシ基、1−メチル−1−シクロペンチルオキシ
エトキシ基、1−メチル−1−シクロヘキシルオキシエ
トキシ基、1−メチル−1−ノルボルニルオキシエトキ
シ基、1−メチル−1−ボルニルオキシエトキシ基、1
−メチル−1−フェニルオキシエトキシ基、1−メチル
−1−(1−ナフチルオキシ)エトキシ基、1−メチル
−1−ベンジルオオキシエトキシ基、1−メチル−1−
フェネチルオキシエトキシ基、1−シクロヘキシル−1
−メトキシエトキシ基、1−シクロヘキシル−1−エト
キシエトキシ基、1−シクロヘキシル−1−n−プロポ
キシエトキシ基、1−シクロヘキシル−1−i−プロポ
キシエトキシ基、1−シクロヘキシル−1−シクロヘキ
シルオキシエトキシ基、1−シクロヘキシル−1−フェ
ノキシエトキシ基、1−シクロヘキシル−1−ベンジル
オキシエトキシ基、1−フェニル−1−メトキシエトキ
シ基、1−フェニル−1−エトキシエトキシ基、1−フ
ェニル−1−n−プロポキシエトキシ基、1−フェニル
−1−i−プロポキシエトキシ基、1−フェニル−1−
シクロヘキシルオキシエトキシ基、1−フェニル−1−
フェニルオキシエトキシ基、1−フェニル−1−ベンジ
ルオキシエトキシ基、1−ベンジル−1−メトキシエト
キシ基、1−ベンジル−1−エトキシエトキシ基、1−
ベンジル−1−n−プロポキシエトキシ基、1−ベンジ
ル−1−i−プロポキシエトキシ基、1−ベンジル−1
−シクロヘキシルオキシエトキシ基、1−ベンジル−1
−フェニルオキシエトキシ基、1−ベンジル−1−ベン
ジルオキシエトキシ基、2−(2−メチル−テトラヒド
ロフラニル)オキシ基、2−(2−メチル−テトラヒド
ロピラニル)オキシ基、1−メトキシ−シクロペンチル
オキシ基、1−メトキシ−シクロヘキシルオキシ基等を
挙げることができる。
【0029】共重合体(A)において、繰返し単位
(1)および(2)は、単独でまたは2種以上が存在す
ることができる。共重合体(A)における繰返し単位
(2)の含有量は、繰返し単位(1)および(2)の合
計を基準にして、通常10〜60モル%、好ましくは2
0〜50モル%、さらに好ましくは25〜45モル%で
ある。10モル%未満ではレジストとしての解像度が低
下する傾向があり、一方60モル%を超えると、感度が
低下する傾向がある。
【0030】上記共重合体(A)は、例えば次の方法に
より製造することができる。 (イ)フェノール性水酸基を有するビニル芳香族系
(共)重合体(以下、「フェノール性水酸基含有重合
体」という)、例えばポリ(p−ヒドロキシスチレ
ン)、ポリ(p−イソプロペニルフェニール)等を準備
し、その水酸基の1部を、例えばエチルビニルエーテ
ル、2,3−ジヒドロピラン、4−メトキシ−5,6−ジ
ヒドロ−2H−ピランあるいは2−メトキシプロピレン
如き化合物と反応させてエーテル化し、前記式(1)の
繰返し単位と前記式(2)の繰返し単位とからなる重合
体を製造する方法。 (ロ)フェノール性水酸基含有重合体のナトリウムフェ
ノキシド誘導体と、式Cl−CH(R3)(R4)OR5
(ただし、R3、R4、R5はそれぞれ式(2)における
3、R4、R5と同じである)で表される化合物とを、
脱塩化ナトリウム反応させてエーテル化する方法。 (ハ)前記式(1)、(2)に対応するビニル芳香族化
合物を直接共重合する方法。
【0031】なお、共重合体(A)は、ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー(以下、「GPC」という)
によるポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「M
w」という)は、通常1,000〜100,000であ
り、好ましくは3,000〜40,000であり、さらに
好ましくは3,000〜30,000である。分子量1,
000未満であるとレジストとした場合に感度および耐
熱性が劣り易く、また100,000を超えると現像液
に対する溶解性が劣り易くなる。
【0032】共重合体(B) 本発明において使用される共重合体(B)は、繰返し単
位(1)と、上記式(3)で表される繰返し単位(以
下、「繰返し単位(3)」という)からなる共重合体で
ある。式(3)において、R6、R7およびR8は各々独
立に水素原子あるいはメチル基を示し、R9はt−ブチ
ル基あるいは前記式(4)で示される1価の脂環式基を
示す。式中、Xは水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ア
ミノ基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜7のアルキル
基、炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアル
コキシアルキル基、炭素数7〜12のアラルキル基また
は単環もしくは2環のアリール基であり、nは2〜9の
整数であり、aは0〜2xnの整数である、但し、aが
2以上の整数の場合、複数のXは同一でも異なっていて
もよい。
【0033】炭素数1〜7のアルキル基は直鎖状、分岐
鎖状もしくは環状であることができ、その例としてはメ
チル基、エチル基、n−ブチル基、t−ブチル基、シク
ロヘキシル基等を挙げることができる。炭素数2〜5の
アルケニル基は直鎖状あるいは分岐鎖状であることがで
き、その例としてはビニル基、1−プロペニル基、3−
ブテニル基、4−ペンテニル基の如き直鎖アルケニル
基;2−(p−メチルフェニル)ビニル基の如きメチル
基、フェニル基等で置換したビニル基;等を挙げること
ができる。
【0034】炭素数2〜5のアルコキシアルキル基とし
ては、例えばメトキシメチル基、エトキシメチル基、ブ
トキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル
基等を挙げることができる。炭素数7〜12のアラルキ
ル基としては、例えばベンジル基、p−メチルベンジル
基、フェニルエチル基、フェニルイソブチル基、4−フ
ェニルブチル基、5−フェニルアミル基、6−フェニル
ヘキシル基等を挙げることができる。単環もしくは2環
のアリール基の具体例としては、フェニル基、α−ナフ
チル基、β−ナフチル基等を挙げることができる。
【0035】前記式(4)で示される1価の脂環式基の
うち、好ましいものとして、下記式(4−1)〜(4−
5)で示される脂環式基が挙げられる。
【0036】
【化10】
【0037】共重合体(B)において、繰返し単位
(1)および繰返し単位(3)は、単独でまたは2種以
上が存在することができる。共重合体(B)における繰
返し単位(3)の含有量は、全繰返し単位中、通常10
〜60モル%、好ましくは20〜50モル%、さらに好
ましくは25〜45モル%である。10モル%未満では
レジストとしての解像度が低下する傾向があり、一方6
0モル%を越えると、感度が低下する傾向がある。
【0038】上記共重合体(B)は、例えば次の方法に
より製造することができる。 (a)フェノール性水酸基含有重合体、例えばポリ(p
−ヒドロキシスチレン)、ポリ(p−イソプロペニルフ
ェノール)等を準備し、その水酸基の1部を例えばブロ
モ酢酸t−ブチルエステルの如き化合物と反応させてエ
ーテル化し、前記式(1)の繰返し単位と前記式(3)
の繰返し単位とからなる重合体を製造する方法、(b)
前記式(1)、(3)に対応するビニル芳香族化合物を
直接共重合する方法、
【0039】(B)共重合体の「Mw」は、通常1,0
00〜100,000であり、好ましくは3,000〜4
0,000であり、さらに好ましくは3,000〜30,
000である。Mwが1,000未満であるとレジスト
した場合に感度、耐熱性が劣り易く、また100,00
0を越えると現像液に対する溶解性が劣り易くなる。こ
れらの重合体(B)は単独もしくは2種以上混合して使
用される。
【0040】本発明において、共重合体(A)と共重合
体(B)の使用割合は、共重合体(A)対共重合体
(B)の重量比が、10/90〜90/10、好ましく
は40/60〜90/10、さらに好ましくは50/5
0〜90/10である。これらの重量比は、共重合体
(A)と共重合体(B)の合計重量を100重量部とし
た場合のものである。
【0041】感放射線性酸発生剤 感放射線性酸発生剤とは、放射線照射により酸を発生す
る化合物である。本発明において用いられる感放射線性
酸発生剤としては、オニウム塩、スルホン化合物、
スルホン酸エステル化合物、スルホンイミド化合
物、ジアゾメタン化合物等を挙げることができる。こ
れらの感放射線性酸発生剤の例を以下に示す。
【0042】オニウム塩:オニウム塩としては、例え
ばヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、
ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ピリジニウム塩等を
挙げることができる。オニウム塩化合物の具体例として
は、ジフェニルヨードニウムトリフレート、ジフェニル
ヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニルヨードニ
ウムドデシルベンゼンスルホネート、トリフェニルスル
ホニウムトリフレート、トリフェニルスルホニウムヘキ
サフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムヘ
キサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウ
ムナフタレンスルホネート、トリフェニルスルホニウム
カンファースルホネート、(ヒドロキシフェニル)ベン
ジルメチルスルホニウムトルエンスルホネート等を挙げ
ることができる。
【0043】スルホン化合物:スルホン化合物として
は、例えばβ−ケトスルホン、β−スルホニルスルホ
ン、これらのα−ジアゾ化合物等を挙げることができ
る。スルホン化合物の具体例としては、フェナシルフェ
ニルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フ
ェニルスルホニル)メタン、4−トリスフェナシルスル
ホン等を挙げることができる。
【0044】スルホン酸エステル化合物:スルホン酸
エステル化合物としては、例えばアルキルスルホン酸エ
ステル、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールス
ルホン酸エステル、イミノスルホネート等を挙げること
ができる。スルホン酸エステル化合物の具体例として
は、ベンゾイントシレート、ピロガロールトリストリフ
レート、ピロガロールメタンスルホン酸トリエステル、
ニトロベンジル−9,10−ジエトキシアントラセン−
2−スルホネート、α−メチロールベンゾイントシレー
ト、α−メチロールベンゾインオクタンスルホン酸エス
テル、α−メチロールベンゾイントリフルオロメタンス
ルホン酸エステル、α−メチロールベンゾインドデシル
スルホン酸エステル等を挙げることができる。
【0045】スルホンイミド化合物:スルホンイミド
化合物としては、例えば下記式(5)
【0046】
【化11】
【0047】ここで、X1はアルキレン基、アリーレン
基、アルコキシレン基等の2価の基を示し、R10はアル
キル基、アリール基、ハロゲン置換アルキル基、ハロゲ
ン置換アリール基等の1価の基を示す、で表される化合
物を挙げることができる。
【0048】スルホンイミド化合物の具体例としては、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシン
イミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)
フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオ
キシ)ジフェニルマレイミド、N−(トリフルオロメチ
ルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5
−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフル
オロメチルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ
[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシ
イミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)
ナフチルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニル
オキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキ
シ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(カンファース
ルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(カンファース
ルホニルオキシ)フタルイミド、N−(カンファースル
ホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(カンファ
ースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5
−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(カンファ
ースルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.
1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−(カンファースルホニルオキシ)ナフチルイミド、
N−(カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.
1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイ
ミド、
【0049】N−(4−メチルフェニルスルホニルオキ
シ)スクシンイミド、N−(カンファ−スルホニルオキ
シ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(4−メチルフ
ェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(4−メ
チルフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミ
ド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ビシ
クロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボ
キシイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキ
シ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エ
ン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−メチルフ
ェニルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(4−
メチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.
1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイ
ミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニ
ルオキシ)スクシンイミド、N−(2−トリフルオロメ
チルフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−
(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)
ジフェニルマレイミド、N−(2−トリフルオロメチル
フェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2
−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)−7
−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,
3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチ
ルフェニルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−
(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3
−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチル
フェニルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(4
−フルオロフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミ
ド、N−(2−フルオロフェニル)フタルイミド、N−
(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ジフェニル
マレイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオ
キシ)ビシクロ[2.1.1]ヘプト−5−エン−2,3
−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスル
ホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.1.1]ヘプ
ト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4
−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.
1.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキ
シイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキ
シ)ナフチルジカルボキシイミド等を挙げることができ
る。
【0050】ジアゾメタン化合物:ジアゾメタン化合
物としては、例えば下記式(6)
【0051】
【化12】
【0052】ここで、R11およびR12は、互いに同一で
も異なってもよく、アルキル基、アリール基、ハロゲン
置換アルキル基、ハロゲン置換アリール基等の1価の基
を示す、で表される化合物を挙げることができる。
【0053】ジアゾメタン化合物の具体例としては、ビ
ス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビ
ス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス
(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トル
エンスルホニル)ジアゾメタン、メチルスルホニル−p
−トルエンスルホニルジアゾメタン、1−シクロヘキシ
ルスルホニル−1−(1,1−ジメチルエチルスルホニ
ル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスル
ホニル)ジアゾメタン等を挙げることができる。
【0054】前記感放射線性酸発生剤のうち、オニウ
ム塩、スルホン酸エステル化合物、スルホンイミド
化合物およびジアゾメタン化合物が好ましく、特にト
リフェニルスルホニウムトリフレート、α−メチロール
ベンゾイントシレート、α−メチロールベンゾインオク
タンスルホン酸エステル、α−メチロールベンゾイント
リフルオロメタンスルホン酸エステル、α−メチロール
ベンゾインドデシルスルホン酸エステル、N−(トリフ
ルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]
ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−
(カンファ−スルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]
ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−
(カンファ−スルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシ
イミド、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタ
ン等が好ましい。
【0055】本発明において、上記の感放射線性酸発生
剤は、通常、共重合体(A)と共重合体(B)の合計1
00重量部当り、0.1〜20重量部、好ましくは0.5
〜10重量部の割合で使用される。これらの感放射線性
酸発生剤は、単独もしくは2種類以上を混合して使用さ
れる。
【0056】酸拡散制御剤 本発明においては、さらに露光により感放射線性酸発生
剤から生じた酸のレジスト被膜中における拡散現象を制
御し、放射線未照射領域での好ましくない化学反応を抑
制する作用等を有する酸拡散制御剤を配合することが好
ましい。このような酸拡散制御剤を使用することによ
り、組成物の貯蔵安定性が向上し、またレジストとし
て、解像度が向上するとともに、PEDの変動によるレ
ジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセ
ス安定性に極めて優れたものとなる。酸拡散制御剤とし
ては、放射線照射やベークにより塩基性が変化しない含
窒素有機化合物が好ましく用いられる。かかる含窒素有
機化合物としては、例えば下記式(7) R131415N ・・・(7) ここで、R13、R14およびR15はそれぞれ独立に水素原
子、アルキル基、アリール基またはアラルキル基を示
す、で表される化合物(以下、「含窒素化合物(I)」
という。)、同一分子内に窒素原子を2個有するジアミ
ノ化合物(以下、「含窒素化合物(II)」という。)、
窒素原子を3個以上有するジアミノ重合体(以下、「含
窒素化合物(III)」という。)、アミド基含有化合
物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等を挙げること
ができる。
【0057】上記含窒素化合物(I)としては、例えば
n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチ
ルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモ
ノアルキルアミン類;ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−
ペンチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジ−n−ヘ
プチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−n−ノニ
ルアミン、ジ−n−デシルアミン等のジアルキルアミン
類;トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ト
リ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、ト
リ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、
トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、
トリ−n−デシルアミン等のトリアルキルアミン類;ア
ニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリ
ン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メ
チルアニリン、4−ニトロアニリン、ジフェニルアミ
ン、トリフェニルアミン、ナフチルアミン等の芳香族ア
ミン類を挙げることができる。
【0058】上記含窒素化合物(II)としては、例えば
エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエ
チレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチ
レンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジア
ミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルア
ミン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)プロパ
ン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフ
ェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−
(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−アミ
ノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、1,4−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−
メチルエチル]ベンゼン、1,3−ビス[1−(4−ア
ミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン等を挙げ
ることができる。
【0059】上記含窒素化合物(III)としては、例え
ばポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ジメチルア
ミノエチルアクリルアミドの重合体等を挙げることがで
きる。 上記アミド基含有化合物としては、例えばホル
ムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチル
ホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミ
ド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン
等を挙げることができる。上記ウレア化合物としては、
例えば尿素、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、
1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラメチルウ
レア、1,3−ジフェニルウレア、トリブチルチオウレ
ア等を挙げることができる。
【0060】上記含窒素複素環化合物としては、例えば
イミダゾール、ベンズイミダゾール、4−メチルイミダ
ゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール等のイ
ミダゾール類;ピリジン、2−メチルピリジン、4−メ
チルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジ
ン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、N
−メチル−4−フェニルピリジン、ニコチン、ニコチン
酸、ニコチン酸アミド、キノリン、8−オキシキノリ
ン、アクリジン等のピリジン類のほか、ピラジン、ピラ
ゾール、ピリダジン、キノザリン、プリン、ピロリジ
ン、ピペリジン、モルホリン、4−メチルモルホリン、
ピペラジン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジア
ザビシクロ[2.2.2]オクタン等を挙げることができ
る。これらの含窒素有機化合物のうち、含窒素化合物
(I)、含窒素複素環化合物等が好ましい。また、含窒
素化合物(I)の中では、トリアルキルアミン類が特に
好ましく、含窒素複素環化合物の中では、ピリジン類が
特に好ましい。
【0061】本発明において、酸拡散制御剤は、単独で
または2種以上を混合して使用することができる。本発
明における酸拡散制御剤の使用量は、共重合体(A)と
共重合体(B)の合計重量100重量部当り、通常15
重量部以下、好ましくは0.001〜10重量部、好ま
しくは0.005〜5重量部である。この場合、酸拡散
制御剤の使用量が15重量部を超えると、レジストとし
ての感度や放射線照射部の現像性が低下する傾向があ
る。なお、酸拡散制御剤の使用量が0.001重量部未
満では、プロセス条件によっては、レジストとしてのパ
ターン形状や寸法忠実度が低下するおそれがある。
【0062】アルカリ可溶性樹脂 本発明においては、必要に応じて共重合体(A)および
共重合体(B)以外の樹脂であって、かつアルカリ可溶
性の樹脂を添加することができる。このアルカリ可溶性
の樹脂は、アルカリ現像液と親和性を示す官能基、例え
ばフェノール性水酸基、カルボキシル基等の酸性官能基
を1種以上有する、アルカリ現像液に可溶な樹脂であ
る。このようなアルカリ可溶性樹脂を使用することによ
り、本発明組成物によるレジスト被膜のアルカリ現像液
への溶解速度の制御がより容易となる結果、現像性をさ
らに向上させることができる。
【0063】このようなアルカリ可溶性樹脂は、アルカ
リ現像液に可溶である限り特に限定されるものではない
が、好ましいアルカリ可溶性樹脂としては、例えばヒド
ロキシスチレン、イソプロペニルフェノール、ビニル安
息香酸、カルボキシメチルスチレン、カルボキシメトキ
シスチレン、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイ
ン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸 メサコン
酸、ケイ皮酸等の酸性官能基を有する少なくとも1種の
単量体の重合性二重結合部分が開裂した繰返し単位を含
有する付加重合系樹脂や、ノボラック樹脂に代表される
酸性官能基を有する縮合系繰返し単位を含有する重縮合
系樹脂等を挙げることができる。
【0064】前記付加重合系樹脂からなるアルカリ可溶
性樹脂は、前記酸性官能基を有する単量体の重合性二重
結合部分が開裂した繰返し単位のみから構成されていて
もよいが、生成した樹脂がアルカリ現像液に可溶である
限りでは、1種以上の他の繰返し単位をさらに含有する
こともできる。このような他の繰返し単位としては、例
えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、
無水マレイン酸、(メタ)アクリロニトリル、クロトン
ニトリル、マレインニトリル、フマロニトリル、メサコ
ンニトリル、シトラコンニトリル、イタコンニトリル、
(メタ)アクリルアミド、クロトンアミド、マレインア
ミド、フマルアミド、メサコンアミド、シトラコンアミ
ド、イタコンアミド、ビニルアニリン、ビニルピリジ
ン、N−ビニル−ε−カプロラクタム、N−ビニルピロ
リドン、N−ビニルイミダゾール等の単量体の重合性二
重結合部分が開裂した繰返し単位を挙げることができ
る。
【0065】前記付加重合系樹脂のうち、レジスト被膜
としたときの放射線の透過性が高く、またドライエッチ
ング耐性にも優れるという観点から、特にポリ(ヒドロ
キシスチレン)およびイソプロペニルフェノール共重合
体が好ましい。また、前記重縮合系樹脂からなるアルカ
リ可溶性樹脂は、酸性官能基を有する重縮合系繰返し単
位のみから構成されていてもよいが、生成した樹脂がア
ルカリ現像液に可溶である限りでは、他の繰返し単位を
さらに含有することもできる。このような重縮合系樹脂
は、例えば1種以上のフェノール類と1種以上のアルデ
ヒド類とを、場合により他の重縮合系繰返し単位を形成
しうる重縮合成分とともに、酸性触媒または塩基性触媒
の存在下、水媒質中または水と親水性溶媒との混合媒質
中で(共)重縮合することによって製造することができ
る。
【0066】前記フェノール類としては、例えばo−ク
レゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−
キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノ
ール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、
2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチ
ルフェノール等を挙げることができ、また前記アルデヒ
ド類としては、例えばホルムアルデヒド、トリオキサ
ン、パラホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、アセト
アルデヒド、プロピルアルデヒド、フェニルアセトアル
デヒド等を挙げることができる。本発明におけるアルカ
リ可溶性樹脂の使用量は、前記共重合体(A)と共重合
体(B)の合計100重量部当り、通常、200重量部
以下である。
【0067】界面活性剤 本発明組成物には界面活性剤を添加することができる この界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリル
エーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポ
リオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレ
ンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノ
ニルフェノールエーテル、ポリエチレングリコールジラ
ウレート、ポリエチレングリコールジステアレートを挙
げることができ、市販品としては、例えばエフトップE
F301、EF303,EF352(トーケムプロダク
ツ製)、メガファックス F171、F173(大日本
インキ(株)製)、フロラードFC430、FC431
(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG71
0、サーフロンS−382、SC101、SC102、
SC103、SC104、SC105、SC106(旭
硝子(株)製)、オルガノシロキサンポリマーKP34
1(信越化学工業(株)製)、アクリル酸系またはメタ
クリル酸系(共)重合体であるポリフローNo.75、
No.95(商品名、共栄社油脂化学工業(株)製)等
が用いられる。
【0068】界面活性剤の配合量は、共重合体(A)お
よび共重合体(B)の合計量100重量部当り、通常、
2重量部以下である。
【0069】増感剤 本発明組成物には増感剤を添加することができる。この
増感剤は、放射線のエネルギーを吸収して、そのエネル
ギーを感放射線性酸発生剤に伝達し、それにより酸の生
成量を増加させる作用を示すもので、本発明樹脂組成物
によって形成されるレジストの見掛けの感度を向上させ
る効果を有する。好ましい増感剤の例としては、ベンゾ
フェノン類、ローズベンガル類、アントラセン類等を挙
げることができる。これらの増感剤は、単独でまたは2
種以上を混合して使用することができ、その配合量は、
組成物中の共重合体(A)と共重合体(B)の合計10
0重量部当り、通常30重量部以下である。
【0070】その他の添加剤 本発明組成物は、染料および/または顔料を配合するこ
とにより、露光部の潜像を可視化させて、露光時のハレ
ーションの影響を緩和でき、接着助剤を配合することに
より、基板との接着性をさらに改善することができる。
さらに、他の添加剤として、4−ヒドロキシ−4'−メ
チルカルコン等のハレーション防止剤、形状改良剤、保
存安定剤、消泡剤等を配合することもできる。
【0071】溶剤 本発明組成物は、その使用に際して、全固形分の濃度
が、例えば5〜50重量%、好ましくは15〜40重量
%になるように、溶剤に均一に溶解したのち、例えば孔
径0.2μm程度のフィルターで濾過することにより、
組成物溶液として調製される。
【0072】前記組成物溶液の調製に使用される溶剤と
しては、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル
アセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルア
セテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテル
アセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピ
レングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリ
コールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモ
ノアルキルエーテル類;プロピレングリコールジメチル
エーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プ
ロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレング
リコールジブチルエーテル等のプロピレングリコールジ
アルキルエーテル類;
【0073】プロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル
アセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテ
ルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテ
ルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエ
ーテルアセテート類;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n
−プロピル、乳酸イソプロピル等の乳酸エステル類;ギ
酸n−アミル、ギ酸イソアミル、酢酸エチル、酢酸n−
プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イ
ソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、プロピオ
ン酸イソプロピル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオ
ン酸イソブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;
【0074】ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−
2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−3−
メチル酪酸メチル、メトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸
エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキ
シプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチ
ル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシブ
チルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセ
テート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネー
ト、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、アセ
ト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸メチル、
ピルビン酸エチル等の他のエステル類;トルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、メチ
ルプロピルケトン、メチルブチルケトン、2−ヘプタノ
ン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノ
ン等のケトン類;N−メチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N
−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のア
ミド類;γ−ブチロラクン等のラクロン類を挙げること
ができる。
【0075】レジストパターンの形成 本発明組成物からレジストパターンを形成する際には、
前述したようにして調製された組成物溶液を、回転塗
布、流延塗布、ロール塗布等の適宜の塗布手段によっ
て、例えばシリコンウェハー、アルミニウムで被覆され
たウェハー等の基板上に塗布することにより、レジスト
被膜を形成し、場合により予め加熱処理(以下、「プレ
ベーク」という。)を行ったのち、所定のマスクパター
ンを介して放射線照射(以下、「露光」という)する。
その際に使用される放射線としては、感放射線性酸発生
剤の種類に応じて、例えばi線(波長365nm)等の
紫外線;ArFエキシマレーザー(波長193nm)、
KrFエキシマレーザー(波長248nm)等の遠紫外
線;シンクロトロン放射線等のX線;電子線等の荷電粒
子線を適宜選択して使用する。好ましい放射線は、Kr
Fエキシマレーザーである。また、露光量等の露光条件
は、本発明組成物の配合組成、各添加剤の種類等に応じ
て、適宜選定される。
【0076】本発明においては、レジスト被膜の見掛け
の感度を向上させるために、露光後に加熱処理(以下、
「露光後ベーク」という。)を行なうのが好ましい。そ
の加熱条件は、本発明組成物の配合組成、各添加剤の種
類等により変わるが、通常、30〜200℃、好ましく
は40〜150℃である。次いで、露光されたレジスト
被膜をアルカリ現像液で、通常10〜50℃、30〜2
00秒の条件でアルカリ現像することにより、所定のレ
ジストパターンを形成する。
【0077】前記アルカリ現像液としては、例えばアル
カリ金属水酸化物;アンモニア水;モノ−、ジ−あるい
はトリ−アルキルアミン類;モノ−、ジ−あるいはトリ
−アルカノールアミン類;複素環式アミン類;テトラア
ルキルアンモニウムヒドロキシド類;コリン;1,8−
ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,
5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のア
ルカリ性化合物を、通常、1〜10重量%、好ましくは
1〜5重量%の濃度となるように溶解したアルカリ性水
溶液が使用される。また、前記アルカリ性水溶液からな
る現像液には、例えばメタノール、エタノール等の水溶
性有機溶剤や界面活性剤を適宜添加することもできる。
そして、このようにアルカリ性水溶液からなる現像液を
使用する場合には、一般に現像後、水洗する。なお、レ
ジストパターンの形成に際しては、環境雰囲気中に含ま
れる塩基性不純物等の影響を防止するため、レジスト被
膜上に保護膜を設けることもできる。
【0078】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて、本発明
をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実
施例に何ら制約されるものではない。ここで、Mwの測
定並びに各レジストの評価は、下記の要領で行った。
【0079】Mw 東ソー(株)製GPCカラム(G2000HXL 2本、
G3000HXL 1本、G4000HXL 1本)を用い、
流量1.0ミリリットル/分、溶出溶媒テトラヒドロフ
ラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチ
レンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフ
法により測定した。
【0080】感度 レジストパターンを形成したとき、線幅0.3μmのラ
イン・アンド・スペースパターン(1L1S)を1対1
の線幅に形成する露光量を最適露光量とし、この最適露
光量により感度を評価した。
【0081】解像度 最適露光量で露光したときに解像されるレジストパター
ンの最小寸法(μm)を、解像度とした。
【0082】パターン形状 0.3μmのライン・アンド・スペースパターンにおい
て、パターン上部の線幅をLa、パターン下部の線幅を
Lbとして0.9×Lb<La<1.1×Lbのときを良
好、0.9×Lb≧Laのときをラウンドトップ、La
≧1.1×LbのときをT−型として表わした。
【0083】現像性 組成物のレジスト被膜を形成し、パターン形成後のスカ
ムや現像残りの程度を走査型電子顕微鏡を用いて調べ
た。
【0084】共重合体(A)の合成 合成例1 ポリ(p−ヒドロキシスチレン)(Mw12,000)
24gをジオキサン100ミリリットルに溶解した後、
窒素で30分間バブリングを行った。この溶液にエチル
ビニルエーテル8g、触媒としてp−トルエンスルホン
酸ピリジニウム塩1gを添加し、12時間反応させた。
この反応溶液を1重量%アンモニア水溶液に滴下して、
共重合体を沈澱させた。この重合体を50℃の真空乾燥
器内で一晩乾燥した。得られた共重合体は、Mwが1
2,000であり、13C−NMR測定の結果、フェノー
ル性水酸基の水素原子の45%が1−エトキシエチル基
で置換された構造を有するものであった。この共重合体
を重合体A−1とする。
【0085】合成例2 ポリ(p−ヒドロキシスチレン)(Mw8,000)2
4gをジオキサン100ミリリットルに溶解した後、窒
素で30分間バブリングを行った。この溶液に2,3−
ジヒドロピラン7.5g、触媒としてp−トルエンスル
ホン酸ピリジニウム塩0.4gを添加し、6時間反応さ
せた。この反応溶液を1%アンモニア水溶液に滴下し
て、重合体を沈澱させた。この重合体を50℃の真空乾
燥器内で一晩乾燥した。得られた重合体は、Mwが1
0,000であり、13C−NMR測定の結果、フェノー
ル性水酸基の水素原子の42%がテトラヒドロピラニル
基で置換された構造を有するものであった。この共重合
体を重合体A−2とする。
【0086】合成例3〜6 合成例1と同様にして、表1に示したフェノール性水酸
基含有重合体および表1に示したビニルエーテル化合物
を用いて各々の共重合体を合成した。共重合体の分析値
を表1に示す。この共重合体を重合体A−3〜A−6と
する。
【0087】
【表1】
【0088】合成例7 p−ヒドロキシスチレン20重量%、p−エチルフェノ
ール65重量%および不純物として含有するその他の成
分15重量%(内訳:水10重量%、p−クレゾール4
重量%、フェノール1重量%)の組成の混合物120g
を、p−メトキシメトキシスチレン19gおよびジオキ
サン50gと混合して均一溶液とした。この溶液を窒素
で30分間バブリングした後、2,2’−アゾビス(4
−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)1.9g
を添加し、バブリングを継続しつつ、反応温度を40℃
に維持して7時間重合させた。重合終了後、反応溶液を
多量のヘキサンと混合して、生成した共重合体を凝固さ
せた。次いで、共重合体をジオキサンに再溶解させた
後、再度ヘキサンにより、凝固させる操作を数回繰り返
して、未反応モノマーを完全に除去し、50℃減圧下で
乾燥して、白色の共重合体(収率52%)を得た。得ら
れた共重合体は、Mwが17,000であり、13C−N
MR測定の結果、p−ヒドロキシスチレンとp−メトキ
シメトキシスチレンとの共重合モル比が62:38であ
った。この重合体を重合体A−7とする。
【0089】共重合体(B)の合成 合成例8 ポリ(p−ヒドロキシスチレン)(Mw12,000)
24gとブロモ酢酸t−ブチルエーテル9.8gをアセ
トン100mlに溶解したのち、この溶液に、触媒とし
て炭酸カリウム7.5g、ヨウ化カリウム3.5gを添加
し、還流化で6時間反応させた。この反応溶液を2リッ
トルの純水中に滴下して、共重合体を沈澱させた。析出
した固体を濾別し、純水で洗浄したのち、この重合体を
60℃の真空乾燥器内で一晩乾燥した。得られた共重合
体は、Mw16,000であり、1H−NMR測定の結
果、フェノール性水酸基の水素原子の45%がt−ブト
キシカルボニルメチル基で置換された構造を有するもの
であった。この重合体を重合体B−1とする。
【0090】合成例9 ブロモ酢酸30.6gとシクロペンタノール17.2gを
トルエン300mlに溶解し、p−トルエンスルホン酸
0.8gを添加し、還流化、副生する水を除去しなが
ら、6時間反応させた。その後、減圧下で蒸留精製を行
い、ブロモ酢酸シクロペンチルエステルを無色透明な液
体として得た。次いで、ポリ(p−ヒドロキシスチレ
ン)(Mw15,000)24gと上記の精製したブロ
モ酢酸シクロペンチルエステル10.3gをアセトン1
00mlに溶解したのち、この溶液に触媒として炭酸カ
リウム7.5g、ヨウ化カリウム3.5gを添加し、還流
化で6時間反応させた。この反応溶液を2リットルの純
水中に滴下して、共重合体を沈澱させた。析出した固体
を濾別し、純水で洗浄したのち、この重合体を60℃の
真空乾燥器内で一晩乾燥した。得られた共重合体は、M
w19,000であり、1H−NMR測定の結果、フェノ
ール性水酸基の水素原子の25%がシクロペンチルオキ
シカルボニルメチル基で置換された構造を有するもので
あった。この共重合体を重合体B−2とする。
【0091】合成例10 合成例9と同様にして、ブロモ酢酸30.6gとシクロ
ヘキサノール20.0gから、ブロモ酢酸シクロヘキシ
ルエステルを得た。次いで、ポリ(p−ヒドロキシスチ
レン)(Mw12,000)24gと上記の精製したブ
ロモ酢酸シクロヘキシルエステル11gから、フェノー
ル性水酸基の水素原子の25%がシクロヘキシルオキシ
カルボニルメチル基で置換された構造を有する、Mw1
5,000の共重合体を得た。この重合体をB−3とす
る。
【0092】合成例11 合成例9と同様にして、ブロモ酢酸30.6gとシ2−
ニトロシクロヘキサノール29.2gから、ブロモ酢酸
2−ニトロシクロヘキシルエステルを得た。次いで、ポ
リ(p−ヒドロキシスチレン)(Mw12,000)2
4gと上記の精製したブロモ酢酸2−ニトロシクロヘキ
シルエステル13.3gから、フェノール性水酸基の水
素原子の25%がシクロヘキシルオキシカルボニルメチ
ル基で置換された構造を有する、Mw16,000の共
重合体を得た。この重合体をB−4とする。
【0093】実施例1〜10、比較例1〜3 表2(但し、部は重量に基づく。)に示す各成分を混合
して均一溶液としたのち、孔径0.2μmのメンブラン
フィルターで濾過して、組成物溶液を調製した。 その
後、各組成物溶液をシリコンウェハー上にスピンコート
したのち、90℃で120秒間プレベークを行って、膜
厚1.0μmのレジスト被膜を形成した。次いで、Kr
Fエキシマレーザー((株)ニコン製ステッパーNSR
−2005EX8Aを使用)にて露光を行い、次いで1
00℃で60秒間露光後ベークを行ったのち、2.38
重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を
用い、23℃で1分間、パドル現像し、純水で水洗し、
乾燥して、レジストパターンを形成した。各レジストの
評価結果を表3に示す。
【0094】
【表2】
【0095】
【表3】
【0096】ここで、各実施例および比較例における感
放射線性酸発生剤、酸拡散制御剤および溶剤は、下記の
とおりである。
【0097】感放射線性酸発生剤(酸発生剤) C−1:トリフェニルスルホニウムトリフレート C−2:N−(カンファ−スルホニルオキシ)ナフチル
ジカルボキシイミド C−3:ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタ
【0098】酸拡散制御剤 (イ):ニコチン酸アミド (ロ):トリオクチルアミン
【0099】溶剤 EL:乳酸エチル MMP:3−メトキシプロピオン酸メチル PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテート
【0100】
【発明の効果】本発明の感放射線性樹脂組成物は、特に
解像度およびパターン形状が優れるとともに、PED安
定性に優れ、ベーク温度依存性が小さく、プロセス安定
性に優れており、高精度の微細パターンを安定して形成
することができる。しかも、本発明の感放射線性樹脂組
成物は、紫外線、遠紫外線、X線あるいは荷電子線の如
き各種放射線に有効に感応するものであり、化学増幅型
ポジ型レジストとして極めて有用である。従って、本発
明の感放射線性樹脂組成物は、今後さらに微細化が進行
すると予想される半導体デバイス製造用として好適に使
用することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記式(1)で表される繰返し単
    位と下記式(2)で表される繰返し単位からなる共重合
    体、 【化1】 ここで、R1は水素原子またはメチル基を示す、 【化2】 ここで、R2は水素原子またはメチル基を示し、R3は水
    素原子、炭素数1〜10の鎖状アルキル基、炭素数3〜
    10の環状アルキル基、炭素数6〜10のアリール基ま
    たは炭素数7〜11のアラルキル基を示し、R4とR5
    互いに独立に炭素数1〜10の鎖状アルキル基、炭素数
    1〜10のハロゲン化アルキル基、炭素数3〜10の環
    状アルキル基、炭素数6〜10のアリール基または炭素
    数7〜11のアラルキル基を示すかあるいはR3、R4
    よびR5のいずれか2つが互いに結合して5〜7員環を
    形成していてもよい、(B)下記式(3)で表される繰
    返し単位および上記式(1)で表される繰返し単位から
    なる共重合体 【化3】 ここで、R6、R7およびR8は同一もしくは異なり、水
    素原子またはメチル基であり、R9はtert−ブチル
    基または下記式(4) 【化4】 ここで、Xは水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ
    基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜7のアルキル基、
    炭素数2〜5のアルケニル基、炭素数2〜5のアルコキ
    シアルキル基、炭素数7〜12のアラルキル基または単
    環もしくは2環のアリール基であり、nは2〜9の整数
    であり、aは0〜2nの整数である、但し、aが2以上
    の整数の場合、複数のXは同一でも異なっていてもよ
    い、および(C)感放射線性酸発生剤を含有することを
    特徴とする感放射線性樹脂組成物。
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