JP3735945B2 - 感放射線性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感放射線性樹脂組成物に関わり、さらに詳しくはKrFエキシマレーザーを使用する微細加工に好適なレジストとして有用な感放射線性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
集積回路素子の製造に代表される微細加工の分野においては、集積回路のより高い集積度を得るために、リソグラフィーにおけるデザインルールの微細化が急速に進行しており、近年では、線幅0.5μm以下の高精度の微細加工を安定して行なうことができるリソグラフィープロセスの開発が強く推し進められている。
しかしながら、従来の可視光線(波長700〜400nm)や近紫外線(波長400〜300nm)を用いる方法では、このような微細パターンを高精度に形成することが困難であり、そのため、より幅広い焦点深度を達成でき、デザインルールの微細化に有効な短波長(波長300nm以下)の放射線を用いるリソグラフィープロセスが提案されている。
このような短波長の放射線を用いるリソグラフィープロセスとしては、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)等の遠紫外線や、シンクロトロン放射線等のX線あるいは電子線等の荷電粒子線を使用する方法が提案されている。そして、このような短波長の放射線に対応する高解像度のレジストとして、インターナショナル・ビジネス・マシーン(IBM)社により「化学増幅型レジスト」が提唱され、現在、この化学増幅型レジストの改良および開発が精力的に進められている。
化学増幅型レジストは、それに含有される感放射線性酸発生剤への放射線の照射(以下、「露光」という。)により酸を発生させ、この酸の触媒作用により、レジスト被膜中で化学反応(例えば極性の変化、化学結合の開裂、架橋反応等)を生起させ、現像液に対する溶解性が露光部において変化する現象を利用して、パターンを形成するものである。
従来、このような化学増幅型レジストのうち比較的良好なレジスト性能を示すものに、樹脂成分として、アルカリ可溶性樹脂中のアルカリ親和性基をt−ブチルエステル基やt−ブトキシカルボニル基で保護した樹脂(例えば特公平2−27660号公報参照)等を使用したレジストが知られている。しかしながら、これらの化学増幅型レジストにはそれぞれ固有の問題があり、実用化に際して種々の困難を伴うことが指摘されている。
即ち、t−ブチルエステル基やt−ブトキシカルボニル基を有する樹脂を用いる場合、露光により発生した酸の触媒作用による化学反応によって、イソブテンガスや炭酸ガスといった気体成分が放出されるため、露光部において体積収縮を生じ、その結果、パターン形状が歪みやすく、高精度のレジストパターンの形成が困難である。
さらに近年、ヒドロキシスチレンのアセタール誘導体あるいはケタール誘導体からなる繰返し単位を有する樹脂成分を使用した化学増幅型レジストが提案されている(例えば特開平2−161436号公報、特開平3−282550号公報、特開平4−219757号公報、特開平5−249682号公報、特開平5−281745号公報、特開平7−140666号公報、特開平8−15864号公報参照)。
しかしながら、これらのレジストにもそれぞれ固有の問題がある。その大きな問題として、レジスト被膜に露光したときの入射波と反射波との干渉に基づく定在波の影響により、パターン形状が劣化することが挙げられ、また現像時にスカムが発生しやすく、現像性にも問題があり、化学増幅型レジストとしての総合特性の観点からさらなる改善が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況に鑑み、特に化学増幅型レジストを構成する樹脂成分についてさらに詳細に検討した結果見い出されたものであって、その課題は、KrFエキシマレーザー(波長248nm)に感応でき、定在波の影響が少なくてパターン形状が優れ、且つ感度、解像度、現像性、フォーカス許容性等も含めた特性バランスに優れた化学増幅型レジストとして有用な感放射線性樹脂組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、前記課題は、
(A)下記式(1)で表される繰返し単位と下記式(2)で表される繰返し単位とからなる共重合体、
【0005】
【化1】
Figure 0003735945
【0006】
〔式(1)において、R1は水素原子またはメチル基を示す。〕、
【0007】
【化2】
Figure 0003735945
【0008】
〔式(2)において、R2は水素原子またはメチル基を示し、R3は水素原子、炭素数1〜10の鎖状アルキル基、炭素数3〜10の環状アルキル基、炭素数6〜10のアリール基もしくは炭素数7〜11のアラルキル基を示し、R4およびR5はそれぞれ独立に炭素数1〜10の鎖状アルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化鎖状アルキル基、炭素数3〜10の環状アルキル基、炭素数6〜10のアリール基または炭素数7〜11のアラルキル基を示すか、あるいはR3、R4およびR5のいずれか2つが互いに結合して5〜7員環を形成している。〕、
(B)ポリ(p−ヒドロキシスチレン)であって、波長248nmにおける光の透過率が膜厚1μm当り50%以上であるアルカリ可溶性樹脂、
(C)感放射線性酸発生剤、並びに
(D)酸拡散制御剤
を含有することを特徴とする感放射線性樹脂組成物、
によって達成される。
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
(A)共重合体
本発明における(A)成分は、前記式(1)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(1)」という。)と前記式(2)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(2)」という。)とからなる共重合体(以下、「(A)共重合体」という。)からなる。
式(2)において、R3の炭素数1〜10の鎖状アルキル基は直鎖状でも分岐鎖状であってもよく、その例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基等を挙げることができる。
また、R3の炭素数3〜10の環状アルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基等を挙げることができる。
また、R3の炭素数6〜10のアリール基としては、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、1−ナフチル基等を挙げることができる。
また、R3の炭素数7〜11のアラルキル基としては、例えばベンジル、α−メチルベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等を挙げることができる。
さらに、R4およびR5の炭素数1〜10の鎖状アルキル基、炭素数3〜10の環状アルキル基、炭素数6〜10のアリール基もしくは炭素数7〜11のアラルキル基としては、例えば、それぞれR3について例示したものと同様の基を挙げることができる。
また、R4およびR5の炭素数1〜10のハロゲン化鎖状アルキル基としては、例えば、R3について例示した炭素数1〜10の鎖状アルキル基のハロゲン化誘導体を挙げることができる。
さらに、R3、R4およびR5のいずれか2つが互いに結合した5〜7員環のうち、R3とR4とが結合した5〜7員環としては、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等を挙げることができる。
また、R3とR5またはR4とR5とが結合した5〜7員環としては、例えばテトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基等を挙げることができる。
【0010】
式(2)における基−OC(R3)(R4)OR5 は、アセタール基またはケタール基を表している。
このようなアセタール基の具体例としては、1−メトキシエトキシ基、1−エトキシエトキシ基、1−n−プロポキシエトキシ基、1−i−プロポキシエトキシ基、1−n−ブトキシエトキシ基、1−i−ブトキシエトキシ基、1−sec−ブトキシエトキシ基、1−t−ブトキシエトキシ基、1−トリフルオロエトキシエトキシ基、1−ヘキサフルオロプロポキシエトキシ基、1−シクロペンチルオキシエトキシ基、1−シクロヘキシルオキシエトキシ基、1−ノルボルニルオキシエトキシ基、1−ボルニルオキシエトキシ基、1−フェニルオキシエトキシ基、1−(1−ナフチルオキシ)エトキシ基、1−ベンジルオキシエトキシ基、1−フェネチルオキシエトキシ基、(シクロヘキシル)(メトキシ)メトキシ基、(シクロヘキシル)(エトキシ)メトキシ基、(シクロヘキシル)(n−プロポキシ)メトキシ基、(シクロヘキシル)(i−プロポキシ)メトキシ基、(シクロヘキシル)(トリフルオロエトキシ)メトキシ基、(シクロヘキシル)(ヘキサフルオロプロポキシ)メトキシ基、(シクロヘキシル)(シクロヘキシルオキシ)メトキシ基、(シクロヘキシル)(フェノキシ)メトキシ基、(シクロヘキシル)(ベンジルオキシ)メトキシ基、(フェニル)(メトキシ)メトキシ基、(フェニル)(エトキシ)メトキシ基、(フェニル)(n−プロポキシ)メトキシ基、(フェニル)(i−プロポキシ)メトキシ基、(フェニル)(トリフルオロエトキシ)メトキシ基、(フェニル)(ヘキサフルオロプロポキシ)メトキシ基、(フェニル)(シクロヘキシルオキシ)メトキシ基、(フェニル)(フェノキシ)メトキシ基、(フェニル)(ベンジルオキシ)メトキシ基、(ベンジル)(メトキシ)メトキシ基、(ベンジル)(エトキシ)メトキシ基、(ベンジル)(n−プロポキシ)メトキシ基、(ベンジル)(i−プロポキシ)メトキシ基、(ベンジル)(トリフルオロエトキシ)メトキシ基、(ベンジル)(ヘキサフルオロプロポキシ)メトキシ基、(ベンジル)(シクロヘキシルオキシ)メトキシ基、(ベンジル)(フェノキシ)メトキシ基、(ベンジル)(ベンジルオキシ)メトキシ基、2−テトラヒドロフラニルオキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基等を挙げることができる。
【0011】
また、ケタール基の具体例としては、1−メチル−1−メトキシエトキシ基、1−メチル−1−エトキシエトキシ基、1−メチル−1−n−プロポキシエトキシ基、1−メチル−1−i−プロポキシエトキシ基、1−メチル−1−n−ブトキシエトキシ基、1−メチル−1−i−ブトキシエトキシ基、1−メチル−1−sec−ブトキシエトキシ基、1−メチル−1−t−ブトキシエトキシ基、1−メチル−1−トリフルオロエトキシエトキシ基、1−メチル−1−ヘキサフルオロプロポキシエトキシ基、1−メチル−1−シクロペンチルオキシエトキシ基、1−メチル−1−シクロヘキシルオキシエトキシ基、1−メチル−1−ノルボルニルオキシエトキシ基、1−メチル−1−ボルニルオキシエトキシ基、1−メチル−1−フェニルオキシエトキシ基、1−メチル−1−(1−ナフチルオキシ)エトキシ基、1−メチル−1−ベンジルオキシエトキシ基、1−メチル−1−フェネチルオキシエトキシ基、1−シクロヘキシル−1−メトキシエトキシ基、1−シクロヘキシル−1−エトキシエトキシ基、1−シクロヘキシル−1−n−プロポキシエトキシ基、1−シクロヘキシル−i−プロポキシエトキシ基、1−シクロヘキシル−1−トリフルオロエトキシエトキシ基、1−シクロヘキシル−1−ヘキサフルオロプロポキシエトキシ基、1−シクロヘキシル−1−シクロヘキシルオキシエトキシ基、1−シクロヘキシル−1−フェノキシエトキシ基、1−シクロヘキシル−1−ベンジルオキシエトキシ基、1−フェニル−1−メトキシエトキシ基、1−フェニル−1−エトキシエトキシ基、1−フェニル−1−n−プロポキシエトキシ基、1−フェニル−1−i−プロポキシエトキシ基、1−フェニル−1−トリフルオロエトキシエトキシ基、1−フェニル−1−ヘキサフルオロプロポキシエトキシ基、1−フェニル−1−シクロヘキシルオキシエトキシ基、1−フェニル−1−フェニルオキシエトキシ基、1−フェニル−1−ベンジルオキシエトキシ基、1−ベンジル−1−メトキシエトキシ基、1−ベンジル−1−エトキシエトキシ基、1−ベンジル−1−n−プロポキシエトキシ基、1−ベンジル−1−i−プロポキシエトキシ基、1−ベンジル−1−トリフルオロエトキシエトキシ基、1−ベンジル−1−ヘキサフルオロプロポキシエトキシ基、1−ベンジル−1−シクロヘキシルオキシエトキシ基、1−ベンジル−1−フェニルオキシエトキシ基、1−ベンジル−1−ベンジルオキシエトキシ基、2−(2−メチル−テトラヒドロフラニル)オキシ基、2−(2−メチル−テトラヒドロピラニル)オキシ基、1−メトキシ−シクロペンチルオキシ基、1−メトキシ−シクロヘキシルオキシ基等を挙げることができる。
【0012】
(A)共重合体において、繰返し単位(1)および繰返し単位(2)は、それぞれ単独でまたは2種以上が存在することができる。
(A)共重合体における各繰返し単位の含有率は、繰返し単位(1)が、通常、40〜90モル%、好ましくは50〜80モル%、さらに好ましくは55〜75モル%であり、したがって繰返し単位(2)が、通常、10〜60モル%、好ましくは20〜50モル%、さらに好ましくは25〜45モル%である。この場合、繰返し単位(2)の含有率が10モル%未満では、レジストとしての解像度が低下する傾向があり、一方60モル%を超えると、感度が低下する傾向がある。
(A)共重合体は、例えば
(イ)ポリ(p−ヒドロキシスチレン)および/またはポリ(p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン)中のフェノール性水酸基を、例えばアルキルビニルエーテル、2,3−ジヒドロ−4H−ピラン、4−メトキシ−5,6−ジヒドロ−2H−ピラン、2−メトキシプロピレンの如き化合物と反応させてエーテル化する方法、
(ロ)ポリ(p−ヒドロキシスチレン)および/またはポリ(p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン)のナトリウムフェノキシド誘導体と、式 Cl-C(R3)(R4)OR5(但し、R3〜R5は、それぞれ式(2)におけるR3〜R5と同義である。)で表される化合物とを、脱塩化ナトリウム反応させてエーテル化する方法、
(ハ)繰返し単位(1)に対応する単量体と繰返し単位(2)に対応する単量体とを直接共重合する方法
等により製造することができる。
(A)共重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という。)が、通常、1,000〜100,000、好ましくは3,000〜40,000、さらに好ましくは3,000〜30,000である。この場合、(A)共重合体のMwが1,000未満であると、レジストとしての感度および耐熱性が低下する傾向があり、一方100,000を超えると、現像液に対する溶解性が低下する傾向がある。
また、(A)共重合体のGPCによるMwとポリスチレン換算数平均分子量(以下、「Mn」という。)との比(Mw/Mn)が、通常、1〜3、好ましくは1〜2.5、さらに好ましくは1〜2.0、特に好ましくは1.01〜1.7である。
(A)共重合体は、通常、アルカリ現像液に不溶である。
本発明において、(A)共重合体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0013】
(B)アルカリ可溶性樹脂
次に、本発明における(B)成分は、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)であって、波長248nmにおける光の透過率(以下、「T248 」という。)が膜厚1μm当り50%以上であるアルカリ可溶性樹脂(以下、「(B)アルカリ可溶性樹脂」という。)からなり、アルカリ現像液に対して可溶である。
ここで、「T248 が膜厚1μm当り50%以上である」とは、アルカリ可溶性樹脂のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液をスピンコートし、90℃で60秒ベークして得た膜厚1μmのアルカリ可溶性樹脂膜について、紫外線スペクトルメーターを用いて測定したT248 が50%以上であることを意味する。
(B)アルカリ可溶性樹脂のMwは、通常、1,000〜100,000、好ましくは3,000〜50,000、さらに好ましくは3,000〜30,000である。この場合、(B)アルカリ可溶性樹脂のMwが1,000未満であると、解像度が低下する傾向があり、一方100,000を超えると、レジスト溶液粘度が高くなり、ウエハーに塗布したとき、塗布領域での膜厚が不均一となりやすくなる。
本発明において、(B)アルカリ可溶性樹脂は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0014】
本発明において、(A)共重合体と(B)アルカリ可溶性樹脂との比率((A)/(B))は、通常、30〜90/70〜10、好ましくは50〜90/50〜10、さらに好ましくは70〜90/30〜10である。この場合、(A)/(B)が30/70未満では、レジストとしての解像度が低下する傾向があり、一方90/10を超えると、現像時にスカムが発生する傾向がある。
【0015】
(C)感放射線性酸発生剤
さらに、本発明における(C)成分である感放射線性酸発生剤(以下、「(C)酸発生剤」という。)としては、例えば下記するオニウム塩化合物、スルホンイミド化合物、ハロゲン含有化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、キノンジアジド化合物、ジアゾメタン化合物等を挙げることができる。
オニウム塩化合物
オニウム塩化合物としては、例えばスルホニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩等を挙げることができる。
オニウム塩化合物の具体例としては、トリフェニルスルホニウムトリフレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムナフタレンスルホネート、(ヒドロキシフェニル)ベンジルメチルスルホニウムトルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフレート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニルヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート等を挙げることができる。
スルホンイミド化合物
スルホンイミド化合物としては、例えば下記式(3)で表される化合物を挙げることができる。
【0016】
【化3】
Figure 0003735945
【0017】
〔式(3)において、Qはアルキレン基、アリーレン基、アルコキシレン基等の2価の基を示し、R6はアルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基等の1価の基を示す。〕
スルホンイミド化合物の具体例としては、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(カンファニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(カンファニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(カンファニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(カンファニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシミド、N−(カンファニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシミド、N−(カンファニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシミド、N−(カンファニルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(カンファニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(4−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−フルオロフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシミド等を挙げることができる。
【0018】
ハロゲン含有化合物
ハロゲン含有化合物としては、例えばハロアルキル基含有炭化水素化合物、ハロアルキル基含有複素環式化合物等を挙げることができる。
ハロゲン含有化合物の具体例としては、フェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、メトキシフェニル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、ナフチル−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等の(ポリ)トリクロロメチル−s−トリアジン誘導体や、1,1−ビス(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタン等を挙げることができる。
スルホン化合物
スルホン化合物としては、例えばβ−ケトスルホン、β−スルホニルスルホン、これらのα−ジアゾ化合物等を挙げることができる。
スルホン化合物の具体例としては、フェナシルフェニルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェニルスルホニル)メタン、4−トリスフェナシルスルホン等を挙げることができる。
スルホン酸エステル化合物
スルホン酸エステル化合物としては、例えばアルキルスルホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネート等を挙げることができる。
スルホン酸エステル化合物の具体例としては、ベンゾイントシレート、ピロガロールトリストリフレート、ピロガロールメタンスルホン酸トリエステル、ニトロベンジル−9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホネート等を挙げることができ、特にピロガロールメタンスルホン酸トリエステルが好ましい。
【0019】
キノンジアジド化合物
キノンジアジド化合物としては、1,2−ベンゾキノンジアジド−4−スルホニル基、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニル基、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基、1,2−ナフトキノンジアジド−6−スルホニル基等の1,2−キノンジアジドスルホニル基を有する化合物等を挙げることができ、特に1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニル基を有する化合物が好ましい。
ジアゾメタン化合物
ジアゾメタン化合物としては、例えば下記式(4)で表される化合物を挙げることができる。
【0020】
【化4】
Figure 0003735945
【0021】
〔式(4)において、R7およびR8はそれぞれ独立に、アルキル基、アリール基、ハロゲン置換アルキル基、ハロゲン置換アリール基等の1価の基を示す。〕
ジアゾメタン化合物の具体例としては、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、メチルスルホニル−p−トルエンスルホニルジアゾメタン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン等を挙げることができる。 これらの(C)酸発生剤のうち、特にオニウム塩化合物、スルホンイミド化合物およびジアゾメタン化合物が好ましく、就中トリフェニルスルホニウムトリフレート、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシミド、N−(カンファニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシミド、N−(カンファニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシミド、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン等が好ましい。
本発明において、(C)酸発生剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明における(C)酸発生剤の使用量は、その種類に応じて適宜選定されるが、(A)共重合体と(B)アルカリ可溶性樹脂との合計100重量部当たり、通常、0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部である。この場合、(C)酸発生剤の使用量が0.1重量部未満では、露光によって発生した酸の触媒作用による化学変化を十分生起させることが困難となるおそれがあり、また20重量部を超えると、組成物を塗布する際に塗布むらが生じたり、現像時にスカム等を発生するおそれがある。
【0022】
(D)酸拡散制御剤
本発明における(D)成分は、露光により(C)酸発生剤から生じた酸のレジスト被膜中における拡散現象を制御し、未露光領域での好ましくない化学反応を抑制する作用等を有する酸拡散制御剤からなる。このような酸拡散制御剤を使用することにより、組成物の貯蔵安定性が向上し、またレジストとして、解像度が向上するとともに、露光後の引き置き時間(ポストエクスポージャー・タイム・ディレイ:PED)の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に極めて優れたものとなる。
酸拡散制御剤としては、露光やベークにより塩基性が変化しない含窒素有機化合物が好ましく、その具体例としては、一般式 R9R10R11N(但し、 R9 、R10 およびR11 はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基またはアラルキル基を示す。)で表される化合物(以下、「含窒素化合物(I)」という。)、同一分子内に窒素原子を2個有するジアミノ化合物(以下、「含窒素化合物(II)」という。)、窒素原子を3個以上有する重合体(以下、「含窒素化合物(III)」という。)、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等を挙げることができる。
【0023】
含窒素化合物(I)としては、例えばn−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン類;ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−n−ノニルアミン、ジ−n−デシルアミン等のジアルキルアミン類;トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デシルアミン等のトリアルキルアミン類;アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、ナフチルアミン等の芳香族アミン類を挙げることができる。
【0024】
含窒素化合物(II)としては、例えばエチレンジアミン、N,N,N',N’−テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,4−ビス〔1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル〕ベンゼン、1,3−ビス〔1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル〕ベンゼン等を挙げることができる。
【0025】
含窒素化合物(III)としては、例えばポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ジメチルアミノエチルアクリルアミドの重合体等を挙げることができる。
上記アミド基含有化合物としては、例えばホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。
上記ウレア化合物としては、例えば尿素、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、トリブチルチオウレア等を挙げることができる。
【0026】
上記含窒素複素環化合物としては、例えばイミダゾール、ベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール類;ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、N−メチル−4−フェニルピリジン、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、8−オキシキノリン、アクリジン等のピリジン類のほか、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、キノザリン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、4−メチルモルホリン、ピペラジン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2] オクタン等を挙げることができる。
【0027】
これらの含窒素有機化合物のうち、含窒素化合物(I)、含窒素複素環化合物が好ましい。また、含窒素化合物(I)の中では、トリアルキルアミン類が特に好ましく、含窒素複素環化合物の中では、ピリジン類が特に好ましい。
本発明において、酸拡散制御剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明における酸拡散制御剤の使用量は、(A)共重合体と(B)アルカリ可溶性樹脂との合計100重量部当たり、好ましくは0.001〜10重量部、さらに好ましくは0.005〜5重量部である。この場合、酸拡散制御剤の使用量が15重量部を超えると、レジストとしての感度や露光部の現像性が低下する傾向がある。なお、酸拡散制御剤の使用量が0.001重量部未満であると、プロセス条件によっては、パターン形状や寸法忠実度が低下する場合がある。
【0028】
各種添加剤
さらに、本発明の感放射線性樹脂組成物には、必要に応じて、界面活性剤、増感剤等の各種添加剤を配合することもできる。
前記界面活性剤は、組成物の塗布性やストリエーション、レジストとしての現像性等を改良する作用を示す。
このような界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレートのほか、市販品として、エフトップEF301,EF303,EF352(トーケムプロダクツ社製)、メガファックF171,F172,F173(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC430,FC431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710,サーフロンSー382,SCー101,SCー102,SCー103,SCー104,SCー105,SCー106(旭硝子(株)製)、KP341(信越化学工業(株)製)、ポリフローNo.75,No.95(共栄社油脂化学工業(株)製)等を挙げることができる。
界面活性剤の配合量は、感放射線性樹脂組成物の全固形分100重量部当たり、通常、2重量部以下である。
前記増感剤は、放射線のエネルギーを吸収して、そのエネルギーを(C)感放射線性酸発生剤に伝達することにより、露光による酸の生成量を増加する作用を示すもので、レジストとしての見掛けの感度を向上させる効果を有する。
好ましい増感剤としては、例えばケトン類、ベンゼン類、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ナフタレン類、ビアセチル類、エオシン、ローズベンガル、ピレン類、アントラセン類、フェノチアジン類等を挙げることができる。
増感剤の配合量は、感放射線性樹脂組成物の全固形分100重量部当たり、通常、50重量部以下、好ましくは30重量部以下である。
また、染料および/または顔料を配合することにより、露光部の潜像を可視化させて、露光時のハレーションの影響を緩和でき、接着助剤を配合することにより、基板との接着性を改善することができる。
さらに、他の添加剤として、4−ヒドロキシ−4’−メチルカルコン等のハレーション防止剤、保存安定化剤、消泡剤等を配合することもできる。
【0029】
溶剤
本発明の感放射線性樹脂組成物は、その使用に際して、全固形分の濃度が、例えば、通常、5〜50重量%、好ましくは15〜40重量%となるように、溶剤に均一に溶解したのち、例えば孔径0.2μm程度のフィルターでろ過することによって、組成物溶液として調製される。
前記組成物溶液の調製に使用される溶剤としては、例えばエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル等の乳酸エステル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル等の脂肪族カルボン酸エステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類等を挙げることができる。
これらの溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用される。
溶剤の使用量は、感放射線性樹脂組成物の全固形分100重量部当たり、通常、20〜3,000重量部、好ましくは50〜3,000重量部、さらに好ましくは100〜2,000重量部である。
【0030】
レジストパターンの形成方法
本発明の感放射線性樹脂組成物からレジストパターンを形成する際には、前記のようにして調製された組成物溶液を、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の適宜の塗布手段によって、例えばシリコンウエハー、アルミニウムで被覆されたウエハー等の基板上に塗布することにより、レジスト被膜を形成し、場合により予めプレベークを行ったのち、所定のレジストパターンを形成するように該レジスト被膜に露光する。その際に使用される放射線としては、KrFエキシマレーザー(波長248nm)が使用される。また、露光量等の露光条件は、組成物の配合組成等に応じて、適宜選定される。
本発明においては、レジスト被膜の見掛けの感度を向上させるために、露光後に加熱処理(以下、「露光後ベーク」という。)を行うことが好ましい。その加熱条件は、組成物の配合組成等により変わるが、通常、30〜200℃、好ましくは40〜150℃である。
また、レジストパターンを形成する際に、環境雰囲気中に含まれる塩基性不純物等の影響を防止するため、レジスト被膜上に保護膜を設けることもできる。
次いで、露光されたレジスト被膜をアルカリ現像液で現像することにより、所定のレジストパターンを形成する。
前記アルカリ現像液としては、例えばアルカリ金属水酸化物;アンモニア水;モノ−、ジ−あるいはトリ−アルキルアミン類;モノ−、ジ−あるいはトリ−アルカノールアミン類;複素環式アミン類;テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド;コリン;1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4,3,0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を、通常、1〜10重量%、好ましくは2〜5重量%の濃度となるように溶解したアルカリ性水溶液が使用される。
また、前記アルカリ性水溶液からなる現像液には、例えばメタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤を適量添加することもできる。
なお、このようにアルカリ性水溶液からなる現像液を使用する場合には、一般に、現像後、水洗する。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。
ここで、「部」は重量基準である。
実施例および比較例におけるMwおよびMn(Mw/Mn)と波長248nmにおける光の透過率の測定並びに各レジストの評価は、下記の要領で行った。
MwおよびMn(Mw/Mn)
東ソー(株)製GPCカラム(G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本)を用い、流量1.0ミリリットル/分、溶出溶媒テトラヒドロフラン、カラム温度40°Cの分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した。
248
直径2インチの石英ウエハーにアルカリ可溶性樹脂のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液をスピンコートし、90℃で60秒ベークして、膜厚1μmのアルカリ可溶性樹脂膜を得、このウエハーを、(株)日立製作所製紫外線スペクトルメーターU3210を用いて測定した。
現像性
シリコンウエハー上に形成した線幅0.26μmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)の方形状断面を、走査型電子顕微鏡を用いて観察し、下記基準で評価した。
○:パターン間に現像残りが認められない;
△:パターン間に一部現像残りが認められる;
×:パターン間の現像残りが著しい。
感度
シリコンウエハー上に形成したレジスト被膜に露光したのち、直ちに露光後ベークを行い、次いでアルカリ現像液で現像し、水洗し、乾燥して、レジストパターンを形成したとき、線幅0.26μmの1L1Sを1対1の線幅に形成する露光量を、0.26Eopとし、この値により感度を評価した。また、組成物溶液調製後25℃で3カ月間保管したのち、前記と同様にして再度感度を評価した。
解像度
0.26Eopで露光したときに解像されるレジストパターンの最小寸法(μm)を、解像度とした。
パターン形状
シリコンウエハー上に形成した線幅0.26μmの1L1Sのパターン断面の下辺寸法La と上辺寸法Lb とを、走査型電子顕微鏡により測定し、
0.9<Lb /La <1.1のとき、パターン形状が良好;
0.9≧Lb /La のとき、パターン形状がラウンドトップ;
Lb /La ≧1.1のとき、パターン形状がT−トップ
として評価した。
【0032】
(A)共重合体の合成
合成例−1
p−t−ブトキシスチレン500gおよびプロピレングリコールモノメチルエーテル500gを、2リットルのセパラブルフラスコに入れ、アゾビスイソブチロニトリル25gおよびt−ドデシルメルカプタン2.5gを加えて、75℃で8時間重合した。次いで、得られた重合溶液をヘキサンとメタノールと水の混合溶液で洗浄し、低分子成分を除去した。その後、溶剤をプロピレングリコールに置換し、10重量%硫酸を加え、90℃で6時間反応させて、ポリマー中のt−ブチル基を除去して、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)とし、このポリマー溶液を大量の水に投入して再沈澱させたのち、50℃の真空乾燥器内で一晩乾燥して、ポリマー粉末を得た。
得られたポリマーの分子量をGPCにより測定したところ、Mw=8,800、Mw/Mn=1.52であった。このポリマーを、重合体(a−1)とする。
【0035】
合成例−
重合体(a−1)24gをジオキサン100ミリリットルに溶解したのち、窒素で30分間バブリングを行った。この溶液に、エチルビニルエーテル5g、触媒としてp−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩1gを添加して、12時間反応させた。反応後、1重量%アンモニア水を滴下して、ポリマーを沈澱させ、50℃の真空乾燥器内で一晩乾燥した。 得られたポリマーは、Mw=10,300、Mw/Mn=1.55であり、また13C−NMR測定の結果、フェノール性水酸基の水素原子の34モル%が1−エトキシエチル基で置換された構造を有するポリマーであった。このポリマーを、共重合体(A−1)とする。
【0036】
合成例−4、5および
表1に示した割合で表1に示した原料重合体とビニルエーテルを用い、合成例−4と同様の方法で反応させて、共重合体(A−2)、(A−3)および(A−5)を得た。
【0037】
【実施例】
実施例1〜3および5および比較例1
表2に示す各成分を混合して均一溶液としたのち、孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過して、組成物溶液を調製した。その後、各組成物溶液をシリコンウエハー上にスピンコートしたのち、ホットプレートを用い、90℃で120秒間プレベークを行って、膜厚1.0μmのレジスト被膜を形成した。
次いで、KrFエキシマレーザーステッパー((株)ニコン製NSR−2005 EX8A)を使用して露光を行ったのち、ホットプレートを用い、110℃で120秒間露光後ベークを行った。次いで、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用い、23℃で1分間、浸漬法により現像したのち、純水で洗浄し、乾燥して、レジストパターンを形成した。
得られたレジストパターンの評価結果を、表3に示す。
ここで、各実施例における(B)アルカリ可溶性樹脂、(C)酸発生剤、(D)酸拡散制御剤および溶剤は、下記のとおりである。
(B)アルカリ可溶性樹脂
B−1:合成例−1で得た重合体(a−1),T248 =71%
(C)酸発生剤
C−1:トリフェニルスルホニウムトリフレート
C−2:N−(カンファニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシミド
C−3:ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン
(D)酸拡散制御剤
D−1:ニコチン酸アミド
D−2:トリオクチルアミン
溶剤
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
MMP :3−メトキシプロピオン酸メチル
【0038】
【表1】
Figure 0003735945
【0039】
【表2】
Figure 0003735945
【0040】
【表3】
Figure 0003735945
【0041】
【発明の効果】
本発明の感放射線性樹脂組成物は、KrFエキシマレーザー(波長248nm)に感応でき、定在波の影響が極めて少なく、パターン形状に優れ、且つ感度、解像度、現像性、フォーカス許容性等も含めた特性バランスが極めて優れており、高精度の微細なレジストパターンを安定して形成することができる。したがって、本発明の感放射線性樹脂組成物は、今後さらに微細化が進行すると予想される半導体デバイス製造用の化学増幅型レジストとして極めて好適に使用することができる。
【化1】
Figure 0003735945
【化2】
Figure 0003735945

Claims (1)

  1. (A)下記式(1)で表される繰返し単位と下記式(2)で表される繰返し単位とからなる共重合体、
    Figure 0003735945
    〔式(1)において、R1は水素原子またはメチル基を示す。〕、
    Figure 0003735945
    〔式(2)において、R2は水素原子またはメチル基を示し、R3は水素原子、炭素数1〜10の鎖状アルキル基、炭素数3〜10の環状アルキル基、炭素数6〜10のアリール基もしくは炭素数7〜11のアラルキル基を示し、R4およびR5はそれぞれ独立に炭素数1〜10の鎖状アルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化鎖状アルキル基、炭素数3〜10の環状アルキル基、炭素数6〜10のアリール基または炭素数7〜11のアラルキル基を示すか、あるいはR3、R4およびR5のいずれか2つが互いに結合して5〜7員環を形成している。〕、
    (B)ポリ(p−ヒドロキシスチレン)であって、波長248nmにおける光の透過率が膜厚1μm当り50%以上であるアルカリ可溶性樹脂、
    (C)感放射線性酸発生剤、並びに
    (D)酸拡散制御剤
    を含有することを特徴とする感放射線性樹脂組成物。
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