JP3627226B2 - 感放射線性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、感放射線性樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、紫外線、遠紫外線、X線あるいは荷電粒子線の如き各種放射線を使用する微細加工用に好適なレジストとして有用な感放射線性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
集積回路素子の製造に代表される微細加工の分野においては、集積回路のより高い集積度を得るために、リソグラフィーにおけるデザインルールの微細化が急速に進行しており、近年では、線幅0.5μm以下の高精度の微細加工を安定して行うことができるリソグラフィープロセスの開発が強く推し進められている。しかしながら、従来の可視光線(波長700〜400nm)や近紫外線(波長400〜300nm)を用いる方法では、このような微細パターンを高精度に形成することが困難であり、そのため、より幅広い焦点深度を達成でき、デザインルールの微細化に有効な短波長(波長300nm以下)の放射線を用いるリソグラフィープロセスが提案されている。
【0003】
このような短波長の放射線を用いるリソグラフィープロセスとしては、例えばKrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)等の遠紫外線やシンクロトロン放射線等のX線あるいは電子線等の荷電粒子線を使用する方法が提案されている。そして、これらの短波長の放射線に対応する高解像度レジストとして、インターナショナル・ビジネス・マシーン(IBM)社により「化学増幅型レジスト」が提唱され、この化学増幅型レジストの改良が精力的に進められている。
このような化学増幅型レジストは、それに含有させる感放射線性酸発生剤への放射線の照射(以下、「露光」という。)により酸を発生させ、この酸の触媒作用により、レジスト膜中で化学反応する溶解性が露光部において変化する現象を利用して、パターンを形成するものである。
【0004】
そして、従来の化学増幅型レジストのうち比較的良好なレジスト性能を示すものに、樹脂成分として、アルカリ可溶性樹脂中のアルカリ親和性基をケタール基で保護した樹脂(特開平7−140666号公報参照)、アセタール基で保護した樹脂(特開平2−161436号公報および特開平5−249682号公報参照)を使用したレジストが知られている。
【0005】
この中には、ポリヒドロキシスチレンのフェノール性水酸基を部分的に1−エトキシエトキシ基で保護したアセタール構造を有する樹脂が開示されている。しかしながら、保護基としての1−エトキシエトキシ基は比較的親水性が高く、このため現像液に対する十分な溶解禁止効果を発現させるためには、保護率を高くする必要があるが、この場合は、感度、耐熱性等が不十分となる。一方、溶解禁止効果を高めるために、分子量の高いアルキル基を有する保護基、例えば1−ブトキシエトキシ基等を保護基として用いると、アセタール基の安定性が低下するため、レジスト溶液中での保存安定性が不足し、実用上、支障を来す。また、1−エトキシエトキシ基では、酸の作用により脱離する基が低分子量であるため、揮発により露光部の体積が減少し、結果としてパターンの変形を起こしやすいという問題がある。
また、露光からポストベークまでの引き置き時間(Post Exposure Time Delay以下「PED」という。)により、レジストパターンの線幅が変化したり、あるいはレジストパターンがT−型形状となるという問題もあり、化学増幅型レジストとしての総合特性の観点から改善が求められている。。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、紫外線、遠紫外線、X線あるいは荷電子線の如き各種放射線に有効に感応し、感度、耐熱性、パターン形状、レジスト溶液中での保存安定性が優れ、さらに解像度にも優れた化学増幅型ポジ型レジストとして有用な感放射線性樹脂組成物を提供することにある。
本発明によると、前記目的は、(A)下記式(1)で表される繰返し単位と下記式(2)で表される繰返し単位を含有する共重合体(以下、「共重合体(A)」という)、
【0007】
【化3】
【0008】
ここで、R1は水素原子またはメチル基を示す、
【0009】
【化4】
【0010】
ここで、R2は水素原子あるいはメチル基を示し、R3およびR4は互いに独立に水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を示し、但し、R 3 およびR 4 のうち、一方が炭素数1〜5のアルキル基であり、R5は炭素数1〜6のアルキレン基または炭素数2〜6のアルキリデン基を示し、R6は炭素数1〜10の鎖状アルキル基、炭素数3〜10の環状アルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜11のアラルキル基または炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基を示し、nは1〜5の数である、
および
(B)感放射線性酸発生剤
を含有することを特徴とする感放射線性樹脂組成物によって達成される。
以下、本発明を詳細に説明するが、これにより本発明の目的、構成および効果が明確となるであろう。
【0011】
共重合体(A)
本発明において使用される共重合体(A)は、前記式(1)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(1)」という)と、前記式(2)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(2)」という)からなる共重合体である。
式(1)において、R1は水素原子またはメチル基である。
繰返し単位(1)の好ましい具体例として下記式
(1−1)〜(1−2)
【0012】
【化5】
【0013】
で示されるものを挙げることができる。
式(2)において、R2は、水素原子またはメチル基である。
R3およびR4は、互いに独立に水素原子または炭素数1〜5のアルキル基であり、該アルキル基の具体例として、メチル基およびエチル基を挙げることができる。R3およびR4のうち、一方が炭素数1〜5のアルキル基である。
R5は、炭素数1〜6のアルキレン基または炭素数2〜6のアルキリデン基である。
上記アルキレン基としては、例えばエチレン基、n−プロピレン基およびi−プロピレン基を挙げることができる。また、上記アルキリデン基としては、例えばエチリデン基、n−プロピリデン基、i−プロピリデン基等を挙げることができる。
R6は、炭素数1〜10(C1〜C10)の鎖状アルキル基、炭素数3〜10(C3〜C10)の環状アルキル基、炭素数6〜10(C6〜C10)のアリール基、炭素数7〜11(C7〜C11)のアラルキル基または炭素数1〜10(C1〜C10)のハロゲン化アルキル基である。C1〜C10の鎖状アルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基等を挙げることができる。C3〜C10の環状アルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基等を挙げることができる。C6〜C10のアリール基としては、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、1−ナフチル基等を挙げることができる。また、C7〜C11のアラルキル基としては、例えばベンジル、α−メチルベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等を挙げることができる。C1〜C10のハロゲン化アルキル基としては、例えばトリフルオロメチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基等を挙げることができる。
【0014】
また、式(2)において、nは1〜5の数、好ましくは1〜3の数、より好ましくは1である。
繰返し単位(2)中の下記式(3)
【0015】
【化6】
【0016】
で示される基(以下、「基Y」という)としては、1−(2−n−プロポキシエトキシ)エトキシ基、1−(2−n−ブトキシエトキシ)エトキシ基、1−(2−t−ブトキシエトキシ)エトキシ基、1−(2−n−オクチルオキシエトキシ)エトキシ基、1−(2−シクロヘキシルオキシエトキシ)エトキシ基、1−(2−n−ブトキシプロポキシ)エトキシ基、1−(2−フェノキシエトキシ)エトキシ基、1−(2−キシリルオキシエトキシ)エトキシ基、1−(2−ベンジルオキシエトキシ)エトキシ基、1−(2−ノナフルオロブトキシエトキシ)エトキシ基、1−(2−n−ブトキシエトキシ)n−プロポキシ基等が好ましいものとして挙げられる。
このような繰返し単位(2)としては、下記式(2−1)〜(2−2)
【0017】
【化7】
【0018】
で示されるものが好ましく、基Yを示す式(3)のnが1〜3であるものがより好ましく、そして基Yが前記した具体例のいずれかであるものがさらに好ましい。
【0019】
共重合体(A)に繰返し単位(2)を存在させることにより、基はR6に比較的高分子量の基を用いても熱的に安定であり、同時に高分子量が故に疎水性が高くなり、溶解禁止効果が高い。このため、低いフェノール性水酸基の保護率でも十分な溶解禁止効果を発現でき、耐熱性が向上し、かつ、酸の作用により発生する基がエチレングリコールあるいはプロピレングリコールのモノアルキルエーテルの構造を採り、これらは沸点が高いために揮発しにくく、結果として露光部の体積収縮を小さくすることができる。しかも、樹脂成分に対する可塑剤としての効果があるため、定在波の影響も小さくできる。
共重合体(A)中に、繰り返し単位(1)および(2)は、各々1種でまたは2種以上が存在してもかまわない。
また、共重合体(A)における繰り返し単位(2)の存在量は、全繰り返し単位の10〜60モル%、好ましくは10〜50モル%、さらに好ましくは15〜45モル%である。10モル%未満ではレジストとしての解像度が低下する傾向があり、一方60モル%を超えると、感度が低下する傾向がある。
【0020】
共重合体(A)は、例えば以下の方法で製造することができる。
(イ)フェノール性水酸基を有するビニル芳香族系(共)重合体(以下、「フェノール性水酸基含有重合体」という)、例えばポリ(p−ヒドロキシスチレン)、ポリ(p−イソプロペニルフェノール)等を準備し、その水酸基の1部を、例えばエチレングリコールブチルビニルエーテル、エチレングリコールシクロへキシルビニルエーテル、エチレングリコールオクチルビニルエーテルの如きビニルエーテル化合物と反応させてエーテル化し、繰返し単位(1)と繰返し単位(2)とからなる重合体を製造する方法。
(ロ)繰返し単位(1)、繰返し単位(2)に対応するビニル芳香族化合物を直接共重合する方法。
【0021】
共重合体(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」という)によるポリスチレン換算重量平均分子量(以下「Mw」という)は、通常1,000〜100,000であり、好ましくは3,000〜40,000であり、さらに好ましくは3,000〜30,000である。
Mwが3,000未満であるとレジストとした場合に感度、耐熱性が劣り、また100,000を超えると現像液に対する溶解性が劣る。
【0022】
感放射線性酸発生剤
感放射線性酸発生剤とは、放射線照射により酸を発生する化合物である。本発明において用いられる感放射線性酸発生剤としては、▲1▼オニウム塩、▲2▼スルホン化合物、▲3▼スルホン酸エステル化合物、▲4▼スルホンイミド化合物、▲5▼ジアゾメタン化合物等を挙げることができる。
これらの感放射線性酸発生剤の例を以下に示す。
【0023】
▲1▼オニウム塩:
オニウム塩としては、例えばヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ピリジニウム塩等を挙げることができる。
オニウム塩化合物の具体例としては、トリフェニルスルホニウムトリフレート、トリフェニルスルホニウムナフタレンスルホネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート、(ヒドロキシフェニル)ベンジルメチルスルホニウムトルエンスルホネート等を挙げることができる。
▲2▼スルホン化合物:
スルホン化合物としては、例えばβ−ケトスルホン、β−スルホニルスルホン、これらのα−ジアゾ化合物等を挙げることができる。
スルホン化合物の具体例としては、フェナシルフェニルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェニルスルホニル)メタン、4−トリスフェナシルスルホン等を挙げることができる。
【0024】
▲3▼スルホン酸エステル化合物:
スルホン酸エステル化合物としては、例えばアルキルスルホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネート等を挙げることができる。
スルホン酸エステル化合物の具体例としては、ベンゾイントシレート、ピロガロールトリストリフレート、ピロガロールメタンスルホン酸トリエステル、ニトロベンジル−9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホネート、α−メチロールベンゾイントシレート、α−メチロールベンゾインオクタンスルホン酸エステル、α−メチロールベンゾイントリフルオロメタンスルホン酸エステル、α−メチロールベンゾインドデシルスルホン酸エステル等を挙げることができる。
▲4▼スルホンイミド化合物:
スルホンイミド化合物としては、例えば下記式(4)
【0025】
【化8】
【0026】
ここで、X1はアルキレン基、アリーレン基、アルコキシレン基等の2価の基を示し、R10はアルキル基、アリール基、ハロゲン置換アルキル基、ハロゲン置換アリール基等の1価の基を示す、
で表される化合物を挙げることができる。
【0027】
スルホンイミド化合物の具体例としては、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)フタルイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、
【0028】
N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(カンファ−スルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−フルオロフェニル)フタルイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.1.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.1.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.1.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド等を挙げることができる。
▲5▼ジアゾメタン化合物:
ジアゾメタン化合物としては、例えば下記式(5)
【0029】
【化9】
【0030】
ここで、R11およびR12は、互いに同一でも異なってもよく、アルキル基、アリール基、ハロゲン置換アルキル基、ハロゲン置換アリール基等の1価の基を示す、
で表される化合物を挙げることができる。
ジアゾメタン化合物の具体例としては、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、メチルスルホニル−p−トルエンスルホニルジアゾメタン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン等を挙げることができる。
【0031】
前記感放射線性酸発生剤のうち、▲1▼オニウム塩、▲3▼スルホン酸エステル化合物、▲4▼スルホンイミド化合物および▲5▼ジアゾメタン化合物が好ましく、特にトリフェニルスルホニウムトリフレート、α−メチロールベンゾイントシレート、α−メチロールベンゾインオクタンスルホン酸エステル、α−メチロールベンゾイントリフルオロメタンスルホン酸エステル、α−メチロールベンゾインドデシルスルホン酸エステル、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(カンファ−スルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(カンファ−スルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン等が好ましい。
本発明において、上記の感放射線性酸発生剤は、通常、共重合体(A)100重量部当り、0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部の割合で使用される。これらの感放射線性酸発生剤は、単独もしくは2種類以上を混合して使用される。
【0032】
酸拡散制御剤
本発明においては、さらに露光により感放射線性酸発生剤から生じた酸のレジスト被膜中における拡散現象を制御し、放射線未照射領域での好ましくない化学反応を抑制する作用等を有する酸拡散制御剤を配合することが好ましい。このような酸拡散制御剤を使用することにより、組成物の貯蔵安定性が向上し、またレジストとして、解像度が向上するとともに、PEDの引き置き時間の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に極めて優れたものとなる。
酸拡散制御剤としては、放射線照射やベークにより塩基性が変化しない含窒素有機化合物が好ましく用いられる。かかる含窒素有機化合物としては、例えば下記式(6)
R13R14R15N ・・・(6)
ここで、R13、R14およびR15はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基またはアラルキル基を示す、
で表される化合物(以下、「含窒素化合物(I)」という。)、同一分子内に窒素原子を2個有するジアミノ化合物(以下、「含窒素化合物(II)」という。)、窒素原子を3個以上有するジアミノ重合体(以下、「含窒素化合物(III)」という。)、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等を挙げることができる。
【0033】
含窒素化合物(I)としては、例えばn−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン類、ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−n−ノニルアミン、ジ−n−デシルアミン等のジアルキルアミン類、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デシルアミン等のトリアルキルアミン類、アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、ナフチルアミン、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン等の芳香族アミン類を挙げることができる。
【0034】
含窒素化合物(II)としては、例えばエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,4−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,3−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン等を挙げることができる。
【0035】
含窒素化合物(III)としては、例えばポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ジメチルアミノエチルアクリルアミドの重合体、ジメチルアミノエチルメタアクリレートの重合体等を挙げることができる。
上記アミド基含有化合物としては、例えばホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N、N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。
上記ウレア化合物としては、例えば尿素、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、トリブチルウレア等を挙げることができる。
【0036】
上記含窒素複素環化合物としてはイミダゾール、ベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール類、ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、N−メチル−4−フェニルピリジン、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、8−オキシキノリン、アクリジン等のピリジン類の他、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、キノザリン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、4−メチルモルホリン、ピペラジン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等を挙げることができる。
これらの含窒素有機化合物の内、含窒素化合物(I)、含窒素複素環化合物等が好ましい。これらの酸拡散制御剤は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0037】
本発明における酸拡散抑制剤の配合割合は、共重合体(A)100重量部当り、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部である。この場合、酸拡散制御剤の使用量が0.01重量部未満では、プロセス条件によっては、レジストとしてのパターン形状や寸法忠実度が低下するおそれがあり、また10重量部を越えると、レジストとしての感度や露光部の現像性が低下する傾向がある。
【0038】
アルカリ可溶性樹脂
本発明組成物には、必要に応じて共重合体(A)以外のアルカリ可溶性樹脂を添加することができる。
このアルカリ可溶性樹脂は、アルカリ現像液と親和性を示す官能基、例えばフェノール性水酸基、カルボキシル基等の酸性官能基を1種以上有する、アルカリ現像液に可溶な樹脂である。このようなアルカリ可溶性樹脂を使用することにより、本発明組成物によるレジスト被膜のアルカリ現像液への溶解速度の制御がより容易となる結果、現像性をさらに向上させることができる。
【0039】
アルカリ可溶性樹脂は、アルカリ現像液に可溶である限り特に限定されるものではないが、好ましいアルカリ可溶性樹脂としては、例えばヒドロキシスチレン、イソプロペニルフェノール、ビニル安息香酸、カルボキシメチルスチレン、カルボキシメトキシスチレン、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸 メサコン酸、ケイ皮酸等の酸性官能基を有する少なくとも1種のモノマーの重合性二重結合部分が開裂した繰返し単位を含有する付加重合系樹脂や、ノボラック樹脂に代表される酸性官能基を有する縮合系繰返し単位を含有する重縮合系樹脂等を挙げることができる。
【0040】
前記付加重合系樹脂からなるアルカリ可溶性樹脂は、前記酸性官能基を有するモノマーの重合性二重結合部分が開裂した繰返し単位のみから構成されていてもよいが、生成した樹脂がアルカリ現像液に可溶である限りでは、1種以上の他の繰返し単位をさらに含有することもできる。
このような他の繰返し単位としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、無水マレイン酸、(メタ)アクリロニトリル、ビニルピリジン、N−ビニル−ε−カプロラクタム、N−ビニルピロリドン、N−ビニルイミダゾール等のモノマーの重合性二重結合部分が開裂した繰返し単位を挙げることができる。
【0041】
前記付加重合系樹脂のうち、レジスト被膜としたときの放射線の透過性が高く、またドライエッチング耐性にも優れるという観点から、特にポリ(ヒドロキシスチレン)およびイソプロペニルフェノール共重合体が好ましい。
また、前記重縮合系樹脂からなるアルカリ可溶性樹脂は、酸性官能基を有する重縮合系繰返し単位のみから構成されていてもよいが、生成した樹脂がアルカリ現像液に可溶である限りでは、他の繰返し単位をさらに含有することもできる。
このような重縮合系樹脂は、例えば1種以上のフェノール類と1種以上のアルデヒド類とを、場合により他の重縮合系繰返し単位を形成しうる重縮合成分とともに、酸性触媒の存在下、水媒質中または水と親水性溶媒との混合媒質中で(共)重縮合することによって製造することができる。
【0042】
前記フェノール類としては、例えばo−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール等を挙げることができ、また前記アルデヒド類としては、例えばホルムアルデヒド等を挙げることができる。
前記アルカリ可溶性樹脂は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂の使用量は、前記共重合体(A)100重量部当り、通常、100重量部以下である。
【0043】
界面活性剤
本発明組成物には、界面活性剤を添加することができる
この界面活性剤としては、例えばエフトップEF301、EF303、EF352(トーケムプロダクツ製)、メガファックス F171、F173(大日本インキ(株)製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子(株)製)、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、アクリル酸系またはメタクリル酸系(共)重合体であるポリフローNo.75、No.95(商品名、共栄社油脂化学工業(株)製)等の市販品が用いられる。
界面活性剤の配合量は、重合体(A)100重量部当り、通常、2重量部以下である。
【0044】
増感剤
本発明組成物には、増感剤を添加することができる。
増感剤は、放射線のエネルギーを吸収して、そのエネルギーを感放射線性酸発生剤に伝達し、それにより酸の生成量を増加させる作用を示すもので、本発明組成物によって形成されるレジストの見掛けの感度を向上させる効果を有する。好ましい増感剤の例としては、ピレン類、アントラセン類、フェノチアジン類等を挙げることができる。
これらの増感剤の配合量は、組成物中の全固形分100重量部当り、通常、50重量%以下、好ましくは30重量部以下である。
【0045】
その他の添加剤
本発明組成物は、染料および/または顔料を配合することにより、露光部の潜像を可視化させて露光時のハレーションの影響を緩和することができ、接着助剤を配合することにより、基板との接着性をさらに改善することができる。
溶剤
本発明組成物は、その使用に際して、全固形分の濃度が、例えば5〜50重量%、好ましくは15〜40重量%になるように、溶剤に均一に溶解した後、例えば孔径0.2μm程度のフィルターで濾過することにより、組成物溶液として調製される。
【0046】
前記組成物溶液の調製に使用される溶剤としては、例えばエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
【0047】
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸イソプロピル、乳酸n−ブチル、乳酸イソブチル等の乳酸エステル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、酢酸n−ヘキシル、プロピオン酸メチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;
【0048】
3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類を挙げることができる。
これらの溶剤は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0049】
レジストパターンの形成
本発明組成物からレジストパターンを形成する際には、前述したようにして調製された組成物溶液を、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の適宜の塗布手段によって、例えばシリコンウェハー、アルミニウムで被覆されたウェハー等の基板上に塗布することにより、レジスト被膜を形成し、場合により予め加熱処理(以下、「プレベーク」という。)を行ったのち、所定のマスクパターンを介して露光する。その際に使用される放射線としては、感放射線性酸発生剤の種類に応じて、例えばi線(波長365nm)等の紫外線;ArFエキシマレーザー(波長193nm)、KrFエキシマレーザー(波長248nm)等の遠紫外線;シンクロトロン放射線等のX線;電子線等の荷電粒子線を適宜選択して使用する。また、露光量等の露光条件は、本発明組成物の配合組成、各添加剤の種類等に応じて、適宜選定される。
【0050】
本発明においては、レジスト被膜の見掛けの感度を向上させるために、露光後に加熱処理(以下、「露光後ベーク」という。)を行なうのが好ましい。その加熱条件は、本発明組成物の配合組成、各添加剤の種類等により変わるが、通常、30〜200℃、好ましくは40〜150℃である。
次いで、露光されたレジスト被膜をアルカリ現像液で、通常10〜50℃、10〜200秒のアルカリ現像により、所定のレジストパターンを形成する。
【0051】
前記アルカリ現像液としては、例えばアルカリ金属水酸化物;アンモニア水;モノ−、ジ−あるいはトリ−アルキルアミン類;モノ−、ジ−あるいはトリ−アルカノールアミン類;複素環式アミン類;テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類;コリン;1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物を、通常、1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%の濃度となるように溶解したアルカリ性水溶液が使用される。
これらのアルカリ性化合物は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、前記アルカリ性水溶液からなる現像液には、例えばメタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤を適宜添加することもできる。
そして、このようにアルカリ性水溶液からなる現像液を使用する場合には、一般に現像後、水洗する。
なお、レジストパターンの形成に際しては、環境雰囲気中に含まれる塩基性不純物等の影響を防止するため、レジスト被膜上に保護膜を設けることもできる。
【0052】
【実施例】
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例に何ら制約されるものではない。
ここで、Mwの測定並びに各レジストの評価は、下記の要領で行った。
【0053】
Mw
東ソー(株)製GPCカラム(G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本)を用い、流量1.0ml/分、溶出溶媒テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフ法により測定した。
感度
シリコンウェハー上に形成したレジスト被膜に露光したのち、直ちに露光後ベークを行い、次いでアルカリ現像したのち、水洗し、乾燥して、レジストパターンを形成したとき、線幅0.3μmのライン・アンド・スペースパターン(1L1S)を1対1の線幅に形成する露光量を最適露光量とし、この最適露光量により感度を評価した。
解像度
最適露光量で露光したときに解像されるレジストパターンの最小寸法(μm)を、解像度とした。
【0054】
パターン形状
0.3μmのライン・アンド・スペースパターンにおいて、パターン上部の線幅をLa、パターン下部の線幅をLbとして
0.9×Lb<La<1.1×Lbの関係にあり、かつ定在波の影響が小さい(パターンの側壁の凹凸が小さい)場合、「良好」として表した。
耐熱性
パターンが形成されたウェハーを所定の温度に加熱し、0.5μmのライン・アンド・スペースパターンの形状が変化しない最高の温度を耐熱性として表した。
【0055】
重合体(A)の合成
合成例1
ポリ(p−ヒドロキシスチレン)(Mw12,000)24gをジオキサン100mlに溶解したのち、窒素で30分間バブリングを行った。この溶液にエチレングリコールn−ブチルビニルエーテル7.5g、触媒としてp−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩1gを添加し、12時間反応させた。この反応溶液を1重量%アンモニア水溶液に滴下して、重合体を沈澱させた。この重合体を50℃の真空乾燥器内で一晩乾燥した。
得られた重合体は、Mwが15,000であり、13C−NMR測定の結果、フェノール性水酸基の水素原子の25%が1−(2−n−ブトキシエトキシ)エチル基で置換された構造を有するものであった。
この重合体を重合体A−1とする。
【0056】
合成例2
ポリ(p−ヒドロキシスチレン)(Mw8,000)24gをジオキサン100mlに溶解したのち、窒素で30分間バブリングを行った。この溶液にエチレングリコールt−ブチルビニルエーテル7.5g、触媒としてp−トルエンスルホン酸0.4gを添加し、6時間反応させた。この反応溶液を1%アンモニア水溶液に滴下して、重合体を沈澱させた。この重合体を50℃の真空乾燥器内で一晩乾燥した。
得られた重合体は、Mwが10,000であり、13C−NMR測定の結果、フェノール性水酸基の水素原子の25%が1−(2−t−ブトキシエトキシ)エチル基で置換された構造を有するものであった。
この重合体を重合体A−2とする。
【0057】
合成例3〜6
合成例1と同様にして、表1に示したフェノール性水酸基含有重合体および表1に示したビニルエーテル化合物を用いて各々の共重合体を合成した。各々の共重合体の分析値を表1に示した。
この重合体を重合体A−3〜A−6とする。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
実施例1〜9
表3(但し、部は重量に基づく。)に示す各成分を混合して均一溶液としたのち、孔径0.2μmのメンブランフィルターで濾過して、組成物溶液を調製した。 その後、各組成物溶液をシリコンウェハー上にスピンコートしたのち、90℃で120秒間プレベークを行って、膜厚1.0μmのレジスト被膜を形成した。 次いでKrFエキシマレーザー((株)ニコン製ステッパーNSR−2005 EX8Aを使用)にて露光を行い、次いで100℃で60秒間露光後ベークを行ったのち、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用い、23℃で1分間、パドル現像し、純水で水洗し、乾燥して、レジストパターンを形成した。
各レジストの評価結果を表4に示す。
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】
ここで、各実施例および比較例における感放射線性酸発生剤、酸拡散制御剤および溶剤は、下記のとおりである。
感放射線性酸発生剤(酸発生剤)
B−1:トリフェニルスルホニウムトリフレート
B−2:N−(カンファニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシミド
B−3:ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン
酸拡散制御剤
C−1:ニコチン酸アミド
C−2:トリオクチルアミン
溶剤
EL:乳酸メチル
MMP:3−メトキシプロピオン酸メチル
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
【0064】
【発明の効果】
本発明の感放射線性樹脂組成物は、感度、耐熱性、パターン形状、レジスト溶液中での保存安定性が優れ、さらに解像度にも優れた化学増幅型ポジ型レジストとして極めて有用である。従って、本発明の感放射線性樹脂組成物は、今後さらに微細化が進行すると予想される半導体デバイス製造用として好適に使用することができる。
Claims (1)
- (A)下記式(1)で表される繰返し単位と下記式(2)で表される繰返し単位を含有する共重合体、
および
(B)感放射線性酸発生剤
を含有することを特徴とする感放射線性樹脂組成物。
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