JPH09244010A - 液晶表示装置及び頭部搭載型映像表示装置 - Google Patents
液晶表示装置及び頭部搭載型映像表示装置Info
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- JPH09244010A JPH09244010A JP8053585A JP5358596A JPH09244010A JP H09244010 A JPH09244010 A JP H09244010A JP 8053585 A JP8053585 A JP 8053585A JP 5358596 A JP5358596 A JP 5358596A JP H09244010 A JPH09244010 A JP H09244010A
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Abstract
野角の大きい液晶表示装置を提供すること。 【構成】 液晶表示素子の光射出側近傍に、開口数増大
部材として散乱型液晶デバイス20を配置するので、印
加する電圧21により透過状態と散乱状態を電気的に制
御でき、液晶表示素子からの光束23の散乱具合いを変
化できる。これにより、トレードオフの関係にある視野
角と解像度において、解像度を優先させたいときは透過
状態とし、視野角を広くさせたいときは散乱状態にする
ことによって所望の映像が得られる。
Description
して大きな仰角から観察しても視認性が優れている液晶
表示装置に関するものである。
低消費電力を特徴とする液晶パネルと、同じく消費電力
を極力抑えるため照明効率の高い光源として、背面照射
型の平行光に近い射出光分布を有する指向性に優れたバ
ックライトとを設けて構成した液晶表示装置が使用され
ている。このような構成の液晶表示装置は視野角依存性
を持つ。すなわち、観察する抑角によって画面の視認性
が異なり、特定の角度範囲内でしか表示が見えない。こ
れは、液晶分子の配向に対する光線の入射角によって液
晶パネルの透過性が変化し、ある方向では透過率は極端
に悪くなるためである。また、液晶表示装置を指向性バ
ックライトで照明すると液晶パネルに入射する光は、バ
ックライトの射出光分布により略直進するため、表示面
を斜め方向から観察した場合、その方向に射出される光
量は比較的少ない。このため視野角依存性のある液晶表
示装置は斜めから観察した場合のコントラストが低下す
る。あるいは周辺部のコントラストが局所的に悪くなり
視認性が悪化するという不具合がある。
の範囲は法線方向からほぼ±10゜程度であり(図30
(c)参照)、これ以上の仰角領域で観察した場合、表
示濃度の反転が起こったり、色調が変化してしまう。こ
の不具合を解決する方法して以下のような技術が開示さ
れている。液晶パネルの観察者側に、像の開口数NAを
大きくする部材(以下、開口数増加部材と呼ぶことにす
る)を設けて視野角依存性を減ずる。すなわち、像のコ
ントラスト、光利用効率を上げるため、照明光源からの
光束を略平行光束としてから液晶層に垂直入射させ、液
晶層を直進してきた光を液晶パネルの射出側に設けた像
の開口数を大きくする部材により、散乱させたり、屈折
させたり、回折させたりして観察者の眼球に導くのであ
る。ここで、開口数増加部材は、具体的には光の散乱作
用を用いるものに拡散板、光の屈折作用を用いるものに
マイクロレンズ、光の回折作用を用いるものに回折格子
といったものがある。
ような開口数増加部材を用いた従来例には以下のような
課題がある。まず、拡散板を用いた例では、板の表面や
内部にある凸凹により光を拡散させるため、凸凹の中で
観察者の眼球に入りやすい方向に光を散乱する部分と入
りにくい方向に散乱する部分とが存在し、その結果眼球
に入りやすい方向に光を散乱する部分は明るく見え、そ
うでない部分は暗く見える。つまり、微小な観点からは
観察者側に散乱される光は一様ではなく、像に濃淡が生
じてしまう。これは、拡散板が微粒子を内包したものや
ガラス板などの表面を化学的、物理的に粗面化したもの
であり、略拡散面ではあるが製作上どうしても完全拡散
面を得ることは困難なためである。
30(a)に示すように、個々のレンズ302の焦点距
離位置に画素301が位置しているような配置にする
と、像の明るさの分布が均一化する方向に改善できても
視野角、すなわち表示面に対して最大どのくらいまで斜
めから観察してもコントラストを保ち視認が可能かとい
う点についての改善はそれほどの効果はない。それぞれ
の実際的な数値を用いて視野角の拡大効果であるθの値
を求めると、LCDの画素開口が30μmで、マイクロ
レンズ302の焦点距離を1mmとした場合、図中のθ
は1.7゜となるので、効果が低いことがわかる。ま
た、図30(b)に示すように、マイクロレンズ302
の焦点距離より離れた位置に画素301が位置するよう
な配置にした場合、視野角拡大の効果はある。実際的な
数値を用いて視野角の拡大効果を求めてみると、LCD
の画素開口が30μmで、マイクロレンズ302の焦点
距離を1mm、画素301とレンズ302との距離を5
mmとした場合、α=0.286゜、β=1.432゜
と視野角が拡大するが、スペースを要する割に拡大効果
は小さい。
に特有な波長依存性が伴い像に色むらが出てしまう。お
よび回折の条件に見合う各回折次数の方向以外では像は
見えない。また、上記の略平行光にした後、液晶パネル
の射出側で光を曲げ開口数を上げるという技術の他に、
液晶パネルの像をレンズを用いて一回中継し、その像近
傍に上記に挙げたような開口数増加部材を設置して開口
数を上げ、その結果視野角を広げるという技術が開示さ
れている。
像を中継させない場合に、液晶パネルの構造上必ず生じ
る以下の不具合を改善している。液晶パネルは、図31
に示すように、偏光板311、ガラス板312、透明電
極板313、液晶層314、透明電極板315、カラー
フィルタ316、ガラス板317、偏光板318が重ね
合わされた構造を持っている。さらにトランジスタを有
した電極板により、液晶層314が液晶セルという各画
素単位に分離されている。このとき像となる部分は各液
晶セルに当たるが、液晶セルの射出側には、有限の厚み
を持ったガラス板317があるため、このガラス板31
7のさらに射出側で光を曲げて開口数を上げる部材を設
置すると、隣接した液晶セルから発せられる光束が同時
に観察者の眼球に入ってしまい、像がぼやけてしまうこ
とになる。これを改善するためレンズを用いて像を1回
中継させ、その中継された像の位置に光を曲げて開口数
を上げる部材を設置することによってボケのない視野角
が広がった像を作ることができる。
継させるため、中継させるレンズと中継に要するスペー
スが必要なため、液晶表示装置の特長の1つであるスペ
ースをとらないフラット構造にできるという利点を減殺
してしまうことになる。本発明は、上述の従来技術が有
する課題に鑑みてなされたものであり、表示コントラス
トを低下させることなく、視野角の大きい液晶表示装置
を提供することを目的とするものである。
を発生する照明手段と、その照明手段から光束を入射さ
れ映像を表示する液晶表示素子と、その液晶表示素子か
ら出射される映像光束の光路上の、前記液晶表示素子の
近傍に配置され、前記映像光束を拡散するための開口数
増加部材とを備え、前記開口数増加部材は、光ファイバ
を長さ方向に対して垂直な方向に束ねてプレート状にし
たもので、各々の光ファイバの内部の反射境界面が凸凹
形状であることを特徴とする液晶表示装置である。
照明手段と、その照明手段から光束を入射され映像を表
示する液晶表示素子と、その液晶表示素子から出射され
る映像光束の光路上の、前記液晶表示素子の近傍に配置
され、前記映像光束を拡散するための少なくとも2つ以
上の開口数増加面とを備えていることを特徴とする液晶
表示装置である。
表示装置と、その液晶表示装置に表示された映像を観察
者の眼球に投影する接眼光学系と、前記液晶表示装置及
び前記接眼光学系を観察者の眼球直前に位置させる頭部
装着手段とを備えたことを特徴とする頭部搭載型映像表
示装置である。本発明あるいはその実施の形態によれ
ば、略平行光を液晶表示素子に入射させ液晶表示素子を
通過した後で開口数を大きくさせることにより、照明効
率を下げることなく、コントラストを保持したまま視野
可能な範囲を広げることができる。
イスを用いているので、動的散乱状態が電圧を印加する
ことによって得られるため、透過状態と散乱状態を電気
的に制御できる。これにより、トレードオフの関係にあ
る視野角と解像度において解像度を優先させたいときは
透過状態とし、視野角を広くさせたいときは散乱状態に
することによって所望の映像が得られる。また、電圧信
号を与える透明電極をマトリクス化することによって散
乱度すなわち開口数に階調を持たせることができる。
リズムアレイで構成すれば、素子の制作面から回折格子
などよりもコストを抑えて視野角を上げる効果を得るこ
とができる。また、製作するプリズムの頂角の大小に応
じて視野角の拡大具合をかえることができる。あるいは
また、開口数増加部材を液晶表示素子から射出した各画
素ごとの光束を液晶表示素子側に発散反射させる反射面
とその発散反射された光束を映像表示方向に反射する反
射面とを、各々所定距離ずらして対向した状態で液晶表
示素子の画素ピッチに対応して複数配置する構成とする
ば、発散反射させる反射面に曲率を持たしたり、発散反
射面と平面反射面との間隔を変えることによって開口数
の増加具合を所望のものとすることができる。
を示す図面に基づいて説明する。 (実施の形態1)図1は、本発明にかかる第1の実施の
形態の液晶表示装置の略示構成図である。
素子としての液晶パネル3と、点光源1と、その点光源
1から射出した光束を略平行光にして液晶パネル3に垂
直入射せしめるコリメータレンズ2と、液晶パネル3の
射出側近傍に密着させて配置した開口数増加部材4によ
り構成される。ここで略平行光という表現を用いてる
が、 以下の実施の形態において照明系は低開口数(N
A)でも可とする。
極となる透明電極をマトリクス状に具備した基板で上下
から挟持し、電極の外側に偏光板を上下に設けて積層構
造に構成したものである。TN液晶の場合、偏光板は上
下で90゜ずれた関係にすれば印加電圧によりコントラ
ストを生むことができる。液晶層の表示側には多数の画
素ピッチが不透明なマスクを介して形成されている。こ
の不透明なマスク部分には上記電極やリード線などが介
装されるとともに、隣接する各画素に影響が及ばないよ
うな絶縁間隔が保たれるように形成されている。さらに
表示側には規則性を持って開口部が配列したカラーフィ
ルターを設けてカラー画像を表示し得るようにすること
ができる。
て散乱性液晶デバイスを用いた例を示す。図2(a)
は、散乱性液晶デバイス20における透過状態を示し、
図2(b)は、散乱状態を示す。散乱性液晶デバイス2
0のDS(Dynamic Scattaring)モ
ード(光を散乱させるメカニズム)を説明する。p型の
SmA液晶にイオン性ドーバンドを添加することによっ
て、この液晶に電圧21を印加すると液晶の導電率の異
方性のために、水平方向の歪んだ部分に空間電荷が発生
し、その電荷により電気的なトルクが生じ、液晶の渦2
2が発生する。この渦22により、歪みがさらに増幅さ
れ、渦22の数及びその強度が増す。液晶は複屈折を有
しているためこの渦が光を散乱する中心となる。図2
(b)に示すように、液晶表示素子から略平行で射出し
てくる光束23は散乱性液晶20の散乱状態により散乱
されて液晶表示素子の像の開口数が増加する。図2
(c)は、散乱性液晶デバイス20における印加電圧と
散乱状態の関係を示す特性曲線である。ここで電圧21
を加える透明電極をマトリクス状に配すれば散乱状態と
透過状態を同時につくることができ、トータルの開口数
の増加量に変化を持たせることができる。
げようとすると明るさは暗くなるが、本実施の形態のメ
リットは、印加電圧の増減によって、開口数が可変出来
る点にある。よって、使用状況によって、必要とされる
明るさの中で所望の開口数に近づけることが出来る。 (実施の形態2)図3は、本発明にかかる第2の実施の
形態の液晶表示装置の略示構成図である。
プリズムアレイ31を用いている。このプリズムアレイ
31は、図4(b)に示すように小さな長細いプリズム
を並べたものでも良いし、図4(a)に示すようにピラ
ミッド状のものが平面状に並んだものでも良い。図5
は、このプリズムアレイ31に光束が入射し、それが広
がる様子を示している。液晶素子から出て略平行に入射
してきた光32はプリズム面31aにおいて屈折し射出
していく。結果として各々の面によって屈折し平行光は
2方向に射出する。ここで光線の曲げ角θ’は光線の入
射角に依存し、プリズム頂角Θを小さくするほど光線の
曲げ角θ’は大きくなる。光線の曲げ角θ’、 プリズ
ム頂角Θ、部材の屈折率n、部材への光線の入射角θと
の関係式は、(数1)で示される。
-1[(1/n)Sinθ]]] 例えば、部材が屈折率1.5のガラスでΘが140゜の
とき、垂直入射した光束は21.73゜の開きを持って
射出する。また、これは図6に示すように上下逆でも同
じ効果が得られる。
示す。これらの形状では頂部あるいは底部を平面にカッ
トしているため屈折せずに透過する光束があるので、結
果的にこの部材を通過した後で光束は3方向に広がるこ
とになる。 (実施の形態3)図8は、本発明にかかる第3の実施の
形態の液晶表示装置の略示断面図である。
液晶表示素子から射出した各画素83ごとの光束を液晶
表示素子側に発散反射させる反射面としてのハーフミラ
ー82と、その反射面で発散反射された光束を観察者の
方向へ反射する反射面(ここでは平面)としてのミラー
81を備えた構成を用いる。図8において、発散反射面
82は曲率を持っており、この曲率を持つ反射面82と
その反射面82からの光束を再び反射する平面反射面8
1は、画素ピッチで交互にずれて対向して並んでおり、
光量損失の少ない透明な材料にて狭持されている。ある
いは液晶パネルのガラス基板の上下に画素ピッチで反射
コートを施し同じ構造を実現しても良い。この構造を持
つものによって光束が広がり結果的にNA(開口数)が
アップする様子を説明する。
面82は透過率を有する(ハーフミラー)例として説明
する。各画素83から発せられた光束のうち、画素中央
から射出した光束はハーフミラー82を透過しそのまま
直進するが、画素83の中央以外の部分から発せられた
光束はハーフミラー82により、一部は透過直進し、一
部は反射し下部の平面反射面81に向かい、その平面反
射面81で反射した後、ある角度を持って射出してい
く。このとき図中の各パラメータ:ハーフミラー82の
焦点距離f、この部材の厚みt、画素83の開口のサイ
ズX、画素ピッチp、 光線の射出角θ、ハーフミラー
82の有効径D、画素83における中央からの変位xを
関係づける式は、(数2)、(数3)のようになる。
射出していくかを表した式であり、(数3)は、光線が
平面反射面81で反射した後、再び隣のハーフミラー8
2に入射してしまわない条件式である。視野角を拡大す
る上で(数3)を満たすことは好ましい。
9(a)は、図8におけるハーフミラー82をミラー9
1にした例であり、図9(b)は、ハーフミラー92に
曲率を持たせない例である。これも図9(c)に示すよ
うにミラー93にしてもかまわない。また、ハーフミラ
ーに曲率を持たせる場合において、図では凸面を例示し
たが、凹面でも良い。いずれにおいてもこの部材を通過
することによって略平行光束はある広がりを持って射出
していくことになるので結果的に開口数が増加する。 (実施の形態4)図10は、本発明にかかる第4の実施
の形態の液晶表示装置に用いる光ファイバープレートの
2つの例を示す斜視図である。本実施の形態では、開口
数増加部材に光ファイバ101(又は102)を短く切
ったものを長さ方向に対して垂直な方向に束ねてプレー
ト状にしたものを使用する。ここで図11(b)に示す
ように、光ファイバの構造中のコア111とクラッド1
12の境界部分は微小な凸凹113になっている(通常
の光ファイバの境界部分は図11(a)のようにフラッ
トである)。1つ1つの光ファイバは断面が円形(図1
0(a)参照)でも良いし、角形(図10(b)参照)
でも良い。円形の場合、光ファイバを作成する上で安価
であり、低価格化する場合好ましい。一方角形の場合、
各画素が角形なので、効率的に射出光を集めるのに適し
ている。
が大きくなる様子を1つの光ファイバを取り上げ、図1
1(b)に示す。光ファイバの長さは短いので反射回数
は少ない。よって光量損失も小さい。反射する際に境界
表面の凸凹113により光束は広がりθを持ち、結果的
に光ファイバ射出端では開口数が増加する。このとき、
凸凹113は入射角と射出角関係が崩れてしまわない程
度の凸凹にするのが望ましい。 (実施の形態5)第5の実施の形態として、上記第4の
実施の形態で説明した光ファイバを束ねてプレート状に
した開口数増加部材において、コア111とクラッド1
12の境界面の凸凹が波長オーダーで規則的であるもの
を図12に示す。すなわち境界面が回折面121になっ
ている。各ファイバに入射した光束は反射しながら伝搬
していくが、反射する際に回折し、その回折角だけ広が
りを持った光線束となる。反射を複数回繰り返すとその
都度に回折し、その結果、ファイバ射出端では広がり開
口数が増加している。
用いる場合、回折による色ズレの問題がある。本実施の
形態の素子も回折面による色ズレは発生するが、反射の
度に回折が起こるので、射出端においては光束は、各色
ごとに様々な射出角をもって射出する状態になるので、
色はほとんど目立たなくなる。 (実施の形態6)第6の実施の形態として、開口数増加
部材に図13に示すような、凸凹132を有する回折格
子131を使った例を示す。回折格子131の規則性に
よる回折作用と凸凹132の不規則性により生じる拡散
作用を同時に一枚の部材で発生させ光束を分散させる。
製作は回折格子131に砂目を入れるか、化学的に表面
を荒れさせるか、拡散板にエッチングである程度の規則
性を持たせるかすればよい。どちらの作用を重視するか
によって製作法が異なる。このタイプの素子の利点は、
拡散板では出来ない光束の広がりにおけるある程度の制
御である。格子ピッチによってどの方向に強く光を導く
かが制御できる。また、回折格子よりその方向において
光が広がりを持ち色収差もぼやけさせる効果を持つ。
した場合、波長0.5ナノメートルにおいて、1次回折
角は約10゜であるが、表面の荒れ具合として、板に垂
直な方向の光強度に対して50%の光強度の時の表面の
荒れによる拡散角が5゜になるような凸凹を表面に持た
せば、約±15゜の範囲で一様な射出光分布が得られ
る。 (実施の形態7)第7の実施の形態として、開口数を大
きくする面を複数組み合わせることによって視野角依存
性を減ずることができる例を示す。図14は、回折格子
141と拡散板142を組み合わせた本実施の形態の例
を示す図である。図14の回折格子141は0次光と1
次光を射出するようにしている。図はわかりやすくする
ため回折格子141と拡散板142との間隔を離して描
いているが、実際は接して配置した方がスペースをとら
ないし、けられがなくなる。また、重要な点としてぼけ
量が少なくなる。単一素子の表面と裏面をそれぞれ回折
格子面と拡散面としても良い。この構成だと素子は単板
でよい。LCD143を通過してきた略平行光は、LC
D143直後に配置された回折格子141により回折条
件を満たす角度の方向に回折し、それぞれの光束はその
回折格子141の直後に配置された拡散板142によっ
て拡散される。
1と拡散板142の配置の順序による効果の違いについ
て説明する。拡散板142によって広がった光束が眼球
151の網膜上に結像する様子を図15(a)に示し、
回折格子141によって広がった光束が眼球の網膜上に
結像する様子を図16(a)に示す。拡散板142は、
図15(b)に示すように光源145の像を多数作り、
広がりを持った面光源にする作用を持つのに対して、回
折格子141は、図16(b)に示すように、±1次光
まで考えると光源のコピーを2つ作る作用を持つ。これ
らの素子を組み合わせると素子の順序によって違いがで
てくる。
CD143側に、拡散板142を眼球側に配置した例で
ある。回折格子141と拡散板142との間隔によっ
て、どのように見え方が異なるかが、図17(b)(間
隔小)、図18(b)(間隔大)に示してある。画素の
回折による像の間隔は素子間の間隔によって変わらず、
各回折像拡散によるぼけが素子間の間隔に比例して広が
る。すなわち素子間の間隔が大きいと暗くなるというふ
うに拡散板142の特性がでやすい。
1を眼球側に、拡散板142をLCD143側に配置し
た例である。拡散板142と回折格子141の間隔によ
って、どのように見え方が異なるかが、図19(b)
(間隔小)、図20(b)(間隔大)に示してある。拡
散板142によって広がった画素が回折格子141によ
って0次、1次、−1次の方向に分散する。よって拡散
板142によって広がる広がり量は、素子間の間隔によ
らず一定であり、回折による広がりが素子間の間隔に比
例する。従って、この配置では、回折格子141の特性
がでやすく色が付きやすい。あまり間隔が広いと、眼球
の位置によっては色づいて見えてしまう。
に配置する素子がLCD143の画素から離れている
と、クロストークといった隣の画素までぼけるといった
現象が起きてしまうので、出来るだけ近づけることが重
要である。また、素子間の間隔は、図21に示すよう
に、2重像や多重像の原因になってしまうのでやはり近
づけることが重要である。そういった意味では単板上両
面が回折面、拡散面になっている構成がよい。図中では
0次、±1次までだと網膜上ではA1〜C1の像とA2
〜C2の像とA3〜C3の像が同時に見えてしまい3重
像になる様子が示されている。
ね合いを考慮し、適当なピッチ、断面形状および溝深さ
を選ぶことによって回折角、回折効率を所望のものにで
きる。一例としてLCDの有効視野角が±10゜の時、
回折角が±10゜以上となるようなピッチにすれば視野
角が改善する。例えば、回折格子のピッチを2μmとす
れば、0次光と1次光を用いれば回折角は±15゜とな
る。組み合わせる拡散板の拡散角を5゜にした場合、結
果的に視野角は±30゜に改善する。これら2種の部材
により視野角を拡大する際、ボケによる画像劣化を防ぐ
ため、なるべく各部材と液晶パネルとは近づけて配置す
るのが望ましい。今、LCDの画素ピッチをPとする
と、許容できるボケ量はPである。回折格子の回折面に
よる0次回折光に対する1次回折光の回折角をθ1 と
し、拡散板において拡散面に垂直な方向の透過光の強度
に対しその50%の強度となる拡散角をθ2 とし、LC
Dから回折格子までの距離をL1、回折格子から拡散板
までの距離をL2とすると、ボケ量の許容できる関係式
は、
に各パラメータをコントロールする。以上回折する面と
拡散する面を回折格子と拡散板といった素子として説明
してきたが、単板上の両側に各作用を持った面を施して
も良い。
組み合わせる意味は、回折格子面のみだと回折作用に特
有な色がでてしまう不具合と回折条件を満足する方向以
外の角度では像が暗いという2つの不具合を拡散面の拡
散作用で減じ、かつ拡散面のみでは濃淡が出てしまう不
具合も回折作用によって弱めるという、単体ではなし得
ない組み合せによる効果である。これによって視野角の
広がりと角度依存性の両方が改善できる。
と拡散面を組み合わせた例を図22に示す。この組み合
せも前述と同様に光の広げ具合いが異なるものの組み合
せによる相乗効果をねらったものである。この場合もわ
かりやすくするため、図では、面をプリズムアレイ22
1と拡散板142として別々の部材で構成されていると
し、両者の間隔を故意に離して描いている。LCD14
3を通過した略平行光はプリズムアレイ221に入射
し、光束は入射する面によって3方向に屈折、分離す
る。その後それぞれの光束は拡散板142に入射しそれ
ぞれが拡散作用を受ける。その結果視野角が広がり、角
度依存性が減少する。プリズムアレイ221と拡散板1
42の位置の順序はどちらでも同じ効果が見込める。
イと回折格子面を組み合わせた例を図23に示す。図で
は、わかりやすくするため、面をプリズムアレイ221
と回折格子141とで構成したとし、これら素子の間隔
を離して描いているが、実際は接して配置した方がスペ
ースをとらないし、けられがなくなる。また、重要な点
としてぼけや多重像が少なくなる。単一板両面に各作用
面を施しても同様な効果を出せる。LCD143を通過
した略平行な光束はプリズムアレイ221を通過し、プ
リズムアレイ221の面の頂角に基づく角度を以て射出
する。図のプリズムアレイ221の形状では光束は3方
向に分離する。その後回折格子141に入射した光は回
折条件に基づく方向にそれぞれの光束が回折する。その
結果視野角が広がり、角度依存性が減少する。プリズム
アレイ221と回折格子141の位置の順序はどちらで
も同じ効果が見込める。このように2つの素子(面)の
組み合せによる効果は波長依存性を改善できる点にあ
る。プリズムアレイ221は光の屈折作用によって光を
曲げており、一方回折格子141は回折作用によって光
を分離しているため、双方で分散の方向は逆である。よ
って、単独で用いた場合よりも色の出方は弱まる。
イと回折格子面と拡散面の3種の面を組み合わせた例を
図24に示す。このように、光の広げ具合いが異なる3
種類の面を組み合わせることによって、上記に示してき
た2種類の面の場合の効果がより高まる。このときも3
種類の素子(面)はできるだけ近づけて配置するのが、
ぼけを小さくする上で望ましい。又、図では、LCD1
43から見てプリズムアレイ221、回折格子141、
拡散板142の順序で配置しているが、配置する順序を
どのように代えても同様の効果が期待できる。
が異なる2種類の拡散面を組み合わせた例を示す図であ
る。図では、わかりやすくするため2枚の拡散板142
a,142bとし、拡散板間の間隔を離して描いてい
る。しかし実際は接して配置した方がスペースをとらな
いし、けられがなくなる。また、重要な点としてぼけ量
が少なくなる。また、単板の両側が拡散面となっている
構成もスペースをなくし、シンプルな構成にする上で望
ましい。表面凸凹構造が粗い拡散板142aは視野角拡
大作用が大きいが角度依存性は大きい。一方表面凸凹構
造が細かい拡散板142bは視野角拡大作用は小さいが
角度依存性は小さい。それぞれの光の広がり具合いを図
26(a)、及び(b)に示す。すなわち2枚(2面)
を組み合わせることによって、より大きな視野角を持ち
さらに角度依存性の小さいつまり濃淡の少ない液晶表示
装置が得られる。
が層状になった構造の素子を用いた例を図27に示す。
複数の拡散板(拡散面)を1枚の素子に集約した形であ
る。図中の(い)、(ろ)、(は)の部分は(い)から
徐々に屈折率が小さくなるような材質の方が全反射が起
こりにくくなり、光量効率的に望ましい。凸凹の粗細、
層の厚み、層数によって広がり角が制御できる。 (実施の形態8)第8の実施の形態では、液晶表示素子
の映像を表示する光路上で、その液晶表示素子の近傍に
配置されたマイクロレンズアレイにより形成された表示
素子と共役な面近傍に、上記実施の形態で説明したそれ
ぞれの開口数増加部材(あるいは開口数増加面)を配置
して視野角拡大、角度依存性を減少させる例を示す。図
28は、開口数増加部材として散乱性液晶を用いた例を
示している。ここでマイクロレンズアレイ282は、レ
ンズピッチが液晶表示素子3の画素ピッチに一致したも
ので、かつ画素電極に整合しており、共役像は正立像と
なる。レンズの焦点距離や開口数を適当な値にすること
で、スペースをあまりとらず共役像の部材を配すること
が出来る。像を中継させている効果として、1回レンズ
により像を中継させ、その中継された共役像位置ジャス
トに開口数増加部材(開口数増加面)として散乱性液晶
デバイス281を配することが出来ることである。これ
によりぼけることなく視野角依存性を向上できる。
面)として散乱性液晶デバイス281を例に説明した
が、前述した例えば、プリズムアレイ、光ファイバプレ
ート等、他の開口数増加部材(面)でも同様な効果が見
込める。 (実施の形態10)上記実施の形態の種々の視野角の大
きい液晶表示装置を頭部装置型の映像表示装置の映像表
示素子として用いた例を図29(a)に示す。すなわ
ち、この映像表示装置の装着フレーム293前面に取り
付けられる左及び右目用表示部291,292として本
発明の液晶表示装置を用いる。頭部装着型の映像表示装
置の使用例としてヴァーチャルリアリティといった分野
があるが、そこでは臨場感の向上に画角が広いことは欠
かせない。そして、画角が広いほど映像表示素子の視野
角が広いことが求められる(図29(b)参照)。頭部
装着型の映像表示装置の接眼光学系295の最終面と観
察者の瞳孔との距離を一定にとった場合、映像を良好な
状態で見るのに必要な素子294の視野角と映像の画角
とは、およそ比例する関係にある。例えば、画角30゜
の時、必要な視野角は±8゜であるが、画角60゜の時
必要な視野角は±16゜である。このように広画角な頭
部装着型の映像表示装置では、表示素子として視野角の
広いことが望ましい。
たが、本明細書中には以下の発明が含まれる。すなわ
ち、(1)略平行な光束を発生する照明手段と、その照明
手段から光束を入射され映像を表示する液晶表示素子
と、その液晶表示素子から出射される映像光束の光路上
の、前記液晶表示素子の近傍に配置され、前記映像光束
を拡散するための開口数増加部材とを備え、前記開口数
増加部材は散乱型液晶表示デバイスであることを特徴と
する液晶表示装置である。このように、略平行光を液晶
表示素子に入射させ液晶表示素子を通過した後で開口数
を大きくさせることにより、照明効率を下げることな
く、コントラストを保持したまま視野可能な範囲を広げ
ることができる。また、このとき開口数を大きくする部
材として散乱型液晶デバイスを用いることによって、動
的散乱状態が電圧を印加することによって得られるた
め、透過状態と散乱状態を電気的に制御できる。これに
より、トレードオフの関係にある視野角と解像度におい
て解像度を優先させたいときは透過状態とし、視野角を
広くさせたいときは散乱状態にすることによって所望の
映像が得られる。
クス化することによって散乱度すなわち開口数に階調を
持たせることができる。また、(2)略平行な光束を発生
する照明手段と、その照明手段から光束を入射され映像
を表示する液晶表示素子と、その液晶表示素子から出射
される映像光束の光路上の、前記液晶表示素子の近傍に
配置され、前記映像光束を拡散するための開口数増加部
材とを備え、前記開口数増加部材はプリズムアレイであ
ることを特徴とする液晶表示装置である。このように、
開口数を大きくする部材としてプリズムが平面状に並ん
だ素子を用いることによって、素子の制作面から回折格
子などよりもコストを抑えて視野角を上げる効果を得る
ことができる。また、製作するプリズムの頂角の大小に
応じて視野角の拡大具合をかえることができる。
段と、その照明手段から光束を入射され映像を表示する
液晶表示素子と、その液晶表示素子から出射される映像
光束の光路上の、前記液晶表示素子の近傍に配置され、
前記映像光束を拡散するための開口数増加部材とを備
え、前記開口数増加部材は、前記液晶表示素子から射出
した各画素ごとの光束を前記液晶表示素子側に発散反射
させる反射面とその発散反射された光束を映像表示方向
に反射する反射面とが、各々所定距離ずらして対向した
状態で前記液晶表示素子の画素ピッチに対応して複数配
置されていることを特徴とする液晶表示素子である。こ
のように、開口数増加部材として、液晶表示素子から射
出した各画素ごとの光束を液晶表示素子側に発散反射さ
せる反射面とその発散反射された光束を映像表示方向に
反射する反射面とが、各々所定距離ずらして対向した状
態で液晶表示素子の画素ピッチに対応して複数配置する
構成を用いれば、発散反射させる反射面に曲率を持たし
たり、発散反射面と平面反射面との間隔を変えることに
よって開口数の増加具合を所望のものとすることができ
る。なお、発散反射面を上記液晶表示素子側に凸面を向
けた構成にすると、開口数を大きくするのに有効であ
る。
作用を更に有することを特徴とする上記(3)の液晶表示
装置である。このように、上記の発散反射面を光の一部
が透過するようにし、その透過率を変えることによって
開口数及び直視方向の光の強度を変えることができる。
すなわち、視野角依存性を変化させることができる。ま
た、(5)略平行な光束を発生する照明手段と、その照明
手段から光束を入射され映像を表示する液晶表示素子
と、その液晶表示素子から出射される映像光束の光路上
の、前記液晶表示素子の近傍に配置され、前記映像光束
を拡散するための開口数増加部材とを備え、前記開口数
増加部材は、光ファイバを長さ方向に対して垂直な方向
に束ねてプレート状にしたもので、各々の光ファイバの
内部の反射境界面が凸凹形状であることを特徴とする液
晶表示装置である。このように構成する事によって、液
晶表示素子をでた光は各々の光ファイバで長さ方向に導
かれるが、このとき反射境界面の凸凹により光はファイ
バ内で拡散してファイバ端から射出するので、結果的に
トータルで開口数は増加する。また、視野角依存性も減
じることができる。
面は回折作用を有する凸凹面であることを特徴とする上
記(5)の液晶表示装置である。このような構成により、
反射面に 設けられた回折面の回折作用によりファイバ
内を伝搬する光束が回折し、結果的にファイバ端を射出
するときに回折角と回折効率に基づく開口数の増加を示
す。 また(7)略平行な光束を発生する照明手段と、そ
の照明手段から光束を入射され映像を表示する液晶表示
素子と、その液晶表示素子から出射される映像光束の光
路上の、前記液晶表示素子の近傍に配置され、前記映像
光束を拡散するための開口数増加部材とを備え、前記開
口数増加部材は、拡散作用を生み出す凸凹を有する格子
面を持つ拡散回折格子であることを特徴とする液晶表示
装置である。もともと単なる回折格子の場合は、前述し
たように回折の条件を満たす方向にしか光束は向かわ
ず、その方向でしか表示映像は見ることができない。ま
た波長依存性のため像に色むらが出てしまう。また単な
る拡散板の場合は、板の表面にある凸凹により光を拡散
させるため、凸凹の中で観察者の眼球に入りやすい方向
に光を散乱する部分と入りにくい方向に散乱する部分と
が存在し、その結果眼球に入りやすい方向に光を拡散す
る部分は明るく見え、そうでない部分は暗く見え像に濃
淡が生まれてしまう。そこで、上述のように構成するこ
とによって、回折、拡散両作用を同時に活用することに
より視野角依存性が低減できる。すなわち、回折格子の
回折条件を満たす方向の周りに表面凸凹による拡散作用
によって光が拡散されるため、拡散板より視野角が広く
なり、回折による色収差は弱められる。また、光線の広
がり角の制御を、単なる拡散板のみによる場合に比べて
回折格子のピッチにより簡単に制御できる。
よる0次回折光に対する1次回折光の回折角をθ1、面
に垂直な方向の強度に対して50%の強度となる時の拡
散角をθ2とした場合、
特徴とする上記(7)の液晶表示装置である。このように
すると、回折の条件を満たす方向以外の方向を拡散光に
よって補間するため、射出光分布が一様になる。ここで
表面が荒れるに従って回折作用は弱まる。すなわち、回
折条件を満たす方向の射出光分布が弱くなる。
と何ら変わらなくなり、拡散板の持つ濃淡といった問題
が強く出る。逆に表面が荒れていないと通常の回折格子
と同じになり、回折格子特有の色が出たり、回折条件を
満たす方向以外には光がなくなるという問題がある。回
折作用と拡散作用の両現象を適度にブレンドすることに
よって回折、さらに拡散のみの時に出やすい濃淡をも改
善できる。
と、その照明手段から光束を入射され映像を表示する液
晶表示素子と、その液晶表示素子から出射される映像光
束の光路上の、前記液晶表示素子の近傍に配置され、前
記映像光束を拡散するための少なくとも2つ以上の開口
数増加面とを備えていることを特徴とする液晶表示装置
である。このような構成とした場合は、開口数の増加具
合が異なる面を複数組み合わせることによって、視野角
を上げるとともに視野角内での光の拡散具合をより一様
にすることができる。その結果視野角内で濃淡が見えた
りすることはなくなる。
て、1つが回折格子面で、もう1つが拡散面であること
を特徴とする上記(9)の液晶表示装置である。回折格子
面のみだと回折の条件を満たす方向にしか光束は向かわ
ず、その方向でしか表示映像は見ることができない。ま
た波長依存性のため像に色むらが出てしまう。又、拡散
面のみだと拡散面表面にある凸凹により光を拡散させる
ため、凸凹の中で観察者の眼球に入りやすい方向に光を
散乱する部分と入りにくい方向に散乱する部分とが存在
し、その結果眼球に入りやすい方向に光を散乱する部分
は明るく見え、そうでない部分は暗く見え像に濃淡が生
まれてしまう。そこで、上記における開口数増加面を2
つとして、1つを回折格子面、もう1つを拡散面とする
と、すなわち、これら単一面では問題を持つ面を組み合
わせると、視野角依存性は低減できる。すなわち、回折
格子面の回折条件を満たす方向の周りに拡散面によって
拡散されるため、拡散面1面より視野角が広くなり、回
折による色収差は弱められる。
制御が可能になり、効率的に眼球に導かれない不所望な
散乱光を減じることができ、導かれた光束は拡散面で分
散し分布において一様性を増す。また、(11)前記液晶表
示素子の画素ピッチをPとし、前記回折格子の回折面に
よる0次回折光に対する1次回折光の回折角をθ1 と
し、前記拡散面に垂直な方向の透過光の強度に対しその
50%の強度となる拡散角をθ2 とし、前記液晶表示素
子から前記回折格子までの距離をL1 、前記回折格子か
ら前記拡散面までの距離をL2とすると、
記(10)の液晶表示装置である。このような構成によっ
て、隣の画素までぼけるといったクロストークによるぼ
けがなくなる。
て、1つがプリズムアレイで、もう1つが拡散面又は回
折格子であることを特徴とする上記(9)の液晶表示装置
である。すなわち、プリズムアレイ単体であると各プリ
ズムによる屈折の方向にしか光束は向かわずその方向で
しか表示映像は見ることができない。また屈折の際プリ
ズムによる色収差のため像に色むらが出てしまう。拡散
面のみだと拡散面表面にある凸凹により光を拡散させる
ため、凸凹の中で観察者の眼球に入りやすい方向に光を
散乱する部分と入りにくい方向に散乱する部分とが存在
し、その結果眼球に入りやすい方向に光を散乱する部分
は明るく見え、そうでない部分は暗く見え像に濃淡が生
まれてしまう。そこで、上記2つの開口数増加面を、1
つがプリズムアレイ、もう1つが拡散面とし、これら単
体では問題を持つものを組み合わせることによってそれ
ぞれの問題点を低減でき結果、視野角依存性は低減でき
る。すなわち液晶素子を射出した光はプリズムによって
屈折した方向の周辺に拡散面によって拡散されるため、
拡散面1面より視野角が広くなるし、プリズムによる色
収差は弱められる。また、上記2つの開口数増加面を、
1つがプリズムアレイ、もう1つが回折格子とすれば、
視野角の増加具合は、回折格子面による回折角とプリズ
ムアレイの屈折角の合成になるのでより射出光分布が一
様になる。
て、1つがプリズムアレイで、もう1つが回折格子面
で、残りの1つが拡散面であることを特徴とする上記
(9)の液晶表示装置である。このような構成によってプ
リズムアレイの屈折角と回折格子面の回折角と拡散面に
よる散乱角それぞれが程度が異なるため射出光分布がよ
り一様になる。
面からなり、前記液晶表示素子側に配置する拡散面は、
眼球側に配置する拡散面より拡散角が同じか大きいこと
を特徴とする上記(9)の液晶表示装置である。このよう
な構成よって、部分的に濃淡が見えるのを防ぐ。拡散面
の欠点として挙げられる濃淡が見えてしまうといった問
題があるが、この現象は開口数の小さい光束を用いた場
合顕著である。それを解消する方法として、上記のよう
に、拡散特性が異なるものを複数用いる場合、拡散角が
大きいものほど液晶表示素子側に配置し、小さいものほ
ど眼球側に配置すると、液晶表示素子に近い方にて開口
数が大きくなるので濃淡が目立ちにくくなる。
面が層状に形成されているものであることを特徴とする
上記(9)の液晶表示装置である。このようにすれば、複
数の拡散面を複数の拡散板を用いて構成する必要がない
ので、上記の効果に加えて、表示装置自体の構成はシン
プルになる。また、薄型化をはかれる。また、(16)少な
くとも1つ以上の前記開口数増加面が、前記液晶表示素
子から出射される映像光束の光路上の、前記液晶表示素
子の近傍に配置されたマイクロレンズアレイにより形成
された前記液晶表示素子と共役な面近傍に配置されてい
ることを特徴とする上記(1)〜(15)のいずれかに記載の
液晶表示装置である。このような構成によって、開口数
増加面を液晶表示素子の上に直接配さず、1回レンズに
より像を中継させ、その中継された共役像位置に配する
ので、ぼけることなく視野角依存性を向上できる。
載の前記液晶表示装置と、その液晶表示装置に表示され
た映像を観察者の眼球に投影する接眼光学系と、前記液
晶表示装置及び前記接眼光学系を観察者の眼球直前に位
置させる頭部装着手段とを備えたことを特徴とする頭部
搭載型映像表示装置である。このような表示装置によっ
て、視野角の広い映像表示素子を用いることによって広
画角な頭部搭載型映像表示装置においても、コントラス
トの反転や視認性の悪化などによる臨場感の低下を回避
できる。頭部搭載型映像表示装置においては、眼幅や頭
部の大きさなど個人差があり、装着状態が悪かったりし
て表示系が正しい位置に位置していないケースが多々あ
り、そういう場合、映像が画面全体に渡って良好なコン
トラストを保てなくなる。これは、液晶表示装置の視野
角が小さいとそのような現象が起きやすくなる。よって
上記の視野角の大きい液晶表示装置を用いれば、そのよ
うな現象は起きにくくなる。また、頭部搭載型映像表示
装置の接眼光学系の設計において、表示素子の周辺から
発する光線はどうしても収差が発生し易いが、上記の液
晶表示装置を用いることによって1画素から出てくる光
束は広範囲な角度に渡り一様なので、設計段階で収差な
どの観点から設計の自由度が増す。
たタイプの液晶表示装置のみに限定されるものではな
く、他の公知の液晶表示装置についても適用可能であ
る。
発明は、液晶表示装置の表示コントラストを低下させる
ことなく、視野角を大きくできるという長所を有する。
置の略示構成図である。
ルの動作状態を説明する図である。
置の略示構成図である。
である。
の作用を説明する図である。
にした場合の作用を説明する図である。
である。
置の略示断面図である。
である。
装置に用いる光ファイバープレートの2つの例を示す斜
視図である。
を示す図、同図(b)は、上記第4の実施の形態におけ
る光ファイバーの構造を示す図である。
装置に用いる光ファイバーの構造を示す図である。
装置の開口数増加部材を示す斜視図である。
装置の略示構成図である。
る。
る図である。
間隔を大きくした場合の作用を説明する図である。
用を説明する図である。
間隔を大きくした場合の作用を説明する図である。
した場合の見え方を説明する図である。
図である。
図である。
図である。
図である。
説明する図である。
図である。
装置の略示構成図である。
形態の映像表示装置の外観図、同図(b)は、その略示
構成図である。
る図である。
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 略平行な光束を発生する照明手段と、そ
の照明手段から光束を入射され映像を表示する液晶表示
素子と、その液晶表示素子から出射される映像光束の光
路上の、前記液晶表示素子の近傍に配置され、前記映像
光束を拡散するための開口数増加部材とを備え、前記開
口数増加部材は、光ファイバを長さ方向に対して垂直な
方向に束ねてプレート状にしたもので、各々の光ファイ
バの内部の反射境界面が凸凹形状であることを特徴とす
る液晶表示装置。 - 【請求項2】 略平行な光束を発生する照明手段と、そ
の照明手段から光束を入射され映像を表示する液晶表示
素子と、その液晶表示素子から出射される映像光束の光
路上の、前記液晶表示素子の近傍に配置され、前記映像
光束を拡散するための少なくとも2つ以上の開口数増加
面とを備えていることを特徴とする液晶表示装置。 - 【請求項3】 前記請求項1または2の前記液晶表示装
置と、その液晶表示装置に表示された映像を観察者の眼
球に投影する接眼光学系と、前記液晶表示装置及び前記
接眼光学系を観察者の眼球直前に位置させる頭部装着手
段とを備えたことを特徴とする頭部搭載型映像表示装
置。
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