JP4438040B2 - 画像表示系、画像表示装置、画像表示システムおよび機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
【0002】
本発明は、ヘッドマウントディスプレイ等の画像表示装置や画像表示機能を有する機器に好適な画像表示系に関するものである。
【0003】
【従来の技術】
ヘッドマウントディスプレイ等の画像表示装置においては、装置全体を小型化するための光学系が種々提案されている。例えば、特開平7−333551号公報においては、すべて回転非対称の第1、第2および第3の面で構成されるプリズム形状を有し、1つの対称面に対して対称形状に形成された光学素子を用いて、液晶ディスプレイ等の画像表示素子の表示面の画像を拡大像として観察させる画像表示装置が提案されている。
【0004】
このプリズム形状の光学素子を用いることにより、非常にコンパクトでかつ簡単な構成で、像の歪み(ディストーション)、像面湾曲、非点収差を良好に補正し、表示面に対してテレセントリック条件を満たしている。
【0005】
ところで、従来の画像表示装置においては、画像表示素子として透過型の液晶ディスプレイを用いているが、透過型液晶ディスプレイは画素開口が小さいので画像が粗く、画質が若干良くないという欠点を有している。
【0006】
一方、近年では、ビデオやTVなどの動画の他に、パソコンやDVDから出力される高精細の画像を表示させることができる画像表示装置が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような現状に対して、画素開口が大きくできる反射型液晶ディスプレイを用いて、高精細な画像を表示できるようにすることが考えられている。
【0008】
現在提案されている反射型液晶ディスプレイを用いた画像表示装置としては、例えば特開平11‐125791号公報にて提案されているものがある。この中では、本願図26に示すように、光源112からの照明光113を光学素子を介することなく直接、反射型液晶ディスプレイ108に照射し、この液晶ディスプレイ108の画像をプリズム形状の光学素子110によって虚像として拡大表示して、観察者の眼(101)に導く構成が提案されている。
【0009】
しかしながら、上記図26の例においては、反射型液晶ディスプレイ108を照明する光源112からの光線を直接液晶ディスプレイ108に照射するために、照明光113と液晶ディスプレイ108の光軸とのなす角γが大きくなる。このため、装置全体が大型化してしまうという問題がある。
【0010】
さらに、液晶ディスプレイ108が光学素子110に対して大きく傾くので、光学素子110と液晶ディスプレイ108との距離が場所によって異なり、光学性能が低下するという問題がある。
【0011】
また、別の例として本願図27に示すように、プリズム形状の光学素子110に対して液晶ディスプレイ108の反対の側に光源112を設け、光源112からの照明光113を光学素子110内を通して液晶ディスプレイ108に照射し、液晶ディスプレイ108で反射した画像光が再び光学素子110内を通って観察者の眼(101)に導かれる構成が提案されている。
【0012】
しかしながら、このような画像表示装置では、照明光113の一部がプリズム形状の光学素子110の各面で反射され、液晶ディスプレイ108を照明しない光も観察者の眼に入ってしまう。このため、不要なフレアが発生するという問題がある。
【0013】
さらに、上記図26,27で示した画像表示装置では、光源112からの照明光113を液晶ディスプレイ108に直接又は光学素子110内を通して照射しているため、照明光が不均一、低輝度となり易く効率的ではない。
【0014】
そこで、本発明は、極めてシンプルな構成でありながら、画像表示素子を効率良く照明でき、良好な画像観察が可能な画像表示系を提供することを目的としている。
【0015】
本発明の一側面としての画像表示装置は、光源と、該光源から発した光の光量分布を均一化する均一化素子と、該均一化素子から射出した光を屈折させるプリズム列を備えるプリズムシートと、該プリズムシートを射出した光が入射する照明光学素子と、該照明光学素子を射出した光を反射する反射型画像表示素子と、該反射型画像表示素子で反射した光を観察者へ導く観察光学素子とを有する画像表示装置であって、前記均一化素子は第1の反射板と第2の反射板を有し、前記第2の反射板における前記第1の反射板側に配置された前記光源から発した光を前記第1の反射板と前記第2の反射板により反射することによって光量分布を均一化しており、前記第1の反射板と前記第2の反射板は15°以上60°以下の角度で組み合わされることによって、前記プリズムシートに入射する光のうち、前記プリズムシートへの入射角θが40°以上50°以下の光線の分布を最大化しており、前記照明光学素子は、前記プリズムシートを射出した光が入射する第1の面と、前記反射型画像表示素子に向けて光を射出する第2の面と、前記第1の面から入射した光を前記第2の面に向けて反射する第3の面を有しており、前記反射型画像表示素子で反射した光は、前記照明光学素子の前記第2の面と前記第3の面を透過して前記観察光学素子に入射しており、前記観察光学素子は、前記照明光学素子の前記第3の面から射出した光を透過させる第1の光学作用面と、該第1の光学作用面を透過した光を反射する第2の光学作用面と、該第2の光学作用面で反射した光を、該第2の光学作用面を透過させて観察者へ導くように反射する第3の光学作用面とを有し、これらの光学作用面のうち少なくとも1つは回転非対称面であって、前記プリズムシートから射出した光が前記反射型画像表示素子に照射されるまでの光路の空気換算長をs、前記プリズムシートへの光の入射角をθ、前記プリズム列の頂角をα、前記プリズムシートから射出した光の射出角をθ′、前記プリズムシートの屈折率をnp 、前記反射型画像表示素子の辺の長さをLとしたとき、40°以上50°以下のθについて、
|s・tan θ′|<1.75L/2 …(1)
但し、θ′≡Δ−sin-1[np・sin{Δ−sin-1(sinθ/np)}]
Δ≡π/2−α/2
なる条件を満足することを特徴とする。
【0016】
これにより、小型の光源を用いる場合でも、反射型画像表示素子を効率良く照明することが可能となり、明るい画像を表示させることが可能となる。
【0017】
ここで、光源からの照明光を効率的に用いるためには、sが小さい場合(例えば、プリズムシートが反射型画像表示素子に近接している場合)には、
|s・tan θ′|<L/2 …(2)
を満足すれば、全照明光線を反射型画像表示素子に導くことも可能と考えられるが、sがある程度の大きさとなるような場合(例えば、プリズムシートから射出した照明光を照明光学素子内で反射させて反射型画像表示素子に導くような場合)にはすべてのプリズムシート入射角の光線に対して上記(2)式を満足させることは不可能であるため、上記(1)式を満足するようにして、比較的、効率良く光源からの照明光を反射型画像表示素子に導けるようにしている。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1には、本発明の第1実施形態であるヘッドマウントディスプレイ(画像表示系を備えた画像表示装置)の構成を示している。この図において、1はRGBの光(照明光)を発する光源、2は照明ユニット、3は第1の偏光板、4は照明プリズム(照明光学素子)、5は画像表示素子としての反射型液晶ディスプレイパネル(以下、単にディスプレイパネルという)、6は第2の偏光板、7はプリズムレンズ(観察光学系を構成する光学素子)、8は観察者の眼である。
【0024】
光源1から発せられた光は照明ユニット2により所定の角度で射出され、第1の偏光板3を通り、照明プリズム4の第1の面9を透過して、第3の面10で反射し、第2の面11を透過した後ディスプレイパネル5に入射し、このディスプレイパネル5を照明する。
【0025】
ディスプレイパネル5は、不図示のテレビ、ビデオ、パソコン又はDVDプレーヤー等の画像情報供給装置から供給された画像情報に応じて液晶層が駆動され、この液晶層を透過した光が液晶層の背面に設けられた反射層にて反射し、画像光として射出する。
【0026】
ディスプレイパネル5から射出した画像光は、照明プリズム4の第2の面11に入射し、第3の面10を透過して照明プリズム4から射出する。そして、画像光は、第2の偏光板6を通り、プリズムレンズ7の第1の面12に入射する。
【0027】
ここで照明プリズム4は、プリズムレンズ7とディスプレイパネル5との間に配置され、プリズムレンズ7側の透過面(第3の面)10とディスプレイパネル5側の透過面(第2の面)11とが所定の角度となるように構成されている。この照明プリズム4における面10,11の間において、照明光と画像光は一部同じ領域を通っている。
【0028】
プリズムレンズ7は3つの光学作用面から構成されている。ディスプレイパネル5で反射されて照明プリズム4を透過した画像光は、プリズムレンズ7の第1の面12を透過し、第2および第3の面13,14で反射し、さらに第2の面13を透過した後、観察者の眼8に至る。
【0029】
次に、上記照明ユニット2の構成について、図2および図3を用いて詳しく説明する。この図において、15は光源1からの光を照明ユニット2内に向けて反射するリフレクタ、16は第1の反射板、17は第2の反射板、18はプリズムシートである。なお、第1および第2の反射板16,17により請求の範囲にいう均一化素子が構成される。
【0030】
第1の反射板16と第2の反射板17とは、15°以上60°以下の角度で組み合わされており、この組み合わせ箇所の近傍、具体的には第2の反射板17における第1の反射板16側に光源1およびリフレクタ15が配置されている。
【0031】
なお、第1および2の反射板16,17の内側の面19,20はそれぞれ、完全反射面である鏡面になっている。
【0032】
プリズムシート18は、上記第1および第2の反射板16,17にそれぞれ所定の角度をもって対向しており、プリズムシート18における両反射板16,17(つまりは光源1)とは反対側の面にはプリズム列が形成されている。プリズム列を構成する各プリズム部分は、その頂角が45°に形成されている。
【0033】
ここで本実施形態では、プリズムシート18から射出した照明光がディスプレイパネル5(画像表示素子)に照射されるまでの光路(すなわち、プリズムシート18から射出した照明光が照明プリズム4の第1の面9に入射し、第3の面10で反射し、第2の面から射出してディスプレイパネル5に入射するまでの光路)の空気換算長をsとし、プリズムシート18への照明光の入射角をθとし、プリズム列の頂角をαとし、プリズムシート18からの照明光の射出角をθ′とし、プリズムシート18の屈折率をnp とし、ディスプレイパネル5の辺の長さをLとしたとき、40°以上50°以下のθについて、上記式(1)を満足している。
【0034】
式(1)は、プリズムシート18から射出した照明光線が、照明プリズム4を通じてディスプレイパネル5を照明するときに、照明光線がディスプレイパネル5を効率的に照明するための条件式である。
【0035】
これを模式的に示したのが図3である。すなわち、式(1)は、照明プリズム4を空気換算した長さsにおいて、プリズムシート18からθ′の角度で射出される光線のうちディスプレイパネル5を照明するのに有効な光線が満たす条件式である。
【0036】
光源1からの照明光を効率的に用いるためには、sが小さい場合には、上記式(2)を満足すれば、全照明光線をディスプレイパネル5に導くことも可能と考えられるが、本実施形態のように、照明プリズム4内での反射を介するためにsがある程度の大きさとなるような場合には、プリズムシート18に入射する様々な入射角を有する全ての光線に対して上記(2)式を満足させることは不可能である。そこで、本実施形態では、ディスプレイパネル5を照明するのに有効な光線が上記(1)式を満足するようにして、比較的、効率良く光源1からの照明光をディスプレイパネル5に導けるようにしている。
【0037】
式(1)を満たすとき、光線はディスプレイパネル5の各辺が1.75倍された長方形の領域を照明し、面積ではディスプレイパネル5の3倍(=1.75×1.75)の範囲を照明するので、比較的効率よくディスプレイパネル5を照明できる。
【0038】
このように照明領域の面積をディスプレイパネル5の面積の3倍以下となるようにしたのは、パネル5の有効表示部が小さい小型パネル(たとえば0.24" パネル)を使用した場合などに、照明領域の面積をディスプレイパネル5の面積とほぼ同じ程度まで小さくすることは現実的に困難だからである。すなわち、式(1)を満足するように照明領域の面積をディスプレイパネル5の3倍以下の面積にすれば、たとえ小型パネルを使用したとしても、光源から発せられる光の33%以上がディスプレイパネル5に導かれることになるので、このように簡素な構成の照明ユニットとしては比較的効率的に照明を行うことができる。
【0039】
なお、sおよびθ′が式(1)の上限を超える領域では、プリズムシート18から射出される光線は、ディスプレイパネル5(特に、パネル5中の画像表示範囲)から大きく外れた位置に導かれ、ディスプレイパネル5の照明光線として有効なものとして扱えない。
【0040】
また、本実施形態において、プリズムシート18への入射角θが40°以上50°以下の光線について式(1)を満足するように構成している理由について説明する。
【0041】
光源1から射出される光線を図4(A)に示すように5°間隔でトレースし、プリズムシート18への入射角の分布を求めると、図4(B)に示すように、プリズムシート18への入射角θが40°以上50°以下の光線が最も多いことがわかる。このため、本実施形態では、この範囲の入射角の光線に対して、式(1)を満足させるようにすることにより、上記式(1)を満足する中で最も効率良くディスプレイパネル5を照明できるようにしている。
【0042】
以上の条件下における照明光線のプリズムシート18への入射角θと照明範囲s・tan θ′と、1.75L/2との関係を示したのが図5である。
【0043】
次に、第1および第2の反射板16,17により構成される均一化素子の光学作用について図6を用いて説明する。
【0044】
光源1から発せられた照明光は、プリズムシート18に直接入射して所定の角度で射出される光線と、第1の反射板16で反射した後さらに第2の反射板17にて反射してプリズムシート18に導かれ所定の角度で射出される光線とに分けられる。この2種類の光線に分かれることによって(特に、後者の多重反射光線が多く存在することにより)、図4(A)に示すように、光源1から発せられた照明光線がほぼ均一化されてプリズムシート18に入射することになる。
【0045】
本実施形態において、第1の反射板16と第2の反射板17とを15°以上60°以下の角度に組み合わせているのは、これら反射板16,17のなす角度が15°未満となると、両反射板16,17を大きくする必要があり、照明ユニット2全体が大型化してしまい、また両反射板16,17のなす角度が60°を超えると、光源1から出てプリズムシート18に直接入射する光線が増えて両反射板16,17にて多重反射する光線が減ってしまい、プリズムシート18に入射する照明光線が十分均一にならないためである。
【0046】
また、本実施形態のプリズムレンズ7は、上記3つの光学作用面12,13,14(つまりは、少なくとも2つの反射面13,14と2つの透過面12,13を有する光学素子)としたことによって、観察光学系の小型化を可能にしている。さらに、上記光学作用面を回転非対称形状の自由曲面に形成することにより、画像の歪み等の諸収差を良好に補正している。
【0047】
(第2実施形態)
図7には、本発明の第2実施形態であるヘッドマウントディスプレイに用いられる照明ユニットの構成を示している。なお、本実施形態において第1実施形態と共通する構成要素には同符号を付す。また、図7には示さないが、照明プリズム4、ディスプレイパネル5、プリズムレンズ7および偏光板3,6は第1実施形態と同じものが用いられている。
【0048】
本実施形態では、照明ユニットの内部、すなわち第1および第2の反射板16,17およびプリズムシート18によって囲まれる空間内に導光板21(導光素子)を配置している。
【0049】
導光板21の2つの面22,23はそれぞれ、第1の反射板16および第2の反射板17に沿うように形成されており、導光板21のもう1つの面24はプリズムシート18に沿うように形成されている。また、第1、2の反射板16,17の内側の面25,26は第1実施形態と同様に完全反射面である鏡面として形成されている。
【0050】
本実施形態においては、図8に示すように、光源1から発せられた光線はまず導光板21に入射する。導光板21に入射した光線のうち一部の光線は導光板21をそのまま透過してプリズムシート18に入射し、プリズムシート18から所定の角度で射出される。一方、他の光線は導光板21の中を多重反射しながら進んだ後、導光板21から射出して第1の反射板16又は第2の反射板17で反射し、再び導光板21に入射する。そして、導光板21内での多重反射および第1、第2の反射板16,17での反射を繰り返して面24から射出し、プリズムシート18に入射した光線は、プリズムシート18から所定の角度で射出する。
【0051】
本実施形態のように照明ユニット内に導光板21を配置し、光源1からの照明光線に導光板21内での多重反射および第1、2の反射板16,17での反射を繰り返えさせることにより、第1実施形態のものに比べて照明光線の均一化がより確実に行われる。
【0052】
本実施形態においても、プリズムシート18は、第1および第2の反射板16,17にそれぞれ所定の角度をもって対向しており、プリズムシート18における両反射板16,17(つまりは光源1)とは反対側の面にはプリズム列が形成されている。プリズム列を構成する各プリズム部分は、その頂角が45°に形成されている。
【0053】
そして、本実施形態でも、プリズムシート18から射出した照明光が画像表示素子に照射されるまでの光路(すなわち、プリズムシート18から射出した照明光が照明プリズム4の第1の面9に入射し、第3の面10で反射し、第2の面から射出してディスプレイパネル5に入射するまでの光路)の空気換算長をsとし、プリズムシート18への照明光の入射角をθとし、プリズム列の頂角をαとし、プリズムシート18からの照明光の射出角をθ′とし、プリズムシート18の屈折率をnp とし、ディスプレイパネル5の辺の長さをLとしたとき、40°以上50°以下のθについて、上記式(1)を満足している。
【0054】
すなわち、第1実施形態と同様に、ディスプレイパネル5を照明するのに有効な光線が上記(1)式を満足するようにして、比較的、効率良く光源1からの照明光をディスプレイパネル5に導けるようにしている。
【0055】
さらに、本実施形態において、光源1から射出された照明光線のプリズムシート18への入射角分布は、図4(B)に示した分布とほぼ同様になる。このため本実施形態においても、プリズムシート18への入射角θが40°以上50°以下の光線について式(1)を満足するように構成し、上記式(1)を満足する中で最も効率良くディスプレイパネル5を照明できるようにしている。
【0056】
また、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、第1の反射板16と第2の反射板17とを15°以上60°以下の角度に組み合わせるようにし、照明ユニット2全体が大型化しないようにするとともに、プリズムシート18に入射する照明光線の十分な均一化を図っている。
【0057】
(第3実施形態)
図9には、本発明の第3実施形態であるヘッドマウントディスプレイに用いられる照明ユニットの構成を示している。なお、本実施形態において第1および第2実施形態と共通する構成要素には同符号を付す。また、図9には示さないが、照明プリズム4、ディスプレイパネル5、プリズムレンズ7および偏光板3,6は第1実施形態と同じものが用いられている。
【0058】
本実施形態では、第2実施形態と同様に、照明ユニットの内部、すなわち第1および第2の反射板16,17およびプリズムシート18によって囲まれる空間内に導光板21を配置するとともに、第1の反射板16′の内側の面に光拡散反射面を形成し、第2の反射板17の内側の面に完全反射面である鏡面を形成している。
【0059】
本実施形態においては、光源1から発せられた光線はまず導光板21に入射する。導光板21に入射した光線のうち一部の光線は導光板21をそのまま透過してプリズムシート18に入射し、プリズムシート18から所定の角度で射出される。一方、他の光線は導光板21の中を多重反射しながら進んだ後、導光板21から射出して第1の反射板16の拡散反射面で拡散反射したり第2の反射板17で完全反射したりして、再び導光板21に入射し、導光板21内での多重反射および第1、2の反射板16,17での拡散反射又は完全反射を繰り返す。そして、導光板21の面24から射出した光線はプリズムシート18に入射し、プリズムシート18から所定の角度で射出する。
【0060】
本実施形態のように照明ユニット内に導光板21を配置し、さらに第1の反射板16′に拡散反射面を設け、光源1からの照明光線に導光板21内での多重反射および第1、2の反射板16′,17での拡散反射又は完全反射を繰り返えさせることにより、第1および第2実施形態のものに比べて照明光線の均一化がより確実に行われる。
【0061】
本実施形態においても、プリズムシート18は、第1,第2の反射板16′,17にそれぞれ所定の角度をもって対向しており、プリズムシート18における両反射板16′,17(つまりは光源1)とは反対側の面にはプリズム列が形成されている。プリズム列を構成する各プリズム部分は、その頂角が45°に形成されている。
【0062】
そして、本実施形態でも、プリズムシート18から射出した照明光が画像表示素子に照射されるまでの光路(すなわち、プリズムシート18から射出した照明光が照明プリズム4の第1の面9に入射し、第3の面10で反射し、第2の面から射出してディスプレイパネル5に入射するまでの光路)の空気換算長をsとし、プリズムシート18への照明光の入射角をθとし、プリズム列の頂角をαとし、プリズムシート18からの照明光の射出角をθ′とし、プリズムシート18の屈折率をnp とし、ディスプレイパネル5の辺の長さをLとしたとき、40°以上50°以下のθについて、上記式(1)を満足している。
【0063】
すなわち、第1実施形態と同様に、ディスプレイパネル5を照明するのに有効な光線が上記(1)式を満足するようにして、比較的、効率良く光源1からの照明光をディスプレイパネル5に導けるようにしている。
【0064】
さらに、本実施形態において、光源1から射出された照明光線のプリズムシート18への入射角分布は、図4(B)に示した分布とほぼ同様になる。このため本実施形態においても、プリズムシート18への入射角θが40°以上50°以下の光線について式(1)を満足するように構成し、上記式(1)を満足する中で最も効率良くディスプレイパネル5を照明できるようにしている。
【0065】
また、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、第1の反射板16′と第2の反射板17とを15°以上60°以下の角度に組み合わせるようにし、照明ユニット2全体が大型化しないようにするとともに、プリズムシート18に入射する照明光線の十分な均一化を図っている。
【0066】
(第1〜第3実施形態の共通事項)
上記第1〜第3実施形態において、第1の偏光板3は照明プリズム4の第1の面9の近傍、すなわちディスプレイパネル5に対して入射側に配置されている。また、第2の偏光板6は照明プリズム4の第2の面10の近傍、すなわちディスプレイパネル5に対して射出側に配置されている。
【0067】
図11に詳しく示すように、光源1からの無偏光の照明光27は、第1の偏光板3を通過する際に第1の偏光方向に揃えられた偏光光28となり、照明プリズム4の第1の面9に入射する。そして、照明プリズム4の第3の面10で反射し、第2の面11を透過してディスプレイパネル5に入射する。
【0068】
なお、図11において矢印記号は第2の面10に対してS偏光およびP偏光のうち一方の状態を、丸囲みの・印は他方の状態を表す。
【0069】
ディスプレイパネル5に入射した偏光光29のうちディスプレイパネル5で第1の偏光方向に対して90°の変調を受けた画像光は第2の偏光板6を透過し、変調を受けない光は第2の偏光板6で吸収される。これにより、不要な光がカットされた状態で画像光がプリズムレンズ7内に入射する。
【0070】
以上が第1から第3実施形態のヘッドマウントディスプレイにおける主たる構成および光学的作用であるが、各実施形態では、照明プリズム4およびプリズムレンズ7の各面に反射防止膜を形成し、各面での光の反射を防止してフレアやゴーストの発生を防止している。
【0071】
また、上記各実施形態では、第1,2の偏光板3,6をそれぞれ1mm以上、ディスプレイパネル5から離して配置している。これにより、図12に示すように、太陽光30が眼側から入射しても、各偏光板3,6上に焦点を結ばないようになっている。このため、太陽光による各偏光板3,6の劣化が防止される。
【0072】
また、上記各実施形態では、図13に示すように、照明プリズム4の第2の面10で反射する照明光の入射角をφとし、照明プリズム4の屈折率をnとしたときに、
sinφ≧1/n …(3)
を満足するように設定し、全反射条件を満たしている。これにより、反射率を100%として効果的にディスプレイパネル5を照明することが可能となる。
【0073】
上記各実施形態の照明プリズム4は、屈折率が1.52の硝子材を用いているので、第2の面10で反射する照明光の入射角φは、φ≧41.1を満足すればよい。
【0074】
なお、図14に示すように、照明プリズム4の第3の面10での照明光の反射角φ1〜φ3が第3の面10上の位置により異なる場合には、最小の入射角φ1の光線の反射率が、
R≧0.5 …(4)
を満足するように構成すればよい。
【0075】
ここで、図28に示すように、光線の射出角をφ′とすると、スネルの法則から、
n・sin φ=sin φ′ …(5)
が成り立つ。そして、このφ′を用いて、強度の反射率Rの図28の紙面に対して平行な偏光成分(P偏光)Rpと、上記紙面に垂直な偏光成分(S偏光)Rsは次のように表される。
【0076】
【数1】
…(6)
屈折率を1.52とすると、入射角と反射率の関係は図29で示され、この反射率が50%以上となるように照明プリズム4の第3の面10での入射角度を決めればよい。
【0077】
また、図15に示すように、照明プリズム4の第3の面10で反射する照明光の偏光方向を、図15に示すようにS偏光とすれば、光線の反射率をP偏光よりも高くでき、照明プリズム4の第3の面10での照明光の入射角度の許容範囲を広くすることができる。
【0078】
また、照明プリズム4の第3の面10のうち照明光の入射角に対する反射率Rが、
R≧0.9 …(7)
を満たさない領域に反射膜を形成することにより、照明プリズム4で反射する光の入射角の範囲を広くすることができる。
【0079】
また、上記各実施形態では、照明プリズム4として複屈折性の低い光学ガラスを使用しているため、照明プリズム4内で偏光の旋回が発生しない。
【0080】
なお、照明プリズム4を安価に製造するために、この照明プリズム4にレンズ作用を持たせるときは、成形による製作が望ましい。そしてこの場合(特に、複屈折性が残存する場合)、照明プリズム4に入射した偏光光がプリズムレンズ7を射出した後、あるいは第2の偏光板6を射出した後において、ディスプレイパネル5が白を表示したときと黒を表示したときの光の強度比が50:1以上になっていれば実用上問題はない。
【0081】
さらに、上記各実施形態では、ディスプレイパネル5は不図示の保持部材を介して照明プリズム4に対し固定されており、さらにディスプレイパネル5は照明プリズム4と一体でプリズムレンズ7に対し位置調整できるようになっている。
【0082】
これにより、ディスプレイパネル5と照明プリズム4との光学的配置を変えることなくプリズムレンズ7に対して位置調整することができ、光学性能の変化を生じさせずに最適な各要素の配置を得ることができる。
【0083】
また、上記第1から第3実施形態では、ディスプレイパネル5はRGBの各色画像が時間順次(フィールドシーケンシャル)で切替え表示されるようになっており、各色画像の切り替えタイミングに同期してディスプレイパネル5に入射する照明光の色を切り替えることによりカラー画像を表示する。
【0084】
具体的には、ディスプレイパネル5として、シリコン基盤にTN液晶を封入した液晶ディスプレイパネルを用い、高速で画像表示切替えを行えるようにしている。
【0085】
また、同様に高速で駆動することができる、強誘電液晶を用いた液晶ディスプレイパネルや、微小なミラーアレイを駆動するミラーパネルを用いてもよい。なお、ミラーパネルを用いる場合には、偏光板3,6は不要となる。
【0086】
一方、照明光の色切替えは、例えば、光源1に対して回転可能で回転位置に応じてRGBの各色成分光を選択的に透過させるフィルタを用いたり、分子配向を電気的に変更可能な異方性材料により回折パターンを挟み込んで作ったフィルタを用いてRGBの各色成分光の透過方向を選択的に照明プリズム4の方向としたりすることにより行う。
【0087】
また、光源1としてそれぞれRGBの各色光を発する3つの光源を設け、これら各光源の発光の時間順次切り替えを行うようにしてもよい。
【0088】
(第4実施形態)
図16には、本発明の第4実施形態であるヘッドマウントディスプレイの構成を示している。なお、本実施形態において第1〜第3実施形態と共通する構成要素には同符号を付す。また、照明ユニット2、照明プリズム4、ディスプレイパネル5、プリズムレンズ7および偏光板3,6は上記各実施形態と同じものが用いられている。
【0089】
本実施形態では、第1の偏光板3を透過した偏光光をそのままの偏光状態でディスプレイパネル5に入射させるのではなく、照明プリズム4とディスプレイパネル5との間に位相板30を配置し、照明光の偏光方向をディスプレイパネル5に最適な偏光方向に変換するようにしている。
【0090】
(第5実施形態)
図17には、本発明の第5実施形態であるヘッドマウントディスプレイにおけるディスプレイパネルの照明系の構成を示している。なお、本実施形態において第1〜第3実施形態と共通する構成要素には同符号を付す。また、照明ユニット2、照明プリズム4、ディスプレイパネル5、プリズムレンズ7および偏光板3,6は上記各実施形態と同じものが用いられている。
【0091】
本実施形態では、照明プリズム4の第3の面10のうち照明光の入射角に対する反射率Rが、
R≧0.9 …(7)
を満たさない領域に反射膜31を形成している。これにより、照明プリズム4で反射する光の入射角の範囲を広くすることができる。
【0092】
(第6実施形態)
図18には、本発明の第6実施形態であるヘッドマウントディスプレイの構成を示している。なお、本実施形態において第1〜第3実施形態と共通する構成要素には同符号を付す。また、照明ユニット2、照明プリズム4、ディスプレイパネル5、プリズムレンズ7および偏光板3,6は上記各実施形態と同じものが用いられている。
【0093】
本実施形態では、第2の偏光板6とプリズムレンズ7との間に、1/4位相板32を配置している。
【0094】
この場合、ディスプレイパネル5から射出して照明プリズム4を透過した画像光は、第2の偏光板6を透過して直線偏光の光となった後、1/4位相板32によって円偏光もしくは楕円偏光になってプリズムレンズ7に入射する。これにより、プリズムレンズ7に入射する光が直線偏光ではなくなるため、プリズムレンズ7の内部での複屈折の影響が少なくなり、好ましい。
【0095】
(第7実施形態)
図19には、本発明の第7実施形態であるヘッドマウントディスプレイに用いられる照明プリズムの構成を示している。
【0096】
本実施形態では、照明プリズム4の光学作用面以外の部分(側面33)を拡散面とし、この拡散面に光吸収性を有する塗料、例えば黒色塗料を塗布している。
【0097】
これにより、照明プリズム4の側面33での不要光の乱反射を防止することができ、フレアやゴーストの発生を防止することができる。
【0098】
(第8実施形態)
図20には、本発明の第8実施形態であるヘッドマウントディスプレイに用いられる照明プリズムの構成を示している。
【0099】
本実施形態では、照明プリズム4の光学作用面以外の部分(側面34)を研磨面とし、この研磨面に反射防止膜を形成している。これにより、照明プリズム4の側面34に入射した不要光をそのまま透過させて乱反射を防止することができ、フレアやゴーストの発生を防止することができる。
【0100】
(第9実施形態)
図21には、本発明の第9実施形態であるヘッドマウントディスプレイの構成を示している。なお、本実施形態において第1〜第3実施形態と共通する構成要素には同符号を付す。
【0101】
第1〜第8実施形態では、照明プリズム4における照明光の入射側および画像光の射出側にそれぞれ偏光板3,6を配置した場合について説明したが、本実施形態では、照明プリズム4とディスプレイパネル5との間にのみ偏光板35を配置している。
【0102】
この場合、照明プリズム4からディスプレイパネル5に向かって射出した照明光は偏光板35によって所定の偏光方向に揃えられてディスプレイパネル5に入射する。
【0103】
また、ディスプレイパネル5にて反射して照明プリズム4に向かって射出した照明光は、偏光板35によって上記所定の偏光方向と同じ偏光方向に揃えられて照明プリズム4に入射する。
【0104】
以上説明した第1〜第9実施形態のヘッドマウントディスプレイは、図22に示すように、光源1、ディスプレイパネル5、第1,2の偏光板3,6(第9実施形態では偏光板35)および照明プリズム4が、プリズムレンズ7および観察者の左右の眼8の高さよりも上に位置するように、全体が縦方向にレイアウトされる。
【0105】
そして、このヘッドマウントディスプレイは、不図示のビデオやテレビ、パソコン、DVDプレーヤー等の画像情報供給装置に接続され、画像表示システムを構成する。画像情報供給装置からこのヘッドマウントディスプレイに画像情報が供給されると、その画像がディスプレイパネル5に表示され、プリズムレンズ7により拡大された画像が観察者により観察される。
【0106】
なお、図23に示すように、光源1、ディスプレイパネル5、第1,2の偏光板3,6および照明プリズム4が、プリズムレンズ7および観察者の眼8の高さと同じ高さに位置するようなレイアウトを採ってもよい。
【0107】
(数値実施例)
次に、本発明の数値実施例を示す。本実施例では、光学系が偏心面で構成されているので、光学系の形状を表すために絶対座標系とローカル座標系とを設定する。図24は絶対座標系とローカル座標系の説明図である。これについて説明する。
【0108】
絶対座標系の原点は、観察者の望ましき瞳孔位置の中心Oに設定し、Z軸は点Oを通り瞳孔面に垂直な直線であって光学系の対称面(図の紙面)上にある。Y軸は原点Oを通り上記対称面上でZ軸に対して反時計回りに90°の角度をなす直線である。X軸は原点Oを通り、Y,Z軸に対して直交する直線である。
【0109】
ローカル座標の原点Oiは、絶対座標(dXi ,dYi ,dZi )で 、各面Si毎に設定する。ローカル座標のZ軸は、YZ平面内で原点Oiを通り、絶対座標系のZ軸と角度Tilt iをなす直線である。ここで角度Tilt iは、ローカル座標のZ軸が、原点Oiを通り絶対座標系のZ軸に平行な直線に対して反時計回り方向の角度をなすときに正とする。
【0110】
ローカル座標のY軸は、原点Oiを通りローカル座標のZ軸に対して反時計回りに90°の角度をなす直線である。ローカル座標のX軸は原点Oiを通り、ローカル座標のY軸及びZ軸に直交する直線である。
【0111】
各面の形状はローカル座標で表す。上記各実施形態において光学作用面の形状は、2次曲面を表す形状関数にゼルニケ多項式による非球面を有する形状をしており、以下に示す関数により表す。
【0112】
ここで、r は各面の基本曲率半径であり、c はc=1/rである。また、ciは各面におけるi 番目のゼルニケ多項式の非球面係数である。
【0113】
表1は、図22に示した実施形態の構成データであり、図22に示したレイアウトのように配置して使用する形態のものである。
【0114】
ここで、Si(i= 1〜10)は図24に示すようにプリズムレンズ7の3つの面、照明プリズム4の2つの面、ディスプレイパネル5の像面を示す。また、fはプリズムレンズ7の焦点距離に相当する値で、観察者の眼からの逆トレースにおいて、無限遠物体からの入射光の入射角度βと、その光線がディスプレイパネル5で結像する像高ym から、
f=ym /tan (β)
として算出したものであり、ここでは単に焦点距離と呼ぶこととする。
【0115】
式(1)の数値実施例:
s=8.114mm
α=45°
Δ=1.178rad
np =1.5
L=7.163mm
14.7°<θ′<23.3°
2.136mm <s・tan θ′<3.489mm <1.75L/2(=7.267mm )
式(2)の数値実施例:
sin φ=0.70≧0.66(=1/n)
第1の反射板16と第2の反射板17のなす角度:45°(≧15°,≦60°)
第1の偏光板3の位置:
照明プリズム4の第1の面から0.8mm
ディスプレイパネル5の像面から空気換算長で7.7mm ≧1mm
第2の偏光板6の位置:
照明プリズム4の第2の面から0.5mm
ディスプレイパネル5の像面から空気換算長で3.2mm ≧1mm
表2は、図23に示した実施形態の構成データであり、図23に示したレイアウトのように配置して使用する形態のものである。
【0116】
ここで、Si(i= 1〜10)は図24に示すようにプリズムレンズ7の3つの面、照明プリズム4の2つの面、ディスプレイパネル5の像面を示す。また、fはプリズムレンズ7の焦点距離に相当する値で、観察者の眼からの逆トレースにおいて、無限遠物体からの入射光の入射角度βと、その光線がディスプレイパネル5で結像する像高ym から、
f=ym /tan (β)
として算出したものであり、ここでは単に焦点距離と呼ぶこととする。
【0117】
式(1)の数値実施例:
s=10.261mm
α=45°
Δ=1.178rad
np =1.5
L=9.550mm
14.7°<θ′<23.3°
2.701mm <s・tan θ′<4.413mm <1.75L/2(=8.356mm )
式(2)の数値実施例:
sin φ=0.74≧0.66(=1/n)
第1の反射板16と第2の反射板17のなす角度:45°(≧15°,≦60°)
第1の偏光板3の位置:
照明プリズム4の第1の面から0.8mm
ディスプレイパネル5の像面から空気換算長で9.9mm ≧1mm
第2の偏光板6の位置:
照明プリズム4の第2の面から0.5mm
ディスプレイパネル5の像面から空気換算長で3.9mm ≧1mm
上記第1〜第9実施形態では、反射型液晶ディスプレイパネルを用いたヘッドマウントディスプレイについて説明したが、本発明は透過型液晶ディスプレイパネル等の透過型画像表示素子を用いたヘッドマウントディスプレイにも適用することが可能である。
【0118】
また、本発明は、ヘッドマウントディスプレイ以外の画像表示装置や機器の画像表示系にも適用することが可能である。
【0119】
以下、透過型画像表示素子を用いた画像表示系の構成について説明する。
【0120】
(第10実施形態)
図25(A)には、本発明の第10実施形態である画像表示系の構成を示している。この図において、51はRGBの光(照明光)を発する光源、52は光源51からの照明光を主に後述する第1の反射板56に向けて反射させるリフレクタである。
【0121】
第1の反射板56は光源51に対して所定角度をもって対向している。57は第1の反射板56に所定角度(ここでは、25°:≧15°,≦60°)で組み合わされた第2の反射板である。
【0122】
このように第1の反射板56と第2の反射板57とを15°以上60°以下の角度に組み合わせることにより、両反射板56,57を小型化し、かつ光源51から発せられてプリズムシート58に入射する照明光線を十分に均一化することができる。
【0123】
なお、第1および2の反射板56,57の内側の面はそれぞれ、完全反射面である鏡面になっている。
【0124】
また、光源51およびリフレクタ52は、第1および第2の反射板56,57の組み合わせ箇所の近傍、具体的には第2の反射板57における第1の反射板56側に配置されている。なお、第1および第2の反射板56,57により請求の範囲にいう均一化素子が構成される。
【0125】
58はプリズムシートであり、第2の反射板57に所定角度をもって対向配置されている。このプリズムシート58における両反射板56,57(つまりは光源51)とは反対側の面にはプリズム列が形成されている。プリズム列を構成する各プリズム部分は、その頂角が40°以上50°以下に形成されている。
【0126】
55は透過型液晶ディスプレイパネル(以下、単にディスプレイパネルという)であり、プリズムシート58と平行に配置されている。このディスプレイパネル55は、不図示のテレビ、ビデオ等の画像情報供給装置から供給された画像情報に応じて液晶層が駆動され、この液晶層を透過した照明光が画像光に変換されてディスプレイパネル55から射出することによって画像を表示する。
【0127】
59は上記構成要素を一体的に保持してユニット化するための保持部材である。
【0128】
本実施形態において、光源51から発せられた照明光は、図25(B)に示すように、そのほとんどが第1の反射板56で反射した後さらに第2の反射板57にて反射してプリズムシート58に導かれ、所定の角度で射出される。このように多重反射光線がほとんどを占めるため、光源51から発せられた照明光線がほぼ均一化されてプリズムシート58に入射することになる。
【0129】
ここで本実施形態では、プリズムシート58から射出した照明光がディスプレイパネル55に照射されるまでの光路の空気換算長をsとし、プリズムシート18への照明光の入射角をθとし、プリズム列の頂角をαとし、プリズムシート18からの照明光の射出角をθ′とし、プリズムシート18の屈折率をnp とし、ディスプレイパネルの辺の長さをLとしたとき、40°以上50°以下のθについて、上記式(1)を満足している。
【0130】
しかも、本実施形態の場合、sが小さいため、上記式(2)をも満足している。これにより、第1〜第8実施形態のものに比べて、より効率良くディスプレイパネル55を照明することができる。
【0131】
なお、sおよびθ′が式(1)の上限を超える領域では、プリズムシート58から射出される光線は、ディスプレイパネル55(特に、パネル55中の画像表示範囲)から大きく外れた位置に導かれ、ディスプレイパネル55の照明光線として有効なものとして扱えない。
【0132】
また、本実施形態において、プリズムシート58への入射角θが40°以上50°以下の光線について式(1)を満足するように構成している理由については第1実施形態で述べた理由と同じである。
【0133】
なお、第1の反射面56についてはその内側の面を拡散反射面として、照明光のより均一化を図るようにしてもよい。また、両反射面56,57とプリズムシート58により囲まれる空間に、第2実施形態にて説明したような導光板を配置して、照明光のさらなる均一化を図るようにしてもよい。
【0134】
また、上記第1〜第10実施形態では、光源からの照明光を反射板(均一化素子)により均一化してプリズムシートに入射させる場合について説明したが、本発明は、反射板を用いた均一化素子以外の均一化素子を用いる場合にも適用でき、さらには均一化素子を持たない画像表示系にも適用することができる。但し、導光素子を用いる等して光源からプリズムシートに入射する照明光のうち、プリズムシートへの入射角θが40°以上50°以下の光線の分布が最も多くなるように構成されていることが望ましい。
【0135】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、小型の光源を用いる場合でも、画像表示素子を効率良く照明することができ、明るい画像を表示させることができる。
【0136】
特に、光源からの照明光を均一化素子を通じてプリズムシートに入射させるようにすれば、画像表示素子を均一に照明することができ、ムラのない画像を表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態であるヘッドマウントディスプレイの構成図。
【図2】上記ヘッドマウントディスプレイに用いられる照明ユニットの構成図。
【図3】上記照明ユニットの光学条件を説明する模式図。
【図4】上記照明ユニットの光学作用の説明図。
【図5】上記照明ユニットの光学条件を説明するグラフ図。
【図6】上記照明ユニットの光学作用の説明図。
【図7】本発明の第2実施形態であるヘッドマウントディスプレイに用いられる照明ユニットの構成図。
【図8】上記第2実施形態における照明ユニットの光学作用の説明図。
【図9】本発明の第3実施形態であるヘッドマウントディスプレイに用いられる照明ユニットの構成図。
【図10】上記第3実施形態における照明ユニットの光学作用の説明図。
【図11】上記第1〜第3実施形態の照明系における偏光状態の説明図。
【図12】上記第1〜第3実施形態のヘッドマウントディスプレイにおける偏光板の配置説明図。
【図13】上記第1〜第3実施形態における照明プリズムの反射面における光学条件の説明図。
【図14】上記第1〜第3実施形態における照明プリズムの反射面における光学条件の説明図。
【図15】上記第1〜第3実施形態の照明系における好ましい偏光状態の説明図。
【図16】本発明の第4実施形態であるヘッドマウントディスプレイの構成図。
【図17】本発明の第5実施形態であるヘッドマウントディスプレイにおける照明系の構成図。
【図18】本発明の第6実施形態であるヘッドマウントディスプレイの構成図。
【図19】本発明の第7実施形態であるヘッドマウントディスプレイに用いられる照明プリズムの説明図。
【図20】本発明の第8実施形態であるヘッドマウントディスプレイに用いられる照明プリズムの説明図。
【図21】本発明の第9実施形態であるヘッドマウントディスプレイの構成図。
【図22】上記第1〜第9実施形態のヘッドマウントディスプレイのレイアウト図。
【図23】上記第1〜第9実施形態のヘッドマウントディスプレイの他のレイアウト図。
【図24】絶対座標系とローカル座標系の説明図。
【図25】本発明の第10実施形態である画像表示系の構成図。
【図26】従来のヘッドマウントディスプレイの構成図。
【図27】従来のヘッドマウントディスプレイの構成図。
【図28】スネルの法則の説明図。
【図29】P偏光、S偏光の入射角と反射率との関係を表す図。
【符号の説明】
1,51 光源
2 照明ユニット
3 第1の偏光板
4 照明プリズム
5 反射型液晶ディスプレイパネル
6 第2の偏光板
7 プリズムレンズ
8 観察者の眼
16,17,56,57 反射板
18,58 プリズムシート
21 導光板
30 位相板
31 反射膜
32 1/4位相板
35 偏光板
55 透過型液晶ディスプレイパネル
Claims (5)
- 光源と、該光源から発した光の光量分布を均一化する均一化素子と、該均一化素子から射出した光を屈折させるプリズム列を備えるプリズムシートと、該プリズムシートを射出した光が入射する照明光学素子と、該照明光学素子を射出した光を反射する反射型画像表示素子と、該反射型画像表示素子で反射した光を観察者へ導く観察光学素子とを有する画像表示装置であって、
前記均一化素子は第1の反射板と第2の反射板を有し、前記第2の反射板における前記第1の反射板側に配置された前記光源から発した光を前記第1の反射板と前記第2の反射板により反射することによって光量分布を均一化しており、前記第1の反射板と前記第2の反射板は15°以上60°以下の角度で組み合わされることによって、前記プリズムシートに入射する光のうち、前記プリズムシートへの入射角θが40°以上50°以下の光線の分布を最大化しており、
前記照明光学素子は、前記プリズムシートを射出した光が入射する第1の面と、前記反射型画像表示素子に向けて光を射出する第2の面と、前記第1の面から入射した光を前記第2の面に向けて反射する第3の面を有しており、
前記反射型画像表示素子で反射した光は、前記照明光学素子の前記第2の面と前記第3の面を透過して前記観察光学素子に入射しており、
前記観察光学素子は、前記照明光学素子の前記第3の面から射出した光を透過させる第1の光学作用面と、該第1の光学作用面を透過した光を反射する第2の光学作用面と、該第2の光学作用面で反射した光を、該第2の光学作用面を透過させて観察者へ導くように反射する第3の光学作用面とを有し、これらの光学作用面のうち少なくとも1つは回転非対称面であって、
前記プリズムシートから射出した光が前記反射型画像表示素子に照射されるまでの光路の空気換算長をs、前記プリズムシートへの光の入射角をθ、前記プリズム列の頂角をα、前記プリズムシートから射出した光の射出角をθ′、前記プリズムシートの屈折率をn p 、前記反射型画像表示素子の辺の長さをLとしたとき、40°以上50°以下のθについて、
|s・tan θ′|<1.75L/2
但し、θ′≡Δ−sin-1[np・sin{Δ−sin-1(sinθ/np)}]
Δ≡π/2−α/2
なる条件を満足することを特徴とする画像表示装置。 - 40°以上50°以下のθについて、
|s・tan θ′|<L/2
を満足することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。 - 前記第1の反射板と前記第2の反射板と前記プリズムシートにより囲まれた空間に、内面反射により光量分布を均一化する導光素子を有することを特徴とする請求項1または2に記載の画像表示装置。
- 前記第1の反射板と前記第2の反射板のうち少なくとも一方は拡散反射面を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画像表示装置。
- 請求項1から4のいずれかに記載の画像表示装置と、該画像表示装置に画像情報を供給する画像情報供給装置とを有することを特徴とする画像表示システム。
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