JP2004012703A - 画像観察装置および画像観察システム - Google Patents
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Abstract
【課題】光源からの光を画像表示素子に直接照明させると、光源と画像表示素子および観察光学系を含む装置全体の大型化が問題となる。
【解決手段】反射型画像表示素子4と、反射型画像表示素子上に形成された画像を観察者の眼球7に導くための観察光学系6と、反射型画像表示素子と観察光学系との間に配置され、かつ照明光を反射型画像表示素子に導くための照明光学系19とを有する画像観察装置において、反射型画像表示素子に画素単位で反射電極43を設け、反射電極を反射型画像表示素子における照明光の入射面に対して傾斜させる。
【選択図】 図1
【解決手段】反射型画像表示素子4と、反射型画像表示素子上に形成された画像を観察者の眼球7に導くための観察光学系6と、反射型画像表示素子と観察光学系との間に配置され、かつ照明光を反射型画像表示素子に導くための照明光学系19とを有する画像観察装置において、反射型画像表示素子に画素単位で反射電極43を設け、反射電極を反射型画像表示素子における照明光の入射面に対して傾斜させる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラのファインダーや所謂ヘッドマウントディスプレイやメガネ型ディスプレイ等の画像観察装置に関するものである。
【従来の技術】
従来、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)や、メガネ型ディスプレイなどの画像観察装置においては、装置全体の小型化が要望されており、それを達成するための光学系が種々提案されている。
本出願人は、特開平7―333551号公報、特開平8−50256号公報、特開平8−160340号公報、特開平8−179238号公報において、画像情報を表示する画像表示素子としての液晶ディスプレイと、観察光学系としての小型プリズムとを使用して、装置全体の小型化を図った画像観察装置を提案している。
また、同公報にて提案の画像観察装置では、画像情報を表示した液晶ディスプレイから発せられた光を、小型プリズムに入射させ、該小型プリズムに形成した曲率を有した屈折面や全反射面、さらには反射面を介して小型プリズムを射出させ、観察者の眼球に導光している。これによって観察者の前方に液晶ディスプレイの虚像が形成され、観察者がこの虚像を観察することができる。
これらの従来例においては、画像表示素子としては透過型液晶ディスプレイを用いているが、この透過型液晶ディスプレイは近年、画像表示素子の高精細化に伴い、画素開口率の低さが画質の低下につながるという欠点が指摘されている。
【発明が解決しようとする課題】
このような現状に対して、高精細な画像が要求される画像観察装置においては画素開口率の高い反射型液晶ディスプレイを用いることが提案されている。反射型液晶ディスプレイを用いた表示光学系の例として、特開平11‐125791号公報にて提案されているものがある。この中では、本願図12に示すような、光源101からの光を光学素子を介することなく反射型液晶ディスプレイ102を直接照明する構成が提案されている。
しかしながら、この例では、光源101からの光を液晶ディスプレイ108に直接照明させているために、光源112と液晶ディスプレイ102を含む照明ユニットおよび装置全体の大型化が問題となる。また、液晶ディスプレイ102が表示光学系103に対して大きく傾く構成であるため、表示光学系103から液晶ディスプレイ102までの光路長が物高によって大きく異なり、光学性能が低下するという問題があった。
また、別の従来例として、図13で示すような構成も提案されている。この例では、プリズム形状の表示光学系103に対して液晶ディスプレイ102と反対側に光源101を設け、光源101からの光はプリズム形状の表示光学系103内を透過した後、液晶ディスプレイ102を照明し、その照明光のうち液晶ディスプレイ102で反射された光は、再びプリズム形状の表示光学系103内に入射して観察者の眼球に到達する。
しかし、このような照明系ではプリズム形状の表示光学系103の内部でおこる不要反射が画質劣化の大きな要因であるフレア光を発生させるという問題がある。
本発明は極めてシンプルな構成でありながら、諸収差が良好に補正され、広画角で、かつ不要なフレアが発生しないような画像観察装置であり、しかも、パソコンなどの高精細な画像に対応した反射型液晶ディスプレイを用いた小型の画像観察装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明では、反射型画像表示素子と、反射型画像表示素子上に形成された画像を観察者の眼球に導くための観察光学系と、反射型画像表示素子と観察光学系との間に配置され、かつ照明光を反射型画像表示素子に導くための照明光学系とを有する画像観察装置において、反射型画像表示素子を、画素単位で反射電極を有するものとし、かつ反射電極を反射型画像表示素子における照明光の入射面に対して傾斜させている。
これにより、薄型の照明光学系を用いて反射型画像表示素子を均一に照明することができるとともに、反射型画像表示素子からの画像光の射出角を任意に設定できる。このため、観察視野内において良好な画質で観察することができる小型の画像観察装置を実現することが可能となる。
特に、照明光学系において、少なくとも1つの光学作用面を、照明光束に対して全反射面とすることにより、照明光学系における光量ロスの少ない画像観察装置を提供することが可能となる。
なお、観察光学系の射出瞳中心と画像表示素子の中心とを結んだ光線を基準軸光線とし、射出瞳中心を原点とし、原点と交わる基準軸光線上にZ軸(但し、原点から観察光学系に向かう方向を正とする)を設定するとともに基準軸光線を含む断面上でZ軸に垂直な方向をY軸とし、Y,Z軸に垂直な軸をX軸として画像観察装置の絶対座標系を定義した場合において、
基準軸光線を含む断面(YZ平面)内において、反射型画像表示素子から観察光学系に向かう任意の光線iの反射電極における反射角をθi、反射電極を仮に反射型画像表示素子における照明光の入射面に対して平行としたときの任意の光線iの反射電極における反射角をθi’としたとき、以下の条件を満たすようにしてもよい。
|θi|<|θi’| …(1)
さらに、基準軸光線を含む断面(YZ平面)内において、画像表示素子の任意の画素をe1,e2、画素e1,e2の反射電極が反射型画像表示素子の照明光の入射面となす角を傾斜角Φe1,Φe2としたとき、以下の条件を満たすようにしてもよい。ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像観察装置。
|Φe1|≠|Φe2| …(2)
また、照明光学系を、2つ以上の照明光束を反射型画像表示素子に導くように構成し、
基準軸光線を含む断面(YZ平面)内において、反射型画像表示素子の中心の画素をc、中心以外の任意の画素をeとし、これら画素c,eの反射電極が前記反射型画像表示素子の照明光の入射面となす角を傾斜角Φc,Φeとしたとき、以下の条件を満たすようにしてもよい。
|Φe|>|Φc| …(3)
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1〜3には、本発明の第1実施形態であるヘッドマウントディスプレイ(画像観察装置)を示している。図1は上記ヘッドマウントディスプレイの断面図、図2は上記ヘッドマウントディスプレイにおける照明光学素子及び反射型画像表示素子の拡大断面図である。
本実施形態の画像観察装置は、RGBの光を発する光源、反射傘およびこの光源の点燈を制御する点灯制御部(不図示)からなる光源ユニット1と、第1の偏光板2と、プリズム形状の照明光学素子(以下、照明プリズムという)19と、反射型画像表示素子としての反射型液晶ディスプレイパネル4と、第2の偏光板5と、観察光学系であるプリズムレンズ6とから構成されている。
光源ユニット1から発せられた照明光は第1の偏光板2を通り、図2に示すように照明プリズム19の第1の面8を透過してプリズム内に入射し、第3の面9で反射して第2の面10を透過した後、液晶ディスプレイパネル4に入射し、液晶ディスプレイパネル4を照明する。
液晶ディスプレイパネル4に入射した光線の一部は、液晶ディスプレイパネル4で反射され、かつ液晶ディスプレイパネル4に表示された画像に応じて変調されて画像光となる。画像光は、照明プリズム3の第2の面10および第3の面9を透過して照明プリズム19から射出し、第2の偏光板5を通ってプリズムレンズ6に至る。
照明プリズム19は、プリズムレンズ6と液晶ディスプレイパネル4との間に配置され、プリズムレンズ側の第3の面9とディスプレイパネル側の第2の面10との成す角度が後述する諸条件を満足する角度に設定されている。
なお、照明プリズム19内において、第3の面9および第2の面10の間では、照明光と画像光とが一部同じ領域を通っている。
また、図2に示すように、液晶ディスプレイパネル4の入射面側に配置された第2の偏光板2は、光源ユニット1からの無偏光の光14を第1の偏光方向に揃える。第1の偏光方向を有した照明光は、照明プリズム19の第3の面9で反射され、第2の面10を透過し、液晶ディスプレイパネル4に入射する。
液晶ディスプレイパネル4に入射した偏光光15は、このパネル4で変調され(旋光作用を受け)、このうち第1の偏光方向に対して90°の偏光方向を有する偏光となった画像光16は第2の偏光板5を透過し、上記旋光作用を受けなかった光は第2の偏光板5で吸収される。
本実施形態では、照明プリズム19の第3の面9で反射する照明光の反射角を、以下の式(4)の条件(全反射条件)を満足するように設定し、入射した照明光をほぼ全反射させる。
sinψ≧1/n …(4)
本実施形態では、照明プリズム19の材料として屈折率が約1.5程度のプラスチックを用いているので、ψ≧42を満足すれば良い。ただし、ψは、光源ユニット1からの光線が照明プリズム19の第1の面8を透過して、第3の面9で反射するときの第3の面9に対する光線の入射角である。
次に、観察光学系について説明する。本実施形態のプリズムレンズ6は、3つの面からなり、プリズムレンズ6の第1の面60に入射した光は、第2、第3の面61、62で反射し、第2の面61を透過した後、観察者の眼に至る。
次に、反射型液晶ディスプレイパネル4について説明する。図2のA部拡大図に示すように、本実施形態の液晶ディスプレイパネル4は、主に基板ガラス41と、液晶層42と、画素単位で設けられた反射電極43とから構成されている。各反射電極43は、基板ガラス41の照明光の入射面40に対して傾斜している。
本実施形態では、プリズムレンズ6の射出瞳(観察者7の瞳)中心とパネル4の中心とを結んだ光線を基準軸光線(図1中に太線で示す)とし、射出瞳中心を原点とし、原点と交わる基準軸光線上にZ軸(但し、原点からプリズムレンズ6に向かう方向を正とする)を設定し、基準軸光線を含む断面上でZ軸に垂直な方向をY軸とし、Y,Z軸に垂直な軸をX軸として絶対座標系を定義する。
そして、本実施形態では、上記絶対座標系のYZ面内において、パネル4からプリズムレンズ6に向かう任意の光線i(図中の16)の反射電極43における反射角をθi、反射電極43を仮に照明光の入射面40に対して平行としたときの任意の光線i(図中に太い点線で示す)の反射電極43での反射角をθi’としたとき、下記の式(5)を満足する。
|θi|<|θi’| …(5)
図3には、画素単位ごとに反射電極43が傾斜した液晶ディスプレイパネル4の基本構成の断面を示す。図中、120はSi基板、121はフィールド酸化膜、122はLCD駆動用バルクSiトランジスタのウェル層、123は画素部薄膜トランジスタ(TFT)を形成する多結晶Si層、124,125はそれぞれ駆動用バルクSiトランジスタのソース、ドレイン部、129は画素部TFTNのゲート部、130は画素部TFTのソース部と接続される信号線用配線層、43は画素部の反射電極、133,135は配向膜、42は液晶層、136は透明電極、41は対向基板となる基板ガラスである。
本液晶ディスプレイパネル4の更に詳細な説明は、特開平7−253571号公報に記載されている。
以上説明したような構成をとることで、次のような効果が期待される。図4,5は反射電極43を基板ガラス41の照明光の入射面40に対して傾斜させない場合の光線(図4,図5中の矢印付の点線)を本実施形態の効果を説明するために示したものである。
図4に示すように、液晶ディスプレイパネル4内の反射電極43’を基板ガラス41の照明光の入射面40に対して傾斜させない場合には、液晶ディスプレイパネル4からプリズムレンズ6に向かう光線16aの反射電極43’上での光線反射角θi’は入射角と等しい値となる。
次に、反射電極43を基板ガラスの照明光の入射面40に対して傾斜角αで傾けた本実施例の構成では、反射電極43上での光線反射角|θi|は|θi’|より小さくなる。同時に、液晶ディスプレイパネル4を射出する光線16が基板ガラス41の照明光の入射面40となす角も傾斜させない場合よりも小さくなる。
一般に、液晶のコントラスト特性の良い光線射出角範囲は、基板ガラス41の入射面40の法線に対して狭い角度範囲で良好であることが知られている。本実施形態のように、反射電極43上での出射角θiをできるだけ小さくすることで、液晶のコントラスト特性の良い光線を観察光学系に導くことができる。
次に、反射電極43’を基板ガラス41の照明光の入射面40に対して傾斜させない場合の任意の反射電極43’での光線の反射角|θi’|を小さくする構成を図5に示す。
任意の反射電極43’上での光線16の反射角|θi|を小さくすると、光線15aの入射角 |θi|も同様に小さくなることから、照明プリズム19における第3の面9の全反射条件を満たすためには、照明プリズム19の第3の面9と第2の面10とのなす角度をより広げることが必要となる。
ここで、図5中の面9’は、液晶ディスプレイパネル4の反射電極43’が基板ガラス41の照明光の入射面40に対して傾斜していない場合の仮の面である。この構成では、照明プリズム19の大きさが大きくなり、装置の大型化が問題となる。本実施形態のように、反射電極43を傾斜させることで、照明プリズム19を大型化させることなく液晶コントラスト特性の良い光線を観察光学系に導くことができる。
(第2実施形態)
図6,7には、本発明の第2実施形態であるヘッドマウントディスプレイを示している。図6は上記ヘッドマウントディスプレイの断面図である。図7は上記ヘッドマウントディスプレイにおける照明プリズム29および液晶ディスプレイパネル24の拡大断面図である。
本実施形態は、上記第1実施形態の光源ユニット1の光束を平行光束から発散光束にしたものであり、図7に示す液晶ディスプレイパネル24の反射電極243の傾斜角度をYZ面内で変えたことを特徴とする。それ以外の構成要素は第1実施形態と同じである。
すなわち、本実施形態は、基準軸光線を含む断面(YZ平面)内において、液晶ディスプレイパネル24の任意の画素をe1,e2とし、画素e1,e2の反射電極243と液晶ディスプレイパネル24における基板ガラス41の照明光の入射面40とが成す角度をΦe1,Φe2としたときに、次式(6)を満たすように構成している。
|Φe1|≠|Φe2| …(6)
本実施形態のように構成することで、光源ユニット1から射出する光束を平行光に限定しなくても反射電極243の傾斜角を液晶ディスプレイパネル24の面内で適切な角度に変化させることで、液晶ディスプレイパネル24からプリズムレンズ6に向かう光線を第1実施形態と同様にすることが可能となる。
また、本実施形態の照明プリズム29を、第1実施形態で説明したヘッドマウントディスプレイに用いることで、第1実施形態と同様な効果が得られる。また、液晶ディスプレイパネル24からの出射光を略平行光にすることができるため、ヘッドマウントディスプレイの観察者の視度調整等において、液晶ディスプレイパネルの位置を基準軸光線に沿って移動させた場合も画像表示の光学性能劣化を極めて少なくすることができる。
(第3実施形態)
図8,9には、本発明の第3実施形態であるヘッドマウントディスプレイを示している。図8は上記ヘッドマウントディスプレイの断面図、図9は上記ヘッドマウントディスプレイにおける照明プリズム39および液晶ディスプレイパネル34の拡大断面図である。
本実施形態では、液晶ディスプレイパネル34からプリズムレンズ6に向かう光束を非平行光とし、液晶ディスプレイパネル34の反射電極343a,343b,343cの傾斜角度をYZ面内で変えたことを特徴とする。それ以外の構成要素は第1実施形態と同じである。
すなわち、本実施形態では、基準軸光線を含む断面(YZ平面)内において、液晶ディスプレイパネル34の任意の画素をe1,e2とし、画素e1,e2の反射電極343a,343b,343cと液晶ディスプレイパネル34の照明光の入射角340とが成す角度をΦe1,Φe2としたときに、次式(7)を満たすように構成している。
|Φe1|≠|Φe2| …(7)
本実施形態のように構成することで、液晶ディスプレイパネル34からプリズムレンズ6に向かう光束316a,316b,316cをプリズムレンズ6の設計上有利な角度に任意に設定することができ、プリズムレンズ6の最適設計が可能となる。
このときも照明プリズム39の大きさや光源ユニット1からの光束の平行度に制限されることなく液晶ディスプレイパネル34からの射出光を任意に設定することが可能となる。
また、本実施形態の照明プリズム39を、第1実施形態で説明したヘッドマウントディスプレイに用いることで、第1実施形態と同様な効果が得られると同時に、液晶ディスプレイパネル34の性能を高く引き出した、画質の高い画像観察装置を提供できる。
(第4実施形態)
図10,11には、本発明の第4実施形態であるヘッドマウントディスプレイを示している。図10は上記ヘッドマウントディスプレイの断面図であり、図11は上記ヘッドマウントディスプレイにおける照明光学系73および液晶ディスプレイパネル44の拡大断面図である。
照明光学系73は、2つのプリズム形状の光学素子(断面が台形形状である第1のプリズムブロック74とこの第1のプリズムブロック74に対してわずかな隙間をはさんで配置された第2のプリズムブロック75)が組み合わされて構成され、図1で示す照明プリズム19と同様にプリズムレンズ6と液晶ディスプレイパネル44との間に配置されている。そして、照明光学系73は、プリズムレンズ6側の第1のプリズムブロック74の透過面11とパネル側の第2のプリズムブロック75の透過面10とが平行に構成されている。
第2のプリズム75に形成された反射面79a,79bと上記透過面10,11とが成す角度は30°とする。この角度は、反射面79a,79bが、ここに入射した光に対して全反射条件を満たすように最適化されて設定されたものである。
2a,2bは第2のプリズムブロック75の入射側に設けられた第1の偏光板、5は第1のプリズムブロック74の射出側に設けられた第2の偏光板である。光源ユニット1a,1bからの無偏光の光14はそれぞれ、第1の偏光板2a,2bによって第1の偏光方向に揃えられ、第2のプリズムブロック75の反射面79a,79bでほぼ全反射されて透過面10を透過し、液晶ディスプレイパネル44の領域44aと領域44bとを照明する。
そして、本実施形態では、基準軸光線を含む断面(YZ平面)内において、液晶ディスプレイパネル44の中心画素をcとし、それ以外の画素をaとし、画素cと画素aの反射電極(図示せず)と液晶ディスプレイパネル44の照明光の入射面とのなす角度をそれぞれ傾斜角Φa,Φcとしたとき、次式(8)を満たす。
|Φa|>|Φc| …(8)
本実施形態の照明光学系73を第1実施形態で説明したヘッドマウントディスプレイに用いることで、第1実施形態と同様の効果が得られると同時に、更に照明光学系のの薄型化を図り、明るい画像観察が可能な画像観察装置を実現することができる。
(第5実施形態)
上記各実施形態で説明した照明プリズム19,29,39および照明光学系73の入射面の全て又は一部に反射防止膜を形成してもよい。これにより、フレアの少ない画像観察装置を実現することができる。
(第6実施形態)
また、上記各実施形態で説明した照明プリズム19,29,39および照明光学系73の非光学作用面の全て又は一部に光吸収層を形成してもよい。
これにより、例えば、第1実施形態の照明プリズム19に入射する照明光束のうち照明プリズム19の非光学作用面に入射した光は光吸収層で吸収され、照明プリズム19内でフレア光となることがない。これにより、フレアの少ない画像観察装置の実現が可能となる。
なお、光吸収層としては墨のようなものでもよいし、反射防止膜のような膜でもよい。また、反射防止膜は、偏光依存性のある反射防止効果を有する微細光学機能面(SWS)をシート上に形成したものでもよい。
(第7実施形態)
上記各実施形態で説明した照明プリズム19,29,39および照明光学系73に、液晶ディスプレイパネルのカバーガラスを、装置の組立調整工程において接着材で固定してもよい。
このように構成することで、その後の工程で発生する照明プリズム等の液晶ディスプレイパネルとの相対位置変化が無くなり、調整時の最良の性能が保証される。また、照明プリズム等と液晶ディスプレイパネルのカバーガラスの材料インデックスとほぼ等しいインデックスの接着材を用いることで、接着材と接する界面上の表面反射が接着材がない時と比べて大幅に減少し、コントラストの高い画像観察装置の実現が可能となる。
以上説明した各実施形態では、反射型画像表示素子として液晶ディスプレイパネルを用いているが、光線射出角度が大きくても比較的コントラストが維持できる強誘電性液晶を用いてもよい。また、画像表示素子としてDMDのような光反射マイクロディスプレイを用いてもよい。
また、各実施形態においては、観察光学系をプリズムレンズで構成した場合について説明したが、観察光学系をハーフミラーと凹面鏡からなる光学系で構成してもよい。
さらに、上記各実施形態では、ヘッドマウントディスプレイについて説明したが、本発明は、カメラのファインダー等の各種画像観察装置に適用することができる。
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、薄型の照明光学系で反射型画像表示素子を均一に照明することができ、かつ画像表示素子からの光線射出角を画面内で任意に設定することができる。したがって、観察視野内において良好な画質で画像を観察することができる小型の画像観察装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態であるヘッドマウントディスプレイの構成を示す断面図。
【図2】上記第1実施形態のヘッドマウントディスプレイにおける照明プリズム周辺の断面図。
【図3】上記第1実施形態のヘッドマウントディスプレイに用いられる反射型液晶ディスプレイパネルの断面図。
【図4】上記第1実施形態の効果を説明するためのヘッドマウントディスプレイの照明プリズム周辺の断面図。
【図5】上記第1実施形態の効果を説明するためのヘッドマウントディスプレイの照明プリズム周辺の断面図。
【図6】本発明の第2実施形態であるヘッドマウントディスプレイの構成を示す断面図。
【図7】上記第2実施形態のヘッドマウントディスプレイにおける照明プリズム周辺の断面図。
【図8】本発明の第3実施形態であるヘッドマウントディスプレイの構成を示す断面図。
【図9】上記第3実施形態のヘッドマウントディスプレイにおける照明プリズム周辺の断面図。
【図10】本発明の第4実施形態であるヘッドマウントディスプレイの構成を示す断面図。
【図11】上記第4実施形態のヘッドマウントディスプレイにおける照明プリズム周辺の断面図。
【図12】従来のヘッドマウントディスプレイの断面図。
【図13】従来のヘッドマウントディスプレイの断面図。
【符号の説明】
1,1a,1b 光源ユニット
2,2a,2b 第1の偏光板
4,24,34,44 液晶ディスプレイパネル
43,243,343a,343b,343c 反射電極
5 第2の偏光板
6 プリズムレンズ
7 観察者の瞳
1,29,39 照明プリズム
73 照明光学系
本発明は、カメラのファインダーや所謂ヘッドマウントディスプレイやメガネ型ディスプレイ等の画像観察装置に関するものである。
【従来の技術】
従来、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)や、メガネ型ディスプレイなどの画像観察装置においては、装置全体の小型化が要望されており、それを達成するための光学系が種々提案されている。
本出願人は、特開平7―333551号公報、特開平8−50256号公報、特開平8−160340号公報、特開平8−179238号公報において、画像情報を表示する画像表示素子としての液晶ディスプレイと、観察光学系としての小型プリズムとを使用して、装置全体の小型化を図った画像観察装置を提案している。
また、同公報にて提案の画像観察装置では、画像情報を表示した液晶ディスプレイから発せられた光を、小型プリズムに入射させ、該小型プリズムに形成した曲率を有した屈折面や全反射面、さらには反射面を介して小型プリズムを射出させ、観察者の眼球に導光している。これによって観察者の前方に液晶ディスプレイの虚像が形成され、観察者がこの虚像を観察することができる。
これらの従来例においては、画像表示素子としては透過型液晶ディスプレイを用いているが、この透過型液晶ディスプレイは近年、画像表示素子の高精細化に伴い、画素開口率の低さが画質の低下につながるという欠点が指摘されている。
【発明が解決しようとする課題】
このような現状に対して、高精細な画像が要求される画像観察装置においては画素開口率の高い反射型液晶ディスプレイを用いることが提案されている。反射型液晶ディスプレイを用いた表示光学系の例として、特開平11‐125791号公報にて提案されているものがある。この中では、本願図12に示すような、光源101からの光を光学素子を介することなく反射型液晶ディスプレイ102を直接照明する構成が提案されている。
しかしながら、この例では、光源101からの光を液晶ディスプレイ108に直接照明させているために、光源112と液晶ディスプレイ102を含む照明ユニットおよび装置全体の大型化が問題となる。また、液晶ディスプレイ102が表示光学系103に対して大きく傾く構成であるため、表示光学系103から液晶ディスプレイ102までの光路長が物高によって大きく異なり、光学性能が低下するという問題があった。
また、別の従来例として、図13で示すような構成も提案されている。この例では、プリズム形状の表示光学系103に対して液晶ディスプレイ102と反対側に光源101を設け、光源101からの光はプリズム形状の表示光学系103内を透過した後、液晶ディスプレイ102を照明し、その照明光のうち液晶ディスプレイ102で反射された光は、再びプリズム形状の表示光学系103内に入射して観察者の眼球に到達する。
しかし、このような照明系ではプリズム形状の表示光学系103の内部でおこる不要反射が画質劣化の大きな要因であるフレア光を発生させるという問題がある。
本発明は極めてシンプルな構成でありながら、諸収差が良好に補正され、広画角で、かつ不要なフレアが発生しないような画像観察装置であり、しかも、パソコンなどの高精細な画像に対応した反射型液晶ディスプレイを用いた小型の画像観察装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明では、反射型画像表示素子と、反射型画像表示素子上に形成された画像を観察者の眼球に導くための観察光学系と、反射型画像表示素子と観察光学系との間に配置され、かつ照明光を反射型画像表示素子に導くための照明光学系とを有する画像観察装置において、反射型画像表示素子を、画素単位で反射電極を有するものとし、かつ反射電極を反射型画像表示素子における照明光の入射面に対して傾斜させている。
これにより、薄型の照明光学系を用いて反射型画像表示素子を均一に照明することができるとともに、反射型画像表示素子からの画像光の射出角を任意に設定できる。このため、観察視野内において良好な画質で観察することができる小型の画像観察装置を実現することが可能となる。
特に、照明光学系において、少なくとも1つの光学作用面を、照明光束に対して全反射面とすることにより、照明光学系における光量ロスの少ない画像観察装置を提供することが可能となる。
なお、観察光学系の射出瞳中心と画像表示素子の中心とを結んだ光線を基準軸光線とし、射出瞳中心を原点とし、原点と交わる基準軸光線上にZ軸(但し、原点から観察光学系に向かう方向を正とする)を設定するとともに基準軸光線を含む断面上でZ軸に垂直な方向をY軸とし、Y,Z軸に垂直な軸をX軸として画像観察装置の絶対座標系を定義した場合において、
基準軸光線を含む断面(YZ平面)内において、反射型画像表示素子から観察光学系に向かう任意の光線iの反射電極における反射角をθi、反射電極を仮に反射型画像表示素子における照明光の入射面に対して平行としたときの任意の光線iの反射電極における反射角をθi’としたとき、以下の条件を満たすようにしてもよい。
|θi|<|θi’| …(1)
さらに、基準軸光線を含む断面(YZ平面)内において、画像表示素子の任意の画素をe1,e2、画素e1,e2の反射電極が反射型画像表示素子の照明光の入射面となす角を傾斜角Φe1,Φe2としたとき、以下の条件を満たすようにしてもよい。ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像観察装置。
|Φe1|≠|Φe2| …(2)
また、照明光学系を、2つ以上の照明光束を反射型画像表示素子に導くように構成し、
基準軸光線を含む断面(YZ平面)内において、反射型画像表示素子の中心の画素をc、中心以外の任意の画素をeとし、これら画素c,eの反射電極が前記反射型画像表示素子の照明光の入射面となす角を傾斜角Φc,Φeとしたとき、以下の条件を満たすようにしてもよい。
|Φe|>|Φc| …(3)
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1〜3には、本発明の第1実施形態であるヘッドマウントディスプレイ(画像観察装置)を示している。図1は上記ヘッドマウントディスプレイの断面図、図2は上記ヘッドマウントディスプレイにおける照明光学素子及び反射型画像表示素子の拡大断面図である。
本実施形態の画像観察装置は、RGBの光を発する光源、反射傘およびこの光源の点燈を制御する点灯制御部(不図示)からなる光源ユニット1と、第1の偏光板2と、プリズム形状の照明光学素子(以下、照明プリズムという)19と、反射型画像表示素子としての反射型液晶ディスプレイパネル4と、第2の偏光板5と、観察光学系であるプリズムレンズ6とから構成されている。
光源ユニット1から発せられた照明光は第1の偏光板2を通り、図2に示すように照明プリズム19の第1の面8を透過してプリズム内に入射し、第3の面9で反射して第2の面10を透過した後、液晶ディスプレイパネル4に入射し、液晶ディスプレイパネル4を照明する。
液晶ディスプレイパネル4に入射した光線の一部は、液晶ディスプレイパネル4で反射され、かつ液晶ディスプレイパネル4に表示された画像に応じて変調されて画像光となる。画像光は、照明プリズム3の第2の面10および第3の面9を透過して照明プリズム19から射出し、第2の偏光板5を通ってプリズムレンズ6に至る。
照明プリズム19は、プリズムレンズ6と液晶ディスプレイパネル4との間に配置され、プリズムレンズ側の第3の面9とディスプレイパネル側の第2の面10との成す角度が後述する諸条件を満足する角度に設定されている。
なお、照明プリズム19内において、第3の面9および第2の面10の間では、照明光と画像光とが一部同じ領域を通っている。
また、図2に示すように、液晶ディスプレイパネル4の入射面側に配置された第2の偏光板2は、光源ユニット1からの無偏光の光14を第1の偏光方向に揃える。第1の偏光方向を有した照明光は、照明プリズム19の第3の面9で反射され、第2の面10を透過し、液晶ディスプレイパネル4に入射する。
液晶ディスプレイパネル4に入射した偏光光15は、このパネル4で変調され(旋光作用を受け)、このうち第1の偏光方向に対して90°の偏光方向を有する偏光となった画像光16は第2の偏光板5を透過し、上記旋光作用を受けなかった光は第2の偏光板5で吸収される。
本実施形態では、照明プリズム19の第3の面9で反射する照明光の反射角を、以下の式(4)の条件(全反射条件)を満足するように設定し、入射した照明光をほぼ全反射させる。
sinψ≧1/n …(4)
本実施形態では、照明プリズム19の材料として屈折率が約1.5程度のプラスチックを用いているので、ψ≧42を満足すれば良い。ただし、ψは、光源ユニット1からの光線が照明プリズム19の第1の面8を透過して、第3の面9で反射するときの第3の面9に対する光線の入射角である。
次に、観察光学系について説明する。本実施形態のプリズムレンズ6は、3つの面からなり、プリズムレンズ6の第1の面60に入射した光は、第2、第3の面61、62で反射し、第2の面61を透過した後、観察者の眼に至る。
次に、反射型液晶ディスプレイパネル4について説明する。図2のA部拡大図に示すように、本実施形態の液晶ディスプレイパネル4は、主に基板ガラス41と、液晶層42と、画素単位で設けられた反射電極43とから構成されている。各反射電極43は、基板ガラス41の照明光の入射面40に対して傾斜している。
本実施形態では、プリズムレンズ6の射出瞳(観察者7の瞳)中心とパネル4の中心とを結んだ光線を基準軸光線(図1中に太線で示す)とし、射出瞳中心を原点とし、原点と交わる基準軸光線上にZ軸(但し、原点からプリズムレンズ6に向かう方向を正とする)を設定し、基準軸光線を含む断面上でZ軸に垂直な方向をY軸とし、Y,Z軸に垂直な軸をX軸として絶対座標系を定義する。
そして、本実施形態では、上記絶対座標系のYZ面内において、パネル4からプリズムレンズ6に向かう任意の光線i(図中の16)の反射電極43における反射角をθi、反射電極43を仮に照明光の入射面40に対して平行としたときの任意の光線i(図中に太い点線で示す)の反射電極43での反射角をθi’としたとき、下記の式(5)を満足する。
|θi|<|θi’| …(5)
図3には、画素単位ごとに反射電極43が傾斜した液晶ディスプレイパネル4の基本構成の断面を示す。図中、120はSi基板、121はフィールド酸化膜、122はLCD駆動用バルクSiトランジスタのウェル層、123は画素部薄膜トランジスタ(TFT)を形成する多結晶Si層、124,125はそれぞれ駆動用バルクSiトランジスタのソース、ドレイン部、129は画素部TFTNのゲート部、130は画素部TFTのソース部と接続される信号線用配線層、43は画素部の反射電極、133,135は配向膜、42は液晶層、136は透明電極、41は対向基板となる基板ガラスである。
本液晶ディスプレイパネル4の更に詳細な説明は、特開平7−253571号公報に記載されている。
以上説明したような構成をとることで、次のような効果が期待される。図4,5は反射電極43を基板ガラス41の照明光の入射面40に対して傾斜させない場合の光線(図4,図5中の矢印付の点線)を本実施形態の効果を説明するために示したものである。
図4に示すように、液晶ディスプレイパネル4内の反射電極43’を基板ガラス41の照明光の入射面40に対して傾斜させない場合には、液晶ディスプレイパネル4からプリズムレンズ6に向かう光線16aの反射電極43’上での光線反射角θi’は入射角と等しい値となる。
次に、反射電極43を基板ガラスの照明光の入射面40に対して傾斜角αで傾けた本実施例の構成では、反射電極43上での光線反射角|θi|は|θi’|より小さくなる。同時に、液晶ディスプレイパネル4を射出する光線16が基板ガラス41の照明光の入射面40となす角も傾斜させない場合よりも小さくなる。
一般に、液晶のコントラスト特性の良い光線射出角範囲は、基板ガラス41の入射面40の法線に対して狭い角度範囲で良好であることが知られている。本実施形態のように、反射電極43上での出射角θiをできるだけ小さくすることで、液晶のコントラスト特性の良い光線を観察光学系に導くことができる。
次に、反射電極43’を基板ガラス41の照明光の入射面40に対して傾斜させない場合の任意の反射電極43’での光線の反射角|θi’|を小さくする構成を図5に示す。
任意の反射電極43’上での光線16の反射角|θi|を小さくすると、光線15aの入射角 |θi|も同様に小さくなることから、照明プリズム19における第3の面9の全反射条件を満たすためには、照明プリズム19の第3の面9と第2の面10とのなす角度をより広げることが必要となる。
ここで、図5中の面9’は、液晶ディスプレイパネル4の反射電極43’が基板ガラス41の照明光の入射面40に対して傾斜していない場合の仮の面である。この構成では、照明プリズム19の大きさが大きくなり、装置の大型化が問題となる。本実施形態のように、反射電極43を傾斜させることで、照明プリズム19を大型化させることなく液晶コントラスト特性の良い光線を観察光学系に導くことができる。
(第2実施形態)
図6,7には、本発明の第2実施形態であるヘッドマウントディスプレイを示している。図6は上記ヘッドマウントディスプレイの断面図である。図7は上記ヘッドマウントディスプレイにおける照明プリズム29および液晶ディスプレイパネル24の拡大断面図である。
本実施形態は、上記第1実施形態の光源ユニット1の光束を平行光束から発散光束にしたものであり、図7に示す液晶ディスプレイパネル24の反射電極243の傾斜角度をYZ面内で変えたことを特徴とする。それ以外の構成要素は第1実施形態と同じである。
すなわち、本実施形態は、基準軸光線を含む断面(YZ平面)内において、液晶ディスプレイパネル24の任意の画素をe1,e2とし、画素e1,e2の反射電極243と液晶ディスプレイパネル24における基板ガラス41の照明光の入射面40とが成す角度をΦe1,Φe2としたときに、次式(6)を満たすように構成している。
|Φe1|≠|Φe2| …(6)
本実施形態のように構成することで、光源ユニット1から射出する光束を平行光に限定しなくても反射電極243の傾斜角を液晶ディスプレイパネル24の面内で適切な角度に変化させることで、液晶ディスプレイパネル24からプリズムレンズ6に向かう光線を第1実施形態と同様にすることが可能となる。
また、本実施形態の照明プリズム29を、第1実施形態で説明したヘッドマウントディスプレイに用いることで、第1実施形態と同様な効果が得られる。また、液晶ディスプレイパネル24からの出射光を略平行光にすることができるため、ヘッドマウントディスプレイの観察者の視度調整等において、液晶ディスプレイパネルの位置を基準軸光線に沿って移動させた場合も画像表示の光学性能劣化を極めて少なくすることができる。
(第3実施形態)
図8,9には、本発明の第3実施形態であるヘッドマウントディスプレイを示している。図8は上記ヘッドマウントディスプレイの断面図、図9は上記ヘッドマウントディスプレイにおける照明プリズム39および液晶ディスプレイパネル34の拡大断面図である。
本実施形態では、液晶ディスプレイパネル34からプリズムレンズ6に向かう光束を非平行光とし、液晶ディスプレイパネル34の反射電極343a,343b,343cの傾斜角度をYZ面内で変えたことを特徴とする。それ以外の構成要素は第1実施形態と同じである。
すなわち、本実施形態では、基準軸光線を含む断面(YZ平面)内において、液晶ディスプレイパネル34の任意の画素をe1,e2とし、画素e1,e2の反射電極343a,343b,343cと液晶ディスプレイパネル34の照明光の入射角340とが成す角度をΦe1,Φe2としたときに、次式(7)を満たすように構成している。
|Φe1|≠|Φe2| …(7)
本実施形態のように構成することで、液晶ディスプレイパネル34からプリズムレンズ6に向かう光束316a,316b,316cをプリズムレンズ6の設計上有利な角度に任意に設定することができ、プリズムレンズ6の最適設計が可能となる。
このときも照明プリズム39の大きさや光源ユニット1からの光束の平行度に制限されることなく液晶ディスプレイパネル34からの射出光を任意に設定することが可能となる。
また、本実施形態の照明プリズム39を、第1実施形態で説明したヘッドマウントディスプレイに用いることで、第1実施形態と同様な効果が得られると同時に、液晶ディスプレイパネル34の性能を高く引き出した、画質の高い画像観察装置を提供できる。
(第4実施形態)
図10,11には、本発明の第4実施形態であるヘッドマウントディスプレイを示している。図10は上記ヘッドマウントディスプレイの断面図であり、図11は上記ヘッドマウントディスプレイにおける照明光学系73および液晶ディスプレイパネル44の拡大断面図である。
照明光学系73は、2つのプリズム形状の光学素子(断面が台形形状である第1のプリズムブロック74とこの第1のプリズムブロック74に対してわずかな隙間をはさんで配置された第2のプリズムブロック75)が組み合わされて構成され、図1で示す照明プリズム19と同様にプリズムレンズ6と液晶ディスプレイパネル44との間に配置されている。そして、照明光学系73は、プリズムレンズ6側の第1のプリズムブロック74の透過面11とパネル側の第2のプリズムブロック75の透過面10とが平行に構成されている。
第2のプリズム75に形成された反射面79a,79bと上記透過面10,11とが成す角度は30°とする。この角度は、反射面79a,79bが、ここに入射した光に対して全反射条件を満たすように最適化されて設定されたものである。
2a,2bは第2のプリズムブロック75の入射側に設けられた第1の偏光板、5は第1のプリズムブロック74の射出側に設けられた第2の偏光板である。光源ユニット1a,1bからの無偏光の光14はそれぞれ、第1の偏光板2a,2bによって第1の偏光方向に揃えられ、第2のプリズムブロック75の反射面79a,79bでほぼ全反射されて透過面10を透過し、液晶ディスプレイパネル44の領域44aと領域44bとを照明する。
そして、本実施形態では、基準軸光線を含む断面(YZ平面)内において、液晶ディスプレイパネル44の中心画素をcとし、それ以外の画素をaとし、画素cと画素aの反射電極(図示せず)と液晶ディスプレイパネル44の照明光の入射面とのなす角度をそれぞれ傾斜角Φa,Φcとしたとき、次式(8)を満たす。
|Φa|>|Φc| …(8)
本実施形態の照明光学系73を第1実施形態で説明したヘッドマウントディスプレイに用いることで、第1実施形態と同様の効果が得られると同時に、更に照明光学系のの薄型化を図り、明るい画像観察が可能な画像観察装置を実現することができる。
(第5実施形態)
上記各実施形態で説明した照明プリズム19,29,39および照明光学系73の入射面の全て又は一部に反射防止膜を形成してもよい。これにより、フレアの少ない画像観察装置を実現することができる。
(第6実施形態)
また、上記各実施形態で説明した照明プリズム19,29,39および照明光学系73の非光学作用面の全て又は一部に光吸収層を形成してもよい。
これにより、例えば、第1実施形態の照明プリズム19に入射する照明光束のうち照明プリズム19の非光学作用面に入射した光は光吸収層で吸収され、照明プリズム19内でフレア光となることがない。これにより、フレアの少ない画像観察装置の実現が可能となる。
なお、光吸収層としては墨のようなものでもよいし、反射防止膜のような膜でもよい。また、反射防止膜は、偏光依存性のある反射防止効果を有する微細光学機能面(SWS)をシート上に形成したものでもよい。
(第7実施形態)
上記各実施形態で説明した照明プリズム19,29,39および照明光学系73に、液晶ディスプレイパネルのカバーガラスを、装置の組立調整工程において接着材で固定してもよい。
このように構成することで、その後の工程で発生する照明プリズム等の液晶ディスプレイパネルとの相対位置変化が無くなり、調整時の最良の性能が保証される。また、照明プリズム等と液晶ディスプレイパネルのカバーガラスの材料インデックスとほぼ等しいインデックスの接着材を用いることで、接着材と接する界面上の表面反射が接着材がない時と比べて大幅に減少し、コントラストの高い画像観察装置の実現が可能となる。
以上説明した各実施形態では、反射型画像表示素子として液晶ディスプレイパネルを用いているが、光線射出角度が大きくても比較的コントラストが維持できる強誘電性液晶を用いてもよい。また、画像表示素子としてDMDのような光反射マイクロディスプレイを用いてもよい。
また、各実施形態においては、観察光学系をプリズムレンズで構成した場合について説明したが、観察光学系をハーフミラーと凹面鏡からなる光学系で構成してもよい。
さらに、上記各実施形態では、ヘッドマウントディスプレイについて説明したが、本発明は、カメラのファインダー等の各種画像観察装置に適用することができる。
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、薄型の照明光学系で反射型画像表示素子を均一に照明することができ、かつ画像表示素子からの光線射出角を画面内で任意に設定することができる。したがって、観察視野内において良好な画質で画像を観察することができる小型の画像観察装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態であるヘッドマウントディスプレイの構成を示す断面図。
【図2】上記第1実施形態のヘッドマウントディスプレイにおける照明プリズム周辺の断面図。
【図3】上記第1実施形態のヘッドマウントディスプレイに用いられる反射型液晶ディスプレイパネルの断面図。
【図4】上記第1実施形態の効果を説明するためのヘッドマウントディスプレイの照明プリズム周辺の断面図。
【図5】上記第1実施形態の効果を説明するためのヘッドマウントディスプレイの照明プリズム周辺の断面図。
【図6】本発明の第2実施形態であるヘッドマウントディスプレイの構成を示す断面図。
【図7】上記第2実施形態のヘッドマウントディスプレイにおける照明プリズム周辺の断面図。
【図8】本発明の第3実施形態であるヘッドマウントディスプレイの構成を示す断面図。
【図9】上記第3実施形態のヘッドマウントディスプレイにおける照明プリズム周辺の断面図。
【図10】本発明の第4実施形態であるヘッドマウントディスプレイの構成を示す断面図。
【図11】上記第4実施形態のヘッドマウントディスプレイにおける照明プリズム周辺の断面図。
【図12】従来のヘッドマウントディスプレイの断面図。
【図13】従来のヘッドマウントディスプレイの断面図。
【符号の説明】
1,1a,1b 光源ユニット
2,2a,2b 第1の偏光板
4,24,34,44 液晶ディスプレイパネル
43,243,343a,343b,343c 反射電極
5 第2の偏光板
6 プリズムレンズ
7 観察者の瞳
1,29,39 照明プリズム
73 照明光学系
Claims (7)
- 反射型画像表示素子と、前記反射型画像表示素子上に形成された画像を観察者の眼球に導くための観察光学系と、前記反射型画像表示素子と前記観察光学系との間に配置され、かつ照明光を前記反射型画像表示素子に導くための照明光学系とを有する画像観察装置であって、
前記反射型画像表示素子は画素単位で反射電極を有し、前記反射電極は前記反射型画像表示素子における照明光の入射面に対して傾斜していることを特徴とする画像観察装置。 - 前記観察光学系の射出瞳中心と前記画像表示素子の中心とを結んだ光線を基準軸光線とし、前記射出瞳中心を原点とし、前記原点と交わる基準軸光線上にZ軸(但し、前記原点から前記観察光学系に向かう方向を正とする)を設定するとともに前記基準軸光線を含む断面上で前記Z軸に垂直な方向をY軸とし、前記Y,Z軸に垂直な軸をX軸として前記画像観察装置の絶対座標系を定義した場合において、
前記基準軸光線を含む断面(YZ平面)内において、前記反射型画像表示素子から前記観察光学系に向かう任意の光線iの前記反射電極における反射角をθi、前記反射電極を仮に前記反射型画像表示素子における照明光の入射面に対して平行としたときの任意の光線iの前記反射電極における反射角をθi’としたとき、以下の条件を満たすことを特徴とする請求項1に記載の画像観察装置。
|θi| < |θi’| - 前記観察光学系の射出瞳中心と前記画像表示素子の中心とを結んだ光線を基準軸光線とし、前記射出瞳中心を原点とし、前記原点と交わる基準軸光線上にZ軸(但し、前記原点から前記観察光学系に向かう方向を正とする)を設定するとともに前記基準軸光線を含む断面上でZ軸に垂直な方向をY軸とし、前記Y,Z軸に垂直な軸をX軸として前記画像観察装置の絶対座標系を定義した場合において、
前記基準軸光線を含む断面(YZ平面)内において、前記画像表示素子の任意の画素をe1,e2、前記画素e1,e2の前記反射電極が前記反射型画像表示素子の照明光の入射面となす角を傾斜角Φe1,Φe2としたとき、以下の条件を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像観察装置。
|Φe1|≠|Φe2| - 前記照明光学系は、2つ以上の照明光束を前記反射型画像表示素子に導くように構成されており、
前記基準軸光線を含む断面(YZ平面)内において、前記反射型画像表示素子の中心の画素をc、中心以外の任意の画素をeとし、これら画素c,eの反射電極が前記反射型画像表示素子の照明光の入射面となす角を傾斜角Φc,Φeとしたとき、以下の条件を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像観察装置。
|Φe|>|Φc| - 前記照明光学系において、少なくとも1つの光学作用面は、照明光束に対して全反射面であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の画像観察装置。
- 前記観察光学系は透明な光学材料からなるプリズムレンズを有し、このプリズムレンズは前記反射型画像表示素子からの光が入射する入射面と、前記入射面から入射した光が反射する反射面と、この反射面で反射した光が出射する出射面とを有し、
前記入射面、前記反射面および前記出射面のうち少なくとも1つの面は回転対称軸を有しない曲面形状に形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の画像観察装置。 - 請求項1から6のいずれかに記載の画像観察装置と、この画像表示装置に前記反射型画像表示素子に表示させる画像情報を供給する画像情報供給装置とを有することを特徴とする画像観察システム。
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