JP2002228971A - 画像表示装置 - Google Patents

画像表示装置

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JP2002228971A
JP2002228971A JP2001028300A JP2001028300A JP2002228971A JP 2002228971 A JP2002228971 A JP 2002228971A JP 2001028300 A JP2001028300 A JP 2001028300A JP 2001028300 A JP2001028300 A JP 2001028300A JP 2002228971 A JP2002228971 A JP 2002228971A
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JP2001028300A
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English (en)
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Kazutaka Inoguchi
和隆 猪口
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Mixed Reality Systems Laboratory Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置全体の小型化を図りつつ、反射型の表示
手段に表示した画像を広い観察視野において良好なる画
質で観察することができる画像表示装置を得ること 【解決手段】 反射型の表示手段、光源手段からの光束
を該表示手段に導き、該表示手段からの光束を所定の観
察位置に導く光学系を有する画像表示装置であって、該
光学系は同一の光学素子上に少なくとも2つの面A,B
が形成された第1光学素子を有し、該面Aは該光源手段
からの光を該表示手段に導く際に反射面及び透過面とし
て作用する反射・透過兼用面であり、該面Bは該光源手
段からの光を該表示手段に導く際に反射面、該表示手段
からの光を該観察位置に導く際に透過面として作用する
透過・反射兼用面である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像表示装置に関
し、特に反射型の表示素子に表示された画像情報を適切
に設定した光学系を介して拡大して観察させるようにし
たヘッドマウントディスプレイやメガネ型ディスプレイ
装置等に好適な画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりCRTやLCD等の表示素子を
用い、これらの表示素子に表示された画像を光学系を介
して拡大して観察させるようにした頭部装着型の画像表
示装置(ヘッドマウントディスプレイ)が良く知られて
いる。
【0003】図11は従来の共軸凹面鏡を用いた画像表
示装置の要部概略図である。同図では表示素子61に表
示された画像からの光束をハーフミラー62で反射さ
せ、凹面鏡63に入射させている。凹面鏡63で反射し
た光束をハーフミラー62を介して観察者Eに導光して
いる。表示素子61に表示した画像は凹面鏡63によっ
て拡大した虚像として形成される。これにより、観察者
は表示素子61に表示した画像の拡大虚像を観察してい
る。
【0004】また、例えば特開平7−333551号公
報,特開平8−50256号公報,特開平8−1603
40号公報,特開平8−179238号公報等において
は、画像を表示する表示手段としてのLCD(液晶)と
観察光学系としての薄型プリズムとを使用し、装置全体
の薄型化を図った画像表示装置が提案されている。
【0005】図12は、特開平7−333551号公報
で提案している画像表示装置の要部概略図である。図1
1において、LCD51から発せられた光を、屈折力の
ある小型プリズム52の入射面53に入射させている。
そして該小型プリズム52の一部に形成した曲率を有し
た全反射面54、そして反射面55との間で光束を折り
畳み、その後、面54より小型プリズム52を射出させ
て観察者Eに導光している。これによって表示手段(L
CD)51に表示した画像の虚像を形成し、該虚像を観
察者Eが観察するようにしている。小型プリズム52の
反射面55は、偏心非回転対称面(アジムス角度により
光学的パワーの異なる面、所謂自由曲面)で構成された
偏心自由曲面より成っている。
【0006】図12に示す光学系のタイプは図11に示
した従来の共軸凹面鏡を用いたタイプに比べ、装置全体
の薄型化及び観察視野の広画角化が容易であるという特
徴を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来よりヘッドマウン
トディスプレイやメガネ型ディスプレイ等の画像表示装
置は、これらの装置を頭部に装着するため、特に装置全
体の小型化,軽量化が要望されている。特に、重量バラ
ンス、外観等を考慮すると、観察者の視軸方向に薄型で
あることが好ましい。また、表示手段に表示した画像の
観察に迫力を持たせるために観察画角を広げることが重
要な課題となっている。
【0008】図12に示すようなタイプの薄型のヘッド
マウントディスプレイ(HMD)等の画像表示装置にお
いて、表示素子として開口効率が高く小型化に有利な反
射型の表示素子を用いて、照明光が表示素子に略垂直に
入射するように構成しようとすると、例えば図13に示
すように反射型の表示素子74と小型プリズム52の入
射面53との間に表示素子74を照明するための照明系
70を挿入する必要がある。
【0009】ここで照明系70は、例えば光源71、光
源71からの発散光束を集光するコンデンサーレンズ7
2、コンデンサーレンズ72からの光束を反射させ表示
素子74を照明する、表示素子51の表示面と45°の
角度をなすハーフミラー面73aを含むプリズム73等
から構成される。画像表示装置において、反射型の表示
素子を用いると、それを照明するための照明系を表示素
子51と小型プリズム52との間に配置しなければなら
なく、図13に示すようにプリズム52と表示素子74
との間隔を広くする必要があり、装置全体が大型化して
くる傾向がある。
【0010】本発明は装置全体の小型化を図りつつ、反
射型の表示手段に表示した画像を広い観察視野において
良好なる画質で観察することができる画像表示装置の提
供を目的とする。
【0011】この他本発明は、HMD等の画像表示装置
において液晶ディスプレイ等の反射型の表示手段に表示
した画像情報を観察する際、表示手段を照明する照明光
学系及び表示手段からの光束を観察者の眼球に導光する
ための表示光学系、例えば屈折作用を有するプリズム体
より成る光学手段等の構成を適切に設定することによっ
て、装置のコンパクト性と広画角とを両立させることの
できる画像表示装置の提供を目的としている。特に、照
明光学系における反射面の配置や照明光の入射角度を適
切に設定することで、コンパクトで、観察視野内におけ
るコントラスト低下や画面内でのコントラストむら等を
生じることなく良好なる画質で観察することができる画
像表示装置の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の画像表
示装置は反射型の表示手段、光源手段からの光束を該表
示手段に導き、該表示手段からの光束を観察位置に導く
光学系を有する画像表示装置であって、該光学系は同一
の光学素子上に少なくとも2つの面A,Bが形成された
第1光学素子を有し、該面Aは該光源手段からの光を該
表示手段に導く際に反射面及び透過面として作用する反
射・透過兼用面であり、該面Bは該光源手段からの光を
該表示手段に導く際に反射面、該表示手段からの光を該
観察位置に導く際に透過面として作用する透過・反射兼
用面であることを特徴としている。
【0013】請求項2の発明は請求項1の発明において
前記光源手段から表示手段に至る光路において、該光源
手段からの光束は前記面Aで少なくとも1回の内部全反
射することを特徴としている。
【0014】請求項3の発明は請求項1または2の発明
において前記光源手段より前記表示手段の画像表示面中
心に入射し、該画像表示面中心を射出して前記光学系の
射出瞳中心に至る光線を中心画角主光線とするとき、該
中心画角主光線が、該画像表示面に対して略垂直に入射
・射出するよう構成したことを特徴としている。
【0015】請求項4の発明は請求項1、2、又は3の
発明において前記光学系は、前記表示手段からの光を前
記観察位置に導き観察者に前記表示手段上に表示された
画像の拡大像を認識させる表示光学系を有し、前記面B
は該表示光学系のパワーを有する面に対向して配置され
ていることを特徴としている。
【0016】請求項5の発明は請求項1から4のいずれ
か1項の発明において前記表示手段の画像表示面と前記
面B(前記面Bが曲面のときは中心画角主光線(前記光
源手段より前記表示手段の画像表示面中心に入射し、該
画像表示面中心を射出して前記光学系の射出瞳中心に至
る光線)との交点における接面)とのなす角度をβとし
たとき、β<45°を満たすことを特徴としている。
【0017】請求項6の発明は1から5のいずれか1項
の発明において前記光源手段より前記画像表示面に入射
し、射出して前記光学系の形成する射出瞳中心に至る光
線を主光線とするとき、前記中心画角主光線が前記面A
における内部全反射時に入射・射出する光線が形成する
面をyz面とし、前記面Aにおいて内部全反射する中心
画角主光線のヒットポイントにおける面Aの法線方向に
z軸、法線と直交方向にy軸をとり、該yz面に垂直方
向にx軸をとる面A全反射ローカル座標系において、面
Aにおいて内部全反射する各主光線をxz面に射影した
際に、該射影された各主光線と前記面Aとのヒットポイ
ントにおける法線とのなす角度がそれぞれ略等しくなる
よう構成したことを特徴としている。
【0018】請求項7の発明は請求項6の発明において
前記面A全反射ローカル座標系において、前記主光線を
yz面へ射影した場合に、yz面に射影した各主光線が
前記面Aにそれぞれ略等しい入射角度で入射するよう構
成したことを特徴としている。
【0019】請求項8の発明は請求項7の発明において
前記面Aは少なくともx軸方向にパワーを有しない面で
あることを特徴としている。
【0020】請求項9の発明は請求項1の発明において
前記光学系は前記光源手段からの光を直線偏光とする第
1の偏光子を有し、該第1の偏光子を透過し直線偏光と
なった光が前記面A並びに前記面Bで反射されて前記表
示手段を照明することを特徴としている。
【0021】請求項10の発明は請求項9の発明におい
て前記光学系は前記第1の偏光子と透過軸が略直交した
第2の偏光子を有することを特徴としている。
【0022】請求項11の発明は請求項10の発明にお
いて前記第2の偏光子は前記面Bと面Bに対向した表示
光学系のパワーを有する面との間に配置されていること
を特徴としている。
【0023】請求項12の発明は請求項9の発明におい
て前記光学系は正のパワーを有する光学要素を有し、該
光学要素を通過した光を前記第1の偏光子に入射させる
よう構成したことを特徴としている。
【0024】請求項13の発明は請求項12の発明にお
いて前記正のパワーを有する光学要素が反射面を有して
いることを特徴としている。
【0025】請求項14の発明は請求項1から13のい
ずれか1項の発明において前記光学系は、前記表示手段
からの光を観察者に導く光路中に、複数の偏心反射面を
有する第2のプリズムを有することを特徴としている。
【0026】請求項15の発明は請求項14の発明にお
いて前記偏心反射面の少なくとも1面が、非回転対称面
であることを特徴としている。
【0027】請求項16の発明は請求項1から15のい
ずれか1項の発明において前記光源手段より前記表示手
段の画像表示面中心に入射し、該画像表示面中心を射出
して前記光学系の形成する射出瞳中心に至る光線を中心
画角主光線とするとき、該中心画角主光線は、前記第1
光学素子の内部で交差していることを特徴としている。
【0028】請求項17の発明の画像表示装置は反射型
の表示素子と、光源手段からの光束を該表示手段の表示
面に入射させる照明光学系と、該表示手段からの光束を
観察者の瞳孔に導光し、該表示手段に表示した画像情報
を観察させる表示光学系とを有した画像表示装置におい
て、該照明光学系は同一の光学部材に面A、と面Bを形
成した第1光学素子を有し、該光源手段からの光束は該
面Aで全反射して面Bに入射し、該面Bで全反射して、
面Aを透過する過程を介して該表示手段に入射してお
り、該表示光学系は該表示手段からの光束を該面Aと面
Bを透過した光束を観察者の瞳孔に導光するパワーのあ
る第2光学素子を有していることを特徴としている。
【0029】請求項18の発明の画像表示装置は光源手
段、反射型の表示手段、該光源手段からの光束を該表示
手段に導く照明光学系、該表示手段により反射された光
束を観察者の瞳に導き形成される虚像を該表示手段上に
表示された画像の拡大像として観察者に認識させる表示
光学系を有し、該照明光学系は同一の光学部材に面Aと
面Bそして1以上の面を形成した第1光学素子を有して
おり、該光源手段からの光束は該第1光学素子の少なく
とも1つの面で反射し、面Aに入射し、該面Aで全反射
し面Bに入射し、面Bで全反射して面Aを透過する過程
を介して該表示手段に入射しており、該表示光学系は該
表示手段からの光束を該面Aと面Bを透過した光束を観
察者の瞳孔に導光するパワーのある第2光学素子を有し
ていることを特徴としている。
【0030】請求項19の発明は請求項17又は18の
発明において前記光源手段より前記表示手段の画像表示
面中心に入射し、該画像表示面中心を射出して前記光学
系の形成する射出瞳中心に至る光線を中心画角主光線と
するとき、該中心画角主光線は、前記第1光学素子の内
部で交差していることを特徴としている。
【0031】請求項20の発明は、請求項1の発明にお
いて反射型の表示手段、光源手段からの光束を該表示手
段に導き、該表示手段からの光束を観察位置に導く光学
系、を有する画像表示装置であって、該光学系は同一の
光学素子上に少なくとも2つの面A,Bが形成された第
1光学素子を有し、該面Aは該光源手段からの光を該表
示手段に導く際に反射面及び透過面として作用する反射
・透過兼用面であり、該面Bは該光源手段からの光を該
表示手段に導く際に反射面、該表示手段からの光を該観
察位置に導く際に透過面として作用する透過・反射兼用
面であることを特徴としている。
【0032】請求項21の発明のヘッドマウントディス
プレイ装置は請求項1から20のいずれか1項に記載の
画像表示装置を用いていることを特徴としている。
【0033】
【発明の実施の形態】(実施形態1)図1は本発明の画
像表示装置の実施形態1の基本構成を示す要部概略図で
ある。本実施形態の画像表示装置は、例えばヘッドマウ
ントディスプレイに適用可能である。図中2は表示光学
系(拡大光学系)の一部を構成する第2光学素子であ
り、平面、曲面、非球面、または回転非対称面等から成
る光学作用面(以下「面」ともいう)S21、S22、
S23を有したプリズム体より成っている。尚、いずれ
の面も1つのYZ面(対称面、本実施形態においては紙
面がこれに相当)に対して対称な形状をしている。ま
た、3つ以上の面を有するようにしてもよい。Sは観察
者1の望ましき瞳孔位置である。
【0034】5は反射型のLCDより成る画像表示手段
(表示素子)であり、5aはその表示面(液晶面)であ
る。
【0035】3は光源手段であり、例えばLCD5が単
色用であれば単色光または白色光を放射する光源より成
り、または、LCD5がカラー用であれば、例えばR,
G,B3色を発光するLEDが1チップ上に形成された
光源を用いている。このときR,G,Bの3色を発光す
るLEDは反射型のLCD5への画像の表示に同期して
発光を制御され、カラー表示を可能ならしめている。
【0036】4はコンデンサーレンズであり、光源3か
らの光束を集光して偏光板6に導光している。1は第1
の光学素子であり、平面又は曲面の3つの面S11、S
12、S13を有したプリズム体より成っている。
【0037】7は偏光板であり、偏光板6と透過軸が略
直交するように配置している。
【0038】本実施形態においては、図1の紙面をyz
面とし、観察者102の視軸方向(観察者の瞳Eに入射
する後述する中心画角主光線L0の方向)にz軸をと
り、紙面内でこれに直交する方向にy軸をとり、紙面に
垂直方向にx軸をとったグローバル座標系を採用してい
る。各軸の正の向きはy,z軸に関しては図示の通りで
あり、x軸は紙面奥向きとしている。
【0039】尚、光源手段3からの光をLCD5に導く
要素、即ちコンデンサレンズ4及び偏光板6、第1光学
素子1の面S13,S11,S12は照明光学系101
を構成しており、LCD5からの反射光を観察者102
の眼Eに導く要素、即ち第1光学素子1の面S12,S
11と偏光板7、第2光学素子2の面S23,S21,
S22は本実施形態の表示光学系103の一要素を構成
している。
【0040】また、光源手段3を発して反射型LCD5
の画像表示面5a上の任意の点に入射し該表示面5a上
の任意の点を発して表示光学系103の射出瞳Sの中心
に至る光線を主光線と呼び、特に光源手段3を発して反
射型LCD5の画像表示面5a上の中心p5aに入射
し、LCD5の表示面5aの中心p5aを発して表示光
学系の射出瞳Sの中心に至る光線L0を中心画角主光線
L0と呼ぶ。
【0041】光源手段3は面光源であり、33aは該光
源手段3の発光面である。光源手段3は、例えば図4に
示すような光源31及び光源31からの光束を集光する
レンズ32,入射光を拡散して出射させる拡散板33に
よって面光源を形成してもよいし、導光板の側面より光
を入射させるサイドライトタイプやその他の構成をとる
ことも可能である。
【0042】第2光学素子2は、光束を透過及び反射さ
せる面S21、反射膜の形成された反射面S22、透過
面S23を有し、これら3面間を同一媒質で満たされた
プリズム形状より成っている。面S23は反射型LCD
5からの光束を第2光学素子2に入射させる入射面であ
り、面S21及び面S22は第2光学素子2の複数の反
射面であり、また、面S21は光束を第2光学素子2か
ら射出させ観察者の瞳Eに導く射出面である。
【0043】反射面として作用する面S21及び面S2
2は、前記中心画角主光線L0に対して偏心して配置さ
れている。特に、第2光学素子2の材質の屈折率をn1
とするとき、面S23より入射した光線L0が面S21
に対してarcsin(1/n1)以上の入射角度で入
射するようにして、面S21で全反射して面S22へ向
かうようにしている。また、面S22で反射された光線
はarcsin(1/n1)未満の入射角度で面S21
に入射し、第2光学素子2の面S21から射出するよう
にしている。これにより、面数の削減と光利用効率の向
上を図っている。
【0044】尚、最も強いパワーを有する面S22をy
z面に対してのみ対称性を有する非回転対称面とするこ
とで、2つの反射面S21、S22を偏心配置したこと
により発生する収差を補正している。更に好ましくは、
これらの面S21,S22,S23を全てyz面に対し
てのみ対称性を有する非回転対称面とすることで、収差
を良好に補正している。
【0045】第1光学素子1は本実施形態においては全
て平面で構成され、光源手段3からの光束を表示手段5
に導く際に光束を反射し、該表示手段5からの光を観察
者102に導く際に透過させる透過・反射兼用面(反射
面B)S11、光源手段3からの光束を表示手段5に導
く際に光束を反射又は透過させる透過・反射兼用面(反
射面A)S12、そして透過面S13より成り、これら
3面間を同一媒質で満たされたプリズム形状より構成し
ている。光源3の発光面33aの一点より発した光束は
コンデンサレンズ4により集光され、偏光板6を透過し
た光のみが第1光学素子1の面S13より第1光学素子
1内に導かれる。本実施形態においては、面S13より
第1光学素子1に入射した光は、少なくとも前記主光線
がそれぞれ面S12に対し第1光学素子1の材質の屈折
率をnとしてarcsin(1/n)以上の入射角度で
入射し、面S12で全反射するようにしている。
【0046】このように構成することで、第1光学素子
1内での反射及び透過での有効領域を重複させ、第1光
学素子1をコンパクト化し、且つ、光利用効率を向上さ
せている。面S12で全反射された光は、ハーフミラー
面である面S11で一部が反射され、今度は面S12に
arcsin(1/n)未満の入射角度で入射し、面S
12を透過して第1光学素子1を射出し、LCD5を照
明する。残りの面S11を透過した光は偏光板6を透過
した偏光成分と略垂直な方向に偏光透過軸を持つ偏光板
7により吸収される。このとき、面S12からLCD5
に向かう各主光線が表示面5aに対して略垂直(90°
±10°)に入射するようにすると、LCD5の視角特
性の良好な角度に発した光を有効に光学系の射出瞳に導
くことが出来る為、好ましい。特に、中心画角主光線L
0は表示面5aに対して略垂直(90°±5°)に入射さ
せることが好ましい。
【0047】LCD5に入射した光束は、そこで適宜光
変調され、反射された光は、面S12より第1光学素子
1に入射し、一部の光がハーフミラー面S11を透過し
て第1光学素子1より射出し、偏光板7で偏光状態に応
じて検光される。面S11で反射した光は光源3の方向
に向かう。偏光板7を透過した光は、第2光学素子2の
面S23を透過して第2光学素子2内に入射し、光束に
対して臨界角以上傾いた面S21で全反射した後、面S
22で反射され再度、面S21に向かい、面S21を今
度は透過して第2光学素子2より射出して射出瞳Sを形
成し、略射出瞳Sの位置に置かれた観察者の眼Eに導か
れ、観察者にLCD5上の画像を拡大して見せている。
【0048】尚、本実施形態においては、偏光板7を除
いて考えると、反射面Bである面S11を表示光学系1
03のパワー分担面である曲面S23に対向させて配置
し、表示面5aと面S23との間の光路長を短くしてお
り、広画角化に有利な構成としている。更に、LCD5
の表示面5aと反射面Bである面(面Bが曲面のときは
中心画角主光線との交点における接面)S11とのなす
角度βをβ<45°として、表示面5aと面S23との
間の光路長を短くしており、広画角化に有利な構成とし
ている。
【0049】更に望ましくは、角度βを 10°<β<40°・・・(a) なる条件を満足するように構成することが好ましい。
【0050】条件式(a)の下限値を超えると表示面5
aの一端p5c側を照明した光束を十分に射出瞳Sに導
くことが難しくなり、上限値を超えると表示面5aから
第2光学素子の面S23までの光路長が長くなり、広画
角化が難しくなる。
【0051】また、本実施形態においては、図1の紙面
であるyz面内でLCD5の一方の最端点であるp5b
を発して射出瞳Sの中心に至る主光線L1における表示
面5aから面S23までの距離即ち、点p5bから点S
23bまでの距離(LL1とする)と、他方の最端点で
あるp5cを発して射出瞳Sに導かれる主光線L2にお
ける表示面5aから面S23までの距離即ち、点p5c
から点S23cまでの距離(LL2とする)とは、LL
1>LL2の方が収差補正上好ましく、本発明において
は第1光学素子1の薄い方が点p5c寄りに、厚い方が
点p5b寄りになるように配置している。
【0052】図2は、図1の第1光学素子1の面S12
における全反射時のローカル座標系(x12tr,y1
2tr,z12trの3軸により定義されている)にお
けるx12tr−z12tr断面図である。また、図3
はLCD5の表示面5aを正面から(中心画角主光線L
0方向から)見た図であり、図1に記したLCD5の表
示面5aでのx5,y5,z5の各軸を有するローカル
座標系におけるx5−y5断面図である。
【0053】図2においては、光源3より第1光学素子
1を介しLCD5の有効表示画面中心p5aに入射し、
LCD5で反射されて第2光学系2の射出瞳Sの中心を
通る中心画角主光線L0と、LCD5の中心から水平方
向にずれて最端点p5b、点p5c(図3での点p5
d,p5e)に入射し、LCD5で反射されて表示光学
系102により射出瞳Sの中心を通る主光線となる照明
主光線L3,L4(図1では主光線L1,L2に相当)と
を描いている。
【0054】本実施形態においては、中心照明主光線L
0は図2の断面で面S12の法線であるz12tr軸に
射影されるように構成されている。また、本実施形態に
おいては、照明主光線L3,L4を図4の断面に射影し
たものはそれぞれの照明主光線の面S12でのヒットポ
イントにおける法線と±θxの角度をなしている。θx
=0の場合を除き、偏光板6を透過した直線偏光の光
は、全反射面S12において楕円偏光となるため、LC
D5で変調されることなく反射された場合でも、偏光板
7を一部透過して、コントラストむらを発生する。
【0055】本発明においては、角度θxを小さい値に
抑え、面S12に各主光線L0,L3,L4が略等しい
角度で垂直に近い状態で入射するようにすると、画面内
の輝度むらが少なく、高コントラストが得られるので好
ましい。特にθxを |θx|≦5°・・・(1) とすると、全反射における偏光状態変化が少なく、射出
瞳Sの位置近傍に眼球Eを置いた観察者に画面内の輝度
むらが少なく、且つコントラストが高い画像を見せるこ
とができ、望ましい。尚、図2においては、LCD5の
表示面5a上でp5d,p5eより発して瞳Sの中心に
至る主光線となる照明主光線L3,L4で説明したが、
上記条件式(1)は任意の主光線(表示面5a上の任意
の点を出て、瞳Sの中心に導かれる光線)となる各照明
主光線全てに成り立つことが望ましい。
【0056】また、面S12での全反射時のローカル座
標系における図1の断面y12tr−z12tr断面図
で該断面に射影した各主光線の面S12への入射角θy
についても、 arcsin(1/n)≦θy≦1.5*arcsin(1/n) ・・・(2) とすることで、角度θyのばらつきに対するコントラス
ト低下を抑え、更に高コントラストを確保することが望
ましい。条件式(2)の下限を超えると全反射しなくな
り、上限を超えるとコントラストの低下が著しくなる。
【0057】以上の条件式(1)、(2)を満足させる
ことで、高コントラストで観察者にLCD5上の画像を
拡大して見せることが容易になる。
【0058】更に好ましくは、中心画角主光線L0の面
S12への入射角をθy0とするとき、 θy0−5≦θy≦θy0+5 を満足させると、第1光学素子1を射出して画像表示面
5aに入射する光線の角度のばらつきが小さくなり、L
CD5の視角特性の似通った方向の光を表示光学系10
2を介して射出瞳Sに導くことが可能になる為、画角に
よるコントラストむらの発生を抑えることができ、好ま
しい。
【0059】本実施形態では、以上の構成をとったこと
により、小型でありながら、広画角化を図ることがで
き、且つ、輝度むらが少なく高コントラストな高品位の
画像を観察することができる画像表示装置を達成してい
る。
【0060】以上光束が反射するときの条件として全反
射面の場合の条件をつけたが、一般に反射面においては
s偏光,p偏光の複素振幅反射率は異なるため、金属ミ
ラー面,ハーフミラー面,誘電体多層膜コート面におい
ても上述のような現象が生じる。また、屈折面において
も強度振幅率の違いから偏光状態の変化が生じる為、光
源3から発した各主光線をコンデンサレンズ4によって
略平行にして偏光板6に入射させるようにすることが好
ましい。
【0061】また、本発明の第1光学素子の媒質はガラ
ス等の複屈折性の少ないものを用いることが好ましい。
そうすることにより、光弾性等により生じる偏光状態変
化を防ぐことが出来、高画質の画像表示を可能にでき
る。
【0062】(実施形態2)図5は本発明の実施形態2
を示す概略図である。本実施形態は、コリメータレンズ
4の代わりに反射面S41を含むミラー40を用いた
点、及び、第1光学素子1の照明光束を全反射する面A
をyz断面のみに曲率を有する曲面S12で構成した点
が、実施形態1と異なる点であり、その他は同じであ
る。実施形態1と同じ構成要素は、同じ符号で表し、説
明を省略する。面S12における全反射時のローカル座
標系を決めるx12tr,y12tr,z12trの各
軸は、面S12における中心画角主光線L0のヒットポ
イントでの法線方向にz12tr軸をとり、紙面内接線
方向にy12tr軸をとり、紙面に垂直にx12tr軸
をとっている。
【0063】尚、実施形態1と同様、光源3の発光面3
3aからの光をLCD5に導く要素は本実施形態の照明
光学系101を構成しており、LCD5からの反射光を
観察者の眼Eに導く要素は本実施形態の表示光学系10
3を構成している。
【0064】以下、本実施形態2における各要素の作用
を説明する。33aを発光面とする面光源3の一点より
発散した光線群はミラー40の曲面反射面S41により
反射し互いに略平行となった後、偏光板6に入射する。
偏光板6では、紙面に平行な直線偏光成分以外は吸収さ
れ、面S13より第1光学素子1に入射する。第1光学
素子1に入射した直線偏光した光線群は、yz断面方向
にのみ曲率を有する曲面(反射面A)S12で全反射し
た後、金属もしくは誘電体の半透過の反射膜を施された
面S11で一部が透過して偏光板7で吸収され、残りが
反射されて面S12に向かい、面S12を屈折・透過し
て第1光学素子1より射出し、LCD5を照明する。
【0065】ここで、各画角の主光線となる照明主光線
は、曲面S12での全反射時のローカル座標系における
x12tr−z12tr断面に射影したときに曲面S1
2の法線とのなす角度θxが略平行になるように、特に
|θx|≦5°となるように構成して、偏光板6による
直線偏光成分以外の成分が少ない状態でLCD5に入射
するようにし、LCD5により受ける変調を理想状態に
近い状況としている。
【0066】尚、本実施形態においては、第1光学素子
1の全反射面S12をyz断面で曲率を有する面として
いるため、角度θyを各画角主光線となる各照明主光線
をyz断面に射影した線と各照明主光線のヒットポイン
トでの面法線とのなす角度とした場合に、arcsin
(1/n)≦θy≦1.5*arcsin(1/n)を
満たすように構成することが好ましい。
【0067】LCD5に入射した光束は、そこで適宜光
変調され反射された光は、面S12より再び第2光学素
子2に入射し、面S11で一部が反射され光源3の方向
に戻り、残りは透過して偏光板7に導かれる。面S12
における前記角度θxの条件を|θx|≦5°として偏
光板6による直線偏光成分以外の成分が少なくなるよう
にしたため、LCD5により変調を受けなかった光はほ
ぼ偏光板7で吸収され、LCD5で位相をπ/2ずらさ
れた光は偏光板7を透過する。偏光板7を透過した光
は、面S23で屈折・透過して第2光学素子2に入射し
て面S21に向かい、これらの光に対して臨界角以上を
なすように傾いた面S21で全反射した後、面S22で
反射し、面S11を今度は屈折・透過して第2光学素子
2より射出して射出瞳Sを形成し、略射出瞳Sの位置に
置いた観察者の眼Eに導かれ、高コントラストで観察者
にLCD5上の画像を拡大して見せることが可能にな
る。
【0068】本実施形態においても、実施形態1と同様
に光源手段3の発光面33aの中心を発した光線がミラ
ー40により少なくとも紙面に垂直な方向の断面におい
て互いに略平行となるように変換して偏光板6に導き、
偏光板6を透過後、第1光学素子の全反射面S12に入
射するように構成したため、照明主光線L0の図5に垂
直な断面における全反射面への入射角度のばらつきが少
なく、従って該断面に射影された光線と面S12の法線
とのなす角θxのばらつきを少なくし、LCD5の画面
内での輝度むらの発生を抑えている。
【0069】特に、実施形態1と同様の理由で、|θx
|≦5°,arcsin(1/n)≦θy≦1.5*a
rcsin(1/n)としたことで、LCD5の画面内
での輝度むらが少なく、高コントラストな画像を観察者
に提示することが可能である。また、面S12を曲面と
したことで、表示光学系103におけるパワーを有する
面を増やしており、表示光学系におけるパワー分担面を
増やし、各面のパワー配分を減らすことができるため、
収差補正が容易になる利点もある。
【0070】但し、xz断面において曲率を有する面と
すると、偏光状態に影響を与え、コントラスト低下を招
くことがあるため、xz断面において曲率を有さない面
形状とすることが好ましく本実施形態もxz断面の曲率
を有さない面形状としている。
【0071】また、曲面を面S12の代わりに面S11
(反射面A)としても良い。
【0072】(実施形態3)図6は本発明の実施形態3
の要部概略図である。本実施形態は、コリメータレンズ
4の代わりに反射面S42と透過面S41,S43を有
したプリズム40を用いた点、及び、第1光学素子1の
ハーフミラー面(反射面B)をyz断面のみに曲率を有
する曲面S11で構成した点が、実施形態1と異なる点
であり、その他は同じである。実施形態1と同じ構成要
素は、同じ符号で表し、説明を省略する。
【0073】尚、実施形態1と同様、光源3の発光面3
3aからの光をLCD5に導く要素は本実施形態の照明
光学系101を構成しており、LCD5からの反射光を
観察者102の眼Eに導く要素は本実施形態の表示光学
系103を構成している。
【0074】以下、本実施形態における作用を説明す
る。光源3の発光面33aの一点より発散した光線群は
面S41よりプリズム40に入射し、曲面反射面S42
で反射し互いに略平行となり、面S43から出射した
後、偏光板6に入射する。偏光板6では、紙面に平行な
直線偏光成分以外は吸収され、第1光学素子1の面S1
3より第1光学素子1に入射する。面S13より第1光
学素子1に入射した直線偏光した光線群は、面S12で
全反射した後、yz断面方向にのみ曲率を有する曲面S
11で一部が反射し、残りが透過する。透過した光は紙
面に垂直な方向に透過軸を有する偏光板7で吸収され
る。反射した光は面S12を透過して第1光学素子1よ
り射出し、LCD5を照明する。
【0075】LCD5に入射し、そこで適宜光変調され
反射された光は、面S12より再び第1光学素子1に入
射し、面S11で一部は反射して光源3の方向に戻り、
残りは透過して偏光板7に導かれる。LCD5により変
調を受けなかった光はほぼ偏光板7で吸収され、LCD
5で位相をπ/2ずらされた光は偏光板7を透過する。
透過した光は、面S23を透過して第2光学素子2に入
射して面S21に向かい、これらの光に対して臨界角以
上をなすように傾いた面S21で全反射した後、面S2
2で反射し、面S21を今度は屈折・透過して第2光学
素子2より射出して射出瞳Sを形成し、略射出瞳Sの位
置に置いた観察者102の眼Eに導かれ、観察者102
にLCD5上の画像を拡大して見せている。
【0076】ここでも、各主光線は、面S12での全反
射時のローカル座標系におけるx12tr−z12tr
断面に射影したときに面S12の法線とのなす角度θx
が略平行になるように、特に|θx|≦5°となるよう
に構成して、偏光板6による直線偏光成分以外の成分が
少ない状態でLCD5に入射するようにし、LCD5に
より受ける変調を理想状態に近い状況とすることが好ま
しい。
【0077】また、角度θyについても同様に、arc
sin(1/n)≦θy≦1.5*arcsin(1/
n)を満たすように構成することが好ましい。
【0078】本実施形態においては、面S11を曲面と
したことで、表示光学系103におけるパワーを有する
面を増やしており、表示光学系103におけるパワー分
担面を増やし、各面の分担配分を減らすことができるた
め、収差補正が容易になる利点がある。
【0079】但し、実施形態2において説明したのと同
様の理由で、xz断面に曲率を有していない形状が好ま
しく、本実施形態においても、これを採用している。
【0080】[実施形態4]以上の各実施形態として第
1光学素子1での反射回数が2回であったが、本発明に
係る第1光学素子1はこれに限定するものではない。図
7は、実施形態4の要部概略図である。本実施形態と実
施形態1との違いは、第1光学素子1を3つの反射面を
有するように即ち、3回反射するように構成した点であ
り、反射面Bである面S11で、光源1からの光束を複
数回反射させるようにしたことであり、その他は同じで
あるので、符号の説明は省略する。本実施形態において
も、光源手段3からの光をLCD5に導く要素、即ちコ
ンデンサレンズ4及び偏光板6、第1光学素子1の面S
13,S11,S12は照明光学系101を構成してい
る。
【0081】光源手段3の発光面33aからの発散光束
をレンズ4で略平行光束とし、偏光板6を透過した特定
方向に直線偏光となった光束が、面S13より第1光学
素子1に導かれ、反射面Bであるところの面S11で反
射して反射面Aであるところの面S12に導かれ、面S
12で全反射し、面S11で一部が反射、残りが透過さ
れる。透過された光は偏光板7で吸収される。反射され
た光は面S12を透過して第2光学素子1より射出し
て、反射型のLCD5を照明している。反射型LCD5
に入射した光束は、そこで適宜光変調され、反射した光
は、面S12より第1光学素子1に入射し、面S11で
一部が反射、残りが透過する。反射した光は光源3の方
向に戻る。面S11を透過して第1光学素子1より射出
した光は、偏光板6と偏光透過軸が略直交した偏光板7
で変調状態に応じて検光される。偏光板7を透過した光
は面S23を透過して第2光学素子2に入射して面S2
1に向かい、これらの光に対して臨界角以上をなすよう
に傾いた面S21で全反射した後、面S22で反射し、
面S21を今度は屈折・透過して第2光学素子2より射
出して表示光学系の射出瞳Sの位置に置かれた観察者1
02の瞳Eに導かれ、観察者102にLCD5上に表示
された画像の拡大像を認識させている。
【0082】本実施形態においても、前述した実施形態
と同様に、各主光線を面S12の法線を含み図の紙面と
垂直な面に射影した線と面S12の法線とのなす角θx
に関して、 |θx|≦5°・・・(1) としている。
【0083】また、各主光線を紙面に射影した線と面S
21の法線とのなす角θyに関して、 arcsin(1/n)≦θy≦1.5*arcsin(1/n) (但し、nは第1光学素子1の媒質の屈折率)として、
更に高コントラストな画像表示を行うことが好ましい。
【0084】(実施形態5)図8は本発明の実施形態5
の要部概略図である。
【0085】本実施形態は、図8に示すように第1光学
素子1を面S11〜S14の4つの面で構成し、面S1
1、S12以外の面に反射作用を持たせている。ここで
は、光源3からの発散光束をレンズ4で略平行にして偏
光板6を透過した光束を面S14から第1光学素子1に
入射させ、面S13で反射させ面S12で全反射した
後、面S11で一部を反射させて面S12から出射させ
てLCD5を照明している。この他の構成は実施形態1
と同様である。
【0086】(実施形態6)図9は本発明の実施形態6
の要部概略図である。本実施形態は図9のように、光源
3からの発散光束をレンズ4で略平行にして偏光板6を
透過した光束を面S14から第1光学素子1に入射さ
せ、面S13で反射させ更に面S11で反射した光を面
S12で全反射させた後、面S11で一部を反射させて
面S12から出射させてLCD5を照明させ、面S14
→S13の光路と面S11←→S12の光路とが交差す
るようにして更なるコンパクト化を図っている。即ち中
心画角主光線が第1光学素子1の内部で交差するように
している。この他の構成は実施形態1と同様である。
【0087】[実施形態7]以上、各実施形態として第
2光学素子2での反射回数が2回のもので説明してきた
が、本発明はこれに限定するものではない。図10は、
第2光学素子2として3回の裏面反射を行うプリズム1
を用いた実施形態7の要部概略図である。本実施形態と
実施形態1との違いは、第2光学素子2に4つの面S2
01、S202、S203、S204からなる光学系を
用いたことであり、また、第1光学素子1を3つの反射
面を有するように構成し、反射面Bである面S11はこ
れまでと同様の働きをし、面S13は反射面として作用
し、反射面Aに光源からの光を入射させる入射面の役割
を兼用させた面S12を用いたことであり、その他は同
じであるので、符号の説明は省略する。
【0088】光源手段3の発光面からの発散光束をレン
ズ4で略平行光束とし、偏光板6を透過した特定方向に
直線偏光となった光束が、面S12より第1光学素子1
に導かれ、面S13で反射して反射面Aであるところの
面S12に導かれ、面S12で全反射し、面S11で一
部が反射、残りが透過される。透過された光は偏光板7
で吸収される。反射された光は面S12を透過して第2
光学素子1より射出して、反射型LCD5を照明してい
る。反射型LCD5に入射した光束は、そこで適宜光変
調され、反射された光は、面S12より第1光学素子1
に入射し、面S11で一部が反射、残りが透過する。反
射した光は光源3の方向に戻る。面S11を透過して第
1光学素子1より射出した光は、偏光板6と偏光透過軸
が略直交した偏光板7で変調状態に応じて検光される。
偏光板7を透過した光は面S204より第2光学素子2
に入射し、面S203で反射され、面S201に向か
う。第2光学素子2の屈折率をn1とするとき面S20
1に対して面S203で反射された光がarcsin
(1/n1)以上の角度で入射する様にして、全反射し
て面S202に向かう。面S202で反射された光は、
再度面S201へ向かい、今度はarcsin(1/n
1)以下の角度で表示光学系の射出瞳Sの位置に置かれ
た観察者102の瞳Eに導かれ、観察者102にLCD
5上に表示された画像の拡大像を認識させている。
【0089】このように、LCD5上に表示された画像
を拡大して観察者102の瞳に導く表示光学系103
は、必ずしも特定のものに限定したものではない。
【0090】また、第1光学素子と第2光学素子との組
み合わせも適宜可能である。
【0091】
【発明の効果】本発明によれば、装置全体の小型化を図
りつつ、反射型の表示手段に表示した画像を広い観察視
野において良好なる画質で観察することができる画像表
示装置を達成することができる。
【0092】この他本発明によればHMD等の画像表示
装置において液晶ディスプレイ等の反射型の表示手段に
表示した画像情報を観察する際、表示手段を照明する照
明光学系及び表示手段からの光束を観察者の眼球に導光
するための表示光学系、例えば屈折作用を有するプリズ
ム体より成る光学手段等の構成を適切に設定することに
よって、装置のコンパクト性と広画角とを両立させるこ
とのできる画像表示装置の提供を達成することができ
る。
【0093】また、本発明によれば照明光学系における
反射面の配置や照明光の入射角度を適切に設定すること
で、コンパクトで、観察視野内におけるコントスト低下
や画面内でのコントラストむら等を生じることなく良好
なる画質で観察することができる画像表示装置を達成す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像表示装置の実施形態1の要部概
略図
【図2】 本発明の画像表示装置の実施形態1の第1光
学素子の全反射面Aにおけるxz断面図
【図3】 本発明の実施形態1の反射型表示手段の表示
面を正面から見た図
【図4】 本発明に係る面光源の構成例の図
【図5】 本発明の画像表示装置の実施形態2の要部概
略図
【図6】 本発明の画像表示装置の実施形態3の要部概
略図
【図7】 本発明の画像表示装置の実施形態4の要部概
略図
【図8】 本発明の画像表示装置の実施形態5の要部概
略図
【図9】 本発明の画像表示装置の実施形態6の要部概
略図
【図10】 本発明の画像表示装置の実施形態7の要部
概略図
【図11】 従来例の画像表示装置の要部概略図
【図12】 従来例の画像表示装置の要部概略図
【図13】 従来例の画像表示装置の要部概略図
【符号の説明】
1 第1光学素子 2 第2光学素子 3 光源 4 コンデンサレンズ 5 反射型LCD 6 偏光板 7 偏光板 101 照明光学系 102 観察者 103 表示光学系
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年4月13日(2001.4.1
3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】
【発明の実施の形態】(実施形態1)図1は本発明の画
像表示装置の実施形態1の基本構成を示す要部概略図で
ある。本実施形態の画像表示装置は、例えばヘッドマウ
ントディスプレイに適用可能である。図中2は表示光学
系(拡大光学系)の一部を構成する第2光学素子であ
り、平面、曲面、非球面、または回転非対称面等から成
る光学作用面(以下「面」ともいう)S21、S22、
S23を有したプリズム体より成っている。尚、いずれ
の面も1つのYZ面(対称面、本実施形態においては紙
面がこれに相当)に対して対称な形状をしている。ま
た、3つ以上の面を有するようにしてもよい。Sは観察
者102の望ましき瞳孔位置である。

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反射型の表示手段、光源手段からの光束
    を該表示手段に導き、該表示手段からの光束を観察位置
    に導く光学系、 を有する画像表示装置であって、 該光学系は同一の光学素子上に少なくとも2つの面A,
    Bが形成された第1光学素子を有し、該面Aは該光源手
    段からの光を該表示手段に導く際に反射面及び透過面と
    して作用する反射・透過兼用面であり、該面Bは該光源
    手段からの光を該表示手段に導く際に反射面、該表示手
    段からの光を該観察位置に導く際に透過面として作用す
    る透過・反射兼用面であることを特徴とする画像表示装
    置。
  2. 【請求項2】 前記光源手段から表示手段に至る光路に
    おいて、該光源手段からの光束は前記面Aで少なくとも
    1回の内部全反射することを特徴とする請求項1の画像
    表示装置。
  3. 【請求項3】 前記光源手段より前記表示手段の画像表
    示面中心に入射し、該画像表示面中心を射出して前記光
    学系の射出瞳中心に至る光線を中心画角主光線とすると
    き、該中心画角主光線が、該画像表示面に対して略垂直
    に入射・射出するよう構成したことを特徴とする請求項
    1または2に記載の画像表示装置。
  4. 【請求項4】 前記光学系は、前記表示手段からの光を
    前記観察位置に導き観察者に前記表示手段上に表示され
    た画像の拡大像を認識させる表示光学系を有し、 前記面Bは該表示光学系のパワーを有する面に対向して
    配置されていることを特徴とする請求項1、2、又は3
    に記載の画像表示装置。
  5. 【請求項5】 前記表示手段の画像表示面と前記面B
    (前記面Bが曲面のときは中心画角主光線(前記光源手
    段より前記表示手段の画像表示面中心に入射し、該画像
    表示面中心を射出して前記光学系の射出瞳中心に至る光
    線)との交点における接面)とのなす角度をβとしたと
    き、β<45°を満たすことを特徴とする請求項1から
    4のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  6. 【請求項6】 前記光源手段より前記画像表示面に入射
    し、射出して前記光学系の形成する射出瞳中心に至る光
    線を主光線とするとき、 前記中心画角主光線が前記面Aにおける内部全反射時に
    入射・射出する光線が形成する面をyz面とし、前記面
    Aにおいて内部全反射する中心画角主光線のヒットポイ
    ントにおける面Aの法線方向にz軸、法線と直交方向に
    y軸をとり、該yz面に垂直方向にx軸をとる面A全反
    射ローカル座標系において、 面Aにおいて内部全反射する各主光線をxz面に射影し
    た際に、該射影された各主光線と前記面Aとのヒットポ
    イントにおける法線とのなす角度がそれぞれ略等しくな
    るよう構成したことを特徴とする請求項1から5のいず
    れか1項に記載の画像表示装置。
  7. 【請求項7】 前記面A全反射ローカル座標系におい
    て、前記主光線をyz面へ射影した場合に、yz面に射
    影した各主光線が前記面Aにそれぞれ略等しい入射角度
    で入射するよう構成したことを特徴とする請求項6の画
    像表示装置。
  8. 【請求項8】 前記面Aは少なくともx軸方向にパワー
    を有しない面であることを特徴とする請求項7の画像表
    示装置。
  9. 【請求項9】 前記光学系は前記光源手段からの光を直
    線偏光とする第1の偏光子を有し、該第1の偏光子を透
    過し直線偏光となった光が前記面A並びに前記面Bで反
    射されて前記表示手段を照明することを特徴とする請求
    項1の画像表示装置。
  10. 【請求項10】 前記光学系は前記第1の偏光子と透過
    軸が略直交した第2の偏光子を有することを特徴とする
    請求項9の画像表示装置。
  11. 【請求項11】 前記第2の偏光子は前記面Bと面Bに
    対向した表示光学系のパワーを有する面との間に配置さ
    れていることを特徴とする請求項10の画像表示装置。
  12. 【請求項12】 前記光学系は正のパワーを有する光学
    要素を有し、該光学要素を通過した光を前記第1の偏光
    子に入射させるよう構成したことを特徴とする請求項9
    の画像表示装置。
  13. 【請求項13】 前記正のパワーを有する光学要素が反
    射面を有していることを特徴とする請求項12の画像表
    示装置。
  14. 【請求項14】 前記光学系は、前記表示手段からの光
    を観察者に導く光路中に、複数の偏心反射面を有する第
    2のプリズムを有することを特徴とする請求項1から1
    3のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  15. 【請求項15】 前記偏心反射面の少なくとも1面が、
    非回転対称面であることを特徴とする請求項14の画像
    表示装置。
  16. 【請求項16】 前記光源手段より前記表示手段の画像
    表示面中心に入射し、該画像表示面中心を射出して前記
    光学系の形成する射出瞳中心に至る光線を中心画角主光
    線とするとき、該中心画角主光線は、前記第1光学素子
    の内部で交差していることを特徴とする請求項1から1
    5のいずれか1項の画像表示装置。
  17. 【請求項17】 反射型の表示素子と、光源手段からの
    光束を該表示手段の表示面に入射させる照明光学系と、
    該表示手段からの光束を観察者の瞳孔に導光し、該表示
    手段に表示した画像情報を観察させる表示光学系とを有
    した画像表示装置において、該照明光学系は同一の光学
    部材に面A、と面Bを形成した第1光学素子を有し、該
    光源手段からの光束は該面Aで全反射して面Bに入射
    し、該面Bで全反射して、面Aを透過する過程を介して
    該表示手段に入射しており、該表示光学系は該表示手段
    からの光束を該面Aと面Bを透過した光束を観察者の瞳
    孔に導光するパワーのある第2光学素子を有しているこ
    とを特徴とする画像表示装置。
  18. 【請求項18】 光源手段、反射型の表示手段、該光源
    手段からの光束を該表示手段に導く照明光学系、該表示
    手段により反射された光束を観察者の瞳に導き形成され
    る虚像を該表示手段上に表示された画像の拡大像として
    観察者に認識させる表示光学系を有し、 該照明光学系は同一の光学部材に面Aと面Bそして1以
    上の面を形成した第1光学素子を有しており、 該光源手段からの光束は該第1光学素子の少なくとも1
    つの面で反射し、面Aに入射し、該面Aで全反射し面B
    に入射し、面Bで全反射して面Aを透過する過程を介し
    て該表示手段に入射しており、 該表示光学系は該表示手段からの光束を該面Aと面Bを
    透過した光束を観察者の瞳孔に導光するパワーのある第
    2光学素子を有していることを特徴とする画像表示装
    置。
  19. 【請求項19】 前記光源手段より前記表示手段の画像
    表示面中心に入射し、該画像表示面中心を射出して前記
    光学系の形成する射出瞳中心に至る光線を中心画角主光
    線とするとき、該中心画角主光線は、前記第1光学素子
    の内部で交差していることを特徴とする請求項17又は
    18の画像表示装置。
  20. 【請求項20】 前記第1光学素子は低複屈折媒質を用
    いて構成されていることを特徴とする請求項1の画像表
    示装置。
  21. 【請求項21】 請求項1から20のいずれか1項に記
    載の画像表示装置を用いていることを特徴とするヘッド
    マウントディスプレイ装置。
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