JPH09243759A - ソーラ時計用表示板 - Google Patents

ソーラ時計用表示板

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JPH09243759A
JPH09243759A JP5205996A JP5205996A JPH09243759A JP H09243759 A JPH09243759 A JP H09243759A JP 5205996 A JP5205996 A JP 5205996A JP 5205996 A JP5205996 A JP 5205996A JP H09243759 A JPH09243759 A JP H09243759A
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JP
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display
solar
light
display plate
solar cell
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Application number
JP5205996A
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English (en)
Inventor
Hideki Yoshioka
岡 秀 機 吉
Yoshio Katsuki
月 芳 夫 香
Noriyuki Totsuka
塚 則 行 戸
Nobuo Ito
東 信 夫 伊
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Citizen Watch Co Ltd
Original Assignee
Citizen Watch Co Ltd
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Publication date
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Priority to US09/142,407 priority patent/US6466522B1/en
Priority to KR1019980707025A priority patent/KR100594784B1/ko
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表示板を介して、表示板の下方に位置するソ
ーラセルならびに絶縁帯の十字線などが透けて見えるこ
とがなく、しかも、表示板をカラー化することが可能
で、色調を含めたデザインバリエーションが大幅に拡大
されるとともに、外観品質がよく商品性に優れたソーラ
ー時計用表示板を提供する。 【解決手段】 時計に内蔵されたソーラセルと、該ソー
ラセルの表面側に配設されたソーラ時計用表示板とを備
えるソーラ時計用表示板構造に用いられるソーラ時計用
表示板であって、該表示板が、少なくとも表示板に入射
する入射光のうち、表示板下方に内蔵されたソーラセル
の発電を生じせしめる波長域の光を表示板を介して下方
に透過し、かつ表示板を介してソーラセルの外部からの
視認を困難にするとともに、表示板にカラー色調を付与
するカラ−拡散板である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、時計に内蔵され光
エネルギーを電気エネルギーに変換して使用する太陽電
池(ソーラセル)と、ソーラセルの表面側に配設された
ソーラ時計用表示板(文字板)とを備えるソーラ時計用
表示板構造に用いられるソーラ時計用表示板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から時計、電卓、携帯ラジオなどの
電源として太陽電池が用いられているが、この太陽電池
は、通常アモルファスシリコンなどから形成され、光エ
ネルギーを電気エネルギーに変換するものであり、その
機能から光があたる位置、すなわち外部から直接見える
表面位置に配設する必要がある。
【0003】ところで、従来より腕時計の表示板構造に
太陽電池が用いられているが、その構造としては、図1
2および図13に示したように、腕時計のモジュール1
31の上面に平面視で扇形のソーラーセル132を4
枚、絶縁帯133を挟んで配置し、このソーラーセル1
32の上に透明なポリカーボネート(ポリ炭酸エステ
ル)樹脂もしくはアクリル樹脂の透明板134を介して
半透明な樹脂薄膜層135を積層した構成である。
【0004】しかしながら、このようなソーラー時計表
示板構造にあっては、ソーラーセル132が通常茶褐色
または暗青色であるため、透明板を介して下方に存在す
るソーラセルなどが視認されることとなるため、文字板
がソーラセルの色となり、また、ソーラーセル132と
ソーラーセル132との間に絶縁帯133があるため
に、この絶縁帯133が十字線として現れ、色調を含め
たデザインが大幅に限定されるばかりか、外観が劣り商
品性が低下することとなっていた。
【0005】これに対して、従来より太陽電池の前面に
干渉フィルタなどを設けて、太陽電池が直接見えないよ
うにした時計などが提案されているが、太陽電池への光
エネルギー供給に支障を来すという問題があり、また時
計用文字板としての外観品質が悪いという問題があっ
た。
【0006】このような問題を解決するために、例え
ば、特公平5−38464号公報には、太陽電池と、こ
の太陽電池の前面に設けられて太陽電池の発電に寄与す
る波長域の光を透過するカラーフィルタと、太陽電池と
カラーフィルタとの間に設けられてカラーフィルタによ
り透過した光の一部を透過し、残りを四方に散乱する散
乱層とから成るカラー拡散層とを有する色つき太陽電池
が開示されている。
【0007】そして、このような散乱層として、白色拡
散板が用いられており、白色拡散板として、具体的に、
アクリル製乳白色板、ハーフミラーに艶消しクリヤラッ
カーを塗布したものや、片面をブラスト処理によって粗
らしたガラスや、プラスチックの反対側にアルミニウム
などでストライプ状や網状にミラーを形成した白色拡散
板などを用いることが示唆されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の技術では、散乱層として、アクリル製乳白色
板を用いているが、加工時にバリが発生し、バリ取り加
工が必要なため工程が複雑でかつコストも高くなる。ま
た、ハーフミラーに艶消しクリヤラッカーを塗布したも
のでは、ハーフミラー処理や塗布処理が必要で煩雑であ
り、しかも塗布処理によっては膜厚が不均一となり透過
率にバラツキが生じ、色むらが発生するおそれがあっ
た。さらに、片面をブラスト処理によって粗らしたガラ
スや、プラスチックの反対側にアルミニウムなどでスト
ライプ状や網状にミラーを形成したものについても、こ
のようなブラスト処理、ミラ−処理などを施さなければ
ならず、工程が複雑であり、これらの処理によっては膜
厚、凹凸度などが不均一となり透過率がばらつき、色む
らが発生するという問題があった。
【0009】いずれにしても、カラフィルターと太陽電
池の間にこのような散乱層を設けることは、複雑な工程
が必要で、その透過率にバラツキが生じて発電性能の低
下、色むらの発生、材質自体の特性による外観品質の低
下などをきたすこととなって好ましくなかった。
【0010】また、従来のソーラ時計用表示板では、夜
間等の照明のない暗い環境下では表示板の時刻などの情
報を視認することが困難であり、別途照明装置などを時
計本体に設ける必要があった。
【0011】本発明は、上記した問題点に着目して発明
なされたものであって、表示板を介して、表示板の下方
に位置するソーラセルならびに絶縁帯の十字線などが透
けて見えることがなく、しかも、表示板をカラー化する
ことが可能で、色調を含めたデザインバリエーションが
大幅に拡大されるとともに、外観品質がよく商品性に優
れたソーラー時計用表示板を提供することを目的とす
る。
【0012】また、本発明は、その残光特性による発光
によって、夜間等の暗い環境での時刻を確認することが
できるソーラー時計用表示板を提供することも目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述したよう
な従来技術における課題および目的を達成するために発
明なされたものであって、時計に内蔵されたソーラセル
と、該ソーラセルの表面側に配設されたソーラ時計用表
示板とを備えるソーラ時計用表示板構造に用いられるソ
ーラ時計用表示板であって、該表示板が、少なくとも表
示板に入射する入射光のうち、表示板下方に内蔵された
ソーラセルの発電を生じせしめる波長域の光を表示板を
介して下方に透過し、かつ表示板を介してソーラセルの
外部からの視認を困難にするとともに、表示板にカラー
色調を付与するカラ−拡散板であることを特徴とするソ
ーラ時計用表示板である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のソーラ時計用表示板は、
透明樹脂からなる表示板基板と、該表示基板の光入射側
の表面に形成された蓄光性蛍光体層とを備える構成であ
って、この蓄光性蛍光体層が、光拡散剤と、着色付与・
光拡散剤として蓄光性蛍光体とを含有した蓄光性蛍光体
層とし、前述した光拡散機能と着色機能の両者の機能が
効率的に達成されるようにした。すなわち、蓄光蛍光体
の有する色調(白色色調)により表示板をカラー化する
ことが可能で、表示板の視認性が向上するとともに、下
方に存在するソーラセル、十字線などが透けて見えるこ
とがなく、しかも表示板基板の表側には、長残光型の蓄
光性蛍光体が形成されているために、わずかな光の励起
スペクトルにより長時間、高輝度の残光特性を発揮し
て、夜間等の暗い環境での時刻を確認することができ
る。しかも、表示板に入射する入射光のうち、ソーラセ
ルの発電に必要な光は表示板の下方に透過するため、ソ
ーラセルによる発電には支障がない。
【0015】さらに、本発明のソーラ時計用表示板で
は、前述した透明樹脂からなる表示板基板にも、着色付
与・光拡散剤として蓄光性蛍光体を含有させた構成であ
って、これによって、前述した光拡散機能と着色機能の
両者の機能がより効率的に達成されるようにした。
【0016】また、本発明のソーラ時計用表示板は、蓄
光性蛍光体層および透明樹脂からなる表示板基板の双方
に、着色付与・光拡散剤として蓄光性蛍光体を含有させ
た構成であって、前述した光拡散機能と着色機能の両者
の機能がさらにより効率的に達成されるようにした。
【0017】さらに、本発明のソーラ時計用表示板は、
透明樹脂からなる表示基板と、該表示基板の光入射側の
表面に形成された着色付与剤を含有した着色層とを備え
る構成として、着色層によって表示板をカラー化できる
とともに、着色付与剤自体にもある程度拡散機能を有す
るために、下方に存在するソーラセルなどが透けて見え
ないようにした。
【0018】また、本発明のソーラ時計用表示板は、透
明樹脂からなる表示基板と、該表示基板のソーラセル側
の表面に形成された着色付与剤を含有した着色層とを備
え、かつ前記透明樹脂からなる表示基板の光入射側の表
面に、微小な凹凸が形成された構成として、着色層によ
って表示板をカラー化できるとともに、着色付与剤自体
の拡散機能、微小な凹凸による光拡散機能によって、下
方に存在するソーラセルなどが透けて見えないようにし
た。
【0019】さらに、本発明のソーラ時計用表示板は、
透明樹脂中に着色付与剤として染料または顔料を含有さ
せた樹脂からなる表示基板を備え、かつ前記樹脂からな
る表示基板の光入射側の表面に、光拡散作用を有する微
小な凹凸が形成された構成として、透明樹脂中の染料ま
たは顔料によって表示板をカラー化できるとともに、着
色付与剤自体の拡散機能、微小な凹凸による光拡散機能
によって、下方に存在するソーラセルなどが透けて見え
ないようにした。また、本発明のソーラ時計用表示板
は、この表示基板の透明樹脂中に光拡散剤がさらに含有
されるように構成して、より一層下方に存在するソーラ
セルなどが透けて見えないように構成した。
【0020】また、本発明のソーラ時計用表示板は、光
拡散剤を含んだ透明樹脂からなる表示基板と、該表示基
板のソーラセル側の表面に形成された光拡散作用を有す
る反射層と、さらに、表示基板の光入射側の表面に形成
された微小な凹凸部を備える構成とした。この反射層
は、光の一部を反射し、光の他の一部を吸収し、残りの
光を透過させる機能を有する薄膜であるので、反射層が
着色付与剤として機能することとなり、反射層の有する
色調が表示板として認識されるとともに、より一層下方
に存在するソーラセルなどが透けて見えないように構成
した。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいてより
詳細に説明する。
【0022】
【実施例1】図1は本発明の第1の実施例のソーラ時計
用表示板を備えた腕時計の縦断面図、図2は本発明の第
1の実施例のソーラ時計用表示板を備えたソーラー時計
用表示板構造の部分拡大断面図、図3は、図2のイ部の
拡大図である。
【0023】図1に示すように、外胴2の内部に嵌着さ
れた合成樹脂から成る支持枠3を介してモジュール4を
固定し、このモジュール4の表側にソーラー時計用表示
板構造Aが構成されている。また、モジュール4に設け
られた二重軸構成の針軸5を、ソーラー時計用表示板構
造Aに穿設された中央の孔部A1を貫通させてあり、こ
の針軸5の外軸5aに時針6を、内軸5bに分針7をそ
れぞれ取り付けている。さらに、外胴2の底側に防水パ
ッキン8を介して裏蓋9を装着し、外胴2の表側に風防
ガラス10を装着することによって、腕時計1が構成さ
れている。
【0024】そして、ソーラー時計用表示板構造Aは、
基本的には、図2に示すように、モジュール4の表側に
固着されたソーラーセル11と、このソーラーセル11
の表側に設けられたソーラ時計用表示板Bから構成され
ている。ソーラ時計用表示板Bは、透明樹脂からなる表
示板基板(文字板母材)12と、この表示板基板12の
表側(光入射側)12aに設けられた光拡散剤と着色付
与・光拡散剤として機能する残光型の蓄光性蛍光体とが
混入された蓄光性蛍光体層13と、蓄光性蛍光体層13
の上面に形成された透明または半透明の表面保護被覆層
14とから構成されている。なお、表面保護被覆層14
の表面には、所定の印刷・時字15を印刷したりまたは
取付けて形成してある(以下の実施例では、特に印刷・
時字15については言及しないが、いずれの実施例にお
いても最上層に設けられている)。また、ソーラーセル
11は、従来例の図12に示すものと同様に、平面視で
扇形状をしており、このソーラーセル11を4枚絶縁帯
を挟んで配置される。
【0025】この場合、透明樹脂からなる表示板基板1
2としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート(ポリ炭
酸エステル)樹脂などの透明樹脂板を用いることが好ま
しく、腕時計寸法に応じた所定寸法に外形抜きによって
作製する。
【0026】また、蓄光性蛍光体層13は、蓄光性蛍光
体(蓄光性夜光塗料)の粉末に対して、光拡散剤を3〜
18重量%、好ましくは5〜15重量%、より好ましく
は8〜12重量%の範囲で混練し、これに透明樹脂より
なるバインダーを混合して、表示板基板12の表側に塗
装またはスクリーン印刷、パッド印刷などにより形成す
ればよい。この際、バインダーは、蓄光性蛍光体100
重量部に対して、35〜65重量部の量で用いることが
望ましい。光拡散剤の混合割合を上記のように規定した
のは、光拡散剤の量が18重量%より多くなれば、蓄光
性蛍光体に吸収(蓄積)される光が少なくなり蓄光力が
低下して、発光時間が短くなるとともにソーラセルの発
電に必要な光がソーラセルまで到達しなくなることがあ
り、逆に、光拡散剤の量が3重量%より少なくなれば、
表示板の下方のソーラセルが表示板を介して透けて見え
るために外観品質上好ましくないことがあるためであ
る。
【0027】この場合、蓄光性蛍光体層13の膜厚は、
50〜150μm、好ましくは80〜120μmである
ことが望ましい。これは、一定時間内に外光(入射光)
が入り込む深さに限界があるため、蓄光性蛍光体層13
の厚さを一定以上の厚さにしても蓄光量に限度があるか
らである。また、蓄光性蛍光体層13の厚さを厚くしす
ぎれば、光の透過率が悪くなるからであり、逆に蓄光性
蛍光体層13の厚さを薄くしすぎれば、表示板下面のソ
ーラセルが透けて見えるので、外観品質上好ましくな
く、しかも蓄光性蛍光体の量が少なくなって発光する時
間も短くなるからである。
【0028】また、バインダーとしては、アクリル系樹
脂、ウレタン系樹脂あるいはこれらの変成樹脂、または
UV硬化型アクリル系樹脂、UV硬化型ウレタン系樹脂
などが使用可能であり、これら樹脂の硬化方法として、
熱硬化、UV硬化、常温硬化などを採用することができ
る。
【0029】一方、光拡散剤としては、ケイ酸粉末、炭
酸カルシウム粉末、燐酸カルシウム粉末などを用いるこ
とができ、その粒径は、所期の拡散効果を考慮すれば、
5〜15μm、より好ましくは約8〜12μmであるこ
とが好適である。
【0030】また、蓄光性蛍光体としては、長残光型の
蓄光性蛍光体が好ましく、ソーラ時計に用いるために
は、ソーラセルの発電を妨げないようにするために、光
の透過性が高いものが良く、高級感のある色調を有し、
暗い環境下でできる限り長時間にわたって明るく発光す
るものが好ましい。
【0031】このような、蓄光性蛍光体としては、特開
平7−011250号公報に開示されるような、緑色発
光蓄光性蛍光体、すなわち、MAl24 で表される化
合物で、Mは、カルシウム、ストロンチウム、バリウム
からなる群から選択した少なくとも1種以上の金属元素
からなる化合物を母結晶とした蓄光性蛍光体、上記のカ
ルシウム、ストロンチウム、バリウムからなる群から選
択した少なくとも1つ以上の金属とマグネシウムとの組
合せた蓄光性蛍光体、またはこれらに賦活剤としてユウ
ロピウムをMで表される金属元素に対するモル%で0.
001%以上10%以下含んだ蓄光性蛍光体などが使用
可能である。
【0032】また、蓄光性蛍光体として、米国特許明細
書第5,376,303号明細書に開示されているよう
な、 MO・a(Al1-bb23:cR 0.5≦a≦10.0 0.0001≦b≦0.5 0.0001≦c≦0.2 (式中、MOはMgO、CaO、SrO、およびZnO
からなる群から選択した少なくとも1種の二価金属酸化
物で、RはEu2+に加えて、Pr、Nd、DyおよびT
mからなる群から選択した少なくとも1種以上の希土類
元素である)の組成式で示された青緑色発光蓄光性蛍光
体も使用可能である。なお、これら以外の蓄光性蛍光体
も使用可能であることは勿論である。
【0033】さらに、表面保護被覆層14は、蓄光性蛍
光体層13の表面に、例えば、アクリル樹脂、ウレタン
樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂などの透明樹脂
(透明インキ)または半透明樹脂(有色インキ)をスク
リーン印刷もしくはパッド印刷するか、これらの透明塗
料または有色塗料を塗装することによりコーティングし
て形成することができる。なお、表面保護被覆層14
は、蓄光性蛍光体の劣化を防止するために形成される。
また、蓄光性蛍光体層13の表面に直接文字あるいは数
字などの印刷をすると、印刷インクが滲んでしまうため
困難であるので、表面保護被覆層を介して所定の文字、
数字を印刷することが望ましく、特に表面保護被覆層1
4としては透明樹脂が望ましい。なお、表面保護被覆層
14を省略することも可能である。また、必要に応じ
て、表面保護被覆層14の表面を、ラッピング研磨、パ
フ研磨などで研磨して、表面保護被覆層14の表面を平
滑にかつ光沢を付与することにより表示板として外観品
質をより向上することも可能である。
【0034】なお、表示板基板12のソーラセル11側
の表面12bは、表示板基板12を透過してソーラセル
に向かう入射光が、表示板基板12とソーラセルの界面
にて乱反射し拡散することによって、ソーラセルの発電
力が低下するのを防止するために、パフ研磨などでミラ
ー処理(鏡面仕上げ処理)を施しておくのが好ましい。
【0035】このように構成した本発明のソーラ時計用
表示板Bを備えたソーラー時計用表示板構造Aでは、図
3に示したような作用を奏する。すなわち、外部からソ
ーラ時計用表示板Bに入射した光C1は、表面保護被覆
層14を介して、蓄光性蛍光体層13に吸収(蓄積)さ
れる波長域の光と、蓄光性蛍光体層13中の蓄光性蛍光
体および光拡散剤によって散乱される波長域の光に分別
される。なお、入射した光C1のうち、一部は直接ソー
ラセル11に到達する。
【0036】そして、蓄光性蛍光体層13に吸収(蓄
積)された光は、長残光型の蓄光性蛍光体層13の夜間
などの暗所における発光を生じさせる。一方、蓄光性蛍
光体層13中の蓄光性蛍光体および光拡散剤によって散
乱された光の一部D1は、上方に向かい、観察者の目に
達することによって、観者に蓄光性蛍光体層13を視認
させ、蓄光性蛍光体層13の有する色調(白色色調)
が、観者に表示板Bとして認識されることになる。すな
わち、蓄光性蛍光体層13の色調と同じ系統の色の波長
域の光が、蓄光性蛍光体層13中の蓄光性蛍光体および
光拡散剤によって散乱されることによって、観者の目に
達し視認された蓄光性蛍光体層13の色調が、ソーラー
時計用表示板構造Aの外観に美観を付与するとともに、
蓄光性蛍光体層13の色調と異なる系統の色の波長域の
光が、蓄光性蛍光体層13の夜間などの暗所における発
光を生じさせる。
【0037】また、蓄光性蛍光体層13中の蓄光性蛍光
体および光拡散剤によって散乱された光の一部E1は、
下方に向かって蓄光性蛍光体層13を通過し、表示板基
板12を透過して、その下方に位置するソーラセル11
に達してその発電に寄与することになる。この場合、ソ
ーラセル11に入射した光E1の一部F1が、ソーラセ
ル11によって上方に反射されることになり、これがソ
ーラ時計用表示板Bを透過して観者の目に達すれば、観
者にソーラセル11が視認されることになる。しかしな
がら、ソーラセル11によって上方に反射された反射光
F1の一部が、蓄光性蛍光体層13中の蓄光性蛍光体に
吸収(蓄積)され暗所での発光に寄与するので大きな問
題とはならない。すなわち、蓄光性蛍光体層13中の蓄
光性蛍光体に吸収されなかった反射光F1の残りの光
は、蓄光性蛍光体層13中の蓄光性蛍光体および光拡散
剤によって散乱されることになり、散乱された光の一部
が上方に向かい、観者の目に達することになるが、その
量は、反射光F1全体からすれば、ごく僅かであるの
で、観者にソーラセル11が視認されることはほとんど
ない。
【0038】なお、ソーラセル11の間の十字状に配設
された絶縁帯の十字線についても、以上述べた作用と同
様な作用によって、観者に視認されることがほとんどな
い。従って、従来の技術で述べたように、ソーラーセル
11が通常茶褐色または暗青色であるため、表示板が茶
褐色または暗青色になり、また、ソーラーセル11とソ
ーラーセル11との間に絶縁帯があるために、この絶縁
帯が十字線として現れるが、光拡散剤と蓄光性蛍光体と
が混入された白色色調の残光型の蓄光性蛍光体層13が
表示板基板12の表側に形成されているために、茶褐色
または暗青色のソーラーセル11および絶縁帯の十字線
が透けて見えず、蛍光蓄光体の呈する白色色調によって
カラー化が可能で、色調を含めたデザインバリエーショ
ンが大幅に拡大され、外観品質がよくなり商品価値が向
上する。
【0039】また、表示板基板12の表側には、長残光
型の蓄光性蛍光体が形成されているために、わずかな光
の励起スペクトルにより長時間、高輝度の残光特性を発
揮して、夜間等の暗い環境での時刻を確認することがで
きる。
【0040】
【実施例2】図4は、本発明の第2の実施例のソーラ時
計用表示板の部分拡大断面図である。
【0041】この第2の実施例のソーラー時計用表示板
Bは、表示板基板22が、第1の実施例の透明樹脂から
なる表示板基板12に、着色付与・光拡散剤として蓄光
性蛍光体を含有させた表示板基板である点が相違し、そ
れ以外の構成は、第1の実施例と同様な構成である。
【0042】すなわち、第2の実施例のソーラ時計用表
示板Bは、着色付与・光拡散剤として蓄光性蛍光体を含
有させた透明樹脂からなる表示板基板22と、この表示
板基板22の表側(光入射側)22aに設けられた着色
付与・光拡散剤として蓄光性蛍光体と光拡散剤が混入さ
れた蓄光性蛍光体層23と、蓄光性蛍光体層23の上面
に形成された透明または半透明の表面保護被覆層24と
から構成されている。
【0043】この場合、残光型の蓄光性蛍光体を含有さ
せた透明樹脂からなる表示板基板22を作製するには、
アクリル樹脂、ポリカーボネート(ポリ炭酸エステル)
樹脂などの透明樹脂中に、蓄光性蛍光体(蓄光性夜光塗
料)を混入して、ペレットを作製し、射出成形によって
所定の厚さ、例えば、300〜500μmの厚さに成形
すればよい。また、用いる蓄光性蛍光体としては、前述
した第1の実施例と同様な蓄光性蛍光体の粉末を用いれ
ばよく、蓄光性蛍光体は、透明樹脂中に3〜25重量
%、好ましくは5〜20重量%、より好ましくは8〜1
5重量%の量で混入されている。これは、蓄光性蛍光体
の粉末が20重量%より多くなれば、成形した表示板基
板22が脆くなってしまい機械的強度が劣るとともに、
光の透過率が悪くなり、ソーラセル21の発電力が低下
することがあり、逆に、蓄光性蛍光体の粉末が5重量%
より少なくなれば、蓄光性蛍光体が光を蓄積する機能が
低下して発光時間が短くなることがあるからである。
【0044】なお、蓄光性蛍光体層23、表面保護被覆
層24の形成方法については、前述した第1の実施例と
同様に形成すればよい。また、表面保護被覆層24を省
略することも可能であること、表面保護被覆層24の表
面を研磨して表面を平滑にかつ光沢を付与できること、
表示板基板22のソーラセル21側の表面22bは、ソ
ーラセルの発電力が低下するのを防止するために、ミラ
ー処理(鏡面仕上げ処理)を施しておくこともできるこ
となども第1の実施例と同様である。
【0045】このように構成される第2の実施例のソー
ラー時計用表示板Bでは、前述した第1の実施例と同様
に、光拡散剤と蓄光性蛍光体とが混入された白色色調の
残光型の蓄光性蛍光体層23が表示板基板22の表側に
形成されるとともに、表示板基板22自体にも白色色調
の残光型の蓄光性蛍光体が含有されているために、より
一層、第1の実施例に比較して、茶褐色または暗青色の
ソーラーセル21および絶縁帯の十字線が透けて見え
ず、色調を含めたデザインバリエーションが大幅に拡大
され、外観品質がよくなり商品価値が向上する。
【0046】また、表示板基板22の表側には、長残光
型の蓄光性蛍光体が形成されるとともに、表示板基板2
2自体にも蓄光性蛍光体が含有されているために、第1
の実施例に比較して、より一層わずかな光の励起スペク
トルにより長時間、高輝度の残光特性を発揮して、夜間
等の暗い環境での時刻を確認することができる。
【0047】
【実施例3】図5は、本発明の第3の実施例のソーラ時
計用表示板の部分拡大断面図である。
【0048】この第3の実施例のソーラー時計用表示板
Bは、蓄光性蛍光体層33が、第2の実施例の蓄光性蛍
光体層13において、光拡散剤を含有させない蓄光性蛍
光体層である点が相違し、その他の構成は第2の実施例
と同様な構成である。
【0049】すなわち、第3の実施例のソーラ時計用表
示板Bは、着色付与・光拡散剤として残光型の蓄光性蛍
光体を含有させた透明樹脂からなる表示板基板32と、
この表示板基板32の表側32aに設けられた着色付与
・光拡散剤として蓄光性蛍光体を含有させた蓄光性蛍光
体層33と、蓄光性蛍光体層33の上面に形成された透
明または半透明の表面保護被覆層34とから構成されて
いる。
【0050】この場合、残光型の蓄光性蛍光体を含有さ
せた透明樹脂からなる表示板基板32を作製するには、
第2の実施例と同様に、アクリル樹脂、ポリカーボネー
ト(ポリ炭酸エステル)樹脂などの透明樹脂中に、蓄光
性蛍光体(蓄光性夜光塗料)を混入して、ペレットを作
製し、射出成形によって所定の厚さ、例えば、300〜
500μmの厚さに成形すればよい。また、用いる蓄光
性蛍光体としては、前述した第1の実施例と同様な蓄光
性蛍光体の粉末を用いればよく、蓄光性蛍光体は、透明
樹脂中に3〜25重量%、好ましくは5〜20重量%、
より好ましくは8〜15重量%の量で混入されている。
蓄光性蛍光体の粉末が20重量%より多くなれば、成形
した表示板基板22が脆くなってしまい機械的強度が劣
るとともに、光の透過率が悪くなり、ソーラセル31の
発電力が低下することがあり、逆に、蓄光性蛍光体の粉
末が5重量%より少なくなれば、蓄光性蛍光体が光を蓄
積する機能が低下して発光時間が短くなることがあるか
らである。
【0051】また、蓄光性蛍光体層33は、蓄光性蛍光
体(蓄光性夜光塗料)の粉末を、透明樹脂よりなるバイ
ンダーに混合して、表示板基板32の表側に塗装または
スクリーン印刷、パッド印刷などにより形成すればよ
い。この際、バインダーは、蓄光性蛍光体100重量部
に対して、35〜65重量部の量で用いることが望まし
い。
【0052】蓄光性蛍光体層33の膜厚は、50〜15
0μm、好ましくは80〜120μmであることが望ま
しい。これは、一定時間内に外光(入射光)が入り込む
深さに限界があるため、蓄光性蛍光体層33の厚さを一
定以上の厚さにしても蓄光量に限度があるからである。
また、蓄光性蛍光体層33の厚さを厚くしすぎれば、光
の透過率が悪くなるからであり、逆に蓄光性蛍光体層3
3の厚さを薄くしすぎれば、表示板下面のソーラセルが
透けて見えるので、外観品質上好ましくなく、しかも蓄
光性蛍光体の量が少なくなって発光する時間も短くなる
からである。
【0053】また、バインダーとしては、アクリル系樹
脂、ウレタン系樹脂あるいはこれらの変成樹脂、または
UV硬化型アクリル系樹脂、UV硬化型ウレタン系樹脂
などが使用可能であり、これら樹脂の硬化方法として、
熱硬化、UV硬化、常温硬化などを採用することができ
る。
【0054】なお、蓄光性蛍光体層33、表面保護被覆
層34の形成方法については、前述した第1の実施例と
同様に形成すればよい。また、表面保護被覆層34を省
略することも可能であること、表面保護被覆層34の表
面を研磨して表面を平滑にかつ光沢を付与できること、
表示板基板32のソーラセル31側の表面32bは、ソ
ーラセルの発電力が低下するのを防止するために、ミラ
ー処理(鏡面仕上げ処理)を施しておくこともできるこ
となども第1の実施例と同様である。
【0055】このように構成される第3の実施例のソー
ラー時計用表示板Bでは、第2の実施例と同様に、表示
板基板32自体にも白色色調の残光型の蓄光性蛍光体が
含有されているが、蓄光性蛍光体層33には光拡散剤を
含まず、蓄光性蛍光体のみを含んだ白色色調の残光型の
蓄光性蛍光体層33が表示板基板32の表側に形成され
るので、第2の実施例に比較して拡散効果は少し劣るも
のの、従来に比較すれば、茶褐色または暗青色のソーラ
ーセル31および絶縁帯の十字線が透けて見えず、色調
を含めたデザインバリエーションが大幅に拡大され、外
観品質がよくなり商品価値が向上する。
【0056】なお、表示板基板32の表側には、長残光
型の蓄光性蛍光体が形成されるとともに、表示板基板3
2自体にも蓄光性蛍光体が含有されているために、第1
の実施例に比較して、より一層わずかな光の励起スペク
トルにより長時間、高輝度の残光特性を発揮して、夜間
等の暗い環境での時刻を確認することができる。
【0057】
【実施例4】図6は、本発明の第4の実施例のソーラ時
計用表示板の部分拡大断面図で、図7は、図6のロ部の
拡大図である。
【0058】この第4の実施例のソーラ時計用表示板B
は、透明樹脂からなる表示板基板42と、この表示板基
板42の表側(光入射側)42aに設けられた着色付与
剤を含有した着色層43とから構成されている。
【0059】この場合、透明樹脂からなる表示板基板4
2としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート(ポリ炭
酸エステル)樹脂などの透明樹脂板を用いることが好ま
しく、腕時計寸法に応じた所定寸法に外形抜きによって
作製する。
【0060】また、着色層43は、アクリル系樹脂、ウ
レタン系樹脂などの白色インキ中にパール顔料(例え
ば、「パールグレイス(商品名)」日本光研(株)製)
を、所望とする外観品質に応じて、20〜40重量%を
混入して、表示板基板42の表面にスクリーン印刷、パ
ッド印刷または塗装によって、着色層43の膜厚が10
〜25μm、好ましくは15〜20μmとなるように形
成すればよい。着色層43の膜厚が25μmより厚くな
れば、光の透過率が悪くなり、ソーラセルの発電力が低
下することがあり、逆に、着色層43の膜厚が10μm
より薄くなれば下方のソーラセル41が透けて見え、外
観品質が悪くなることがあるからである。
【0061】なお、表示板基板42のソーラセル41側
の表面42bは、表示板基板42を透過してソーラセル
に向かう入射光が、表示板基板42とソーラセルの界面
にて乱反射し拡散することによって、ソーラセルの発電
力が低下するのを防止するために、パフ研磨などでミラ
ー処理(鏡面仕上げ処理)を施しておくのが好ましい。
【0062】このように、構成される第4の実施例のソ
ーラ時計用表示板Bでは、着色層43中の白色インキ
が、着色付与剤として機能し、パール顔料が着色付与・
光拡散剤として機能することとなる。
【0063】すなわち、図7に示したように、外部から
ソーラ時計用表示板Bに入射した光C2は、着色層43
中の白色インキとパール顔料に吸収(蓄積)される波長
域の光と、着色層43中の白色インキ及びパール顔料に
よって散乱される波長域の光に分別される。
【0064】そして、着色層43中の白色インキ及びパ
ール顔料によって散乱された光の一部D2は、上方に向
かい、観察者の目に達することによって、観者に着色層
43を視認させ、着色層43の有する白色色調(パール
色調)が、観者に表示板Bとして認識されることにな
る。すなわち、着色層43の色調と同じ系統の色の波長
域の光が、着色層43中の白色インキ及びパール顔料に
よって散乱されることによって、観者の目に達し視認さ
れ着色層43の色調が、ソーラー時計用表示板構造Aの
外観に美観を付与する。 また、着色層43中の白色イ
ンキ及びパール顔料によって散乱された光の一部E2
は、下方に向かって着色層43を通過し、表示板基板4
2を透過して、その下方に位置するソーラセル41に達
してその発電に寄与することになる。この場合、ソーラ
セル41に入射した光E2の一部F2が、ソーラセル4
1によって上方に反射されることになり、これがソーラ
時計用表示板Bを透過して観者の目に達すれば、観者に
ソーラセル41が視認されることになる。しかしなが
ら、ソーラセル41によって上方に反射された反射光F
2の一部が、着色層43中の白色インキおよびパール顔
料に吸収(蓄積)されるので問題はない。すなわち、着
色層43中の白色インキおよびパール顔料に吸収されな
かった反射光F2の残りの光は、着色層43中の白色イ
ンキおよびパール顔料によって散乱されることになり、
散乱された光の一部が上方に向かい、観者の目に達する
ことになるが、その量は、反射光F2全体からすれば、
ごく僅かであるので、観者にソーラセル41が視認され
ることはほとんどない。
【0065】なお、ソーラセル41の間の十字状に配設
された絶縁帯の十字線についても、以上述べた作用と同
様な作用によって、観者に視認されることがほとんどな
い。従って、白色インキとパール顔料が混入された白色
色調(パール色調)の着色層43が表示板基板42の表
側に形成されているために、茶褐色または暗青色のソー
ラーセル41および絶縁帯の十字線が透けて見えず、色
調を含めたデザインバリエーションが大幅に拡大され、
外観品質がよくなり商品価値が向上する。
【0066】
【実施例5】図8は、本発明の第5の実施例のソーラ時
計用表示板の部分拡大断面図である。
【0067】この第5の実施例のソーラ時計用表示板B
は、透明樹脂からなる表示板基板52と、表示基板のソ
ーラセル側の表面52bに形成された着色付与剤を含有
した着色層(印刷層)53とを備え、かつ透明樹脂から
なる表示基板52の光入射側の表面52aに、光拡散作
用を有する微小な凹凸部54が形成されている構造であ
る。
【0068】この場合、透明樹脂からなる表示板基板5
2としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート(ポリ炭
酸エステル)樹脂などの透明樹脂板を用いることが好ま
しく、腕時計寸法に応じた所定寸法、例えば、300〜
50μmの厚さに外形抜きによって作製する。
【0069】また、微小な凹凸部54を形成する方法と
しては、拡散印刷を施すか、または一体成形によってマ
ット仕上げを行えばよい。具体的には、拡散印刷方法と
しては、ケイ酸、炭酸カルシウム、燐酸カルシウムまた
はチタン酸バリウム等の光拡散剤と、アクリル樹脂、ウ
レタン樹脂、アルキッド樹脂またはエポキシ樹脂等のビ
ヒクルと、トルエンまたはキシレン等の希釈剤を混合し
て使用し、表示板基板52の表面に、所望とする光の透
過率や色具合に応じて適宜な厚さになるように、スクリ
ーン印刷、パッド印刷、またはオフセット印刷等によっ
て印刷すればよい。なお、光拡散剤を2〜10g、好ま
しくは5〜7gの割合で、ビヒクルを6〜14g、好ま
しくは8〜12gの割合で、希釈剤を0.6〜2.0g
の割合で用いることが好ましい。
【0070】また、一体成形による場合には、射出成形
の成形型の上面側にホーニングによるマット仕上げまた
は微細な模様仕上げを施し、射出成形によって所定の寸
法、例えば300〜50μmの厚さに成形するか、ある
いは射出成形の後に、機械加工、エッチングなどの化学
加工等によってマット仕上げまたは微細な模様を施せば
よい。
【0071】また、表示基板のソーラセル側の表面52
bに形成された着色付与剤を含有した着色層53は、ビ
ヒクルに染料あるいは顔料を配合したインキを用いて形
成することができる。
【0072】なお、着色層53のソーラセル51側の表
面53bは、着色層53を透過してソーラセルに向かう
入射光が、着色層53とソーラセルの界面にて乱反射し
拡散することによって、ソーラセルの発電力が低下する
のを防止するために、パフ研磨などでミラー処理(鏡面
仕上げ処理)を施しておくのが好ましい。
【0073】このように、構成される第5の実施例のソ
ーラ時計用表示板Bでは、着色層53中の染料あるいは
顔料が、着色付与剤として機能し、表示基板52の光入
射側の表面52aに形成された微小な凹凸部54が光拡
散機能を有することとなる。すなわち、外部からソーラ
時計用表示板Bに入射した光C3は、着色層53中の染
料あるいは顔料に吸収される波長域の光と、表示基板5
2の光入射側の表面52aに形成された微小な凹凸部5
4によって散乱される波長域の光に分別される。
【0074】そして、微小な凹凸部54によって散乱さ
れた光の一部D3は、下方に向かい着色層53によって
散乱されて一部の光が上方に向かい、観察者の目に達す
ることによって、観者に着色層53を視認させ、着色層
53の有する色調が、観者に表示板Bとして認識される
ことになる。すなわち、着色層53の色調と同じ系統の
色の波長域の光が、凹凸部54によって散乱されること
によって、観者の目に達し視認され着色層53の色調
が、ソーラー時計用表示板構造Aの外観に美観を付与す
る。
【0075】また、凹凸部54によって散乱された光の
一部E3は、下方に向かって表示板基板52を透過し着
色層53を通過し、その下方に位置するソーラセル51
に達してその発電に寄与することになる。この場合、ソ
ーラセル51に入射した光E3の一部F3が、ソーラセ
ル51によって上方に反射されることになり、これがソ
ーラ時計用表示板Bを透過して観者の目に達すれば、観
者にソーラセル51が視認されることになる。しかしな
がら、ソーラセル51によって上方に反射された反射光
F3の一部が、着色層53中の染料あるいは顔料に吸収
されるので問題はない。すなわち、着色層53中の染料
あるいは顔料に吸収されなかった反射光F3の残りの光
は、凹凸部54によって散乱されることになり、散乱さ
れた光の一部が上方に向かい、観者の目に達することに
なるが、その量は、反射光F3全体からすれば、ごく僅
かであるので、観者にソーラセル51が視認されること
はほとんどない。
【0076】なお、ソーラセル51の間の十字状に配設
された絶縁帯の十字線についても、以上述べた作用と同
様な作用によって、観者に視認されることはほとんどな
い。従って、染料あるいは顔料が含まれた着色層53が
表示板基板52の裏側に印刷形成され、かつ表示基板5
2の光入射側の表面に光拡散機能を有する微小な凹凸部
54が設けられているために、茶褐色または暗青色のソ
ーラーセル51および絶縁帯の十字線が透けて見えず、
色調を含めたデザインバリエーションが大幅に拡大さ
れ、外観品質がよくなり商品価値が向上する。
【0077】
【実施例6】図9は、本発明の第6の実施例のソーラ時
計用表示板の部分拡大断面図である。
【0078】この第6の実施例のソーラ時計用表示板B
は、着色付与剤として染料あるいは顔料を含有させた透
明樹脂からなる表示板基板62と、かつこの表示基板6
2の光入射側の表面62aに、光拡散加工として微小な
凹凸部64が形成されている構造である。
【0079】表示板基板62としては、アクリル樹脂、
ポリカーボネート(ポリ炭酸エステル)樹脂などの透明
樹脂の中に染料あるいは顔料を混入してペレットを作製
し、射出成形によって、所定の寸法、例えば300〜5
00μmの厚さに成形すればよい。この場合、染料ある
いは顔料の配合割合としては、色調、光の透過率によっ
て適宜決定すればよいが、染料あるいは顔料が多くなる
と光の透過率が悪くなり、逆に染料あるいは顔料の量が
少なくなると表示板下面のソ−ラセルが透けて見えてし
まうので、外観品質上好ましくないことを考慮すれば、
透明樹脂に対して、染料あるいは顔料を0.5〜10重
量%、好ましくは1〜7重量%、より好ましくは2〜5
重量%の量で用いればよい。また、用いる顔料あるいは
染料の種類については、所望とする色調から適宜選択す
ればよく、例えば、白色色調の顔料成分として、酸化チ
タン、酸化亜鉛など、赤色色調成分としてベンガラ(酸
化第二鉄)、緑色色調成分として酸化クロムを含む顔料
または染料から選択すればよい。
【0080】また、微小な凹凸部64を形成する方法と
しては、一体成形によってマット仕上げを行えばよい。
具体的には、射出成形の成形型の上面側にホーニングに
よるマット仕上げまたは微細な模様仕上げを施し、射出
成形によって所定の寸法、例えば、300〜50μmの
厚さに成形するか、射出成形の後に、機械加工、エッチ
ングなどの化学加工等によってマット仕上げまたは微細
な模様を施せばよい。
【0081】なお、この場合にも表示板基板62のソー
ラセル61側の表面62bは、表示板基板62を透過し
てソーラセルに向かう入射光が、表示板基板62とソー
ラセルの界面にて乱反射し拡散することによって、ソー
ラセルの発電力が低下するのを防止するために、パフ研
磨などでミラー処理(鏡面仕上げ処理)を施しておくの
が好ましい。
【0082】このように、構成される第6の実施例のソ
ーラ時計用表示板Bでは、表示板基板62中の染料また
は顔料が、着色付与剤として機能し、表示基板62の光
入射側の表面62aに形成された微小な凹凸部64が光
拡散機能有することとなる。
【0083】すなわち、外部からソーラ時計用表示板B
に入射した光C4は、表示基板62中の染料または顔料
に吸収される波長域の光と、表示基板62の光入射側の
表面62aに形成された微小な凹凸部64によって散乱
される波長域の光に分別される。
【0084】そして、微小な凹凸部64によって散乱さ
れた光の一部D4は、上方に向かい、観察者の目に達す
ることによって、観者に表示基板62を視認させ、表示
基板62中の染料または顔料の有する色調が、観者に表
示板Bとして認識されることになる。すなわち、表示基
板62中の染料または顔料の色調と同じ系統の色の波長
域の光が、凹凸部64によって散乱されることによっ
て、観者の目に達し視認され表示基板62中の染料また
は顔料の色調が、ソーラー時計用表示板構造Aの外観に
美観を付与する。
【0085】また、凹凸部64によって散乱された光の
一部E4は、下方に向かって表示板基板62をを通過
し、その下方に位置するソーラセル61に達してその発
電に寄与することになる。この場合、ソーラセル61に
入射した光E4の一部F4が、ソーラセル61によって
上方に反射されることになり、これがソーラ時計用表示
板Bを透過して観者の目に達すれば、観者にソーラセル
61が視認されることになる。しかしながら、ソーラセ
ル61によって上方に反射された反射光F4の一部が、
表示基板62中の染料または顔料に吸収されるので問題
はない。すなわち、表示基板62中の染料または顔料に
吸収されなかった反射光F4の残りの光は、凹凸部64
によって散乱されることになり、散乱された光の一部が
上方に向かい、観者の目に達することになるが、その量
は、反射光F4全体からすれば、ごく僅かであるので、
観者にソーラセル61が視認されることはほとんどな
い。
【0086】なお、ソーラセル61の間の十字状に配設
された絶縁帯の十字線についても、以上述べた作用と同
様な作用によって、観者に視認されることはほとんどな
い。従って、表示基板62中に染料または顔料が混入さ
れ、かつ表示基板62の光入射側の表面に光拡散機能を
有する微小な凹凸部64が形成されているために、茶褐
色または暗青色のソーラーセル61および絶縁帯の十字
線が透けて見えず、染料または顔料の呈する色調を含め
たデザインバリエーションが大幅に拡大され、外観品質
がよくなり商品価値が向上する。
【0087】
【実施例7】図10は、本発明の第7の実施例のソーラ
時計用表示板の部分拡大断面図である。
【0088】この第7の実施例のソーラ時計用表示板B
は、第6の実施例と同様な構成であって、表示板基板7
2が、着色付与剤として染料または顔料を含有させると
ともに、さらに光拡散剤を含有させた透明樹脂からなる
表示板基板である点が相違し、その他の構成は第6の実
施例と同じである。
【0089】すなわち、着色付与剤として染料または顔
料と、光拡散剤を含有させた透明樹脂からなる表示板基
板72と、かつこの表示基板72の光入射側の表面72
aに、光拡散作用を有する微小な凹凸部74が形成され
ている構造である。
【0090】表示板基板72としては、アクリル樹脂、
ポリカーボネート(ポリ炭酸エステル)樹脂などの透明
樹脂の中に、光拡散剤と染料もしくは顔料を混入してペ
レットを作製し、射出成形によって、所定の寸法、例え
ば300〜500μmの厚さに成形すればよい。この場
合、光拡散剤と染料または顔料の配合割合は、色調、光
の透過率によって適宜決定すればよいが、光拡散剤と染
料または顔料が多くなると光の透過率が悪くなり、逆に
これらの量が少なくなると表示板下面のソ−ラセルが透
けて見えてしまうので、外観品質上好ましくないことを
考慮すれば、透明樹脂に対して、染料または顔料を0.
5〜10重量%、好ましくは1〜7重量%、より好まし
くは2〜5重量%、透明樹脂に対して、光拡散剤を0.
5〜10重量%、好ましくは1〜7重量%、より好まし
くは2〜5重量%との量で用いればよい。
【0091】この場合、用いる拡散剤としては、ケイ酸
粉末、炭酸カルシウム粉末、燐酸カルシウム粉末などを
用いることができ、その粒径は、所期の拡散効果を考慮
すれば、5〜15μm、より好ましくは約8〜12μm
であることが好適である。また、染料または顔料の種類
については、上記実施例6のものが使用可能であり、そ
の他の凹凸部74の形成方法などについても実施例6と
同様である。
【0092】このように、構成される第7の実施例のソ
ーラ時計用表示板Bでは、表示板基板72中の染料また
は顔料が、着色付与剤として機能し、表示板基板72中
の光拡散剤が光拡散効果を有し、さらに表示基板72の
光入射側の表面72aに形成された微小な凹凸部74が
光拡散機能を有することとなる。
【0093】従って、表示板基板72中の光拡散剤が光
拡散効果によって、第6の実施例に比較してより一層、
茶褐色または暗青色のソーラーセル71および絶縁帯の
十字線が透けて見えず、染料または顔料の呈する色調を
含めたデザインバリエーションが大幅に拡大され、外観
品質がよくなり商品価値が向上する。
【0094】
【実施例8】図11は、本発明の第8の実施例のソーラ
時計用表示板の部分拡大断面図である。
【0095】この第8の実施例のソーラ時計用表示板B
は、光拡散剤を含有させた透明樹脂からなる表示板基板
82と、表示基板82のソーラセル側の裏面82bに形
成した反射層83と、表示基板82の光入射側の表面8
2aに、光拡散加工として微小な凹凸部84が形成され
ている構造である。
【0096】表示板基板82としては、アクリル樹脂、
ポリカーボネート(ポリ炭酸エステル)樹脂などの透明
樹脂の中に、光拡散剤を混入してペレットを作製し、射
出成形によって、所定の寸法、例えば300〜500μ
mの厚さに成形すればよい。
【0097】この場合、光拡散剤の配合割合は、色調、
光の透過率によって適宜決定すればよいが、光拡散剤が
多くなると光の透過率が悪くなり、逆に光拡散剤の量が
少なくなると表示板下面のソ−ラセルが透けて見えてし
まうので、外観品質上好ましくないことを考慮すれば、
透明樹脂に対して、光拡散剤を0.5〜10重量%、好
ましくは1〜7重量%、より好ましくは2〜5重量%の
量で用いればよい。この場合、用いる拡散剤としては、
ケイ酸粉末、炭酸カルシウム粉末、燐酸カルシウム粉末
などを用いることができ、その粒径は、所期の拡散効果
を考慮すれば、5〜15μm、より好ましくは約8〜1
2μmであることが好適である。
【0098】なお、透明樹脂の中に光拡散剤を入れる
と、透明樹脂は乳白色色調を示すようになり、光拡散剤
の量が増えるにしたがい乳白色色調が濃くなるととも
に、光拡散効率が上がって、透過率が低下する。また、
この表示板基板82中の光拡散剤による乳白色色調と、
表示基板82のソーラセル側の裏面82bに形成した反
射層83の金属色調とが混合した微妙な色調をかもし出
すためには、光拡散剤の量を上記のような比較的少ない
量にすればよい。
【0099】また、微小な凹凸部84を形成する方法と
しては、一体成形によってマット仕上げを行えばよい。
具体的には、射出成形の成形型の上面側にホーニングに
よるマット仕上げまたは微細な模様仕上げを施し、射出
成形によって所定の寸法、例えば、300〜50μmの
厚さに成形するか、あるいは射出成形の後に、機械加
工、エッチングなどの化学加工等によってマット仕上げ
または微細な模様を施せばよい。なお、本実施例の場合
には、表示板基板82中に光拡散剤が混入されているの
で、光拡散効果がこれで十分である場合には、微小な凹
凸部84を省略することも可能である。
【0100】さらに、反射層83は、クロム、ニッケ
ル、アルミニウム、パラジウム、ロジウム、プラチナな
どの光反射率の高い金属を用いて、表示基板82のソー
ラセル側の裏面82bに、周知の方法、例えば、蒸着、
イオンメッキなどのドライメッキによって、極めて薄い
金属被膜、例えば、1000〜3000Å、好ましくは
1500〜2500Åの金属被膜として形成すればよ
い。この反射層83は、光の一部を反射し、光の他の一
部を吸収し、残りの光を透過させる機能を有する薄膜で
ある。なお、反射層83は、目的とする色調に応じて、
1種の金属を蒸着した単層膜であっても、多種類の金属
を蒸着した多層膜としても良い。
【0101】このように、構成される第8の実施例のソ
ーラ時計用表示板Bでは、表示板基板82中の光拡散剤
と、表示基板82の光入射側の表面82aに形成された
微小な凹凸部84が光拡散機能を有し、表示板基板82
中の光拡散剤(乳白色)と反射層83が着色付与剤とし
て機能することとなる。
【0102】すなわち、入射した光C5が、微小な凹凸
部84および表示基板82中の光拡散剤によって散乱さ
れ、表示基板82を下方に透過した光D5のうち、反射
層83の色調と異なる系統の色の波長の光は、反射層8
3に吸収され、反射層83の色調と同じ系統の色の波長
の光は、反射層83によって一部E5が上方に反射さ
れ、残りの光F5は反射層83を透過してソーラセル8
1に達する。ソーラセル81に達した光の一部は、ソー
ラセル81の発電に寄与され、残りの光G5は表面に向
かって反射される。これは、反射層83が極めて薄い膜
であるために、一部の光を透過し、残りの光を反射する
作用を有すためである。
【0103】一方、反射層83によって反射された光E
5は、表示基板82中の光拡散剤によって散乱され、微
小な凹凸部84によって散乱され上方に向かい、観者の
目に達することによって、観者に表示基板82を視認さ
せ、表示基板82中の光拡散剤による乳白色色調と反射
層83の有する色調とが混合した微妙な色合いが、観者
に表示板Bとして認識されることになる。
【0104】また、ソーラセル81によって反射された
光G5は、再び反射層83に達し、その一部は、反射さ
れてソーラセル81に戻り、残りは反射層83を透過す
る。これがソーラ時計用表示板Bを透過して観者の目に
達すれば、観者にソーラセル81が視認されることにな
る。しかしながら、ソーラセル81によって上方に反射
され反射層83を透過した光が、表示基板82中の光拡
散剤、ならびに凹凸部84によって散乱されることにな
り、散乱された光の一部が上方に向かい、観者の目に達
することになるが、その量は、反射光全体からすれば、
ごく僅かであるので、観者にソーラセル81が視認され
ることはほとんどない。
【0105】なお、ソーラセル81の間の十字状に配設
された絶縁帯の十字線についても、以上述べた作用と同
様な作用によって、観者に視認されることはほとんどな
い。従って、表示基板82中に光拡散剤が混入され、表
示基板62の光入射側の表面に光拡散機能を有する微小
な凹凸部84が形成され、しかも光の一部を反射し、光
の他の一部を吸収し、残りの光を透過させる機能を有す
る反射層83が表示基板82の裏面に形成されているの
で、茶褐色または暗青色のソーラーセル81および絶縁
帯の十字線が透けて見えず、表示基板82中の光拡散剤
と反射層83の呈する色調によって色調を含めたデザイ
ンバリエーションが大幅に拡大され、外観品質がよくな
り商品価値が向上する。
【0106】
【発明の効果】本発明のソーラ時計用表示板では、該表
示板が、少なくとも表示板に入射する入射光のうち、表
示板下方に内蔵されたソーラセルの発電を生じせしめる
波長域の光を表示板を介して下方に透過し、かつ表示板
を介してソーラセルの外部からの視認を困難にするとと
もに、表示板にカラー色調を付与するカラ−拡散板であ
るので、下記のような顕著で特有な効果を奏する極めて
優れた発明である。 (1)着色付与剤、着色付与・光拡散剤によって、これ
らの呈する特有の色調により表示板をカラー化すること
が可能で、表示板の視認性が向上するとともに、これら
の光拡散効果によって、下方に存在するソーラセル、十
字線などが透けて見えることがなく、色調を含めたデザ
インバリエーションが大幅に拡大され、外観品質がよく
なり商品価値が向上する。 (2)また、着色付与・光拡散剤として、蓄光性蛍光体
を含んだ構成の表示板では、このような効果とともに、
明るい環境下でソーラセルの発電に寄与した光は、長残
光型の蓄光性蛍光体を励起させているために、夜間等の
暗い環境下でその残光特性によって発光し続けて、表示
板の表側を照明するので、夜間などの暗い環境下におい
ても時刻を確認することができる。 (3)本発明のソーラ時計用表示板では、いずれの構成
においても、その光透過率が50%以上確保することが
できるので、ソーラセルの発電を阻害することがないの
で、常時時計が作動して停止することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例のソーラ時計用表示板を
備えた腕時計の縦断面図である。
【図2】本発明の第1の実施例のソーラ時計用表示板を
備えたソーラー時計用表示板構造の部分拡大断面図であ
る。
【図3】図2のイ部の拡大図である。
【図4】本発明の第2の実施例のソーラ時計用表示板の
部分拡大断面図である。
【図5】本発明の第3の実施例のソーラ時計用表示板の
部分拡大断面図である。
【図6】本発明の第4の実施例のソーラ時計用表示板の
部分拡大断面図である。
【図7】図6のロ部の拡大図である。
【図8】本発明の第5の実施例のソーラ時計用表示板の
部分拡大断面図である。
【図9】本発明の第6の実施例のソーラ時計用表示板の
部分拡大断面図である。
【図10】本発明の第7の実施例のソーラ時計用表示板
の部分拡大断面図である。
【図11】本発明の第8の実施例のソーラ時計用表示板
の部分拡大断面図である。
【図12】従来のソーラ時計用表示板構造を備えた腕時
計の平面図である。
【図13】従来のソーラ時計用表示板構造の部分拡大断
面図である。
【符号の説明】
1…腕時計 4…モジュール 11、21、31、41、51、61、71、81…ソ
ーラーセル 12、22、32、42、52、62、72、82…表
示板基板 13、23、33…蓄光性蛍光体層 14、24、34…表面保護被覆層 15…印刷・時字 43…着色層 53…着色層(印刷層) 54、64、74、84…凹凸部 83…反射層 A…ソーラー時計用表示板構造 B…ソーラ時計用表示板

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 時計に内蔵されたソーラセルと、該ソー
    ラセルの表面側に配設されたソーラ時計用表示板とを備
    えるソーラ時計用表示板構造に用いられるソーラ時計用
    表示板であって、 該表示板が、少なくとも表示板に入射する入射光のう
    ち、表示板下方に内蔵されたソーラセルの発電を生じせ
    しめる波長域の光を表示板を介して下方に透過し、かつ
    表示板を介してソーラセルの外部からの視認を困難にす
    るとともに、表示板にカラー色調を付与するカラ−拡散
    板であることを特徴とするソーラ時計用表示板。
  2. 【請求項2】 前記ソーラ時計用表示板が、透明樹脂か
    らなる表示板基板と、該表示基板の光入射側の表面に形
    成され、かつ光拡散剤と、着色付与・光拡散剤として蓄
    光性蛍光体とを含有した蓄光性蛍光体層とを備えること
    を特徴とする請求項1に記載のソーラ時計用表示板。
  3. 【請求項3】 前記透明樹脂からなる表示板基板に、着
    色付与・光拡散剤として蓄光性蛍光体が含有されている
    ことを特徴とする請求項2に記載のソーラ時計用表示
    板。
  4. 【請求項4】 前記ソーラ時計用表示板が、着色付与・
    光拡散剤として蓄光性蛍光体が含有された透明樹脂から
    なる表示板基板と、該表示基板の光入射側の表面に形成
    された着色付与・光拡散剤として蓄光性蛍光体が含有さ
    れた蓄光性蛍光体層とを備えることを特徴とする請求項
    1に記載のソーラ時計用表示板。
  5. 【請求項5】 前記蓄光性蛍光体層の上面に、透明また
    は半透明の表面保護被覆層が形成されていることを特徴
    とする請求項2から4のいずれかに記載のソーラ時計用
    表示板。
  6. 【請求項6】 前記ソーラ時計用表示板が、透明樹脂か
    らなる表示基板と、該表示基板の光入射側の表面に形成
    された着色付与剤を含有した着色層とを備えることを特
    徴とする請求項1に記載のソーラ時計用表示板。
  7. 【請求項7】 前記ソーラ時計用表示板が、透明樹脂か
    らなる表示基板と、該表示基板のソーラセル側の表面に
    形成された着色付与剤を含有した着色層とを備え、かつ
    前記透明樹脂からなる表示基板の光入射側の表面に、微
    小な凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1に
    記載のソーラ時計用表示板。
  8. 【請求項8】 前記ソーラ時計用表示板が、透明樹脂中
    に着色付与剤として染料または顔料を含有させた樹脂か
    らなる表示基板を備え、かつ前記樹脂からなる表示基板
    の光入射側の表面に、光拡散作用を有する微小な凹凸が
    形成されていることを特徴とする請求項1に記載のソー
    ラ時計用表示板。
  9. 【請求項9】 前記ソーラ時計用表示板が、前記表示基
    板の透明樹脂中に光拡散剤がさらに含有されていること
    を特徴とする請求項8に記載のソーラ時計用表示板。
  10. 【請求項10】 前記ソーラ時計用表示板が、光拡散剤
    を含んだ透明樹脂からなる表示基板と、該表示基板のソ
    ーラセル側の表面に形成された反射層とを備えることを
    特徴とする請求項1に記載のソーラ時計用表示板。
  11. 【請求項11】 前記透明樹脂からなる表示基板の光入
    射側の表面に、光拡散作用を有する微小な凹凸が形成さ
    れていることを特徴とする請求項10に記載のソーラ時
    計用表示板。
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