JPH09241974A - 抄紙用熱接着性繊維及び紙 - Google Patents

抄紙用熱接着性繊維及び紙

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JPH09241974A
JPH09241974A JP8045980A JP4598096A JPH09241974A JP H09241974 A JPH09241974 A JP H09241974A JP 8045980 A JP8045980 A JP 8045980A JP 4598096 A JP4598096 A JP 4598096A JP H09241974 A JPH09241974 A JP H09241974A
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polyether
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 水中分散性良好、パルプとの混抄が可能且つ
パルプに対する接着性が高い抄紙用熱接着性繊維とこれ
を抄紙した紙の提供。 【解決手段】 下記(1)〜(5)のポリエーテル・ポ
リエステルブロック共重合体からなるエラストマー繊維
で、単繊維の繊度が0.5〜10、デニール繊維長が2
〜30mmで繊維表面に、水分散性促進剤のポリエーテ
ル・ポリエステル系ブロック共重合体が0.02〜5.
0重量%付着する抄紙用熱接着性繊維。 (1)ソフトセグメントの主構成物ポリエーテル(A)
が平均分子量400〜5000のポリテトラメチレング
リコール。 (2)ハードセグメント構成物ポリエステル(B)が以
下なるポリエステル。 (a)主たる酸成分が40〜100モル%のテレフタル
酸と0〜60%のイソフタル酸。 (b)主たるジオール成分が1,4―ブタンジオール。 (3)(A)と(B)との共重合割合は(A)/(B)
=5/95〜80/20。 (4)固有粘度0.6〜1.7。 (5)融点100〜220℃。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱接着性繊維に関
する。さらに詳しくは本発明は紡糸以降の工程で、膠着
現象が可及的に低減され、水中分散性が良好で、パルプ
との混抄が可能であり、パルプに対する接着性が高い抄
紙用熱接着性繊維及び該抄紙用熱接着性繊維を用いて抄
紙したソフトで耐水性、高強力、高弾性の紙に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、パルプを主成分とする紙あるいは
化繊紙には、バインダーとして水可溶性のポリビニルア
ルコール繊維が用いられている。
【0003】このポリビニルアルコール繊維は、親水性
で水中分散性も良好であり、湿熱での接着力も高いが、
耐水性が悪く、得られる紙の用途が制限されるため、抄
紙後に不溶化処理を施さなければならないという問題が
あった。
【0004】これに対して、耐水性を改善するために、
ポリプロピレン繊維、ポリエチレンとポリプロピレンと
の複合繊維、低融点ポリエステルと高融点ポリエステル
との複合繊維などの熱融着性繊維を混抄した後、熱接着
処理する方法も用いられているが、これらの熱融着性繊
維は疎水性であるため、水中分散性が悪く、均一な高強
力の紙が得られず、しかも得られた紙は硬くて伸縮性が
なく、立体形状の物体を包むと皺ができ易く、他の物に
触れた場合にガサガサと音がするという問題がある。
【0005】一方、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジオー
ル及びポリアルキレングリコールからなるポリエーテル
エステル系共重合体は、弾性繊維として広く用いられて
おり、この弾性繊維からなる長繊維不織布において、弾
性繊維相互を自己接着させることも知られている(例え
ば、特開昭63―12746号公報、特開昭63―14
5463号公報、特開平5―140850号公報)。
【0006】また、ポリテトラメチレングリコールから
なるポリエーテルセグメントと、テレフタル酸又はテレ
フタル酸及びイソフタル酸と1,4―ブタンジオールと
からなるポリエステルセグメントとで構成されたポリエ
ーテルエステル共重合体を溶融物、フイルムなどの非繊
維状で、長繊維不織布を被覆して、熱接着性複合材料と
することも知られている(特開昭57―135881号
公報)。
【0007】しかしながら、これらにはポリエーテルエ
ステル共重合体を抄紙用熱接着性繊維として用いること
は記載されておらず、示唆されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を解消し、水中分散性が良好で、パルプとの
混抄が可能であり、パルプに対する接着性が高い抄紙用
熱接着性繊維を提供し、更には、該抄紙用熱接着性繊維
を用いて抄紙することにより、ソフトで、耐水性、高強
力、高弾性の紙を提供することを課題とするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定のポリエーテ
ルエステル共重合体繊維を用い且つ特定の表面処理剤を
付着すればよいことを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0010】すなわち本発明によれば、 下記(1)〜(5)で構成されるポリエーテル・ポ
リエステルブロック共重合体からなるエラストマー繊維
であって、単繊維の繊度が0.5〜10デニール、繊維
長が2〜30mm且つ繊維表面に、水分散性促進剤のポ
リエーテル・ポリエステル系ブロック共重合体が0.0
2〜5.0重量%付着していることを特徴とする抄紙用
熱接着性繊維 (1)ソフトセグメントを構成する主たるポリエーテル
(A)が平均分子量400〜5000のポリテトラメチ
レングリコールであること (2)ハードセグメントを構成するポリエステル(B)
が以下の構成からなるポリエステルであること (a)主たる酸成分が40〜100モル%のテレフタル
酸と0〜60%のイソフタル酸であること (b)主たるジオール成分が1,4―ブタンジオールで
あること (3)ポリエーテル(A)とポリエステル(B)との共
重合割合(重量比)がポリエーテル(A)/ポリエステ
ル(B)=5/95〜80/20であること (4)固有粘度が0.6〜1.7であること (5)融点が100〜220℃であること パルプと上記記載の抄紙用熱接着性繊維とからな
ることを特徴とする紙及び抄紙用熱接着性繊維の配合
量が10〜90重量%である上記記載の紙が提供され
る。
【0011】
【本発明の実施の形態】本発明で用いるポリエーテル・
ポリエステルブロック共重合体は、ポリブチレン系テレ
フタレートをハードセグメントとするブロック共重合体
ポリエーテルポリエステルである。この場合、ハードセ
グメントを構成するポリエステル部分は、全酸成分に対
する共重合割合(全酸成分に対するモル%で示す)とし
て、テレフタル酸を40〜100モル%、イソフタル酸
を0〜60%含むものが用いられる。テレフタル酸、イ
ソフタル酸以外の酸成分としてはフタル酸、アジピン
酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、2,6
―ナフタレンジカルボン酸、5―ナトリウムスルホイソ
フタル酸、1,4―シクロヘキサンジカルボン酸等が、
所定の融点を得るためと、弾力性、耐久性の品質面から
も好ましく用いられる。特にテレフタル酸を50〜90
モル%イソフタル酸を10〜50モル%含むものがより
好ましく用いられる。また本発明で用いるポリエステル
部分は1,4―ブタンジオールを主たるグリコール成分
とする。なお、ここでいう「主たる」とは、全グリコー
ル成分の80モル%以上が1,4―ブタンジオールであ
って、20モル%以下の範囲内では他種グリコール成分
が共重合されていてもよいことをいう。好ましく用いら
れる共重合グリコール成分としては、エチレングリコー
ル、トリメチレングリコール、1,5―ペンタンジオー
ル、1,6―ヘキサンジオール、ジエチレングリコー
ル、1,4―シクロヘキサンジオール、1,4―シクロ
ヘキサンジメタノール等をあげることができる。
【0012】一方本発明のポリエーテル・ポリエステル
ブロック共重合体のソフトセグメントとしては、平均分
子量が400〜5000好ましくは800〜4000の
ポリテトラメチレングリコールを主体とするポリエーテ
ルが用いられる。
【0013】平均分子量が400未満では、得られるブ
ロック共重合体のブロック性が低下して弾性回復性能が
不十分となるし、一方5000を越える場合には、ポリ
テトラメチレングリコール成分の共重合性が低下して弾
性回復性能が不充分となるため好ましくない。
【0014】本発明のポリエーテル・ポリエステルブロ
ック共重合体において、ソフトセグメントのポリエーテ
ル(A)とハードセグメントのポリエステル(B)との
共重合割合(重量比)は、(A)/(B)が5/95〜
80/20であることが必要である。
【0015】ポリエーテル成分の共重合割合が5wt%
未満の場合は、得られるエラストマー繊維を熱処理して
も本発明の目的とする弾性性能の良好なものは得られ
ず、一方80重量%を超える場合には、ブロック共重合
体の力学的特性及び耐熱性、耐光性等の耐久性が低下す
るため好ましくない。好ましい共重合割合として30〜
70wt%が望ましい。
【0016】本発明のポリエーテル・ポリエステルブロ
ック共重合体は、公知の共重合ポリエステルの製造方法
で製造しうるが、その際得られる共重合体の固有粘度が
0.6〜1.7の範囲になるように反応条件を選定する
必要がある。固有粘度が0.6未満であると、ブロック
共重合体の溶融成型性が大巾に低下し、更に得られる弾
性特性も劣るものとなる。逆に固有粘度が1.7を越え
るとブロック共重合体の溶融成型時、溶融温度を高く設
定しなければならず、該共重合体の熱劣化の面から好ま
しくない。
【0017】本発明におけるポリエーテル・ポリエステ
ルブロック共重合体の融点は、良好な接着性を得るうえ
で100〜220℃の範囲にあることが必要であり、好
ましくは110〜180℃、特に好ましくは110〜1
50℃である。融点が100℃未満の場合は、熱接着性
繊維を梱包したとき、あるいは貯蔵中などに、繊維同志
が膠着し、抄紙時に水中に分散させた際に水中に均一に
分散せず、紙の中にかたまった状態で存在するようにな
り、十分な接着が行われない部分が生じ、紙強力を低下
させる原因となる。一方、融点が220℃を越えると、
通常の加熱加工温度では融着し難くなり、熱接着性が劣
り、十分な紙強力が得られない。特に、融点が110〜
150℃の場合は、抄紙後、ヤンキードライヤーなどで
の短時間の処理で十分な接着強力が得られるので好まし
い。
【0018】本発明のポリエーテルポリエステルブロッ
ク共重合体の融点は、ポリエーテルセグメントとポリエ
ステルセグメントの共重合比によって変わり、ポリエー
テルセグメントの共重合割合が大きくなると、共重合体
の融点は低下する。上記の共重合体融点を得るうえで、
ポリエーテルセグメントの共重合割合は、前述の如く共
重合体全体に対して、5〜80重量%であることが必要
で、特に30〜70重量%であることが好ましい。
【0019】ここで共重合体の融点は、ペネトレーショ
ン法によって次の条件で測定したもので、差動熱量計で
測定される融点とほぼ一致するものである。すなわち、
予め80℃にて、約15時間窒素気流中で熱処理した試
料をペネトロメーターにセットし、直径0.5mmのピ
ンに5gの荷重をかけ、窒素気流中にて10℃/分の昇
温速度で昇温し、ピンが250μm貫入した時の温度を
融点とした。
【0020】本発明におけるポリエーテルポリエステル
共重合には、その目的に応じて、酸化防止剤、耐熱安定
剤、耐候安定剤、顔料、染料、無機微粒子、有機滑剤な
どを必要量添加することができる。また、熱接着性改
良、粘度調整などの目的で、ポリエチレン、エチレン・
酢酸ビニル共重合体、無水マレイン酸などのα、β―エ
チレン性不飽和酸及びその誘導体をグラフト重合して変
性したポリオレフィン、アイオノマー、ポリエステル共
重合体などのポリマーを、ポリエーテルポリエステルブ
ロック共重合体に対して30重量%以下、好ましくは2
5重量%以下混合することもできる。
【0021】本発明の抄紙用熱接着性繊維は、上記に詳
述したポリエーテルポリエステルブロック共重合体を、
周知の紡糸装置を用い上記共重合体の特性に応じて紡
糸、延伸、熱処理条件を適宜組合せて得ることができ
る。
【0022】即ち本発明の抄紙用熱接着性繊維を製造す
るには、上記ポリエーテルポリエステル共重合体を、そ
の融点に応じて、150〜240℃で溶融押出機により
所定の繊度に溶融紡糸し、500〜2500m/分の速
度で引き取り、未延伸のまま、あるいは必要に応じて延
伸して、所定の繊維長に切断すればよい。
【0023】この際、本発明の抄紙用熱接着性繊維は、
繊度が0.5〜10デニール、繊維長が2〜30mmで
あることが必要である。繊度が0.5デニール未満では
接着強力が不足し、十分な紙強力が得られず、10デニ
ールを越える場合も、単位重量当たりの繊維本数が少な
くなり、接着強力が低下して、十分な紙強力が得られな
い。また、繊維長が2mm未満では、接着強力が不足
し、30mmを越えると、水中分散性が悪化して、紙強
力が低下する。繊度の更に好ましい範囲は1〜8デニー
ル、繊維長の更に好ましい範囲は3〜20mmである。
【0024】又本発明の抄紙用熱接着性繊維には、その
繊維表面に水分散性促進剤のポリエーテル・ポリエステ
ル糸ブロック共重合体が0.02〜5.0wt%付着し
ていることが必要である。繊維表面に、水分散性促進剤
のポリエーテル・ポリエステル系ブロック共重合体を付
着させるには、上記ポリエーテル・ポリエステルブロッ
ク共重合体を溶融紡糸後引取る前に、紡糸油剤で付与す
ることが好ましい。即ち、紡糸油剤としては、下記に詳
述するポリエステル・ポリエーテル系ブロック共重合体
を、紡糸された直後の糸の集束前又は集束中に糸同士の
間に0.02〜5.0wt%付着介在させることが、膠
着防止策として著しい効果もあるので好ましい。
【0025】ポリエステルポリエーテルブロック共重合
体を繊維に対して0.02重量%未満付与しただけでは
膠着防止及び熱接着力向上には不十分である。5.0重
量%を越えると付着量を増やしても、膠着防止、熱接着
力向上等の効果は得られず、かえって、繊維表面の粘着
性が増加し、硬さ斑等が発生し、好ましくない。
【0026】本発明において、ポリエステル・ポリエー
テル系ブロック共重合体を繊維に付与することにより、
膠着防止することが可能な理由は、該ブロック共重合体
は微細な粒子として分散しており、紡糸時の糸条集束前
または集束中に繊維間に介在してコロの役目を果し、繊
維間の摩擦を減らすためと推定される。また該ブロック
共重合体は微粒子として、水中に分散しているため繊維
が延伸可能な高い温度に加熱されたときでも膠着現象が
認められず、延伸性向上にも寄与していると推定され
る。
【0027】繊維表面に付着させるポリエーテル・ポリ
エステル系ブロック重合体は繊維の膠着防止能を高める
ために、テレフタレート単位とイソフタレート単位また
は/及びメタソジウムスルフォイソフタレート単位との
比は90:10〜50:50(モル比)が特に好まし
い。
【0028】また、該ブロック共重合体においてテレフ
タレート単位及びイソフタレート単位または/及びメタ
ソジウムスルフォイソフタレート単位とポリアルキレン
グリコール単位との比は2:1〜15:1(モル比)で
あり、紡糸集束時の繊維同志の密着発生防止、繊維の接
着強力向上等を考慮すると3:1〜8:1(モル比)が
特に好ましい。
【0029】なお、該ブロック共重合体の製造に用いる
アルキレングリコールはエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、テトラメチレングリコール、デカメチレ
ングリコール等の炭素数が2〜10のアルキレングリコ
ールなどであり、ポリアルキレングリコールは通常平均
分子量が600〜12,000、好ましくは平均分子量
1,000〜5,000のポリエチレングリコール、ポ
リエチレングリコール・ポリプロピレングリコール共重
合体、ポリエチレングリコール・ポリテトラメチレング
リコール共重合体、ポリプロピレングリコール等の他、
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等
のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノフェ
ニルエーテル等が好ましい。しかし、繊維の膠着防止性
向上の点から特に好ましいのはポリエチレングリコール
のモノエーテル類である。
【0030】また、該ブロック共重合体の平均分子量は
使用するポリアルキレングリコールの分子量にもよる
が、通常2,000〜20,000、好ましくは3,0
00〜13,000である。平均分子量が2,000未
満では延伸性向上、密着防止、熱接着力向上の点で不充
分であり、また20,000を越えると延伸性、熱接着
力が低下し好ましくない。該ブロック共重合体の重縮合
時に分子量を調節するために使用するポリアルキレング
リコールはモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、
モノフェニルエーテルのような片方の末端基が封鎖され
たものが好ましい。
【0031】また該ブロック共重合体はポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテルホスフェートのアルカリ
金属塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
サルフェートのアルカリ金属及び/またはこれらのアン
モニウム塩、アルカノールアミン塩等の界面活性剤を用
いて分散せしめる。分散したブロック共重合体分散液の
凝集開始温度は通常30〜100℃であり、好ましくは
60〜90℃である。なお該ブロック共重合体の使用量
は、繊維に対し0.02〜5.0重量%、好ましくは
0.1〜3.0重量%である。
【0032】本発明の抄紙用熱接着性繊維は、通常の湿
式抄紙法によりパルプと混抄して、紙を得ることができ
る。この場合、該熱接着性繊維の融点が低いとき(例え
ば、90〜170℃)は、抄紙後の通常の乾燥工程での
処理により融着させることができるが、融点が高いとき
は、更に高温でのカレンダロール等による熱接着処理が
必要となる。
【0033】本発明の抄紙用熱接着性繊維とパルプを混
抄してなる紙は、該熱接着性繊維の配合量が10〜90
重量%であることが好ましい。該熱接着性繊維の配合量
が10重量%未満では、充分な紙力、弾性力が得られ
ず、90重量%越えると、乾燥時に繊維収縮による地合
斑が発生し易い。
【0034】
【発明の効果】本発明の抄紙用熱接着性繊維は、特定の
ポリエーテル・ポリエステルブロック共重合からなる繊
維の表面に水分散性促進剤のポリエステル・ポリエーテ
ル共重合系ブロック共重合体が付与されていることによ
り、親水性に富み、水中分散性が良好であり、しかもパ
ルプとの親和性が高く、パルプと混抄した場合は、ポリ
エーテルエステル共重合体が持つ弾性とあいまって、ソ
フトで弾性に富み、均一な高強力の紙が得られる。しか
も、ポリエーテル・ポリエステルブロック共重合体は、
適度な耐水性を有しているため、耐水性の良好な紙が得
られる。この紙は、物を包んだ際に皺ができたり、ガサ
ガサという音がするようなことがなく、包装用を始めと
して、種々の用途に用いることができる。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例にて詳細に説明する
が、本発明は、これらの記載により何ら限定されるもの
ではない。
【0036】[実施例1]テレフタル酸とイソフタル酸
とを85/15(モル%)で混合した酸成分とブチレン
グリコールとを重合し、得られたポリブチレン系テレフ
タレート45%(重量%)を更にポリブチレングリコー
ル(分子量2000)55%(重量%)と加熱反応さ
せ、ブロック共重合ポリエーテルポリエステルエラスト
マーを得た。この熱可塑性エラストマーの固有粘度は
1,3、融点172℃であった。
【0037】この熱可塑性エラストマーを公知の溶融押
出機を用い200℃で溶融し、孔径0.3mmの細孔を
1200個有する紡糸口金から吐出して、冷却後、ポリ
エーテル・ポリエステルブロック共重合体を糸条に0.
3重量%付着後1800m/分の速度で引き取り、単繊
維度が1.5デニールの未延伸糸を得た。
【0038】この未延伸糸を、10mmの繊維長となる
よう切断して、抄紙用熱接着性繊維を調製した。
【0039】このように調製した熱接着性繊維40重量
%とパルプ60重量%とを混合し、タッピー抄紙機を用
いて、濃度0.01%、地合調整剤として少量の増粘剤
を添加した条件下で抄紙した。なお、乾燥機の温度は、
135℃に設定した。
【0040】このときの熱接着性繊維の水中分散性は、
極めて良好であり、他のバインダーを用いることなく、
十分に熱接着されたパルプ混抄紙が得られた。
【0041】このようにして得られた紙は、坪量が2
1.0g/m2 、厚さが0.053mm、乾燥引張強度
が、縦1.5kg/15mm、横1.2kg/15m
m、70℃の熱水中で5分間処理した後の湿潤引張強度
が、縦1.2kg/15mm、横0.9kg/15mm
であり、高強力で、耐熱水性も良好であった。また、こ
の紙は、両手で伸ばすと柔らかく伸びてソフトであり、
片手を離すとすぐに元の状態に戻り、高弾性であって、
物を包んだ際に皺ができたり、ガサガサという音がする
ようなこともなかった。
【0042】[実施例2〜13、比較例1〜6]実施例
1においてポリエーテルポリエステル共重合体の融点、
単繊維繊度及び繊維長を表1に示すように変更した熱接
着性繊維を用いその他の条件は、実施例1と同様にして
抄紙を行った。
【0043】結果は表1に示す通りであり、ポリエーテ
ルポリエステル共重合の融点が100〜200℃、繊度
が0.5〜10デニール、繊維長が2〜30mmの場合
(実施例2〜13)には、高強力の紙を得ることができ
たが上記範囲外(比較例1〜6)では、得られた紙の強
力が低かった。
【0044】
【表1】
【0045】[実施例14]実施例1において、テレフ
タル酸、イソフタル酸の割合を70/30(モル%)に
変更し得られたポリブチレン系テレフタレートを50重
量%反応させる以外は同様にして固有粘度1.0、融点
140℃のポリエーテル・ポリエステルエラストマーを
得た。
【0046】該エラストマーを、公知の溶融押出機を用
い260℃で溶融し、孔径0.3mmの細孔を1200
個有する紡糸口金から吐出して、冷却後、ポリエーテル
・ポリエステルブロック共重合体を糸条に0.2重量%
付着後1,300m/分の速度で引き取り、単繊維繊度
が3デニールの未延伸糸を得た。
【0047】この未延伸糸を、15mmの繊維長となる
ように切断して、抄紙用熱接着性繊維を調製した。
【0048】このように調製した熱接着性繊維80重量
%とパルプ20重量%とを混合し、タッピー抄紙機を用
いて、濃度0.014%、増粘剤添加の条件下で抄紙し
た。なお、乾燥機の温度は、120℃に設定した。
【0049】このようにして得られた紙は、坪量が40
g/m2 、厚さが0.16mm、乾燥引張強度が、縦
1.8kg/15mm、横1.7kg/15mm、70
℃の熱水中で5分間処理した後の湿潤引張強度が、縦
1.5kg/15mm、横1.3kg/15mmであ
り、高強力で、耐熱水性も良好であった。また、この紙
は、ソフトで高弾性であり、物を包んだ際に皺ができた
り、ガサガサという音がするようなこともなかった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(1)〜(5)で構成されるポリエ
    ーテル・ポリエステルブロック共重合体からなるエラス
    トマー繊維であって、単繊維の繊度が0.5〜10デニ
    ール、繊維長が2〜30mm且つ繊維表面に、水分散性
    促進剤のポリエーテル・ポリエステル系ブロック共重合
    体が0.02〜5.0重量%付着していることを特徴と
    する抄紙用熱接着性繊維。 (1)ソフトセグメントを構成する主たるポリエーテル
    (A)が平均分子量400〜5000のポリテトラメチ
    レングリコールであること。 (2)ハードセグメントを構成するポリエステル(B)
    が以下の構成からなるポリエステルであること。 (a)主たる酸成分が40〜100モル%のテレフタル
    酸と0〜60%のイソフタル酸であること。 (b)主たるジオール成分が1,4―ブタンジオールで
    あること。 (3)ポリエーテル(A)とポリエステル(B)との共
    重合割合(重量比)がポリエーテル(A)/ポリエステ
    ル(B)=5/95〜80/20であること。 (4)固有粘度が0.6〜1.7であること。 (5)融点が100〜220℃であること。
  2. 【請求項2】 パルプと請求項1記載の抄紙用熱接着性
    繊維とからなることを特徴とする紙。
  3. 【請求項3】 抄紙用熱接着性繊維の配合量が10〜9
    0重量%である請求項2記載の紙。
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JP2011074506A (ja) * 2009-09-29 2011-04-14 Teijin Fibers Ltd 湿式不織布用熱接着性複合繊維
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