JPH09241626A - フォトクロミック化合物を用いた感光性組成物と要素 - Google Patents

フォトクロミック化合物を用いた感光性組成物と要素

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JPH09241626A
JPH09241626A JP7937796A JP7937796A JPH09241626A JP H09241626 A JPH09241626 A JP H09241626A JP 7937796 A JP7937796 A JP 7937796A JP 7937796 A JP7937796 A JP 7937796A JP H09241626 A JPH09241626 A JP H09241626A
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JP
Japan
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group
compound
photochromic compound
photosensitive composition
photochromic
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JP7937796A
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Inventor
Masato Satomura
正人 里村
Mitsugi Tanaka
貢 田中
Toshiaki Aono
俊明 青野
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フォトクロミックな特性を持つ新規な化合物を
用いた組成物およびそれを用いた要素を提供する。 【解決手段】フォトクロミック化合物としてアリールオ
キシアルキル基置換インドリノスピロピラン又はスピロ
オキサジン化合物を含む事を特徴とする感光性組成物。
更にそれを基体上に担持し、その上に保護層を設けた要
素。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の置換基を持
つフォトクロミック化合物とそれを利用した感光性組成
物とそれを用いた要素、特にそれを用いて透明な各種の
調光、表示、着色及び記録用として有用な要素に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、フォトクロミック化合物が光記
録、表示あるいは調光材料として注目され、青系乃至赤
あるいは黄色に発色するフルギド化合物、インドリノス
ピロピラン化合物、チオインドリノスピロピラン化合
物、インドリノスピロオキサジン化合物、チオインドリ
ノスピロオキサジン化合物、ベンゾピラン化合物或いは
ナフトピラン化合物等の開発が試みられている。これら
の化合物の具体例については、例えば、Photochromism,
Molecule and Systems (Ed.by H.Durr,H.Bouas-Lauren
t,Elsevier,New York 1989)等の成書、或いは特開平7-4
8381 、特開平5-273692、同3-252453、同3-133988、同3
-11075 、同2-69471 、同2-42084 、同1-52783 、同3-1
2118 、同3-252493、特開昭63-66178、同61-263935 、
同61-267578 、同58-113203 、特公昭45-28892、同49-4
8631、同48-23787、同55-36284、或いは欧州特許401958
A2, 米国特許5238981 、同4980089 、同4913544 、同32
70639 、東独特許0153-690、同1563-72 などの公報又は
明細書に詳細に記載されている。又、種々の用途への応
用例が詳細に述べられている。
【0003】これらに記載されているように、各種の該
フォトクロミック化合物を、疎水性ポリマーと共に加熱
溶融しフィルム状又は立体物に成形したり、又は疎水性
ポリマーと共に有機溶剤に溶解し基体上に塗設して、種
々の用途に用いることが提案されている。我々も各種の
使用形態について検討を重ねその幾つかについて、特許
を出願してきた。これらの使用形態や用途のうち、調光
材料として用いる場合には幾つかの要求を満足させる必
要がある。例えば雪国の屋外での低温下でも、夏の海辺
の高温下でも、該材料に照射された光量に応じて発色す
る事が要求される。又、露光を停止したら、速やかに消
色することが望まれる。又、表示及び記録材料として用
いる場合においても、表示及び記録に要する光照射量に
対して迅速に反応することが望まれている。
【0004】しかしながら、該フォトクロミック化合物
の着色及び消色反応は該フォトクロミック化合物の構造
変化を伴うため、上記のように通常の疎水性ポリマー中
に固定された状態ではその着色及び/又は消色速度が遅
いという問題点があった。特に室温以上の温度での使用
時には、使用されるフォトクロミック化合物の種類にも
よるが十分な着色及び消色に、通常数10分乃至数時間
以上を要し調光材料としては問題があった。また各種の
色相の調整を目的に、異なる色相を示す複数種のフォト
クロミック化合物を支持体上に重層で設けると、上の層
に用いたフォトクロミック化合物によるフィルター効果
で下層のフォトクロミック化合物の発色が抑制される欠
点があり、好ましい色相の調節や制御が困難であった。
本発明者等は、これらの問題を解決するために、フォト
クロミック化合物の構造と発色特性及び使用法、特に高
温での発色性の改善について詳細に検討し本発明をなす
に至った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、第一に調光、着色及び記録材料に有用なフォトクロ
ミック化合物を含む感光性組成物を提供することにあ
る。第二に室温以上の高温度下でも、調光、着色及び記
録の用途に耐えうるフォトクロミックな特性を持つ感光
性組成物を提供することである。第三にこの組成物を基
体上に坦持した透明な調光、着色及び記録乃至表示材料
に有用な要素を提供することである。第四に複数種のフ
ォトクロミック化合物を用いた場合にも、バランス良く
発色するフォトクロミックな特性を持つ感光性組成物を
提供することである。第五に透明支持体の基体上に坦持
したヘイズの低い調光、着色及び記録乃至表示材料を提
供することである。第六にこの組成物を基体上に坦持し
た調光、着色及び記録乃至表示材料に有用な要素を提供
することである。第七に透明基体上に複数の発色波長の
異なるこの組成物を坦持し、更に透明保護層を設けた調
光、着色及び記録乃至表示材料に有用な要素を提供する
ことである。
【0006】又、別の使用方法として、既に、フォトク
ロミック化合物をコアセルベーション法やポリスチレン
などのポリマーを壁剤として、カプセル化して用いる事
についても、古くから種々の検討が行われてきた。例え
ば、特開平 3-67240, 同 7-159924 等参照。但し、これ
らにおいて提案されている通常の手法は、フォトクロミ
ック化合物にとって重要な応答性( 着色性と消色性 )、
透明性、発色色相の多様性、或いは繰り返し耐性などの
要求に対して、性能において十分なものでは無かった。
又ヘイズが高く透明な特性が要求される分野には適性が
なかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究の
結果、本発明の目的は 1.フォトクロミック化合物としてアリールオキシアル
キル基置換インドリノスピロピランまたはスピロオキサ
ジン化合物を含む事を特徴とする感光性組成物。 2.アリールオキシアルキル基置換インドリノスピロピ
ラン又はスピロオキサジン化合物とは異なるフォトクロ
ミック化合物を更に含むことを特徴とする1記載の感光
性組成物。 3.フォトクロミック化合物の発色したときの吸収極大
値がそれぞれ50nm以上異なる事を特徴とする1又は
2記載の感光性組成物。 4.上述の1、2又は3記載の感光性組成物を高分子バ
インダーを用いて透明基体上に実質的に一層担持し、更
にその上に保護層を設けた要素。 5.上述のアリールオキシアルキル基置換インドリノス
ピロピラン又はスピロオキサジン化合物のアリールオキ
シアルキル基が1−位置換体であるフォトクロミック化
合物を含む感光性組成物を高分子バインダーを用いて透
明基体上に実質的に一層担持し、更にその上に保護層を
設けた要素。を開発する事により達成が可能であること
を見出し、本発明をなすに至った。
【0008】更に、本発明の好ましい態様として次の例
を挙げる。 6.上述の1、2又は3において、フォトクロミック化
合物と油溶性アセタールまたはケタール化合物と必要に
より更に高沸点溶媒と油溶性サリチル酸誘導体を含有す
る感光性組成物。 7.前記2又は3の2種類以上のフォトクロミック化合
物と5員乃至6員環状の油溶性アセタールを含有した感
光性組成物を透明支持体上に担持した要素。
【0009】8.前記1、2又は3の感光性組成物をカ
プセル内油相の屈折率が 1.51 〜 1.60 に納まる高沸点
溶媒と芯物質の組み合わせを用い、更に高分子バインダ
ーを用いて基体上に担持した要素。 9.前記2又は3のフォトクロミック化合物が、着色し
た状態での吸収波長極大で、380 〜480mμを示す少なく
とも一種と 450〜580mμを示す少なくとも一種と560 〜
680 mμを示す少なくとも一種の混合物である事を特徴
とする感光性組成物。 10.前記6)記載の、アセタールまたはケタール化合
物(以下、エーテル化合物)が沸点 150〜380 ℃である
感光性組成物を基体上に坦持した調光、着色及び記録乃
至表示材料。
【0010】11.フォトクロミック化合物の アリー
ルオキシ基と1−位の窒素原子とが炭素原子数で2〜8
好ましくは2〜6の置換基で結合している1−アリール
オキシアルキル置換インドリノスピロピラン又はスピロ
オキサジン化合物から選ばれた化合物である前記1、
2、3または6記載の感光性組成物。 12.1−アリールオキシアルキル基置換インドリノス
ピロピラン又はスピロオキサジン化合物において、アリ
ール基が5員乃至6員の芳香族単環の骨格である事を特
徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において、特徴的な、高い
発色性と消色性に関与するフォトクロミック化合物につ
いて以下に詳述する。本発明の化合物は、好ましくは一
般式(1)で示される。一般式(1)において、R1
アリールオキシアルキル基を示す。R2 〜R11は水素原
子又は置換基を表す。
【0012】
【化1】
【0013】アリールオキシアルキル基のアリール基と
しては、5員乃至6員の芳香環を示し、それが単環か、
縮環か、ヘテロ環かを問わない。芳香環であることが重
要である。例えば、より具体的には、フェナンスリル
基、アンスラセニル基、フリル基、キノニル基、ピリミ
ジル基、ピロリル基、フェニル基、チエニル基、テトラ
ロニル基、ナフチル基、インドリル−3−イル基、カル
バゾリル−3−イル基、ベンゾフラニル基、ピリジル
基、アンスラセン−2−イル基、インデニル基、等など
の基を上げることが出来る。又、アリールオキシアルキ
ル基のアルキル部分は次式で示される場合が好ましい。
例えば一般式、−Cn m - 。この式において、n は1
乃至25、mは2乃至50の整数を表す。これらは、不
飽和の二重結合乃至三重結合を有していてもよい。好ま
しくは、nが2乃至12、mが4乃至24の基である。
アリールオキシ基の置換位置としては、例えば、β−,
γ−,δ−,ω−などが挙げられる。アリールオキシア
ルキル基のアリールは更に置換されていてもよく、置換
基としては、各種の置換基例えば、アルキル基、ハロゲ
ン原子、アシル基、アリール基、アルコキシカルボニル
基、スルフォニル基、アルコキシ基、チオアルコキシ
基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、アルケニル
基、アルキニル基、アリールオキシ基、ニトロ基、フォ
ルミル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アミノ
基、カルボキシ基等が挙げられる。
【0014】又、これらの組み合わせ例えば、アルキル
アミノ基、ハロアルキル基、ジアルキルアミノ基、アル
コキシアルキル基、アラルキル基、アルキルカルバモイ
ル基、アリールスルファモイル基、アルコキシカルボニ
ルアルキル基、シアノアルキル基、アリールオキシアル
キル基、チオアルコキシアルキル基なども好ましい一例
である。置換基を有していてもよいアリール基の好まし
い具体例としては、トリル基、キシリル基、メトキシフ
ェニル基、クロロフェニル基、シアノフェニル基、m−
エチルフェニル基、m−ペンタデシルフェニル基、p−
ビフェニル基、β- ナフチル基、p-クミルフェニル基、
メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、トリメチル
フェニル基、ブトキシフェニル基、ニトロフェニル基、
2−クロロ−5−メトキシ基、N−エチル−2−メチル
インドール−3−イル基、ジクロロフェニル基などが挙
げられる。
【0015】アリールオキシアルキル基の具体例として
は、アリールオキシエチル基、チオアリールオキシエチ
ル基、アリールオキシプロピル基、アリールオキシブチ
ル基などがあり、さらに具体的には、β- メトキシフェ
ノキシエチル基、エトキシフェノキシエチル基、m-トリ
ルオキシエチル基、m-エチルフェノキシエチル基、β-
ナフトキシエチル基、フェノキシブチル基、β- フェノ
キシプロピル基、δ-(p-メトキシフェノキシ) ブチル
基、β-(p-カルボキシフェノキシ) プロピル基などは好
ましい一例である。
【0016】R2 〜R11は水素原子又は置換基を表す。
2,R3 で表される置換基としては、アルキル基又はア
リール基が挙げれる。また、R2 とR3 は相互に結合し
て5員乃至6員の非金属原子からなる環を形成してもよ
い。R2 とR3 の置換基の炭素原子数としては、15以
下好ましくは8以下である。環を形成するばあいには、
5〜6員のシクロヘキサン環、シクロヘキセン環或いは
シクロペンタン環等が好ましい。R4 〜R11で示される
置換基としては、アルキル基、ハロゲン原子、アシル
基、アリール基、アルコキシカルボニル基、スルフォニ
ル基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アルコキシカ
ルボニル基、シアノ基、アルケニル基、アルキニル基、
アリールオキシ基、ニトロ基、フォルミル基、カルバモ
イル基、スルファモイル基、アミノ基、カルボキシ基等
が挙げられる。又、これらの組み合わせ例えば、アルキ
ルアミノ基、ハロアルキル基、ジアルキルアミノ基、ア
ルコキシアルキル基、アラルキル基、アルキルカルバモ
イル基、アリールスルファモイル基、アルコキシカルボ
ニルアルキル基、シアノアルキル基、アリールオキシア
ルキル基、チオアルコキシアルキル基なども好ましい一
例である。
【0017】これらは隣接する位置で相互に結合してベ
ンゼン環、ピリジン環などの環を形成してもよい。特
に、R10とR11、R4 とR 5の位置で環化し芳香環を形
成する場合には、発色性の向上と発色の長波化の点から
好ましい。R2 〜R11で示される置換基の中で、アルキ
ル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシル基、(置
換)カルバモイル基、(置換)スルファモイル基、アル
コキシカルボニル基などが好ましく、R8 としては特に
(置換)カルバモイル基、(置換)スルファモイル基な
どが好ましい。次に、本発明の化合物であるアリールオ
キシアルキル基置換インドリノスピロピラン又はスピロ
オキサジン化合物の具体例の幾つかを次に示す。式中
で、Tlはトリル基を示す。-C3H6-,-C4H8-,-C4H6-,-C5H
10- 等は直鎖状または分岐した連結基を示す。YはO
又はSを表す。Zは=CH−又は=N−を表すものとす
る。
【0018】
【化2】
【0019】
【化3】
【0020】
【化4】
【0021】
【化5】
【0022】
【化6】
【0023】
【化7】
【0024】
【化8】
【0025】
【化9】
【0026】本発明の化合物を感光材料としてもちいる
場合には種々の添加剤を併用することが出来る。特に、
アセタールまたはケタール類を併用することは好まし
い。アセタール化合物を併用する場合には、分子内に少
なくとも一個のアセタール又はケタール結合を有してい
る低分子ないし高分子化合物が好ましい。例えば、2乃
至10個程度含むものも差し支えない。部分構造として
環状乃至直鎖状の化合物が好ましい。これらは場合によ
り溶媒を兼ねる事が出来る。アセタールまたはケタール
類は各種の置換基を有していてもよい。置換基の例とし
ては、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基
(例えばメチル基、エチル基、ブチル基、アミル基、シ
クロオクチル基、ドデシル基、メトキシブチル基、クロ
ロブチル基、クロロエチル基、フェノキシプロピル基な
ど)、置換されていてもよいアリール基〔例えば、フェ
ニル基、ナフチル基、フリル基、インドリル基、(置換
基としては、置換されていてもよいアルキル基、パーフ
ルオロアルキル基、トリフルオロメチル基など、アリー
ルチオアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基
例えば、メトキシ基、エトキシブトキシ基、フェノキシ
プロポキシ基、p−メトキシフェニル基など)〕、或い
は場合によりアシル基(例えばアセチル基、ブチロイル
基、ベンゾイル基、シンナモイル基など)、スルフォニ
ル基(例えば、ペンタンスルフォニル基、メタンスルフ
ォニル基など)、置換されていてもよいアミノ基(例え
ばアシルアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ
基、ジアルキルアミノ基、ウレイド基、ウレタン基な
ど)、カルボキシル基、スルフォ基、シアノ基、などか
ら選ばれる。その総炭素原子数が5乃至50程度特に7
乃至35程度が好ましい。が、ポリビニルアセタールな
どの高分子化合物も併用して差し支えない。
【0027】更に、これらは、隣接位置で相互に環化し
て5〜8員の非金属原子からなる飽和又は不飽和の環
(例えば、シクロヘキサン環、シクロペンタン環、イン
ダン環、シクロヘキセン環、ビシクロオクタン環、ジオ
キサオクタン環など)を形成していても良い。同一分子
内にエーテルを二個以上含むものが好ましい。特に線状
ないし環状の化合物がハンドリング、合成の容易さ、効
果等の点から特に好ましい。飽和又は不飽和の環を形成
する場合には5〜6員の環が好ましい。これらの置換基
は耐久性、溶解性、ハンドリングなどの観点から選択さ
れる。
【0028】好ましい化合物としては、ジイソプロピリ
デンペンタエリスリトール、1,3−ペンタンジオール
ーブチルアセタール、ジオキソラン、シクロヘキサノン
エチレンケタール、ジイソブチリデンペンタエリスリト
ール、1,3,5,7−テトラヒドロキシデカンジブチ
ルアセタール、1,3−ペンタンジオール−アミルアセ
タール、1,3−ペンタンジオールーベンジルアセター
ル、イプロピリデンジフェノール、イソプロピリデンジ
クレゾール、クロロメチルジオキソラン、ヒドロキシメ
チルジオキソラン、3,4−オクタンジオールブチラー
ル、デカンテトラオールジブチラール、イソプロピリデ
ンジオキソラン、ヘキサンジオールブチラール、1,6
−ジフォルミルヘキサンビスエチレンアセタール、ブタ
ンジオールジグリシジルエーテル、ヒドロキノンジグリ
シジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテ
ル、1,4−シクロヘキサンジオンジエチレンケター
ル、フェニルアセトアルデヒドエチレンアセタール、ヘ
キサナールプロピレンアセタール、フェノキシアセトア
セトアルデヒドエチレンアセタール、
【0029】フェノキシアセトアルデヒドエチレンアセ
タール、1,4−シクロオクタンジオンジエチレンケタ
ール、アセタール、アセトアルデヒドブチルアセター
ル、ブチルアルデヒドブチルアセタール、フェノキシア
セトアルデヒドブチルアセタール、フェニルアセトアル
デヒドエチルアセタール、メトキシアセトアルデヒドジ
エチルアセタール、3−エトキシプロピオンアルデヒド
ジエチルアセタール、3−メトキシブチルアルデヒドジ
エチルアセタール、3−ヘキセナールジエチルアセター
ル、プロピオンアルデヒドジエチルアセタール、3,3
−ジエトキシ−1−プロパノール、エトキシテトラヒド
ロフラン、2,5−ジエトキシテトラヒドロフラン、5
−エトキシヘキシルアルデヒドジブチルアセタール、
5,5−ジブトキシアミルアルコール、α,α−ジエト
キシトルエン、α,α−ジブトキシトルエン、α,α−
ジエトキシメチルアニソール、P-α,α−ジブトキシメ
チルアニソール、ヘキサメチレンジオキソランなどがあ
る。
【0030】これらは本発明のフォトクロミック化合物
1重量部に対して、0.01乃至200重量部程度、好
ましくは0.5乃至50重量部程度用いられる。少ない
と効果が薄く、多すぎても効果の増加の程度は少ない。
これらは、二種類以上を併用してもよい。また、量は特
性に応じて変更できる。本発明の特定のフォトクロミッ
ク化合物を種々の用途に応用するばあいに、感光材料の
光応答速度、消色適性、色相の多様性、油溶性置換基の
導入の容易さ、ハンドリング適性などの改良のために、
各種のフォトクロミック化合物を併用することが出来
る。その場合に用いるフォトクロミック化合物として
は、通常のスピロピラン化合物、インドリノスピロピラ
ン化合物、フルギド化合物、ピラン化合物、スピロオキ
サジン化合物、スピロナフトオキサジン化合物、スピロ
フェナンスロオキサジン化合物、ジアリールエテン化合
物、クロメン化合物、及びこれらのチオ体、スチルベン
誘導体、アゾ化合物、スピロベンゾピラン系誘導体、ト
リアリールメタン化合物、サリチリデンアニリン化合
物、ジチゾン系化合物などフォトクロミック化合物とし
て知られている各種の化合物を用いる事が出来る。中で
も、本発明の化合物を、スピロピラン系誘導体、オキサ
ジン系誘導体、ピラン系誘導体、スピロベンゾピラン系
誘導体などと併用することが特に好都合である。これら
は、前述の本発明の化合物に対して、0.5乃至20重
量部程度用いられる。先に述べたように、通常のフォト
クロミック化合物は既に成書ないし特許に記載されてお
りそれらから、色相や特性を参考にして選択される。例
えば併用するフォトクロミック化合物には次の一般式
(2)、(3)で示される化合物がある。
【0031】
【化10】
【0032】
【化11】
【0033】上記一般式(2)、(3)について更に説
明する。上記一般式において、R12〜R17、R22〜R32
は水素原子、有機基、ハロゲン原子を表し、有機基は
置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよ
いアリール基、置換されていてもよいアルコキシ基、ア
シル基、スルフォニル基、置換されていてもよいアミノ
基、カルボキシル基、スルフォ基、シアノ基、パーフル
オロアルキル基、アルカンスルフォニル基、チオアルキ
ル基、及び一般式(1)のR2 〜R11で示した置換基な
どから選ばれる。更に、これらは、隣接位置で相互に環
化して、さきに述べたような5〜8員の非金属原子から
なる飽和又は不飽和の環を形成していても良い。Ar1
Ar2 はアルキル基又は芳香環を表す。好ましくは、置換
基を有していても良く、芳香環としても、ベンゼン環の
みに限られるのではなくて、特に縮環していてもよい芳
香環の場合が好ましい。これらは縮合して、キサンテ
ン、インドール、カルバゾール、フルオレンなどの環を
形成しても良い。環が先に述べた置換基を有していても
良い。YはO又はSを表す。Zは=CH−又は=N−を
表すものとする。
【0034】併用するフォトクロミック化合物が、一般
式(2)、(3)で示される化合物で黄、赤、青色乃至
黒に発色する化合物である場合は好ましい一例である。
化合物は溶解性、発色- 消色の再現性、耐久性、保存安
定性、耐昇華性、結晶性などの点から好ましい特性が選
択され付与される。特に、併用するスピロピラン化合物
の耐久性も重要な要因の一つである。更にまた、スピロ
化合物の中心炭素原子に対して2種の異なる置換基を持
ち、一方が置換されたアミノ基である事も黒色相を得る
上で好ましい。これらは、数種類混合して用いることも
できる。容易に、黒ないし灰色を組み立てられる利点が
ある。一般式(2)で示される化合物の具体例のいくつ
かを次に示す。式中Meはメチル基、Etはエチル基を、Bu
はブチル基を、Acはアセチル基を表す。
【0035】
【化12】
【0036】
【化13】
【0037】
【化14】
【0038】
【化15】
【0039】
【化16】
【0040】
【化17】
【0041】
【化18】
【0042】
【化19】
【0043】一般式(3)で示される化合物の具体例の
いくつかを次に示す。式中Meはメチル基を、Etはエチル
基を、Buはブチル基を、Acはアセチル基を示す。
【0044】
【化20】
【0045】
【化21】
【0046】
【化22】
【0047】
【化23】
【0048】
【化24】
【0049】
【化25】
【0050】
【化26】
【0051】
【化27】
【0052】複数種を併用する場合には、色相、溶解性
などに応じて、前述の特許や文献等に記載のスピロピラ
ン化合物、インドリノスピロピラン化合物、フルギド化
合物、ピラン化合物、スピロオキサジン化合物、スピロ
ナフトオキサジン化合物、スピロフェナンスロオキサジ
ン化合物、ジアリールエテン化合物、クロメン化合物、
及びこれらのチオ体、スチルベン誘導体等が好ましく用
いられる。特に、発色した形で350〜500nmに吸
収極大値を有する化合物、550〜650nmに吸収極
大値を有する化合物場合によって、更に480〜570
nmに吸収極大値を有する化合物を成分とした組み合わ
せが特に、グレーを形成する上で好ましい。特に複数種
のカプセルを用いる場合において、フォトクロミック化
合物と、高沸点溶媒の種類や濃度或いは併用する添加剤
を変更して、好ましい特性を引き出すことができる利点
がある。好ましくは、フォトクロミック化合物の発色時
の吸収波長極大値が50nm以上異なる化合物を用いたマイ
クロカプセル又は乳化物を用いると好都合である。特
に、アセタール又はケタール等のエーテル系化合物とフ
ォトクロミック化合物を用いたマイクロカプセル又は乳
化物を用いた要素が吸収波長の制御の上から好ましい。
例えば、安定剤、発色促進剤、消色促進剤、高温発色
剤、UV吸収剤、染料などの副素材を任意に変更し、求
めるフォトクロミック化合物の発色特性に応じて、好み
のバランスに調整する事が出来る。フォトクロミック化
合物に付いては、先の明細書や成書に詳しい。又、それ
らの手法に準じて容易に合成が可能である。
【0053】例えば、前述の成書、H.Durr,Photochromi
sm,前述の特許などに記載があり、関連化合物の合成に
ついても纏められている。又、その他の化合物について
もこれらの手法や米国特許3567605、同4361
645、同5066818、特開平7−48362、同
7−48363、同7−48566等に記載された合成
法を参考に合成できる。又各種のロイコ色素化合物を併
用することも差し支えない。ロイコ色素については、特
開平1−211591、1−190484、5−590
60、6−128497、特開昭63−17077、或
いは先の成書に詳しい。目的に応じて、添加量、色相、
種類を選ぶことが出来る。別の層として多色を目指すも
のも差し支えない。
【0054】本発明の感光性組成物は油溶性サリチル酸
金属塩を同時に含有させることも出来る。油溶性サリチ
ル酸塩としては、各種アルキル基、アラルキル基等の所
謂置換基を有する誘導体を含むものを包含する。低分子
であるか高分子であるかを問わない。塩を形成する場合
には、Ca,Mg,Al,Zn,Fe,Co,Niなどの金属や塩基から対イ
オンが選ばれる。Ni,Al,Zn,Ca,Mg.Ba などが好ましい。
中でもZn塩は、効果、取扱性、白色度の点からもっとも
好ましい。場合によりNi塩を用いて保存性を改良するこ
とも差し支えない。これらの組み合わせの中でも記録系
に応用する点から、無色で安定性、発色促進効果、消色
速度等に優れている組み合わせが好ましい。これらは、
簡便に処方を組み40℃ないし50℃での発色を試みる事と
その後の経過を観察することに依って、同業者において
は相対的な比較ができ、発色促進効果及び消色促進効果
を容易に最適化できる。
【0055】油溶性サリチル酸誘導体の置換基について
はハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アシル
基、アリール基、アミド基、スルファモイル基、カルバ
モイル基などの各種の置換基が好都合に用いられる。こ
れらは更に置換基を有していてもよい。置換基の例とし
ては、アルキル基(メチル基、エチル基、イソロピル
基、ブチル基、ヘキシル基、ラウリル基、シクロヘキシ
ル基、メチルベンジル基、ジメチルベンジル基、α- エ
チル, α- メチルベンジル基、ナフトキシブチル基、ジ
シクロペンタジエニル基)、アリール基(フェニル基、
ビフェニル基、ジメチルフェニル基)、置換カルバモイ
ル基、置換スルファモイル基、アシル基(アセチル基、
ベンゾイル基、トルエンスルフォニル基)、クロロ原
子、アルコキシ基(エトキシ基、フェノキシエトキシ
基、メトキシフェノキシエトキシ基、クロロプロポキシ
エトキシ基、ベンジルオキシプロポキシ基、ナフトキシ
エトキシ基)、アリールオキシ基(フェノキシ基、ナフ
トキシ基、p−メトキシフェノキシ基)、置換ウレイド
基、置換ウレタン基、カルボキシル基、アルコキシカル
ボニル基、スルホ基、トリメトキシシリル基、グリシジ
ル基などから選ばれる。
【0056】置換ベンジル基などの他、キシリレンジハ
ライドやキシリレングリコールなどをサリチル酸と反応
させた誘導体も包含される。これらの置換基の置換位置
は、好ましくは原料の入手の点からは、3-位または/及
び5-位である。特に、総炭素原子数2乃至18 程度のも
のが好都合である。6-位にアルキルで置換したものも性
能としては好ましい。溶解性の点からは、総炭素原子数
が12以上、60程度以下の化合物が好ましい。α−メチル
置換ベンジル基を、3-位と5-位に2個持つ油溶性サリチ
ル酸亜鉛塩は合成が容易で、組成物の安全上及びハンド
リング上特に好ましい。
【0057】例えば、3,5-ジブチルサリチル酸亜鉛、3,
5-ジヘキシルサリチル酸亜鉛、3,5-ジアミルサリチル酸
亜鉛、3,5-ジデシルサリチル酸亜鉛、3,5-ジブチル-6-
メトキシフェニルサリチル酸亜鉛、3,5-ジブチル-6−ブ
チルサリチル酸亜鉛、3-アミル-6−メチルサリチル酸亜
鉛、3-ベンジル-5- α,α−ジメチルベンジルサリチル
酸亜鉛、3,5-ジα−エチルベンジルサリチル酸亜鉛、3,
5-ジα−メチルベンジルサリチル酸亜鉛、5-ペンタデシ
ルサリチル酸亜鉛、5-ラウリルサリチル酸亜鉛、3,5-ジ
α、α−ジメチルベンジルサリチル酸亜鉛、3,5-ジα−
ブチルベンジルサリチル酸亜鉛、5-ラウリル-3-メチル
サリチル酸亜鉛塩、5-ラウリル-3- アセタミドサリチル
酸亜鉛塩、5-(p- ブチルフェノキシ)-α- ブチルアセタ
ミドサリチル酸亜鉛塩、5-p-(2- エチルヘキシルオキ
シ) フェニルウレイドサリチル酸亜鉛と酸化亜鉛の混合
物などは好ましい。これらは、フォトクロミック化合物
1重量部に対して、 0.001乃至500 重量部、好ましくは
0.1 乃至 10 重量部程度用いられる。
【0058】本発明の特定の置換基を持つフォトクロミ
ック化合物と併用するアセタール化合物とを含む感光性
組成物の乳化乃至カプセル化に際して、エーテル化合物
の他に高沸点の溶媒特に沸点が 150〜380 ℃程度特に16
0 〜260 ℃程度の溶媒を用いる事もできる。溶媒はフォ
トクロミック化合物を10%以上好ましくは、20%以
上溶解するものが用いられる。少ない塗布量で高濃度の
発色を可能にし、透明性を維持した記録系を形成するの
に有用である。溶媒としては、水に事実上不溶で、安全
なものが好ましい。例えば、カルボン酸エステル類、リ
ン酸エステル類、カルボン酸アミド類、スルフォンアミ
ド類、フェノール類、フェノールエーテル類、アニリン
類、置換炭化水素類及び界面不活性な疎水性有機重合体
などの中から、溶解性、屈折率或いは沸点などの諸特性
を考慮して同業者が容易に選ぶことができる。それらの
具体的な例を挙げるとフタル酸ジブチル、フタル酸ジイ
ソオクチル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ジメ
トキシエチル、アジピン酸ジ−n−ブチル、アゼライン
酸ジイソオクチル、クエン酸トリブチル、ラウリン酸ブ
チル、セバシン酸ジブチル、リン酸トリシクロヘキシ
ル、リン酸トリブチル、リン酸トリイソオクチル、イソ
プロピル化リン酸トリフェニル、N,N−ジエチルカプ
リル酸アミド、N,N−ジメチルパルミチン酸アミド、
リン酸トりクレジル、ジイソプロピルナフタレン、フェ
ニルキシリルエタン、マレイン酸ジブチル、
【0059】ブチル−(m−ペンタデシル)フェニルエ
ーテル、エチル−(2,4−ジ−t−ブチル)フェニル
エーテル、2,5−ジアミルフェノール、2−n−ブト
キシ−5−tert−オクチルアニリン、ジトリルエタン、
キシリルフェニルエタン、ジトリルエーテル、ブチルア
ニソール、ペンタエリスリトールジエチルアセタール、
ベンジルモルフォリン、オリゴブチレンオキシド、スチ
レンオリゴマーなどがありこれらの複数種を用いる事が
出来る。可塑剤として知られている化合物は入手が容易
で取り扱いやすい利点がある。
【0060】本発明の乳化乃至マイクロカプセル化され
たフォトクロミック化合物を含む感光性組成物を調製す
る場合には、通常のカプセル化方法の中でも、特にポリ
ウレタン−ポリウレアを形成する壁を持つものが、好都
合に用いられる。これらについては、本発明者らがすで
に文献として纏めており、そこに記載の素材や手法が好
都合に利用できる。例えば、イメージング用有機材料、
ぶんしん出版、東京、1993、第4章を参照。カプセ
ル化に際しては、種々の多価イソシアネート化合物、ア
ルコール変性多価イソシアネート化合物、多価イソシア
ネート化合物と多価アルコールとの混合物、多価イソシ
アネート化合物とポリアミンの併用、多価イソシアネー
ト化合物と水との反応などの手段・素材が用いられる。
【0061】多価イソシアネート化合物としては例え
ば、ヘキサンジイソシアネート、トリレンジイソソアネ
ート、キシリレンジイソシアネート、ポリフェニレンジ
イソシアネート、m-キシリレンジイソシアネート、1,
5−ナフチレンジイシシアネート、ジフェニルメチレン
ジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート等が
挙げられる。ポリオールとしては、グリセロール、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、ジグリセロー
ル、ヘミセルロース、ヘキサントリオール、ペンタエリ
スリトール、トリメチロールプロパン、シクロヘキサン
トリオールなどが上げられる。さらに必要により、トリ
エチレンジアミン、ブチレンジアミンなどの多価アミン
化合物を併用できる。これらは、求めるカプセルの粒子
サイズ、壁強度等を勘案して同業者が選定出来る。中で
も、ポリウレタンイソシアナートを用いたポリウレア/
ウレタンを壁剤とする合成高分子による微粒子カプセル
を用いるとフォトクロミック化合物の安定性、発色性、
ハンドリング適性、透明性などから好都合である。本発
明においては、フォトクロミック化合物を溶解する時
に、上記の高沸点有機物質の他に、水溶性極性溶媒又は
低沸点有機溶媒(130℃程度以下の沸点を有する)な
どを微粒子化と溶解の促進を図って併用してもよい。
【0062】それらの有機溶媒としては、例えば、プロ
ピレンカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イ
ソプロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、ブチル
アルコール、ドデカノール、メチルエチルケトン、ペン
タノン、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、ア
セチルモルフォリン、ジメチルスルホキサイドなどがそ
の例として挙げられる。高沸点溶媒の好ましい使用量は
分散するフォトクロミック化合物の重量の0.1〜10
0倍量である。低沸点溶媒はマイクロカプセル中の組成
物中には、0.2%重量以下にして実質的に残存させないこ
とが望ましい。又、本発明のカプセル化工程の前に乳化
分散するにあたって、WO93/3420号に記載のよ
うに、界面活性剤を増量して微分散したのち、水洗によ
り過剰の界面活性剤を除去する方法も有効である。必要
があれば分散物粒子のサイズをミクロンレベルからサブ
ミクロンレベル特に0.01μmサイズにし透明性を一層改
良する事が出来る。この際更に微細にするために、分散
機や分散剤を用いても良い。
【0063】分散機としては、大きな剪断力を有する高
速攪拌型分散機、高強度の超音波エネルギーを与える分
散機などがある。具体的には、コロイドミル、ホモジナ
イザー、毛細管式乳化装置、液体サイレン、電磁歪式超
音波発生機、ポールマン笛を有する乳化装置などがあ
る。必要に応じて用いた、補助溶剤又は界面活性剤は公
知の方法で除去することができ、例えば米国特許232
2027、同2801171、同2946360、同3
396027、同4233397等があげられる。
【0064】フォトクロミック化合物の乳化分散物を調
製する際には、種々のプロセスに従うことができる。ス
ピロピラン化合物を有機溶媒に溶解するときは、上記の
高沸点有機物または低沸点有機溶媒の中から選択された
一種、又は二種以上の任意の複数成分の混合物に溶解
し、次いで親水性ポリマーの存在下で、水中又は親水性
ポリマー水溶液中に乳化分散せしめる手法が一般的であ
る。フォトクロミック化合物を含む油性液と、水性液と
の混合方法としては、攪拌下に水性液中に油性液を加え
る所謂順混合法でもよい。
【0065】カプセル化に際し水中に分散する場合に
は、分散時又は塗布時に親水性ポリマー水溶液を添加す
ることが好ましい。親水性ポリマーとしては、ゼラチン
を用いるのが有利であるが、それ以外の親水性ポリマー
も用いることができる。例えば、ゼラチン誘導体、ゼラ
チンと他の高分子とのグラフトポリマー、アルブミン、
カゼイン等の蛋白質;ヒドロキシエチルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース、セルロース硫酸エステル類
等の如きセルロース誘導体、アルギン酸ソーダ、澱粉誘
導体などの糖誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニ
ルアルコール部分アセタール、ポリビニルピロリドン、
ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピラゾール等
の単独あるいは共重合体の如き多種の高分子物質を用い
ることができる。
【0066】ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンのほ
か、酸処理ゼラチンを用いてもよく、ゼラチン加水分解
物、ゼラチン酵素分解物も用いることができる。ゼラチ
ン誘導体としては、ゼラチンに例えば酸ハライド、酸無
水物、イソシアナート類、ブロモ酢酸、アルカンサルト
ン類、ビニルスルホンアミド類、マレイミド化合物類、
ポリアルキレンオキシド類、エポキシ化合物類等種々の
官能基を持つ化合物を反応させて得られるものが用いら
れる。更に、フォトクロミック化合物を含む組成物を安
定にするために、高分子化合物を上記親水性ポリマーと
併用することは好ましい。
【0067】特に、変性PVAは好ましい。中でもビニ
ルアルコールとビニルエステルのランダム又はブロック
共重合体の末端をデシルチオ基の様な疎水性基で変性し
たものが好都合に用いられる。これらの親水性ポリマー
は単独で用いることもできるが、他の親水性ポリマーと
2種以上を混合して用いることもできる。上記親水性ポ
リマーとしては、350nm、より好ましくは320n
mより長波に吸収を有しないポリマーが有用である。
【0068】上述の感光性組成物、乳化物乃至マイクロ
カプセルとそれを用いた要素を基体上に坦持する方法の
例について述べる。この方法においてアセタール化合物
と併用する事が出来る有機溶媒は、上で記載した高沸点
有機溶媒を用いることができる。本発明の乳化物乃至マ
イクロカプセルはバインダー中に分散して用いることが
好ましい。バインダーとしては、散乱を防止し透明性を
維持する上から、屈折率が 1.40 〜1.60の素材が望まし
い。また、バインダーとしては、例えば、ポリビニルブ
チラール樹脂、ポリビニルフォルマール樹脂、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合
体、塩化ビニル樹脂、ポリメチルメタクリレート、アク
リル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、ポリ
エステル樹脂、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリ
カーボネート樹脂、ポリスチレン、スチレン−アクリル
酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル
共重合体、ポリスルフォン、フェノキシ樹脂、スチレン
ブタジエン共重合体、シリコン樹脂等が挙げられる。こ
れらの中から屈折率、バインダー力、耐水性、溶解性な
どを目安にして選ばれる。
【0069】本発明の特定の置換基を持つフォトクロミ
ック化合物とそれを用いた感光性組成物には、各種の添
加剤、例えば、光重合開始剤、光硬化性化合物、ビニル
モノマー、Ni塩に代表される一重項酸素クエンチャー、
ニトロキシルラジカル化合物など、紫外線吸収剤、三重
項消光剤、ラジカルスカヴェンジャー、酸化防止剤、低
粘度化剤、消色促進剤、発色促進剤、安定化剤、HALS、
酸化剤或いは還元剤などから選ばれた各種の素材を目的
に応じて適量含有させることができる。本発明に用いる
特定のフォトクロミック化合物、アセタール又はケター
ル化合物或いは必要に応じて用いるサリチル酸誘導体及
び高沸点有機溶剤はそれぞれ2種類以上を混合して用い
ることができる。本発明の感光性組成物を含む層は異な
る色に発色する2層以上の層より構成することもでき
る。本発明の感光性組成物は、目的にもよるが、通常フ
ォトクロミック化合物の塗布量として2〜0.05g/
2 程度用いられる。
【0070】これらの層には、膜質やカーリング特性を
改良するために、重合体ラテックスを含有させることも
できる。重合体ラテックスを構成する単量体としては、
例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、
クロトン酸エステル、ビニルエステル、マレイン酸ジエ
ステル、フマル酸ジエステル、イタコン酸ジエステル、
アクリルアミド類、メタクリルアミド類、ビニルエ−テ
ル類、スチレン類等が挙げられる。
【0071】これらの単量体により構成される重合体
は、ガラス転移点が40℃以下が好ましい。単独重合体
でも共重合体でもよい。好ましくは、アクリル酸エステ
ル類、アクリル酸エステル類とメタクリル酸エステル類
との共重合体、及びアクリル酸エステル類とアクリル酸
又はメタクリル酸との共重合体である。重合体として、
先に述べたように屈折率が1.45〜1.60の化合物が好まし
い。
【0072】ビニル系単量体のラジカル重合は、すでに
良く知られている。例えば、開始剤の使用法は、F.A.Bo
vey,Emulsion Polymerization,Interscience Publisher
s Inc.New York.1955.p-59〜93に記載されている。ラテ
ックス化に際して乳化剤としては、界面活性をもつ化合
物が用いられ、好ましくは石鹸、スルホネート、フォス
フェート及びサルフェート、カチオン化合物、ポリアク
リル酸、アクリル酸- メチルメタクリレート共重合体、
両性化合物及び高分子保護コロイド等が挙げられる。こ
れらの例および使用法は、Belgische Chemische Indust
rie 第28巻第16〜第20頁(1963年)等に記載されてい
る。
【0073】本発明では特にガラス転移点20℃以下の
重合体のラテックスが好ましい。重合体ラテックスの具
体例を以下に記載するが、これらに限定されるものでは
ない。ポリエチルアクリレート、ポリプロピルアクリレ
ート、ポリエトキシエチルアクリレート、プロピルアク
リレート/スチレン共重合体、エチルアクリレート/ス
チレン共重合体、プロピルアクリレート/アクリル酸
(95:5)共重合体、ポリブチルアクリレート、ポリ
フェノキシエチルアクリレート、ポリジエチレングリコ
ールモノアクリレートメチルビニルエーテル、ノナエチ
レングリコールメタクリレートメチルビニルエーテルコ
ポリマー、プロピルアクリレート/メタクリル酸(9
5:5)共重合体、エチルヘキシルアクリレート/ジア
セトンアクリルアミド共重合体、メチルアクリレート/
ブチルメタクリレート共重合体、ヘキシルメタクリレー
ト/メタクリル酸(9:1)共重合体などがある。
【0074】これらの塗布層の上(最外層)に、保護層
を設けることは有用である。微小な凹凸による散乱を防
止し透明性を上げる上で重要である。保護層に用いる素
材としては、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂或い
は親水性ポリマー及び疎水性ポリマー或いはラテックス
等を用いることができる。該親水性ポリマー及びラテッ
クスとしては、前述の分散媒体としての親水性ポリマー
及び重合体ラテックスを用いることができる。疎水性ポ
リマーとしては、オルガノポリシロキサン、ポリビニル
ブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合
体、塩化ビニル樹脂、ポリメチルメタクリレート、アク
リル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、ポリ
エステル樹脂、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリ
カーボネート樹脂、スチレン−無水マレイミド共重合
体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、ポリオレフィ
ン、ポリイミド等を挙げることができる。又、ポリシロ
キサン、シランカップリング剤等の有機物質、ペンタエ
リスリトールテトラアクリレート、アクリル変成ポリウ
レタン、シリコン変性硬化性樹脂、ω−トリコサン酸、
ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロライド及びス
テアリン酸メチルなどのラングミュアー・プロジェット
法(LB法)により形成される累積膜も用いることがで
きる。
【0075】酸化珪素やアルミニウムなどの金属蒸着膜
も差し支えない。更に保護層には、耐水性、接着性や耐
傷性の改良などの為に、透明顔料、染料、金属石鹸、ワ
ックス、帯電防止剤等を用いることもできる。顔料に
は、屈折率が1.4 〜1.55程度のコロイダルシリカ- 珪素
変性PVA 、炭酸カルシュウム、水酸化アルミ、Si樹脂、
フッ素樹脂、非晶質シリカなどが用いられる。金属石鹸
としては、ステアリン酸亜鉛やアルミのエマルジョンが
有用である。ワックスとしては、パラフィンワックス、
マイクロクリスタリンワックス、シリコン等のエマルジ
ョンがある。該保護層に用いる素材は、先に述べた様に
好ましくは350nm、より好ましくは320nmより
長波に吸収を有しないものが有用である。
【0076】本発明のフォトクロミック化合物を含む感
光層の厚さは、目的にもよるが、150μm以下程度、
特に20μm以下、0.1μm以上であることが望まし
く、支持体、下塗り層、感光性層、保護層など2 〜6層
に積層されていてもよい。該保護層の塗布膜の厚さは、
10μm以下、特に5μm以下、0.01μm以上が望
ましい。保護層の屈折率は1.40〜1.60が好ましい。
【0077】感光性組成物、乳化物乃至マイクロカプセ
ルを分散するバインダー又は保護層に、必要により用い
る硬膜剤としては、米国特許4678739、特開昭5
9−116655、同62−245261、同61−1
8942、特開昭62−234157等に記載の硬膜剤
が挙げられる。より具体的には、アルデヒド系硬膜剤
(ホルムアルデヒドなど)、アジリジン系硬膜剤、エポ
キシ系硬膜剤、ビニルスルホン系硬膜剤(N,N′−エ
チレン−ビス(ビニルスルホニルアセタミド) エタンな
ど) 、N−メチロール系硬膜剤(ジメチロール尿素な
ど)、あるいは高分子硬膜剤などに記載の化合物が挙げ
られる。上記硬膜剤のうちで、塗布性(即ち、塗布液の
溶解経時安定性及び塗布時の隣接層との反応性など)及
び膜質(生サンプルの経時安定性及び硬膜性など)の観
点より、エポキシ系硬膜剤が特に好ましい。エポキシ系
硬膜剤としては、具体的には特開昭62−91942号
記載の硬膜剤を挙げることができる。
【0078】本発明の特定の置換基をもつフォトクロミ
ック化合物とそれを用いた組成物ないし要素の用途とし
ては、印刷物、染料、転写剤、サングラス、保護メガ
ネ、光記録材料、調光材料、調光フィルター、表示材
料、インテリア用品、玩具、光量計、衣服、化粧品、筆
記具、インキなどが挙げられるが、UV光を含む太陽光
の強さに迅速に対応して、発色量をコントロールする調
光フィルター或いはサングラスなどの用途に特に有用で
ある。
【0079】本発明に用いられる基体としては、先に挙
げた用途に応じて色々なものが選べるが、具体的には、
合成樹脂、ガラス或いは各種のプラスチックフィルム、
プラスチックレンズなどが利用できる。加工性、重量、
強度及び透明性などを兼ね備えている点で、プラスチッ
ク製品が好ましい。例えば、ジエチレングリコールビス
アリルカーボネート、ポリメタアクリル酸メチル、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフ
タレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ナイロ
ン、トリアセチルセルロース、ポリアクリレート、ポリ
スルホン、ポリエーテルスルホン、ポリオレフィン、ポ
リイミド、トリアセチルセルロース等或いはこれら複数
乃至ガラスとの積層材料は有効に利用できる。これらに
は常法に従って二軸延伸し、熱固定した各種のものが用
いられる。これらの支持体は、下塗り層を塗布する前
に、必要により支持体の表面を処理し、接着性、透明性
を改善できる。例えば、コロナ処理、グロー処理などの
手法を適切な条件下でもちいることは同業者が条件設定
をえらべる範囲である。例えば、米国特許 2715075、同
2846727 、同3549406 、同3590107 等の記載は有効であ
る。該フォトクロミック化合物を含む組成物ないし要素
をメガネ或いはカメラ(特に高感度レンズ付フィルム)
などの調光材料として用いる場合には透明な塗布層と透
明な基体が特に好ましい。
【0080】本発明の感光性組成物を含む層及び保護層
は、蒸着法、カーテンコート、ブレードコート、スピン
コート、ディップコート、エクストルージョンコート、
転写、吹きつけなどの任意の塗布方法により基体上に薄
層として形成できる。例えば、米国特許 2761791、同35
08947 、同2941898 、同3526528 、原崎著「コーティン
グ工学」朝倉、東京、1973など参照。更に必要ならば米
国特許 2761791、同3837095 に記載されている方法によ
り2層又はそれ以上の層を同時に塗布することもでき
る。
【0081】本発明のフォトクロミック化合物と併用で
きるエーテル(アセタール又はケタール化合物)化合物
とさらにその他一般のフォトクロミック化合物を含有し
た要素、乳化物又はカプセルは、UV光の照射を受けて
いない時は安定に無色である。が、一旦UV光を含む光
の照射を受けると直ちに発色する。光源がUV光でも太
陽光でも、室温でも低温でも同様である。特に室温以上
の高温での発色に優れた特徴を持つ利点がある。更に照
射を止めると、速やかに無色化する利点もある。しかも
ヘイズが少なく透明性に優れ調光材料として好ましい。
着色と無色化を安定にかつ耐久性良く繰り返す用途に適
している。
【0082】次に本発明を実施例・合成例に基づき更に
詳しく説明する。 合成例1 化合物B−1の合成 クロロベンゼン中で2,3,3−トリメチルインドリン
に酸化マグネシュウム触媒の存在下、1.5等量のβ−
フェノキシエチルトシレートをかき混ぜながら作用させ
た。120℃で5時間かき混ぜトルエンで希釈した後、
冷却して濾過した。常法に従って水洗、乾燥し、1−フ
ェノキシエチル−2−メチレン−3、3−ジメチルイン
ドリンを得た。収率約80%。これと、1当量のα−ニ
トロソ−β−ナフトールとをエタノール中に溶解して窒
素ガス気流下に1時間加熱還流した。溶媒を留去したの
ち、残留物をシリカゲルクロマトグラフ(展開溶媒クロ
ロフォルム/ヘキサン)により精製し、1−フェノキシ
エチル基置換の目的物を得た。収率60%。
【0083】合成例2 化合物B−20の合成 5−クロロ−2,3,3−トリメチルインドリンとβ−
(m−メチルフェノキシ)エチルトシレートを用いた他
は同様にして、1−(m−メチルフェノキシ)エチル−
2−メチレン−3、3−ジメチル−5−クロロインドリ
ンを得た。収率約80%。原料に、ここで得たインドリ
ンを用いたほかは合成例 1と同様にして、5−位が塩
素原子で置換し、1−位に(m−メチルフェノキシ)エ
チル基を持つインドリン化合物を得た。収率65%。
【0084】合成例3 化合物B−2、B−15、C−2の合成 出発原料を変更したほかは同様にして、化合物B−2、
B−15、C−2を合成した。最終収率はそれぞれ、7
0,67,56%であった。その他の具体例は先に示し
た。
【0085】
【実施例】次に本発明のフォトクロミック化合物を用い
た感光材料を実施例に基づき更に詳しく説明する。
【0086】実施例1 〔B−18で示されるフォトクロミック化合物を含む乳
化物、感光性組成物(1)の調製〕フォトクロミック化
合物、具体例(B−20)0.1gを高沸点有機溶媒と
して、アセタール0.1gとイソプロピル化トリフェニ
ルフォスフェート0.2g、酢酸エチル0.4gに溶解
して、油相(A)とした。ゼラチンの10%水溶液2g
に界面活性剤としてドデシルベンゼンスルフォン酸の5
%水溶液を0.2cc加え水相(B)とした。この油相と
水相を混合し、ミニホモジナイザーを用い、10000
rpm にて5分間乳化分散した。この乳化分散物に水3cc
と12%ゼラチン水溶液を2g添加して、感光性組成物
(1)を調製した。
【0087】〔フォトクロミック感光材料01の作製〕
上記感光性組成物(1)を100μm厚のポリエチレン
テレフタレートフィルム上に、ウエット膜厚60μmと
なるように塗布し40℃にて乾燥した。次にこの上に、
ゼラチン保護層を乾膜厚1μmとなるようにロッドコー
ト法により塗設し、フォトクロミックな感光材料01を
作製した。 〔フォトクロミックな感光材料02〜07の作製〕感光
材料01においてフォトクロミック化合物、アセタール
化合物、親水性ポリマー及び/又は高沸点有機溶媒を表
1の如くする以外は感光材料01と同様にして感光材料
02〜07を作製した。なを複数のフォトクロミック化
合物を用いる場合には等重量とした。
【0088】〔感光材料08の作製〕フォトクロミック
化合物、具体例(E−2)( 青色発色化合物) 0.1
g、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体1gを10ccのテ
トラヒドロフランに溶解し、表1の如くした他は同様に
してポリエチレンテレフタレートフィルム上に乾膜厚8
μmとなるように塗設して比較例の感光材料08を作製
した。
【0089】感光材料02〜07、及び比較例である感
光材料08を、23℃の屋外にて太陽光を5分間照射
し、発色濃度を表1に記載した。これらの結果から明ら
かなように、本発明の感光性組成物は、高温での十分な
発色の点で優れていることが分かる。また、太陽光を遮
断した後の消色の点でも迅速であり許容範囲であった。
(B)は青系発色フォトクロミック化合物で、(Y)は
黄色乃至赤橙発色化合物。
【0090】
【表1】
【0091】実施例2 〔感光材料12〜14の作製〕感光材料01〜03にお
いて、保護層としてポリイソシアネートを10wt%添加
したポリビニルブチラールのエチルアルコール溶液を乾
燥膜厚1μmとなるように塗布する以外同様にして感光
材料12〜14を作製した。実施例1と同様に、発色速
度及び消色を調べた結果、実施例1と同様に優れた発色
性及び消色性を有していた。又、塗布面に水滴を落とし
10分間放置後、拭き取って膜の耐水性を調べた結果、
膜の面状に何ら変化は生じていなかった。
【0092】実施例3 実施例1と同様にして感光性組成物を調整した。 〔フォトクロミックな感光材料09の作製〕ポリビニル
アセタール0.1g、フォトクロミック化合物、具体例
(B−20)0.1g、を酢酸エチル0.4g、トルエ
ン0.7gに溶解した。上記感光性組成物を100μm
厚のポリエチレンテレフタレートフィルム上に、ウエッ
ト膜厚80μmとなるように塗布し40℃にて乾燥し
た。次にこの上に、ゼラチン保護層を乾膜厚1μmとな
るようにロッドコート法により塗設し、フォトクロミッ
クな感光材料09を作製した。こうして得られた感光材
料を、照射光源に、 Remington社、Hand-Held Tanning
Ward.Model TF-1 (USA) を用いて、5CM の距離から30秒
間照射した。照射時の温度は、40℃で行ったところ鮮
明な画像を得た。
【0093】これらの結果から明らかなように、本発明
の特定の置換基を持つフォトクロミック化合物及び必要
により併用するアセタール化合物または及びケタール化
合物とさらに一般のフォトクロミック化合物及び必要に
応じて用いる有機溶剤さらに場合によりサリチル酸誘導
体を併用した感光性組成物は、発色性の点で優れている
ことが分かる。
【0094】
【発明の効果】本発明で規定する特定の置換基を持つフ
ォトクロミック化合物またはそれと組み合わせて用いて
調製したフォトクロミック化合物を含む感光性組成物、
および其れを用いた要素は、透明性が高く、応答速度が
早く、室温以上の温度でも発色濃度が高く、発色/消色
の繰り返し耐性が大きい。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フォトクロミック化合物としてアリール
    オキシアルキル基置換インドリノスピロピラン又はスピ
    ロオキサジン化合物を含む事を特徴とする感光性組成
    物。
  2. 【請求項2】 アリールオキシアルキル基置換インドリ
    ノスピロピラン又はスピロオキサジン化合物とは異なる
    フォトクロミック化合物を更に含むことを特徴とする請
    求項1記載の感光性組成物。
  3. 【請求項3】 フォトクロミック化合物の発色したとき
    の吸収極大値がそれぞれ50nm以上異なる事を特徴と
    する請求項2記載の感光性組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の感光性組成物
    を高分子バインダーを用いて透明基体上に実質的に一層
    担持し、更にその上に保護層を設けた要素。
  5. 【請求項5】 請求項1、2又は3記載のフォトクロミ
    ック化合物が油滴として含まれる感光性組成物を高分子
    バインダーを用いて透明基体上に実質的に一層担持し、
    更にその上に保護層を設けた要素。
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