JPH0995670A - 感光性組成物及びそれを用いた要素及びフォトクロミック化合物 - Google Patents

感光性組成物及びそれを用いた要素及びフォトクロミック化合物

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JPH0995670A
JPH0995670A JP7254884A JP25488495A JPH0995670A JP H0995670 A JPH0995670 A JP H0995670A JP 7254884 A JP7254884 A JP 7254884A JP 25488495 A JP25488495 A JP 25488495A JP H0995670 A JPH0995670 A JP H0995670A
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JP
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ring
group
photochromic compound
substituted
photosensitive composition
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Application number
JP7254884A
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English (en)
Inventor
Mitsugi Tanaka
貢 田中
Masato Satomura
正人 里村
Yoshio Inagaki
由夫 稲垣
Toshiaki Aono
俊明 青野
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)
  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高温での発色濃度が高いフォトクロミックな感
光性組成物を提供する。 【解決手段】一般式(1)で表わされるフォトクロミッ
ク化合物(1)と有機亜鉛塩とからなる感光性組成物。
(式中、Xは置換基を有してもよいナフタレン環又はフ
ェナンスレン環を形成するのに必要な原子群を表わし、
Yは置換基を有してもよい芳香族炭化水素環又は不飽和
複素環を形成するのに必要な原子群を表わし、R1 、R
2 およびR3 は置換基を有してもよいアルキル基を表わ
す。R1 とR2 は一緒になって環形成してもよい。) 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フォトクロミック
化合物を利用した各種の調光、表示、着色及び記録用と
して有用な感光性組成物及びそれを用いたフォトクロミ
ックな特性をもつ要素及び新規フォトクロミック化合物
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、フォトクロミック化合物が光記
録、表示あるいは調光材料用として注目され、例えば P
hotochromism,Molecule and Systems(Ed. by H. Durr,
H. BouasLaurent, Elsevier, New York 1989)などの成
書に記載されているように種々の化合物が開発されてき
た。スピロオキサジン系化合物は発色−消色の繰り返し
耐性及び光堅牢性において、他系統の化合物より格段に
優れていることから、数多くの出願がなされてきた。例
えば特開平1−106888号、US4,931,21
9号などが挙げられる。しかしながらこれらのスピロオ
キサジン化合物は、高温(40°〜50℃)での発色性
が低いという大きな欠点を有していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記の
欠陥を克服した高温での発色性の高いフォトクロミック
な感光性組成物及びその感光性組成物を基体上に担持し
た要素及び新規なフォトクロミック化合物を提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は以下の方
法によって達成された。 (1)下記一般式(1)で示されるフォトクロミック化
合物(1)と有機亜鉛塩とを有することを特徴とする感
光性組成物。
【0005】
【化3】
【0006】式中、Xは置換基を有してもよいナフタレ
ン環又はフェナンスレン環を形成するのに必要な原子群
を表わし、Yは置換基を有してもよい芳香族炭化水素環
又は不飽和複素環を形成するのに必要な原子群を表わ
し、R1 、R2 およびR3 は置換基を有してもよいアル
キル基を表わす。R1 とR2 は一緒になって環形成して
もよい。 (2)フォトクロミック化合物(1)が親水性ポリマー
中に乳化分散されていることを特徴とする前記(1) 項記
載の感光性組成物。 (3)下記一般式(2)で示されるフォトクロミック化
合物を有することを特徴とする感光性組成物。
【0007】
【化4】
【0008】式中、X1 は置換基を有してもよいナフタ
レン環又はフェナンスレン環を形成するのに必要な原子
群を表わし、Zは1〜3個のエステル基、カルバモイル
基又はスルファモイル基を置換基として有するナフタレ
ン環、フェナンスレン環又はベンゼン環を形成するのに
必要な原子群を表わし、R11、R12およびR13は置換基
を有してもよいアルキル基を表わす。R11とR12は一緒
になって環形成してもよい。 (4)前記(1) 、(2) または(3) 項記載の感光性組成物
を基体上に担持した要素。
【0009】
【発明の実施の形態】上記一般式(1)、(2)につい
て更に説明する。X、X1 により形成される環として以
下が挙げられる。
【0010】
【化5】
【0011】環上の置換基としては置換されてもよいア
ルキル基(好ましくはC1 〜C10)、ハロゲン原子、置
換されてもよいアルコキシ基(好ましくはC1
10)、ニトロ基、シアノ基、エステル基(好ましくは
2 〜C10)、スルファモイル基(好ましくはC1 〜C
10)、カルバモイル基(好ましくはC2 〜C10)、アシ
ル基(好ましくはC1 〜C10)、アシルアミノ基(好ま
しくはC1 〜C10)、スルホニル基(好ましくはC1
10)、置換されてもよいアミノ基(好ましくはC0
10)、カルボキシル基、スルフォ基、パーフルオロア
ルキル基(好ましくはC1 〜C10)、チオアルキル基
(好ましくはC1 〜C10)、アリール基(好ましくはC
6 〜C15)が挙げられる。環の中で好ましいものはK−
1である。Y、Zにより形成される環として以下が挙げ
られる。
【0012】
【化6】
【0013】Yにより形成される環上の置換基として
は、上記X、X1 により形成される環上の置換基と同じ
ものが挙げられる。Zにより形成される環上の置換基と
しては、エステル基(好ましくはC2 〜C 10)、カルバ
モイル基(好ましくはC2 〜C10)、スルファモイル基
(好ましくはC1 〜C10)が挙げられる。R1 、R2
3 、R11、R12、R13はそれぞれ置換されてもよいア
ルキル基(好ましくはC1 〜C10)を表わす。一般式
(2)で表わされる新規な化合物は特に高温での発色性
が高く、好ましい。一般式(1)または(2)で表わさ
れる化合物はメチレンインドリン誘導体とオルトヒドロ
キシニトロソ芳香環(またはヘテロ環)を反応させる一
般式な合成法(例えば Photochromism,Molecule and Sy
stems, p.506〜507, Ed. by H. Durr, H. Bouas Lauren
t, Elsevier, New York 1989に記載されている)などに
より合成できる。以下に一般式(1)または(2)で表
わされる化合物の具体例を示す。
【0014】
【化7】
【0015】
【化8】
【0016】
【化9】
【0017】
【化10】
【0018】
【化11】
【0019】
【化12】
【0020】
【化13】
【0021】発色濃度を上げるために本発明に用いる有
機亜鉛塩について以下に記す。有機亜鉛塩の中で好まし
いものはカルボン酸基を有するものであり、特に好まし
いものはサリチル酸誘導体の亜鉛塩(特に油溶性のも
の)である。これらは低分子であるか、高分子であるか
を問わない。
【0022】油溶性サリチル酸誘導体の亜鉛塩の置換基
について次に説明する。置換基の例としては、アルキル
基(メチル基、エチル基、イソロピル基、ブチル基、ヘ
キシル基、ラウリル基、シクロヘキシル基、メチルベン
ジル基、ジメチルベンジル基、α, α- ジメチルベンジ
ル基、ナフトキシブチル基、ジシクロペンタジエニル
基)、アリール基(フェニル基、ジメチルフェニル
基)、置換カルバモイル基、置換スルファモイル基、ア
シル基(アセチル基、ベンゾイル基、トルエンスルフォ
ニル基)、クロロ原子、アルコキシ基(エトキシ基、フ
ェノキシエトキシ基、メトキシフェノキシエトキシ基、
クロロプロポキシエトキシ基、ベンジルオキシプロポキ
シ基、ナフトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(フ
ェノキシ基、ナフトキシ基、p−メトキシフェノキシ
基)、置換ウレイド基、置換ウレタン基、カルボキシル
基、スルホ基などから選ばれる。置換ベンジル基など、
キシリレンジハライドやキシリレングリコールなどをサ
リチル酸と反応させた誘導体の亜鉛塩も包含される。こ
れらの置換基の置換位置は、3,5,6-位などから選ばれ
る。原料の入手の点からは、3-位または/ 及び5-位に炭
素原子数2乃至18 程度のアルキル基、アラルキル基又
はアリール基で置換したものが好都合である。6-位にア
ルキルで置換したものも性能としては好ましい。溶解性
の点からは、総炭素原子数が12以上、60程度以下が好ま
しい。α−メチル置換ベンジル基を、3-位と5-位に2個
持つ油溶性サリチル酸亜鉛塩は合成が容易で、組成物の
安全上及びハンドリング上特に好ましい。
【0023】例えば、3,5-ジブチルサリチル酸亜鉛、3,
5-ジアミルサリチル酸亜鉛、3,5-ジブチル-6−メチルサ
リチル酸亜鉛、3-アミル-6−メチルサリチル酸亜鉛、3-
ベンジル-5- ベンゾイルサリチル酸亜鉛、3,5-ジα−メ
チルベンジルサリチル酸Zn、5-ラウリルサリチル酸亜
鉛、3,5-ジα、α−ジメチルベンジルサリチル酸亜鉛、
5-ラウリル-3- メチルサリチル酸亜鉛、5-ラウリル-3-
アセタミドサリチル酸亜鉛、5-(p- ブチルフェノキシ)-
α- ブチルアセタミドサリチル酸亜鉛、5-フェニルウレ
イドサリチル酸亜鉛などは好ましい。これらは、一般式
(1)又は(2)で表わされる化合物1重量部に対し
て、 0.001乃至500 重量部、好ましくは0.1 乃至 10 重
量部程度用いられる。
【0024】本発明の特定の骨格を有するフォトクロミ
ックな特性をもつ化合物、必要に応じて併用される特定
の特性を有するサリチル酸誘導体の亜鉛塩及び必要によ
り併用される有機溶剤よりなる感光性組成物を透明な基
体上に坦持する形態としては、以下のものが挙げられ
る。 (1)フォトクロミック化合物の組成物、必要に応じて
併用される油溶性サリチル酸誘導体の亜鉛塩を有機溶剤
に溶解した液相を直接透明フィルム又はガラス等で挟ん
だ積層体。 (2)特定の骨格を有するフォトクロミック化合物、必
要に応じて併用される油溶性サリチル酸誘導体の亜鉛塩
を有機溶剤に溶解した液相を親水性ポリマー中に乳化分
散し、基体上に塗設した積層体。 (3)特定の骨格を有するフォトクロミック化合物、必
要に応じて併用される油溶性サリチル酸誘導体の亜鉛塩
を高沸点有機溶媒とともに疎水性ポリマー中に溶解し、
溶融成形、又は基体上に各種方法により塗設した積層
体。
【0025】(4)特定の骨格のスピロピラン化合物、
必要に応じて併用される油溶性サリチル酸誘導体の亜鉛
塩を特定の沸点の有機溶剤に溶解した液相をマイクロカ
プセル化しバインダーと共に基体上に坦持した塗布物。 (5)特定の骨格のフットクロミック化合物、必要に応
じて併用される油溶性サリチル酸誘導体の亜鉛塩を特定
の沸点の有機溶剤に溶解した液相を合成高分子樹脂壁を
用いてマイクロカプセル化しバインダーとともに基体上
に坦持した積層体。 上記各方法において、フットクロミック化合物の発色及
び消色速度の速さ、製造上の安全性、簡易性等の観点よ
り(2)(4)の態様が好ましい。
【0026】本発明の感光性組成物は有機溶媒に溶解し
て用いるか、乳化分散して用いるが、乳化分散する際に
溶解する高沸点有機溶媒としては、水に事実上不溶で、
沸点190℃以上、300℃以下程度のものが好まし
い。この種の有機物質としては、カルボン酸エステル
類、リン酸エステル類、カルボン酸アミド類、エーテル
類、フェノール類、アニリン類、置換炭化水素類及び界
面不活性な疎水性有機重合体などの中から選ぶことがで
きる。その具体的な例を挙げるとフタル酸ジブチル、フ
タル酸ジイソオクチル、フタル酸ジシクロヘキシル、フ
タル酸ジメトキシエチル、アジピン酸ジ−n−ブチル、
アゼレン酸ジイソオクチル、クエン酸トリブチル、ラウ
リン酸ブチル、セバシン酸ジブチル、リン酸トリシクロ
ヘキシル、リン酸トリブチル、リン酸トリイソオクチ
ル、N,N−ジエチルカプリル酸アミド、N,N−ジメ
チルパルミチン酸アミド、
【0027】ブチル−(m−ペンタデシル)フェニルエ
ーテル、エチル−(2,4−ジ−t−ブチル)フェニル
エーテル、2,5−ジアミルフェノール、2−n−ブト
キシ−5−tert−オクチルアニリン、塩素化パラフィ
ン、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチルメタ
クリレート)、ポリ(エチルアクリレート)、ポリ(シ
クロヘキシルメタクリレート)、ポリ(N−tert−ブチ
ルアクリルアミド)、ポリ(N−tert−オクチルアクリ
ルアミド)、ジトリルエタン、イソプロピルナフタレ
ン、キシリルフェニルエタン、ジトリルエーテル、ブチ
ルアニソール、ペンタエリスリトールジメチルアセター
ル、ベンジルモルフォリン、オリゴブチレンオキシドな
どがある。
【0028】本発明においては、フォトクロミック化合
物を溶解するために、上記の高沸点有機物質の他に、低
沸点有機溶媒(130℃以下の沸点を有する)を使用し
てもよい。それらの有機溶媒としては、例えば、プロピ
レンカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソ
プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、ブチルア
ルコール、メチルエチルケトン、ペンタノン、シクロヘ
キサノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキサ
イドなどがその例として挙げられる。高沸点及び低沸点
有機溶媒の好ましい総使用量は分散するフォトクロミッ
ク化合物の重量の0.1〜100倍量である。又、本発
明のフォトクロミック化合物を乳化分散するにあたっ
て、国際特許公開WO93/3420号に記載のよう
に、界面活性剤を増量して微細分散したのち、水洗によ
り過剰の界面活性剤を除去する方法も有効である。該補
助溶剤又は界面活性剤は公知の方法で除去することがで
き、例えば米国特許第2322027号、同28011
71号、同2946360号、同3396027号、同
4233397号等があげられる。
【0029】本発明のフォトクロミック化合物を含む組
成物の分散方法としては、具体的には、下記のいずれか
の方法で溶液状態に保ったフォトクロミック化合物を、
水または親水性ポリマー水溶液と混合することによっ
て、調製することができる。必要があれば分散物粒子の
サイズをミクロンレベルからサブミクロンレベルに更に
微細にするために、下記のような分散機を用いても良
い。
【0030】分散機としては、大きな剪断力を有する高
速攪拌型分散機、高強度の超音波エネルギーを与える分
散機などがある。具体的には、コロイドミル、ホモジナ
イザー、毛細管式乳化装置、液体サイレン、電磁歪式超
音波発生機、ポールマン笛を有する乳化装置などがあ
る。本発明で使用するのに好ましい高速攪拌型分散機
は、ディゾルバー、ポリトロン、ホモミキサー、ホモブ
レンダー、ケディミル、ジェットアジターなどである。
これらに於いては分散作用する要部が液中で高速回転す
るタイプの分散機である。高速攪拌型分散機は、ディゾ
ルバーないしは高速インペラー分散機なども用いられ
る。特開昭55−129136号にも記載されているよ
うに、高速で回転する軸に鋸歯状のプレードを交互に上
下方向に折り曲げたインペラーを装着して成るのも好ま
しい一例である。
【0031】フォトクロミック化合物の乳化分散物を調
製する際には、種々のプロセスに従うことができる。フ
ォトクロミック化合物を有機溶媒に溶解するときは、上
記の高沸点有機物質または低沸点有機溶媒の中から選択
された一種、又は二種以上の任意の複数成分混合物に溶
解し、次いで親水性ポリマーの存在下で、水中又は親水
性ポリマー水溶液中に乳化分散せしめる手法が一般的で
ある。フォトクロミック化合物含む油性液と、水性液と
の混合方法としては、攪拌下に水性液中に油性液を加え
る所謂順混合法でも、その逆の逆混合法でもよい。
【0032】本発明においては、フォトクロミック化合
物の組成物を水中又は親水性ポリマー水溶液中のいずれ
においても安定に分散することができるが、親水性ポリ
マー水溶液中に分散することが好ましい。水中に分散す
る場合には、分散後塗布時に親水性ポリマー水溶液を添
加することが好ましい。親水性ポリマーとしては、ゼラ
チンを用いるのが有利であるが、それ以外の親水性ポリ
マーも用いることができる。例えば、ゼラチン誘導体、
ゼラチンと他の高分子とのグラフトポリマー、アルブミ
ン、カゼイン等の蛋白質;ヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、セルロース硫酸エス
テル類等の如きセルロース誘導体、アルギン酸ソーダ、
澱粉誘導体などの糖誘導体;ポリビニルアルコール、ポ
リビニルアルコール部分アセタール、ポリビニルピロリ
ドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリ
ルアミド、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピラゾ
ール等の単一あるいは共重合体の如き多種の合成親水性
高分子物質を用いることができる。
【0033】ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンのほ
か、酸処理ゼラチンを用いてもよく、ゼラチン加水分解
物、ゼラチン酵素分散物も用いることができる。ゼラチ
ン誘導体としては、ゼラチンに例えば酸ハライド、酸無
水物、イソシアナート類、ブロモ酢酸、アルカンサルト
ン類、ビニルスルホンアミド類、マレイミド化合物類、
ポリアルキレンオキシド類、エポキシ化合物類等種々の
化合物を反応させて得られるものが用いられる。親水性
ポリマーの使用量としては、分散剤とバインダーとを別
々のポリマーにする事も、単独のポリマーを兼用する事
もできる。好ましい使用量はフォトクロミック化合物
(重量部)に対し、0.01ないし200重量部程度、
特に0.1ないし10重量部程度である。更に、本発明
のフォトクロミック化合物を含む組成物を安定にするた
めに、高分子化合物を上記親水性ポリマーと併用するこ
とは好ましい。
【0034】特に、変性PVAは好ましい。中でもビニ
ルアルコールとビニルエステルのランダム又はブロック
共重合体の末端をデシルチオ基の様な疎水性基で変性し
たものが好都合に用いられる。これらの親水性ポリマー
は単独で用いることもできるが、他の親水性ポリマーと
2種以上を混合して用いることもできる。上記親水性ポ
リマーとしては、350nm、より好ましくは320n
mより長波に吸収を有しないポリマーが有用である。
【0035】本発明の組成物をマイクロカプセル化して
用いる場合には、通常のカプセル化方法が好都合に用い
られる。これらについては、本発明者らがすでに文献と
して纏めており、そこに記載の手法が好都合に利用でき
る。例えば、イメージング用有機材料、ぶんしん出版、
東京、1993、第4章を参照。中でも、ポリイソシア
ナートを用いたポリウレア/ウレタンを壁剤とする合成
高分子によるカプセルを用いるとフォトクロミック化合
物の安定性、発色性、ハンドリング適性などから好都合
である。上述の感光性組成物を基体上に坦持する方法の
(1)及び(4)において用いる有機溶剤としては、
(2)の方法で記載した高沸点有機溶媒と低沸点有機溶
媒の両方を用いることもできる。
【0036】上述の感光性組成物を基体上に坦持する方
法の(3)について述べる。この方法において用いる高
沸点有機溶媒は、上記(2)で記載した高沸点有機溶媒
をもちいることができる。可塑剤として知られている化
合物は入手が容易で取り扱いやすい利点がある。また、
疎水性ポリマーとしては、例えば、ポリビニルブチラー
ル樹脂、ポリビニルフォルマール樹脂、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、塩化
ビニル樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸エ
ステル−メタクリル酸エステル共重合体、ポリエステル
樹脂、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合
体、ポリスルフォン、フェノキシ樹脂、スチレンブタジ
エン共重合体、シリコン樹脂等が挙げられる。
【0037】本発明のフォトクロミック化合物は、2種
以上用いてもよい。また他の骨格のフォトクロミック化
合物と併用してもよい。本発明のフォトクロミック化合
物は、主として、青〜シアンに発色するものが多いの
で、黄〜オレンジおよび/または赤〜マゼンタに発色す
るフォトクロミック化合物と併用すると、グレー、グリ
ーン、ブラウンなどの好ましい色に着色する感光性組成
物が得られる。特に下記一般式(3)で表わされる化合
物との併用が好ましい。
【0038】
【化14】
【0039】式中、R4 、R5 、R6 、R7 は、それぞ
れ上記XまたはX1 により形成される環上の置換基の中
から選ばれる。更に、これらは隣接位置で相互に環化し
て、5〜8員の非金属原子からなる飽和又は不飽和の環
を形成してもよい。特に縮環していてもよい芳香環の場
合が好ましい。例えば、シクロヘキセン、シクロペンテ
ン、アズレン、ベンゼン、ナフタレン、ピリジン、ピリ
ミジン、キノリン、イミダゾール、フラン、チオフェ
ン、ベンズイミダゾール、ナフトチオフェン、ナフトピ
ラン、ピレン、アンスラセン、ナフトキノリンなどの環
状構造が一例として挙げられる。R8 およびR9 は、そ
れぞれアルキル基(好ましくはC1 〜C15)、アリール
基(ベンゼン、ナフタレン、ピレン、アンスラセンな
ど)、ヘテロ環基(ピリジン、キノリン、イミダゾー
ル、フラン、チオフェン、ベンズイミダゾール、ナフト
チオフェン、ナフトピラン、ナフトキノリンなど)が挙
げられる。これらはR 4 、R5 、R6 、R7 で記載の置
換基(環状構造も含む)により置換されてもよい。R8
とR9 は互いに結合して環形成をしてもよい。R8 とR
9 が結合する場合、酸素原子、ケトン基、メチレン基を
介する結合、又は単結合による。以下に一般式(3)で
表わされる化合物の具体例を示す。
【0040】
【化15】
【0041】
【化16】
【0042】
【化17】
【0043】
【化18】
【0044】本発明のフォトクロミックな感光性組成物
には、各種の添加剤、例えば、光重合開始剤、光硬化性
化合物、ビニルモノマー、Niに代表される一重項酸素ク
エンチャー、ニトロキシルラジカル化合物など、紫外線
吸収剤、三重項消光剤、ラジカルスカヴェンジャー、酸
化防止剤、低粘度化剤、消色促進剤、発色促進剤、安定
化剤、HALS、酸化剤或いは還元剤などから選ばれた各種
の素材を目的に応じて適量含有させることができる。本
発明に用いるフォトクロミック化合物、油溶性サリチル
酸誘導体及び有機溶剤はそれぞれ2種類以上を混合して
用いることができる。本発明のフォトクロミック化合物
を含有する感光層は異なる色に発色する2層以上の層よ
り構成することもできる。
【0045】これらの層には、膜質、カーリング特性を
改良するために、重合体ラテックスを含有させることも
できる。本発明に用いることができる重合体ラテックス
を構成する単量体としては、例えば、アクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステル、クロトン酸エステル、ビニ
ルエステル、マレイン酸ジエステル、フマル酸ジエステ
ル、イタコン酸ジエステル、アクリルアミド類、メタク
リルアミド類、ビニルエ−テル類、スチレン類等が挙げ
られる。
【0046】これらの単量体により構成される重合体
は、ガラス転移点が40℃以下が好ましい。単独重合体
でも共重合体でもよい。好ましくは、アクリル酸エステ
ル類、アクリル酸エステル類とメタクリル酸エステル類
との共重合体、及びアクリル酸エステル類とアクリル酸
又はメタクリル酸との共重合体である。
【0047】エチレン系単量体のラジカル重合は、すで
に良く知られている。例えば、開始剤の使用法は、F.
A. Bovey 著「Emulsion Polymerization 」Interscienc
e Publishers Inc. New York 発行1955年第59〜第93頁
に記載されている。
【0048】乳化剤としては、界面活性をもつ化合物が
用いられ、好ましくは石鹸、スルホネート、フォスフェ
ート及びサルフェート、カチオン化合物、両性化合物及
び高分子保護コロイド等が挙げられる。これらの例およ
び使用法は、Belgische Chemische Industrie 第28巻第
16〜第20頁(1963年)等に記載されている。
【0049】本発明では特にガラス転移点20℃以下の
重合体のラテックスが好ましい。重合体ラテックスの具
体例を以下に記載するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。ポリエチルアクリレート、ポリプロピル
アクリレート、ポリエトキシエチルアクリレート、プロ
ピルアクリレート/スチレン共重合体、エチルアクリレ
ート/スチレン共重合体、プロピルアクリレート/アク
リル酸(95:5)共重合体、ポリブチルアクリレー
ト、ポリフェノキシエチルアクリレート、ポリジエチレ
ングリコールモノアクリレートメチルエーテル、ノナエ
チレングリコールメタクリレートメチルエーテルポリマ
ー、プロピルアクリレート/メタクリル酸(95:5)
共重合体、エチルヘキシルアクリレート/ジアセトンア
クリルアミド共重合体、メチルアクリレート/ブチルメ
タクリレート共重合体、ヘキシルメタクリレート/メタ
クリル酸(9:1)共重合体などがある。
【0050】これらの塗布層の上(最外層)に、保護層
を設けることは有用である。保護層に用いる素材として
は、親水性ポリマー及び疎水性ポリマー或いはラテック
ス等を用いることができる。該親水性ポリマー及びラテ
ックスとしては、前述の分散媒体としての親水性ポリマ
ー及び重合体ラテックスを用いることができる。疎水性
ポリマーとしては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビ
ニルホルマール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−アクリル酸共重合体、塩化ビニル樹脂、ポリ
メチルメタクリレート、アクリル酸エステル−メタクリ
ル酸エステル共重合体、ポリエステル樹脂、酢酸ビニル
−塩化ビニル共重合体、ポリカーボネート樹脂、スチレ
ン−無水マレイミド共重合体、スチレン−ビニルトルエ
ン共重合体、クロロスルホン化ポリエチレン、ニトロセ
ルロース、ポリオレフィン、ポリイミド等を挙げること
ができる。又、シランカップリング剤等の有機物質、ω
−トリコサン酸、ジオクタデシルジメチルアンモニウム
クロライド及びステアリン酸メチルなどのラングミュア
ー・プロジェット法(LB法)により形成される累積膜
も用いることができる。アルミニウムなどの金属蒸着膜
も差し支えない。該保護層に用いる素材は、先に述べた
様に好ましくは350nm、より好ましくは320nm
より長波に吸収を有しないものが有用である。
【0051】本発明のフォトクロミック化合物を含む感
光層の厚さは、目的にもよるが、150μ以下程度、特
に20μ以下であることが望ましく、2 〜6層に積層さ
れていてもよい。該保護層の塗布膜の厚さは、10μm
以下、特に5μm以下が望ましい。
【0052】必要により用いる硬膜剤としては、米国特
許第4,678,739号第41欄、特開昭59−11
6655号、同62−245261号、同61−189
42号、特開昭62−234157号等に記載の硬膜剤
が挙げられる。より具体的には、アルデヒド系硬膜剤
(ホルムアルデヒドなど)、アジリジン系硬膜剤、エポ
キシ系硬膜剤、ビニルスルホン系硬膜剤(N,N′−エ
チレン−ビス(ビニルスルホニルアセタミド) エタンな
ど) 、N−メチロール系硬膜剤(ジメチロール尿素な
ど)、あるいは高分子硬膜剤などに記載の化合物が挙げ
られる。上記硬膜剤のうちで、塗布性(即ち、塗布液の
溶解経時安定性及び塗布時の隣接層との反応性など)及
び膜質(生サンプルの経時安定性及び硬膜性など)及び
の観点より、エポキシ系硬膜剤が特に好ましい。エポキ
シ系硬膜剤としては、具体的には特開昭62−9194
2号記載の硬膜剤を挙げることができる。
【0053】本発明の組成物ないし要素の用途として
は、印刷物、染料、転写剤、サングラス、保護メガネ、
光記録材料、調光材料、調光フィルター、表示材料、イ
ンテリア用品、玩具、光量計、衣服、化粧品、筆記具な
どが挙げられるが、UV光を含む太陽光の強さに迅速に
対応して、発色量をコントロールする調光フィルター或
いはサングラスなどの用途に特に有用である。調光フィ
ルターとしてカメラに用いる場合、しぼりおよび/また
はシャッタースピードの調節機構のないカメラに用いる
ことが特に好ましい。
【0054】本発明の感光性組成物はプラスチックレン
ズの形態で用いることもできる。既に染料を用いて射出
成形したプラスチックレンズが良く知られており、それ
らの手法を差し支えなく用いることが出来る。ジアリル
エーテルや(メタ)アクリレートに誘導されたフォトク
ロミック化合物をプラスチックレンズ用モノマーとして
知られているメチルメタクリレートやエチレングリコー
ルジアリルエーテルなどと共重合しこれをレンズに成形
する手法或いは、ポリメチルメタクリレートやポリエチ
レングリコールジアリルエーテルなどに本発明の特定の
組み合わせの感光性組成物を混合し射出成形する方法更
には、プラスチックレンズに成形した物にフォトクロミ
ック化合物の組成物を漬ける方法などの手法が用いられ
る。
【0055】プラスチックとしては透明であれば良く、
ポリメチルメタクリレート、エチレングリコールジアリ
ルエーテルポリマー、トリアセチルセルロース、ポリエ
チレンシクロヘキサン-1,4- ジカルボキシレート、PET
、PBT あるいはこれらの混合物乃至積層物が用いられ
る。これらの成形に際しては、プラスチックレンズ乃至
サングラスの分野で良く知られている手法や処理条件が
用いられる。例えば、染料を併用して濃度色調にバラエ
ティを持たせること、保護層を設けて耐久性を向上させ
ること、反射防止膜を設けること、安定剤を併用する事
などの手法が用いられる。例えば保護層としては、ポリ
ビニルアルコールの様なポリマー若しくはこれらの硬膜
物、ポリシロキサン架橋物、金属蒸着膜などがその一例
である。
【0056】本発明に用いられる基体としては、先に挙
げた用途に応じて色々なものが選べるが、具体的には、
金属、陶磁器、繊維、木材、合成樹脂、ガラス或いは各
種のプラスチックフィルム、プラスチックレンズなどが
利用できる。加工性、重量、強度及び透明性などを兼ね
備えている点で、プラスチック製品が好ましい。例え
ば、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、ポ
リメタアクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリカーボ
ネート、ポリウレタン、ナイロン、トリアセチルセルロ
ース、ポリアクリレート、ポリスルホン、ポリエーテル
スルホン、ポリオレフィン、ポリイミド等或いはこれら
複数乃至ガラスとの積層材料は有効に利用できる。該フ
ォトクロミック化合物をメガネ或いはカメラ(特に高感
度レンズ付フィルム)などの調光材料として用いる場合
には透明な基体が特に好ましい。
【0057】本発明の感光性層及び保護層は、蒸着法、
カーテンコート、ブレードコート、スピンコート、ディ
ップコート、エクストルージョンコートなどの任意の塗
布方法により基体上に薄層として形成できる。更に必要
ならば米国特許第2761791号、同837095号
に記載されている方法により2層又はそれ以上の層を同
時に塗布することもできる。
【0058】本発明のフォトクロミック化合物を坦持し
た感光性組成物は、UV光の照射を受けていない時は安
定に無色であるが、一旦UV光を含む光の照射を受ける
と直ちに発色する。光源がUV光でも太陽光でも、室温
でも低温でも同様である。更に照射を止めると、速やか
に無色化する利点がある。これらの着色と無色化を安定
にかつ耐久性良く繰り返す。
【0059】
【実施例】次に本発明を実施例に基づき更に詳しく説明
する。 実施例1 C−25の合成 1−ブチル−2,3,3−トリメチルベンズ〔e〕イン
ドリウムのヨウ素塩7.9g(0.02モル)、1−ニ
トロソ−6−エトキシカルボニル−2−ナフトール4.
9g(0.02モル)、エタノール300mlおよびトリ
エチルアミン2.0g(0.02モル)を窒素気流下、
2時間還流した。反応混合物を約100mlまで濃縮し、
水を加え酢酸エチルで抽出した。溶媒留去後、ヘキサン
−クロロホルム2:1を展開溶媒とするシリカゲルクロ
マトグラフィーにより精製し、目的とするC−25を
5.2g(収率53%)得た。
【0060】実施例2 C−26の合成 1,2,3,3−テトラメチルベンズ〔e〕インドリウ
ムのヨウ素塩7.0g(0.02モル)、1−ニトロソ
−6−(N,N−ジブチルカルバモイル)−2−ナフト
ール6.5g(0.02モル)、エタノール300mlお
よびトリエチルアミン2.0g(0.02モル)より実
施例1と同様にしてC−26を6.2g(収率58%)
得た。
【0061】実施例3 C−27の合成 1−プロピル−2,3,3−トリメチルベンズ〔e〕イ
ンドリウムのヨウ素塩7.6g(0.02モル)、1−
ニトロソ−6−(N,N−ジプロピルスルファモイル)
−2−ナフトール6.7g(0.02モル)、エタノー
ル300mlおよびトリエチルアミン2.0g(0.02
モル)より実施例1と同様にしてC−27を5.3g
(収率46%)得た。
【0062】実施例4 C−29の合成 1,2,3,3−テトラメチルベンズ〔e〕インドリウ
ムのヨウ素塩7.0g(0.02モル)、1−ニトロソ
−3−メトキシカルボニル−2−ナフトール4.6g
(0.02モル)、エタノール300mlおよびトリエチ
ルアミン2.0g(0.02モル)より実施例1と同様
にしてC−29を3.9g(収率43%)得た。
【0063】実施例5 C−35の合成 1,2,3,3−テトラメチルベンズ〔e〕インドリウ
ムのヨウ素塩7.0g(0.02モル)、2−ニトロソ
−4−エトキシカルボニルフェノール3.9g(0.0
2モル)、エタノール300mlおよびトリエチルアミン
2.0g(0.02モル)より実施例1と同様にしてC
−34を2.5g(収率31%)得た。
【0064】実施例6 C−36の合成 1,2,3,3−テトラメチルベンズ〔e〕インドリウ
ムのヨウ素塩7.0g(0.02モル)、1−ニトロソ
−6−アセチル−2−ナフトール4.3g(0.02モ
ル)、エタノール300mlおよびトリエチルアミン2.
0g(0.02モル)より実施例1と同様にしてC−3
6を4.7g(収率56%)得た。
【0065】実施例7 C−37の合成 1,2,3,3−テトラメチルベンズ〔g〕インドリウ
ムのヨウ素塩7.0g(0.02モル)、1−ニトロソ
−6−(N,N−ジエチルカルバモイル)−2−ナフト
ール5.6g(0.02モル)、エタノール300mlお
よびトリエチルアミン2.0g(0.02モル)より実
施例1と同様にしてC−36を2.3g(収率24%)
得た。
【0066】実施例8 C−38の合成 1−ブチル−2,3,3−トリメチルベンズ〔f〕イン
ドリウムのヨウ素塩7.9g(0.02モル)、1−ニ
トロソ−6−アセチル−2−ナフトール4.3g(0.
02モル)、エタノール300mlおよびトリエチルアミ
ン2.0g(0.02モル)より実施例1と同様にして
C−37を3.1g(収率33%)得た。
【0067】実施例9 〔フォトクロミック化合物乳化物、塗布用感光性組成物
(1) の調製〕フォトクロミック化合物として、C−28
0.1gを高沸点有機溶媒として、イソプロピル化ト
リフェニルフォスフェート0.2g、酢酸エチル0.4
gに溶解して、油相(A)とした。石灰処理ゼラチンの
10%水溶液2gに界面活性剤としてドデシルベンゼン
スルフォン酸の5%水溶液を0.2cc加え水相(B)と
した。この油相と水相を混合し、ミニホモジナイザーに
て10000rpm にて5分間乳化分散した。この乳化分
散物に水3ccと14%ゼラチン水溶液を2g添加して、
塗布用感光性組成物(1)を調製した。
【0068】〔フォトクロミック感光材料101の作
製〕上記感光性組成物(1)を100μm厚のポリエチ
レンテレフタレートフィルム上に、ウエット膜厚65μ
mとなるように塗布し40℃にて乾燥した。次にこの上
に、ゼラチン保護層を乾燥膜厚1μmとなるようにロッ
ドコート法により塗設し、フォトクロミックな感光材料
101を作製した。 〔フォトクロミック感光材料102〜113の作製〕感
光材料101において、フォトクロミック化合物、高沸
点溶剤を表1の如くする以外は感光材料101を同様に
して、感光材料102〜113を作製した。
【0069】
【表1】
【0070】比較例および実施例 〔比較材料(1) の作製〕フォトクロミック化合物C−2
8 0.1g、エチレン・酢酸ビニル共重合体2gをシ
クロヘキサン/酢酸エチル=50/50の混合溶媒20
mlに溶解し、100μm ポリエチレンテレフタレートフ
ィルム上に乾燥膜厚7μm となるように塗設し、比較材
料(1) を作製した。 比較材料(2) 〜(5) および実施材料(6) 〜(13)の作製 C−28の替わりにC−30、C−31、C−33、C
−17、C−25、C−26、C−27、C−29、C
−36またはC−37、C−38を用いる以外、比較材
料(1) と同様にして比較材料(2) 〜(5) および実施材料
(6) 〜(12)を作製した。
【0071】〔発色、消色試験〕感光材料101〜11
2、比較材料(1) 〜(5) および実施材料(6) 〜(12)を4
0℃にてレミントン社製レミントン日焼け器、モデルT
F−1でUV光を30秒間照射したところ、ブルー〜シ
アンに発色した。その時のλmax の濃度をユニオン技研
のMCPD100で測定した結果を表1に記した。照射
をやめたところ、いずれもすみやかに消色した。これら
の結果から明らかなように、乳化塗布した材料の方が
溶剤塗布した材料よりも発色濃度が高い、一般式
(2)で示される新規フォトクロミック化合物(C−2
5、C−26、C−27、C−29、C−36、C−3
7、C−38)を含む材料は公知のフォトクロミック化
合物(C−28、C−30、C−31、C−33、C−
17)を含む材料よりも発色濃度が高いことが判る。
【0072】実施例10 〔フォトクロミック感光材料201の作製〕C−28
0.1gをC−28 0.1gおよび3,5−ジ−α−
メチルベンジルサリチル酸亜鉛0.07gに置き換えた
以外、感光材料101と同様な処理をして、感光材料2
01を作製した。 〔フォトクロミック感光材料202〜212の作製〕感
光材料201において、フォトクロミック化合物、油溶
性サリチル酸誘導体、高沸点有機溶媒を表2の如くする
以外は感光材料201と同様にして、感光材料202〜
212を作製した。
【0073】
【表2】
【0074】〔発色、消色試験〕感光材料201を実施
例9と同様に40℃にて、UV光を30秒間照射した時
の濃度を表2に記した。照射をやめたところ、いずれも
すみやかに消色した。これらの結果から明らかなよう
に、有機亜鉛塩を含む材料は含まない材料よりも発色濃
度が高い(表1 101〜112との比較)ことが判
る。
【0075】実施例11 〔フォトクロミック感光材料301の作成〕C−28
0.1gをC−28 0.1gおよび3,5−ジ−α−
メチルベンジルサリチル酸亜鉛を0.1gに置き換えた
以外、比較材料(1) と同様な処理をして、感光材料30
1を作製した。 〔フォトクロミック感光材料302〜312の作製〕感
光材料301において、フォトクロミック化合物、有機
亜鉛塩を表3の如くする以外は感光材料301と同様に
して、感光材料302〜312を作製した。
【0076】
【表3】
【0077】これらの結果から明らかなように有機亜鉛
塩を含む材料は含まない材料よりも発色濃度が高い(表
1 比較材料(1) 〜(5) および実施材料(6) 〜(7) との
比較)ことが判る。
【0078】実施例12 〔フォトクロミック感光材料401の作成〕フォトクロ
ミック化合物C−25 0.1g、3,5−ジ−α−メ
チルベンジルサリチル酸亜鉛0.07gおよびポリビニ
ルブチラール(デンカ製BLS)2gをシクロヘキサン
/酢酸エチル=50/50の混合溶媒20mlに溶解し、
100μm ポリエチレンテレフタレートフィルム上に乾
燥膜厚7μm となるように塗設し、感光材料401を作
製した。 〔フォトクロミック感光材料402〜405の作成〕感
光材料401において、ポリビニルブチラールをポリエ
ステル(日清紡製バイロン200)、ポリエステル(日
清紡製バイロン590)又はポリビニルアセタール(積
水化学工業製エスレックKX)に置き換えた以外、感光
材料401と同様にして感光材料402〜405を作成
した。実施例9と同様に発色、消色試験を行なったとこ
ろ、いずれの材料も高濃度に発色し、照射をやめるとす
みやかに消色した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青野 俊明 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で示されるフォトクロ
    ミック化合物(1)と有機亜鉛塩とを有することを特徴
    とする感光性組成物。 【化1】 式中、Xは置換基を有してもよいナフタレン環又はフェ
    ナンスレン環を形成するのに必要な原子群を表わし、Y
    は置換基を有してもよい芳香族炭化水素環又は不飽和複
    素環を形成するのに必要な原子群を表わし、R1 、R2
    およびR3 は置換基を有してもよいアルキル基を表わ
    す。R1 とR2 は一緒になって環形成してもよい。
  2. 【請求項2】 フォトクロミック化合物(1)が親水性
    ポリマー中に乳化分散されていることを特徴とする請求
    項1記載の感光性組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の感光性組成物を
    基体上に担持した要素。
  4. 【請求項4】 下記一般式(2)で示されるフォトクロ
    ミック化合物(2)。 【化2】 式中、X1 は置換基を有してもよいナフタレン環又はフ
    ェナンスレン環を形成するのに必要な原子群を表わし、
    Zは1〜3個のエステル基、カルバモイル基又はスルフ
    ァモイル基を置換基として有するナフタレン環、フェナ
    ンスレン環又はベンゼン環を形成するのに必要な原子群
    を表わし、R11、R12およびR13は置換基を有してもよ
    いアルキル基を表わす。R11とR12は一緒になって環形
    成してもよい。
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