JPH08291285A - 感光性組成物及びそれを用いた要素 - Google Patents

感光性組成物及びそれを用いた要素

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JPH08291285A
JPH08291285A JP7096619A JP9661995A JPH08291285A JP H08291285 A JPH08291285 A JP H08291285A JP 7096619 A JP7096619 A JP 7096619A JP 9661995 A JP9661995 A JP 9661995A JP H08291285 A JPH08291285 A JP H08291285A
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JP
Japan
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group
compound
photochromic
oil
composition
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Application number
JP7096619A
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English (en)
Inventor
Masato Satomura
正人 里村
Mitsugi Tanaka
貢 田中
Toshiaki Aono
俊明 青野
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Pyrane Compounds (AREA)
  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】室温下でフォトクロミックな特性を持つ新規な
組成物およびそれを用いた要素を提供する。 【構成】フォトクロミックな特性を持ち、ピラン環とは
異なる側に、少なくとも3個の環を有し、その中の少な
くとも2個が芳香環であるスピロピラン化合物と油溶性
サリチル酸誘導体を有する感光組成物及びそれを基体上
に担持した要素。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フォトクロミック化合
物を利用した各種の調光、表示、着色及び記録用として
有用な感光性組成物及びそれを用いたフォトクロミック
な特性をもつ要素に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、フォトクロミック化合物が光記
録、表示あるいは調光材料として注目され、青系乃至赤
あるいは黄色に発色するフルギド化合物、インドリノス
ピロピラン化合物、チオインドリノスピロピラン化合物
或いはスピロピラン化合物の開発が試みられている。こ
れらの化合物及びその用途については、例えば、Photoc
hromism,Molecule and Systems (Ed.by H.Durr,H.Boua
s-Laurent,Elsevier, NewYork 1989)等の成書、或いは
特開平 5-273692 、同 3-252453 、同 3-133988 、同 3
-11075、同 2-69471、同 2-42084、同 1-52783、同 3-1
2118、同 3-252493、特開昭63-66178、同61-263935 、
同61-267578 、同58-113203 、特公昭45-28892、同49-4
8631、同48-23787、同55-36284、或いは欧州特許401958
A2, 米国特許4980089 、同3270639 、東独特許0153-69
0、同1563-72 などの公報又は明細書に記載され、種々
の用途への応用例が述べられている。
【0003】これらに記載されているように、各種の該
フォトクロミック化合物は、疎水性ポリマーと共に加熱
溶融しフィルム状又は立体物に成形したり、又は疎水性
ポリマーとともに有機溶剤で溶解し基体上に塗設したり
して、種々の用途に用いることが提案されている。これ
らの用途のうち、調光材料として用いる場合、雪国の屋
外での低温でも、夏の海辺の高温でも、該材料に照射さ
れた光量に応じ、直ちに着色する事が要求される。又、
露光を停止したら、速やかに消色することが望まれてい
る。又、表示及び記録材料として用いる場合において
も、表示及び記録に要する光照射に対して迅速に反応す
ることが望まれている。
【0004】しかしながら、該フォトクロミック化合物
の着色及び消色反応は該フォトクロミック化合物の構造
変化を伴うため、上記のように疎水性ポリマー中に固定
された状態ではその着色及び/又は消色速度が極めて遅
いという問題点があった。特に室温以下の低温での使用
時には、使用されるフォトクロミック化合物の種類にも
よるが十分な着色及び消色に、通常数10分乃至数時間
以上を要する。本発明者等は、これらの問題を解決する
ために、フォトクロミック化合物の構造と発色特性及び
使用法について検討してきた。なかでも、ピラン系化合
物の構造、特に環の数とフォトクロミック特性に着目し
て詳細な検討を加え、反応性や室温でのフォトクロミッ
ク特性が予想外に、環の員数で大きく左右されること、
共存する有機酸誘導体の影響で高温での発色性が大幅に
改善される事などを見出し、現在特許出願中である。更
に、本発明者等は室温下での発色の改良を使用法の観点
から検討し、特定の骨格のフォトクロミック化合物を特
定の添加剤と、ある条件下で使用すると発色性と耐久性
が著しく改善されることを見出し本発明をなすに至っ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、第一に調光、着色及び記録材料に有用な新規な感光
性組成物を提供することにある。第二に室温以下の温度
下でも、調光、着色及び記録の用途に耐えうるフォトク
ロミックな特性を持つ感光性組成物を提供することであ
る。第三にこの組成物を基体上に坦持した調光、着色及
び記録乃至表示材料を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究の
結果、本発明の目的は 1.フォトクロミックな特性を持ち、ピラン環とは異な
る側に、少なくとも3個の環を有し、その中の少なくと
も2個が芳香環であるスピロピラン化合物と油溶性サリ
チル酸誘導体を有機溶剤中に共存させたことを特徴とす
る感光性組成物、 2.上記1の組成物を基体上に坦持した要素、が開発可
能であることを見出し、本発明をなすに至った。
【0007】即ち、本発明は下記の通りである。 (1)フォトクロミックな特性を持ち、ピラン環とは異
なる側に、少なくとも3個の環を有し、その中の少なく
とも2個が芳香環であるスピロピラン化合物とサリチル
酸誘導体を有する感光性組成物。 (2)スピロピラン化合物が下記一般式(1)で示され
る化合物であり、油溶性サリチル酸誘導体が総炭素原子
数10以上の化合物である事を特徴とする感光性組成物。
【0008】
【化2】
【0009】式中、R1 〜R6 は、各々水素原子または
有機基を表わす。R3 〜R6 は隣接位置で相互に環化し
て5〜8員の非金属原子からなる飽和又は不飽和の環を
形成していても良い。Xは5〜8員の非金属原子からな
る飽和又は不飽和の環を形成するに必要な原子群を表
す。A、Bは各々芳香環を表わす。
【0010】さらに好ましい態様として次のものが上げ
られる。 (3)上記(1)に於いて、スピロピラン化合物がキサ
ンテン部分骨格を持ち、油溶性サリチル酸誘導体が総炭
素原子数10以上の塩である事を特徴とする感光性組成
物。 (4)上記(1)乃至(3)の感光性組成物を基体上に
坦持した調光、着色及び記録乃至表示材料。 (5)透明支持体上に、上記(1)乃至(3)で示され
る感光性組成物を均一に坦持し、更に耐傷性透明保護層
を設けた透明積層材料。 (6)透明支持体上に、上記(1)乃至(3)で示され
る組成物を実質的に液相として均一に坦持した積層材
料。 (7)油溶性サリチル酸誘導体が、3-位又は5-位にアル
キル基及び/またはアリール基を持つ化合物である上記
(1)乃至(2)に記載の感光組成物。 (8)油溶性サリチル酸誘導体が、3-位又は5-位にアル
キル基及び/またはアリール基を持つ金属塩である上記
(1)乃至(3)に記載の感光組成物。
【0011】(9)スピロピラン化合物において、A,
B,Xを含む部分骨格が、下記に示される構造を有する
フォトクロミック化合物である感光組成物。
【0012】
【化3】
【0013】
【化4】
【0014】式中、Rは水素原子、アルキル基、アシル
基またはアリール基を、Meはメチル基を表わす。 (10)上記(8)の感光性組成物を有する調光材料。 (11)上記(9)の感光性組成物を有する調光材料。
【0015】上記一般式(1)について更に説明する。
1 〜R2 の有機基はハロゲン原子、置換されていても
よいアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置
換されていてもよいアルコキシ基などから選ばれるもの
が好ましく、R3 〜R6 の有機基はハロゲン原子、置換
されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいア
リール基、置換されていてもよいアルコキシ基、アシル
基、スルフォニル基、置換されていてもよいアミノ基、
カルボキシル基、スルフォ基、シアノ基、パーフルオロ
アルキル基、アルカンスルフォニル基、チオアルキル基
などから選ばれる。更に、これらは、隣接位置で相互に
環化して5〜8員の非金属原子からなる飽和又は不飽和
の環を形成していても良い。特に縮環していてもよい芳
香環の場合が好ましい。例えば、シクロヘキセン、シク
ロペンテン、アズレン、ベンゼン、ナフタレン、ピリジ
ン、ピリミジン、キノリン、イミダゾール、インドー
ル、フラン、チオフェン、インダゾール、ベンツイミダ
ゾール、ナフトチオフェン、ナフトピラン、ピレン、ア
ンスラセン、ナフトキノリンなどの環状構造が一例とし
て挙げられる。A,Bで示される芳香環は、好都合にこ
れらから選ぶことが出来る。Xは5〜8員の非金属原子
からなる飽和又は不飽和の環を形成するに必要な原子群
を表し、具体的には先に例示又は構造式で示したもので
あり、特に5〜6員の環が好ましい。
【0016】本発明に用いるフォトクロミック化合物と
しては、スピロピラン誘導体特に、先に示した部分骨格
を持つ一般式(1)で示されるフォトクロミック化合物
が有用である。化合物全体の芳香環は3個ないし7個程
度が好ましく、特に4乃至6個の化合物が溶解性、再現
性、耐久性、保存安定性、耐昇華性、結晶性などの点か
ら好ましい。特に、本発明の化合物は、スピロピラン化
合物のピラン環とは異なる側に大きな平面構造を取りう
る芳香環を持つこと、更にスピロ化合物の中心炭素原子
に対して、共役の位置に電子供与性の置換基を持つこと
も好ましい。更にまた、スピロ化合物の中心炭素原子に
対して2種の異なる置換基を持ち、一方が置換されたア
ミノ基である事も好ましい。これらは、数種類混合して
用いることもできるが、本発明の化合物を用いると単独
でも、赤、黄、青、黒ないし灰色を組み立てられる利点
がある。
【0017】複数種を併用する場合には、色相、溶解性
などに応じて、前述の文献等に記載のスピロピラン化合
物、インドリノスピロピラン化合物、フルギド化合物、
ピラン化合物、スピロオキサジン化合物、スピロナフト
オキサジン化合物、スピロフェナンスロオキサジン化合
物、ジアリールエテン化合物、クロメン化合物、及びこ
れらのチオ体、スチルベン誘導体、アゾ化合物等が好ま
しく用いられる。環状構造を形成するXを含む部分骨格
は、先に示した。更に、詳細には、下記の具体例で示さ
れる化合物などが用いられる。
【0018】
【化5】
【0019】
【化6】
【0020】式中、Meはメチル基を、Etはエチル基
を、Buはブチル基を、Phはフェニル基を、Acはア
セチル基を表わす。こら等の化合物、(1),(21)等は、前
述の成書、H.Durr,Photochromism,p-400,G.P.Ellis,Chr
omans.p-396,などに記載があり、関連化合物の合成につ
いても纏められている。又、その他の化合物についても
これらの手法や米国特許 3567605、同 4361645、同 506
6818、特開平 7-48362, 同 7-48363, 同 7-48566等に記
載された合成法を参考にして合成できる。
【0021】本発明で用いるサリチル酸誘導体として
は、塩やアルキル基、アラルキル基等の所謂置換基を有
する酸を含むものを包含する。低分子であるか高分子で
あるかを問わない。塩を形成する場合には、Na,K,Li,C
a,Mg,Al,Zn,Fe,Co,Niなどの金属や塩基から対イオンが
選ばれる。Al,Zn,Ca,Mg などが好ましい。中でもZn塩
は、取扱性、白色度の点からもっとも好ましい。これら
の組み合わせの中でも記録系に応用する点から、無色で
安定性に優れ、且つ発色促進効果にも優れている組み合
わせが好ましい。これらは、簡便に処方を組み40℃ない
し50℃での発色を試みる事とその後の経過を観察するこ
とに依って容易に最適化できるし、同業者においては相
対的な比較ができる。ヒドロキシナフトエ酸金属塩はフ
ォトクロミックの特性上、好ましくない。
【0022】油溶性サリチル酸誘導体の置換基について
次に説明する。置換基の例としては、アルキル基(メチ
ル基、エチル基、イソロピル基、ブチル基、ヘキシル
基、ラウリル基、シクロヘキシル基、メチルベンジル
基、ジメチルベンジル基、α, α- ジメチルベンジル
基、ナフトキシブチル基、ジシクロペンタジエニル
基)、アリール基(フェニル基、ジメチルフェニル
基)、置換カルバモイル基、置換スルファモイル基、ア
シル基(アセチル基、ベンゾイル基、トルエンスルフォ
ニル基)、クロロ原子、アルコキシ基(エトキシ基、フ
ェノキシエトキシ基、メトキシフェノキシエトキシ基、
クロロプロポキシエトキシ基、ベンジルオキシプロポキ
シ基、ナフトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(フ
ェノキシ基、ナフトキシ基、p−メトキシフェノキシ
基)、置換ウレイド基、置換ウレタン基、カルボキシル
基、スルホ基などから選ばれる。置換ベンジル基など、
キシリレンジハライドやキシリレングリコールなどをサ
リチル酸と反応させた誘導体も包含される。これらの置
換基の置換位置は、3,5,6-位などから選ばれる。原料の
入手の点からは、3-位または/ 及び5-位に炭素原子数2
乃至18 程度のアルキル基、アラルキル基又はアリール
基で置換したものが好都合である。6-位にアルキルで置
換したものも性能としては好ましい。溶解性の点から
は、総炭素原子数が12以上、60程度以下が好ましい。α
−メチル置換ベンジル基を、3-位と5-位に2個持つ油溶
性サリチル酸亜鉛塩は合成が容易で、組成物の安全上及
びハンドリング上特に好ましい。
【0023】例えば、3,5-ジブチルサリチル酸亜鉛、3,
5-ジブチルサリチル酸アルミ、3,5-ジアミルサリチル酸
亜鉛、3,5-ジアミルサリチル酸アルミ、3,5-ジブチルサ
リチル酸Ca、3,5-ジブチル-6−メチルサリチル酸アル
ミ、3-アミル-6−メチルサリチル酸亜鉛、3-ベンジル-5
- ベンゾイルサリチル酸アルミ、3,5-ジα−メチルベン
ジルサリチル酸アルミ、3,5-ジα−メチルベンジルサリ
チル酸Zn、5-ラウリルサリチル酸、5-ラウリルサリチル
酸亜鉛、3,5-ジα、α−ジチルベンジルサリチル酸Zn、
3,5-ジα−メチルベンジルサリチル酸Ca、5-ラウリル-3
- メチルサリチル酸Zn、5-ラウリル-3- アセタミドサリ
チル酸Zn、5-(p- ブチルフェノキシ)-α-ブチルアセタ
ミドサリチル酸Zn、5-フェニルウレイドサリチル酸テト
ラブチルアンモニュウムなどは好ましい。これらは、ス
ピロピラン化合物に1重量部に対して、 0.001乃至500
重量部、好ましくは0.1 乃至 10 重量部程度用いられ
る。
【0024】本発明の特定の骨格を有するフォトクロミ
ックな特性をもつスピロピラン化合物、特定の特性を有
するサリチル酸誘導体及び必要により併用される有機溶
剤よりなる感光性組成物を透明な基体上に坦持する形態
としては、以下のものが挙げられる。 (1)スピロピラン化合物の組成物、油溶性サリチル酸
誘導体を有機溶剤に溶解した液相を直接透明フィルム又
はガラス等で挟んだ積層体。 (2)特定の骨格を有するスピロピラン化合物、油溶性
サリチル酸誘導体を有機溶剤に溶解した液相を親水性ポ
リマー中に乳化分散し、基体上に塗設した積層体。 (3)特定の骨格を有するスピロピラン化合物、油溶性
サリチル酸誘導体を高沸点有機溶媒とともに疎水性ポリ
マー中に溶解し、溶融成形、又は基体上に各種方法によ
り塗設した積層体。
【0025】(4)特定の骨格のスピロピラン化合物、
油溶性サリチル酸誘導体を特定の沸点の有機溶剤に溶解
した液相をマイクロカプセル化しバインダーと共に基体
上に坦持した塗布物。 (5)特定の骨格のスピロピラン化合物、油溶性サリチ
ル酸誘導体を特定の沸点の有機溶剤に溶解した液相を合
成高分子樹脂壁を用いてマイクロカプセル化しバインダ
ーとともに基体上に坦持した積層体。 上記各方法において、スピロピラン化合物の発色及び消
色速度の速さ、製造上の安全性、簡易性等の観点より
(2)(4)の態様が好ましい。
【0026】本発明の感光性組成物は有機溶媒に溶解し
て用いるか、乳化分散して用いるが、乳化分散する際に
溶解する高沸点有機溶媒としては、水に事実上不溶で、
沸点190℃以上、300℃以下程度のものが好まし
い。この種の有機物質としては、カルボン酸エステル
類、リン酸エステル類、カルボン酸アミド類、エーテル
類、フェノール類、アニリン類、置換炭化水素類及び界
面不活性な疎水性有機重合体などの中から選ぶことがで
きる。その具体的な例を挙げるとフタル酸ジブチル、フ
タル酸ジイソオクチル、フタル酸ジシクロヘキシル、フ
タル酸ジメトキシエチル、アジピン酸ジ−n−ブチル、
アゼレン酸ジイソオクチル、クエン酸トリブチル、ラウ
リン酸ブチル、セバシン酸ジブチル、リン酸トリシクロ
ヘキシル、リン酸トリブチル、リン酸トリイソオクチ
ル、N,N−ジエチルカプリル酸アミド、N,N−ジメ
チルパルミチン酸アミド、
【0027】ブチル−(m−ペンタデシル)フェニルエ
ーテル、エチル−(2,4−ジ−t−ブチル)フェニル
エーテル、2,5−ジアミルフェノール、2−n−ブト
キシ−5−tert−オクチルアニリン、塩素化パラフィ
ン、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチルメタ
クリレート)、ポリ(エチルアクリレート)、ポリ(シ
クロヘキシルメタクリレート)、ポリ(N−tert−ブチ
ルアクリルアミド)、ポリ(N−tert−オクチルアクリ
ルアミド)、ジトリルエタン、イソプロピルナフタレ
ン、キシリルフェニルエタン、ジトリルエーテル、ブチ
ルアニソール、ペンタエリスリトールジメチルアセター
ル、ベンジルモルフォリン、オリゴブチレンオキシドな
どがある。
【0028】本発明においては、スピロピラン化合物を
溶解するために、上記の高沸点有機物質の他に、低沸点
有機溶媒(130℃以下の沸点を有する)を使用しても
よい。それらの有機溶媒としては、例えば、プロピレン
カーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロ
ピル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、ブチルアルコ
ール、メチルエチルケトン、ペンタノン、シクロヘキサ
ノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキサイド
などがその例として挙げられる。高沸点及び低沸点有機
溶媒の好ましい総使用量は分散するフォトクロミック化
合物の重量の0.1〜100倍量である。又、本発明の
該スピロピラン化合物を乳化分散するにあたって、国際
特許公開WO93/3420号に記載のように、界面活
性剤を増量して微細分散したのち、水洗により過剰の界
面活性剤を除去する方法も有効である。該補助溶剤又は
界面活性剤は公知の方法で除去することができ、例えば
米国特許第2322027号、同2801171号、同
2946360号、同3396027号、同42333
97号等があげられる。
【0029】本発明のスピロピラン化合物を含む組成物
の分散方法としては、具体的には、下記のいずれかの方
法で溶液状態に保ったスピロピラン化合物を、水または
親水性ポリマー水溶液と混合することによって、調製す
ることができる。必要があれば分散物粒子のサイズをミ
クロンレベルからサブミクロンレベルに更に微細にする
ために、下記のような分散機を用いても良い。
【0030】分散機としては、大きな剪断力を有する高
速攪拌型分散機、高強度の超音波エネルギーを与える分
散機などがある。具体的には、コロイドミル、ホモジナ
イザー、毛細管式乳化装置、液体サイレン、電磁歪式超
音波発生機、ポールマン笛を有する乳化装置などがあ
る。本発明で使用するのに好ましい高速攪拌型分散機
は、ディゾルバー、ポリトロン、ホモミキサー、ホモブ
レンダー、ケディミル、ジェットアジターなどである。
これらに於いては分散作用する要部が液中で高速回転す
るタイプの分散機である。高速攪拌型分散機は、ディゾ
ルバーないしは高速インペラー分散機なども用いられ
る。特開昭55−129136号にも記載されているよ
うに、高速で回転する軸に鋸歯状のプレードを交互に上
下方向に折り曲げたインペラーを装着して成るのも好ま
しい一例である。
【0031】スピロピラン化合物の乳化分散物を調製す
る際には、種々のプロセスに従うことができる。スピロ
ピラン化合物を有機溶媒に溶解するときは、上記の高沸
点有機物質または低沸点有機溶媒の中から選択された一
種、又は二種以上の任意の複数成分混合物に溶解し、次
いで親水性ポリマーの存在下で、水中又は親水性ポリマ
ー水溶液中に乳化分散せしめる手法が一般的である。ス
ピロピラン化合物含む油性液と、水性液との混合方法と
しては、攪拌下に水性液中に油性液を加える所謂順混合
法でも、その逆の逆混合法でもよい。
【0032】本発明においては、スピロピラン化合物の
組成物を水中又は親水性ポリマー水溶液中のいずれにお
いても安定に分散することができるが、親水性ポリマー
水溶液中に分散することが好ましい。水中に分散する場
合には、分散後塗布時に親水性ポリマー水溶液を添加す
ることが好ましい。親水性ポリマーとしては、ゼラチン
を用いるのが有利であるが、それ以外の親水性ポリマー
も用いることができる。例えば、ゼラチン誘導体、ゼラ
チンと他の高分子とのグラフトポリマー、アルブミン、
カゼイン等の蛋白質;ヒドロキシエチルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース、セルロース硫酸エステル類
等の如きセルロース誘導体、アルギン酸ソーダ、澱粉誘
導体などの糖誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニ
ルアルコール部分アセタール、ポリビニルピロリドン、
ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピラゾール等
の単一あるいは共重合体の如き多種の合成親水性高分子
物質を用いることができる。
【0033】ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンのほ
か、酸処理ゼラチンを用いてもよく、ゼラチン加水分解
物、ゼラチン酵素分散物も用いることができる。ゼラチ
ン誘導体としては、ゼラチンに例えば酸ハライド、酸無
水物、イソシアナート類、ブロモ酢酸、アルカンサルト
ン類、ビニルスルホンアミド類、マレイミド化合物類、
ポリアルキレンオキシド類、エポキシ化合物類等種々の
化合物を反応させて得られるものが用いられる。更に、
本発明のスピロピラン化合物を含む組成物を安定にする
ために、高分子化合物を上記親水性ポリマーと併用する
ことは好ましい。
【0034】特に、変性PVAは好ましい。中でもビニ
ルアルコールとビニルエステルのランダム又はブロック
共重合体の末端をデシルチオ基の様な疎水性基で変性し
たものが好都合に用いられる。これらの親水性ポリマー
は単独で用いることもできるが、他の親水性ポリマーと
2種以上を混合して用いることもできる。上記親水性ポ
リマーとしては、350nm、より好ましくは320n
mより長波に吸収を有しないポリマーが有用である。
【0035】本発明の組成物をマイクロカプセル化して
用いる場合には、通常のカプセル化方法が好都合に用い
られる。これらについては、本発明者らがすでに文献と
して纏めており、そこに記載の手法が好都合に利用でき
る。例えば、イメージング用有機材料、ぶんしん出版、
東京、1993、第4章を参照。中でも、ポリイソシア
ナートを用いたポリウレア/ウレタンを壁剤とする合成
高分子によるカプセルを用いるとフォトクロミック化合
物の安定性、発色性、ハンドリング適性などから好都合
である。上述の感光性組成物を基体上に坦持する方法の
(1)及び(4)において用いる有機溶剤としては、
(2)の方法で記載した高沸点有機溶媒と低沸点有機溶
媒の両方を用いることもできる。
【0036】上述の感光性組成物を基体上に坦持する方
法の(3)について述べる。この方法において用いる高
沸点有機溶媒は、上記(2)で記載した高沸点有機溶媒
をもちいることができる。可塑剤として知られている化
合物は入手が容易で取り扱いやすい利点がある。また、
疎水性ポリマーとしては、例えば、ポリビニルブチラー
ル樹脂、ポリビニルフォルマール樹脂、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、塩化
ビニル樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸エ
ステル−メタクリル酸エステル共重合体、ポリエステル
樹脂、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合
体、ポリスルフォン、フェノキシ樹脂、スチレンブタジ
エン共重合体、シリコン樹脂等が挙げられる。
【0037】本発明のフォトクロミックな感光性組成物
には、各種の添加剤、例えば、光重合開始剤、光硬化性
化合物、ビニルモノマー、Niに代表される一重項酸素ク
エンチャー、ニトロキシルラジカル化合物など、紫外線
吸収剤、三重項消光剤、ラジカルスカヴェンジャー、酸
化防止剤、低粘度化剤、消色促進剤、発色促進剤、安定
化剤、HALS、酸化剤或いは還元剤などから選ばれた各種
の素材を目的に応じて適量含有させることができる。本
発明に用いるスピロピラン化合物、油溶性サリチル酸誘
導体及び有機溶剤はそれぞれ2種類以上を混合して用い
ることができる。本発明のスピロピラン化合物を含有す
る感光層は異なる色に発色する2層以上の層より構成す
ることもできる。
【0038】これらの層には、膜質、カーリング特性を
改良するために、重合体ラテックスを含有させることも
できる。本発明に用いることができる重合体ラテックス
を構成する単量体としては、例えば、アクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステル、クロトン酸エステル、ビニ
ルエステル、マレイン酸ジエステル、フマル酸ジエステ
ル、イタコン酸ジエステル、アクリルアミド類、メタク
リルアミド類、ビニルエ−テル類、スチレン類等が挙げ
られる。
【0039】これらの単量体により構成される重合体
は、ガラス転移点が40℃以下が好ましい。単独重合体
でも共重合体でもよい。好ましくは、アクリル酸エステ
ル類、アクリル酸エステル類とメタクリル酸エステル類
との共重合体、及びアクリル酸エステル類とアクリル酸
又はメタクリル酸との共重合体である。
【0040】エチレン系単量体のラジカル重合は、すで
に良く知られている。例えば、開始剤の使用法は、F.
A. Bovey 著「Emulsion Polymerization 」Interscienc
e Publishers Inc. New York 発行1955年第59〜第93頁
に記載されている。
【0041】乳化剤としては、界面活性をもつ化合物が
用いられ、好ましくは石鹸、スルホネート、フォスフェ
ート及びサルフェート、カチオン化合物、両性化合物及
び高分子保護コロイド等が挙げられる。これらの例およ
び使用法は、Belgische Chemische Industrie 第28巻第
16〜第20頁(1963年)等に記載されている。
【0042】本発明では特にガラス転移点20℃以下の
重合体のラテックスが好ましい。重合体ラテックスの具
体例を以下に記載するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。ポリエチルアクリレート、ポリプロピル
アクリレート、ポリエトキシエチルアクリレート、プロ
ピルアクリレート/スチレン共重合体、エチルアクリレ
ート/スチレン共重合体、プロピルアクリレート/アク
リル酸(95:5)共重合体、ポリブチルアクリレー
ト、ポリフェノキシエチルアクリレート、ポリジエチレ
ングリコールモノアクリレートメチルエーテル、ノナエ
チレングリコールメタクリレートメチルエーテルポリマ
ー、プロピルアクリレート/メタクリル酸(95:5)
共重合体、エチルヘキシルアクリレート/ジアセトンア
クリルアミド共重合体、メチルアクリレート/ブチルメ
タクリレート共重合体、ヘキシルメタクリレート/メタ
クリル酸(9:1)共重合体などがある。
【0043】これらの塗布層の上(最外層)に、保護層
を設けることは有用である。保護層に用いる素材として
は、親水性ポリマー及び疎水性ポリマー或いはラテック
ス等を用いることができる。該親水性ポリマー及びラテ
ックスとしては、前述の分散媒体としての親水性ポリマ
ー及び重合体ラテックスを用いることができる。疎水性
ポリマーとしては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビ
ニルホルマール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−アクリル酸共重合体、塩化ビニル樹脂、ポリ
メチルメタクリレート、アクリル酸エステル−メタクリ
ル酸エステル共重合体、ポリエステル樹脂、酢酸ビニル
−塩化ビニル共重合体、ポリカーボネート樹脂、スチレ
ン−無水マレイミド共重合体、スチレン−ビニルトルエ
ン共重合体、クロロスルホン化ポリエチレン、ニトロセ
ルロース、ポリオレフィン、ポリイミド等を挙げること
ができる。又、シランカップリング剤等の有機物質、ω
−トリコサン酸、ジオクタデシルジメチルアンモニウム
クロライド及びステアリン酸メチルなどのラングミュア
ー・プロジェット法(LB法)により形成される累積膜
も用いることができる。アルミニウムなどの金属蒸着膜
も差し支えない。該保護層に用いる素材は、先に述べた
様に好ましくは350nm、より好ましくは320nm
より長波に吸収を有しないものが有用である。
【0044】本発明のフォトクロミック化合物を含む感
光層の厚さは、目的にもよるが、150μ以下程度、特
に20μ以下であることが望ましく、2 〜6層に積層さ
れていてもよい。該保護層の塗布膜の厚さは、10μm
以下、特に5μm以下が望ましい。
【0045】必要により用いる硬膜剤としては、米国特
許第4,678,739号第41欄、特開昭59−11
6655号、同62−245261号、同61−189
42号、特開昭62−234157号等に記載の硬膜剤
が挙げられる。より具体的には、アルデヒド系硬膜剤
(ホルムアルデヒドなど)、アジリジン系硬膜剤、エポ
キシ系硬膜剤、ビニルスルホン系硬膜剤(N,N′−エ
チレン−ビス(ビニルスルホニルアセタミド) エタンな
ど) 、N−メチロール系硬膜剤(ジメチロール尿素な
ど)、あるいは高分子硬膜剤などに記載の化合物が挙げ
られる。上記硬膜剤のうちで、塗布性(即ち、塗布液の
溶解経時安定性及び塗布時の隣接層との反応性など)及
び膜質(生サンプルの経時安定性及び硬膜性など)及び
の観点より、エポキシ系硬膜剤が特に好ましい。エポキ
シ系硬膜剤としては、具体的には特開昭62−9194
2号記載の硬膜剤を挙げることができる。
【0046】本発明の組成物ないし要素の用途として
は、印刷物、染料、転写剤、サングラス、保護メガネ、
光記録材料、調光材料、調光フィルター、表示材料、イ
ンテリア用品、玩具、光量計、衣服、化粧品、筆記具な
どが挙げられるが、UV光を含む太陽光の強さに迅速に
対応して、発色量をコントロールする調光フィルター或
いはサングラスなどの用途に特に有用である。
【0047】本発明に用いられる基体としては、先に挙
げた用途に応じて色々なものが選べるが、具体的には、
金属、陶磁器、繊維、木材、合成樹脂、ガラス或いは各
種のプラスチックフィルム、プラスチックレンズなどが
利用できる。加工性、重量、強度及び透明性などを兼ね
備えている点で、プラスチック製品が好ましい。例え
ば、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、ポ
リメタアクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリカーボ
ネート、ポリウレタン、ナイロン、トリアセチルセルロ
ース、ポリアクリレート、ポリスルホン、ポリエーテル
スルホン、ポリオレフィン、ポリイミド等或いはこれら
複数乃至ガラスとの積層材料は有効に利用できる。該フ
ォトクロミック化合物をメガネ或いはカメラ(特に高感
度レンズ付フィルム)などの調光材料として用いる場合
には透明な基体が特に好ましい。
【0048】本発明の感光性層及び保護層は、蒸着法、
カーテンコート、ブレードコート、スピンコート、ディ
ップコート、エクストルージョンコートなどの任意の塗
布方法により基体上に薄層として形成できる。更に必要
ならば米国特許第2761791号、同837095号
に記載されている方法により2層又はそれ以上の層を同
時に塗布することもできる。
【0049】本発明のフォトクロミック化合物を坦持し
た感光性組成物は、UV光の照射を受けていない時は安
定に無色であるが、一旦UV光を含む光の照射を受ける
と直ちに発色する。光源がUV光でも太陽光でも、室温
でも低温でも同様である。更に照射を止めると、速やか
に無色化する利点がある。これらの着色と無色化を安定
にかつ耐久性良く繰り返す。
【0050】
【実施例】次に本発明を実施例に基づき更に詳しく説明
する。 実施例1 フォトクロミック化合物乳化物、塗布組成物(1)の調
製 スピロピラン化合物として、具体例(1)0.1g、油
溶性サリチル酸誘導体として、3,5−ジ−α−メチル
ベンジルサリチル酸亜鉛0.07gを高沸点有機溶媒と
して、イソプロピル化トリフェニルフォスフェート0.
2g、酢酸エチル0.4gに溶解して、油相(A)とし
た。石灰処理ゼラチンの10%水溶液2gに界面活性剤
としてドデシルベンゼンスルフォン酸の5%水溶液を
0.2cc加え水相(B)とした。この油相と水相を混合
し、ミニホモジナイザーにて10000rpm にて5分間
乳化分散した。この乳化分散物に水3ccと14%ゼラチ
ン水溶液を2g添加して、感光層塗布組成物(1)を調
製した。
【0051】フォトクロミック感光材料101の作製 上記感光層塗布組成物(1)を100μm厚のポリエチ
レンテレフタレートフィルム上に、ウエット膜厚65μ
mとなるように塗布し40℃にて乾燥した。次にこの上
に、ゼラチン保護層を乾燥膜厚1μmとなるようにロッ
ドコート法により塗設し、フォトクロミックな感光材料
101を作製した。フォトクロミックな感光材料102
〜107の作製感光材料101においてスピロピラン化
合物、油溶性サリチル酸誘導体、親水性ポリマー及び/
又は高沸点有機溶媒を表−1の如くする以外は感光材料
101と同様にして感光材料102〜107を作製し
た。
【0052】比較例(1)〜(3)の作製 スピロピラン化合物として、具体例(1)及び(21)
を各々0.1g、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体1g
を10ccのテトラヒドロフランに溶解し、表−1の如く
した他は同様にしてポリエチレンテレフタレートフィル
ム上に乾燥膜厚8μmとなるように塗設して比較例の感
光材料(1)〜(2)を作製した。更に、比較例(2)
において塩化ビニル樹脂の代わりにポリメチルメタクリ
レートを用いて同様に比較例の感光材料(3)を作製し
た。
【0053】感光材料101〜107、及び比較例
(1)〜(3)を、23℃の屋外にて太陽光を5分間照
射し、発色濃度を表1に記載した。これらの結果から明
らかなように、本発明の感光性組成物は、高温での十分
な発色の点で優れていることが分かる。また、太陽光を
遮断した後の消色の点でも迅速であり許容範囲であっ
た。
【0054】
【表1】
【0055】実施例2 感光材料201〜203の作製 感光材料101〜103において、保護層をポリイソシ
アネートを10wt% 添加したポリビニルブチラールのエ
チルアルコール溶液を乾膜厚1μmとなるように塗布す
る以外同様にして感光材料201〜203を作製した。
実施例1と同様に、発色速度及び消色を調べた結果、実
施例1と同様に優れた発色性及び消色性を有していた。
又、塗布面に水滴を落とし10分間放置後、拭き取って
膜の耐水性を調べた結果、膜の面状に何ら変化は生じて
いなかった。
【0056】実施例3 フォトクロミックな感光材料301の作製 スピロピラン化合物(1)及び(21)各々を0.2
g、3,5−ジα−メチルベンジルサリチル酸亜鉛を
0.1g、エチレン・酢酸ビニル共重合体を2gをシク
ロヘキサン/酢酸エチル=50/50の混合溶媒20ml
に溶解し、100μmポリエチレンテレフタレートフィ
ルム上に乾燥膜厚7μmとなるように塗設し、感光材料
301を作製した。
【0057】感光材料301を、実施例1と同様に、3
5℃にてUV光を30秒間照射後、その発色濃度を測定
したところ、濃度0.31を示した。。これらの結果か
ら明らかなように、本発明のスピロピラン化合物、油溶
性サリチル酸誘導体及び有機溶剤を併用した感光性組成
物は、発色性の点で優れていることが分かる。又、油溶
性サリチル酸誘導体をサリチル酸亜鉛塩とした場合には
塗布表面に若干析出物が発生し、透明性を維持出来なか
った。
【0058】
【発明の効果】特定のスピロピラン化合物組成物をポリ
マーマトリックス中に液体状態で乳化分散した感光性組
成物を坦持した感光材料は、室温以下の低温度でも発色
濃度が高く、発色/消色速度が速い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 491/107 9271−4C C07D 491/107 493/10 493/10 F 495/10 495/10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フォトクロミックな特性を持ち、ピラン
    環とは異なる側に、少なくとも3個の環を有し、その中
    の少なくとも2個が芳香環であるスピロピラン化合物と
    油溶性サリチル酸誘導体とを有する感光性組成物。
  2. 【請求項2】 スピロピラン化合物が下記一般式(1)
    で示される化合物であり、油溶性サリチル酸誘導体が総
    炭素原子数10以上の化合物であることを特徴とする請求
    項1記載の感光性組成物。 【化1】 式中、R1 〜R6 は、各々水素原子または有機基を表わ
    す。R3 〜R6 は隣接位置で相互に環化して5〜8員の
    非金属原子からなる飽和又は不飽和の環を形成していて
    も良い。Xは5〜8員の非金属原子からなる飽和又は不
    飽和の環を形成するに必要な原子群を表す。A、Bは各
    々芳香環を表わす。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の感光性組成物を基体上に
    担持した要素。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008214303A (ja) * 2007-03-07 2008-09-18 Ricoh Co Ltd 二光子吸収材料とその用途
JP4588121B1 (ja) * 2009-06-10 2010-11-24 中外製薬株式会社 4環性化合物
JP2012126711A (ja) * 2010-11-22 2012-07-05 Chugai Pharmaceut Co Ltd 4環性化合物を含む医薬
CN112812123A (zh) * 2020-12-30 2021-05-18 吉林奥来德光电材料股份有限公司 一种空穴类化合物及其制备方法和有机电致发光器件
WO2021167027A1 (ja) * 2020-02-18 2021-08-26 株式会社トクヤマ フォトクロミック環状化合物、及び該フォトクロミック環状化合物を含む硬化性組成物

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