JPH09241400A - ポリエステルフイルム - Google Patents

ポリエステルフイルム

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JPH09241400A
JPH09241400A JP4738696A JP4738696A JPH09241400A JP H09241400 A JPH09241400 A JP H09241400A JP 4738696 A JP4738696 A JP 4738696A JP 4738696 A JP4738696 A JP 4738696A JP H09241400 A JPH09241400 A JP H09241400A
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polyester
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light
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幸彦 南平
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耕司 久保
Tetsuo Yoshida
哲男 吉田
Tetsuya Hasegawa
哲也 長谷川
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れたパール調外観を有し、印刷による色彩
付与が可能であり、高機能の遮光性及び隠蔽性を有する
ポリエステルフイルムを提供することにある。 【解決手段】 酸化チタン被覆処理を施した平均粒径が
3〜20μmのマイカを2〜20重量%含有するポリエ
ステル(A)からなる、厚さが5μm以上50μm以下
のポリエステルフイルムであって、該ポリエステル
(A)の融点が210〜270℃、二次転移温度が60
℃以上でありかつ該フイルムが下記式(I)を満足する
X線回折強度比を有することを特徴とするポリエステル
フイルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリエステルフイル
ム及び積層フイルムに関し、更に詳しくはパール調外観
を有し、遮光性及び隠蔽性に優れ、金属缶の外面被覆用
フイルム等に有用なポリエステルフイルム及び積層フイ
ルムに関する。
【0002】
【従来の技術】カーボンブラック等の黒色顔料を含有す
るポリエステルからなる黒色フイルム、酸化チタン等の
白色顔料を高濃度で含有するポリエステルからなる白色
フイルム、或いはアルミニウム等の金属を表面に蒸着し
た蒸着フイルムは、遮光性及び隠蔽性を有するフイルム
として包装材料や金属板、木工板の被覆用等に従来から
用いられている。
【0003】しかしながら、黒色フイルムは優れた遮光
性や隠蔽性を有するが、フイルムが黒色であるため印刷
等を施して用いる場合に鮮やかな色彩を付与することが
できない外観上の欠点がある。また、白色フイルムは厚
みが薄いものは遮光性や隠蔽性が不足する欠点がある。
更に、蒸着フイルムは蒸着層が薄いと遮光性や隠蔽性が
不足する欠点があり、蒸着層が厚いとコストが過大とな
る欠点や、可撓性に乏しいためフイルムを成形加工した
際に蒸着層の亀裂や剥離が生じる欠点がある。
【0004】このように従来から用いられている遮光性
や隠蔽性を有するフイルムは、上記の欠点があるためそ
の用途が限られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る従来技術の欠点を解消し、印刷を施した際に鮮やかな
色彩を付与することができ、フイルム厚みが薄くても優
れたパール調外観、遮光性、隠蔽性、可撓性を有し、特
にブリキ、ティンフリースチール、アルミニウム等の金
属板にラミネートした後、絞り加工等により製缶され印
刷機により色彩を付与される金属缶の外面被覆フイルム
に最適なポリエステルフイルムを提供することにある。
【0006】本発明の他の目的は、上記の特性のうちパ
ール調外観や遮光性、隠蔽性を更に優れたものとする積
層フイルムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は本
発明によれば、 1.酸化チタン被覆処理を施した平均粒径が3〜20μ
mのマイカを2〜20重量%含有するポリエステル
(A)からなる厚さが5μm以上50μm以下のポリエ
ステルフイルムであって、該ポリエステル(A)の融点
が210〜270℃、二次転移温度が60℃以上であ
り、かつ該フイルムが下記式(I)を満足するX線回折
強度比を有することを特徴とするポリエステルフイル
ム。
【0008】
【数3】
【0009】並びに 2.酸化チタン被覆処理を施した平均粒径が3〜20μ
mのマイカを2〜20重量%含有するポリエステル
(A)からなる厚さが2μm以上48μm以下のポリエ
ステル層(A)の少なくとも片面に、平均粒径が0.1
〜0.5μmの酸化チタンを1〜40重量%含有するポ
リエステル(B)からなる厚さが2μm以上48μm以
下のポリエステル層(B)を積層した積層フイルムであ
って、該ポリエステル(A)の融点が210〜270
℃、二次転移温度が60℃以上であり、該ポリエステル
(B)の融点が210〜245℃、二次転移温度が60
℃以上であり、かつ該積層フイルムが下記式(II)を満
足するX線回折強度比を有することを特徴とする積層フ
イルム。
【0010】
【数4】
【0011】によって達成される。以下、本発明を更に
詳細に説明する。
【0012】[ポリエステル(A)]本発明においてポ
リエステルフイルムの構成成分であるポリエステル
(A)は、ジカルボン酸成分とグリコール成分からなる
線状ポリエステルであり、融点が210〜270℃、二
次転移温度が60℃以上のポリエステルである。
【0013】かかるポリエステルとしては、例えばポリ
エチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン―2,
6―ナフタレート等の単独重合体或いは共重合体を挙げ
ることができる。
【0014】このうち特に、ポリエチレンテレフタレー
ト共重合体が好ましい。このポリエチレンテレフタレー
ト共重合体における共重合成分は、ジカルボン酸成分で
あってもグリコール成分であってもよく、ジカルボン酸
成分としては例えばイソフタル酸、フタル酸、ナフタレ
ンジカルボン酸等の如き芳香族ジカルボン酸、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等
の如き脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン
酸の如き脂環族ジカルボン酸等を挙げることができ、グ
リコール成分としては例えばブタンジオール、ヘキサン
ジオール等の如き脂肪族ジオール、シクロヘキサンジメ
タノールの如き脂環族ジオール等を挙げることができ
る。
【0015】これらの共重合成分は単独または二種以上
を使用することができる。ポリエチレンテレフタレート
共重合体における共重合成分の割合は、共重合成分の種
類にもよるが、結果として融点が210〜245℃、二
次転移温度が60℃以上となる割合であることが好まし
い。
【0016】ポリエステル(A)は、融点が210〜2
70℃(好ましくは210〜245℃)、二次転移温度
が60℃以上のポリエステルであるが、融点が210℃
未満であるとフイルムの耐熱性が不足し、例えば印刷工
程における加熱に耐えられない。一方融点が270℃を
超えると、ポリマーの結晶性が高すぎてフイルムのX線
回折強度比が小さくなりすぎ、即ち配向性が高くなりす
ぎて可撓性が低下する欠点や、マイカの高濃度添加が困
難になる欠点が生じる。また、二次転移温度が60℃未
満であると、溶融押出しによりフイルムを製造する際に
溶融ポリマーが冷却ドラムに粘着するため安定してフイ
ルムを製造することができず、また冷却ドラムの表面に
低分子量物が付着堆積するため均一な表面のフイルムを
得ることができない。
【0017】[ポリエステル(B)]本発明における積
層フイルムは、ポリエステル層(A)の少なくとも片面
に、ポリエステル層(B)を積層した積層フイルムであ
るが、ポリエステル層(B)の構成成分であるポリエス
テル(B)は、ジカルボン酸成分とグリコール成分から
なる共重合ポリエステルであり、融点が210〜245
℃、二次転移温度が60℃以上の線状ポリエステルであ
る。
【0018】かかるポリエステル(B)としては、例え
ば共重合ポリエチレンテレフタレート、共重合ポリエチ
レンイソフタレート、共重合ポリブチレンテレフタレー
ト、共重合ポリエチレン―2,6―ナフタレート等を挙
げることができる。
【0019】このうち特に、共重合ポリエチレンテレフ
タレートが好ましい。共重合ポリエチレンテレフタレー
トにおける共重合成分は、ジカルボン酸成分であっても
グリコール成分であってもよく、このジカルボン酸成分
としては、例えばイソフタル酸、フタル酸、ナフタレン
ジカルボン酸等の如き芳香族ジカルボン酸、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等
の如き脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン
酸の如き脂環族ジカルボン酸等を挙げることができる。
また、グリコール成分としては例えばブタンジオール、
ヘキサンジオール等の如き脂肪族ジオール、シクロヘキ
サンジメタノールの如き脂環族ジオール等を挙げること
ができる。これらの共重合成分は単独または二種以上を
使用することができる。
【0020】ポリエステル(B)における共重合成分の
割合は、その種類にもよるが、結果として融点が210
〜245℃、二次転移温度が60℃以上となる割合であ
る。この融点が210℃未満であると積層フイルムの耐
熱性が不足し、例えば印刷工程における加熱に耐えられ
ない。一方融点が245℃を超えると、ポリマーの結晶
性が高すぎてフイルムのX線回折強度比が小さくなりす
ぎ、即ち配向性が高くなりすぎて可撓性が低下する欠点
や、酸化チタンの高濃度添加が困難になる欠点が生じ
る。また、二次転移温度が60℃未満であると、溶融押
出しによりフイルムを製造する際に溶融ポリマーが冷却
ドラムに粘着するため安定してフイルムを製造すること
ができず、また冷却ドラムの表面に低分子量物が付着堆
積するため均一な表面のフイルムを得ることができな
い。
【0021】[ポリエステル]本発明におけるポリエス
テル(ポリエステル(A)およびポリエステル(B))
は、その製法によって限定されることはない。例えばポ
リエチレンテレフタレートの単独重合体または共重合体
の製法としては、テレフタル酸、エチレングリコール及
び必要の応じて加えた共重合成分をエステル化反応さ
せ、得られた反応生成物を更に重縮合反応させてポリエ
ステルとする方法、或いはジメチルテレフタレート、エ
チレングリコール及び必要の応じて加えた共重合成分を
エステル交換反応させ、得られる反応生成物を更に重縮
合反応させてポリエステルとする方法が好ましく用いら
れる。
【0022】尚、ポリエステルを製造する際に、必要に
応じ他の添加剤、例えば蛍光増白剤、酸化防止剤、熱安
定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等も添加することがで
きる。
【0023】[被覆処理マイカ]本発明に用いる酸化チ
タン被覆処理を施したマイカ(以下『被覆処理マイカ』
と略記する)は、平均粒径が3〜20μmのものであ
る。この平均粒径とは被覆処理マイカの長径(板状粒子
の平面方向における最大径)の平均値のことである。こ
の平均粒径が3μm未満であると、被覆処理マイカがフ
イルムの面方向に充分配向せず、ポリエステルフイルム
の光の反射特性(遮光性)が不足する。一方、平均粒径
が20μmを超えると、被覆処理マイカの大きさが大き
過ぎて溶融押出の際に濾過が困難になったりフイルム中
に被覆処理マイカの凝集物による異物が生じてフイルム
の品質を損ねる。
【0024】上記の被覆処理マイカとしては、例えばメ
ルク社(ドイツ)製のイリノジン(登録商標)やマール
社(アメリカ)製のMearlin(登録商標)等を挙
げることができる。
【0025】[ポリエステルフイルム]本発明における
ポリエステルフイルムは、フイルムのX線回折強度比が
下記式(I)を満足するものである。
【0026】
【数5】
【0027】このX線回折強度比が0.10未満のであ
ると、フイルムを成形加工する場合の可撓性に乏い等の
欠点が生じる。一方、X線回折強度比が0.20を超え
るとフイルムを成形加工性が不均一になること、フイル
ムの寸法安定性が不十分となること等の欠点が生じる。
【0028】かかるX線回折強度比を有するポリエステ
ルフイルムは、未延伸フイルムを二軸延伸することによ
り得ることができる。例えば、上述の被覆処理マイカを
含むポリエステル(A)を溶融し冷却ドラム上にキャス
トして未延伸フイルムとし、該未延伸フイルムを縦方向
もしくは横方向に延伸倍率2〜7倍で延伸して一軸延伸
フイルムとし、得られた一軸延伸フイルムを横方向もし
くは縦方向に延伸倍率2〜7倍で逐次延伸して二軸延伸
フイルムとすることにより得ることができる。または、
前記未延伸フイルムを縦方向および横方向にそれぞれ延
伸倍率2〜7倍で同時に二軸延伸して二軸延伸フイルム
とする得ることができる。尚、二軸延伸フイルムは必要
に応じて熱固定すること、或いは更に縦方向及び/又は
横方向に再延伸することもできる。
【0029】上記の延伸温度はポリエステルの二次転移
温度(Tg)以上の温度とすることが好ましい。尚、二
軸延伸フイルムの面積延伸倍率は4倍以上、特に6倍以
上とするのが好ましく、面積延伸倍率の上限は、フイル
ムの用途にもよるが、25倍迄、特に16倍迄とするの
が好ましい。延伸後に熱処理して配向結晶化を完結させ
ることもできる。
【0030】また、本発明におけるポリエステルフイル
ムは被覆処理マイカの含有割合が2〜20重量%であ
る。被覆処理マイカの含有量が2重量%以下であるとフ
イルムの遮光性が不足し、20重量%を超えると被覆処
理マイカの2次凝集物が多くなり安定して製膜すること
ができない。ポリエステルフイルムには被覆処理マイカ
と共に酸化チタンや硫酸バリウム等の白色顔料を配合さ
せることができる。
【0031】また、本発明のポリエステルフイルムは厚
さが5μm以上50μm以下のものである。この厚さが
5μm未満であるとフイルムの遮光性が不足し、或いは
被覆処理マイカを十分に包含することができないため製
膜の際にフイルムの破断やフイルムの孔あき等の欠点が
生じる。また、フイルムの厚さが50μmを超えると、
コストが過大となる欠点や、フイルムを成形加工する際
にフイルムに亀裂や剥離等の欠点が生じる。
【0032】[積層フイルム]本発明においては、フイ
ルムのパール調外観や遮光性、隠蔽性を更に優れたもの
とするため積層フイルムとすることができる。この積層
フイルムは、酸化チタン被覆処理を施した平均粒径が3
〜20μmのマイカを2〜20重量%含有するポリエス
テル(A)からなる厚さが2μm以上48μm以下のポ
リエステル層(A)の少なくとも片面に、平均粒径が
0.1〜0.5μmの酸化チタンを1〜40重量%含有
するポリエステル(B)からなる厚さが2μm以上48
μm以下のポリエステル層(B)を積層した積層フイル
ムであって、該ポリエステル(A)の融点が210〜2
70℃、二次転移温度が60℃以上であり、該ポリエス
テル(B)の融点が210〜245℃、二次転移温度が
60℃以上でありかつ該積層フイルムが下記式(II)を
満足するX線回折強度比を有することを特徴とする積層
フイルムである。
【0033】
【数6】
【0034】このX線回折強度比が0.10未満のであ
ると、積層フイルムを成形加工する場合の可撓性に乏い
等の欠点が生じる。一方、X線回折強度比が0.20を
超えるとフイルムを成形加工性が不均一になること、積
層フイルムの寸法安定性が不十分となること等の欠点が
生じる。
【0035】かかるX線回折強度比を有する積層フイル
ムは、未延伸積層フイルムを前記ポリエステルフイルム
と同様の条件で二軸延伸することにより得ることができ
る。尚、未延伸積層フイルムは被覆処理マイカを含むポ
リエステル(A)と、酸化チタンを含むポリエステル
(B)とを各々押出機により溶融し、各溶融ポリマーを
導管内或いは成型用口金(ダイス)内部で合流させて多
層状態とし、これを口金から吐出させ、冷却ドラムにて
冷却固化させることにより得ることができる。
【0036】上記のポリエステル層(B)は、酸化チタ
ンを1〜40重量%、好ましくは5〜35重量%含有す
るものである。酸化チタンの割合が1重量%未満である
と白色遮光性が不十分となり、一方、40重量%を超え
ると積層フイルムの可撓性が低下する。
【0037】また、本発明の積層フイルムは、ポリエス
テル層(A)の厚さが2μm以上48μm以下、ポリエ
ステル層(B)の厚さが2μm以上48μm以下のもの
である。ポリエステル層(A)の厚さが2μm未満であ
ると、被覆処理マイカが脱落する欠点が生じ、48μm
を超えるとコストが過大となる欠点や、フイルムを成形
加工する際にフイルムに亀裂や剥離等の欠点が生じる。
【0038】また、ポリエステル層(B)の厚さが2μ
m未満であると遮光性や隠蔽性が低下する欠点が生じ、
48μmを超えるとパール調外観を損なう欠点が生じ
る。
【0039】[酸化チタン]本発明の積層フイルムに用
いる酸化チタンは、平均粒径が0.1〜0.5μmのも
のである。この平均粒径が0.1μm未満であると、積
層フイルムの遮光性が不足し、平均粒径が0.5μmを
超えると遮光性の発現効率が低下するため酸化チタンを
高濃度で配合しなければ遮光性を良好なものとすること
ができない欠点が生じる。
【0040】上記の酸化チタンには、隠蔽性、遮光性に
対する効果が大きく、安価であることから、ルチル型の
二酸化チタンが特に好ましい。酸化チタンに加えて、一
種以上の他の顔料を複数併用することもできる。
【0041】[組成物]本発明においては、ポリエステ
ルフイルムにポリエステル(A)と被覆処理マイカとの
組成物を、また積層フイルムのポリエステル層(A)に
ポリエステル(A)と被覆処理マイカとの組成物、ポリ
エステル層(B)にポリエステル(B)と酸化チタンと
の組成物を用いるが、かかる組成物ば、各種の方法を用
いて得ることができる。その代表的な方法として、下記
の方法を挙げることができる。 (ア)被覆処理マイカ、或いは酸化チタン、その他の白
色顔料等をポリエステル合成の際のエステル交換終了
前、またはエステル化反応の終了前に、もしくは重縮合
反応開始前に添加する方法。 (イ)被覆処理マイカ、或いは酸化チタン、その他の白
色顔料等をポリエステルに添加し、溶融混練する方法。 (ウ)上記(ア)、(イ)の方法において、被覆処理マ
イカ、或いは酸化チタン、その他の白色顔料等を多量に
添加したマスターペレットを製造し、被覆処理マイカ、
或いは酸化チタン、その他の白色顔料等を含有しないポ
リエステルと混練し、所定量の濃度含有させる方法。
【0042】なお、(ア)のポリエステル合成の際に被
覆処理マイカ、或いは酸化チタン、その他の白色顔料等
を添加する方法を用いる場合には、これらをグリコール
に分散させ、スラリーとして反応系に添加することが好
ましい。
【0043】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に説明す
る。なお、例中の特性は次の方法で求めた。
【0044】1.X線回折強度比 X線源としてCuK−αを用いて、発散スリット1/2
°、散乱スリット1/2°受光スリット0.15mm、
スキャンスピード1,000°/分の条件で測定し、Ps
eudo Voight ピールモデルを用いた多重ピール分離法に
より、
【0045】
【外1】
【0046】ただし、X線回折強度は各結晶面の回折ピ
ークの面積を求め、この面積をX線回折強度とした。ま
た酸化チタン等の顔料に起因する反射ピーク(アナター
ゼ(101)、ルチル(110))がI(100)の近
くにあるが、これを除いて面積を求めた。
【0047】2.融点 Du Pont Instruments社製・910
型・DSCを用い、約20mgのサンプルを常温から2
0℃/分の昇温速度で昇温させて得られる融解ピークの
ピーク頂温度を融点とする方法により測定した。
【0048】3.二次転移温度 Du Pont Instruments社製・910
型・DSCを用い、約20mgのサンプルを常温から2
0℃/分の昇温速度で300℃まで昇温し2分間保持し
た後常温以下まで急冷し、再度、昇温速度20℃/分で
昇温した際の吸熱、発熱の変曲点を二次転移温度とする
方法により測定した。
【0049】4.光線透過率(遮光性) ボイック積分球式光線透過率計を用いてフイルムの光線
透過率測定し、得られた結果から遮光性を下記の基準で
評価した。 光線透過率が30%未満 ……遮光性極めて良好 光線透過率が30%以上50%未満……遮光性良好 光線透過率が50%以上75%未満……遮光性やや良好 光線透過率が75%以上 ……遮光性不良
【0050】5.隠蔽性 硬度HBの鉛筆で文字を筆記した紙の上にフイルムを1
枚重ね、上から観察した際に紙に筆記された文字が読み
取れない場合を隠蔽性良好、読み取れなる場合を隠蔽性
不良とした。
【0051】6.パール調外観 フイルムを目視で観察し、真珠状の光沢を呈するものを
パール調外観が良好であると判定した。
【0052】[実施例1]イソフタル酸を12モル%共
重合した融点228℃のポリエチレンテレフタレート
(固有粘度0.64、二次転移温度75℃)に酸化チタ
ン処理を施した平均粒径15μmのマイカ(メルク社製
・イリオジン111)を10重量%添加し、280℃で
溶融押出し急冷固化して厚み158μmの未延伸フイル
ムを得、該未延伸フイルムを温度110℃に加熱し縦方
向に3.2倍延伸し、次いで温度120℃で横方向に
3.3倍延伸し、引き続き190℃で熱固定して、厚み
15μm、X線回折強度比0.16の二軸配向フイルム
を得た。このフイルムの光線透過率は35.9%で遮光
性に優れたものであり、また優れた隠蔽性およびパール
調外観を呈した。
【0053】[比較例1]酸化チタン処理を施したマイ
カを添加しない以外は実施例1と同様にして二軸配向フ
イルムを得た。このフイルムの光線透過率は88.9%
で遮光性に劣るものであった。
【0054】[比較例2]酸化チタン処理を施したマイ
カを1重量%添加した以外は実施例1と同様にして二軸
配向フイルムを得た。このフイルムの光線透過率は7
7.5%で遮光性に劣るものであり、またパール調外観
に乏しいものであった。
【0055】[実施例2]酸化チタン処理を施したマイ
カを2重量%添加した以外は実施例1と同様にして二軸
配向フイルムを得た。このフイルムの光線透過率は7
1.0%で遮光性にやや優れたものであり、またパール
調外観を呈した。
【0056】[実施例3]酸化チタン処理を施したマイ
カを15重量%添加した以外は実施例1と同様にして二
軸配向フイルムを得た。このフイルムの光線透過率は2
3.8%で遮光性に優れたものであり、また優れた隠蔽
性およびパール調外観を呈した。
【0057】[実施例4]酸化チタン処理を施したマイ
カを20重量%添加した以外は実施例1と同様にして二
軸配向フイルムを得た。このフイルムの光線透過率は1
4.0%で極めて優れた遮光性を有し、また優れた隠蔽
性およびパール調外観を呈した。尚、この二軸配向フイ
ルムを製造する際、横方向に延伸するときにフイルムの
破断がまれに認められた。
【0058】[比較例3]酸化チタン処理を施したマイ
カを25重量%添加した以外は実施例1と同様にして二
軸配向フイルムの製造を試みたが、横方向に延伸すると
きにフイルムの破断が頻発し、二軸配向フイルムを製造
することができなかった。
【0059】[比較例4]縦方向に2.5倍、横方向に
2.5倍で延伸する以外は実施例1と同様にして二軸配
向フイルムを得た。このフイルムは、X線回折強度比が
0.23であり、フイルムの厚み斑および遮光性斑が著
しいものであり、実用に供することができないものであ
った。
【0060】[比較例5]未延伸フイルムの厚みを15
8μmとし、縦方向に3.4倍、横方向に3.5倍で延
伸する以外は実施例1と同様にして二軸配向フイルムを
得た。このフイルムは、X線回折強度比が0.09、厚
みが15μフイルムであったが、横方向に延伸するとき
にフイルムの破断が時折発生し、二軸配向フイルムを製
造することが困難であった。
【0061】[実施例5]イソフタル酸を11モル%共
重合した融点230℃のポリエチレンテレフタレート
(固有粘度0.68、二次転移温度74℃)に酸化チタ
ン処理を施した平均粒径15μmのマイカ(マール社製
・Mearlin3100)を10重量%添加したポリ
エステル(A)を押出機に供給し、280℃で溶融押出
した。一方、イソフタル酸を11モル%共重合した融点
230℃のポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.
68、二次転移温度74℃)に酸化チタン処理を10重
量%添加したポリエステル(B)を別の押出し機に供給
し280℃で溶融押出した。各々の溶融ポリマーをダイ
ス内部で合流させ2層構造とした後、口金から吐出さ
せ、次いで20℃に保たれた冷却ドラムににより冷却固
化させて2層の未延伸多層フイルム((A)層の厚み4
5μm、(B)層の厚み134μm)とした。次いで、
該未延伸多層フイルムを実施例1と同様に二軸延伸およ
び熱固定して、X線回折強度比0.15の二軸配向積層
フイルム((A)層の厚み4.3μm、(B)層の厚み
12.7μm)を得た。このフイルムの光線透過率は3
8.0%で遮光性に優れたものであり、また(A)層側
から観察した際に優れたパール調外観を呈し、(B)層
側から観察した際にパール調外観を呈するものであっ
た。
【0062】
【発明の効果】本発明のポリエステルフイルムや積層フ
イルムは、酸化チタンを被覆したマイカを高濃度で配合
させるたものであるため、該マイカの偏平性により光線
を吸収したり、屈折するのみでなく、反射させることが
でき、高機能のパール調外観、遮光性を発現させること
ができる。
【0063】特に、金属缶の外面被覆用フイルムに用い
た場合、パール調外観を有し、隠蔽性により金属表面の
外観欠陥等を隠蔽でき、更に印刷による色彩付与が可能
であるため金属缶の外観が優れたものになり、しかも遮
光性により被覆したフイルムの金属との接着部の光によ
る変質や劣化を防止できるため優れた機能を発揮でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 67:00 105:16 B29L 9:00 (72)発明者 長谷川 哲也 神奈川県相模原市小山3丁目37番19号 帝 人株式会社相模原研究センター内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化チタン被覆処理を施した平均粒径が
    3〜20μmのマイカを2〜20重量%含有するポリエ
    ステル(A)からなる厚さが5μm以上50μm以下の
    ポリエステルフイルムであって、該ポリエステル(A)
    の融点が210〜270℃、二次転移温度が60℃以上
    であり、かつ該フイルムが下記式(I)を満足するX線
    回折強度比を有することを特徴とするポリエステルフイ
    ルム。 【数1】
  2. 【請求項2】 パール調外観を有する遮光性フイルムに
    用いる請求項1記載のポリエステルフイルム。
  3. 【請求項3】 酸化チタン被覆処理を施した平均粒径が
    3〜20μmのマイカを2〜20重量%含有するポリエ
    ステル(A)からなる厚さが2μm以上48μm以下の
    ポリエステル層(A)の少なくとも片面に、平均粒径が
    0.1〜0.5μmの酸化チタンを1〜40重量%含有
    するポリエステル(B)からなる厚さが2μm以上48
    μm以下のポリエステル層(B)を積層した積層フイル
    ムであって、該ポリエステル(A)の融点が210〜2
    70℃、二次転移温度が60℃以上であり、該ポリエス
    テル(B)の融点が210〜245℃、二次転移温度が
    60℃以上であり、かつ該積層フイルムが下記式(II)
    を満足するX線回折強度比を有することを特徴とする積
    層フイルム。 【数2】
  4. 【請求項4】 パール調外観を有する遮光性フイルムに
    用いる請求項3記載の積層フイルム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007268710A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Teijin Dupont Films Japan Ltd 太陽電池裏面保護膜用ポリエステルフィルムおよびそれを用いた太陽電池裏面保護膜
WO2008018444A1 (fr) * 2006-08-09 2008-02-14 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. Matériau amortissant les vibrations
JP2008130625A (ja) * 2006-11-17 2008-06-05 Nichicon Corp 電子部品用被覆チューブおよび該チューブを被覆したアルミニウム電解コンデンサ

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