JPH09241363A - 共重合ポリエステルの製造方法 - Google Patents

共重合ポリエステルの製造方法

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JPH09241363A
JPH09241363A JP4890896A JP4890896A JPH09241363A JP H09241363 A JPH09241363 A JP H09241363A JP 4890896 A JP4890896 A JP 4890896A JP 4890896 A JP4890896 A JP 4890896A JP H09241363 A JPH09241363 A JP H09241363A
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俊一 松村
Nobuaki Kido
伸明 城戸
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尚 串田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】芳香族ジヒドロキシ化合物のヒドロキシアルキ
ルエーテルを用いることなく、安価な芳香族ジヒドロキ
シ化合物をそのまま重合原料として用いることにより、
ビスフェノールのヒドロキシアルキルエーテルを共重合
したポリエステルを効率的に製造する方法を提供する。 【解決手段】芳香族ジカルボン酸低級アルキルエステル
(A)、芳香族ジヒドロキシ化合物(B)、アルキレン
カーボネート(C)、およびグリコール(D)を、特定
の当量比に混合し、反応せしめる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は共重合ポリエステル
の製造方法に関し、更に詳しくは芳香族ジヒドロキシ化
合物のヒドロキシアルキルエーテルをグリコール成分と
する共重合ポリエステルの改良された新規製造方法に関
する。
【0002】
【従来技術】芳香族ジヒドロキシ化合物(ビスフェノー
ル)をジオール成分とするポリエステル、いわゆるポリ
アリレートは耐熱性が高く、エンジニアリングプラスチ
ックとして用いられている。しかしフェノール性のOH
は脂肪族OHに比べ反応性が大幅に低く、このビスフェ
ノールをポリエチレンテレフタレートの如き脂肪族グリ
コールよりなるポリエステルと共重合することは実質的
に不可能である。そこでビスフェノールをヒドロキシア
ルキルエーテル化してフェノール性のOHを脂肪族OH
とし、これを共重合成分として用いた各種のポリエステ
ルが提案されている。
【0003】例えば特開平2−269364号、特開平
4−42161号、特開平5−9278号等の各公報に
は、2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
のヒドロキシアルキルエーテルを共重合したポリエステ
ルがトナー用の樹脂として有用であることが開示されて
いる。また特開平6−49186号、特開平6−157
730号等の各公報には9、9−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)フルオレンのヒドロキシアルキルエーテルを
共重合したポリエステルが耐熱性、光学特性、成形性等
に優れていることが開示されている。これらのポリエス
テルの製造には対応するビスフェノールのヒドロキシエ
トキシエーテルが用いられている。
【0004】このビスフェノールのヒドロキシエトキシ
エーテルは、通常ビスフェノールにエチレンオキシド、
プロピレンオキシド等のオキシラン類を反応せしめるこ
とにより合成されている。しかしながら、この合成反応
は煩雑な上、エチレンオキシドは極めて毒性が強いなど
問題点が多い。さらに得られたビスフェノールのヒドロ
キシアルキルエーテルにはオキシラン類が2個以上付加
した副生成物が含まれるのが通例であるが、これを例え
ば蒸留等の方法により除去することは目的物の沸点が高
いため実質的に不可能である。また用いるビスフェノー
ルの種類にもよるが生成物の結晶性が一般に低いため再
結晶等による精製も困難な場合が多い。
【0005】したがって、このように別途合成されたビ
スフェノールのヒドロキシアルキルエーテルは、重合用
のモノマーとして使用できない場合や、使用可能な場合
でも、分離、精製操作を要し工程が煩雑になる上に、ポ
リマーのコストが高くなるなどの問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点のないビスフェノールのヒドロキシアルキルエー
テルを共重合したポリエステルの新規な製造方法を提供
することにある。
【0007】本発明の他の目的は、ビスフェノールのヒ
ドロキシアルキルエーテルを使用せず、ビスフェノール
を重合用原料としてそのまま用いて目的とするビスフェ
ノールのヒドロキシアルキルエーテルを共重合したポリ
エステルを製造する新規な方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記式(1)
で示される芳香族ジカルボン酸低級アルキルエステル
(A)、下記式(2)で示される芳香族ジヒドロキシ化
合物(B)、下記式(3)で示されるアルキレンカーボ
ネート(C)、および下記式(4)で示されるグリコー
ル(D)を、下記式(5)、(6)および(7)を満足
する当量比に混合し、反応せしめることを特徴とする共
重合ポリエステルの製造方法により達成することができ
る。
【0009】
【化2】
【0010】[式(1)において、R1は炭素原子数1
〜3のアルキルを、Ar1は炭素原子数6〜12の芳香
族残基を示す。式(2)において、Ar2は炭素原子数
6〜12の芳香族残基又は−Ar3−X−Ar3−(ここ
でAr3はハロゲンで置換されていてもよい炭素原子数
6〜10の芳香族残基、Xは−O−、−CO−、−SO
2−、−S−、又は異種原子を含有していてもよい炭素
原子数1〜15の2価の炭化水素残基を示す。) 式
(3)においてR2は環状カーボネート構造が5員環あ
るいは6員環を形成する炭素原子数2〜5のアルキレン
を示す。式(4)においてR3は炭素原子数2〜6のア
ルキレンを示す。]
【0011】
【数2】 0.01a≦b≦0.99a (5) 1.8b≦c≦3b (6) 1.1(a−b)≦d≦10(a−b) (7) [式(5)(6)および(7)において、a,b,cお
よびdはそれぞれ上記成分A,B,CおよびDの当量数
を示す。]
【0012】
【発明の実施の態様】以下本発明につき詳述する。
【0013】上記式(1)で示される芳香族ジカルボン
酸低級アルキルエステル(A)において、R1は炭素原
子数1〜3のアルキルを、Ar1は炭素原子数6〜12
の芳香族残基を示す。具体的には炭素原子数1〜3のア
ルキルとしてはメチル、エチル、プロピルを、炭素原子
数6〜12の芳香族残基としては、p−フェニレン、m
−フェニレン、2,6−ナフタレン、2,7−ナフタレ
ン、4,4’−ビフェニレン等を挙げることができる。
【0014】上記式(2)で示される芳香族ジヒドロキ
シ化合物(B)において、Ar2は炭素原子数6〜12
の芳香族残基又は−Ar3−X−Ar3−を示す。炭素原
子数6〜12の芳香族残基としてはp−フェニレン、m
−フェニレン、2,6−ナフタレン、2,7−ナフタレ
ン、1,5−ナフタレン、4,4’−ビフェニレン等を
挙げることができる。Ar3はハロゲンで置換されてい
てもよい炭素原子数6〜10の芳香族残基、Xは−O
−、−CO−、−SO2−、−S−、又はO、S等の異
種原子を含有していてもよい炭素原子数1〜15の2価
の炭化水素残基を示す。
【0015】かかるXとしては、具体的には下記式で表
される構造を例示することができる。
【0016】
【化3】
【0017】該芳香族ジヒドロキシ化合物(B)として
は具体的には、ハイドロキノン、レゾルシン、2,6−
ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタ
レン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒ
ドロキシナフタレン、4,4’−ジヒドロキシジフェニ
ル、2,2’−ジヒドロキシジフェニル、3,3’−ジ
ヒドロキシジフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、1,4−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)ベンゼン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)パーフロロプロパン、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スル
ホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、
4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−3,3、5−トリメチル−シクロヘキサ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フ
ェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1,1−ジフェニルメタン、9,9−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)−フルオレン、フェノールフタレ
イン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチル−フ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3
−クロル−フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシ−3−ブロモ−フェニル)プロパン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチル−フェニル)プ
ロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチル−
フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3−プロピル−フェニル)プロパン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシ−3−イソプロピル−フェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル
−フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
−3,5−ジクロル−フェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモ−フェニル)プ
ロパン、ビス(4−ヒドロキシ−3−クロル−フェニ
ル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモ−フ
ェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ
クロル−フェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−
3,5−ジブロモ−フェニル)スルホン、1,4−ビス
(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス
(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビ
ス(4−ヒドロキシフェノキシ)ジフェニル、1,4−
ビス(3−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、4,4’
−ビス(3−ヒドロキシフェノキシ)ジフェニル、1,
4−ビス{p−ヒドロキシ−α−クミル}ベンゼン、
1,3−ビス{p−ヒドロキシ−α−クミル}ベンゼン
等を挙げることができる。
【0018】上記式(3)で示されるアルキレンカーボ
ネート(C)において、R2は環状カーボネート構造が
5員環あるいは6員環を形成する炭素原子数2〜5のア
ルキレンを示す。アルキレンカーボネート(C)として
は具体的には、エチレンカーボネート、プロピレンカー
ボネート、トリメチレンカーボネート、ネオペチレング
リコール環状カーボネート等を挙げることができる。こ
れらのうちエチレンカーボネート、プロピレンカーボネ
ートが好ましく、エチレンカーボネートが特に好まし
い。
【0019】上記式(4)で示されるグリコール(D)
において、R3は炭素原子数2〜6のアルキレンを示
す。グリコール(D)としては具体的には、エチレング
リコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコ
ール、テトラメチレングリコール、ネオペンチレングリ
コール、ヘキサメチレングリコール等を挙げることがで
きる。これらのうちエチレングリコール、テトラメチレ
ングリコールが好ましい。
【0020】本発明の共重合ポリエステルの製造方法
は、上記の各成分を下記式(5)、(6)および(7)
を満足する当量比に混合し、これらを触媒の存在下に反
応せしめる。式(5)、(6)、および(7)におい
て、a,b,cおよびdはそれぞれ上記成分A,B,C
およびDの当量数を示す。
【0021】
【数3】 0.01a≦b≦0.99a (5) 1.8b≦c≦3b (6) 1.1(a−b)≦d≦10(a−b) (7) 式(5)は芳香族ジカルボン酸低級アルキルエステル
(A)に対する芳香族ジヒドロキシ化合物(B)の使用
割合を示している。ここで、0.01a>bではビスフ
ェノールをポリエステルに共重合する効果(例えば耐熱
性向上等)が小さく、またb>0.99aでは重合性が
低下する。この使用割合は下記式(5−1)を満足する
ことが好ましく、下記式(5−2)を満足することがよ
り好ましい。
【0022】
【数4】 0.03a≦b≦0.97a (5−1) 0.05a≦b≦0.95a (5−2) アルキレンカーボネート(C)の使用割合が芳香族ジヒ
ドロキシ化合物(B)に対して1.8倍当量未満では、
未反応のフェノール性OHの残留量が多くなって重合性
が低下し、また3倍当量より多いと未反応のアルキレン
カーボネートを留去させる必要が生じ好ましくない。ア
ルキレンカーボネート(C)の芳香族ジヒドロキシ化合
物(B)に対する使用割合は下記式(6−1)を満足す
ることが好ましく、下記式(6−2)を満足することが
より好ましい。
【0023】
【数5】 1.9b≦c≦2.7 (6−1) 2.0b≦c≦2.5 (6−2)
【0024】グリコール(D)の使用割合が上記式
(7)の範囲外となるとエステル交換反応が遅くなった
り、また重合性が低下したりして好ましくない。グリコ
ール(D)の使用割合は下記式(7−1)を満足するこ
とが好ましく、下記式(7−2)を満足することがより
好ましい。
【0025】
【数6】 1.3(a−b)≦d≦7(a−b) (7−1) 1.5(a−b)≦d≦4(a−b) (7−2)
【0026】かかる反応には触媒を使用することができ
る。かかる触媒としては、芳香族ジカルボン酸低級アル
キルエステル(A)とグリコール(D)とのエステル交
換反応および芳香族ジヒドロキシ化合物(B)とアルキ
レンカーボネート(C)とのエーテル化反応を促進する
ものであり、例えば以下に示す化合物を挙げることがで
きる。炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、
炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、酢酸カ
リウム等のアルカリ金属化合物;水酸化マグネシウム、
水酸化カルシウム、炭酸マグネシウム、酢酸カルシウ
ム、炭酸ストロンチウム等のアルカリ土類金属化合物;
酢酸マンガン等のマンガン化合物;ジブチル錫オキシ
ド、ジブチル錫ジアセテート、酢酸第一錫等の錫化合
物;酢酸亜鉛等の亜鉛化合物;テトラブチルチタネート
等のチタン化合物;三酸化アンチモン等のアンチモン化
合物;酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム化合物;等。
【0027】これら触媒の使用量は特に制限はないが、
芳香族ジカルボン酸低級アルキルエステル(A)に対
し、大略0.005〜0.5モル%程度の量である。これ
らの触媒は1種または2種以上を併用してもよい。
【0028】本発明の製造方法によれば、上記の各成分
を溶融反応せしめることにより、ビスフェノールのヒド
ロキシアルキルエーテルを共重合したポリエステルを直
接得ることができるが、この際芳香族ジヒドロキシ化合
物(B)の使用量に対して150モル%以上の炭酸ガス
が発生するまで反応せしめる。ここで発生する炭酸ガス
は芳香族ジヒドロキシ化合物(B)とアルキレンカーボ
ネート(C)との反応により生成するものであり、この
反応により芳香族ジヒドロキシ化合物(B)のヒドロキ
シアルキルエーテルが生成する。従って炭酸ガスの発生
量をモニターすることによりエーテル化反応の進行をチ
ェックすることができる。炭酸ガスの発生量は例えばガ
スフローメーター、ガス流量積算計などにより容易に測
定することができる。この発生量が芳香族ジヒドロキシ
化合物(B)の使用量に対して150モル%未満ではエ
ーテル化反応が不十分であり、結果として低反応性のフ
ェノール性のOH基の残留量が多くなり、重合性が低下
するなどの問題があることがある。炭酸ガスの発生量は
芳香族ジヒドロキシ化合物(B)の使用量に対して好ま
しくは160モル%以上、より好ましくは170モル%
以上、特に好ましくは180モル%以上である。
【0029】溶融反応時の反応条件としては、大略反応
温度が150〜260℃、好ましくは170〜240℃
程度、反応時間が30分〜8時間、好ましくは1〜6時
間程度である。この反応は常圧下、窒素、アルゴン等の
不活性ガス気流中で好ましく実施できるが、炭酸ガスの
発生が開始した後はこれら不活性ガスを強制的に導入す
る必要はなく、炭酸ガスの発生量測定のため一時的に不
活性ガス導入を停止することが好ましく実施される。こ
の場合、所定量の炭酸ガスの発生を確認した後不活性ガ
スを導入することが好ましい。
【0030】この反応時には上記のエーテル化反応と同
時に芳香族ジカルボン酸低級アルキルエステル(A)と
グリコール(D)および上記反応により生成した芳香族
ジヒドロキシ化合物(B)のヒドロキシアルキルエーテ
ルとのエステル交換反応が進行し、芳香族ジカルボン酸
低級アルキルエステル(A)のエステル残基を形成する
低級アルコールが生成し、反応系外へ留出する。本発明
の方法によれば炭酸ガス発生により低級アルコールの留
出が促進されエステル交換反応が速やかに進行する。
【0031】本発明の製造方法では、上記の溶融反応に
引き続いて溶融重合反応が実施される。この溶融重合反
応はポリエステルの分野において従来より実施されてい
る公知の方法をそのまま用いることができる。すなわち
反応条件としては反応温度が240〜320℃、好まし
くは260〜300℃程度、反応時間は30分〜8時
間、好ましくは1〜6時間程度である。反応は不活性ガ
ス雰囲気下の常圧から徐々に減圧とすることが好まし
く、最終的には高真空条件下とする。この重合反応時に
は重合用触媒として上記1段目の反応時に使用した触媒
をそのまま使用してもよいし、また他の触媒を別途添加
しても差し支えない。別途添加する場合には、1段目の
反応時に使用した触媒を失活剤等を添加することにより
不活性化しておくことが好ましい。
【0032】
【発明の効果】本発明の共重合ポリエステルの製造方法
によれば、従来のように芳香族ジヒドロキシ化合物のヒ
ドロキシアルキルエーテルを用いることなく、安価な芳
香族ジヒドロキシ化合物をそのまま重合原料として使用
可能である。従って原料コストが安価となるのはもちろ
んのこと、ヒドロキシアルキルエーテル化物の合成、精
製が困難であった各種の芳香族ジヒドロキシ化合物が使
用できるため、従来製造することができなかった新規構
造の共重合ポリエステルが直接合成可能となるなどその
工業的意義は極めて大きい。
【0033】本発明により得られる共重合ポリエステル
は繊維、フィルム、シート、プラスチックス、接着剤、
バインダー、コーティング用樹脂等として用いられる。
特にトナー用のバインダー樹脂として好適である。
【0034】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を詳述するが、本
発明はこれに限定されるものではない。実施例中、
「部」は重量部を示す。ポリマーの還元粘度(ηsp/
C)は、フェノール/1、1、2、2−テトラクロルエ
タン混合溶媒(重量比6/4)を用い、ポリマー濃度
1.2g/dl、温度35℃で測定した。またポリマー
の熱特性はDSCを用い、昇温速度20℃/分の条件下
で測定した。
【0035】[実施例1]テレフタル酸ジメチル194
部、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
91部、エチレンカーボネート71部、エチレングリコ
ール93部、および炭酸ナトリウム0.1部を撹拌装
置、精留塔を介した留出系を有する反応容器に入れ、常
温下で反応容器を窒素ガスで置換し、常圧下反応容器を
200℃に加熱した。内温が180℃になった時点で窒
素ガスの導入を停止し、反応留出系の末端に積算計を備
えたガスフローメーターを接続し、反応系内から発生す
る炭酸ガス量を測定した。反応温度200℃で1時間保
持した後、これを220℃に昇温しさらに1.5時間反
応させた。この時点で2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパンの仕込量に対して、184%の炭酸ガ
スが発生し、また59部のメタノールが留出した。次い
で得られた反応物を撹拌装置、真空留出系を備えた反応
容器に入れ、これにp−トルエンスルホン酸水和物0.
38部、テトラブチルチタネート0.1部を加え、常圧
下窒素気流中270℃で1時間、約20mmHgの弱真
空下で15分、更に1mmHg以下の高真空下で120
分間反応させた。得られたポリマーは淡黄色透明で、η
sp/C0.62、Tg80℃であった。
【0036】[実施例2]テレフタル酸ジメチル136
部、フェノールフタレイン111部、エチレンカーボネ
ート49部、エチレングリコール65部および炭酸ナト
リウム0.1部を実施例1と同様の反応容器に入れ、実
施例1同様に反応させた。この際、炭酸ガスの発生量は
フェノールフタレインの仕込み量に対し196%、メタ
ノールの流出量は42部であった。次に反応物を実施例
1と同様に重合用の反応容器に入れ、p−トルエンスル
ホン酸水和物0.35部、ジブチル錫ジアセテート0.0
7部を加えて、常圧下窒素気流中280℃で1時間、約
20mmHgの弱真空下で15分、更に1mmHg以下
の高真空下で120分間反応させた。得られたポリマー
は薄オレンジ色透明で、ηsp/C0.89、Tg120
℃であった。
【0037】[実施例3]フェノールフタレインに代
え、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレ
ン123部を用いる以外は実施例2と同様に反応させ
た。炭酸ガスの発生量は9,9−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)フルオレンの仕込み量に対し195%、メタ
ノールの流出量は41部であった。得られたポリマーは
無色透明で、ηsp/C0.74、Tg135℃であっ
た。
【0038】[実施例4]エチレンカーボネートに代
え、プロピレンカーボネート86部を用いる以外は実施
例1同様に反応させた。炭酸ガスの発生量は2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンの仕込み量に対
し190%、メタノールの流出量は58部であった。重
合反応はテトラブチルチタネートに代え、三酸化アンチ
モン0.12部を用い、実施例1と同様に実施した。得
られたポリマーは無色透明で、ηsp/C0.42、Tg
78℃であった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1)で示される芳香族ジカルボ
    ン酸アルキルエステル(A)、下記式(2)で示される
    芳香族ジヒドロキシ化合物(B)、下記式(3)で示さ
    れるアルキレンカーボネート(C)、および下記式
    (4)で示されるグリコール(D)を、下記式(5)、
    (6)および(7)を満足する当量比に混合し、反応せ
    しめることを特徴とする共重合ポリエステルの製造方
    法。 【化1】 [式(1)において、R1は炭素原子数1〜3のアルキ
    ルを、Ar1は炭素原子数6〜12の芳香族残基を示
    す。式(2)において、Ar2は炭素原子数6〜12の
    芳香族残基又は−Ar3−X−Ar3−(ここでAr3
    ハロゲンで置換されていてもよい炭素原子数6〜10の
    芳香族残基、Xは−O−、−CO−、−SO2−、−S
    −、又は異種原子を含有していてもよい炭素原子数1〜
    15の2価の炭化水素残基を示す。) 式(3)におい
    てR2は環状カーボネート構造が5員環あるいは6員環
    を形成する炭素原子数2〜5のアルキレンを示す。式
    (4)においてR3は炭素原子数2〜6のアルキレンを
    示す。] 【数1】 0.01a≦b≦0.99a (5) 1.8b≦c≦3b (6) 1.1(a−b)≦d≦10(a−b) (7) [式(5)(6)および(7)において、a,b,cお
    よびdはそれぞれ上記成分A,B,CおよびDの当量数
    を示す。]
  2. 【請求項2】 上記芳香族ジヒドロキシ化合物(B)の
    使用量に対して150モル%以上の炭酸ガスが発生する
    まで溶融反応せしめ、次いで溶融重合反応せしめること
    を特徴とする請求項1記載の共重合ポリエステルの製造
    方法。
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