JPH09241310A - 単分散樹脂微粒子の製造法 - Google Patents

単分散樹脂微粒子の製造法

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JPH09241310A
JPH09241310A JP4849296A JP4849296A JPH09241310A JP H09241310 A JPH09241310 A JP H09241310A JP 4849296 A JP4849296 A JP 4849296A JP 4849296 A JP4849296 A JP 4849296A JP H09241310 A JPH09241310 A JP H09241310A
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JP
Japan
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particles
fine particles
methacrylate
acrylate
seed
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JP4849296A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Fujii
徹也 藤井
Yugo Kumagai
雄五 熊谷
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐溶剤性に優れ、単分散性に優れる単分散樹
脂微粒子の製造法を提供する。 【解決手段】 25℃での溶解度パラメータが10.5
〜12である分散媒を用いる分散重合によって得られる
種粒子の存在下に重合性単量体を重合させることを特徴
とする単分散樹脂微粒子の製造法及び25℃での溶解度
パラメータが10.5〜12である分散媒を用いる分散
重合によって得られる種粒子の存在下に重合性単量体を
重合させるに際し、シード重合を利用することを特徴と
する単分散樹脂微粒子の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単分散樹脂微粒子
の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリマー微粒子は、液晶等に用いられて
いる各種スペーサ、各種フィルムの滑り性改質剤、液体
クロマトグラフィー用ゲル、イオン交換樹脂、プラスチ
ック改質剤等の分野において広く使用されている。従
来、ポリマー微粒子は、乳化重合、懸濁重合、シード重
合、分散重合、ポリマー析出法等により製造されてお
り、このうち、単分散微粒子を得るための手段として、
懸濁重合により得られたスチレン系重合体微粒子をふる
い分けし、その後、膨潤工程をへて、比較的均一で、か
つ、大きな粒子を得る方法(特開昭62−109807
公報)、単純にふるい分けにより単分散な微粒子を得る
方法があった。近年、耐溶剤性、粒子径分布均一性に優
れたポリマー微粒子の要求が高まってきている。しかし
ながら、従来の製法では、耐溶剤性が十分ではなく、ま
た、粒子径分布が均一ではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】請求項1記載の発明
は、耐溶剤性に優れ、単分散性に優れる単分散樹脂微粒
子の製造法を提供するものである。請求項2記載の発明
は、請求項1記載の発明の効果に加え、単分散性により
優れる単分散樹脂微粒子の製造法を提供するものであ
る。請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明の効果
に加え、単分散性により優れる単分散樹脂微粒子の製造
法を提供するものである。請求項4記載の発明は、耐溶
剤性に優れ、単分散性に優れる単分散樹脂微粒子の製造
法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記(1)〜
(4)に関する。 (1)25℃での溶解度パラメータが10.5〜12で
ある分散媒を用いる分散重合によって得られる種粒子の
存在下に重合性単量体を重合させることを特徴とする単
分散樹脂微粒子の製造法。 (2)種粒子の平均粒子径が3μm以上である前記
(1)記載の単分散樹脂微粒子の製造法。 (3)種粒子を重合性単量体で種粒子の膨潤比率が体積
比率で1.003〜15倍になるように膨潤させる工程
を含む、前記(1)記載の単分散樹脂微粒子の製造法。 (4)25℃での溶解度パラメータが10.5〜12で
ある分散媒を用いる分散重合によって得られる種粒子の
存在下に重合性単量体を重合させるに際し、シード重合
を利用することを特徴とする単分散樹脂微粒子の製造
法。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明に用いる種粒子は、25℃
での溶解度パラメータが10.5〜12である分散媒を
用いる分散重合によって得られるものである。この種粒
子の成分としては、例えば、重合性ビニル単量体を重合
して得られるビニル系重合体が挙げられる。
【0006】重合性ビニル単量体としては、例えば、ス
チレン、スチレン誘導体(α−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−クロルス
チレン、ヒドロキシスチレン等)、メタクリル酸、メタ
クリル酸エステル(メタクリル酸メチル、メタクリル酸
エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、
メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸ヘキシル、メタク
リル酸ヘプチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸
ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシ
ル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸グリシジル、
メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸プロポキシ
エチル、メタクリル酸ブトキシエチル、メタクリル酸メ
トキシジエチレングリコール、メタクリル酸エトキシジ
エチレングリコール、メタクリル酸メトキシエチレング
リコール、メタクリル酸ブトキシトリエチレングリコー
ル、メタクリル酸メトキシジプロピレングリコール、メ
タクリル酸フェノキシエチル、メタクリル酸フェノキシ
ジエチレングリコール、メタクリル酸フェノキシテトラ
エチレングリコール、メタクリル酸ベンジル、メタクリ
ル酸シクロヘキシル、メタクリル酸テトラヒドロフルフ
リル、メタクリル酸ジシクロペンテニル、メタクリル酸
ジシクロペンテニルオキシエチル等)、メタクリル酸N
−ビニル−2−ピロリドン、メタクリロニトリル、メタ
クリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、メタ
クリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキ
シプロピル、メタクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリ
ル酸2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル、メ
タクリル酸フタルイミドエチル、メタクリル酸フタルイ
ミドプロピル、メタクリル酸モルホリノエチル、メタク
リル酸モルホリノプロピル、メタクリル酸ジメチルアミ
ノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、ジアセ
トンメタクリルアミド、アクリル酸、アクリル酸エステ
ル(アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ペンチル、ア
クリル酸ヘキシル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オク
チル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル
酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸グリシ
ジル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸プロポキ
シエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸メト
キシジエチレングリコール、アクリル酸エトキシジエチ
レングリコール、アクリル酸メトキシエチレングリコー
ル、アクリル酸ブトキシトリエチレングリコール、アク
リル酸メトキシジプロピレングリコール、アクリル酸フ
ェノキシエチル、アクリル酸フェノキシジエチレングリ
コール、アクリル酸フェノキシテトラエチレングリコー
ル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸シクロヘキシル、
アクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸ジシク
ロペンテニル、アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエ
チル等)、アクリル酸N−ビニル−2−ピロリドン、ア
クリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロ
ピル、アクリル酸ヒドロキシブチル、アクリル酸2−ヒ
ドロキシ−3−フェニルオキシプロピル、アクリル酸グ
リシジル、アクリロニトリル、アクリルアミド、N−メ
チロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、
ビニルピリジン、アクリル酸フタルイミドエチル、アク
リル酸フタルイミドプロピル、アクリル酸モルホリノエ
チル、アクリル酸モルホリノプロピル、アクリル酸ジメ
チルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチルな
どが挙げられる。
【0007】これらの重合性ビニル単量体は、単独で又
は2種類以上を組み合わせて使用され、また、2種類以
上を組み合わせる場合の各重合性ビニル単量体の配合割
合は特に制限されるものではない。上記重合性ビニル単
量体の中では、高い重合度を期待することができる点か
ら、スチレン、スチレン誘導体、メタクリル酸エステル
及びアクリル酸エステルが好ましく、アルキル基の炭素
数が1〜5であるメタクリル酸エステル及びアルキル基
の炭素数が1〜5であるアクリル酸エステルがより好ま
しい。
【0008】分散重合法は、上記重合性ビニル単量体、
重合開始剤、分散剤を、上記重合性ビニル単量体は溶解
するがビニル系重合体は溶解しない分散媒中に溶解し、
撹拌下で重合させ、分散媒中に生成された種粒子を濾過
して取得する方法を利用することができる。このとき、
重合温度は、40〜110℃とすることが好ましく、重
合時間は、通常、1〜30時間である。上記重合性ビニ
ル単量体の配合量は特に制限されるものではないが、通
常、分散媒に対して1〜45重量%であり、10〜40
重量%とすることが好ましく、15〜35重量%とする
ことがより好ましい。この配合量が1重量%未満である
と、得られる種粒子の粒子径が小さくなり過ぎる傾向が
あり、45重量%を越えると、得られる種粒子の分散性
が劣る傾向がある。
【0009】本発明で使用される種粒子は、25℃での
溶解度パラメータ(Sp値)が10.5〜12である分
散媒中を用いて得られるものである。溶解度パラメータ
(Sp値)は次式で与えられる。
【化1】
【0010】溶解度パラメータが10.5未満である
と、分散媒中で重合体が析出しにくくなり、種粒子を得
ることが困難になる。一方、溶解度パラメータが12を
越えると、種粒子の粒子径分布の分散度が低くなり、ま
た、得られる樹脂微粒子の耐溶剤性が劣る。25℃での
溶解度パラメータ(Sp値)が10.5〜12である分
散媒としては、例えば、炭素数が3以上であるアルコー
ル類が挙げられ、このようなアルコール類としては、例
えば、n−プロピルアルコール、iープロピルアルコー
ル、N−ブタノール等が挙げられる。
【0011】重合開始剤としては、公知のものが使用で
き、例えば、過酸化アセチル、過酸化デカイノル、過酸
化ラウロイル、過酸化ベンゾイル、過酸化p−クロロベ
ンゾイル、過酸化2,4−ジクロロベンゾイル、過ジ炭
酸ジイソプロピル、過ジ炭酸ジ−2−エチル−ヘキシ
ル、アセチルシクロヘキサンスルホニルペルオキシド、
過酢酸tert−ブチル、過イソ酪酸tert−ブチル、2,
2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビ
ス(2−メチルブチロニトリル)、2,2′−アゾビス
−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2′−アゾビ
ス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、
過安息香酸tert−ブチル等が挙げられる。これらの重合
開始剤は単独で又は2種類以上を組み合わせて使用され
る。これらの重合開始剤の配合量は特に制限されるもの
ではないが、通常、単量体の総量に対して0.1〜15
重量%とされる。この配合量が0.1重量%未満である
と単量体の重合が生じにくい傾向があり、15重量%を
越えてもさらなる効果は期待できない傾向がある。
【0012】分散剤としては、例えば、分散媒に可溶な
界面活性剤が挙げられ、その中でも、造粒安定性の点か
ら、アニオン性の界面活性剤(ビストリデシルスルホコ
ハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウ
ム、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジシクロヘ
キシルスルホコハク酸ナトリウム、ジアミルスルホコハ
ク酸ナトリウム、ジイソプロピルナフタレンスルホン酸
ナトリウム、アルキルアミングアニジンポリイキシエタ
ノール等)が好ましい。分散剤の配合量は、特に制限さ
れるものではないが、通常、分散媒の総量に対して0.
03〜4重量%であり、0.2〜2重量%とすることが
好ましく、0.3〜1重量%とすることがより好まし
い。この配合量が0.03重量%未満であると、得られ
る種粒子同士が凝集(合一)する傾向があり、4重量%
を越えてもさらなる効果は期待できない傾向がある。
【0013】本発明で使用される種粒子の合成の際に
は、種粒子の析出を容易にする点から、種粒子の合成に
使用する重合性単量体がグラフト可能な重合体を分散媒
中に溶解させて重合させることが好ましい。このような
重合体としては、例えば、ポリビニルピロリドン等が挙
げられる。このような重合体の配合量は、特に制限され
るものではないが、通常、分散媒の総量に対して0.1
〜10重量%であり、0.5〜5重量%とすることが好
ましく、1〜3重量%とすることがより好ましい。この
配合量が0.1重量%未満であっても10重量%を越え
ても、造粒性が劣る傾向がある。本発明で使用される種
粒子の平均粒子径は3μm以上であることが好ましく、
5μm以上であることがより好ましい。この平均粒子径
が3μm未満であると、得られる樹脂微粒子の分散度が
低下する傾向がある。
【0014】本発明の単分散樹脂微粒子は、前記種粒子
の存在下に重合性単量体を重合させて製造することがで
きる。重合方法としては、例えば、シード重合法を利用
することができる。シード重合法を利用し、前記種粒子
の存在下に重合性単量体を重合させて単分散樹脂微粒子
を製造する方法としては、例えば、分散媒に前記種粒子
及び分散剤を添加し、撹拌し、超音波分散等を用いて均
一に分散させた後、重合性単量体及び重合開始剤を添加
し、撹拌下で加熱し、これにより、前記種粒子を前記重
合性単量体で十分に膨潤させ、さらに、重合禁止剤を添
加し、必要に応じて分散剤を添加し、撹拌下で加熱し、
これにより前記重合性単量体を重合させる方法を使用す
ることができる。加熱条件は、例えば、40〜110
℃、1〜30時間である。
【0015】重合性単量体としては、例えば、ビニル基
を2個以上有する単量体を使用することができ、このよ
うな単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、グリ
コール(アルキレングリコール等)とメタクリル酸又は
アクリル酸との反応生成物(エチレングリコールジメタ
クリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレ
ート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,
5−ペンタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキ
サンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコー
ルジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリ
レート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポ
リエチレングリコールジメタクリレート、トリプロピレ
ングリコールジメタクリレート、ヒドロキシピバリン酸
ネオペンチルグリコールエステルジメタクリレート、ト
リメチロールエタントリメタクリレート,トリメチロー
ルプロパントリメタクリレート、ペンタエリトリットト
リメタクリレート、ペンタエリトリットテトラメタクリ
レート、トリスメタクリロキシエチルホスフェート、ビ
ス(メタクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイ
ソシアヌレート、トリス(メタクリロイルオキシエチ
ル)イソシアヌレート、エチレングリコールジアクリレ
ート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、
1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペン
タンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオー
ルジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレ
ート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチ
レングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコー
ルジアクリレート、トリプロピレンジアクリレート、ヒ
ドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレ
ート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメ
チロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリッ
トトリアクリレート、ペンタエリトリットテトラアクリ
レート、トリスアクリロキシエチルホスフェート、ビス
(メタクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソ
シアヌレート、トリス(メタクリロイルオキシエチル)
イソシアヌレート等)、メタクリル酸グリシジルとメタ
クリル酸又はアクリル酸のハーフエステル化物、ビスフ
ェノール型エポキシ樹脂とメタクリル酸又はアクリル酸
のハーフエステル化物、アクリル酸グリシジルとメタク
リル酸又はアクリル酸のハーフエステル化物などが挙げ
られる。これらのビニル基を2個以上の有する単量体は
単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0016】これらのビニル基を2個以上の有する単量
体の中では、重合が容易である点から、ジビニルベンゼ
ン、炭素原子数2〜6個のアルキレングリコールとジメ
タクリレート又はジアクリレートとの反応生成物が好ま
しい。これらのビニル基を2個以上有する単量体の配合
量は特に制限されるものではないが、配合する種粒子と
単量体の総量に対して0.3〜20重量%とすることが
好ましい。この配合量が0.3重量%未満であると、得
られる樹脂微粒子の耐溶剤性が劣る傾向があり、20重
量%を越えると、得られる樹脂微粒子の粒子形状が異形
化する傾向がある。また、ビニル基を2個以上の有する
単量体以外の単量体も使用することができ、このような
単量体としては、例えば、前記重合性ビニル単量体が挙
げられる。
【0017】前記重合性単量体と種粒子の配合量は特に
制限されるものではないが、前記重合性単量体と種粒子
の配合量の総量が、分散媒に対して、1〜100重量%
であり、2〜75重量%とすることが好ましく、3〜5
0重量%とすることがより好ましい。この配合量が1重
量%未満であると、種粒子の膨潤が困難となる傾向があ
り、100重量%を越えると、得られる樹脂微粒子同士
が凝集(合一)する傾向がある。前記重合性単量体と種
粒子の配合量の比は、種粒子の配合量に対し、前記重合
性単量体の配合量を0.3〜1400重量%とすること
が好ましく、0.3〜1200重量%とすることがより
好ましく、0.3〜1000重量%とすることがさらに
好ましい。前記重合性単量体の配合量が0.3重量%未
満であると、種粒子の膨潤が困難となる傾向があり、1
400重量%を越えると、得られる樹脂微粒子の単分散
性が劣る傾向がある。
【0018】前記種粒子を膨潤させる際に使用される分
散媒は、特に制限されるものではなく、前記重合性単量
体が溶解しない分散媒を選択して使用する。分散媒とし
ては、例えば、無機溶剤類、有機溶剤類を使用すること
ができる。無機溶剤類としては、例えば、水、イオン交
換水等が挙げられ、有機溶剤類としては、例えば、炭化
水素類、アルコール類、ハロゲン炭化水素類、フェーノ
ール類、エーテル・アセタール類、ケトン類、脂肪酸
類、エステル類、窒素化合物類、硫黄化合物類、2個以
上の官能基を持つ各種有機化合物等が挙げられる。これ
らの分散媒は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使
用される。
【0019】分散剤としては、例えば、界面活性剤類、
分散媒に溶解可能なポリマー類、無機分散剤などが挙げ
られ、界面活性剤類としては、例えば、アニオン性界面
活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオ
ン界面活性剤等が挙げられ、分散媒に溶解可能なポリマ
ー類としては、例えば、ポリビニルアルコール等が挙げ
られ、無機分散剤としては、例えば、ヒドロキシアパタ
イト等が挙げられる。また、アニオン性界面活性剤とし
ては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
等が挙げられる。分散剤の配合量は特に制限されるもの
ではないが、分散媒に対して0.1〜20重量%とする
ことが好ましく、0.2〜10重量%とすることがより
好ましく、0.3〜5重量%とすることがさらに好まし
い。この配合量が0.1重量%未満であると、造粒が困
難となる傾向があり、10重量%を越えると、得られる
樹脂微粒子の濾過が困難となる傾向がある。
【0020】重合開始剤としては、前記したものが使用
でき、その配合量は特に制限されるものではないが、通
常、単量体の総量に対して0.1〜15重量%とされ
る。この配合量が0.1重量%未満であると種粒子の膨
潤が困難となる傾向があり、15重量%を越えてもさら
なる効果は期待できない傾向がある。重合禁止剤として
は、分散媒に溶解可能である重合禁止剤を使用すること
が好ましく、このように重合禁止剤としては、例えば、
p−ベンゾキノン、p−tert−ブチルカテコール、ニト
ロソベンゼン、ピクリン酸、ジチオベンゾイルジスルフ
ィド、塩化銅(II)等が挙げられる。重合禁止剤は、種
粒子の膨潤後の微小な粒子の形成を防止するために添加
されるものであり、その配合量は特に制限されるもので
はないが、通常、重合開始剤の配合量の2倍程度とされ
る。
【0021】なお、膨潤させるための時間を短縮する点
から、種粒子の膨潤の際に膨潤助剤も使用することが好
ましく、このような膨潤助剤としては、例えば、酢酸イ
ソアミル等が挙げられる。前記種粒子を膨潤させる際の
膨潤比率は、1.003〜15倍とすることが好まし
い。膨潤比率が1.003倍未満であると、粒子径の大
きな樹脂微粒子を得ることが困難になる傾向があり、1
5倍を越えると、得られる樹脂微粒子の分散度が低下す
る傾向がある。
【0022】なお、単分散樹脂微粒子を製造するにあた
っては、上記のように加熱して前記重合性単量体を重合
させた後、さらに加熱し、圧力等をかけて残った重合性
単量体を除去することが好ましい。また、用途にもよる
が、得られた単分散樹脂微粒子を、その微粒子を溶解し
ない液体等で洗浄することが好ましい。
【0023】本発明で製造される単分散樹脂微粒子は、
液晶等に用いられている各種スペーサ、各種フィルムの
滑り性、改質剤、液体クロマトグラフィー用ゲル、イオ
ン交換樹脂、プラスチック改質剤等において有効に利用
される。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。 製造例1〜5 ジムロート冷却管を接続して通水し、発生した蒸気を還
溜できるようにした1リットルセパラブルフラスコに、
分散媒、分散剤及びポリビニルピロリドンを表1に示す
配合量で配合し、窒素ガスを通し、30mmφ8枚タービ
ン羽根を用いて、回転数50rpm、70℃、30分間撹
拌し、分散剤及びポリビニルピロリドンを分散媒に完全
に溶解させた。続いて、表2に示す配合量で単量体及び
重合開始剤をガラスビーカーに入れて混合し、完全に溶
解した後、これを前記セパラブルフラスコに投入し、回
転数50rpm、70℃で20時間保持した。
【0025】その後、反応液が30℃以下になるまで冷
却した後、この反応液(分散液)を150メッシュ金網
に通過させ、フラスコ壁まで生長した粗大樹脂塊を除去
し、金網を通過した分散液をさらに桐山ロート(濾紙N
o.5C)を用いて濾過した。超音波分散機(VELBO
社製、型式:VS150、出力:50kHz150W)を
用い、ロート上に残った固形分を、500〜1000g
のメタノール及び500〜1000gのイオン交換水で
洗浄し、60℃−750mmHgの減圧下にて20時間乾燥
し、種粒子を得た。種粒子の含水率は0.3%以下であ
った。なお、種粒子が凝集していた場合は、卓上ミル
(三紳工業(株)製、WS−2型)で解砕した。以上のよ
うにして種粒子S−1〜5を得た。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】実施例1〜7及び比較例1〜3 ジムロート冷却管を接続して通水し、発生した蒸気を還
溜できるようにした1リットルセパラブルフラスコに、
分散媒及び分散剤を表3に示す配合量で配合し、分散剤
を分散媒に溶解させた。次に、前記超音波分散機を用
い、製造例で得られた種粒子S−1、S−2又はS−5
を1時間かけて分散させ、さらに、窒素ガスを通し、3
0mmφ8枚タービン羽根を用い、温度を15〜30℃に
保ちながら回転数240rpmで撹拌した。続いて、単量
体及び重合開始剤を表4に示す配合量でガラスビーカー
に入れて混合し、完全に溶解した後、これを前記セパラ
ブルフラスコに投入し、24時間撹拌を保持し続けた。
【0029】その後、前記セパラブルフラスコに5%ポ
リビニルアルコール水溶液(重合度1500以上、鹸化
度78.5〜81.5%)100gを投入し、回転数を
120rpmに下げた。そして、重合禁止剤及び炭酸水素
ナトリウム(pH調節剤)を表4に示す配合量で添加して
70℃に昇温して24時間保持し、さらに85℃に昇温
し、4時間保持した。
【0030】30℃以下になるまで冷却した後、反応液
(分散液)を150メッシュ金網に通過させ、金網上に
残った樹脂塊を除去した。金網を通過した分散液を桐山
ロート(濾紙No.5C)を用いて濾過した。前記超音波
分散機を用い、ロート上に残った固形分を500gのメ
タノール/イオン交換水(比率50重量%)に1時間か
けて分散させた。続いて、前記桐山ロート(濾紙No.5
C)を用いて分散液を濾過した。これらの分散−濾過
(洗浄)工程を5回繰り返した後、ロート上に残った固
形分をガラスビーカーに受け、60℃−750mmHgの減
圧下にて20時間乾燥させた。含水率は0.3%以下で
あった。前記卓上ミルを用い、乾燥した固形分を20g
につき5分の割合で解砕し、樹脂微粒子(E−1〜5及
びCE−1〜3)を得た。
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】評価 実施例1〜7及び比較例1〜3で得られた微粒子につい
て、体積平均粒子径、分散性及び耐溶剤性を評価し、表
5に示した。分散性の評価は、コールタカウンタTA−
II型(コールタ社製)で行い、3μm以下の微粒子は3
0μmアパチャー、3μmを越える微粒子は100μm
アパチャーを用い、数平均粒子径に対する体積平均粒子
径の比で評価した。また、平均粒子径もこの方法にて得
た。耐溶剤性の評価は、アセトン100gに得られた樹
脂微粒子を5g投入し、30℃、20時間放置した後の
状態を観察し、透明な物は耐溶剤性無し(×)、そうで
ないものは耐溶剤性あり(○)とした。なお、種粒子の
粒子径評価も前記方法と同様に行った。
【0034】
【表5】
【0035】表5から明らかなように、CE−1〜3の
樹脂微粒子は、分散性が1.14以上であり、単分散性
に劣り、また、CE−1及び2の樹脂微粒子は耐溶剤性
にも劣っていた。これに対し、E−1〜5の樹脂微粒子
は、分散性が1.03以下であり、単分散性に優れ、さ
らに耐溶剤性にも優れていた。
【0036】
【発明の効果】請求項1記載の単分散樹脂微粒子の製造
法は、耐溶剤性に優れ、単分散性に優れる単分散樹脂微
粒子の製造に好適である。請求項2記載の単分散樹脂微
粒子の製造法は、請求項1記載の発明の効果を奏し、さ
らに、単分散樹脂微粒子の単分散性により優れる。請求
項3記載の単分散樹脂微粒子の製造法は、請求項1記載
の発明の効果を奏し、さらに、単分散樹脂微粒子の単分
散性により優れる。請求項4記載の単分散樹脂微粒子の
製造法は、耐溶剤性に優れ、単分散性に優れる単分散樹
脂微粒子の製造に好適である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 25℃での溶解度パラメータが10.5
    〜12である分散媒を用いる分散重合によって得られる
    種粒子の存在下に重合性単量体を重合させることを特徴
    とする単分散樹脂微粒子の製造法。
  2. 【請求項2】 種粒子の平均粒子径が3μm以上である
    請求項1記載の単分散樹脂微粒子の製造法。
  3. 【請求項3】 種粒子を重合性単量体で種粒子の膨潤比
    率が体積比率で1.003〜15倍になるように膨潤さ
    せる工程を含む、請求項1記載の単分散樹脂微粒子の製
    造法。
  4. 【請求項4】 25℃での溶解度パラメータが10.5
    〜12である分散媒を用いる分散重合によって得られる
    種粒子の存在下に重合性単量体を重合させるに際し、シ
    ード重合を利用することを特徴とする単分散樹脂微粒子
    の製造法。
JP4849296A 1996-03-06 1996-03-06 単分散樹脂微粒子の製造法 Pending JPH09241310A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008062975A1 (en) * 2006-11-23 2008-05-29 Lg Chem, Ltd. Polymer particles having polymer brush and method of preparing the same
US8415436B2 (en) 2006-11-23 2013-04-09 Lg Chem, Ltd. Polymer particles having polymer brush and method of preparing the same

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