JP2004018556A - リビング開始種を有するポリマー粒子及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記の式(1)で示す繰り返し単位を主鎖中に有するポリマーから構成されてなるグラフト重合可能な真球状又は略球状ポリマー微粒子、及びその製造方法などを提供した。
−[(S1)m−A1]n− ……… (1)
(式中、S1は反応性二重結合モノマー由来の結合基、A1は原子移動ラジカル重合反応開始基を有する反応性二重結合モノマー由来の結合基であり、その際、S1、A1はそれぞれが同一であっても異なっていてもよく、また、mは0〜100,000の整数、nは3〜100,000の整数である。)
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リビングラジカル重合反応の開始基(以下、リビング開始種と略称する場合がある)を有するグラフト重合可能なポリマー微粒子とその製造方法、及び該ポリマー微粒子を母粒子とした機能性複合微粒子とその製造方法に関し、さらに詳しくは、ポリマーの分子鎖中に、原子移動ラジカル重合反応開始基(以下、ATRP開始基と略称する場合がある)を有し、グラフト重合化が可能である球状ポリマー微粒子とその製造方法、及び該ポリマー微粒子を母粒子とした機能性複合微粒子とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に高分子合成は、付加重合、水素移動重合、ポリ縮合、付加縮合等の公知の合成反応を用いることによって得ることができる。特にポリマー粒子を製造する場合は、塊状重合法や溶液重合法等により得らる樹脂を粉砕、滴下、分級等を行うことによって目的の粒子を得るか、ラジカル重合やイオン重合などを用いた懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法、これらをベースにしたシード重合法のような重合段階で適度な粒子を得る方法かの2つに大きく大別される。
【0003】
近年、ポリマー微粒子の用途が多様化されており、特に後者である懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法、これらをベースにしたシード重合法等を利用した場合は、容易に球状のポリマー粒子を得ることができる利点から、共重合粒子、架橋粒子、コア/シェル構造を有した粒子等の機能性微粒子も数多く開発され、電材分野、樹脂改質剤、塗料用添加剤、医療用素材等多くの分野に広く使用され、実用化されている。
【0004】
しかしながら、特に最近求められている粒子径は、ミクロンサイズの球状ポリマー微粒子であり、この種の用途に用いられるポリマー微粒子は、粒子径ができるだけ均一であることが求められている。
また、ナノテク技術の発展に伴いポリマー粒子表面も、高性能、高機能化が更に求められてきている。
従来高分子微粒子の製造方法としては、前述したような溶液重合法が用いられており、主に懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法、これらをベースにしたシード重合法等が使用されている。
【0005】
懸濁重合法は、水中で各種分散安定剤のもとビニル単量体の液滴を形成させ、重合開始剤を用いて重合体粒子を合成する方法であるが、得られる粒子は、数百μm以上という大径のものが主流であり、数ミクロンサイズの均一な粒子径を合成するには困難である。その為に、かなり濃度の高い懸濁安定剤のもと機械的、物理的に微細液滴を作成して合成を行う微細懸濁重合法という技術で、ミクロンサイズの粒子を合成することが試みられているが、その粒子径分布を狭くすることは非常に困難である。
【0006】
乳化重合法は、界面活性剤により生成したミセルを介して粒子を形成させる方法である。この方法であれば各粒子が均一に成長するため、粒子径分布の整った分散液が得られるが、生成した粒子径は、サブミクロン以下と非常に小さな径である。その為に、上記粒子を核として粒子を成長させるシード乳化重合法を用いることができるが、重合工程も長くなり、コスト的にも不利な点が多い。
一般にミクロンサイズの粒子を得る場合、最も効果的な製造方法として分散重合法が知られている。この方法は、重合性単量体は溶解するが、得られる重合体は、不溶となり析出する媒体において重合を行う方法であり、必要に応じて高分子分散剤を加えることで、粒子径が制御されたミクロンサイズの粒子を合成するには最も適した合成方法である。
しかし、一般のラジカル重合による共重合粒子、及びシード重合法を利用してコア/シェル構造等を有する複合粒子では、粒子表面の鎖長がランダムであり、構造上高分子鎖が入り組んでしまい、粒子表面の機能的、機械的特性は、未だ不十分である。
【0007】
最近、リビングラジカル重合法が注目を集めている。この方法では、分子量分布のシャープなポリマーを得ることが可能であり、更に容易にブロック化、グラフト化が可能なことから、機能的、機械的特性に優れ、粒子への応用が検討されている。例えば、特開2000−119307号公報のように、ラジカル開始剤とジチオカルバメート錯体との併用による分子量のシャープな重合体の製造方法や、特開平10−245408号公報のように、ラジカル開始剤とニトロキシド化合物とを併用して不飽和モノマーを重合して複合粒子を製造する方法などが提案されている。
しかし、前者のものは、重合体であり、分級や滴下法により粒子を生成しているのが殆どであり、球状化したミクロンサイズの粒子、しかも粒子径の制御された粒子を開発するまでには至っていない。また、後者のものは、シード粒子にブロックポリマーやグラフト化が可能であり、機能的、機械的特性に優れた粒子が可能であるが、粒子表面又は内部に結合したATRP(原子移動ラジカル重合反応、atom transfer radical polymerization)開始基を含有していないために、粒子に吸着しないモノマー及びフリーポリマーの残存量が多くなり、コスト的に不利な点が多く、複合粒子生成にも時間を要すという問題が生じている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、グラフト重合化が可能であり、分子量分布が狭く、粒子径が揃ったリビングラジカル重合反応の開始基を有する球状ポリマー微粒子とその製造方法、及び該ポリマー微粒子を母粒子とした機能性球状複合微粒子とその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記従来技術の問題点を克服するために、創意工夫を重ねた結果、リビングラジカル重合開始基を含有した反応性不飽和2重結合を有するモノマーと他の反応可能な不飽和二重結合を有するモノマーとを、溶液中で重合開始剤存在下で共重合させることにより、容易に粒子径の揃ったリビング開始基を有する球状ポリマー微粒子が得られることができ、更に得られた微粒子を母粒子として、遷移金属錯体存在化でシード重合を行うと、容易に母粒子内部又は表面より効率良く鎖長の揃ったグラフト化した機能性複合微粒子が得られることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて、完成するに至ったものである。
【0010】
すなわち、本発明の第1の発明によれば、下記の式(1)で示す繰り返し単位を主鎖中に有するポリマーから構成されてなるグラフト重合可能な真球状又は略球状ポリマー微粒子が提供される。
−[(S1)m−A1]n− ……… (1)
(式中、S1は反応性二重結合モノマー由来の結合基、A1は原子移動ラジカル重合反応開始基を有する反応性二重結合モノマー由来の結合基であり、その際、S1、A1はそれぞれが同一であっても異なっていてもよく、また、mは0〜100,000の整数、nは3〜100,000の整数である。)
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記ポリマーは、式中のmが0であるホモポリマーであって、分子内に原子移動ラジカル重合反応開始基とラジカル重合反応可能な不飽和2重結合を有するマクロモノマー(A)を溶液中でラジカル重合開始剤の存在下に重合させて得られることを特徴とする真球状又は略球状ポリマー微粒子が提供される。
さらに、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、前記ポリマーは、式中のmが0でないコポリマーであって、分子内に原子移動ラジカル重合反応開始基とラジカル重反応可能な不飽和2重結合を有するマクロモノマー(A)と、原子移動ラジカル重合反応開始基を含有しないラジカル重合反応可能な不飽和2重結合を有するモノマー(S)とを溶液中でラジカル重合開始剤の存在下に共重合させて得られることを特徴とする真球状又は略球状ポリマー微粒子が提供される。
【0011】
本発明の第4の発明によれば、第2又は3の発明において、前記マクロモノマー(A)は、次の一般式(2):
X−(R)−Y ……… (2)
(式中、Xは、不飽和二重結合を示し、Yは、原子移動ラジカル重合反応開始基であり、Rは、X及びYを繋いだ1種又は2種以上の結合基であり、無くても良い。)で示される構造を有することを特徴とする真球状又は略球状ポリマー微粒子が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第4の発明において、前記Xは、ビニル基、メタクリル基、又はアクリル基であることを特徴とする真球状又は略球状ポリマー微粒子が提供される。
さらに、本発明の第6の発明によれば、第4の発明において、原子移動ラジカル重合反応開始基(Y)は、次の一般式(3)〜(6):
【0012】
【化4】
【0013】
(式中、R3〜R12は、同一又は異なっていても良く、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリル基、置換アルキル基若しくは置換アリル基、又は炭素数6〜20のアリール基、アルキルアリール基、置換アリール基若しくは置換アルキルアリール基であり、Z1〜Z4はハロゲン原子である。)で示されるいずれかの開始種から由来することを特徴とする真球状又は略球状ポリマー微粒子が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、第6の発明において、原子移動ラジカル重合反応開始基(Y)は、次の一般式(7)〜(8):
【0014】
【化5】
【0015】
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリル基、置換アルキル基若しくは置換アリル基、又は炭素数6〜20のアリール基、アルキルアリール基、置換アリール基若しくは置換アルキルアリール基であり、Zはハロゲン原子を示す。)で示される構造を有することを特徴とする真球状又は略球状ポリマー微粒子が提供される。
さらに、本発明の第8の発明によれば、第7の発明において、原子移動ラジカル重合反応開始基(Y)は、次の一般式(9):
【0016】
【化6】
【0017】
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリル基、置換アルキル基若しくは置換アリル基、又は炭素数6〜20のアリール基、アルキルアリール基、置換アリール基若しくは置換アルキルアリール基であり、Zはハロゲン原子を示す。)で示される構造を有することを特徴とする真球状又は略球状ポリマー微粒子が提供される。
【0018】
本発明の第9の発明によれば、第3の発明において、前記モノマー(S)は、2つ以上の不飽和2重結合を有することを特徴とする真球状又は略球状ポリマー微粒子が提供される。
また、本発明の第10の発明によれば、第1〜9のいずれかの発明において、球の投影二次元図において、長径と短径の比が、
1 ≦ 長径/短径 ≦ 1.2
であることを特徴とする真球状又は略球状ポリマー微粒子が提供される。
さらに、本発明の第11の発明によれば、第1〜10のいずれかの発明において、下記の式で定義される粒子径分布CV値(バラツキ度)が15%以下であることを特徴とする真球状又は略球状ポリマー微粒子が提供される。
CV(%)=(標準偏差/平均粒子径)×100
【0019】
また、本発明の第12の発明によれば、第1〜11のいずれかの発明において、前記ポリマーの数平均分子量(Mn)は、100〜1,000,000であることを特徴とする真球状又は略球状ポリマー微粒子が提供される。
さらに、本発明の第13の発明によれば、第1〜12のいずれかの発明において、粒子径は、0.01〜500μmであることを特徴とする真球状又は略球状ポリマー微粒子が提供される。
【0020】
本発明の第14の発明によれば、分子内に原子移動ラジカル重合反応開始基とラジカル重合反応可能な不飽和2重結合を有するマクロモノマー(A)単独、又は該マクロモノマー(A)と原子移動ラジカル重合反応開始基を含有しないラジカル重合反応可能な不飽和2重結合を有するモノマー(S)とを溶液中に溶解させた後、ラジカル重合開始剤の存在下で光照射又は加熱してラジカル反応を行い、マクロモノマー(A)の重合又はそれとモノマー(S)との共重合が進行することにより生成するポリマーが溶液中に固体として析出することを特徴とする第1〜13のいずれかの発明の真球状又は略球状ポリマー微粒子の製造方法が提供される。
また、本発明の第15の発明によれば、第14の発明において、ラジカル重合開始剤の添加量は、全モノマーに対して0.01〜15重量%であることを特徴とする真球状又は略球状ポリマー微粒子の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第16の発明によれば、第14の発明において、全モノマーの濃度は、溶液中で0.01〜80重量%であることを特徴とする真球状又は略球状ポリマー微粒子の製造方法が提供される。
【0021】
一方、本発明の第17の発明によれば、第1〜13のいずれかの発明に係る真球状又は略球状ポリマー微粒子を母粒子とし、これにラジカル重合可能な不飽和モノマーをラジカル重合開始剤の存在下でシード重合して得られてなるポリマー複合微粒子が提供される。
また、本発明の第18の発明によれば、第1〜13のいずれかの発明に係る真球状又は略球状ポリマー微粒子を母粒子とし、これに原子移動ラジカル重合可能な不飽和モノマーを遷移金属錯体の存在下でシード重合して得られてなるポリマー複合微粒子が提供される。
さらに、本発明の第19の発明によれば、第18の発明において、母粒子の内部又は表面から結合を有するグラフト粒子であり、鎖長が揃っていることを特徴とするポリマー複合微粒子が提供される。
またさらに、本発明の第20の発明によれば、第19の発明において、グラフトされた鎖長の分子量分布指数[Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)]が1.8以下であることを特徴とするポリマー複合微粒子が提供される。
【0022】
本発明の第21の発明によれば、第18の発明において、前記遷移金属錯体は、次の一般式(10):
MZ(D) ……… (10)
(式中、Mは遷移金属であり、Zはハロゲン原子、(D)はリガンドを表す。)で示される化合物であることを特徴とするポリマー複合微粒子が提供される。
また、本発明の第22の発明によれば、第21の発明において、式中のMは銅原子、Zは臭素原子であることを特徴とするポリマー複合微粒子が提供される。
さらに、本発明の第23の発明によれば、第21の発明において、式中の(D)は、2,2’−ビピルジル、2,2’−ビ−4−ヘプチルピリジル、2−(N−ペンチルイミノメチル)ピリジン、スパルティン、又はトリス(2−ジメチルアミノエチル)アミンから選ばれる孤立電子対を有する有機化合物であることを特徴とするポリマー複合微粒子が提供される。
【0023】
一方、本発明の第24の発明によれば、第1〜13のいずれかの発明に係る真球状又は略球状ポリマー微粒子を、該微粒子が溶解しない溶液中に分散させた後、当該溶液に溶解する反応性二重結合を有するモノマーを添加し、ラジカル重合開始剤又は遷移金属錯体の存在下で光照射又は加熱してシード重合を行うことを特徴とする第17又は18の発明のポリマー複合微粒子の製造方法が提供される。
【0024】
本発明は、上記した如く、上記式(1)で示す繰り返し単位を主鎖中に有するポリマーから構成されてなるグラフト重合可能な真球状又は略球状ポリマー微粒子、該ポリマー微粒子を母粒子としたポリマー複合微粒子、及びそれらの製造方法などに係るものであるが、その好ましい態様としては、次のものが包含される。
【0025】
(1)第1の発明において、原子移動ラジカル重合反応開始基は、1−ブロモ−1−フェニルエタン、2−ブロモイソ酪酸エチル、p−トルエンスルホン酸クロライド、又は2−ブロモプロピオン酸エチルから選ばれた開始種から由来することを特徴とする真球状又は略球状ポリマー微粒子。
(2)第2〜8のいずれかの発明において、マクロモノマー(A)は、(ポリ)エチレングリコール−2−ブロモイソ酪酸エチル−(メタ)アクリル酸エステルであることを特徴とする真球状又は略球状ポリマー微粒子。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、項目毎に詳細に説明する。
1.ポリマー微粒子
本発明のポリマー微粒子は、形状が真球状又は略球状であって、ポリマーの分子鎖(主鎖)中に、下式(1)に示される繰り返し単位を有し、すなわち、原子移動ラジカル重合反応開始基(ATRP開始基)を有し、グラフト重合化が可能であることを特徴とするものである。
−[(S1)m−A1]n− ……… (1)
(式中、S1は反応性二重結合モノマー由来の結合基、A1は原子移動ラジカル重合反応開始基を有する反応性二重結合モノマー由来の結合基であり、その際、S1、A1はそれぞれが同一であっても異なっていてもよく、また、mは0〜100,000の整数、nは3〜100,000の整数である。)
【0027】
本発明のポリマー微粒子は、ATRP開始基を含有した反応性不飽和2重結合を有するマクロモノマー(A)と、ATRP開始基を含有しない他の反応可能な、例えばラジカル重合反応可能な不飽和2重結合を有するモノマー(S)とを、溶液中で重合開始剤存在下で、共重合して得られるグラフト化可能なATRP開始基を含有したポリマー粒子である。また、ATRP開始基を含有した反応性不飽和2重結合を有するマクロモノマー(A)のみを、溶液中で重合開始剤存在下で、重合して得ることもできる。
【0028】
このように、リビング(原子移動)ラジカル重合開始基を含有した反応性不飽和2重結合を有するモノマーと他の反応可能な不飽和二重結合を有するモノマーとを溶液中で重合開始剤存在下で共重合して得られる球状のポリマー微粒子は、粒径分布の揃った粒子が得られ、更に得られた微粒子を母粒子としてシード重合を行うと、容易に母粒子内部又は表面より鎖長の揃ったグラフト及びブロックポリマー化可能な機能性複合微粒子得ることができる。
【0029】
2.マクロモノマー(A)
本発明のポリマー微粒子に係る、前記のATRP開始基を含有した反応性不飽和2重結合を有するマクロモノマー(A)は、次の式
A = X−(R)−Y ……… (2)
を満たす(マクロ)モノマーである。式中、Xは、不飽和二重結合であり、Yは、原子移動ラジカル重合反応(ATRP)開始基であり、Rは、X及びYを繋いだ1種又は2種以上の結合基であり、無くても良い。
【0030】
式中のXは、反応性不飽和二重結合を有するモノマー又はコポリマーから得ることができる。これは、通常の不飽和二重結合を有するモノマー又はコポリマーから得ることができる。
その主成分となる反応性不飽和二重結合を有する原料単量体としては、その具体的に代表的なものを例示すると、(i)スチレン、ο−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2、4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3、4−ジクロルスチレンなどのスチレン類、(ii)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチルアクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリルの如き(メタ)アクリル酸エステル類、(iii)酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル類、(iv)アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの(メタ)アクリル酸誘導体、(v)ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類、(vi)ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン類、(vii)N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物、(viii)ふっ化ビニル、ふっ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、又はアクリル酸トリフルオロエチル、アクリル酸テトラフルオロプロピレルなどのフッ素アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル類等が挙げられ、これらは単独で使用しても良いし、また、2種類以上を併用しても良い。この中でも、好ましくはビニル基系、(メタ)アクリル基系、又はこれらのモノマーやコポリマーである。
【0031】
また、前記式中のYは、原子移動ラジカル重合反応(ATRP)開始基である。このATRP開始基とは、ATRP開始種等から得られるセグメント(Yはハロゲン原子だけでも良い)であり、セグメントとしてなり得るATRP開始種は、次のものが挙げられる。
【0032】
【化7】
【0033】
(式中、R3〜R12は、同一又は異なっていても良く、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリル基、置換アルキル基、置換アリル基、又は炭素数6〜20のアリール基、アルキルアリール基、置換アリール基、置換アルキルアリール基等であり、Z1〜Z4はハロゲン原子である。)
具体的には、例えば次のもの等が挙げられる。
【0034】
【化8】
【0035】
更に、具体的にATRP開始基となり得るYを例示すると、Yは、
【0036】
【化9】
【0037】
等が挙げられ、好ましくは、次のものである。
【0038】
【化10】
【0039】
さらに、前記マクロモノマー(A)を表す式中のRは、X及びYを繋いだ1種又は2種以上の結合基である。その結合基を形成し得るものとしては、X及びYとなり得る化合物から得られる残基やその他の結合可能なモノマー又はポリマー等が挙げられる。
モノマー又はポリマーとしては、その化合物中に同一又は異なった少なくとも2つ以上の反応基(活性水素基等)を有しているものであれば、使用可能である。反応基としては、例えば水酸基、アミノ基、チオール基、カルボキシル基、エーテル基等が挙げられる。
具体的にそのモノマー又はポリマーを例示すると、(i)エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ビスフェノール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,2−シクロヘキサジオール等の2価以上のアルコール類、(ii)エタノールアミン、2−メチルアミノエタノール、2−エチルアミノブタノール、2−プロピルアミノブタノール等のアルキルアルコールアミン類、(iii)アミノ安息香酸、3−アミノブタン酸等のアミノ基含有カルボン酸類、(iv)フタル酸、マイレン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水酢酸、アセチルサリチル酸等のジカルボン酸類、(v)エタンジチオール、1,4−ブタンジチオール等のジチオール類、(vi)乳酸、サリチル酸等のヒドロキシル基含有カルボン酸類、(vii)cis−1,3−ジアミノシクロブタン等のジアミン類等が挙げられる。
【0040】
本発明のポリマー微粒子に係る、具体的なATRP開始基を含有した不飽和2重結合を有するマクロモノマー(A)としては、例示すると、(ポリ)エチレングリコール−2−ブロモイソ酪酸エチル−(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。特にRの一部がポリエチレングリコールなどのようなポリマー基からなる場合は、比較的粒子表面にATRP開始基を保持し易いことから、コア/シェル構造となる複合粒子を得られやすくなる。
【0041】
3.反応可能な不飽和二重結合単量体(モノマー)(S)
本発明のポリマー微粒子に係る、前記のマクロモノマー(A)と共重合可能な原料単量体、すなわちATRP開始基を含有しない他の反応可能な不飽和二重結合単量体としては、その具体的に代表的なものを例示すると、(i)スチレン、ο−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2、4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3、4−ジクロルスチレンなどのスチレン類、(ii)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチルアクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリルの如き(メタ)アクリル酸エステル類、(iii)酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル類、(iv)アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの(メタ)アクリル酸誘導体、(v)ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類、(vi)ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン類、(vii)N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物、(viii)ふっ化ビニル、ふっ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、又はアクリル酸トリフルオロエチル、アクリル酸テトラフルオロプロピレルなどのフッ素アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル類等が挙げられ、これらは単独で使用しても良いし、また、2種類以上を併用しても良い。
【0042】
また、本発明においては、架橋構造を有するポリマー微粒子も生成可能である。そのためのマクロモノマー(A)と共重合可能な二つ以上不飽和二重結合を有する原料単量体としては、具体的に代表的なものを例示すると、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、グリセロールアクロキシジメタクリレート、N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルフォン等の化合物が挙げられる。これらは、単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。
さらに、各モノマーを共重合させたポリマー微粒子も合成可能である。
【0043】
4.重合方法
本発明のポリマー微粒子は、前記したように、ATRP開始基を含有した反応性不飽和2重結合を有するマクロモノマー(A)と、ラジカル重合反応可能な不飽和2重結合を有するモノマー(S)とを、溶液中で重合開始剤存在下で、共重合して得られる。
【0044】
(1)ラジカル重合開始剤
本発明に係るラジカル重合をする際に、使用する重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤を使用できる。具体的に代表的なものを例示すると、過酸化ベンゾイル、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスメチルブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル等のアゾ系化合物等が挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。
これらラジカル重合開始剤の添加量は、モノマー種、モノマー量、重合温度、目的の粒子径等によって左右されるが、通常全モノマーに対して、0.01〜15重量%であり、好ましくは0.05〜8重量%、更に好ましくは0.1〜6重量%、最良は0.5〜5重量%である。
【0045】
また、上記のラジカル重合開始剤と、必要に応じて、交換連鎖移動ラジカル重合開始剤(RAFT剤)やニトロキシド化合物(NO・ラジカルを有する化合物)を併用してもよい。RAFT剤としては、1−フェニルエチルジチオベンゾエート、2−フェニルプロパン−2−イルジチオベンゾエート、2−(エトキシカルボニル)プロパン−2−イルジチオベンゾエート、4−シアノペンタン酸ジチオベンゾエート、1−フェニルエチルジチオアセテート、2−フェニルプロパン−2−イルジチオアセテート、2−(エトキシカルボニル)プロパン−2−イルジチオアセテート、4−シアノペンタン酸ジチオアセテート、1−フェニルエチルN,N−ジエイチルアミノジチオホルメート、2−フェニルプロパン−2−イルN,N−ジエイチルアミノジチオホルメート、2−(エトキシカルボニル)プロパン−2−イルN,N−ジエイチルアミノジチオホルメート、4−シアノペンタン酸N,N−ジエイチルアミノジチオホルメート、O−フェニル−S−(2−フェニルエタン)ジチオカルボネート、O−フェニル−S−(2−フェニルプロパン)ジチオカルボネート、O−フェニル−S−(2−(エトキシカルボニル)プロパン)ジチオカルボネート、O−フェニル−S−(4−シアノペンタン酸)ジチオカルボネートなどが挙げられる。また、ニトロキシド化合物としては、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(以下「TEMPO」ともいう)、4−ヒドロキシ−TEMPO、4−アミノ−TEMPO、4−アセトアミド−TEMPO、4−アミノメチル−TEMPO、4−メトキシ−TEMPO、4−t−ブチル−TEMPO、3−ヒドロキシ−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル、3−アミノ−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル、3−アセトアミド−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル、3−メトキシ−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル、3−(アミノメチル)−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル、3−t−ブチル−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシルなどが挙げられる。
【0046】
(2)溶媒
本発明において用いられる溶媒は、重合性単量体(モノマー)は溶解するが、得られる重合体(ポリマー粒子)は不溶となり、析出する媒体である。
その具体的な重合溶媒として、代表的なものを例示すると、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチルブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチレンブリコールモノブチルエーテル等のエーテルアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、セロソルブアセテート等のエステル類;ペンタン、2−メチルブタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、2,2,3−トリメチルペンタン、デカン、ノナン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、p−メンタン、ジシクロヘキシル、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、アニソール(メトキシベンゼン)等の脂肪族又は芳香族炭化水素類;四塩化炭素、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、テトラブロムエタン等のハロゲン化炭化水素類;エチルエーテル、ジメチルエーテル、トリオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;メチラール、ジエチルアセタール等のアセタール類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の脂肪酸類;ニトロプロペン、ニトロベンゼン、ジメチルアミン、モノエタノールアミン、ピリジン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等の硫黄、窒素含有有機化合物類等が挙げられる。これらは、上記溶媒の条件以外に特に制限されることは無く、重合方法の用途に合った溶媒を、適宜選択すれば良い。また、これらは単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。
【0047】
(3)重合方法
本発明において、重合方法は、ラジカル重合を行える方法であれば、塊状重合方、溶液重合法等何でも良いが、好ましくは球状粒子が得られやすい、溶液重合法(懸濁重合、乳化重合、分散重合とそれらをベースとしたシード重合)が良い。更に好ましくは、ミクロンサイズの球状粒子ができる分散重合法とこれをベースとしたシード(溶液)重合法が良い。
【0048】
(4)分散剤、安定剤等
本発明において、ラジカル重合に際して、分散剤や安定剤などを必要に応じて使用することができる。特に、球状粒子を作製する場合は、使用可能な重合方法に応じて、(高分子)分散剤、安定剤、乳化剤、界面活性剤等を適宜選択して、使用することができる。
【0049】
それらについて、具体的に代表的なものを例示すると、分散剤や安定剤としては、ポリヒドロキシスチレン、ポリスチレンスルホン酸、ビニルフェノール−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ビニルフェノール−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のポリスチレン誘導体;ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポチエチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート等のポリ(メタ)アクリル酸誘導体;ポリメチルビニルエーテル、ポリエチルビニルエーテル、ポリブチルビニルエーテル、ポリイソブチルビニルエーテル等のポリビニルアルキルエーテル誘導体;セルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリ酢酸ビニル等のポリ酢酸ビニル誘導体;ポリビニルピリジン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリ−2−メチル−2−オキサゾリン等の含窒素ポリマー誘導体;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のポリハロゲン化ビニル誘導体;ポリジメチルシロキサン等のポリシロキサン誘導体等の各種疎水性又は親水性の分散剤、安定剤が挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。
【0050】
また、乳化剤(界面活性剤)としては、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、脂肪酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等のアニオン系乳化剤;アルキルアミン塩、第四級アンモニウム塩、アルキルベタイン、アミンオキサイド等のカチオン系乳化剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等のノニオン系乳化剤等が挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。
【0051】
(5)重合条件
本発明において、ラジカル重合に際しての重合条件は、脱気については、モノマーの種類、その添加量、開始剤種類、その添加量等により左右されるが、特に指定は無く、目的の粒子径が調整できればどちらでも良い。
また、重合温度についても、開始剤種、開始剤量、モノマー種、モノマー量、目的の粒子径等によって左右されるが、10〜120℃、好ましくは20〜100℃、更に好ましくは30〜90℃、最良は40〜80℃である。
さらに、重合時間は、4〜48時間程度であるが、シード重合により粒子径を大きくしていく場合はその限りでない。
合成装置については、特に指定は無く撹拌タイプ、振動タイプ等の公知の装置を使用することができ、スケール、用途にあった公知の技術や設備を使用すれば良い。
【0052】
また、モノマー濃度については、100×全モノマー/(全モノマー+溶媒)の値が0.01〜80重量%、好ましくは0.1〜50重量%、更に好ましくは0.5〜40重量%、最良は1〜30重量%である。
さらに、不飽和二重結合単量体(S)とリビングATRP開始基を含有した不飽和二重結合単量体(A)の共重合比率は、モル比で、不飽和二重結合単量体/ATRP開始基を含有した不飽和2重結合を有する単量体の割合が0〜500、好ましくは0〜300、更に好ましくは0.1〜250、最良は1〜200である。
【0053】
(6)得られたポリマー微粒子の物性
重合により得られたポリマー微粒子の粒子径は、0.01〜500μm、好ましくは0.05〜100μm、更に好ましくは0.1〜50μm、最良は0.1〜30μmである。
そして、ポリマー微粒子の粒子径分布は、下記の式で定義される粒子径分布CV値(バラツキ度)が15%以下であり、好ましくは14%以下、更に好ましくは12%以下、最良は10%以下である。
CV(%)=(標準偏差/平均粒子径)×100
【0054】
また、得られたポリマー微粒子の分子量は、数平均分子量(Mn)が100〜1,000,000程度、好ましくは300〜500,000であり、更に好ましくは500〜100,000、最良は1,000〜50,000である。但し、架橋構造を有するポリマー微粒子の場合、分子量はその限りではない。
【0055】
さらに、ポリマー微粒子の形状は、真球状又は略球状であって、球状粒子である。その球状粒子、すなわちATRP開始基を含有した球状粒子(C)は、球の投影二次元図において、 1 ≦ 長径/短径 ≦ 1.2 を満たすものである。
尚、本明細書においては、走査電子顕微鏡(日立 S−2150 以後SEMと称する)にて測定可能な倍率(50〜10,000倍)で写真を撮り、粒子1個に対して直径をランダムに15回測定し、長径及び短径を測定する。これをランダムにn=100繰り返し測定し、上記式を満たすものを球状粒子と定義した。
また、粒子径測定方法は、SEMにて測定可能な倍率(50〜10000倍)で写真を撮り、ランダムにn1=500個測定し、平均粒子径を測定した。
【0056】
5.ブロック化及びグラフト化した機能性複合微粒子
本発明においては、上記のATRP開始基を含有したポリマー微粒子を母粒子として、ラジカル重合開始剤又は遷移金属錯体の存在下、溶液中でシード重合を行うことにより、容易に母粒子表面より鎖長の揃ったグラフト化したブロックポリマー化可能な機能性複合微粒子を得ることができる。
【0057】
上記の母粒子としてのポリマー微粒子に、シード重合可能な不飽和二重結合単量体について説明する。
その主成分となる共重合可能な原料単量体としては、その具体的に代表的なものを例示すると、(i)スチレン、ο−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2、4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3、4−ジクロルスチレンなどのスチレン類、(ii)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチルアクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリルの如き(メタ)アクリル酸エステル類、(iii)酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル類、(iv)アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの(メタ)アクリル酸誘導体、(v)ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類、(vi)ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン類、(vii)N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物、(viii)ふっ化ビニル、ふっ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、又はアクリル酸トリフルオロエチル、アクリル酸テトラフルオロプロピレルなどのフッ素アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル類等が挙げられ、これらは単独で使用しても良いし、また、2種類以上を併用しても良い。
【0058】
シード重合に際して、添加する不飽和モノマ−の種類、不飽和モノマ−量は、グラフト化する用途、分子量及び目的の粒子表面の厚み層等に応じて添加すればよく、溶液中で悪影響を及ぼさない程度であれば、1度に添加しても良いし、徐々にモノマーを添加しても良い。
また、合成方法により母(シード)粒子の表面は、ランダムポリマー又はブロック化したポリマー粒子も製造可能である。
さらに、必要に応じて、重合開始剤、ATRP開始種、リビングRAFT(交換連鎖移動)剤、又はニトロキシド化合物から選ばれる少なくとも1つを使用してもよい。
【0059】
また、シード重合に際しては、遷移金属錯体を添加することが好ましい。これにより、光又は熱によって遷移金属錯体が触媒として作用し、活性化されるために、効率良く成長(重合)反応を行うことができる。
遷移金属錯体は、次式で示される遷移金属錯体である。
MZ(D) ……… (10)
(式中、Mは遷移金属であり、Zはハロゲン原子、(D)はリガンドを表す。)
【0060】
Mは、遷移金属であれば特に限定は無いが、好ましくは銅原子である。
また、Zのハロゲン原子は、特にフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が良く、更に好ましくは臭素原子である。
さらに、リガンドは、遷移金属との配位結合可能なものであれば特に限定は無いが、好ましくは炭素原子数1〜20、窒素原子数1〜10を有した孤立電子対を有する有機化合物が良い。更に好ましくは次式の構造を有するリガンドが良い。これらのリガンドは、単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。
【0061】
【化11】
【0062】
遷移金属錯体の添加量は、モノマーに対して、0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜8重量%、更に好ましくは0.05〜5重量%である。
また、ATRP開始基を含有したポリマー微粒子の添加量は、全溶液に対して、0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜25重量%、更に好ましくは1〜20重量%である。尚、添加量が30重量%超では、濃度及び粘度が上がりすぎて、異物が析出し易くなり、品質上良くない。
【0063】
さらに、必要に応じて使用することができる重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤を使用できる。具体的に代表的なものを例示すると、過酸化ベンゾイル、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスメチルブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル等のアゾ系化合物等が挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。
これらのラジカル重合開始剤の添加量は、モノマー種、モノマー量、重合温度、目的のグラフト化する分子量、粒子径等によって左右されるが、全モノマーに対して、0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜8重量%、更に好ましくは0.05〜5重量%である。尚、多量(10重量%超)に添加量を増やすと、異なった微粒子が生成する可能性があり、品質上良くない。
また、上記重合開始剤以外に、ATRP開始種、RAFT剤、又はニトロキシド化合物も必要に応じて少なくとも1つを使用することができる。
【0064】
シード重合に際して、用いられる溶媒は、重合性単量体(モノマー)は溶解するが、ATRP開始基を含有した微粒子が不溶な媒体および重合にあたり他の成分に支障をきたさない媒体であれば何でも良い。
その具体的な重合溶媒として、代表的なものを例示すると、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチルブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチレンブリコールモノブチルエーテル等のエーテルアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、セロソルブアセテート等のエステル類;ペンタン、2−メチルブタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、2,2,3−トリメチルペンタン、デカン、ノナン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、p−メンタン、ジシクロヘキシル、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、アニソール等の脂肪族又は芳香族炭化水素類;四塩化炭素、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、テトラブロムエタン等のハロゲン化炭化水素類;エチルエーテル、ジメチルエーテル、トリオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;メチラール、ジエチルアセタール等のアセタール類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の脂肪酸類;ニトロプロペン、ニトロベンゼン、ジメチルアミン、モノエタノールアミン、ピリジン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等の硫黄、窒素含有有機化合物類等が挙げられる。
これらの選択に当たっては、特に制限されることは無く、重合方法の用途に合った溶媒を、適宜選択すれば良い。また、これらは単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。
【0065】
本発明において、グラフト化したブロックポリマー化可能な機能性複合微粒子の重合法は、ブロック化、グラフト化粒子が生成可能な重合方法であればどのような方法でも良いが、好ましくは、溶液中で行えるシード重合法が良い。そのシード重合法は、ATRP開始基を含有したポリマー微粒子をシードとして、遷移金属錯体存在下、溶液中で重合を行うものである。
【0066】
本発明において、シード重合に際して、分散剤や安定剤などを必要に応じて使用することができる。特に、球状粒子を作製する場合は、使用可能な重合方法に応じて、(高分子)分散剤、安定剤、乳化剤、界面活性剤等を適宜選択し、使用しても良い。
それらについて、具体的に代表的なものを例示すると、分散剤及び安定剤としては、ポリヒドロキシスチレン、ポリスチレンスルホン酸、ビニルフェノール−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ビニルフェノール−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のポリスチレン誘導体;ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポチエチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート等のポリ(メタ)アクリル酸誘導体;ポリメチルビニルエーテル、ポリエチルビニルエーテル、ポリブチルビニルエーテル、ポリイソブチルビニルエーテル等のポリビニルアルキルエーテル誘導体;セルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリ酢酸ビニル等のポリ酢酸ビニル誘導体;ポリビニルピリジン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリ−2−メチル−2−オキサゾリン等の含窒素ポリマー誘導体;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のポリハロゲン化ビニル誘導体;ポリジメチルシロキサン等のポリシロキサン誘導体等の各種疎水性又は親水性の分散剤、安定剤が挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。
【0067】
また、乳化剤(界面活性剤)としては、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、脂肪酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等のアニオン系乳化剤;アルキルアミン塩、第四級アンモニウム塩、アルキルベタイン、アミンオキサイド等のカチオン系乳化剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等のノニオン系乳化剤等が挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。
【0068】
本発明に係る機能性複合微粒子の重合において、シード重合に際しての重合条件は、重合温度については、開始剤種、その量、モノマー種、その量、目的の粒子径、融点等によって左右されるが、10〜120℃が良い、好ましくは20〜100℃、更に好ましくは30〜90℃、最良は40〜80℃である。
また、重合時間は、1〜24時間程度が良い。但し、更に、シード重合により粒子径を大きくしていく場合には、その限りでない。
更に、合成装置については、特に指定は無く撹拌タイプ、振動タイプ等の公知の装置を使用することができ、スケール、用途にあった公知の技術や設備を使用すれば良い。
【0069】
モノマー濃度については、100×全モノマー/(全モノマー+溶媒)の値が0.01〜80重量%、好ましくは0.1〜60重量%、更に好ましくは0.5〜55重量%、最良は1〜50重量%である。
また、脱気については、モノマーの種類、その添加量、目的の粒子径(機能性複合微粒子径)等により左右されるが、特に指定は無く、どちらでも良い。
さらに、重合反応の停止については、シード化するモノマー成分が無くなる、又は光、熱を遮断すれば反応は停止するが、シード化した複合粒子の用途により、公知の技術からATRP開始種を置換することによっても、完全停止化が可能である。
【0070】
ATRP開始種セグメント含有母粒子をシード化した機能性複合微粒子の粒子径は、0.01〜500μm、好ましくは0.05〜100μm、更に好ましくは0.1〜50μm、最良は0.1〜30μmである。
この母粒子をシード化した機能性複合微粒子は、母粒子の内部又は表面から結合を有するグラフト粒子であって、グラフトされたポリマーの鎖長が揃っており、そのグラフトされたポリマー鎖長(グラフトポリマー)の分子量分布指数[Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)]が1.8以下、好ましくは1.6以下、更に好ましくは1.5以下、最良は1.3以下である。
【0071】
【実施例】
以下、本発明について、粒子合成例及び実施例を用いて、更に詳細に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。尚、以下において、特に断りのない限り「部」は、「重量部」の意味である。
【0072】
[ATRP開始基と飽和2重結合を有するマクロモノマー(A)の合成]
実施例、比較例の前に、先ず、マクロモノマー(A)を合成した。
【0073】
[合成例1]
テトラヒドロフラン(THF)(500ml)に溶解したポリエチレングリコールメタクリレート(平均数平均分子量(Mn):360、34g、95mmol)の中に、トリエチルアミン(144g、142.5mmol)を加えた。その溶液を0℃に冷やし、その中へ2−Bromoisobutyryl bromide(32.8g、143.5mmol)を滴下した。0℃で3時間撹拌した後、さらに室温で21時間撹拌した。得られた反応溶液からTHFを除去し、クロロホルム(500mL)を加えた。その溶液を1NのHCl溶液(2×500mL)、飽和NaHCO3溶液(2×500mL)、飽和NaCl溶液(2×500mL)および蒸留水(500mL)により洗浄した。クロロホルム層を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した後、クロロホルムを除去した。得られた粗生成物を冷ジエチルエーテルにより再結晶し、冷却遠心機によりポリエチレングリコール−2−ブロモイソ酪酸エチル−メタクリル酸エステル(PEGMAI Mn:509)を約45g得た。
【0074】
[合成例2]
テトラヒドロフラン(THF)(500mL)に溶解したアクリル酸−ポリ2−ヒドロキシエチル(平均数平均分子量(Mn):375、35g、95mmol)の中に、トリエチルアミン(144g、142.5mmol)を加えた。その溶液を0℃に冷やし、その中へ2−Bromoisobutyryl bromide(32.8g、143.5mmol)を滴下した。0℃で3時間撹拌した後、さらに室温で21時間撹拌した。得られた反応溶液からTHFを除去し、クロロホルム(500mL)を加えた。その溶液を1NのHCl溶液(2×500mL)、飽和NaHCO3溶液(2×500mL)、飽和NaCl溶液(2×500mL)および蒸留水(500mL)により洗浄した。クロロホルム層を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した後、クロロホルムを除去した。得られた粗生成物を冷ジエチルエーテルにより再結晶し、冷却遠心機によりポリエチレングリコール−2−ブロモイソ酪酸エチル−アクリル酸エステル(PEGAI Mn:524)を約50g得た。
【0075】
[合成例3]
テトラヒドロフラン(THF)(500mL)に溶解したエチレングリコールメタクリレート(M 130.12g/mol、12g、95mmol)の中に、トリエチルアミン(144g、142.5mmol)を加えた。その溶液を0℃に冷やし、その中へ2−Bromoisobutyryl bromide(32.8g、143.5mmol)を滴下した。0℃で3時間撹拌した後、さらに室温で21時間撹拌した。得られた反応溶液からTHFを除去し、クロロホルム(500mL)を加えた。その溶液を1NのHCl溶液(2×500mL)、飽和NaHCO3溶液(2×500mL)、飽和NaCl溶液(2×500mL)および蒸留水(500mL)により洗浄した。クロロホルム層を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した後、クロロホルムを除去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製し、エチレングリコール−2−ブロモイソ酪酸エチル−メタクリル酸エステル(EGMAI 279g/mol)を約30g得た。
【0076】
[合成例4]
テトラヒドロフラン(500mL)に溶解したアクリル酸2−ヒドロキシエチル(M 116.12g/mol、11g、95mmol)の中に、トリエチルアミン(144g、142.5mmol)を加えた。その溶液を0℃に冷やし、その中へ2−Bromoisobutyryl bromide(32.8g、143.5mmol)を滴下した。0℃で3時間撹拌した後、さらに室温で21時間撹拌した。得られた反応溶液からTHFを除去し、クロロホルム(500mL)を加えた。その溶液を1NのHCl溶液(2×500mL)、飽和NaHCO3溶液(2×500mL)、飽和NaCl溶液(2×500mL)および蒸留水(500mL)により洗浄した。クロロホルム層を無水Na2SO4で乾燥し、濾過した後、クロロホルムを除去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製し、エチレングリコール−2−ブロモイソ酪酸エチル−アクリル酸エステル(EGAI 265g/mol)を約25g得た。
【0077】
[粒子合成]
[実施例1][共重合粒子の合成例1]
500mlフラスコに下記に示した割合の混合物を一括して仕込み、撹拌機(70rpm)を使用して、窒素にて溶存酸素を置換(25ml/min、0.5h)し、モノマー及び開始剤が溶解しているのを確認した後、ゆっくりと昇温し、オイルバス温度70℃で約20時間加熱をして、ATRP開始基含有共重合粒子溶液を得た。
【0078】
ジビニルベンゼン(DVB55%) 10.0部
PEGMAI(Mn:509) 0.78部
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN) 0.22部
アセトニトリル 201.8部
(DVB55%:エチルビニルベンゼン45%含有)
(PEGMAI:ポリエチレングリコール−2−ブロモイソ酪酸エチル−メタクリル酸エステル)
【0079】
次に、この共重合粒子溶液を、公知の吸引ろ過設備を使ってアセトニトリルで3回程度洗浄−ろ過を繰り返して真空乾燥後、粒子を得た。
この粒子をSEM(日立製 S−2150)にて観察し、測定を行ったところ球状の粒子群であり、平均粒子径は3.38μm、CV値は4.6%であった。
また、IR(島津FT−IR8900)スペクトル測定を行うと、1720cm−1付近にエステル基由来の吸収帯ピークが得られ、ATRP開始基を含有する球状共重合粒子であることが確認された。この粒子を実施例1とした。
【0080】
[実施例2][共重合粒子の合成例2]
500mlフラスコに下記に示した割合の混合物を一括して仕込み、撹拌機(70rpm)を使用して、窒素にて溶存酸素を置換(25ml/min、0.5h)し、モノマー及び開始剤が溶解しているのを確認した後、ゆっくりと昇温し、オイルバス温度70℃で約20時間加熱をして、ATRP開始基含有共重合粒子溶液を得た。
【0081】
ジビニルベンゼン(DVB55%) 10.0部
PEGMAI(Mn:509) 0.39部
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN) 0.42部
アセトニトリル 194.5部
(DVB55%:エチルビニルベンゼン45%含有)
(PEGMAI:ポリエチレングリコール−2−ブロモイソ酪酸エチル−メタクリル酸エステル)
【0082】
次に、この共重合粒子溶液を、公知の吸引ろ過設備を使ってアセトニトリルで3回程度洗浄−ろ過を繰り返して真空乾燥後、粒子を得た。
この粒子をSEM(日立製 S−2150)にて観察し、測定を行ったところ球状の粒子群であり、平均粒子径は4.61μm、CV値は3.8%であった。
また、IR(島津FT−IR8900)スペクトル測定を行うと、1720cm−1付近にエステル基由来の吸収帯ピークが得られ、ATRP開始基を含有する球状共重合粒子であることが確認された。この粒子を実施例2とした。
【0083】
[実施例3][共重合粒子の合成例3]
500mlフラスコに下記に示した割合の混合物を一括して仕込み、撹拌機(70rpm)を使用して、窒素にて溶存酸素を置換(50ml/min、0.5h)し、モノマー及び開始剤が溶解しているのを確認した後、ゆっくりと昇温し、オイルバス温度70℃で約4時間加熱をして、ATRP開始基含有共重合粒子溶液を得た。
【0084】
ジビニルベンゼン(DVB55%) 15.0部
PEGMAI(Mn:509) 0.59部
AIBN 0.62部
アセトニトリル 139.8部
(DVB55%:エチルビニルベンゼン45%含有)
(PEGMAI:ポリエチレングリコール−2−ブロモイソ酪酸エチル−メタクリル酸エステル)
【0085】
次に、この共重合粒子溶液を、公知の吸引ろ過設備を使ってアセトニトリルで3回程度洗浄−ろ過を繰り返して真空乾燥後、粒子を得た。
この粒子をSEM(日立製 S−2150)にて観察し、測定を行ったところ球状の粒子群であり、平均粒子径は2.05μm、CV値は2.9%であった。
また、IR(島津FT−IR8900)スペクトル測定を行うと、1720cm−1付近にエステル基由来の吸収帯ピークが得られ、ATRP開始基を含有する球状共重合粒子であることが確認された。この粒子を実施例3とした。
【0086】
[実施例4][共重合粒子の合成例4]
500mlフラスコに下記に示した割合の混合物を一括して仕込み、撹拌機(70rpm)を使用して、窒素にて溶存酸素を置換(50ml/min、0.5h)し、モノマー及び開始剤が溶解しているのを確認した後、ゆっくりと昇温し、オイルバス温度70℃で約20時間加熱をして、ATRP開始基含有共重合粒子溶液を得た。
【0087】
ジビニルベンゼン(DVB80%) 5.0部
PEGAI(Mn:524) 0.10部
AIBN 0.10部
アセトニトリル 194.9部
(DVB80%:エチルビニルベンゼン20%含有)
(PEGAI:ポリエチレングリコール−2−ブロモイソ酪酸エチル−アクリル酸エステル)
【0088】
次に、この共重合粒子溶液を、公知の吸引ろ過設備を使ってアセトニトリルで3回程度洗浄−ろ過を繰り返して真空乾燥後、粒子を得た。
この粒子をSEM(日立製 S−2150)にて観察し、測定を行ったところ球状の粒子群であり、平均粒子径は2.83μm、CV値は6.1%であった。
また、IR(島津FT−IR8900)スペクトル測定を行うと、1720cm−1付近にエステル基由来の吸収帯ピークが得られ、ATRP開始基を含有する球状共重合粒子であることが確認された。この粒子を実施例4とした。
【0089】
[実施例5][共重合粒子の合成例5]
500mlフラスコに下記に示した割合の混合物を一括して仕込み、撹拌機(120rpm)を使用して、窒素にて溶存酸素を置換(25ml/min、0.5h)し、モノマー及び高分子分散剤が溶解しているのを確認した後、昇温し、オイルバス温度72℃で約15時間加熱をして、ATRP開始基含有共重合粒子溶液を得た。
【0090】
スチレン 68.8部
EGMAI(279g/mol) 1.8部
AIBN 3.0部
ポリビニルピロリドン(PVP K−30) 30.0部
メタノール 230.0部
(EGMAI:エチレングリコール−2−ブロモイソ酪酸エチル−メタクリル酸エステル)
【0091】
次に、この共重合粒子溶液を、公知の吸引ろ過設備を使ってメタノールで3回程度洗浄−ろ過を繰り返して真空乾燥後、粒子を得た。
この粒子をSEM(日立製 S−2150)にて観察し、測定を行ったところ球状の粒子群であり、平均粒子径は3.24μm、CV値は7.2%であった。
また、IR(島津FT−IR8900)スペクトル測定を行うと、1720cm−1付近にエステル基由来の吸収帯ピークが得られ、ATRP開始基を含有する球状共重合粒子であることが確認された。この粒子を実施例5とした。
【0092】
[実施例6][共重合粒子の合成例6]
500mlフラスコに下記に示した割合の混合物を一括して仕込み、撹拌機(120rpm)を使用して、窒素にて溶存酸素を置換(25ml/min、0.5h)し、モノマー及び高分子分散剤が溶解しているのを確認した後、昇温し、オイルバス温度75℃で約15時間加熱をして、ATRP開始基含有共重合粒子溶液を得た。
【0093】
スチレン 68.8部
EGAI(265g/mol) 2.0部
AIBN 2.5部
ポリビニルピロリドン(PVP K−30) 30.0部
メタノール 230.0部
(EGAI:エチレングリコール−2−ブロモイソ酪酸エチル−アクリル酸エステル)
【0094】
次に、この共重合粒子溶液を、公知の吸引ろ過設備を使ってメタノールで3回程度洗浄−ろ過を繰り返して真空乾燥後、粒子を得た。
この粒子をSEM(日立製 S−2150)にて観察し、測定を行ったところ球状の粒子群であり、平均粒子径は6.02μm、CV値は8.9%であった。
また、IR(島津FT−IR8900)スペクトル測定を行うと、1720cm−1付近にエステル基由来の吸収帯ピークが得られ、ATRP開始基を含有する球状共重合粒子であることが確認された。この粒子を実施例6とした。
【0095】
[機能性複合粒子の合成]
[実施例7][複合粒子の合成例7]
300mlフラスコに下記に示したCuBr/スパルティン錯体を含むアニソール溶液とメタクリル酸メチル、フリー開始剤である2−ブロモイソ酪酸エチル、ATRP開始基含有粒子(合成例1)を入れ、撹拌機(70rpm)を使用して窒素置換(25ml/min、1h)しながら粒子が単分散化したのを確認した後、ゆっくりと昇温してオイルバス温度70℃で約6時間加熱をして、シード重合した粒子溶液を得た。
【0096】
CuBr(臭化銅) 0.035部
スパルティン 0.115部
アニソール 45.0部
2−ブロモイソ酪酸エチル 0.15部
メタクリル酸メチル 45.0部
ATRP開始基含有粒子(合成例1) 4.5部
【0097】
次に、この共重合粒子溶液を、公知の吸引ろ過設備を使ってアニソールで5回程度洗浄−ろ過を繰り返して真空乾燥後、粒子を得た。
この粒子をSEM(日立製 S−2150)にて観察し、測定を行ったところ球状の粒子群であり、平均粒子径は4.42μm、CV値は5.2%であった。
また、IR(島津FT−IR8900)スペクトル測定を行うと、1720cm−1付近にシード粒子のエステル基由来の吸収ピークより、さらに大きな吸収ピークが観測され、PMMAがグラフトされていることが確認できた。この粒子を実施例7とした。
【0098】
<グラフトされた粒子の分子量分布の確認>
合成例7から得られた複合粒子を少量メタノール中で分散させ、シード化したグラフトポリマーと母粒子(合成例1粒子)を繋ぐPEGMAIのエステル基を、テトラエチルテタネート[Ti(OC2H5)]を触媒として温度70℃の加熱化でエステル交換反応により切断し、グラフトポリマーゲル濾過クロマトグラフィー(GPC 島津製)の測定を行ったところ、グラフトポリマーの数平均分子量(Mn)は、31,000であった。
また、分子量分布指数は、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が1.04であり、分子量の揃ったグラフトポリマーであることが確認できた。
【0099】
[実施例8〜10][複合粒子の合成例8〜10]
実施例7と同様に、合成例2〜4の粒子を使って合成例7と同条件で複合粒子を作製したところ、粒子径が揃った球状粒子であり、IR、GPCとも同様の結果が得られた。これらの粒子を実施例8〜10とした。
【0100】
<比較実施例>
[比較粒子1の作製]
500mlフラスコに下記に示した割合の混合物を一括して仕込み、撹拌機(70rpm)を使用して、窒素にて溶存酸素を置換(25ml/min、0.5h)し、モノマー及び開始剤が溶解しているのを確認した後、ゆっくりと昇温し、オイルバス温度70℃で約20時間加熱をして、ATRP開始基を含有しない共重合粒子溶液を得た(PEGMAIを除いた以外は合成例1と同条件である)。
【0101】
ジビニルベンゼン(DVB 55%) 10.0部
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN) 0.22部
アセトニトリル 201.8部
【0102】
次に、この共重合粒子溶液を、公知の吸引ろ過設備を使ってアセトニトリルで3回程度洗浄−ろ過を繰り返して真空乾燥後、粒子を得た。
この粒子をSEM(日立製 S−2150)にて観察し、測定を行ったところ球状の粒子群であり、平均粒子径は3.12μmであった。
【0103】
[比較例1]
300mlフラスコに下記に示したCuBr/スパルティン錯体を含むアニソール溶液とメタクリル酸メチル、フリー開始剤である2−ブロモイソ酪酸エチル、ATRP開始基を含まない粒子(比較粒子1)を入れ、撹拌機(70rpm)を使用して窒素置換(25ml/min、1h)しながら粒子が単分散化したのを確認した後、ゆっくりと昇温してオイルバス温度70℃で約6時間加熱をして、シード重合させた粒子溶液を得た(比較粒子1を使用した以外は合成例7と同条件である)。
【0104】
CuBr(臭化銅) 0.035部
スパルティン 0.115部
アニソール 45.0部
2−ブロモイソ酪酸エチル 0.15部
メタクリル酸メチル 45.0部
ATRP開始基を含まない粒子(比較粒子1) 4.5部
【0105】
次に、この共重合粒子溶液を、公知の吸引ろ過設備を使ってアニソールで5回程度洗浄−ろ過を繰り返して真空乾燥後、粒子を得た。
この粒子をSEM(日立製 S−2150)にて観察し、測定を行ったところ球状の粒子群であったが、平均粒子径は3.14μmと、比較粒子径1と殆ど変化が無かった。
また、IR(島津FT−IR8900)スペクトル測定を行ったが、1720cm−1付近にエステル基由来の吸収ピークが殆ど確認されず、PMMAがグラフトされていないことが確認できた。
【0106】
[比較例2]
300mlフラスコに下記に示したポリビニルピロリドン、メタクリル酸メチル、ラジカル開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル、溶媒としてアニソールを投入し、ATRP開始基を含まない粒子(比較粒子1)を入れ、撹拌機(70rpm)を使用して窒素置換(25ml/min、1h)しながら粒子が単分散化したのを確認した後、ゆっくりと昇温してオイルバス温度70℃で約6時間加熱をして、シード重合させた粒子溶液を得た。
【0107】
メタクリル酸メチル 45.0部
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN) 0.1部
アニソール 45.0部
ATRP開始基を含まない粒子(比較粒子1) 4.5部
【0108】
次に、この共重合粒子溶液を、公知の吸引ろ過設備を使ってアニソールで5回程度洗浄−ろ過を繰り返して真空乾燥後、粒子を得た。
この粒子をSEM(日立製 S−2150)にて観察し、測定を行ったところ球状の粒子群であったが、平均粒子径は3.17μmと、比較粒子径1と殆ど変化が無かった。
また、IR(島津FT−IR8900)スペクトル測定を行ったが、1720cm−1付近にエステル基由来の吸収ピークが殆ど確認されず、PMMAがグラフトされていないことが確認できた。
【0109】
[比較例3]
300mlフラスコに下記に示したポリビニルピロリドン、メタクリル酸メチル、ラジカル開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル、4−ヒドロキシTEMPO(TEMPO:2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル)、溶媒としてアニソールを投入し、ATRP開始基を含まない粒子(比較粒子1)を入れ、撹拌機(70rpm)を使用して窒素置換(25ml/min、1h)しながら粒子が単分散化したのを確認した後、ゆっくりと昇温してオイルバス温度100℃で約6時間加熱をして、シード重合させた粒子溶液を得た。
【0110】
メタクリル酸メチル 45.0部
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN) 0.1部
4−ヒドロキシTEMPO 0.01部
アニソール 45.0部
ATRP開始基を含まない粒子(比較粒子1) 4.5部
【0111】
次に、この共重合粒子溶液を、公知の吸引ろ過設備を使ってアニソールで5回程度洗浄−ろ過を繰り返して真空乾燥後、粒子を得た。
この粒子をSEM(日立製 S−2150)にて観察し、測定を行ったところ球状の粒子群であったが、平均粒子径は3.18μmと、比較粒子径1と殆ど変化が無かった。
また、IR(島津FT−IR8900)スペクトル測定を行ったが、1720cm−1付近にエステル基由来の吸収ピークが殆ど確認されず、PMMAがグラフトされていないことが確認できた。
【0112】
【表1】
【0113】
【表2】
【0114】
上記実施例と比較例の結果より、本発明の実施例1〜6から粒子径が揃ったATRP開始種機能を有する球状粒子が得られ、実施例7〜10では、粒子表面及び内部から結合された分子量の揃ったグラフトポリマーを有する複合球状粒子が得られることが明らかになった。一方、比較例1〜3より母粒子に結合機能を有しない粒子は、化学的な結合ができないために、満足し得る十分な複合粒子としての機能を満たせないことが明らかになった。
【0115】
【発明の効果】
本発明の真球状又は略球状ポリマー微粒子は、粒径分布の揃った粒子であり、この微粒子を母粒子としてシード重合を行うと、容易に母粒子内部又は表面より鎖長の揃ったグラフト及びブロックポリマー化可能な機能性複合微粒子を得ることができる。
また、本発明のポリマー複合微粒子は、実施例で明らかなように、粒子表面及び内部から結合し得るグラフトポリマーを有する複合球状粒子であることから、OA分野、家電分野、電気電子分野、通信機器分野、自動車分野、家具、建材、分析用素材、液晶用スペーサ、又は生医化学分野など、広範囲な各分野に使用できる。また、エラストマーへの添加剤、相溶化剤としても好適である。
さらに、本発明の製造方法は、簡単に粒子表面に反応基を含有し粒子径の揃った球状粒子を製造することができ、工業的にもメリットが高い。また、この製造方法は、乳化重合、懸濁重合、分散重合等で合成された(球状)粒子表面に直接、簡素に不飽和モノマーを重合することができ、コア/シェル粒子の用途にも使用可能である。
Claims (24)
- 下記の式(1)で示す繰り返し単位を主鎖中に有するポリマーから構成されてなるグラフト重合可能な真球状又は略球状ポリマー微粒子。
−[(S1)m−A1]n− ……… (1)
(式中、S1は反応性二重結合モノマー由来の結合基、A1は原子移動ラジカル重合反応開始基を有する反応性二重結合モノマー由来の結合基であり、その際、S1、A1はそれぞれが同一であっても異なっていてもよく、また、mは0〜100,000の整数、nは3〜100,000の整数である。) - 前記ポリマーは、式中のmが0であるホモポリマーであって、分子内に原子移動ラジカル重合反応開始基とラジカル重合反応可能な不飽和2重結合を有するマクロモノマー(A)を溶液中でラジカル重合開始剤の存在下に重合させて得られることを特徴とする請求項1に記載の真球状又は略球状ポリマー微粒子。
- 前記ポリマーは、式中のmが0でないコポリマーであって、分子内に原子移動ラジカル重合反応開始基とラジカル重反応可能な不飽和2重結合を有するマクロモノマー(A)と、原子移動ラジカル重合反応開始基を含有しないラジカル重合反応可能な不飽和2重結合を有するモノマー(S)とを溶液中でラジカル重合開始剤の存在下に共重合させて得られることを特徴とする請求項1に記載の真球状又は略球状ポリマー微粒子。
- 前記マクロモノマー(A)は、次の一般式(2):
X−(R)−Y ……… (2)
(式中、Xは、不飽和二重結合を示し、Yは、原子移動ラジカル重合反応開始基であり、Rは、X及びYを繋いだ1種又は2種以上の結合基であり、無くても良い。)
で示される構造を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の真球状又は略球状ポリマー微粒子。 - 前記Xは、ビニル基、メタクリル基、又はアクリル基であることを特徴とする請求項4に記載の真球状又は略球状ポリマー微粒子。
- 前記モノマー(S)は、2つ以上の不飽和2重結合を有することを特徴とする請求項3に記載の真球状又は略球状ポリマー微粒子。
- 球の投影二次元図において、長径と短径の比が、
1 ≦ 長径/短径 ≦ 1.2
であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の真球状又は略球状ポリマー微粒子。 - 下記の式で定義される粒子径分布CV値(バラツキ度)が15%以下であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の真球状又は略球状ポリマー微粒子。
CV(%)=(標準偏差/平均粒子径)×100 - 前記ポリマーの数平均分子量(Mn)は、100〜1,000,000であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の真球状又は略球状ポリマー微粒子。
- 粒子径は、0.01〜500μmであることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の真球状又は略球状ポリマー微粒子。
- 分子内に原子移動ラジカル重合反応開始基とラジカル重合反応可能な不飽和2重結合を有するマクロモノマー(A)単独、又は該マクロモノマー(A)と原子移動ラジカル重合反応開始基を含有しないラジカル重合反応可能な不飽和2重結合を有するモノマー(S)とを溶液中に溶解させた後、ラジカル重合開始剤の存在下で光照射又は加熱してラジカル反応を行い、マクロモノマー(A)の重合又はそれとモノマー(S)との共重合が進行することにより生成するポリマーが溶液中に固体として析出することを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の真球状又は略球状ポリマー微粒子の製造方法。
- ラジカル重合開始剤の添加量は、全モノマーに対して0.01〜15重量%であることを特徴とする請求項14に記載の真球状又は略球状ポリマー微粒子の製造方法。
- 全モノマーの濃度は、溶液中で0.01〜80重量%であることを特徴とする請求項14に記載の真球状又は略球状ポリマー微粒子の製造方法。
- 請求項1〜13のいずれかに記載の真球状又は略球状ポリマー微粒子を母粒子とし、これにラジカル重合可能な不飽和モノマーをラジカル重合開始剤の存在下でシード重合して得られてなるポリマー複合微粒子。
- 請求項1〜13のいずれかに記載の真球状又は略球状ポリマー微粒子を母粒子とし、これに原子移動ラジカル重合可能な不飽和モノマーを遷移金属錯体の存在下でシード重合して得られてなるポリマー複合微粒子。
- 母粒子の内部又は表面から結合を有するグラフト粒子であり、鎖長が揃っていることを特徴とする請求項18に記載のポリマー複合微粒子。
- グラフトされた鎖長の分子量分布指数[Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)]が1.8以下であることを特徴とする請求項19に記載のポリマー複合微粒子。
- 前記遷移金属錯体は、次の一般式(10):
MZ(D) ……… (10)
(式中、Mは遷移金属であり、Zはハロゲン原子、(D)はリガンドを表す。)で示される化合物であることを特徴とする請求項18に記載のポリマー複合微粒子。 - 式中のMは銅原子、Zは臭素原子であることを特徴とする請求項21に記載のポリマー複合微粒子。
- 式中の(D)は、2,2’−ビピルジル、2,2’−ビ−4−ヘプチルピリジル、2−(N−ペンチルイミノメチル)ピリジン、スパルティン、又はトリス(2−ジメチルアミノエチル)アミンから選ばれる孤立電子対を有する有機化合物であることを特徴とする請求項21に記載のポリマー複合微粒子。
- 請求項1〜13のいずれかに記載の真球状又は略球状ポリマー微粒子を、該微粒子が溶解しない溶液中に分散させた後、当該溶液に溶解する反応性二重結合を有するモノマーを添加し、ラジカル重合開始剤又は遷移金属錯体の存在下で光照射又は加熱してシード重合を行うことを特徴とする請求項17又は18に記載のポリマー複合微粒子の製造方法。
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