JPH09241256A - N−(1−置換−アザシクロアルカン−3−イル)−6−メトキシ−1h−ベンゾトリアゾール−5−カルボキサミド誘導体 - Google Patents

N−(1−置換−アザシクロアルカン−3−イル)−6−メトキシ−1h−ベンゾトリアゾール−5−カルボキサミド誘導体

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JPH09241256A
JPH09241256A JP7102096A JP7102096A JPH09241256A JP H09241256 A JPH09241256 A JP H09241256A JP 7102096 A JP7102096 A JP 7102096A JP 7102096 A JP7102096 A JP 7102096A JP H09241256 A JPH09241256 A JP H09241256A
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JP
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compound
formula
acid
group
methoxy
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JP7102096A
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English (en)
Inventor
Shirou Kato
志朗 賀登
Yoshimi Hirokawa
美視 広川
Hiroshi Yamazaki
宏 山崎
Naoyuki Yoshida
直之 吉田
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Dainippon Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制吐作用と消化管機能亢進作用を併有する消
化管機能改善薬を提供する。 【解決手段】 下記化1で表されるN−(1−置換−ア
ザシクロアルカン−3−イル)−6−メトキシ−1H−
ベンゾトリアゾール−5−カルボキサミド誘導体又はそ
の生理的に許容される酸付加塩。 【化1】 〔式中、R1 はC1 〜C4 アルキル基、(C3 〜C6
クロアルキル)メチル基又はC3 〜C4 アルケニル基を
意味し、R2 は水素原子、C1 〜C4 アルキル基、C3
〜C6 シクロアルキル基、(C3 〜C6 シクロアルキ
ル)メチル基、C3〜C4 アルケニル基又はC3 〜C4
アルキニル基を意味し、nは4、5、6又は7を意味
し、波線(〜)はそれが結合している炭素原子の立体配
置がRS、R又はSであることを意味する。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた制吐作用と消化
管機能亢進作用の併有及び弱い中枢抑制作用によって特
徴づけられる、新規なN−(1−置換−アザシクロアル
カン−3−イル)−6−メトキシ−1H−ベンゾトリア
ゾール−5−カルボキサミド誘導体、さらに詳しくはア
ミド部分が10、11、12又は13員環の1−置換−
アザシクロアルカン−3−イル基で置換された6−メト
キシ−1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキサミド
誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】10、11、12又は13員環の1−置
換−アザシクロアルカン−3−イル基を有する6−メト
キシ−1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキサミド
誘導体は、これまで全く知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】4−アミノ−5−クロ
ロ−N−〔2−(ジエチルアミノ)エチル〕−2−メト
キシベンズアミド〔一般名 メトクロプラミド;例えば
Merck Index,第11版,6063 (1989) 参照]は、制吐作用
と消化管機能亢進作用を併有するので、古くから消化管
機能改善薬として各種の消化器系疾患或いは治療に伴う
種々の消化器機能異常の治療及び予防に使用されてい
る。しかしながら、メトクロプラミドは副作用としてド
ーパミンD2 受容体拮抗作用に基づく中枢抑制作用が認
められるため、臨床上使いづらい面がある。社会生活の
複雑化、高齢化社会の到来等により消化器系不定愁訴に
苦しむ患者が増加してきているので、中枢抑制作用が弱
く、かつ優れた制吐作用と消化管機能亢進作用を併有す
る化合物の開発が望まれている。
【0004】本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、ア
ミド部分が10〜13員環の1−置換−アザシクロアル
カン−3−イル基で置換された6−メトキシ−1H−ベ
ンゾトリアゾール−5−カルボキサミド誘導体が優れた
制吐作用と消化管機能亢進作用を併有するにもかかわら
ず、中枢抑制作用が弱いことを見いだし、本発明を完成
した。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記式
(I)で表されるN−(1−置換−アザシクロアルカン
−3−イル)−6−メトキシ−1H−ベンゾトリアゾー
ル−5−カルボキサミド誘導体及びその生理的に許容さ
れる酸付加塩が提供される。
【0006】
【化2】
【0007】〔式中、R1 はC1 〜C4 アルキル基、
(C3 〜C6 シクロアルキル)メチル基又はC3 〜C4
アルケニル基を意味し、R2 は水素原子、C1 〜C4
ルキル基、C3 〜C6 シクロアルキル基、(C3〜C6
シクロアルキル)メチル基、C3 〜C4 アルケニル基又
はC3 〜C4 アルキニル基を意味し、nは4、5、6又
は7を意味し、波線(〜)はそれが結合している炭素原
子の立体配置がRS、R又はSであることを意味す
る。〕
【0008】式(I)の化合物の酸付加塩としては、例
えば塩酸塩,臭化水素酸塩,ヨウ化水素酸塩,硫酸塩,
リン酸塩等の無機酸塩、及びシュウ酸塩,マレイン酸
塩,フマル酸塩,乳酸塩,リンゴ酸塩,クエン酸塩,酒
石酸塩,安息香酸塩,メタンスルホン酸塩等の有機酸塩
が挙げられる。式(I)の化合物及びその酸付加塩は水
和物又は溶媒和物として存在することもあるので、これ
らの水和物及び溶媒和物も本発明に包含される。
【0009】式(I)においてR2 が水素原子である化
合物は、式(I′)又は式(I″)で表される互変異性
体の形で存在することもあるので、これらの互変異性体
もまた本発明の化合物に包含される。
【0010】
【化3】 〔式中、Azは化4で表される基を意味する。
【0011】
【化4】 (式中、R1 ,n及び波線は前掲に同じものを意味す
る。)〕
【0012】以下の記載において、本発明の化合物の構
造は式(I)で表し、化学名もそれに基づいて命名する
ことにする。
【0013】本明細書における用語を以下に説明する。
【0014】「ハロゲン原子」とは、フッ素,塩素,臭
素又はヨウ素を意味する。「アルキル基」の具体例とし
て、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチ
ル,イソブチル,sec-ブチル,t−ブチルが挙げられ
る。「シクロアルキル基」の具体例として、シクロプロ
ピル,シクロブチル,シクロペンチル,シクロヘキシル
が挙げられる。「アルケニル基」の具体例として、アリ
ル,2−ブテニルが、「アルキニル基」の具体例とし
て、プロパルギルが挙げられる。「シクロアルキルメチ
ル基」とは、上述のシクロアルキル基で置換されたメチ
ル基を意味し、具体例としてシクロプロピルメチル,シ
クロブチルメチル,シクロペンチルメチル,シクロヘキ
シルメチルが挙げられる。「低級アルカノイル基」の具
体例として、ホルミル,アセチル,プロピオニルが挙げ
られるが、アセチルが特に好ましい。
【0015】本発明の化合物のうちで好適なものとして
は、式(I)において、R1 がエチル基又はシクロプロ
ピルメチル基であり、R2 及びnが前掲に同じものであ
る化合物及びその生理的に許容される酸付加塩が挙げら
れる。
【0016】さらに好適な化合物としては、式(I)に
おいて、R1 がエチル基又はシクロプロピルメチル基で
あり、R2 が水素原子、メチル基又はエチル基であり、
nが前掲に同じものである化合物及びその生理的に許容
される酸付加塩が挙げられる。
【0017】立体配置に関しては、式(I)において波
線が結合している炭素原子の立体配置がRS又はRであ
る化合物が好ましく、特にRである化合物が好ましい。
【0018】一層好適な化合物は、式(I)において、
1 がエチル基であり、R2 が水素原子又はメチル基で
あり、nが前掲に同じものである化合物及びその生理的
に許容される酸付加塩である。
【0019】一層好適な化合物はとしては、下記の化合
物、そのR異性体及びその生理的に許容される酸付加塩
が挙げられる。
【0020】N−(1−エチルデカヒドロアゼシン−3
−イル)−6−メトキシ−1H−ベンゾトリアゾール−
5−カルボキサミド、N−(1−エチルデカヒドロアゼ
シン−3−イル)−6−メトキシ−1−メチル−1H−
ベンゾトリアゾール−5−カルボキサミド、N−(1−
エチルアザシクロウンデカン−3−イル)−6−メトキ
シ−1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキサミド、
N−(1−エチルアザシクロドデカン−3−イル)−6
−メトキシ−1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキ
サミド、及びN−(1−エチルアザシクロトリデカン−
3−イル)−6−メトキシ−1H−ベンゾトリアゾール
−5−カルボキサミド。
【0021】本発明に含まれる化合物の具体例として、
後記実施例の化合物に加えて次の化合物、そのR異性体
及びその生理的に許容される酸付加塩が挙げられる。
【0022】N−(1−シクロプロピルメチルデカヒド
ロアゼシン−3−イル)−6−メトキシ−1H−ベンゾ
トリアゾール−5−カルボキサミド、N−(1−シクロ
プロピルメチルデカヒドロアゼシン−3−イル)−6−
メトキシ−1−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−5
−カルボキサミド、N−(1−シクロプロピルメチルア
ザシクロウンデカン−3−イル)−6−メトキシ−1H
−ベンゾトリアゾール−5−カルボキサミド、N−(1
−シクロプロピルメチルアザシクロドデカン−3−イ
ル)−6−メトキシ−1−メチル−1H−ベンゾトリア
ゾール−5−カルボキサミド、N−(1−シクロプロピ
ルメチルアザシクロトリデカン−3−イル)−6−メト
キシ−1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキサミ
ド、N−(1−シクロプロピルメチルアザシクロトリデ
カン−3−イル)−6−メトキシ−1−メチル−1H−
ベンゾトリアゾール−5−カルボキサミド、
【0023】6−メトキシ−N−(1−プロピルデカヒ
ドロアゼシン−3−イル)−1H−ベンゾトリアゾール
−5−カルボキサミド、N−(1−ブチルデカヒドロア
ゼシン−3−イル)−6−メトキシ−1−メチル−1H
−ベンゾトリアゾール−5−カルボキサミド、1−アリ
ル−N−(1−エチルデカヒドロアゼシン−3−イル)
−6−メトキシ−1H−ベンゾトリアゾール−5−カル
ボキサミド、N−(1−アリルデカヒドロアゼシン−3
−イル)−6−メトキシ−1H−ベンゾトリアゾール−
5−カルボキサミド、N−(1−エチルデカヒドロアゼ
シン−3−イル)−6−メトキシ−1−プロパルギル−
1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキサミド、1−
シクロプロピル−N−(1−エチルアザシクロドデカン
−3−イル)−6−メトキシ−1H−ベンゾトリアゾー
ル−5−カルボキサミド、及び1−アリル−N−(1−
シクロプロピルメチルアザシクロトリデカン−3−イ
ル)−6−メトキシ−1H−ベンゾトリアゾール−5−
カルボキサミド。
【0024】本発明の化合物は、例えば以下の方法によ
り製造することができる。
【0025】製法(a) 式(I)においてR2 が水素原子である化合物は、下記
式(II)
【0026】
【化5】 (式中、R2aは水素原子又は低級アルカノイル基を意味
する。)
【0027】で表される化合物又はその反応性誘導体
と、下記式(III)
【0028】
【化6】
【0029】(式中、R1 ,n及び波線は前掲に同じも
のを意味する。)で表される化合物とを反応させ、式
(I)におけるR2 が低級アルカノイル基である化合物
が得られるときは、該生成物を加水分解することにより
製造することができる。
【0030】式(II)の化合物の反応性誘導体として
は、例えば低級アルキルエステル(特にメチルエステ
ル),活性エステル,酸無水物,酸ハライド(特に酸ク
ロリド)を挙げることができる〔但し、式(II)におい
てR2aが水素原子である化合物を用いる場合には、酸無
水物及び酸ハライドを除く〕。活性エステルの具体例と
してはp−ニトロフェニルエステル,ペンタクロロフェ
ニルエステル,N−ヒドロキシコハク酸イミドエステ
ル,N−ヒドロキシフタルイミドエステル,1−ヒドロ
キシベンゾトリアゾールエステル,8−ヒドロキシキノ
リンエステル,2−ヒドロキシフェニルエステル,2−
ヒドロキシ−4,5−ジクロロフェニルエステルが挙げ
られる。酸無水物としては、対称酸無水物又は混合酸無
水物が用いられ、混合酸無水物の具体例としてはクロル
炭酸エチル,クロル炭酸イソブチルのようなクロル炭酸
アルキルエステルとの混合酸無水物、クロル炭酸ベンジ
ルのようなクロル炭酸アラルキルエステルとの混合酸無
水物,クロル炭酸フェニルのようなクロル炭酸アリール
エステルとの混合酸無水物、イソ吉草酸,ピバリン酸の
ようなアルカン酸との混合酸無水物が挙げられる。
【0031】式(II)の化合物自体を用いる場合には、
N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド,1−エチ
ル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミ
ド塩酸塩,N,N′−カルボニルジイミダゾール,N,
N′−カルボニルジコハク酸イミド,1−エトキシカル
ボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリン,ジ
フェニルホスホリルアジド,プロパンホスホン酸無水物
のような縮合剤の存在下に反応させることができる。縮
合剤としてN,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド
又は1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)
カルボジイミド塩酸塩を用いる場合には、N−ヒドロキ
シコハク酸イミド,1−ヒドロキシベンゾトリアゾー
ル,3−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアジン−
4(3H)−オン,N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン
−2,3−ジカルボキシイミド等を添加して反応させて
もよい。
【0032】式(II)の化合物又はその反応性誘導体と
式(III)の化合物との反応は、溶媒中又は無溶媒下に行
われる。使用する溶媒は、原料化合物の種類等に従って
適宜選択されるべきであるが、例えばベンゼン,トルエ
ン,キシレンのような芳香族炭化水素類、ジエチルエー
テル,テトラヒドロフラン,ジオキサンのようなエーテ
ル類、塩化メチレン,クロロホルムのようなハロゲン化
炭化水素類、エタノール,イソプロピルアルコールのよ
うなアルコール類、酢酸エチル、アセトン、アセトニト
リル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、
エチレングリコール、水が挙げられ、これらの溶媒はそ
れぞれ単独で、或いは2種以上混合して用いられる。本
反応は必要に応じて塩基の存在下に行われ、塩基の具体
例としては、水酸化ナトリウム,水酸化カリウムのよう
な水酸化アルカリ、炭酸ナトリウム,炭酸カリウムのよ
うな炭酸アルカリ、重炭酸ナトリウム,重炭酸カリウム
のような重炭酸アルカリ、或いはトリエチルアミン,ト
リブチルアミン,ジイソプロピルエチルアミン,N−メ
チルモルホリンのような有機塩基が挙げられるが、式
(III)の化合物の過剰量で兼ねることもできる。反応温
度は用いる原料化合物の種類等により異なるが、通常約
-30 ℃〜約200 ℃、好ましくは約-10 ℃〜約150 ℃であ
る。
【0033】式(II)においてR2aが低級アルカノイル
基である化合物と式(III)の化合物との反応により式
(I)におけるR2 が低級アルカノイル基である化合物
が得られるときは、該生成物を加水分解することにより
式(I)においてR2 が水素原子である化合物に変換す
ることができる。本加水分解反応は常法に従って行うこ
とができ、例えば適当な溶媒中で酸性又は塩基性条件下
に水と接触させることにより行われる。溶媒としては、
例えばメタノール,エタノール,イソプロピルアルコー
ルのようなアルコール類、ジオキサン、水又はこれらの
混液が用いられる。酸の具体例としては、塩酸,硫酸の
ような鉱酸、ギ酸,酢酸,プロピオン酸,シュウ酸のよ
うな有機酸が挙げられる。塩基の具体例としては、水酸
化ナトリウム,水酸化カリウムのような水酸化アルカ
リ、炭酸ナトリウム,炭酸カリウムのような炭酸アルカ
リが挙げられる。反応温度は通常約20℃〜約100 ℃であ
る。
【0034】式(II)の化合物及びその反応性誘導体
は、例えば特開昭51-80858号公報(米国特許第 4,039,6
72号明細書)に記載の方法又はそれに準じた方法により
製造することができる。
【0035】以下に式(III)の化合物の製造法について
説明する。
【0036】式(III)の化合物は、例えば下記化7で示
される方法により製造することができる。
【0037】
【化7】
【0038】(式中、Trはトリフェニルメチル基を意
味し、Xはアルコールの反応性エステル残基を意味し、
1 及びnは前掲と同じものを意味する。)
【0039】工程1: 式(A)の化合物と式:R1
Xで表されるR1 導入剤との反応は通常適当な溶媒中、
塩基の存在下で行われる。Xで表されるアルコールの反
応性エステル残基としては、例えば塩素,臭素,ヨウ素
のようなハロゲン原子、メタンスルホニルオキシのよう
な低級アルキルスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニ
ルオキシのようなアリールスルホニルオキシ基が挙げら
れる。溶媒の具体例としては、ベンゼン,トルエンのよ
うな芳香族炭化水素類、アセトン,メチルエチルケトン
のようなケトン類、テトラヒドロフラン,ジオキサンの
ようなエーテル類、エタノール,イソプロピルアルコー
ルのようなアルコール類、アセトニトリル、クロロホル
ム、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシド又はこれらの混液が挙げられる。使用する塩基
の具体例としては、上記製法(a)で述べた具体例をそ
のまま挙げることができる。また、R1 導入剤において
Xが塩素又は臭素であるときは、ヨウ化ナトリウム,ヨ
ウ化カリウムのようなアルカリ金属ヨウ化物を添加する
と反応は円滑に進行する。反応温度は用いるR1 導入剤
の種類等により異なるが、通常約0℃〜約200 ℃、好ま
しくは約80℃〜約150℃である。
【0040】工程2: 式(B)の化合物から式(C)
の化合物への変換は、適当な溶媒中、強塩基の存在下に
アニオンを発生させた後、ドライアイスを反応させるこ
とにより行われる。
【0041】工程3: 式(C)の化合物から式(D)
の化合物への変換は、適当な溶媒中、式(C)の化合物
にクロル炭酸エチルとナトリウムアジドを反応させ、次
いでナトリウムアジドを反応させた後、酸を作用させる
ことにより行うことができる。
【0042】工程4: 式(D)の化合物とクロロトリ
フェニルメタンとの反応は通常適当な溶媒中、塩基の存
在下で行われる。使用する溶媒及び塩基としては、上記
製法(a)で述べた具体例をそのまま挙げることができ
る。反応温度は、通常約-10 ℃〜約150 ℃、好ましくは
約0℃〜約100 ℃である。
【0043】工程5: 式(F)の化合物は、式(E)
の化合物を水素化ジイソブチルアルミニウム,水素化リ
チウムアルミニウム,水素化ビス(2−メトキシエトキ
シ)アルミニウムナトリウムのような金属水素化物を用
いて還元することにより製造することができる。使用す
る溶媒の具体例としては、ジエチルエーテル,テトラヒ
ドロフランのようなエーテル類、ベンゼン,トルエンの
ような芳香族炭化水素類、塩化メチレン,クロロホルム
のようなハロゲン化炭化水素類が挙げられる。反応温度
は用いる金属水素化物の種類等により異なるが、通常約
-10 ℃〜約100 ℃、好ましくは約0℃〜約50℃である。
【0044】工程6: 本工程の反応は通常適当な溶媒
中、希塩酸、希硫酸等の鉱酸を用いて行われる。使用す
る溶媒の具体例としては、メタノール,エタノールのよ
うなアルコール類、ジエチルエーテル,テトラヒドロフ
ランのようなエーテル類、アセトン、アセトニトリル、
エチレングリコール又はこれらの混液が挙げられる。反
応温度は用いる原料化合物の種類等により異なるが、通
常約0℃〜約100 ℃である。
【0045】なお、式(A)の原料化合物は市販されて
いるか又は市販されている原料化合物を出発原料とし
て、例えば日本化学会編「新実験化学講座14巻(I
I)」,丸善.1977, 1180-1182 頁に記載の方法に従い
製造することができる。
【0046】化7で示される方法により製造される式
(III)の最終生成物はラセミ体である。ラセミ体である
式(III)の化合物は、常法に従って2種の光学異性体に
分割することができる。例えば、式(III)の化合物を光
学活性酸で処理して、ジアステレオマー塩を形成させた
後、2種のジアステレオマー塩に分離し、次いでこれを
遊離塩基に変換させることにより行われる。
【0047】製法(b) 式(I)の化合物は、下記式(IV)
【0048】
【化8】
【0049】(式中、R1 ,R2 ,n及び波線は前掲に
同じものを意味する。)で表される化合物をジアゾ化す
ることにより製造することができる。
【0050】ジアゾ化による式(IV)の化合物から式
(I)の化合物への閉環反応は、芳香族アミンのジアゾ
化に通常用いられる条件下に行われる。ジアゾ化剤とし
ては、例えば亜硝酸ナトリウム或いは亜硝酸tert−ブチ
ル,亜硝酸イソアミルのような亜硝酸アルキルエステル
が挙げられる。亜硝酸による閉環反応の場合には、通常
式(IV)の化合物又はその酸付加塩の水溶液に過剰の鉱
酸(例えば、塩酸)又は有機酸(例えば、酢酸)を加え
た後、亜硝酸ナトリウムの水溶液を加えることにより行
われる。反応温度は通常約−20℃〜約60℃、好ましくは
約0℃〜約40℃である。亜硝酸アルキルエステルによる
閉環反応の場合には、通常、適当な溶媒中で式(IV)の
化合物又はその酸付加塩(例えば、塩酸塩,酢酸塩)と
亜硝酸アルキルエステルとを反応させることにより行わ
れる。溶媒としては、例えばメタノール,酢酸,酢酸−
ジオキサン,1,2−ジメトキシエタン,テトラヒドロ
フラン,アセトン,塩化メチレンが用いられ、反応温度
は通常約0℃〜約100 ℃、好ましくは約30℃〜約80℃で
ある。
【0051】式(IV)で表される原料化合物は、例え
ば、下記化9で示される方法により製造することができ
る。
【0052】
【化9】
【0053】(式中、Zはハロゲン原子を意味し、
2 ,Az及び波線は前掲に同じものを意味する。)
【0054】工程1: 式(G)の化合物又はその反応
性誘導体と式(III)の化合物との反応は、製法(a)と
同様にして行うことができる。なお、原料化合物である
式(G)の化合物は、例えば、Helv. Chim. Acta, 40,
369-372 (1957)に記載の方法に従って製造することがで
きる。
【0055】工程2: 式(H)の化合物と式:H2
−R2 で表される化合物との反応は、無溶媒下又は適当
な溶媒中で行われる。使用する溶媒としては、例えばメ
タノール,エタノールのようなアルコール類、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド、水が挙げられ
る。反応温度は、通常約0℃〜約150 ℃である。
【0056】工程3: 式(J)の化合物の還元は常法
に従って行われる。例えば、適当な溶媒中、式(J)の
化合物を還元剤で処理することにより行われる。還元剤
の具体例としては、金属(例えば、スズ,亜鉛,鉄)又
は金属塩(例えば、塩化第一スズ)と酸(例えば、塩
酸,酢酸)との組み合わせが挙げられるが、鉄又は塩化
第一スズは単独でも還元剤として使用することができ
る。あるいは、式(J)の化合物を適当な溶媒中で触媒
の存在下に水素添加することによっても行われる。触媒
の具体例としては、パラジウム炭素,ラネーニッケル,
酸化白金が挙げられる。使用する溶媒は、還元剤又は還
元手段に応じて適宜選択されるべきであるが、例えばメ
タノール,エタノールのようなアルコール類、酢酸エチ
ル、アセトン、酢酸、ジオキサン、水又はこれらの混液
が挙げられる。反応温度は、還元剤又は還元手段により
異なるが、通常約10℃〜約100 ℃であり、接触還元の場
合には、好ましくは約10℃〜約50℃である。式(J)に
おいてR2 がC3 〜C4 アルケニル基又はC3 〜C4
ルキニル基である化合物の場合には、金属又は金属塩と
酸との組み合わせ、あるいは鉄又は塩化第一スズで還元
するのが好ましい。
【0057】生成する式(IV)の化合物は、単離・精製
することなく、製法(b)の原料化合物として用いるこ
とができる。
【0058】製法(a)及び(b)によれば、原料化合
物である式(III)の化合物及び式(IV)の化合物におけ
る立体配置は、生成物である式(I)の化合物において
保持されている。従って、所望の立体配置を有する式
(I)の化合物は、対応する立体配置を有する原料化合
物を用いることにより、或いはラセミ体である原料化合
物を用いて、ラセミ体である式(I)の化合物を製造し
た後、常法に従って光学分割することにより製造するこ
とができる。
【0059】上記各製法により生成する化合物は、クロ
マトグラフィー,再結晶,再沈澱等の常法により単離,
精製される。
【0060】式(I)の化合物は、原料化合物の選定,
反応・処理条件等により、遊離塩基又は酸付加塩の形で
得られる。酸付加塩は、常法、例えば炭酸アルカリ,水
酸化アルカリのような塩基で処理することにより、遊離
塩基に変えることができる。一方、遊離塩基は、常法に
従って各種の酸と処理することにより酸付加塩に導くこ
とができる。
【0061】本発明の化合物及びその生理的に許容され
る酸付加塩は、優れた制吐作用及び消化管機能亢進作用
を併有し、かつ中枢抑制作用が弱いので、消化管機能改
善薬として各種の疾患、治療等に伴う種々の消化器機能
異常の治療及び予防に用いることができる。具体的に
は、急・慢性胃炎、逆流性食道炎、胃・十二指腸潰瘍、
胃神経症、胃下垂、胃切除後症候群、強皮症、糖尿病、
食道・胆道系疾患、小児の周期性嘔吐症、上気道感染症
などの疾患における食欲不振、悪心、嘔吐、腹部膨満
感、上腹部不快感、腹痛、胸やけ、曖気等の治療及び予
防に、また過敏性腸症候群、便秘、乳幼児下痢症の治療
及び予防に用いることがきる。更に、各種抗癌剤もしく
はレボドーパ製剤投与時又は放射線照射時の悪心又は嘔
吐の治療及び予防に用いることができる。
【0062】その投与経路としては、経口投与,非経口
投与或いは直腸内投与のいずれでもよい。投与量は、化
合物の種類,投与方法,患者の症状・年齢等により異な
るが、通常0.1 〜50 mg/kg/ 日、好ましくは0.5 〜10 m
g/kg/ 日の範囲である。
【0063】式(I)の化合物又はその生理的に許容さ
れる酸付加塩は上記の如き医薬用途に使用する場合、通
常、製剤用担体と混合して調製した製剤の形で投与され
る。製剤用担体としては、製剤分野において常用され、
かつ本発明の化合物と反応しない物質が用いられる。具
体的には、例えば乳糖,イノシトール,ブドウ糖,マン
ニトール,デキストラン,ソルビトール,シクロデキス
トリン,デンプン,部分アルファー化デンプン,白糖,
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム,合成ケイ酸アルミ
ニウム,結晶セルロース,カルボキシメチルセルロース
ナトリウム,ヒドロキシプロピルデンプン,カルボキシ
メチルセルロースカルシウム,イオン交換樹脂,メチル
セルロース,ゼラチン,アラビアゴム,プルラン,ヒド
ロキシプロピルセルロース,低置換度ヒドロキシプロピ
ルセルロース,ヒドロキシプロピルメチルセルロース,
ポリビニルピロリドン,ポリビニルアルコール,アルギ
ン酸,アルギン酸ナトリウム,軽質無水ケイ酸,ステア
リン酸マグネシウム,タルク,トラガント,ベントナイ
ト,ビーガム,カルボキシビニルポリマー,酸化チタ
ン,ソルビタン脂肪酸エステル,ラウリル硫酸ナトリウ
ム,グリセリン,脂肪酸グリセリンエステル,精製ラノ
リン,グリセロゼラチン,ポリソルベート,マクロゴー
ル,植物油,ロウ,水,プロピレングリコール,エタノ
ール,塩化ナトリウム,水酸化ナトリウム,塩酸,クエ
ン酸,ベンジルアルコール,グルタミン酸,グリシン,
パラオキシ安息香酸メチル,パラオキシ安息香酸プロピ
ル等が挙げられる。
【0064】剤型としては、錠剤,カプセル剤,顆粒
剤,散剤,シロップ剤,懸濁剤,注射剤,坐剤等が挙げ
られる。これらの製剤は常法に従って調製される。なお
液体製剤にあっては、用時、水又は他の適当な媒体に溶
解又は懸濁する形であってもよい。また錠剤,顆粒剤は
周知の方法でコーティングしてもよい。
【0065】これらの製剤は、式(I)の化合物又はそ
の生理的に許容される酸付加塩を0.01%以上、好ましく
は0.1 〜70%以上の割合で含有することができる。これ
らの製剤はまた、治療上価値ある他の成分を含有してい
てもよい。
【0066】
【実施例】以下に参考例及び実施例を挙げて本発明をさ
らに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限
定されるものではない。化合物の同定は元素分析値,マ
ス・スペクトル,IRスペクトル,NMRスペクトル等
により行った。
【0067】また、以下の参考例及び実施例において、
記載の簡略化のために次の略号を使用することもある。
【0068】J :結合定数、 s :一重線、 t :三重線、 q-like:四重線様、 m :多重線、 br-s :幅広い一重線、 br-s :幅広い二重線。
【0069】参考例 1――3−アミノ−1−エチルア
ザウンデカンの製造:
【0070】(1) シクロデカノン 25 g 、塩酸ヒド
ロキシルアミン 22.6 g 及びトリエチルアミン 33.6 g
のメタノール溶液 250 ml を攪拌しながら2時間加熱還
流した。反応終了後、溶媒を減圧で留去したのち、水及
びクロロホルムを加え、クロロホルムで抽出した。抽出
液を無水マグネシウムで乾燥したのち、溶媒を減圧で留
去した。析出した結晶を濾取し、これをジエチルエーテ
ルで洗浄してシクロデカノンオキシム 25 g を得た。
融点 77〜78℃
【0071】(2) ポリリン酸 485 gを130 ℃に加熱
し、攪拌しながら上記生成物 25 g を加えた。同温度で
1.5 時間攪拌後、反応混合物を 1.2 Lの氷水に注ぎ、攪
拌したのち、クロロホルムで抽出した。抽出液を無水マ
グネシウムで乾燥したのち、溶媒を減圧で留去した。析
出した結晶を濾取し、これをn−ヘキサンで洗浄してア
ザシクロウンデカン−2−オン 24.3 g を得た。 融点
155〜160℃
【0072】1H−NMRスペクトル(CDCl3,δppm): 1.
3-1.7 (12H, m), 1.75 (2H, m), 2.21(2H, m), 3.33 (2
H, q-like, J=5.7Hz), 5.59 (1H, br-s).
【0073】(3) 上記生成物 24 g 及びヨウ化エチ
ル 83 g の1,2−ジメトキシエタン溶液 250 ml を室
温で攪拌しながら約60%水素化ナトリウム 6.8 gを少し
ずつ加えた。室温で一昼夜攪拌後、反応液に水を加え、
酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水マグネシウムで乾
燥したのち、溶媒を減圧で留去した。残渣をシリカゲル
クロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル
(4:1)の混液で溶出・精製して、1−エチルアザシ
クロウンデカン−2−オン 21.7 g を得た。
【0074】(4) 上記生成物 21.7 g のテトラヒド
ロフラン溶液 200 ml を、氷冷下で攪拌しながらリチウ
ムジイソプロピルアミド(2Mテトラヒドロフラン溶液
65 ml)をゆっくり滴下し、同条件で45分間攪拌した。
反応混合物を、テトラヒドロフランに浸したドライアイ
スに注ぎ、攪拌した。反応液に、水、濃塩酸を加えて酸
性にしたのち、クロロホルムで抽出した。クロロホルム
層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧で留去
した。得られた油状物をn−ヘキサン−ジエチルエーテ
ルの混液で結晶化させたのち、結晶を濾取し、洗浄して
3−カルボキシ−1−エチルアザシクロウンデカン−2
−オン 19.9 g を得た。 融点 132〜133℃
【0075】(5) 上記生成物 18.6 g 、トリエチル
アミン 10 g 及び水 15 mlのアセトン溶液 200 ml に、
氷冷下で攪拌しながらクロロ炭酸エチル 11.5 g のアセ
トン溶液 50 mlをゆっくり滴下した。30分間攪拌後、さ
らにアジ化ナトリウム 8.75 gの水溶液 20 mlをゆっく
り滴下した。氷冷下、1.5 時間攪拌したのち、反応混合
物を氷水 400 ml にあけ、ジエチルエーテルで抽出し
た。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、トルエン
150 ml を加えたのち、ジエチルエーテルを減圧で留去
した。トルエン溶液を70℃で1時間加熱攪拌し、発泡が
止まった時点で、100 ℃まで温度を上げ、2時間攪拌し
た。反応終了後、溶媒を減圧で留去し、残渣に20%塩酸
100 ml を加え、1.5 時間還流した。反応混合物を酢酸
エチルで洗浄し、水層を炭酸カリウムで塩析した後、ク
ロロホルムで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、
無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧で留去して
3−アミノ−1−エチルアザシクロウンデカン−2−オ
ン 17.2 g を油状物として得た。
【0076】(6) 上記生成物 17.2 g のクロロホル
ム溶液 200 ml にトリエチルアミン 12.8 mlを加え、氷
冷下、クロロトリフェニルメタン 24.8 g を少しずつ加
え、室温で一昼夜攪拌した。反応終了後、溶媒を減圧で
留去し、酢酸エチル及び水を加え酢酸エチルで抽出し
た。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減
圧で留去した。得られた油状物をn−ヘキサンで結晶化
させてたのち、結晶を濾取し、洗浄して3−トリフェニ
ルメチルアミノ−1−エチルアザシクロウンデカン−2
−オン 23.0 g を得た。 融点 157〜158℃
【0077】(7) 水素化ビス(2−メトキシエトキ
シ)アルミニウムナトリウムの 70 %トルエン溶液 42
g にトルエン 270 ml を加え、これに上記生成物 22.5
g を室温で攪拌しながらゆっくり加えた。室温で一昼夜
攪拌したのち、氷冷下、15%水酸化ナトリウム水溶液を
加えた。反応混合物を酢酸エチルで抽出し、抽出液を水
洗し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾
燥後、溶媒を減圧で留去した。残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル
(20:1)で溶出・精製して3−トリチルアミノ−1−
エチルアザシクロウンデカン約 20 g を得た。
【0078】(8) 上記生成物約 20 g のテトラヒド
ロフラン溶液 5 ml を室温で攪拌しながら10%塩酸 150
ml を加え、室温で3時間攪拌した。析出した結晶を濾
過し、濾液を酢酸エチルで洗浄し、水層に炭酸カリウム
を加えてアルカリ性としたのち、クロロホルムで抽出し
た。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減
圧で留去して目的物約 10 g を得た。
【0079】参考例 2〜4――3−アミノ−1−エチ
ルアザシクロアルカンの製造:
【0080】参考例1のシクロデカノンの代わりに対応
するシクロアルカノンを用い、参考例1と同様に反応・
処理して下記化10で表される表1の化合物を油状物と
して得た。
【0081】
【化10】
【0082】
【表1】
【0083】実施例 1――N−(1−エチアザシクロ
ウンデカン−3−イル)−6−メトキシ−1H−ベンゾ
トリアゾール−5−カルボキサミドの製造:
【0084】6−メトキシ−1H−ベンゾトリアゾール
−5−カルボン酸 1.0 g のジメチルホルムアミド 20
ml溶液にN,N’−カルボニルジイミダゾール 0.93 g
を加え、室温で3時間攪拌した。反応液に3−アミノ−
1−エチルアザシクロウンデカン 1.03 g を加え、室温
で16時間攪拌した。反応終了後、溶媒を減圧で留去し、
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ク
ロロホルム−メタノール(40:1)で溶出・精製し、酢酸
エチルから再結晶して目的物 0.95gを得た。
【0085】融点 179〜180℃1 H−NMRスペクトル(CDCl3,δppm): 1.4 (3H, t, J=
7.0Hz), 1.2-1.8 (14H,br-s), 2.0-3.0 (6H, m), 3.95
(3H, s), 4.45 (1H, m), 5.0 (1H, br-s), 7.18(1H,
s), 7.75 (1H, br-d), 8.72 (1H, s).
【0086】実施例 2〜4――実施例1における3−
アミノ−1−エチルデカヒドロアゼシンの代わりに、対
応する3−アミノ−1−エチル−アザシクロアルカン類
を用い、実施例1と同様に反応・処理して化11で表さ
れる表2の化合物を得た。
【0087】
【化11】
【0088】
【表2】
【0089】
【発明の効果】以上説明したように、式(I)で表され
る本発明の化合物及びその生理的に許容される酸付加塩
は、優れた制吐作用と消化管機能亢進作用を併有し、か
つ中枢抑制作用が弱いので、消化管機能改善薬として各
種の疾患、治療等に伴う種々の消化器機能異常の治療及
び予防に用いることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 249:18)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化1で表されるN−(1−置換−ア
    ザシクロアルカン−3−イル)−6−メトキシ−1H−
    ベンゾトリアゾール−5−カルボキサミド誘導体又はそ
    の生理的に許容される酸付加塩。 【化1】 〔式中、R1 はC1 〜C4 アルキル基、(C3 〜C6
    クロアルキル)メチル基又はC3 〜C4 アルケニル基を
    意味し、R2 は水素原子、C1 〜C4 アルキル基、C3
    〜C6 シクロアルキル基、(C3〜C6 シクロアルキ
    ル)メチル基、C3 〜C4 アルケニル基又はC3 〜C4
    アルキニル基を意味し、nは4、5、6又は7を意味
    し、波線(〜)はそれが結合している炭素原子の立体配
    置がRS、R又はSであることを意味する。〕
JP7102096A 1996-03-01 1996-03-01 N−(1−置換−アザシクロアルカン−3−イル)−6−メトキシ−1h−ベンゾトリアゾール−5−カルボキサミド誘導体 Pending JPH09241256A (ja)

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