JPH09241201A - 1−アルキル−2,2−ジフルオロアルキルエーテル誘導体の製造方法 - Google Patents

1−アルキル−2,2−ジフルオロアルキルエーテル誘導体の製造方法

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JPH09241201A
JPH09241201A JP4852596A JP4852596A JPH09241201A JP H09241201 A JPH09241201 A JP H09241201A JP 4852596 A JP4852596 A JP 4852596A JP 4852596 A JP4852596 A JP 4852596A JP H09241201 A JPH09241201 A JP H09241201A
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JP
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alkyl
alkyl group
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JP4852596A
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English (en)
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Tetsuo Kusumoto
哲生 楠本
Tamejirou Hiyama
爲次郎 檜山
Hiroshi Matsutani
寛 松谷
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Sagami Chemical Research Institute
Original Assignee
Sagami Chemical Research Institute
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 一般式(I)(式中、R1は置換もしく
は未置換のアルキル基またはフェニル基を表わし、R2
は置換もしくは未置換のアルキル基またはフェニル基を
表わし、R3は水素原子、フッ素原子または置換もしく
は未置換のアルキル基を表わす。)で表わされる1−ア
ルコキシ−2,2−ジフルオロアルキルスルホナート誘
導体に有機アルミニウム反応剤を作用させることを特徴
とする、一般式(II)(式中、R1およびR3は上記と
同一であり、R4は置換もしくは未置換のアルキル基を
表わす。)で表わされる1−アルキル−2,2−ジフル
オロアルキルエーテル誘導体の製造方法。 【化1】 【効果】 1−アルキル−2,2−ジフルオロアルキル
エーテル誘導体およびその光学活性体を容易に製造する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶等の有機機能材
料や医薬等の生理活性物質などの合成中間体として有用
な1−アルキル−2,2−ジフルオロアルキルエーテル
誘導体およびその光学活性体の製造方法と光学活性1−
アルコキシ−2,2−ジフルオロアルキルスルホナート
誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】アセタール誘導体は有機機能材料や生理
活性物質の重要な合成中間体である。しかしながら、含
フッ素アセタール誘導体を有用物質に導いた例は少な
い。たとえば、1−アルコキシ−2,2−ジフルオロア
ルキルスルホナートは1−アルコキシ−2,2−ジフル
オロアルカノールと有機スルホニルクロリドとの反応に
よって簡単に製造できる(特開平2−104545、T
etrahedron Lett., 32, 382
3−3826 (1991)、J. Med. Che
m., 13, 1212−1215 (197
0))。しかしこれらの利用例としては、フッ化カリウ
ムまたはフッ化セシウムと作用させ、1,2,2−トリ
フルオロアルキルエーテルを製造する方法(特開平2−
104545)やアミンと反応させ1,2,2−トリフ
ルオロアルキルアミンを製造する方法(Tetrahe
dron Lett., 32, 3823−3826
(1991))が知られているだけであり、もちろん
光学活性体については全く知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、有機機能材
料や生理活性物質などの合成中間体として有用な1−ア
ルキル−2,2−ジフルオロアルキルエーテル誘導体お
よびその光学活性体の製造方法を提供する。さらにその
原料である光学活性1−アルコキシ−2,2−ジフルオ
ロアルキルスルホナート誘導体を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、1−アルコキシ−2,2−ジフルオロアルキル
スルホナート誘導体に、有機アルミニウム反応剤を作用
させることによって、1−アルキル−2,2−ジフルオ
ロアルキルエーテル誘導体が得られることを見出し、さ
らに、1−アルコキシ−2,2−ジフルオロアルキルス
ルホナート誘導体を光学分割することによって光学活性
1−アルコキシ−2,2−ジフルオロアルキルスルホナ
ート誘導体が得られ、これに、有機アルミニウム反応剤
を作用させることによって、光学活性1−アルキル−
2,2−ジフルオロアルキルエーテル誘導体が得られる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち本発明は、一般式(I)
【化6】
【0006】(式中、R1は置換もしくは未置換のアル
キル基またはフェニル基を表わし、R2は置換もしくは
未置換のアルキル基またはフェニル基を表わし、R3
水素原子、フッ素原子または置換もしくは未置換のアル
キル基を表わす。)で表わされる1−アルコキシ−2,
2−ジフルオロアルキルスルホナート誘導体に有機アル
ミニウム反応剤を作用させることを特徴とする、一般式
(II)
【0007】
【化7】
【0008】(式中、R1およびR3は上記と同一であ
り、R4は置換もしくは未置換のアルキル基を表わ
す。)で表わされる1−アルキル−2,2−ジフルオロ
アルキルエーテル誘導体の製造方法を提供する。
【0009】さらに本発明は、一般式(I’)
【0010】
【化8】
【0011】(式中、R1は置換もしくは未置換のアル
キル基またはフェニル基を表わし、R2は置換もしくは
未置換のアルキル基またはフェニル基を表わし、R3
水素原子、フッ素原子または置換もしくは未置換のアル
キル基を表わし、*を付した炭素は不斉炭素を表わ
す。)で表わされる光学活性1−アルコキシ−2,2−
ジフルオロアルキルスルホナート誘導体に有機アルミニ
ウム反応剤を作用させることを特徴とする、一般式(I
I’)
【0012】
【化9】
【0013】(式中、R1およびR3は上記と同一であ
り、R4は置換もしくは未置換のアルキル基を表わし、
*を付した炭素は不斉炭素を表わす。)で表わされる光
学活性1−アルキル−2,2−ジフルオロアルキルエー
テル誘導体の製造方法を提供する。
【0014】さらに、本発明は一般式(I’)
【0015】
【化10】
【0016】(式中、R1は置換もしくは未置換のアル
キル基またはフェニル基を表わし、R2は置換もしくは
未置換のアルキル基またはフェニル基を表わし、R3
水素原子、フッ素原子または置換もしくは未置換のアル
キル基を表わし、*を付した炭素は不斉炭素を表わ
す。)で表わされる光学活性1−アルコキシ−2,2−
ジフルオロアルキルスルホナート誘導体を提供する。
【発明の実施の形態】
【0017】上記一般式(I)、(II)、(I’)お
よび(II’)中、R1としては置換もしくは未置換の
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基などのアルキル基もしくは置換または未
置換のフェニル基が挙げられる。その置換基としてはメ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基などのアルキル基、ビニル基、1−プロ
ペニル基、1−ブテニル基などのアルケニル基、フッ素
原子、塩素原子、臭素原子のハロゲン原子、メトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、フェノキ
シ基などのアルコキシル基もしくはアリールオキシ基お
よびフェニル基などが挙げられる。
【0018】上記一般式(I)および(I’)中、R2
としては置換もしくは未置換のメチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基などのア
ルキル基もしくは置換または未置換のフェニル基が挙げ
られる。その置換基としてはメチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基などのアル
キル基、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基
などのアルケニル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子
のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、ブトキシ基、フェノキシ基などのアルコキシル基も
しくはアリールオキシ基およびフェニル基などが挙げら
れる。
【0019】上記一般式(I)、(II)、(I’)お
よび(II’)中、R3としては水素原子、フッ素原子
または置換もしくは未置換のメチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基などのアル
キル基が挙げられる。その置換基としてはメチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル
基などのアルキル基、ビニル基、1−プロペニル基、1
−ブテニル基などのアルケニル基、フッ素原子、塩素原
子、臭素原子のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、ブトキシ基、フェノキシ基などのア
ルコキシル基もしくはアリールオキシ基などが挙げられ
る。
【0020】上記一般式(II)および(II’)中、
4としては置換もしくは未置換のメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基な
どのアルキル基が挙げられる。その置換基としてはメチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、
ヘプチル基などのアルキル基、ビニル基、1−プロペニ
ル基、1−ブテニル基などのアルケニル基、フッ素原
子、塩素原子のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、ブトキシ基、フェノキシ基などのア
ルコキシル基もしくはアリールオキシ基およびフェニル
基などが挙げられる。
【0021】上記本発明の製造方法で用いる有機アルミ
ニウム化合物としては、R4 3Al、R4 2AlCl、R4
AlCl2などが挙げられる。また、R4 3Al、R4 2
lCl、R4AlCl2、AlCl3などにR4M(MはL
i、MgX(Xはハロゲン))を組み合わせて用いるこ
ともできる。使用量はスルホナート(I)1モルに対し
て1.0〜10モル等量用いることができるが、望まし
くは1.0〜2.0等量である。この反応においては、
溶媒を用いることが好ましく、溶媒としてはジクロロメ
タン、ジクロロエタン、クロロホルム、ペンタン、ヘキ
サン、ベンゼン、トルエン、ジエチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン(THF)などを用いることができるが、
ジクロロメタン、ジクロロエタン、トルエン、ヘキサン
が好ましい。反応温度は−100℃から溶媒還流温度の
範囲で行なえるが、好ましくは−80℃から室温の範囲
である。
【0022】ここで、一般式(I)で表わされる1−ア
ルコキシ−2,2−ジフルオロアルキルスルホナート誘
導体は塩基存在下、一般式(III)
【0023】
【化11】
【0024】(式中、R1は置換もしくは未置換のアル
キル基またはフェニル基を表わし、R3は水素原子、フ
ッ素原子または置換もしくは未置換のアルキル基を表わ
す。)で表わされる1−アルコキシ−2,2−ジフルオ
ロアルカノールと有機スルホン酸塩化物との反応などの
既知の方法により容易に得られる。
【0025】一般式(I’)で表わされる光学活性1−
アルコキシ−2,2−ジフルオロアルキルスルホナート
誘導体は一般式(I)で表わされる1−アルコキシ−
2,2−ジフルオロアルキルスルホナート誘導体を光学
異性体分離カラムを用いた高速液体クロマトグラフィー
等による光学分割を行なうことにより得られる。
【0026】なお、本発明における一般式(I’)およ
び(II’)で表わされる光学活性化合物は、その光学
純度が30% e.e.から100% e.e.のもの
である。
【0027】
【実施例】以下に実施例をあげて、本発明を具体的に説
明するが、もちろん本発明、および適用範囲は、これら
の実施例により何ら制限されるものではない。
【0028】なお、化合物の構造はNMR、IR、MS
および元素分析により確認した。IRにおける(KB
r)は錠剤成形による測定を、(neat)は液膜によ
る測定を表わす。NMRにおけるCDCl3 は溶媒であ
る重水素化クロロホルムを表わし、sは1重線、dは2
重線、tは3重線、qは4重線、mは多重線を表わす。
MSにおけるM+は親ピークを表わし、括弧の中の数値
はそのピークの相対強度を表わす。
【0029】(参考例1)p−トルエンスルホン酸 1
−ベンジルオキシ−2,2,2−トリフルオロエチルの
合成
【0030】
【化12】
【0031】(1)1−ベンジルオキシ−2,2,2−
トリフルオロエタノールの合成 文献(P. J. Casara ら、Tetrahedron Lett., 32, 3823
-3826 (1991))に記載の方法を参考にして、150 ℃に加
熱したポリりん酸(10 ml)中に1-エトキシ-2,2,2-トリ
フルオロエタノール(3.74 g, 26.0 mmol)を滴下して
発生させたトリフルオロアセトアルデヒドをベンジルア
ルコール(1.08 g, 10.0 mmol)のジエチルエーテル(1
5 ml)溶液に、-10 ℃で導入した。ガス導入後、反応溶
液を室温まで上昇させながら、1 時間攪拌させた。反応
溶液を濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(ワコ
ーゲル C 300、ヘキサン / 酢酸エチル = 5 : 1、内径2
0 mm × 200 mm)によって精製し、 1-ベンジルオキシ-
2,2,2-トリフルオロエタノール(1.95 g)を得た。生成
物は再結晶(ヘキサン / エーテル = 10 : 1,10 ml)を
行なって、精製物(0.67 g, 収率 32%)を得た。
【0032】無色針状晶 融点 51 ℃ Rf (ヘキサン / 酢酸エチル = 5 : 1) 0.4 IR (KBr) 3356 (b), 1458 (w), 1273 (m), 1194 (s),
1157 (s), 1105 (m), 1071 (m), 758 (m), 698 (m)1 H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.66 (d, J = 11.5 Hz, 1
H), 4.75 (d, J = 12.1Hz, 1 H), 4.86 (dq, J = 11.5
and 3.6 Hz, 1 H), 4.91 (d, J = 12.1 Hz, 1H), 7.31
-7.43 (m, 5 H) MS (m/z) 108 (100), 91 (16), 79 (94) 元素分析: C9H9F3O2 として計算値: C, 52.43; H, 4.4
0%. 実測値: C, 52.40;H, 4.44%
【0033】(2)p−トルエンスルホン酸 1−ベン
ジルオキシ−2,2,2−トリフルオロエチルの合成
【0034】文献(特開平 2-104545)に記載の方法を
参考にして、1-ベンジルオキシ-2,2,2-トリフルオロエ
タノール(515 mg, 2.50 mmol)の 1,4-ジオキサン(5
ml)溶液に 10 ℃でトリエチルアミン(417 μl, 3.00
mmol)、p-トルエンスルホン酸塩化物(577 mg, 3.00 m
mol)の 1,4-ジオキサン(5 ml)溶液、および 4-ジメ
チルアミノピリジン(37 mg, 0.30 mmol)を加えたのち
室温で 3 時間攪拌した。反応液をセライト上で濾過
し、沈殿はエーテル(20 ml)で洗浄した。濾液と洗液
はまとめて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20 ml)、
さらに飽和塩化ナトリウム水溶液(20 ml)で洗浄し、
無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、濃縮した。残渣を
カラムクロマトグラフィー(Kieselgel 60、ヘキサン /
酢酸エチル= 10 : 1、内径 20 mm × 200 mm)によっ
て精製し、 p-トルエンスルホン酸 1-ベンジルオキシ-
2,2,2-トリフルオロエチル(550 mg, 収率 61%)を得
た。
【0035】無色固体 Rf (ヘキサン / 酢酸エチル = 10 : 1) 0.31 H NMR (200 MHz, CDCl3) δ 2.5 (s, 3 H), 4.8 (d, J
= 12 Hz, 1 H), 5.0 (d, J = 12 Hz, 1 H), 5.7 (q, J
= 3 Hz, 1 H), 7.3 (d, J = 8 Hz, 2 H), 7.3-7.4 (m,
5 H), 7.8 (d, J = 8 Hz, 2 H)
【0036】(実施例1)2−ベンジルオキシ−1,
1,1−トリフルオロブタンの合成(ジクロロエタン溶
媒)
【0037】
【化13】
【0038】p-トルエンスルホン酸 1-ベンジルオキシ-
2,2,2-トリフルオロエチル(72 mg,0.20 mmol)の1,2-
ジクロロエタン(3.0 ml)溶液に -20 ℃でトリエチル
アルミニウム(0.91 mol / l ヘキサン溶液, 0.55 ml,
0.50 mmol)を 30 分間かけて滴下し、-20 ℃で 30 分
間攪拌した。反応液を 2M-塩酸(10 ml)中に注ぎ、得
られた混合液をクロロホルム(10 ml × 2)で抽出し
た。抽出液はまとめて飽和塩化ナトリウム水溶液(10 m
l)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、濃
縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ワコーゲル
C 300、ヘキサン/ 酢酸エチル = 40 : 1、内径 10 mm
× 250 mm)によって精製し、ベンジルオキシ-1,1,1-ト
リフルオロブタン (22 mg, 収率 50%)を得た。
【0039】無色液体 Rf (ヘキサン / 酢酸エチル = 40 : 1) 0.41 H NMR (200 MHz, CDCl3) δ 0.99 (dd, J = 7.4 and
7.8 Hz, 3 H), 1.6-1.8 (m, 2 H), 5.7 (ddq, J = 8.7,
6.6, and 4.2 Hz, 1 H), 4.6 (d, J = 11 Hz, 1H), 4.
8 (d, J = 11 Hz, 1 H) , 7.3-7.4 (m, 5 H) MS (m/z) 218 (M+, 48), 107 (8), 91 (100), 79 (31)
【0040】(実施例2)2−ベンジルオキシ−1,
1,1−トリフルオロブタンの合成(トルエン溶媒) p-トルエンスルホン酸 1-ベンジルオキシ-2,2,2-トリフ
ルオロエチル(72 mg,0.20 mmol)のトルエン(2.5 m
l)溶液に -20 ℃でトリエチルアルミニウム(0.91 mol
/ l ヘキサン溶液, 0.55 ml, 0.50 mmol)を 30 分間
かけて滴下し、-20 ℃で 30 分間攪拌した。反応液を 2
M-塩酸(10 ml)中に注ぎ、得られた混合液をジエチル
エーテル(10 ml × 2)で抽出した。抽出液はまとめて
飽和塩化ナトリウム水溶液(10 ml)で洗浄し、無水硫
酸ナトリウムで乾燥させた後、濃縮した。残渣をカラム
クロマトグラフィー(ワコーゲル C 300、ヘキサン /
酢酸エチル = 40 : 1、内径 10 mm × 250 mm)によっ
て精製し、ベンジルオキシ-1,1,1-トリフルオロブタン
(30 mg, 収率 69%)を得た。
【0041】(実施例3)2−ベンジルオキシ−4−メ
チル−1,1,1−トリフルオロペンタンの合成
【0042】
【化14】
【0043】p-トルエンスルホン酸 1-ベンジルオキシ-
2,2,2-トリフルオロエチル(72 mg,0.20 mmol)のトル
エン(2.5 ml)溶液に -20 ℃でトリイソブチルアルミ
ニウム(0.92 mol / l ヘキサン溶液, 0.54 ml, 0.50 m
mol)を 30 分間かけて滴下し、-20 ℃で 30 分間攪拌
した。反応液を 2M-塩酸(10 ml)中に注ぎ、得られた
混合液をジエチルエーテル(10 ml × 2)で抽出した。
抽出液はまとめて飽和塩化ナトリウム水溶液(10 ml)
で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、濃縮し
た。残渣をカラムクロマトグラフィー(ワコーゲル C 3
00、ヘキサン /酢酸エチル = 100 : 1、内径 10 mm ×
250 mm)によって精製し、2-ベンジルオキシ-4-メチル-
1,1,1-トリフルオロペンタン (31 mg, 収率 63%)を得
た。
【0044】無色液体 Rf (ヘキサン / 酢酸エチル = 100 : 1) 0.3 IR (KBr) 2961 (m), 1468 (w), 1385 (w), 1358 (w),
1281 (s), 1144 (s), 1115 (s), 1028 (w), 747 (m), 6
96 (m)1 H NMR (200 MHz, CDCl3) δ 0.78 (d, J = 6.5 Hz, 3
H), 0.95 (d, J = 6.5 Hz, 3 H), 1.2-1.4 (m, 1 H),
1.6-1.8 (m, 1 H), 1.7-1.9 (m, 1 H), 3.7-4.0 (m, 1
H), 4.6 (d, J = 11 Hz, 1 H), 4.9 (d, J = 11 Hz, 1
H) , 7.2-7.4 (m,5 H) MS (m/z) 246 (M+, 17), 137 (2), 107 (8), 91 (100)
【0045】(実施例4)(+)−2−ベンジルオキシ
−1,1,1−トリフルオロブタンの合成 (4-1)p−トルエンスルホン酸 1−ベンジルオキシ
−2,2,2−トリフルオロエチルの光学分割
【0046】
【化15】
【0047】p-トルエンスルホン酸 1-ベンジルオキシ-
2,2,2-トリフルオロエチル(300 mg)を分取用高速液体
クロマトグラフィー(ダイセル社、光学異性体分離カラ
ムCHIRALCEL OD、内径 20 mm × 300 mm、ヘキサン / 2
-プロパノール = 100 : 1、流速 6 ml / min)による光
学分割を行なって (+)-p-トルエンスルホン酸 1-ベンジ
ルオキシ-2,2,2-トリフルオロエチル(135 mg, 収率 45
%, 光学純度 100%e.e., 保持時間 53 分)および (-)-p
-トルエンスルホン酸 1-ベンジルオキシ-2,2,2-トリフ
ルオロエチル(142 mg, 収率 47%, 光学純度 98% e.e.
以上,保持時間 63 分)を得た。
【0048】(+)-p-トルエンスルホン酸 1-ベンジルオ
キシ-2,2,2-トリフルオロエチル 無色固体 融点 79 ℃ [α]D 20 + 38.0°(c 1.02, CHCl3) IR (KBr) 2961 (w), 1597 (w), 1377 (m), 1287 (m),
1196 (s), 934 (m), 841(m), 666 (m), 554 (m)1 H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.46 (s, 3 H), 4.79 (d,
J = 11.8 Hz, 1 H), 4.97 (d, J = 11.8 Hz, 1 H), 5.
74 (q, J = 3.4 Hz, 1 H), 7.33-7.42 (m, 5 H),7.35
(dt, J = 8.4 and 1.8 Hz, 2 H), 7.81 (dt, J = 8.4 a
nd 1.8 Hz, 2 H) MS (m/z) 360 (M+, 2), 273 (2), 233 (2), 188 (75),
91 (100)
【0049】(-)-p-トルエンスルホン酸 1-ベンジルオ
キシ-2,2,2-トリフルオロエチル 無色固体 融点 79 ℃ [α]D 20 - 37.7°(c 1.03, CHCl3) IR (KBr) 2959 (w), 1597 (w), 1377 (m), 1287 (m),
1196 (s), 934 (m), 841(m), 666 (m), 554 (m)1 H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.46 (s, 3 H), 4.79 (d,
J = 11.8 Hz, 1 H), 4.97 (d, J = 11.8 Hz, 1 H), 5.
74 (q, J = 3.4 Hz, 1 H), 7.33-7.42 (m, 5 H),7.35
(dt, J = 8.4 and 1.8 Hz, 2 H), 7.81 (dt, J = 8.4 a
nd 1.8 Hz, 2 H) MS (m/z) 360 (M+, 2), 273 (2), 233 (1), 188 (71),
91 (100) 元素分析: C16H15F3O4S として計算値: C, 53.33; H,
4.20%. 実測値: C, 53.16; H, 4.25%
【0050】(4-2)(+)−2−ベンジルオキシ−
1,1,1−トリフルオロブタンの合成
【0051】
【化16】
【0052】(+)-p-トルエンスルホン酸 1-ベンジルオ
キシ-2,2,2-トリフルオロエチル(90mg, 0.25 mmol, 約
100% e.e.)のトルエン(2.5 ml)溶液に -20 ℃でトリ
エチルアルミニウム(0.91 mol / l ヘキサン溶液, 0.6
9 ml, 0.63 mmol)を 45 分間かけて滴下し、-20 ℃で
30 分間攪拌した。反応液を 2M-塩酸(10 ml)中に注
ぎ、得られた混合液をジエチルエーテル(10 ml × 2)
で抽出した。抽出液はまとめて飽和塩化ナトリウム水溶
液(20 ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ
た後、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ワ
コーゲル C 300、ヘキサン / 酢酸エチル = 40 : 1、内
径 10 mm × 250 mm)によって精製し、(+)-2-ベンジル
オキシ-1,1,1-トリフルオロブタン (41 mg, 収率 75%,
82% e.e.)を得た。
【0053】無色液体 Rf (ヘキサン / 酢酸エチル = 40 : 1) 0.4 [α]D 20 + 40.9° (c 1.03, CHCl3) IR (KBr) 2940 (w), 1456 (w), 1385 (w), 1269 (m),
1157 (s), 1121 (s), 1036 (m), 743 (m), 696 (m)1 H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.99 (dd, J = 7.4 and
7.8 Hz, 3 H), 1.60-1.78(m, 2 H), 5.74 (ddq, J = 8.
7, 6.6, and 4.2 Hz, 1 H), 4.59 (d, J = 11.3Hz, 1
H), 4.84 (d, J = 11.3 Hz, 1 H) , 7.30-7.40 (m, 5
H) MS (m/z) 218 (M+, 30), 107 (7), 91 (100), 79 (33) 高分解能質量分析: C11H13F3O として計算値: 218.091
8. 実測値: 218.0920
【0054】(実施例5)(−)−2−ベンジルオキシ
−4−メチル−1,1,1−トリフルオロペンタンの合
【0055】
【化17】
【0056】(-)-p-トルエンスルホン酸 1-ベンジルオ
キシ-2,2,2-トリフルオロエチル(90mg, 0.25 mmol, 94
% e.e.)のトルエン(2.5 ml)溶液に -20 ℃でトリイ
ソブチルアルミニウム(0.92 mol / l ヘキサン溶液,
0.68 ml, 0.63 mmol)を 45分間かけて滴下し、-20 ℃
で 30 分間攪拌した。反応液を 2M-塩酸(10 ml)中に
注ぎ、得られた混合液をジエチルエーテル(10 ml ×
2)で抽出した。抽出液はまとめて飽和塩化ナトリウム
水溶液(10 ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ
た後、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ワ
コーゲル C 300、ヘキサン / 酢酸エチル = 100 : 1、
内径 10 mm × 250 mm)によって精製し、(-)-2-ベンジ
ルオキシ-4-メチル-1,1,1-トリフルオロペンタン (47
mg, 収率 76%, 61% e.e.)を得た。
【0057】無色液体 Rf (ヘキサン / 酢酸エチル = 100 : 1) 0.3 [α]D 20 - 30.5°(c 0.95, CHCl3) IR (KBr) 3034 (w), 2961 (s), 2874 (w), 1468 (w),
1385 (w), 1358 (w), 1281 (s), 1144 (s), 1028 (w),
747 (w), 696 (m)1 H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.78 (d, J = 6.7 Hz, 3
H), 0.93 (d, J = 6.7 Hz, 3 H), 1.34 (ddd, J = 14.
3, 10.0, and 2.8 Hz, 1 H), 1.68 (ddd, J = 14.3, 1
0.0, and 4.2 Hz, 1 H), 1.81 (dd septet, J = 10.0,
6.7, and 4.2 Hz, 1H), 3.76 (ddq, J = 10.0, 6.4, an
d 2.8 Hz, 1 H), 4.58 (d, J = 11.2 Hz, 1H), 4.86
(d, J = 11.2 Hz, 1 H) , 7.28-7.42 (m, 5 H) MS (m/z) 246 (M+, 18), 155 (1), 137 (2), 107 (6),
91 (100) 元素分析: C13H17F3O として計算値: C, 63.40; H, 6.
96%. 実測値: C, 63.15;H, 6.95%
【0058】
【発明の効果】本発明により1−アルキル−2,2−ジ
フルオロアルキルエーテル誘導体およびその光学活性体
を容易に製造することができる。
【手続補正書】
【提出日】平成8年12月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】上記本発明の製造方法で用いる有機アルミ
ニウム反応剤としては、R4 3Al、R4 2AlCl、R4
AlCl2などが挙げられる。また、R4 3Al、R4 2
lCl、R4AlCl2、AlCl3などにR4M(MはL
i、MgX(Xはハロゲン))を組み合わせて用いるこ
ともできる。使用量はスルホナート(I)1モルに対し
て1.0〜10モル等量用いることができるが、望まし
くは1.0〜2.0等量である。この反応においては、
溶媒を用いることが好ましく、溶媒としてはジクロロメ
タン、ジクロロエタン、クロロホルム、ペンタン、ヘキ
サン、ベンゼン、トルエン、ジエチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン(THF)などを用いることができるが、
ジクロロメタン、ジクロロエタン、トルエン、ヘキサン
が好ましい。反応温度は−100℃から溶媒還流温度の
範囲で行なえるが、好ましくは−80℃から室温の範囲
である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1は置換もしくは未置換のアルキル基または
    フェニル基を表わし、R2は置換もしくは未置換のアル
    キル基またはフェニル基を表わし、R3は水素原子、フ
    ッ素原子または置換もしくは未置換のアルキル基を表わ
    す。)で表わされる1−アルコキシ−2,2−ジフルオ
    ロアルキルスルホナート誘導体に有機アルミニウム反応
    剤を作用させることを特徴とする、一般式(II) 【化2】 (式中、R1およびR3は上記と同一であり、R4は置換
    もしくは未置換のアルキル基を表わす。)で表わされる
    1−アルキル−2,2−ジフルオロアルキルエーテル誘
    導体の製造方法。
  2. 【請求項2】 一般式(I’) 【化3】 (式中、R1は置換もしくは未置換のアルキル基または
    フェニル基を表わし、R2は置換もしくは未置換のアル
    キル基またはフェニル基を表わし、R3は水素原子、フ
    ッ素原子または置換もしくは未置換のアルキル基を表わ
    し、*を付した炭素は不斉炭素を表わす。)で表わされ
    る光学活性1−アルコキシ−2,2−ジフルオロアルキ
    ルスルホナート誘導体に有機アルミニウム反応剤を作用
    させることを特徴とする、一般式(II’) 【化4】 (式中、R1およびR3は上記と同一であり、R4は置換
    もしくは未置換のアルキル基を表わし、*を付した炭素
    は不斉炭素を表わす。)で表わされる光学活性1−アル
    キル−2,2−ジフルオロアルキルエーテル誘導体の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 一般式(I’) 【化5】 (式中、R1は置換もしくは未置換のアルキル基または
    フェニル基を表わし、R2は置換もしくは未置換のアル
    キル基またはフェニル基を表わし、R3は水素原子、フ
    ッ素原子または置換もしくは未置換のアルキル基を表わ
    し、*を付した炭素は不斉炭素を表わす。)で表わされ
    る光学活性1−アルコキシ−2,2−ジフルオロアルキ
    ルスルホナート誘導体。
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