JPH09239997A - メンテキャップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 メンテキャップ内の大気連通口の穴詰まりを
防止する。 【解決手段】 メンテキャップ１内の大気連通口３に逆
止弁を設けることにより大気連通口の穴詰まりを防止
し、吸引口５には吸引口を簡易的に封止し蒸発防止する
ための封止弁を設ける事で吸引口詰まりを防止でき、更
にメンテキャップ内を撥インク性にする事で更に穴詰ま
り防止機構の機能が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、インク滴を飛翔さ
せて、記録紙等の記録媒体上にインク像を形成するイン
クジェットプリンタのメンテステーションに関し、特に
メンテステーションのメンテキャップに関する。

【０００２】

【従来の技術】インクジェットプリンタはインクジェッ
トヘッドの複数のノズルからインクを方向、液滴径、吐
出速度を一定に保ちながら吐出させることにより良好な
印字品質を得ることができるプリンタである。更にイン
クジェットプリンタはノズルの数とインクの種類を容易
に増加できるのでカラー化が進み現在では主流のプリン
タになっている。しかし反面、１ノズルでも良好な吐出
が出来なくなると良好な印字が出来なくなるといった欠
点もある。この欠点を克服するためにインクジェットプ
リンタには良好な吐出を保証するためのメンテステーシ
ョンが具備されている。

【０００３】メンテステーションの役割は印字中や長期
保存等様々な要因によりインクジェットヘッドからイン
クが良好に吐出できなくなったとき、吐出状態を良好な
状態に回復させることにより良好な印字を行えるように
する機能を備えたものである。

【０００４】良好な吐出状態に復帰させるための手段と
しては一般にワイパーをインクジェットヘッドのノズル
面に当接させワイパーとノズル面を相対的に移動させる
ことによりノズル面に付着したインクを取り除くワイピ
ング手段と、吸引ポンプに接続された吸引口と、大気と
連通するための弁を装備した大気連通口を具備したメン
テキャップをノズル面に押しつけ強制的に吸引すること
によりノズル内に詰まったゴミをノズル外へ排出するこ
とで回復させる吸引手段を組み合わせている。実際のメ
ンテナンスの手順としてはインクジェットヘッドのノズ
ルにメンテキャップを当接させた後、大気連通口を閉じ
たままキャップ内を負圧にする事でノズルからインクを
吸引する。次にキャップ内に溜まったインクを除去する
ため大気連通口を開いた状態で再び吸引を行う。キャッ
プ内のインクが除去できたらメンテキャップをノズルよ
り分離しワイピングを行いノズル近傍に付着した不要な
インクを取り除くという一連の動作を繰り返している。

【０００５】従来インクジェットプリンタに用いられる
メンテステーションのメンテキャップは図７に示す構造
をしている。この様なメンテキャップを用いて前述のメ
ンテナンスを行なった場合メンテキャップ中にインクが
残留すると大気連通口や吸引口が詰まってしまいメンテ
キャップ内のインクを除去する事やインクを吸引する事
が出来なくなってしまうといった問題がある。この結果
メンテナンスが作動しなくなるため、良好な印字をさせ
る事が出来ないといった問題がある。

【０００６】これを解決するために特開平７−１３２６
０８には大気連通口をキャップ部に持たせることによ
り、大気連通口詰まりをくい止める方法が提案されてい
るがこの方法を用いるとメンテキャップをノズル面に当
接するときは大気連通機能を発揮するが任意に開閉でき
ないといった欠点がある。

【０００７】またインクを染料等の再溶解性のあるもの
を用いることでキャップ中の残留インクを再び溶解させ
機能を保つプリンタも市販されているがこのような方法
をでは耐水性の無いインクしかインクジェットプリンタ
に用いることが出来ないといった欠点がある。特に顔料
を分散したインクを使用した場合には、顔料インクは一
度乾燥固化すると再分散性が無いため一度大気連通口を
詰まらせると再びメンテ機構が動作し無くなるといった
欠点を有している。

【０００８】特開平７−１３２６０６にはメンテキャッ
プの中に多孔質部材を入れることによりインクの蒸発を
防ぐことで大気連通口等の穴詰まりを防止しているがこ
の方法では長時間にわたる印字中やインク切れ時に長時
間放置されると目的の効果を得られないといった欠点が
ある。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる問題を
鑑み良好なメンテナンスを行うためのメンテステーショ
ンのメンテキャップを提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
にメンテキャップ内の大気連通口に逆止弁、または大気
連通口を簡易的に封止する封止弁を設けることにより大
気連通口の穴詰まりを防止し、吸引口には吸引口を簡易
的に封止し蒸発防止するための封止弁を設ける事で吸引
口詰まりを防止する事によりかかる問題を解決する事が
できる。またメンテキャップ内を撥インク性にする事で
更に穴詰まり防止機構の機能が向上する。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下実施例を基に本発明を更に詳
しく説明するが本発明は以下の構造に限定されるもので
はない。

【００１２】図１は本発明のメンテキャップの構造を示
した図である。メンテキャップ１の底部には大気連通口
３と吸引口５が構成されている。大気連通口には逆止
弁、吸引口には封止弁が具備されている。図２に本発明
のメンテキャップの大気連通口３部分の拡大図を示す。
図２ａは断面ＡＡの大気連通口の断面図である。吸引口
３の上部に逆止弁７が設けられている。図２ｂは大気連
通口３の部分の上面図拡大図である。逆止弁７は吸引口
３全体を覆うように構成されている。メンテキャップは
ＩＩＲ、ＳＢＲ、ＮＢＲ、ＥＰＤＭ、ＦＦＫＭ等の弾性
のあるゴム部材で作られているため逆止弁７は可動する
事になる。図２ｃは大気解放するために逆止弁７が開き
かつメンテキャップ内が負圧のとき大気がメンテキャッ
プ内に流れ込んでいるときの大気連通口３の状態を示し
た図である。このようにして大気解放を行う事ができ
る。このとき大気がキャップ内部に流れるときはインク
が大気の流れに逆らって大気連通口３に流れ込む事はな
い。大気解放弁が閉じているときや、メンテキャップ内
の負圧が無いときには図２ａの様に弁は閉じたままにな
っているのでインクが大気連通口内部に浸入する事はな
い。図３に本発明のメンテキャップの吸引口５部分の拡
大図を示す。図３ａは断面ＡＡの吸引口の断面図であ
る。吸引口５の上部に封止弁９が設けられている。図３
ｂは吸引口５の部分の上面図の拡大図である。封止弁９
は吸引口５全体を覆うように構成されている。図３ｃは
吸引中の封止弁９の状態を示した図である。メンテキャ
ップが弾性のある部材で形成されているため吸引機能を
妨げる事無く吸引口５を開く事ができる。吸引を行って
いないときは図３ａの様に吸引口５全体を封止してい
る。この様に大気連通口３や吸引口５を必要なときだけ
開けるような構造になっているためインクの乾燥固化を
抑える事ができるため穴詰まりを解決できる。更に大気
連通口３ではインクが大気連通口内に流れ込む事が無い
ので大気連通口詰まりを解決する事ができる。

【００１３】図４は本発明のメンテキャップの構造を示
した図である。メンテキャップ底部には図１と同様に大
気連通口３と吸引口５が構成されている。大気連通口に
は逆止弁、吸引口には封止弁が具備されている。図５に
本発明のメンテキャップの大気連通口３部分の拡大図を
示す。図５ａは断面ＢＢの大気連通口の断面図である。
吸引口３の上部に逆止弁７が設けられている。図５ｂは
大気連通口３の部分の上面図拡大図である。逆止弁７は
大気連通口３全体を覆うように構成されている。メンテ
キャップはＩＩＲ、ＳＢＲ、ＮＢＲ、ＥＰＤＭ、ＦＦＫ
Ｍ等の弾性のあるゴム部材で作られているため逆止弁７
は可動するようになっている。図５ｃは大気解放弁が開
きかつメンテキャップ内が負圧のとき大気がメンテキャ
ップ内に流れ込んでいるときの大気連通口３の状態を示
した図である。このようにして大気解放を行う事ができ
る。このとき大気がキャップ内部に流れるときはインク
が大気の流れに逆らって大気連通口３に流れ込む事はな
い。大気解放弁が閉じているときや、メンテキャップ内
の負圧が無いときには図５ａの様に弁は閉じたままにな
っているのでインクが大気連通口内部に浸入する事はな
い。図４の吸引口５の形状は図１のものと同様である。
この様に大気連通口３や吸引口５を必要なときだけ開け
るような構造になっているためインクの乾燥固化を抑え
る事ができるため穴詰まりを解決できる。更に大気連通
口３ではインクが大気連通口内に流れ込む事が無いので
大気連通口詰まりを解決する事ができる。図６は本発明
のメンテキャップの構造を示した図である。メンテキャ
ップ底部には図１と同様に大気連通口３と吸引口５が構
成されている。大気連通口３と、吸引口には封止弁が具
備されている。封止弁９の機能は図５で説明したように
簡易的に封止する機能を持っているので吸引口や大気連
通口内のインクは乾燥固化する事がないので穴詰まりを
解決する事ができる。

【００１４】（実施例１から３）図１、図４、図６のメ
ンテキャップを用いてメンテナンスを２４時間毎に１０
０回繰り返し行ったところ全てのメンテキャップで良好
にメンテナンスを行う事ができた。 （実施例４から６）実施例１から３のメンテキャップを
用いた他は実施例１と同様のメンテナンスを行った。こ
の結果１００回の繰り返しでも良好にメンテナンスを行
う事ができた。

【００１５】（比較例１）図７に示した従来のメンテキ
ャップを用いた他は実施例１と同様のメンテナンスを行
ったところわずか３０回で吸引口及び大気連通口にイン
ク詰まりが発生しメンテナンスを行う事ができなかっ
た。

【００１６】

【発明の効果】以上の様に本発明によれば大気連通口、
吸引口の詰まりが無い様になり良好にメンテナンスを行
えるようになった。この結果プリンタの製品寿命も大幅
に延びた。さらにインクとして再溶解性可能な染料系イ
ンクだけでなく完全耐水性を有する顔料系インクを用い
ることが可能になったたため、プリンタ自体の性能が向
上した。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるメンテキャップの構造を示す図で
ある。

【図２】本発明によるメンテキャップの大気連通口を示
す拡大図である。

【図３】本発明によるメンテキャップの吸引口を示す拡
大図である。

【図４】本発明によるメンテキャップの構造を示す図で
ある。

【図５】本発明によるメンテキャップの大気連通口を示
す拡大図である。

【図６】本発明によるメンテキャップの構造を示す図で
ある。

【図７】従来のメンテキャップの構造を示した図であ
る。

【符号の説明】 １ メンテキャップ ３ 大気連通口 ５ 吸引口 ７ 逆止弁 ９ 封止弁

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 メンテキャップ内の大気連通口に逆止弁
   設けることを特徴とするメンテキャップ。
2. 【請求項２】 メンテキャップ内の大気連通口に封止弁
   を設けることを特徴とするメンテキャップ。
3. 【請求項３】 メンテキャップ内の吸引口に封止弁を設
   けることを特徴とするメンテキャップ。
4. 【請求項４】 メンテキャップ内が撥インク性である事
   を特徴とする請求項１から３のメンテキャップ。