JPH0310047Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜技術分野＞ 本考案はインクジエツトプリンタのノズルを洗
浄するための装置に関し、特に空気中に開放され
ているノズル部の乾燥を防止し、またノズル部や
その周辺に附着した記録紙の紙粉や空気中からの
塵埃等を除去するため、洗浄液をノズル部に噴出
して洗浄させるところの装置に関するものであ
る。

＜従来技術＞ インクジエツトプリンタは、インクタンクから
供給されるインクを微細な口径のノズル（オリフ
イス）よりインク滴として記録紙方向へ噴射し、
所望画像を前記記録紙に形成させる関係上、前記
ノズルがゴミや乾燥固化したインクで目詰りを起
し易いという問題がある。

特に、オンデマンド型のインクジエツトプリン
タではノズルから記録紙面までの間隔が非常に短
かく例えば１mm程度であり、このノズル部分に記
録紙の紙粉やインクミスト等が附着し、インクド
ツトの飛行方向のズレが生じたりまたノズルの目
詰りを発生するものであつた。

このため、従来ではノズル部分を洗浄するため
に第１図に示す装置で洗浄液をノズル部分へ噴出
させていた。

第１図に示す洗浄装置ではポリエチレン容器１
内に洗浄液２を収容し、このポリエチレン容器１
の上部開口部に先端が小孔となつた液吐出用のキ
ヤツプ３を取付けたものであり、該容器１を手で
押圧してその内部の洗浄液をキヤツプ３の先端小
孔より噴出させるものである。

この洗浄装置の場合には、手による押圧加減に
よつて洗浄液の噴出量が不安定であり、量が少く
ない場合には充分洗浄ができなかつたりまたイン
クノズルを複数個有するプリンタにあつては何回
もの噴出操作を行わないと全ノズルを洗浄でき
ず、操作上不便であつた。

更に、ただノズル部に向つて洗浄液を噴出させ
るだけであるので、この噴射された洗浄液が直接
ノズル内へ浸入することによつて空気がノズル内
へ送り込まれ、逆にノズルの使用不可状態を引き
起すといつた重大な問題点も含んでいた。

＜目的＞ 本考案は上記従来の洗浄装置の具備していた問
題点を解決した改善された洗浄装置を提供し、特
に１回の操作で一定量の洗浄液が必ず噴出される
ようになし、またこの洗浄液が直接ノズル内へ浸
入することがないよう配慮された装置を提供する
ものである。

＜実施例＞ 第２図Ａは本考案洗浄装置の外観を示す図であ
り、また第２図Ｂは噴出ヘツド部の側面図を示し
ている。更に第３図は同装置の断面図である。

これら図において、１はポリエチレン容器等で
なる洗浄液２を収容する洗浄液タンク、４は前記
洗浄液タンク１の開口に連接された洗浄液２を噴
出させる本体である。

該本体４は第３図で明瞭なようにその内部に、
洗浄液タンク１からの液を流通させる液通路４１
と、前記液通路４１の先端部にて洗浄液２を噴出
させる小孔を有した噴出ヘツド部４２と、前記液
通路４１の途中に設けられた側路４３に連設され
て側方に突出したシリンダ４３と、前記シリンダ
４３内を進退動作するピストン４４と、前記側路
４３を挾んだ前・後の液通路４１内に配設された
第１の逆止片４５と第２の逆止片４６、更に上記
洗浄液タンク１内へ空気を送る第３の逆止片４７
を介して一端が大気に開口する空気供給路４８を
有している。

前記した噴出ヘツド部４２は第２図Ａで明瞭な
ように、プリンタのインク噴出用ノズルの数と対
応して洗浄液ノズル４２ａ、…が設けられている
ものであり、また第２図Ｂに示す如く洗浄液ノズ
ル４２ａ…が配設されたノズル面４２ｂは一端に
プリンタヘツドに係止させる係合部片４２ｃを残
して凹段部となつており、これは後述するがプリ
ンタのヘツドに対する位置決めを行うためのガイ
ドとなるものである。

他方、上記した第１、第２及び第３の各逆止弁
４５，４６，４７は第４図Ａ、Ｂ、Ｃに示す構成
でなつている。第４図Ａは弁の閉成時の構成断面
図でありまた第４図Ｂはその右側面図を示し、更
に第４図Ｃは弁の開成時の構成断面図を示してい
る。

即ち、この逆止弁はそれらが取付けられる通路
に嵌入されるために弾性を有する材料例えばゴム
によつて筒状を呈しかつこの一端側を先細に絞つ
て閉塞させた状態に成型し、然る後、前記閉塞さ
せた一端部分を中央位置で水平方向に切り込みＳ
（スリツト）を入れた構成となつている。従つて、
通常では第４図Ａの如く一端の絞り部分が閉じて
おり、矢印Ａ方向から所定圧の液体が流入すると
第４図Ｃの如く開成して液体を流通させるもので
ある。

この洗浄装置においては、第３図の状態よりピ
ストン４４をシリンダ４３より後退させると、第
５図に示すように、シリンダ４３内が負圧となつ
て第１の逆止片４５が開きまた第２の逆止片４６
が閉じ、このシリンダ４３内へ洗浄液タンク１か
ら一定量の洗浄液２が導入される。

この時、洗浄液タンク１を負圧に導びかれるた
めに、第３の逆止片４７も開いてタンク１を大気
に連通させ、空気がタンク１へ導びかれてタンク
１の洗浄液２は前記シリンダ４３内へ円滑に流下
する。

この第５図の状態でピストン４４を押込むと、
第１の逆止片４５が閉じると共に第２の逆止片４
６が開いてシリンダ４内の洗浄液が液通路４１か
ら噴出ヘツド部４２へ送られ、各洗浄液ノズル４
２ａ…より前記一定量の洗浄液が噴出される。

所でインクジエツトプリンタのインク噴出を行
なうプリントヘツド部は例えば第６図に示す構成
となつており、この例はマルチノズル構成のもの
を示している。

この第６図において、１１は記録紙の行方向に
掃引されるキヤリツジ、１２ａ〜１２ｄは前記キ
ヤリツジ１１に搭載されたインクタンクであり、
例えば複数色のカラーインクであるマゼンタ、シ
アン、イエロー、黒のインクを保持する。１３は
前記キヤリツジ１１の記録紙と対向する側に取付
けられたプリントヘツドであり、前記インクの各
色に対応してマゼンタのノズル部Ｍ、シアンのノ
ズル部Ｃ、イエローのノズル部Ｙ、黒のノズル部
Ｂを有している。更に前記ノズル部Ｍ、Ｃ、Ｙ、
Ｂには夫々の複数のノズル（オリフイス）が形成
されている。

なお、１４ａ〜１４ｄは各インクタンク１２ａ
〜１２ｄに着脱自在に取付けられるインクカート
リツジである。

この第６図に示したプリントヘツド１３の各ノ
ズル部を洗浄するように、第２図に示した装置の
洗浄液が噴出される噴出ヘツド部４２が設けられ
ており、この噴出ヘツド部４２の洗浄液ノズル４
２ａ…も前記インク噴出ノズルと対応して配置さ
れているわけである。

前記したプリントヘツド１３を洗浄する場合の
構成を第７図に示しており、上述で触れたように
噴出ヘツド部４２の凹部となつたノズル面４２ｂ
をプリントヘツド１３の上端に嵌め込むと共にノ
ズル面４２ｂの一端側にある係止部片４２ｃをヘ
ツド１３の一側面に当てがうことによつて前記噴
出ヘツド部４２の各洗浄液ノズル４２ａ…とプリ
ンタヘツド１３の各インク噴出ノズルとの位置関
係が決められ、該装置のプリントヘツド１３への
セツト操作が容易にできる構成としたものであ
る。

前記洗浄液ノズル４２ａとプリンタヘツド１３
の各インク噴出ノズルとの位置関係は、第７図で
も明瞭なように、洗浄液ノズル４２ａ…の位置が
インク噴出ノズルの位置よりもやや上方位置（約
２mm程度）に来るように設定されている。

これは洗浄液ノズル４２ａ…からの洗浄液がイ
ンク噴出ノズル内へ直接噴射されるのを防止する
ためであり、これによつてインク噴出ノズルへ空
気が混入するといつた問題を回避できる。

なお、洗浄液がなくなつたときは、タンク１を
本体４より取外して前記タンク１を新しいタンク
と交換することによつて洗浄液の補填ができる。

＜効果＞ 以上のように本考案の装置にあつてはインクジ
エツトプリンタのノズル部及びその周辺部におけ
る付着物を洗浄液を吹き付けて洗浄するためのノ
ズル洗浄装置であつて、上記洗浄液を収容する洗
浄液タンクと、上記洗浄液タンクに着脱自在とな
り、前記洗浄液タンクに連通して洗浄液を導びく
通路及び前記通路の他端に連接して洗浄液を噴出
するノズルを有した噴出ヘツドを有した本体部
と、上記本体部の通路に側路を介して連接された
シリンダ及び前記シリンダ内を進退移動するピス
トンと、上記ピストンの進退移動に応答して開閉
し、洗浄液タンクからシリンダへまたシリンダか
ら噴出ヘツドへの洗浄液の流れを制御する上記側
路を挾んだ通路に夫々配設された第１の逆止片と
第２の逆止片とプリンタヘツドのインク噴出用ノ
ズルと上記洗浄液を噴出する噴出ヘツドのノズル
とを対応位置させるための、前記プリンタヘツド
に対するガイドを設けた上記噴出ヘツド、からな
るノズル洗浄装置としたものであり、これによつ
て一定量の洗浄液が噴出されて操作に個人差がな
く安定した洗浄が行なえると共に上記噴出ヘツド
のガイドによつてこの洗浄液を噴出するノズルと
プリンタヘツドのインク噴出ノズルとを適正な位
置関係に容易にセツトできかつインク噴出ノズル
に対し支障を与えることなく洗浄操作ができこの
インク噴出ノズル部の洗浄作業も容易に行いうる
という特徴を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のインクジエツトプリンタにおけ
るノズル洗浄装置を示す構成図、第２図Ａ，Ｂは
本考案のノズル洗浄装置の外観を示す図、第３図
は第２図の装置の構成断面図、第４図Ａ，Ｂ，Ｃ
は同装置に具備する逆止片の構成図、第５図は同
装置の操作状態を示す図、第６図はインクジエツ
トプリンタのプリンタヘツド部を示す構成図、第
７図は第６図のプリンタヘツドを洗浄する場合の
具体的構成図である。 １……洗浄液タンク、２……洗浄液、４……本
体、４１……液通路、４２……噴出ヘツド部、４
２ａ……洗浄液ノズル、４２ｂ……ノズル面、４
２ｃ……係合部片、４３……シリンダ、４４……
ピストン、４５，４６及び４７……逆止弁、４８
……空気通路、１１……キヤリツジ、１３……プ
リントヘツド。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 インクジエツトプリンタのノズル部及びその周
   辺部における付着物を洗浄液を吹き付けて洗浄す
   るためのノズル洗浄装置であつて、 上記洗浄液を収容する洗浄液タンクと、 上記洗浄液タンクに着脱自在となり、前記洗浄
   液タンクに連通して洗浄液を導びく通路及び前記
   通路の他端に連接して洗浄液を噴出するノズルを
   有した噴出ヘツドを有した本体部と、 上記本体部の通路に側路を介して連接されたシ
   リンダ及び前記シリンダ内を進退移動するピスト
   ンと、 上記ピストンの進退移動に応答して開閉し、洗
   浄液タンクからシリンダへまたシリンダから噴出
   ヘツドへの洗浄液の流れを制御する上記側路を挾
   んだ通路に夫々配設された第１の逆止片と第２の
   逆止片と、 プリンタヘツドのインク噴出用ノズルと上記洗
   浄液を噴出する噴出ヘツドのノズルとを対応位置
   させるための、前記プリンタヘツドに対するガイ
   ドを設けた上記噴出ヘツド、 からなるノズル洗浄装置。