JPH0341351B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明はインクジエツトプリンタに関する。

［従来の技術］ 従来、特開昭50−99436号公報の第３図に示さ
れる様に、インクタンク内全体に多孔性材料を配
置しヘツドのインク供給路内に空気がはいること
を防止したものがあつた。

［発明が解決しようとする問題点］ しかし、多孔性材料をインクタンク内に挿入す
る前に多孔性材料内のゴミを洗浄により完全に除
去するのは困難であり、前述の従来技術では多孔
性材料内のゴミがヘツド内に侵入するのを避けら
れず、ノズルの目詰り等の原因となり、良好なイ
ンク滴噴射ができないという問題点を有す。

そこで本発明はこのような問題点を解決するも
ので、その目的とするところは、多孔質部材内の
ゴミを印刷ヘツド内に侵入させることなく確実に
防止し、良好なインク滴噴射が可能なインクジエ
ツトプリンタを供給することにある。

［問題点を解決するための手段］ 本発明インクジエツトプリンタは、ノズルより
インク滴を噴射する印刷ヘツドと、該印刷ヘツド
と一体的に形成され多孔質部材が充填されたイン
クタンクと、該インクタンクに設けられた空気孔
とを具備したインクジエツトプリンタにおいて、
前記インクタンクの前記印刷ヘツドへの出口には
フイルタが設けられており、前記多孔質部材は前
記インクタンク内の前記フイルタの密接する位置
まで充填されていることを特徴とする。

［作用］ 本発明の上記の構成によれば、インクタンクに
充填されている多孔質部材に含浸されるインクが
毛細管力によりノズルに供給され、多孔質部材内
にゴミはインクタンクの印刷ヘツドへの出口に設
けられているフイルタに捕えられ、印刷ヘツド内
に侵入することが防止される。

［実施例］ 本発明の実施例を図面に従つて説明する。第１
図は本発明の一実施例の要部斜視図で、第２図は
第１図の実施例の側断面図である。

図において、１４はプラスチツクの射出成形に
より製造されたノズル１４ａを有する印刷ヘツ
ド、４８はインク射出のエネルギーを与える圧電
素子、１７はインクタンクで多孔質部材５１が充
填されており、そこにインク５０が含浸されてい
る。印刷ヘツド１４とインクタンク１７は一体部
材または接着によつて一体化されている。１７ｂ
はインクタンク１７に設けられた空気取入口であ
り、可能な限り細くしかも長いことがインクの蒸
発を防止するのに有効である。インクタンク１７
の印刷ヘツド１４への出口にはフイルタ４９が設
けられている。多孔質部材５１は、図から明らか
なように、インタンク内のフイルタ４９に密接す
る位置まで充填されている。更に多孔質部材５１
は、印刷ヘツド１４のノズル１４ａの毛細管圧力
よりも弱い毛細管圧力を有し、しかもどのような
姿勢でもインク５０がノズル１４ａより流出しな
いだけの負圧を発生するような材質・形状を有
す。

次に印刷ヘツド１４とインクタンク１７の動作
を説明する。図示されていない制御回路の働きに
より圧電素子４８が駆動され、印刷ヘツド１４の
ノズル１４ａからインク５０が射出され印字が行
なわれると、インク消費に伴い多孔質部材５１内
のインクは毛細管力により徐々に印刷ヘツド１４
の方向へ移動する。それに伴い空気取入口１７ｂ
からは空気がインクタンク１７内に流入する。多
孔質部材５１に含浸されるインク５０が毛細管力
によりノズル１４ａへ供給される際に、多孔質部
材内のゴミはフイルタ４９に捕えられ、印刷ヘツ
ド１４内に侵入することは防止される。これによ
りノズル１４ａの目詰りが防止され、良好なイン
ク滴噴射が可能となる。また、ノズル１４ａより
弱い毛細管力を有する多孔質部材５１がフイルタ
４９に密接することにより、フイルタ４９との間
に空気がある場合と比べ印刷ヘツド１４へのイン
クの供給が円滑に行われ、ノズル１４ａでのイン
ク切れがなく高品質のインクジエツト印刷が可能
となる。更に多孔質部材５１はノズル１４ａより
弱い毛細管力を有することにより、毛細管力によ
りヘツド１４がインク５０で満たされるので空気
がノズル１４ａよりヘツド14内へ吸い込まれるこ
とがなく、空気によりインク滴噴射が悪影響を受
けることがない。また、多孔質部材５１はインク
５０がノズル１４ａより流出しない程度の負圧を
有するので、ノズル１４ａよりインクが垂れるこ
とはない。

尚、多孔質部材５１を用いずにどのような姿勢
でも負圧を発生する機は各種考えられる。まずイ
ンクタンク１７の板厚を極薄にして、適度のバネ
性により負圧を発生させる方法、インクタンク１
７をポリエチレンとポリ塩化ビニリデンの積層フ
イルムで作つたインク袋にし、内部にバネ力を有
する弾性体を入れて負圧を発生させる方法等が考
えられる。

［発明の効果］ 以上述べたように本発明によれば、インクタン
クの印刷ヘツドへの出口にはフイルタが設けられ
ており、多孔質部材はインクタンク内のフイルタ
に密接する位置まで充填されていることにより、
充填前に完全に除去するのがむずかしい多孔質部
材内のゴミを印刷ヘツド内に侵入させることなく
確実に防止し、これによりノズルの目詰りを防止
し、良好なインク滴噴射を可能とする。また、多
孔質部材がフイルタに密接することにより、フイ
ルタとの間に空間がある場合と比べ印刷ヘツドへ
のインクの供給が円滑に行われ、ノズルでのイン
ク切れがなく高品質のインクジエツト印刷が可能
となる。尚、多孔質部材がノズルより弱い毛細管
力を有することにより、毛細管力によりヘツドが
インクで満たされるので空気がノズルよりヘツド
内へ吸い込まれることがなく、空気によりインク
滴噴射が悪影響を受けることがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の要部斜視図。第２
図は第１図の実施例の側断面図。 １４……印刷ヘツド、１４ａ……ノズル、１７
……インクタンク、１７ｂ……空気取入口、４９
……フイルタ、５０……インク、５１……多孔質
部材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ノズルよりインク滴を噴射する印刷ヘツド
   と、該印刷ヘツドと一体的に形成され多孔質部材
   が充填されたインクタンクと、該インクタンクに
   設けられた空気孔とを具備したインクジエツトプ
   リンタにおいて、前記インクタンクの前記印刷ヘ
   ツドへの出口にはフイルタが設けられており、前
   記多孔質部材は前記インクタンク内の前記フイル
   タに密接する位置まで充填されていることを特徴
   とするインクジエツトプリンタ。 ２ 前記多孔質部材は前記ノズルより弱い毛細管
   力を有することを特徴とする特許請求の範囲第１
   項記載のインクジエツトプリンタ。