JPH09323432A - インクジェットプリンタのメンテナンス装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 少ないインクの吸引量でノズル詰まりを解消
できるインクジェットプリンタのメンテナンスステーシ
ョンを提供する。 【解決手段】 ノズル穴に対向するキャップと、ノズル
穴からキャップ、チューブを通じてインクを吸引する吸
引装置を設け、チューブの途中にバルブを介在させ、ノ
ズル穴詰まりを解消するためにインクをノズル穴から吸
引装置により吸引する際、チューブの途中のバルブを吸
引開始時は閉じておくことによりチューブ内の負圧を上
げておき、吸引を続けたまま途中でバルブを開くことに
よりノズル穴に急激な負圧をかけ、少ない吸引量でノズ
ル詰まりを回復する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はインク滴を飛翔させ
て記録紙等の記録媒体上にインク像を形成する、インク
ジェットプリンタのメンテナンス装置に関し、さらに詳
しくはメンテナンス装置のキャップよりインクを吸引し
てインク不吐出を回復する方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】インクジェットプリンタはインクジェッ
トヘッドの複数のノズルからインクを方向、液滴径、吐
出速度を一定に保ちながら吐出させることにより良好な
印字品質を得ることができるプリンタである。更にイン
クジェットプリンタはノズルの数とインクの種類を容易
に増加できるのでカラー化が進み現在では主流のプリン
タになっている。しかし反面、１ノズルでも良好な吐出
が出来なくなると良好な印字が出来なくなるといった欠
点もある。この欠点を克服するためにインクジェットプ
リンタには良好な吐出を保証するためのメンテナンス装
置が具備されている。メンテナンス装置の役割は印字中
や長期保存等様々な要因によりインクジェットヘッドか
らインクが良好に吐出できなくなったとき、吐出状態を
良好な状態に回復させることにより良好な印字を行える
ようにする機能を備えたものである。従来のインクジェ
ットヘッドのメンテナンス方法としては、例えば特開平
３−６１９５３の如く、ポンプ等によりインクジェット
へッドのノズル面よりキャップ、チューブを介してイン
クを吸引する方法が一般的である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】メンテナンスのために
インクジェットヘッドのノズル板からインクを吸引する
目的は二つある。一つはインクジェットヘッド内の気泡
を除去するものであり、もう一つはノズル板の穴内でイ
ンクが渇わいてしまったときにこれを回復するものであ
る。本発明では後者における問題点を対象に解決を図る
ものである。後者の場合において吸引を行う際、特に顔
料インクには再溶解性がなく、メンテナンスの必要性が
より重要である。ランニングコストの関係からインクの
吸引はできるだけ抑える必要がある。従って吸引圧力や
吸引時間は必要最低限にするのが望ましい。しかしなが
らインクが渇いてしまった場合は吸引圧力をできるだけ
上げた方がインクジェットヘッドのインク不吐出は回復
しやすい。

【０００４】また、複数ノズルのうちあるノズルだけが
渇いた場合、弱い圧で吸引すると、吸引抵抗の少ない、
渇いていないノズルのみ吸引が行われ、渇いたノズルに
は吸引圧がかかりにくく、渇いたノズルの回復が行えな
いという問題があった。更に、ポンプ等で吸引を行う場
合は、吸引圧が０の状態から順次に上がっていくため、
その間のインクは無駄になってしまうといった問題点も
あった。本発明はかかる点に鑑みなされたものであり、
その目的とするところはできるだけ少ないインクの吸引
量で効率よくインクジェットヘッドのインク不吐出を回
復することが可能なインクジェットプリンタのメンテナ
ンス装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、インクジェットインクジェットヘッド
と、該インクジェットヘッドのノズル面に対向するキャ
ップよりチューブを通じて吸引装置からインクを吸引す
ることによりメンテナンスを行うインクジェットプリン
タのメンテナンス装置において、前記チューブの途中に
バルブを介在させ、インクを吸引する際にバルブを閉じ
た状態で吸引装置を稼働させることによりチューブ内の
負圧を上昇させ、しかる後吸引装置を稼働させたままバ
ルブを開放することにより、ノズル面に急激な負圧をか
け、前記インクジェットヘッドよりインクを吸引するこ
とにより構成される。

【０００６】

【発明の実施の形態】

（実施例１）図１は本発明の第１の実施例で、１ａはイ
ンクジェットヘッド１のノズル面で、複数個のノズル穴
１ｂを有している。２はキャップ、３はチューブ、４は
バルブ、５は吸引装置である。図２は従来例で、１１ａ
はインクジェットヘッド１１のノズル面で複数個のノズ
ル穴１１ｂを有している。１２はキャップ、１３はチュ
ーブ、１５は吸引装置である。

【０００７】種々の要因によりインクジェットプリンタ
の使用中にインクジェットヘッド１のノズル面１ａのノ
ズル穴１ｂに目詰まりが生じた場合、吸引装置５により
チューブ３を介してキャップ２を通じてインクを吸引す
ることにより目詰まりを回復させる。しかしながら、ノ
ズル穴１ｂにゴミが詰まったりインクが渇いて固まった
りした場合には低い吸引圧では取れない場合が多い。そ
のような場合には必然的に吸引圧を上げたり吸引時間を
増したりする方向となり、渇いていない他のノズル穴１
ｂからインクが多量に吸引されることによりインク吸引
量が増加してしまう。本構造においては吸引装置５を働
かせた際、最初にバルブ４を閉じておき、バルブ４と吸
引装置５間の負圧を上げておく。しかる後に吸引装置５
を働かせたままバルブ４を開放する。このようにするこ
とによりノズル面１ａのノズル穴１ｂに急激な負圧がか
かるため、ノズル穴１ｂより目詰まりしたものが抜け、
目詰まりが解消する。特にインクが顔料インクの場合に
はインクの再溶解性がなく、ノズル穴１ｂの目詰まりを
起こしやすいため本発明の手法の有効性が高い。図２の
従来例においてはバルブ４がないためノズル面１１ａの
ノズル穴１１ｂに急激な負圧をかけることができない
か、または大きな負圧をかけるためには吸引装置１５の
能力を大きくして大量のインクを吸引せざるをえない。
従ってノズル穴１１ｂの目詰まりを回復できないか、イ
ンクを大量に吸引、消費せざるをえない。

【０００８】（実施例２）図３は本発明の第２の実施例
で、モノクロ用とカラー用の２カ所にキャップがある場
合の例である。図３において２１ａはモノクロ用インク
ジェットヘッド２１のノズル面で複数個のノズル穴２１
ｂを有している。３１ａはカラー用インクジェットヘッ
ド３１のノズル面で複数のノズル穴３１ｂを有してい
る。２２はモノクロ用インクジェットヘッド２１のノズ
ル面２１ａに対向するモノクロ用キャップ、３２はカラ
ー用インクジェットヘッドのノズル面３１ａに対向する
カラー用キャップ、２５は吸引装置で、吸引装置２５か
らはチューブ２３が出ており、夫々モノクロ用キャップ
２２につながる分岐チューブ部２３ａとカラー用キャッ
プ３２につながる分岐チューブ部２３ｂとに途中で二ま
たに分かれている。また、分岐チューブ部２３ａと２３
ｂには夫々バルブ２４、３４が設けられている。本実施
例においてはモノクロとカラーインクを使う場合の夫々
においてノズル穴の目詰まりが生じた場合、個別に吸引
動作を行えるようになっている。即ち、カラー用のノズ
ル穴３１ｂに目詰まりを生じた場合にはバルブ２４、３
４を閉じた状態で吸引装置２５を作動させ、しかる後バ
ルブ３４のみを開く。するとカラー用のノズル穴３１ｂ
のみに急激な負圧がかかり、ノズル目詰まりが解消され
る。また、モノクロ用のノズル穴２１ｂに目詰まりを生
じた場合にはバルブ２３、２４を閉じた状態で吸引装置
２５を作動させ、しかる後バルブ２４のみを開く。する
とモノクロ用のノズル穴２１ｂのみに急激な負圧がかか
り、ノズル目詰まりが解消される。以上のようにカラ
ー、モノクロ夫々について別個に吸引回復動作が行え、
個々のインクの消費量を最低限に抑えることができる。

【０００９】以上実施例を２つ上げたが、本発明の主旨
を損なわない範囲で本実施例に限定するものではない。

【００１０】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ノズル穴詰まりが発生し、インク吸引装置でこれを回復
する際に、吸引装置とキャップとの間にバルブを設け、
該バルブの開閉によってノズル穴に急激な負圧がかかる
ようにしたので、少ない吸引量でノズル穴の目詰まりを
回復できるメンテナンス装置が可能になった。

【００１１】また、カラーとモノクロの２種類のキャッ
プがあるような場合に、吸引装置は一つであってもバル
ブを２個設けることによって夫々別個にノズル詰まりが
回復可能なメンテナンス装置が可能になった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第一の実施例を示す平面図である。

【図２】従来例を示す平面図である。

【図３】本発明の第一の実施例の負圧特性を示す図であ
る。

【図４】従来例の負圧特性を示す図である。

【図５】本発明の第二の実施例を示す図である。

【符号の説明】

１ｂ ノズル穴 ２ キャップ ３ チューブ ４ バルブ ５ 吸引装置

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 インクジェットヘッドと、該インクジェ
   ットヘッドのノズル面に対向するキャップよりチューブ
   を通じて吸引装置からインクを吸引することによりメン
   テナンスを行うインクジェットプリンタのメンテナンス
   装置において、前記チューブの途中にバルブを介在さ
   せ、インクを吸引する際にバルブを閉じた状態で吸引装
   置を稼働させることによりチューブ内の負圧を上昇さ
   せ、しかる後吸引装置を稼働させたままバルブを開放す
   ることにより、ノズル面に急激な負圧をかけ、前記イン
   クジェットヘッドよりインクを吸引することを特徴とす
   るインクジェットプリンタのメンテナンス装置。
2. 【請求項２】 インクが顔料インクであることを特徴と
   する請求項１項記載のインクジェットプリンタのメンテ
   ナンス装置。
3. 【請求項３】 キャップが複数個あり、吸引装置からで
   たチューブが夫々のキャップの数に応じた数に枝別れ
   し、バルブが分かれたチューブの途中にあることを特徴
   とする請求項１項記載のインクジェットプリンタのメン
   テナンス装置。