JPH09239981A - インクジェット記録ヘッド、その製造方法、および同記録ヘッドを組み込んだ記録装置 - Google Patents
インクジェット記録ヘッド、その製造方法、および同記録ヘッドを組み込んだ記録装置Info
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- JPH09239981A JPH09239981A JP5338696A JP5338696A JPH09239981A JP H09239981 A JPH09239981 A JP H09239981A JP 5338696 A JP5338696 A JP 5338696A JP 5338696 A JP5338696 A JP 5338696A JP H09239981 A JPH09239981 A JP H09239981A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 後工程で溶解除去して液路及び液室を形成す
る第1の固体層及び第2の固体層の界面における不溶性
薄膜の生成を防止する。 【解決手段】 第1の固体層と第2の固体層との間に第
1の固体層と第2の固体層との相溶を防止する相溶防止
層を設ける。該相溶防止層にはポリビニルアルコール等
の水溶性樹脂が好ましく使用される。
る第1の固体層及び第2の固体層の界面における不溶性
薄膜の生成を防止する。 【解決手段】 第1の固体層と第2の固体層との間に第
1の固体層と第2の固体層との相溶を防止する相溶防止
層を設ける。該相溶防止層にはポリビニルアルコール等
の水溶性樹脂が好ましく使用される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録方式に用いる記録液滴を発生するためのインクジェッ
ト記録ヘッド、その製造方法、および同ヘッドを組み込
んだ記録装置に関する。
録方式に用いる記録液滴を発生するためのインクジェッ
ト記録ヘッド、その製造方法、および同ヘッドを組み込
んだ記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェット記録ヘッドの製造
方法として、例えば、特開昭62−253457号公報
には、基体上に液路となる固体層を形成し、しかる後、
活性エネルギー線硬化性材料層及び第2の基体を積層
し、次いで、液室予定部位以外の領域に活性エネルギー
線を照射した後、該液室予定部位の未硬化の活性エネル
ギー線硬化材料層を除去して液室を形成し、その後、液
室予定部位に形成された固体層を除去する方法が提案さ
れている。
方法として、例えば、特開昭62−253457号公報
には、基体上に液路となる固体層を形成し、しかる後、
活性エネルギー線硬化性材料層及び第2の基体を積層
し、次いで、液室予定部位以外の領域に活性エネルギー
線を照射した後、該液室予定部位の未硬化の活性エネル
ギー線硬化材料層を除去して液室を形成し、その後、液
室予定部位に形成された固体層を除去する方法が提案さ
れている。
【0003】しかしながら、前記のような製造方法によ
れば、以下のような問題があった。
れば、以下のような問題があった。
【0004】1、液路の壁を構成する材料は、液室部が
パターニング可能な活性エネルギー線硬化材料に限定さ
れるため、上記材料を選定する上で大きな制約があっ
た。
パターニング可能な活性エネルギー線硬化材料に限定さ
れるため、上記材料を選定する上で大きな制約があっ
た。
【0005】2、インクジェット記録ヘッドのインク滴
の吐出性能の要請を満たす上で、共通液室の高さを大き
く設計したい場合、前記活性エネルギー線硬化材料層が
厚くなる。このため、液室部をパターニングする際に精
度が悪化したり、高価な露光装置を長時間占有し、これ
はコストアップの要因となっていた。
の吐出性能の要請を満たす上で、共通液室の高さを大き
く設計したい場合、前記活性エネルギー線硬化材料層が
厚くなる。このため、液室部をパターニングする際に精
度が悪化したり、高価な露光装置を長時間占有し、これ
はコストアップの要因となっていた。
【0006】これらの問題点を解決する手段として図
3、4にその工程を示すような方法がある。尚、図3は
側面断面図で、図4は正面断面図である。この方法にあ
っては、まず、不図示の吐出圧発生素子が設けられた基
体31上の液路予定部位及び液室予定部位に第1の固体
層32がパターニング等により選択的に形成される(図
3(a))。
3、4にその工程を示すような方法がある。尚、図3は
側面断面図で、図4は正面断面図である。この方法にあ
っては、まず、不図示の吐出圧発生素子が設けられた基
体31上の液路予定部位及び液室予定部位に第1の固体
層32がパターニング等により選択的に形成される(図
3(a))。
【0007】次いで、液室の容積を充分確保すべく、ま
た、前記基体31と後述する第2の基体35との空隙を
確保すべく第2の固体層34が少なくとも液室予定部位
に印刷等の方法により形成される(図3(b))。
た、前記基体31と後述する第2の基体35との空隙を
確保すべく第2の固体層34が少なくとも液室予定部位
に印刷等の方法により形成される(図3(b))。
【0008】次いで、後にインク供給口36を有するよ
うになる第2の基体35が載置される(図3(c))。
うになる第2の基体35が載置される(図3(c))。
【0009】さらに図4の正面断面図に示すように、液
路を形成するために多数配列した第1の固体層32の両
端側であって第2の基体35に形成した樹脂供給口37
a又は37bから、前記第1の基体31と第2の基体3
5の間に形成される空隙45に樹脂38が注入される。
この樹脂38は、その後硬化されて液路の壁となるもの
である。
路を形成するために多数配列した第1の固体層32の両
端側であって第2の基体35に形成した樹脂供給口37
a又は37bから、前記第1の基体31と第2の基体3
5の間に形成される空隙45に樹脂38が注入される。
この樹脂38は、その後硬化されて液路の壁となるもの
である。
【0010】樹脂38が注入され、硬化した状態を図3
(d)に示す。その後、図3(e)に示すように中央部
で切断され、固体層が溶出されることによって、液路3
9、液室40が形成され、これによってインクジェット
記録ヘッドが完成される。
(d)に示す。その後、図3(e)に示すように中央部
で切断され、固体層が溶出されることによって、液路3
9、液室40が形成され、これによってインクジェット
記録ヘッドが完成される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記樹
脂38が硬化するとき、第2の固体層34と第1の固体
層32とが相溶し、固体層同士が熱により化学反応を起
こし界面に不溶性の反応生成物を形成する。この生成物
は数μm程度の薄膜で、前記第1の固体層及び第2の固
体層を除去する際に、該相溶した層が薄膜状の残渣とし
て残り、これが除去の過程あるいはヘッド完成後に遊離
してノズルを詰まらせたりするゴミとなったり、第2の
固体層のエッジ付近では遊離せずに残り、この残渣は下
に垂れ下がり液路を塞ぐため、インクの供給を阻害して
印字性能を劣化させる問題がある。
脂38が硬化するとき、第2の固体層34と第1の固体
層32とが相溶し、固体層同士が熱により化学反応を起
こし界面に不溶性の反応生成物を形成する。この生成物
は数μm程度の薄膜で、前記第1の固体層及び第2の固
体層を除去する際に、該相溶した層が薄膜状の残渣とし
て残り、これが除去の過程あるいはヘッド完成後に遊離
してノズルを詰まらせたりするゴミとなったり、第2の
固体層のエッジ付近では遊離せずに残り、この残渣は下
に垂れ下がり液路を塞ぐため、インクの供給を阻害して
印字性能を劣化させる問題がある。
【0012】従って第1の固体層と第2の固体層とは相
溶してはならないものであるが、プロセス上の制約によ
り全てを完全に満足する材料を選択することは極めて困
難である。
溶してはならないものであるが、プロセス上の制約によ
り全てを完全に満足する材料を選択することは極めて困
難である。
【0013】即ち、第1の固体層は、ノズルや液路の型
となる物であり非常に高精度の加工精度が要求される。
また、後に除去するため除去できる材料でなければなら
ない。
となる物であり非常に高精度の加工精度が要求される。
また、後に除去するため除去できる材料でなければなら
ない。
【0014】一方、第2の固体層は液室の型となる物で
あるため、厚膜で高精度のパターニング特性、また第2
の基体を接合する接着性、さらに後で除去できる、等の
特性が要求される。
あるため、厚膜で高精度のパターニング特性、また第2
の基体を接合する接着性、さらに後で除去できる、等の
特性が要求される。
【0015】従来、第1の固体層としては、ポジ型のフ
ォトレジストが、第2の固体層としてはアクリル系樹脂
の印刷可能なインキが主に用いられていた。
ォトレジストが、第2の固体層としてはアクリル系樹脂
の印刷可能なインキが主に用いられていた。
【0016】従って、本発明の目的は、上記問題を解決
したインクジェット記録ヘッド、その製造方法、及び記
録装置を提供することにある。
したインクジェット記録ヘッド、その製造方法、及び記
録装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、上面に吐出圧発生素子を設けた第1の基体
上に、少なくとも液路となる部分を占有する第1の固体
層と、少なくとも共通液室となる部分の少なくとも一部
を占有する第2の固体層と、第2の基体とを順次積層す
る工程と、前記第1の基体と前記第2の基体との間に前
記液路の壁となる硬化性樹脂を注入した後、前記硬化性
樹脂を硬化させる工程と、前記樹脂が固化した後、前記
第1の固体層および前記第2の固体層とを除去する工程
とを有するインクジェット記録ヘッドの製造方法におい
て、少なくとも前記第1の固体層と第2の固体層との間
に第1の固体層と第2の固体層との相溶を防止する相溶
防止層を設けたことを特徴とするインクジェット記録ヘ
ッドの製造方法を提供するもので、第1の固体層の材料
がポジ型のフォトレジストであり、第2の固体層の材料
がアクリル系の印刷インキであること、相溶防止層の材
料が水溶性樹脂であること、水溶性樹脂がポリビニルア
ルコールであるを含む。
に本発明は、上面に吐出圧発生素子を設けた第1の基体
上に、少なくとも液路となる部分を占有する第1の固体
層と、少なくとも共通液室となる部分の少なくとも一部
を占有する第2の固体層と、第2の基体とを順次積層す
る工程と、前記第1の基体と前記第2の基体との間に前
記液路の壁となる硬化性樹脂を注入した後、前記硬化性
樹脂を硬化させる工程と、前記樹脂が固化した後、前記
第1の固体層および前記第2の固体層とを除去する工程
とを有するインクジェット記録ヘッドの製造方法におい
て、少なくとも前記第1の固体層と第2の固体層との間
に第1の固体層と第2の固体層との相溶を防止する相溶
防止層を設けたことを特徴とするインクジェット記録ヘ
ッドの製造方法を提供するもので、第1の固体層の材料
がポジ型のフォトレジストであり、第2の固体層の材料
がアクリル系の印刷インキであること、相溶防止層の材
料が水溶性樹脂であること、水溶性樹脂がポリビニルア
ルコールであるを含む。
【0018】また本発明は、上記製造方法で製造したイ
ンクジェット記録ヘッドで、インク吐出圧発生素子が電
気エネルギーを与えることによって発熱し、インクに状
態変化を生ぜしめて吐出を行わせるための電気熱変換体
であること、記録媒体の記録領域の全幅にわたって吐出
口が複数設けられているフルラインタイプのものである
ことを含む。
ンクジェット記録ヘッドで、インク吐出圧発生素子が電
気エネルギーを与えることによって発熱し、インクに状
態変化を生ぜしめて吐出を行わせるための電気熱変換体
であること、記録媒体の記録領域の全幅にわたって吐出
口が複数設けられているフルラインタイプのものである
ことを含む。
【0019】またさらに本発明は、記録媒体の被記録面
に対向してインクを吐出するインク吐出口が設けられて
いる上記の記録ヘッドと、該記録ヘッドを載置するため
の部材とを少なくとも具備することを特徴とする記録装
置である。
に対向してインクを吐出するインク吐出口が設けられて
いる上記の記録ヘッドと、該記録ヘッドを載置するため
の部材とを少なくとも具備することを特徴とする記録装
置である。
【0020】本発明によれば、前記第1の固体層及び第
2の固体層とを除去する際に、前記相溶部分であるフィ
ルム状の非溶解層の発生を防止し、該フィルム状の非溶
解層が遊離してゴミとなるのを防止するとともに、遊離
せずに残ったフィルムによる液路の閉鎖を防止できる。
2の固体層とを除去する際に、前記相溶部分であるフィ
ルム状の非溶解層の発生を防止し、該フィルム状の非溶
解層が遊離してゴミとなるのを防止するとともに、遊離
せずに残ったフィルムによる液路の閉鎖を防止できる。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は本発明のインクジェット記
録ヘッドの製造工程の一例を示すものである。
録ヘッドの製造工程の一例を示すものである。
【0022】図1は、本発明の特徴を最も良く表すヘッ
ドの液滴吐出方向の断面図(側面図)であり、1は吐出
圧発生素子(不図示)が設けられた基体であり、2は後
に除去され液路9となる第1の固体層、3は本発明の特
徴であり、第1の固体層と第2の固体層との相溶を防止
する層である。4は後に除去されインク液室10となる
第2の固体層、6はインク供給口、5は前記インク供給
口が設けられた第2の基板である。
ドの液滴吐出方向の断面図(側面図)であり、1は吐出
圧発生素子(不図示)が設けられた基体であり、2は後
に除去され液路9となる第1の固体層、3は本発明の特
徴であり、第1の固体層と第2の固体層との相溶を防止
する層である。4は後に除去されインク液室10となる
第2の固体層、6はインク供給口、5は前記インク供給
口が設けられた第2の基板である。
【0023】工程を追ってさらに詳しく説明する。
【0024】まず、吐出圧発生素子(不図示)が設けら
れた第1の基体1上に液路形成部位及びそれと連通する
共通液室形成予定部位に第1の固体層2を形成する(図
1(a))。尚、本発明においては液路及び液室形成部
位の双方に固体層を設けることは必ずしも必要ではな
く、固体層は少なくとも液路形成部位に設ければよい。
れた第1の基体1上に液路形成部位及びそれと連通する
共通液室形成予定部位に第1の固体層2を形成する(図
1(a))。尚、本発明においては液路及び液室形成部
位の双方に固体層を設けることは必ずしも必要ではな
く、固体層は少なくとも液路形成部位に設ければよい。
【0025】上記固体層2は、後述する各工程を経た後
に除去され、残された空間部分が少なくとも後述する液
路9となる。尚、固体層2は、液路に加えて必要に応じ
て液室等が同時に形成される場合は、液室等の形成部も
占有するように設けられる。
に除去され、残された空間部分が少なくとも後述する液
路9となる。尚、固体層2は、液路に加えて必要に応じ
て液室等が同時に形成される場合は、液室等の形成部も
占有するように設けられる。
【0026】このような第1の固体層2の形成の具体的
手段としては、例えば、PMER−AR900あるいは
PMER−AR900i(共に東京応化工業社製)、P
L−268(ヘキスト社製)等のポジ型感光性レジスト
をスピンコート等により、例えば10〜100μm程度
の厚さで塗布、乾燥した後、露光、現像することにより
所望の密度及び寸法の第1の固体層2が得られる。
手段としては、例えば、PMER−AR900あるいは
PMER−AR900i(共に東京応化工業社製)、P
L−268(ヘキスト社製)等のポジ型感光性レジスト
をスピンコート等により、例えば10〜100μm程度
の厚さで塗布、乾燥した後、露光、現像することにより
所望の密度及び寸法の第1の固体層2が得られる。
【0027】あるいは、ポジ型のドライフィルム、ある
いはネガ型の液状レジスト及びネガ型のドライフィルム
等の感光性樹脂を前述と同様な方法でパターニングして
第1の固体層2を形成しても良い。
いはネガ型の液状レジスト及びネガ型のドライフィルム
等の感光性樹脂を前述と同様な方法でパターニングして
第1の固体層2を形成しても良い。
【0028】以上のような感光性樹脂の中で、加工精度
や除去の容易性、あるいは作業性やコスト等の点から見
て、前述の液状のポジ型感光性樹脂を用いることが特に
好ましい。
や除去の容易性、あるいは作業性やコスト等の点から見
て、前述の液状のポジ型感光性樹脂を用いることが特に
好ましい。
【0029】すなわち、ポジ型感光性材料は、例えば、
解像度がネガ型の感光性材料よりも優れている、レリー
フパターンが垂直かつ平滑な側壁面を持つ、あるいは、
テーパー型ないし逆テーパー型の断面形状が容易に作れ
るという特長を持ち、液路を形作る上で最適である。ま
た、レリーフパターンを現像液や溶剤で除去できる等の
特長も有しており、本発明における第1の固体層形成材
料として好ましいものである。
解像度がネガ型の感光性材料よりも優れている、レリー
フパターンが垂直かつ平滑な側壁面を持つ、あるいは、
テーパー型ないし逆テーパー型の断面形状が容易に作れ
るという特長を持ち、液路を形作る上で最適である。ま
た、レリーフパターンを現像液や溶剤で除去できる等の
特長も有しており、本発明における第1の固体層形成材
料として好ましいものである。
【0030】特に、例えば先に挙げたナフトキノンジア
ジドとノボラック型フェノール樹脂を用いたポジ型感光
性材料は、弱アルカリ水溶液あるいはアルコールで完全
溶解できるので、吐出圧力発生素子に損傷をなんら与え
ることがなく、かつ後工程での除去も極めて速やかであ
る。このようなポジ型感光性材料の中でも液状のものは
所望の膜厚が任意に得られる点及び価格が安い点で最も
好ましい材料である。
ジドとノボラック型フェノール樹脂を用いたポジ型感光
性材料は、弱アルカリ水溶液あるいはアルコールで完全
溶解できるので、吐出圧力発生素子に損傷をなんら与え
ることがなく、かつ後工程での除去も極めて速やかであ
る。このようなポジ型感光性材料の中でも液状のものは
所望の膜厚が任意に得られる点及び価格が安い点で最も
好ましい材料である。
【0031】次に、第1の固体層2上に第2の固体層と
の相溶を防止する相溶防止層3を形成する(図1
(b))ものであるが、これについては後で述べること
とし、先に第2の固体層4の形成方法等について説明す
る。
の相溶を防止する相溶防止層3を形成する(図1
(b))ものであるが、これについては後で述べること
とし、先に第2の固体層4の形成方法等について説明す
る。
【0032】すなわち、液室形成予定部位に充分な容量
を確保すべく、また、前記第1の基体1と第2の基体5
との間を適当な間隔に保持するために、例えば30〜3
00μm程度の厚さの第2の固体層4が相溶防止層3上
に形成される(図1(c))。
を確保すべく、また、前記第1の基体1と第2の基体5
との間を適当な間隔に保持するために、例えば30〜3
00μm程度の厚さの第2の固体層4が相溶防止層3上
に形成される(図1(c))。
【0033】上記第2の固体層4は、後述する工程を経
た後除去され、残された空間部分がインク液室の少なく
とも一部となる。
た後除去され、残された空間部分がインク液室の少なく
とも一部となる。
【0034】第2の固体層4の形成は、一般に上市され
ているアクリル系やエポキシ系の樹脂等を用い、印刷法
やディスペンス法などにより行う。
ているアクリル系やエポキシ系の樹脂等を用い、印刷法
やディスペンス法などにより行う。
【0035】例えば、上記樹脂としては、TH−700
T(株ソマール製)、MA−830,M−85K(太陽
インキ製造(株)製)、WR−520B((株)アサヒ
化学研究所)、「ノプコマスク4038」、同4056
(商品名、(株)サンノプコ社製)等のインキがある。
TH−700Tは紫外線硬化型であり、他は熱乾燥型で
ある。
T(株ソマール製)、MA−830,M−85K(太陽
インキ製造(株)製)、WR−520B((株)アサヒ
化学研究所)、「ノプコマスク4038」、同4056
(商品名、(株)サンノプコ社製)等のインキがある。
TH−700Tは紫外線硬化型であり、他は熱乾燥型で
ある。
【0036】これらは、パターン形成後、第2の基体5
を載置し接着する必要があり、第1の基体や第2の基体
のそりを矯正し貼り付けるに充分な接着力が必要であ
り、また、除去するときに第1の固体層と同じ除去液で
除去できる方が工程上有利である。
を載置し接着する必要があり、第1の基体や第2の基体
のそりを矯正し貼り付けるに充分な接着力が必要であ
り、また、除去するときに第1の固体層と同じ除去液で
除去できる方が工程上有利である。
【0037】また、硬化乾燥は、熱乾燥型の方が有利で
ある。すなわち、紫外線硬化型のインキは、紫外線照射
時に下部の第1の固体層である感光性材料にも紫外線が
あたることになり、その結果、第1の固体層材料である
レジストが除去しづらくなったり、レジストが発泡し
(分解した窒素ガスが発生)てパターンが飛んだり、欠
損が生じたりすることがある。また、第2の基体の選定
に制約が加わる、すなわち紫外線を透過する材料しか使
えなくなる。
ある。すなわち、紫外線硬化型のインキは、紫外線照射
時に下部の第1の固体層である感光性材料にも紫外線が
あたることになり、その結果、第1の固体層材料である
レジストが除去しづらくなったり、レジストが発泡し
(分解した窒素ガスが発生)てパターンが飛んだり、欠
損が生じたりすることがある。また、第2の基体の選定
に制約が加わる、すなわち紫外線を透過する材料しか使
えなくなる。
【0038】以上のような理由から、熱乾燥型のイン
キ、特に、アクリル樹脂系のインキが最適である。
キ、特に、アクリル樹脂系のインキが最適である。
【0039】さて、上述の第1の固体層と第2の固体層
とは、後述する注入樹脂を硬化させるための熱処理によ
り相溶し、除去液に不溶な薄膜の相溶層を形成する。こ
れを防止するために第1の固体層2の上に、少なくと
も、第2の固体層4が積層されるところに相溶防止層3
を形成する。
とは、後述する注入樹脂を硬化させるための熱処理によ
り相溶し、除去液に不溶な薄膜の相溶層を形成する。こ
れを防止するために第1の固体層2の上に、少なくと
も、第2の固体層4が積層されるところに相溶防止層3
を形成する。
【0040】相溶防止層3としては、水溶性樹脂を用
い、例えば、ポリビニルアルコールを主成分とする「デ
ンカポパールK−05」(商品名、電気化学工業社製)
を、1〜10%程度に水又は温水に溶解させ、該水溶液
を前記第1の固体層上の第2の固体層が積層される部位
にディスペンサーで塗布し乾燥する。
い、例えば、ポリビニルアルコールを主成分とする「デ
ンカポパールK−05」(商品名、電気化学工業社製)
を、1〜10%程度に水又は温水に溶解させ、該水溶液
を前記第1の固体層上の第2の固体層が積層される部位
にディスペンサーで塗布し乾燥する。
【0041】厚さは、例えば、1〜10μm程度の厚さ
が好ましく、塗布方法としては、上記の他に、スクリー
ン印刷等の方法も採用できる。
が好ましく、塗布方法としては、上記の他に、スクリー
ン印刷等の方法も採用できる。
【0042】次いで、前記第2の固体層4上にインク供
給口6が設けられた第2の基体5が位置合わせをした
後、接着される(図1(d))。
給口6が設けられた第2の基体5が位置合わせをした
後、接着される(図1(d))。
【0043】そして、図2(正面図)に示すように、ノ
ズル配列方向の外部に設けられた樹脂注入口7a又は7
bより前記第1の基体1と第2の基体5との間に形成さ
れる空隙15に後で硬化して液路の壁となる硬化性樹脂
8が注入される。
ズル配列方向の外部に設けられた樹脂注入口7a又は7
bより前記第1の基体1と第2の基体5との間に形成さ
れる空隙15に後で硬化して液路の壁となる硬化性樹脂
8が注入される。
【0044】注入される樹脂は容易に注入されて硬化す
るもので、切断性が良く、第1、第2の固体層の除去工
程で溶解や変質しない必要がある。主には、エポキシ系
の樹脂が用いられる。
るもので、切断性が良く、第1、第2の固体層の除去工
程で溶解や変質しない必要がある。主には、エポキシ系
の樹脂が用いられる。
【0045】硬化性樹脂8が完全に空隙15に注入され
た後、前記樹脂は硬化される(図1(e))。
た後、前記樹脂は硬化される(図1(e))。
【0046】樹脂が硬化した後、オリフィスを形成する
ために中央部をダイシングソー等の周知の方法により切
断する。その後、第2の固体層、相溶防止層、第1の固
体層が除去される(図1(f))。
ために中央部をダイシングソー等の周知の方法により切
断する。その後、第2の固体層、相溶防止層、第1の固
体層が除去される(図1(f))。
【0047】これらの除去の具体例としては、第1の固
体層としてポジ型のフォトレジスト、相溶防止層として
ポリビニルアルコール、第2の固体層としてアクリル樹
脂系のインキを用いた場合、有機溶剤や水やアルカリ水
溶液の組合せで除去することができるが、その中でも、
エチルセロソルブやアセトンやアルコール等は3層全て
を除去することができ好ましい。作業の安全性、コスト
等を考慮すると、エチルセロソルブが好ましい。
体層としてポジ型のフォトレジスト、相溶防止層として
ポリビニルアルコール、第2の固体層としてアクリル樹
脂系のインキを用いた場合、有機溶剤や水やアルカリ水
溶液の組合せで除去することができるが、その中でも、
エチルセロソルブやアセトンやアルコール等は3層全て
を除去することができ好ましい。作業の安全性、コスト
等を考慮すると、エチルセロソルブが好ましい。
【0048】尚、オリフィスの形成方法によっては、上
記の切断は、必ずしも必要ない。
記の切断は、必ずしも必要ない。
【0049】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でも熱エネルギーを利用して飛翔的液滴を形成し、記
録を行うインクジェット方式の記録ヘッド、記録装置に
おいて優れた効果をもたらすものである。
中でも熱エネルギーを利用して飛翔的液滴を形成し、記
録を行うインクジェット方式の記録ヘッド、記録装置に
おいて優れた効果をもたらすものである。
【0050】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさ
せて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体
(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この
気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(イン
ク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。こ
の駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成
長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(イン
ク)の吐出が達成でき、より好ましい。
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさ
せて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体
(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この
気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(イン
ク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。こ
の駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成
長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(イン
ク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0051】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されているようなものが適している。な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第4313124号明細書に記載されている条件を採用
すると、さらに優れた記録を行うことができる。記録ヘ
ッドの構成としては、上述の各明細書に開示されている
ような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わせ構成
(直線状液流路または直角液流路)の他に、熱作用部が
屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許
第4558333号明細書、米国特許第4459600
号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されているようなものが適している。な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第4313124号明細書に記載されている条件を採用
すると、さらに優れた記録を行うことができる。記録ヘ
ッドの構成としては、上述の各明細書に開示されている
ような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わせ構成
(直線状液流路または直角液流路)の他に、熱作用部が
屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許
第4558333号明細書、米国特許第4459600
号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。
【0052】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギー
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成
としても本発明は有効である。
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギー
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成
としても本発明は有効である。
【0053】さらに、記録装置が記録できる最大記録媒
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数の記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満
たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとし
ての構成のいずれでもよいが、本発明は、上述した効果
を一層有効に発揮することができる。加えて、装置本体
に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置
本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップ
タイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的
にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録
ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。また、本
発明の記録装置の構成として設けられる、記録ヘッドに
対しての回復手段、予備的な補助手段等を付加すること
は本発明の効果を一層安定できるので好ましいものであ
る。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対しての
キャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸
引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子あ
るいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段、記録と
は別の吐出を行う予備吐出モードを行うことも安定した
記録を行うために有効である。
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数の記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満
たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとし
ての構成のいずれでもよいが、本発明は、上述した効果
を一層有効に発揮することができる。加えて、装置本体
に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置
本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップ
タイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的
にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録
ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。また、本
発明の記録装置の構成として設けられる、記録ヘッドに
対しての回復手段、予備的な補助手段等を付加すること
は本発明の効果を一層安定できるので好ましいものであ
る。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対しての
キャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸
引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子あ
るいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段、記録と
は別の吐出を行う予備吐出モードを行うことも安定した
記録を行うために有効である。
【0054】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個を組み合わせることによ
ってでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色に
よるフルカラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発
明は極めて有効である。
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個を組み合わせることによ
ってでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色に
よるフルカラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発
明は極めて有効である。
【0055】以上説明した本発明においては、インクを
液体として説明しているが、室温やそれ以下で固化する
インクであって、室温で軟化するもの、もしくは液体で
あるもの、あるいは上述のインクジェット方式ではイン
ク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を行
ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御
するものが一般的であるから、使用記録信号付与時にイ
ンクが液状をなすものであればよい。
液体として説明しているが、室温やそれ以下で固化する
インクであって、室温で軟化するもの、もしくは液体で
あるもの、あるいは上述のインクジェット方式ではイン
ク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を行
ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御
するものが一般的であるから、使用記録信号付与時にイ
ンクが液状をなすものであればよい。
【0056】加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温
をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネル
ギーとして使用せしめることで防止するか、またはイン
クの蒸発防止を目的として放置状態で固化するインクを
用いるかして、いずれにしても熱エネルギーの記録信号
に応じた付与によってインクが液化し、液状インクとし
て吐出するものや、記録媒体に到達する時点では既に固
化し始めるもの等のような、熱エネルギーによって初め
て液化する性質のインクの使用も本発明には適用可能で
ある。このような場合インクは、特開昭54−56847号公
報あるいは特開昭60−71260号公報に記載されるよう
な、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物
として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向す
るような形態としてもよい。本発明においては、上述し
た各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸勝
方式を実行するものである。
をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネル
ギーとして使用せしめることで防止するか、またはイン
クの蒸発防止を目的として放置状態で固化するインクを
用いるかして、いずれにしても熱エネルギーの記録信号
に応じた付与によってインクが液化し、液状インクとし
て吐出するものや、記録媒体に到達する時点では既に固
化し始めるもの等のような、熱エネルギーによって初め
て液化する性質のインクの使用も本発明には適用可能で
ある。このような場合インクは、特開昭54−56847号公
報あるいは特開昭60−71260号公報に記載されるよう
な、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物
として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向す
るような形態としてもよい。本発明においては、上述し
た各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸勝
方式を実行するものである。
【0057】さらに加えて、本発明に係る記録装置の形
態としては、ワードプロセッサやコンピュータ等の情報
処理機器の画像出力端末として、一体または別体に設け
られるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、さ
らには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採
るものであっても良い。
態としては、ワードプロセッサやコンピュータ等の情報
処理機器の画像出力端末として、一体または別体に設け
られるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、さ
らには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採
るものであっても良い。
【0058】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもので
はない。
るが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもので
はない。
【0059】実施例1 吐出圧発生素子が設けられた第1の基体1上に、液路形
成部位及びそれと連通する共通液室形成予定部位に第1
の固体層2としてPMER−AR900(東京応化工業
社製)を用いてフォトリソグラフィーにより形成する。
膜厚は20μmとした。
成部位及びそれと連通する共通液室形成予定部位に第1
の固体層2としてPMER−AR900(東京応化工業
社製)を用いてフォトリソグラフィーにより形成する。
膜厚は20μmとした。
【0060】次に、第1の固体層の上に相溶防止層3を
形成する。ここでは、ポリビニルアルコールを主成分と
する「デンカポパールK−05」(商品名、電気化学工
業社製)を4%温水に溶解させ、第1の固体層上の第2
の固体層が積層される部位にディスペンサーで塗布し、
乾燥する(90℃×30分、オーブン)。膜厚は3μm
とした。
形成する。ここでは、ポリビニルアルコールを主成分と
する「デンカポパールK−05」(商品名、電気化学工
業社製)を4%温水に溶解させ、第1の固体層上の第2
の固体層が積層される部位にディスペンサーで塗布し、
乾燥する(90℃×30分、オーブン)。膜厚は3μm
とした。
【0061】次いで、第2の固体層として、「ノプコマ
スク4038」(商品名、(株)サンノプコ社製)のイ
ンキをスクリーン印刷によりパターニングする。膜厚は
100μmとした。
スク4038」(商品名、(株)サンノプコ社製)のイ
ンキをスクリーン印刷によりパターニングする。膜厚は
100μmとした。
【0062】次に前述の方法に従い、第2の基体の接
着、第1の基体と第2の基体5との空隙への硬化性樹脂
の注入、硬化を行い(ここでは、エポキシ樹脂を用い
た)、ダイシングソーによりオリフィス形成のための切
断を行った。
着、第1の基体と第2の基体5との空隙への硬化性樹脂
の注入、硬化を行い(ここでは、エポキシ樹脂を用い
た)、ダイシングソーによりオリフィス形成のための切
断を行った。
【0063】最後に、エチルセロソルブを用いて、第1
の固体層、相溶防止層、第2の固体層を除去した。
の固体層、相溶防止層、第2の固体層を除去した。
【0064】以上のようにして形成されたヘッドにおい
ては、第1の固体層と第2の固体層との相溶による除去
残渣は発生しなかった。
ては、第1の固体層と第2の固体層との相溶による除去
残渣は発生しなかった。
【0065】比較例1 実施例1に対して、相溶防止層形成を行わなかった以外
は同様にしてヘッドを作製した。
は同様にしてヘッドを作製した。
【0066】第1の固体層と第2の固体層との相溶によ
る除去残渣が発生していた。
る除去残渣が発生していた。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
第1の固体層と第2の固体層との間に相溶防止層を設け
ることにより、該2者の相溶による除去残渣の発生が防
止され、安価で信頼性の高いインクジェット記録ヘッド
を供給することができる。
第1の固体層と第2の固体層との間に相溶防止層を設け
ることにより、該2者の相溶による除去残渣の発生が防
止され、安価で信頼性の高いインクジェット記録ヘッド
を供給することができる。
【図1】(a)〜(f)は、本発明のインクジェット記
録ヘッドの製造工程の一例を示す側面断面図である。
録ヘッドの製造工程の一例を示す側面断面図である。
【図2】本発明のインクジェット記録ヘッドの樹脂を注
入する工程を示す正面断面図である。
入する工程を示す正面断面図である。
【図3】(a)〜(e)は、従来のインクジェット記録
ヘッドの製造工程を説明する側面断面図である。
ヘッドの製造工程を説明する側面断面図である。
【図4】従来のインクジェット記録ヘッドの樹脂を注入
する工程を示す正面断面図である。
する工程を示す正面断面図である。
1 第1の基体 2 第1の固体層 3 相溶防止層 4 第2の固体層 5 第2の基体 6 インク供給口 7a,7b 硬化性樹脂注入口 8 硬化性樹脂 9 液路 10 液室
Claims (8)
- 【請求項1】 上面に吐出圧発生素子を設けた第1の基
体上に、少なくとも液路となる部分を占有する第1の固
体層と、少なくとも共通液室となる部分の少なくとも一
部を占有する第2の固体層と、第2の基体とを順次積層
する工程と、 前記第1の基体と前記第2の基体との間に前記液路の壁
となる硬化性樹脂を注入した後、前記硬化性樹脂を硬化
させる工程と、 前記樹脂が固化した後、前記第1の固体層および前記第
2の固体層とを除去する工程とを有するインクジェット
記録ヘッドの製造方法において、 少なくとも前記第1の固体層と第2の固体層との間に第
1の固体層と第2の固体層との相溶を防止する相溶防止
層を設けたことを特徴とするインクジェット記録ヘッド
の製造方法。 - 【請求項2】 第1の固体層の材料がポジ型のフォトレ
ジストであり、第2の固体層の材料がアクリル系の印刷
インキである請求項1に記載のインクジェット記録ヘッ
ドの製造方法。 - 【請求項3】 相溶防止層の材料が水溶性樹脂である請
求項1または2に記載のインクジェット記録ヘッドの製
造方法。 - 【請求項4】 水溶性樹脂がポリビニルアルコールであ
る請求項3に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方
法。 - 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の製造
方法で製造したインクジェット記録ヘッド。 - 【請求項6】 インク吐出圧発生素子が電気エネルギー
を与えることによって発熱し、インクに状態変化を生ぜ
しめて吐出を行わせるための電気熱変換体である請求項
5に記載のインクジェット記録ヘッド。 - 【請求項7】 記録媒体の記録領域の全幅にわたって吐
出口が複数設けられているフルラインタイプのものであ
ることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記
録ヘッド。 - 【請求項8】 記録媒体の被記録面に対向してインクを
吐出するインク吐出口が設けられている請求項5に記載
の記録ヘッドと、該記録ヘッドを載置するための部材と
を少なくとも具備することを特徴とする記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5338696A JPH09239981A (ja) | 1996-03-11 | 1996-03-11 | インクジェット記録ヘッド、その製造方法、および同記録ヘッドを組み込んだ記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5338696A JPH09239981A (ja) | 1996-03-11 | 1996-03-11 | インクジェット記録ヘッド、その製造方法、および同記録ヘッドを組み込んだ記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09239981A true JPH09239981A (ja) | 1997-09-16 |
Family
ID=12941395
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5338696A Pending JPH09239981A (ja) | 1996-03-11 | 1996-03-11 | インクジェット記録ヘッド、その製造方法、および同記録ヘッドを組み込んだ記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09239981A (ja) |
-
1996
- 1996-03-11 JP JP5338696A patent/JPH09239981A/ja active Pending
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