JPH09239567A - 超音波接合装置の接合用チップ - Google Patents

超音波接合装置の接合用チップ

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JPH09239567A
JPH09239567A JP4746496A JP4746496A JPH09239567A JP H09239567 A JPH09239567 A JP H09239567A JP 4746496 A JP4746496 A JP 4746496A JP 4746496 A JP4746496 A JP 4746496A JP H09239567 A JPH09239567 A JP H09239567A
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anvil
joining member
horn
joining
groove
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JP4746496A
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Kazuo Oba
和雄 大場
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Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接合部材が異なる形状や材質からなる複数の
部位から形成されるものであっても、接合用チップの摩
耗を抑制し安定した接合強度を得る。 【解決手段】 アンビル5の加圧部11は振動方向に直
交する方向に延びる複数個の突条10にて形成される。
各突条10はその厚さが長さ方向で変化するように形成
され、アンビル側接合部材PA の幅が広い歯部p1 には
各突条10の厚さが小さい部分が、幅が狭い歯部p5 に
は各突条10の厚さが大きい部分が相対するように形成
されている。このことにより、各突条10が、各歯部p
1 〜p5 に形成される係合溝16の溝部分から受ける応
力が各溝部分で略均等化されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波接合装置の
アンビル、ホーンチップ等の接合用チップに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】超音波接合装置は、二つの接合部材を互
いに接合する場合、アンビル(固定側接合用チップ)と
ホーンチップ(振動側接合用チップ)との間で、その一
対の接合部材の各接合面を当接させた状態で挟圧し、ホ
ーンチップを超音波振動させる。
【0003】ホーンチップが超音波振動すると、ホーン
側の接合部材(ホーン側接合部材)が、その接合面をア
ンビルにて固定された接合部材(アンビル側接合部材)
の接合面と摺接した状態で往復駆動する。その結果、両
接合部材が各接合面間で繰り返し摺動されることによ
り、互いに接合される。
【0004】このとき、アンビルに対してアンビル側接
合部材が振動方向に十分に係止されていないと、アンビ
ルとアンビル側接合部材との間で滑りが生じる。その結
果、アンビル側接合部材とホーン側接合部材とが効率良
く摺動されなくなるため、両接合部材の接合強度が低下
する。さらに、アンビルとアンビル側接合部材とが摺動
されることにより、アンビルとアンビル側接合部材との
間で無用な超音波接合(張り付き)が発生する場合もあ
る。又、ホーンチップとホーン側接合部材との間でも、
同様の問題が発生する。
【0005】このため、アンビルとアンビル側接合部材
との間で滑りが発生しないように、図11,12に示す
ように、アンビル40の加圧部42を、ホーンチップの
振動方向に直交する方向に延びるように形成される互い
に平行な複数の突条41にて形成したものがある。各突
条41は長さ方向に厚さが単一に形成されている。同様
に、図13に示すように、ホーンチップ43の加圧部
も、複数個の突条45にて形成されている。
【0006】図13に示すように、このように形成され
たアンビル40及びホーンチップ43にて一対の接合部
材PA ,PH を挟圧する。この時、アンビル40の各突
条41がアンビル側接合部材PA に食い込んで、アンビ
ル側接合部材PA に雌形状の係合溝44が形成され、該
係合溝44と突条41とが係合する。同様に、ホーンチ
ップ43の各突条45もホーン側接合部材PH に食い込
んで、ホーン側接合部材PH に雌形状の係合溝46が形
成され、該係合溝46と突条45とが係合する。
【0007】このため、ホーンチップ43が超音波振動
すると、ホーン側接合部材PH はホーンチップ43に対
して滑ることなく振動方向に往復駆動され、一方、アン
ビル側接合部材PA はアンビル40に対して滑ることな
く固定される。その結果、ホーンチップ43の超音波振
動により両接合部材PA ,PH の各接合面同士が効率良
く振動方向に繰り返し摺動されるため、両接合部材P,
PH 同士が各接合面間で安定して接合される。又、アン
ビル40とアンビル側接合部材PA との間、あるいは、
ホーンチップ43とホーン側接合部材PH との間で張り
付きが生じることもない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、超音波接合
により接合されるものには、接合面を形成する部分が均
一な材質の単一の板材であるものに限らず、例えば、図
14に示すように、矢印で示すホーンチップ43の振動
方向に対して直交する方向である幅方向にそれぞれ異な
る幅の歯部p1 〜p5 にてクシ形状に形成される接合部
品Pや、図15に示すように、異なる材質の部位p6 ,
p7 から構成される接合部品Pがある。
【0009】このような接合部品Pを上記のアンビル4
0及びホーンチップ43にて挟圧すると、各歯部p1 〜
p5 あるいは部位p5 ,p6 のそれぞれに係合溝44,
46を構成する溝部分が形成される。この状態で接合部
品Pを超音波接合すると、接合時間が長くなるにつれ、
各歯部p1 〜p5 の内の特定の歯部p1 〜p5 に形成さ
れた溝部分が他の歯部p1 〜p5 に形成された溝部分よ
りも早期に振動方向に拡開するように変形する場合が生
じる。あるいは、各部位P5 ,P6 の内の特定の部位P
5 ,P6 の溝部分が他の部位P5 ,P6 の溝部分よりも
早期に振動方向に拡開変形する場合が生じる。
【0010】その結果、その歯部p1 〜p5 あるいは部
位p6 ,P7 に形成された溝部分の両側面と各突条41
の両側面との間に部分的な隙間が形成され、例えば、ア
ンビル側接合部材PA がアンビル40に対して部分的に
滑るようになる。このため、図16に示すように、係合
溝44は振動方向への拡開変形が促進され、アンビル側
接合部材PA の全体がアンビル40に対して滑るように
なる。
【0011】従って、ホーンチップ43の超音波振動
が、両接合部品PA ,PH 間の各接合面同士の摺接に効
率良く用いられなくなるため、両接合部材PA ,PH 間
の接合強度が不十分になる。又、アンビル側部品PA の
拡開した各係合溝44に係合する各突条41がその内部
で振動方向に摺動するようになるため、各突条41が早
期に磨耗する。このため、アンビル40の各突条41に
て接合部材PA を係止する力が弱くなり、アンビル40
の寿命が短くなる。又、ホーンチップ43とホーン側接
合部材PH との間でも、同様の問題が発生することがあ
る。
【0012】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであって、その目的は、接合部材が異なる形
状や材質からなる複数の部位から形成されるものであっ
ても、接合用チップの摩耗を抑制し、安定した接合強度
を得ることができる超音波接合装置の接合用チップを提
供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、請求項1に記載の発明は、振動方向に直交する方向
に延びるように形成される係合凸部を備え、同係合凸部
を接合部材に食い込ませて接合部材に係合凸部に対して
雌形状となる係合凹部を形成し、同係合凹部に前記係合
凸部を係合するようにした超音波装置の接合用チップに
おいて、前記係合凸部は、同係合凸部にて形成される前
記係合凹部から同係合凸部が受ける応力がその長さ方向
の各位置で略均等になるように、前記接合部材に応じて
その長さ方向でその厚さを変化させるように形成した。
【0014】従って、請求項1に記載の発明によれば、
接合用チップには、振動方向に対して直交する方向に延
びるように形成される係合凸部が備えられる。この接合
用チップにて接合部材を押圧すると、係合凸部が接合部
材に食い込んで係合凸部に対して雌形状となる係合凹部
が形成され、係合凸部がその係合凹部に係合する。その
結果、接合部材が接合用チップに対して振動方向に係止
される。このとき、係合凸部の厚さが長さ方向で変化す
るように形成されているため、係合凸部に係合凹部から
加わる応力がその長さ方向の各位置で略均等化される。
【0015】即ち、接合部材が振動方向に直交する方向
に異なる長さの部位にて構成される部材や、異なる材質
の部位にて構成される部材であるときは、各部位に形成
される係合凹部から係合凸部に加えられる応力に差がで
きる。そこで、各部位間において係合凸部に加えられる
応力の大きさが略均等化されるように、各部位に形成す
る係合凹部の幅を係合凸部の厚さを各部位に対応して変
化させることにより調整する。その結果、接合用チップ
と接合部材との間に振動方向に互いにずれるような力が
繰り返し加わり係合凸部が係合凹部に対して振動方向に
繰り返し押圧されても、いずれかの部位の係合凹部の部
分が他の部位の係合凹部の部分よりも早期に振動方向に
拡開するように変形することがなくなる。このため、係
合凹部の一部が他の部分よりも早期に振動方向に拡開変
形することにより、係合凹部の拡開変形が早期に発生す
ることがなくなる。
【0016】
【発明の実施の形態】図5は、超音波接合装置1を示し
ている。超音波接合装置1は、超音波発生装置2、増幅
用ホーン3、ホーンチップ4、アンビル5及び加圧装置
6から構成されている。超音波発生装置2は、高周波発
生装置、磁歪振動子等から構成されている。超音波発生
装置2には、超音波発生装置2で励起された超音波振動
を増幅する増幅用ホーン3が取着されている。増幅用ホ
ーン3には、増幅された超音波振動を接合部材に伝達す
るためのホーンチップ4が固着されている。ホーンチッ
プ4は、増幅用ホーン3にて図5における左右方向(以
下、振動方向という)に往復駆動される。超音波振動発
生装置2、増幅用ホーン3及びホーンチップ4は、加圧
装置6にて上下動可能に支持されている。ホーンチップ
4の下方には接合部材を固定するためのアンビル5が台
座7に固設されている。アンビル5とホーンチップ4と
の間で、一対の接合部品が挟圧される。各接合部材は、
アンビル5に固定されるアンビル側接合部材PA と、ホ
ーンチップ4にて駆動されるホーン側接合部材PH とか
らなる。
【0017】本実施の形態では、両接合部材PA ,PH
は、図14に示すように、複数の歯部p1 〜p5 を備え
たクシ形状に形成されている。即ち、アンビル側接合部
材PA は、図1,2に示すように、その長手方向に延び
るに形成される各歯部p1 〜p5 を備え、この各歯部p
1 〜p5 はその幅が歯部p1 から歯部p5 にいくほど段
階的に小さくなるように形成されている。ホーン側接合
部材PH も、アンビル側接合部材PA と同様に歯部p1
〜p5 を備え、同様に形成されている。両接合部材PA
,PH は、それぞれの歯部p1 〜p5 同士が接合され
るように、共に長手方向に互いに摺接されて接合され
る。
【0018】図1に示すように、アンビル5は所定の台
座7に固着される取付部8を備え、この取付部8の上側
には基部9が一体的に形成されている。この基部9の上
側には、互いに平行にかつ前記ホーンチップ3の振動方
向に直交する方向に延びる4個の突条10からなる加圧
部11が基部9に対して一体的に形成されている。各突
条10は、図2に示すように、その長さ方向に左側(図
2において)から右側(同じく図2において)にいくほ
ど、その厚さが厚くなるように形成されている。
【0019】このアンビル5を加工形成するには、基部
9の上側に基部9とともに一体的に四角形状に形成され
た部分に対し、V溝加工用の円盤砥石にて各突条10が
隣合って形成される2位置の中間位置を各突条10の延
びる方向に切削加工する。このとき、円盤砥石を突条1
0が延びる方向に移動させるとともに、円盤砥石がアン
ビル5から徐々に上方に離れるように移動させる。この
結果、円盤砥石にて深さが徐々に変化する複数の溝12
が形成され、この隣合う溝12にて厚さが長さ方向に変
化する各突条10が形成される。
【0020】図3に示すように、ホーンチップ4は、前
記増幅用ホーン3に固着される基部13を備え、この基
部13の下側には互いに平行にかつホーンチップ4の振
動方向に直交する方向に延びる4個の突条14からなる
加圧部15が基部13に対して一体的に形成されてい
る。各突条14は、図4に示すように、前記アンビル5
の各突条10と同様に、その長さ方向に左側(図4にお
いて)から右側(同じく図4において)にいくほど、そ
の厚さが厚くなるように形成されている。ホーンチップ
4も、アンビル5と同様に加工形成される。
【0021】本実施の形態では、アンビル5の各突条1
0は、アンビル側接合部材PA の各部位p1 〜p5 の幅
に応じて、その厚さが長さ方向に変化するように形成さ
れている。同様に、ホーンチップ4の各突条14は、ホ
ーン側部材PH の各部位p1〜p5 の幅に応じて、その
厚さが長さ方向に変化するように形成されている。
【0022】アンビル側接合部材PA は、図1,2に示
すように、アンビル5に対して、その長手方向が振動方
向に配置されるとともに、幅の広い歯部p1 が各突条1
0の幅の狭い部分に相対し、幅の狭い歯部p5 が各突条
10の幅の広い部分に相対するように配置される。
【0023】又、ホーン側部品PH は、図3,4に示す
ように、ホーンチップ4に対して、その長手方向が振動
方向に配置されるとともに、幅の広い歯部p1 が各突条
14の幅の狭い部分に相対し、幅の狭い歯部p5 が各突
条14の幅の広い部分に相対するように配置される。
【0024】そして、アンビル5とホーンチップ4との
間で両接合部材PA ,PH を挟圧すると、図6に示すよ
うに、アンビル5の各突条10がアンビル側接合部材P
A に食い込んで各突条10に対して雌形状の係合溝16
をそれぞれ形成し、その各係合溝16に各突条10が係
合する。アンビル側接合部材PA は互いに分断された歯
部p1 〜p5 から構成されるため、各係合溝16は各歯
部p1 〜p5 毎に形成される溝部分から構成される。
【0025】各溝部分における各突条10には、その溝
部分から応力が加えられる。何故なら、各溝部分は、各
突条10にてアンビル側部材PA が変形されることによ
り形成される。従って、各突条10には、その変形量、
言い換えると、各突条10の幅に応じた応力が加えられ
る。つまり、各突条10の厚さが大きくなるほどアンビ
ル側接合部材PA の変形量が大きくなるため、各突条1
0に加えられる応力は大きくなる。
【0026】又、本実施の形態では、アンビル側接合部
材PA は、幅が異なる各歯部p1 〜p5 にて形成されて
いる。従って、各歯部p1 〜p5 に等しい幅の溝部分が
形成されるときに各溝部分から各突条10に加えられる
応力の大きさは、幅が小さい歯部p2 〜p5 ほど小さく
なる。
【0027】ところで、アンビル5にてアンビル側部材
PA を挟圧して超音波接合を行うと、アンビル側接合部
材PA に係合する各突条10から各係合溝16の両側面
に対して振動方向の力が交互に繰り返し加えられる。こ
の振動方向の力は、各係合溝16を振動方向に拡開させ
るように作用する。
【0028】本出願人は、このとき各係合溝16から各
突条10に加わる応力が大きくなる程、各係合溝16が
拡開変形しにくくなることを見出した。即ち、各係合溝
16から各突条10に加わる応力が大きいほど、各係合
溝16が拡開変形しにくくなる。
【0029】従って、本実施の形態では、アンビル5の
各突条10を、各歯部p1 〜p5 の各溝部分から突条1
0に作用する応力の大きさが略均等になるように、各歯
部p1 〜p5 の幅の大きさに対応してその厚さを長さ方
向に変化させている。即ち、変形量当たりの応力が相対
的に大きくなる歯部p1 には各突条10の厚さが小さい
部分を相対させることにより、生じる応力が相対的に小
さくなるようにする。反対に、変形量当たりの応力が相
対的に小さくなる歯部p5 には、各突条10の厚さが大
きい部分を相対させることにより、生じる応力が相対的
に大きくなるようにする。このことにより、各突条10
が各歯部p1 〜p5 に形成する溝部分から受ける応力が
略均等化されるようにしている。
【0030】同様に、ホーンチップ4の各突条14は、
各突条14がホーン側接合部材PHに食い込んで係合溝
17をそれぞれ形成したとき、各突条14が各歯部p1
〜p5 に形成する各溝部分から受ける応力が略均等化さ
れるように、各突条14の厚さ各歯部p1 〜p5 の幅の
大きさに対応してその厚さを長さ方向に変化させてい
る。
【0031】以上のように構成された超音波接合装置の
接合用チップの作用について説明する。アンビル5とホ
ーンチップ4との間で、両接合部材PA ,PH が挟圧さ
れると、図6に示すように、アンビル5の各突条10が
アンビル側接合部材PA に食い込んで各突条10に対し
て雌形状の係合溝16をそれぞれ形成し、その形成した
各係合溝16に相対する各突条10が係合する。従っ
て、アンビル側接合部材PA はアンビル5に対して振動
方向に係止される。このとき、各歯部p1 〜p5 に形成
される溝部分から、その溝部分に係合する各突条10の
部分に作用する応力は略均等化される。
【0032】又、ホーンチップ4の各突条14がホーン
側接合部材PH に食い込んで各突条14に対して雌形状
の係合溝17を形成し、その形成した係合溝17に相対
する各突条14が係合する。従って、ホーン側接合部材
PH はホーンチップ4に対して振動方向に係止される。
このとき、各歯部p1 〜p5 に形成される溝部分から、
その溝部分に係合する各突条14の部分に作用する応力
は略均等化される。
【0033】ホーンチップ4が超音波振動すると、ホー
ンチップ4に係止されるホーン側接合部材PH が振動方
向に往復駆動される。従って、ホーンチップ4とホーン
側接合部材PH との間には、互いに振動方向にずらすよ
うな力がその両方向に交互に繰り返し加わる。このた
め、各突条14は、係合溝17の両側面に交互に繰り返
し押圧される。又、ホーン側接合部材PH が、振動方向
の両方向に交互に繰り返し駆動されるため、両接合部材
PA ,PH の各接合面の摩擦によりアンビル側接合部材
PA が同振動方向の両方向に交互に繰り返し駆動され
る。従って、アンビル側接合部材PA とアンビル5との
間には、互いに振動方向にずらすような力がその両方向
に交互に繰り返し加わる。このため、アンビル5の各突
条10は、各突条10が係合する各係合溝16の両側に
交互に繰り返し押圧される。
【0034】このとき、アンビル5の各突条10が係合
する各係合溝16から受ける応力は各歯部p1 〜p5 間
で略均等化されている。従って、各突条10から各係合
溝16に繰り返し加わる力により、各歯部p1 〜p5 の
溝部分のいずれかが他の溝部分よりも早期に振動方向に
拡開変形することはなくなる。つまり、いずれかの歯部
p1 〜p5 の溝部分が他の歯部p1 〜p5 の溝部分より
も早期に拡開変形することにより、各係合溝16が振動
方向に拡開変形され、各突条10と各係合溝16の両側
面との間に隙間が形成されることがなくなる。
【0035】その結果、図7に示すように、接合終了時
になっても、アンビル5の各突条10とアンビル側接合
部材PA の各係合溝16との間に振動方向の隙間が形成
されにくくなるため、アンビル側接合部材PA がアンビ
ル5に対して振動方向に移動不能に係止されたままとな
る。
【0036】同様に、ホーンチップ4の各突条14が係
合する各係合溝17から受ける応力は、各歯部p1 〜p
5 間で略均等化されている。従って、各突条14から各
係合溝17に加わる力により、各歯部p1 〜p5 の溝部
分のいずれかが他の溝部分よりも早期に変形して振動方
向に拡開することがなくなる。つまり、アンビル側接合
部材PA と同様に、いずれかの歯部p1 〜p5 の溝部分
の変形による各係合溝17の拡開変形が防止され、各突
条14と各係合溝17との間に振動方向の隙間が形成さ
れにくくなる。その結果、ホーン側接合部材PH は、ホ
ーンチップ4にて滑ることなく振動方向に駆動される。
【0037】図8は、本実施の形態のアンビル5を用い
て実際に超音波接合を繰り返し行ったときの、アンビル
5の各突条10の摩耗量と接合回数との関係のデータを
示すグラフである。このデータによれば、本実施の形態
のアンビル5の各突条10が予め決められた摩耗量に達
して使用が取り止められるときまでの接合回数は、従来
のアンビルの各突条の摩耗量が同じ摩耗量に達したとき
までの接合回数の約2倍の回数となった。従って、本実
施の形態のアンビル5によれば、各突条10の摩耗量が
従来のアンビルの各突条の摩耗量の約半分であることが
確認された。
【0038】以上詳述したように、本実施の形態の超音
波接合装置の接合用チップによれば、以下の効果を得る
ことができる。 (a) アンビル5の加圧部11をホーンチップ4の振
動方向に直交する方向に延びる複数個の突条10で形成
し、各突条10がアンビル側接合部材PA の各歯部p1
〜p5 に形成する溝部分から受ける応力が各溝部分間で
略均等化されるように、アンビル側接合部材PA の各歯
部p1 〜p5 の幅に対応して各突条10の厚さを長さ方
向に変化させた。その結果、アンビル5が係合するアン
ビル側接合部材PA に対して振動方向の両方向に交互に
繰り返しずれるような力が加わっても、いずれかの歯部
p1 〜p5 の溝部分が他の溝部分よりも早期に振動方向
に拡開するように変形することがなくなる。つまり、い
ずれかの溝部分が早期に変形することにより、係合溝1
6の拡開変形が促進されることがなくなる。従って、ア
ンビル側接合部材PA が振動方向に直交する幅方向に分
断された異なる幅の歯部p1 〜p5 から形成されるもの
であっても、振動方向に確実に係止することができる。
【0039】又、ホーンチップ4の加圧部15も、ホー
ン側接合部材PH の各歯部p1 〜p5 の幅に対応して厚
さが長さ方向に変化する突条14にて形成した。その結
果、各突条14からホーン側接合部材PH の各係合溝1
7に対して振動方向の両方向に交互に繰り返しずれる方
向の力が加わっても、いずれかの歯部p1 〜p5 の溝部
分が他の溝部分よりも早期に振動方向に拡開変形するこ
とがなくなる。従って、ホーン側接合部材PH が、振動
方向に直交する方向に分断された異なる幅の歯部p1 〜
p5 から形成されるものであっても、振動方向に確実に
係止することができる。
【0040】しかも、ホーン側接合部材PH を振動方向
に滑ることなく往復駆動することができるため、ホーン
チップ4の各突条14の摩耗を防止することができる。
同様に、アンビル側接合部材PA を振動方向に滑ること
なく係止することができるため、アンビル5の各突条1
0の摩耗を防止することができる。さらに、アンビル側
接合部材PA に対してホーン側接合部材PH を高い効率
で摺動させることができるため、両接合部材PA ,PH
を確実に接合することができる。
【0041】(b) 複数個の突条10にて加圧部11
を形成したので、各突条10にて形成する各係合溝16
との係合によりアンビル側接合部材PA を振動方向に係
止することができる。その結果、各係合溝16の深さを
小さくすることができるため、各接合部材PA の損傷を
小さくすることができる。
【0042】(c) 各突条10,14を基部9,13
の幅方向一杯に延びるように形成したので、突条10,
14からなる加圧部11,15を円盤砥石により容易に
加工形成することができる。
【0043】尚、本発明は上記各実施の形態に限定され
るものではなく、以下のように構成することもできる。 (1) 上記実施の形態では、幅が段階的に変化する複
数の歯部p1 〜p5 からなるクシ形状の接合部材PA ,
PH 同士を接合するために好適なように各突条10,1
4の厚さを変化させたが、この形状に限らず、適宜接合
部材の形状や材質等の条件に応じて各突条10,14の
厚さを変化させるようにしてよい。
【0044】例えば、図9,10に示すように、例え
ば、アンビル側接合部材PA を、幅方向の両側に配置さ
れる同種の材質からなる両部位p6 の間に、異種の材質
からなる部位p7 が挟まれるようにして構成されるもの
とし、部位p7 は両側の部位p6 よりも相対的に硬いも
のとする。この場合には、アンビル5の各突条10をそ
の厚さが中央部で狭く両側で広くなるように形成し、各
突条10の厚さが小さい部分が部位p7 に相対し、厚さ
が小さい部分が両部位p6 に相対するように構成する。
【0045】このアンビル5では、厚さが小さい部分が
相対的により硬い部位p7 に食い込むため、部位p7 に
形成される溝部分から突条10に加わる応力が相対的に
小さくなる。又、厚さが大きい部分が部位p7 よりも硬
くない部位p6 に食い込むため、各部位p6 に形成され
る溝部分から突条10に加わる応力は相対的に大きくな
る。このため、突条10が係合溝16から受ける応力
は、長さ方向の各部位で略均等化される。
【0046】従って、幅方向の異種の材質からなる複数
の部位p6 ,p7 から構成される接合部材であっても、
アンビル5の各突条10の摩耗を防止して、接合部材同
士を確実に接合することができる。
【0047】この他、接合部材が異なる形状からなる部
位の組み合わせ、異なる材質からなる部位の組み合わせ
等で形成される場合に、その各部位が変形したときに生
じる応力が略均等になるように、各突条10の厚さをそ
の長さ方向で変化させるようにしてよい。
【0048】(2) アンビル5あるいはホーンチップ
4において、隣合う各突条10,14の振動方向に相対
する各位置の厚さを異なるように形成してもよい。 (3) アンビル5及びホーンチップ4のいずれか一方
のみに、突条10,14からなる加圧部11,15を形
成するようにしてもよい。
【0049】(4) 各突条10,14の長さを、接合
部材PA ,PH の幅よりも短く形成してもよい。さら
に、各突条10,14を、その長手方向にずらして配置
した加圧部11,15としてもよい。
【0050】(5) 各加圧部11,15を形成する突
条10,14の数は、4個に限らず、適宜設定してもよ
い。 (6) 各突条10,14は、V字形状の溝12にて形
成される断面V字形状のものに限らず、例えば、U字形
状、四角形状等の形状としてもよい。
【0051】又、互いに異なる断面形状の複数の突条1
0,14にて加圧部11,15を形成してもよい。 (7) アンビル5及びホーンチップ4を円盤砥石で切
削加工することにより、突条10,14から加工部1
1,15を形成したが、これを、粉末冶金により形成し
てもよい。又、放電加工により形成してもよい。
【0052】前記実施の形態から把握できる請求項以外
の技術的思想について、以下にその効果とともに記載す
る。 (1) 請求項1に記載の超音波接合装置の接合用チッ
プにおいて、係合凸部10,14は、一端から他端にな
るほど厚さが厚くなるように形成されるものとする。こ
のような構成によれば、幅が次第に広くなる歯部p1 〜
p5 にて形成される接合部材PA ,PH を安定した接合
強度で接合することができる。
【0053】(2) 請求項1に記載の超音波接合装置
の接合用チップにおいて、係合凸部10は、厚さが中央
部で薄く、両側になるほど厚くなるように形成されるも
のとする。このような構成によれば、中央部の部位p7
が両側の各部位p6 よりも硬い材質にて形成される接合
部材PA を安定した接合強度で接合することができる。
【0054】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1に記載の
発明によれば、接合部材が異なる形状や材質からなる複
数の部位から形成されるものであっても、接合用チップ
の摩耗を抑制し、安定した接合強度を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 アンビルの斜視図。
【図2】 アンビルの平面図。
【図3】 ホーンチップの斜視図。
【図4】 ホーンチップの平面図。
【図5】 超音波接合装置の模式正面図。
【図6】 接合工程の模式図。
【図7】 接合工程の模式図。
【図8】 アンビルの摩耗量と加工回数のグラフ。
【図9】 別例のアンビルの斜視図。
【図10】 同じくアンビルの平面図。
【図11】 従来例のアンビルの斜視図。
【図12】 同じくアンビルの平面図。
【図13】 接合工程の模式図。
【図14】 接合部材の斜視図。
【図15】 接合部材の斜視図。
【図16】 接合工程の模式図。
【符号の説明】
10,14…係合凸部としての突条、16,17…係合
凹部としての係合溝、PA …接合部材としてのアンビル
側接合部材、PH …同じくホーン側接合部材。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動方向に直交する方向に延びるように
    形成される係合凸部を備え、同係合凸部を接合部材に食
    い込ませて接合部材に係合凸部に対して雌形状となる係
    合凹部を形成し、同係合凹部に前記係合凸部を係合する
    ようにした超音波装置の接合用チップにおいて、 前記係合凸部は、同係合凸部にて形成される前記係合凹
    部から同係合凸部が受ける応力がその長さ方向の各位置
    で略均等になるように、前記接合部材に応じてその長さ
    方向でその厚さを変化させるように形成した超音波接合
    装置の接合用チップ。
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