JPH09238489A - モータ速度制御方法及びモータ速度制御装置 - Google Patents

モータ速度制御方法及びモータ速度制御装置

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JPH09238489A
JPH09238489A JP8046484A JP4648496A JPH09238489A JP H09238489 A JPH09238489 A JP H09238489A JP 8046484 A JP8046484 A JP 8046484A JP 4648496 A JP4648496 A JP 4648496A JP H09238489 A JPH09238489 A JP H09238489A
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motor
value
current
torque
amplifier
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JP8046484A
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Yuugo Imai
裕五 今井
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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  • Control Of Electric Motors In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、電流増幅器のゲイン値によらず、
モータ速度への外乱の影響を回避できる電流補償手段を
備えたモータ速度制御方法を提供する。 【解決手段】 モータ速度を制御する速度制御ループに
対し、電機子電流IMを制御する電流制御ループをマイ
ナーループとしてとして持つモータの制御装置を用いた
モータの速度制御方法で、モータの電機子電流IMと、
トルク定数KTの公称値KTnとを乗じて得られたモータ
トルクの推定値から、モータの回転子14の慣性モーメ
ントJMの積分特性の逆モデルを模擬してなる微分器2
3によりモータ速度検出値を微分して得られた、モータ
トルクの推定値を減じて、外乱トルクの推定値Td0を求
め、電流ループの逆モデルを模擬してなる比例微分器4
と、モータトルク定数の公称値の逆数のゲインを持つ増
幅器3とにより、外乱トルクの推定値Td0に所定の演算
を施した値を、電流指令値の補償値ΔICとするもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、モータに加わる
外乱トルクを推定し、この推定値に基づきモータへの指
令値を補償するモータの速度制御方法及びモータ速度制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】工作機械や、ロボットシステムの高精度
な位置決め制御や力制御を実現するために、重力、慣性
力、摩擦力等の外力の影響を考慮し、サーボ系のロバス
トネスを向上させる方法として、外乱オブザーバを使用
した加速度制御系が提案されている「ロバスト高速サー
ボ制御技術」トリケップス社(平成3年9月27日):
154頁乃至163頁:「モーションコントロール」コ
ロナ社(1993年3月25日)57頁乃至59頁。
【0003】図7に示すブロック線図を用いて従来例を
説明する。図示しない制御装置より出力された速度指令
値ωref は、加算器7によリモータ速度帰還出力ωfb
加算された後、比例積分器5に入力される。比例積分器
5は、比例ゲインKp と、積分ゲインKI とを持ってい
る。
【0004】比例積分器5の出力は、モータ1に対する
電流指令値Iref であり、加算器8で電流補償値ΔIc
と加算され、新たな電流指令値Ic となる。
【0005】電流指令値Ic は加算器9により、モータ
1の電機子電流検出値の符号を反転した値と加算された
後、低速増幅器10に入力され、所定の電力に増幅さ
れ、増幅器10の出力でモータ1を駆動する。
【0006】モータ1は、電機子部13の電機子インダ
クタンスL、電機子抵抗値R、トルク定数部11のトル
ク定数KT 、逆起電力定数部12の逆起電力定数KE
回転子14の慣性モーメントJM として図7のブロック
線図に示している。尚、モータ1の粘性定数は小さいも
のとして省略してある。
【0007】前記モータ1からは、検出出力として電機
子電流IM 、モータ速度ωM が出力され、また入力とし
て外乱トルクTd が存在する。モータ1のモータ速度ω
M は、速度帰還増幅器6で所定の値に増幅され加算器7
により速度指令値ωref から減算される。
【0008】図7に示す外乱トルクオブザーバ2では、
検出された電機子電流IM をトルク定数KT の公称値K
Tn(添字のnは公称値nomina1を表す、以下同
じ)に乗じて得たモータ1の発生トルクの推定値と、検
出されたモータ速度ωM をモータ回転子14の慣性モー
メントJM の積分特性の逆モデルを模擬してなる微分器
23により、モータ速度ωM を微分して得られたモータ
1の発生トルクの推定値とを加算器22に入力し、二つ
のトルクの推定値の差を外乱トルクTd の推定値Td 0
として下記数1の式で求める。微分器23ではモータ1
の回転子14の慣性モーメントJM の公称値JMnとす
る。尚、数1において、sはラプラス演算子である。
【0009】
【数1】
【0010】そして、求めた外乱トルクTd の推定値T
d 0 を打ち消すように、この外乱トルクTd の推定値T
d 0 に、増幅器3によりトルク定数KT の公称値KTn
逆数1/KTnを乗じ、増幅器3の出力である電流補償値
ΔIc を加算器8により電流指令値Iref と加算するこ
とにより、電流指令値Iref を補償し、補償された新た
な電流指令値Ic として出力する。
【0011】外乱トルクオブザーバ2と増幅器3とによ
り求めた電流補償値Ic により、電流指令値Iref を補
償しない場合の電流指令値Iref 、及び外乱トルクTd
からモータ1のモータ速度ωM までの伝達関数ω
M (s)は、下記数2となる。
【0012】
【数2】
【0013】電流補償値ΔIc により補償した場合の電
流指令値Iref 及び外乱トルクTdからモータ1のモー
タ速度ωM までの伝達関数ωM (s)は、下記数3とな
る。
【0014】
【数3】
【0015】電流補償値ΔIc により電流指令値Iref
を補償しない場合の電流指令値Ire f からモータ速度ω
M までの伝達関数は、数2の第1項である。
【0016】また、電流補償値ΔIc により電流指令値
ref を補償した場合の電流指令値Iref からモータ速
度ωM までの伝達関数は、数3の第1項である。
【0017】数2、数3において、前記トルク定数KT
とその公称値KTn、前記慣性モーメントJM とその公称
値JMnとを各々略等しく設定すれば、数3におけるδは
略1となり、数2と数3の分母も略等しくなり、電流指
令値Iref からモータ速度ω M までの伝達関数ω
M (s)も略等しい考えてよい。
【0018】同様に、電流補償値ΔIc により電流指令
値Iref を補償しない場合の外乱トルクTd からモータ
1の速度出力ωM までの伝達関数は、数2第2項であ
り、補償した場合の外乱トルクTd からモータ1のモー
タ速度ωM までの伝達関数は数3第2項であり、分母は
略等しいと考えてよい。
【0019】電流補償値ΔIc により補償しない場合に
は、制御系の安定性を高くするために導入した電流増幅
器10のゲインKA が数2第2項の分子にあるので、外
乱トルクTd の影響がKA 倍されてモータ速度ωM に現
れている。
【0020】一方、電流補償値ΔIc により補償した場
合の外乱トルクTd からモータ1のモータ速度ωM まで
の伝達関数である数3第2項の分子には、電流増幅器1
0のゲインKA が現れないので、外乱トルクTd のモー
タ速度ωM に与える影響が小さくなっている。
【0021】従って、外乱トルクオブザーバ2により求
めた電流補償値ΔIc により電流指令値Iref を補償す
ることにより、電流制御で制御系の安定性を高くするこ
とと、同時に外乱トルクTd がモータ速度ωM に与える
影響を小さくすることとの2つの効果を得ることができ
る。
【0022】しかし、モータ1のモータ速度ωM を純粋
に微分すると、高域においてノイズが大きくなるので、
現実には、図8に示すように積分動作を持つ低域通過フ
ィルタ26を使用して微分機能を持たせ、外乱トルクT
d を推定し推定値Td 0 を求める。
【0023】外乱トルクTd の推定値Td 0 を求める方
法を図8をも参照して説明する。検出されたモータ1の
電機子電流IM を、トルク定数KT の公称値KTnのゲイ
ンを持つ増幅器21に入力し、KTn倍して得た値と、検
出されたモータ速度ωM とを、回転子14の慣性モーメ
ントJM の公称値JMnと、低域通過フィルタ26の遮断
周波数ωF1とを乗じて得た値のゲインを持つ増幅器25
に入力して、ωF1・J Mn倍して得た値を加算器24によ
り加算し、加算器24の出力を、遮断周波数ωF1を持つ
低域通過フィルタ26に入力し、低域通過フィルタ26
の出力と、増幅器25の出力との差を加算器27で演算
し、その出力を外乱トルクTd の推定値Td 0 として推
定する。推定した推定値Td 0 は、数4で表すことがで
きる。
【0024】
【数4】
【0025】数4に示すように、積分動作を持つ低域通
過フィルタ26で構成した外乱トルクオブザーバ2は、
微分器23を用いて求めた外乱トルクTd である数1に
示す推定値Td 0 を低域通過フィルタ26を通したもの
と等価となる。
【0026】この外乱トルクTd の推定値Td 0 を、ト
ルク定数KT の公称値KTnの逆数1/KTnをゲインに増
幅器3により1/KTn倍し電流補償値ΔIc を算出す
る。そして、電流補償値ΔIc を加算器8により電流指
令値Iref と加算することにより、電流指令値Iref
補償し、補償された新たな電流指令値Ic として出力す
る。低域通過フィルタ26の遮断周波数ωF1は制御対象
の固有周波数よりも大きく、また、ノイズの影響を受け
ないように、できるだけ大きく設定すれば、外乱トルク
d の推定値Td 0 の遅れは非常に小さくなり、事実上
遅れを無視しても差し支えなく、かつ微分器を使用しな
いのでノイズの影響を受けない外乱トルクオブザーバ2
を構成できる。
【0027】図9に実際にシミュレーションを行った時
の、速度制御系のモータ1等の諸定数を代入したブロッ
ク線図を示す。図9に示すブロック線図において、定数
はそれぞれ、L=5.7mH、R=18Ω、KT =0.
183Nm/A、KE =0.183Vs/rad、JM
=3.06×10-5kgm2 、ωF1=1×104 rad
/s、KA =32、KF =60、KP =3、KV =1.
72×10-2とした。
【0028】図10は前記ブロック図に基づいて行った
シミュレーションの結果であり、横軸に各々時間(se
c)、縦軸にモータ1の回転速度(rpm)及びモータ
電流値をアンペア(A)で併せて示してある。モータ起
動後0、2秒で0.3Nmの大きさの外乱トルクTd
モータ軸に与え、モータ起動後0.5秒に外乱トルクT
d を取り去った場合のシミュレーションである。
【0029】図11は前記定数で表されるモータ1を2
台連結し、一台を被制御モータ、他方を負荷用モータと
して実験したときの被制御モータの実測値である。モー
タ1の回転速度をrpmで、モータ電流値をアンペア
(A)で併せて示してあることは図10に示すシミュレ
ーションの場合と同しである。
【0030】但し、モータ1は1000rpmで定常回
転しており、図11は外乱トルクT d を印加、除去した
ときのみを示している。両データとも外乱トルクTd
加時に約150rpmの回転速度低下、外乱トルクTd
除去時に約150rpmの回転速度増加が読み取られ
る。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】従来例に示されるよう
に、外乱トルクオブザーバ2により求めた、外乱トルク
d の推定値Td 0 により電流指令値Iref 補償した制
御系は、特性の優れたものであるが、次のような課題が
ある。即ち、数2、数3の外乱トルクTd からモータ速
度ωM までの伝達関数ωM (s)を比較すると解るよう
に、電流指令値I ref を補償すると、外乱トルクTd
影響は補償しない場合の(Ls+R)/(Ls+R+K
A )倍となり、電流増幅器10のゲインKA の値を大き
くすれば外乱トルクTd の影響は限りなく小さくするこ
とができる。
【0032】しかしながら、ゲインKA を大きくすれば
制御系が不安定になることは理論的に明らかであって、
現実にも飽和等の問題があってゲインのおおきさには限
界があり、従って、外乱トルクTd の影響の抑圧にも限
界がある。
【0033】本発明は上記課題に鑑みて、電流増幅器の
ゲイン値によらず、モータ速度への外乱の影響を回避で
きる電流補償手段を備えたモータ速度制御方法及びモー
タ速度制御装置を提供することを目的とする。
【0034】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
モータ速度を制御する速度制御ループに対し、モータ電
機子電流を制御する電流制御ループをマイナーループと
してとして持つモータの制御装置を用いたモータの速度
制御方法において、モータの電機子電流検出値と、モー
タトルク定数の公称値とを乗じて得られたモータトルク
の推定値から、モータの回転子の慣性モーメントの積分
特性の逆モデルを模擬してなる微分器によりモータ速度
検出値を微分して得られた、モータトルクの推定値を減
じて、外乱トルクの推定値を求め、電流ループの逆モデ
ルを模擬してなる比例微分器と、モータトルク定数の公
称値の逆数のゲインを持つ増幅器とにより、前記外乱ト
ルクの推定値に所定の演算を施した値を電流指令信号の
補償値とすることを特徴とするものである。
【0035】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明の発明における前記電流ループの逆モデルを模擬して
なる比例微分器を、低域通過フィルタと増幅器と加算器
とにより比例微分機能を有するように構成し、この比例
微分機能とモータトルク定数の公称値の逆数のゲインを
持つ増幅器とにより、前記外乱トルクの推定値に所定の
演算を施した値を電流指令信号の補償値とすることを特
徴とするものである。
【0036】請求項3記載の発明は、モータ速度を制御
する速度制御ループに対し、モータ電機子電流を制御す
る電流制御ループをマイナーループとして持つ制御装置
を備えたモータの速度制御装置において、前記制御装置
は、外乱トルクの推定手段と、前記マイナーループの逆
モデルを模擬してなる比例微分器とからなる電流指令値
の補償手段を有することを特徴とするものである。
【0037】請求項1記載の発明の作用は以下の通りで
ある。即ち、モータの電機子電流検出値と、モータのト
ルク定数の公称値とを乗じて得たモータトルクの推定値
から、モータ回転子の慣性モーメントの積分特性の逆モ
デルを模擬してなる微分器によりモータの速度検出値を
微分して得たモータトルクの推定値を減じ、減じて求め
た外乱トルクの推定値を、電流ループの逆モデルを模擬
してなる比例微分器により比例微分して電流補償値を求
め、この電流補償値により電流指令値を補償することに
より、外乱トルクのモータ速度への影響を抑圧するもの
である。
【0038】請求項2の作用は以下の通りである。即
ち、モータの電機子電流検出値と、モータのトルク定数
の公称値とを乗じて得たモータトルクの推定値から、モ
ータ回転子の慣性モーメントの積分特性の逆モデルを模
擬してなる微分器によりモータの速度検出値を微分して
得たモータトルクの推定値を減じ、減じて求めた外乱ト
ルクの推定値を、低域通過フィルタと、加算器により構
成した電流ループの逆モデルを模擬してなる比例微分器
により比例微分して電流補償値を求め、この電流補償値
により電流指令値を補償することにより、外乱トルクの
モータ速度への影響を抑圧するものである。
【0039】請求項3の作用は以下の通りである。即
ち、制御装置は外乱トルクの推定手段と、前記マイナー
ループの逆モデルを模擬してなる比例微分器とからなる
電流指令値の補償手段を備えているので、この補償手段
により、電流指令値を補償することにより、外乱トルク
のモータ速度への影響を抑圧することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を詳細
に説明する。
【0041】[実施の形態1] (構成)図1は本発明の実施の形態1のモータ1の速度
制御装置のブロック図を示すものである。図1におい
て、比例微分器4以外の各制御要素は、図7に示す従来
例と同一の構成であるため同一の符号を付して示しい
る。
【0042】図1に示す実施の形態1のモータ1の速度
制御装置は、図7に示す従来例の構成に加えて、前記増
幅器3と加算器8との間のマイナーループに、比例微分
器4を付加したことが特徴である。
【0043】実施の形態1のモータ1の速度制御装置に
おいて、検出されたモータ1の電気子電流IM はトルク
定数KT の公称値KTnのゲインを持つ増幅器21に入力
される。また、検出されたモータ速度ωM は、回転子1
4の慣性モーメントJMnの積分特性の逆モデルを模擬し
てなる微分器23に入力される。そして、増幅器21の
出力と、微分器23の出力とは、加算器22に入力され
加算される。
【0044】前記加算器22の出力である推定値Td 0
は、トルク定数KT の公称値KTnの逆数1/KTnのゲイ
ンを持つ増幅器3に入力される。増幅器3の出力は、電
流ループの逆モデルを模擬してなる比例微分器4に入力
され、その出力は電流補償値ΔIc として前記加算器8
に入力される。加算器8のもう一方の入力としては比例
積分器5からの出力が入力され、さらに、加算器8の出
力は加算器9へ送られる。
【0045】(作用)実施の形態1のモータ1の速度制
御装置によれば、モータ1の電機子電流IMと、トルク
定数KT の公称値KTnとを乗じて得たモータトルクの推
定値と、回転子14の慣性モーメントJM の積分特性の
逆モデルを模擬してなる微分器23により、モータ速度
ωM を微分して得たモータトルクの推定値とを用いて演
算し、外乱トルクTd の推定値Td 0 を求めることは、
従来例と同じでありその値は前記数1で求めた値と同様
となる。
【0046】推定された外乱トルクTd の推定値Td 0
は、トルク定数KT の公称値KTnの逆数値のゲイン1/
Tnを持つ増幅器3により増幅することにより、増幅器
3の出力は、Td 0 /KTn=(KTn・IM −JMn・ωM
・s)/KTnとなり、電流ループの逆モデルを模擬して
なる比例微分器4に入力される。
【0047】そして、比例微分器4の出力である電流補
償値ΔIc は下記数5となる。但し、電気子部1のイン
ダクタンスLの公称値をLn 、電気子抵抗Rの公称値を
Rnとする。
【0048】
【数5】
【0049】前記電流補償値ΔIc は加算器8に入力さ
れ、電流指令値Iref と加算され新たな電流指令値Ic
として加算器9に入力される。
【0050】前記数5で表される電流補償値ΔIc を考
慮し、図1の構成に基づいて求めた電流指令値Iref
び外乱トルクTd からモータ速度ωM までの伝達関数ω
M (s)は下記数6となる。
【0051】
【数6】
【0052】前記トルク定数KT とその公称値KTn、前
記慣性モーメントJM とその公称値JMnとを各々略等し
く設定すれば、数6におけるδは略1となり、また、L
−Ln 及びR−Rn も各々略0となり、電流指令値I
ref からモータ速度ωM までの伝達関数ωM (s)は下
記数7となる。
【0053】
【数7】
【0054】数7は、前記数3において、δを略1とし
た場合の第1項と等価であり、外乱トルクTd からモー
タ速度ωM までの伝達関数である数3の第2項に相当す
る項は消えることになる。
【0055】(効果)本実施の形態1によれば、推定し
求めた外乱トルクTd の推定値Td 0 を、電流ループの
逆モデルを模擬してなる比例微分器4と、トルク定数の
公称値KTnの逆数1/KTnのゲインを持つ増幅器3によ
り、比例微分して求めた値を、電流補償値ΔIc として
電流指令値Iref に加え、新たな電流指令値Ic とする
ことにより、数7に示すように、電流指令値Iref に対
するモータ1の応答特性を高くするための電流増幅器1
0のゲインを飽和等の問題のない最適値にすることがで
き、また外乱からモータ速度への影響を殆ど抑圧するこ
とができ、特性の優れたモータ1の速度制御装置を提供
できる。
【0056】[実施の形態2] (構成)図2は実施の形態2の速度制御装置のブロック
図を示す。比例微分器42以外の各制御要素は図8に示
す従来例と同一の構成である。
【0057】実施の形態2において、検出された電機子
電流IM はトルク定数の公称値KTnのゲインを持つ増幅
器21に入力される。モータ1のモータ速度ωM は、モ
ータ回転子の慣性モーメントJMnと低域通過フィルタ2
6の遮断周波数ωF1との積をゲインに持つ増幅器25に
入力される。そして、増幅器21の出力と増幅器25の
出力とは、加算器24に入力され、加算器24の出力は
遮断周波数ωF1の低域通過フィルタ26に入力される。
【0058】さらに、低域通過フィルタ26の出力と増
幅器25の出力とは加算器27により加算され、この加
算器27の出力である推定値Td 0 は、トルク定数の公
称値KTnの逆数1/KTnのゲインを持つ増幅器3に入力
される。この増幅器3の出力は、電流ループの逆モデル
を模擬してなる比例微分器42に入力され、その出力は
電流補償値ΔIc として加算器8に入力される。
【0059】比例微分器42では、モータ1の電機子イ
ンダクタンスの公称値Ln と低域通過フィルタ31の遮
断周波数ωF2の積を電流増幅器10のゲインKA で除し
た値ωF2・Ln /KA をゲインに持つ増幅器28と、電
流増幅器10のゲインKA とモータ1の電機子抵抗の公
称値Rn との和を電流増幅器10のゲインKA で除した
値をゲインに持つ増幅器29に、前記増幅器3の出力が
入力される。
【0060】前記増幅器28の出力と増幅器29の出力
とは加算器30に入力され、加算器30の出力は遮断周
波数ωF2の低域通過フィルタ31に入力される。
【0061】さらに、低域通過フィルタ31の出力と増
幅器28の出力とは加算器32に入力され、この加算器
32の出力、即ち、比例微分器42の出力は電流補償値
ΔI c として前記加算器8に入力される。また、加算器
8のもう一方の入力には比例積分器5からの電流指令値
ref が入力され、加算器8の出力は加算器9な送られ
る。
【0062】(作用)本実施の形態2において、モータ
1の電機子電流IM と、モータ1のトルク定数KT の公
称値KTnとを乗じて得たモータトルクの推定値と、モー
タ1のモータ速度ωM と、モータ回転子の慣性モーメン
トの公称値JMnと低域通過フィルタ26の遮断周波数ω
F1とを乗じて得た値とを加算する。
【0063】そして、この加算して得た値に遮断周波数
ωF1の低域通過フィルタ26を作用させたて得た値か
ら、検出したモータ速度ωM とモータ回転子の慣性モー
メントの公称値JMnと低域通過フィルタ26の遮断周波
数ωF1とを乗じて得た値を減算して、外乱トルクTd
推定値Td 0 を求めることは、図8に示す従来例と同じ
でありこの場合の演算は前記数4となる。
【0064】推定された外乱トルクTd の推定値Td 0
は、トルク定数の公称値KTnの逆数1/KTnのゲインを
持つ増幅器3により増幅することにより、この増幅器3
の出力は、Td 0 /KTn=ωF1(KTn・IM −JMn・ω
M ・s)/KTn(s+ωF1)となり、電流ループの逆モ
デルを模擬してなる比例微分器42に入力される。
【0065】次に、図2を参照して比例微分器42の伝
達関数を計算すると、ωF2/(s+ωF1)・(Ln s+
KA +Rn)/KA となり、これは電流ループの逆モデル
を模擬してなる図1に示す比例微分器4と遮断周波数ω
F1の低域通過フィルタ26の各伝達関数の積になってい
る。従って、前記比例微分器42の出力である電流補償
値ΔIc は下記数8で求めることができるただし、電機
子インダクタンスの公称値をLn 、電機子抵抗の公称値
をRn とする。
【0066】
【数8】
【0067】前記電流補償値ΔIc は、加算器8に入力
され、電流指令値Iref と加算され新たな電流指令値I
c として加算器9に送られる。
【0068】前記低域通過フィルタ26の遮断周波数ω
F1と、低域通過フィルタ31の遮断周波数ωF2とを制御
対象の固有周波数よりも充分大きく設定すれば、外乱ト
ルクTd の推定、及び電流補償値ΔIc の演算の遅れは
非常に小さくなり、事実上その遅れを無視しても差し支
えなく、電流補償値ΔIc として数5を採用しても合理
性を失わない。
【0069】また、遮断周波数ωF1、ωF2は、制御対象
の固有周波数よりも充分大きいという条件を満足すれば
同一でも異なっていてもよい。電流補償値ΔIc を数5
とすれば、電流指令値Iref 及び外乱トルクTd からモ
ータ速度ωM までの伝達関数は数7となり、数3の第1
項と等しいと考えて良く、数3においてΔを略1とした
場合の第1項と等価とであり、外乱トルクTd からモー
タ速度ωM までの伝達関数である数3の第2項に相当す
る項は消えることは実施の形態1の場合と同様である。
【0070】図3に実際にシミュレーションを行った時
の、速度制御系のモータ1の諸定数を代入したブロック
線図を示す。諸定数は従来例と同じくそれぞれ、L=
5.7mH、R=18Ω、KT =0.183Nm/A、
E =0.183Vs/rad、JM =3.06×10
-5kgm2 、ωF1=1×104 rad/s、KA =3
2、KF =60、KP =3、KV =1.72×10-2と
し、また、ωF2=1×104 rad/sとした。
【0071】図4は前記ブロック図に基づいて行ったシ
ミュレーションの結果を示すものであり、モータ1の回
転速度をrpm、モータ電流値をアンペア(A)で併せ
て示してある。モータ1の起動後0.2秒で0.3Nm
の大きさの外乱トルクTd をモータ軸に与え、起動後
0.5秒で外乱トルクTd を取り去った場合のシミュレ
ーションである。
【0072】図5は前記定数で表されるモータ1を2台
連結し、一台を被制御モータ、他方を負荷用のモータと
して実験したときの被制御モータの実測値である。モー
タ1の回転速度をrpm、モータ電流値をアンペア
(A)で併せて示してあることは図4の場合と同様であ
る。但し、モータ1は1000rpmで定常回転してお
り、図5は外乱トルクTd を印加、除去したときのみを
示している。
【0073】図6、図7から明らかなように、シミュレ
ーション結果と実測値とはよく一致しており、また数7
が示すとおり外乱トルクTd からモータ1の回転出力へ
の影響は極小に抑圧されている。
【0074】尚、本実施の形態2では、前記比例微分器
42を図6に示す回路例に示すように合計4個の演算増
幅器51乃至55を用いて構成することができる。ま
た、回転速度や電気子電流等の値をアナログ/ディジタ
ル変換した後、ディジタルシグナルプロセッサを用いた
数値演算により前記比例微分器42と同様な比例微分機
能を実現するようにすることもできる。
【0075】また、推定して求めた外乱トルクTd の推
定値Td0を、遮断周波数ωF1の低域通過フィルタ26の
伝達関数との積を伝達関数として持つ比例微分器42
と、トルク定数KT の公称値KTnの逆数1/KTnのゲイ
ンを持つ増幅器3とにより、比例微分して求めた値を電
流補償値ΔIc として電流指令値Iref に加え、新たな
電流指令値Ic とすることにより、数7に示すように、
電流指令値Iref に対するモータ1の応答特性を高くす
るための電流増幅器10のゲインKA を飽和等の問題の
ない最適値にすることができ、また外乱トルクTd から
モータ速度ωF1への影響を全て抑圧することができる。
【0076】このことは、コンピュータによるシミュレ
ーション、及び実験で確認されたとおりである。また、
前記比例微分器42を低域通過フィルタ31と増幅器2
8、29と加算器32とにより構成したので、ノイズの
影響の少ない特性の優れた速度制御装置を提供できる。
【0077】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、電流ルー
プの特性を補償し、外乱トルクオブザーバの特性を向上
させ、応答性が良く、外乱抑圧能力が高く、実用性の高
い高性能なモータの速度制御方法及び速度制御装置を提
供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の構成を示すブロック線
図である。
【図2】本発明の実施の形態2のブロック線図である。
【図3】実施の形態2に基づきシミュレーションを行っ
た速度制御系のブロック線図である。
【図4】図3の構成に基づきシミュレーションを行った
場合の速度制御系のシミュレーション結果を示す図であ
る。
【図5】実施の形態2に基づき、同一のモータを2台連
結し、一方を負荷として実験を行った速度制御系の実験
結果を示す図である。
【図6】実施の形態2の比例微分器の一例を示す回路構
成図である。
【図7】従来例のブロック線図である。
【図8】従来例のブロック線図である。
【図9】従来例に基づきシミュレーションを行った速度
制御系のブロック線図である。
【図10】図9の構成に基づきシミュレーションを行っ
た速度制御系のシミュレーション結果を示す図である。
【図11】従来例に基づき、同一のモータを2台連結
し、一方を負荷として実験を行った速度制御系の実験結
果を示す図である。
【符号の説明】
1 モータ 2 外乱トルクオブザーバ 3 増幅器 4 比例微分器 5 比例積分器 6 速度帰還増幅器 7 加算器 8 加算器 9 加算器 10 電流増幅器 11 トルク定数部 12 逆起電力定数部 14 回転子 21 増幅器 22 加算器 23 微分器 24 加算器 25 増幅器 26 低域通過フィルタ 27 加算器 28 増幅器 29 増幅器 30 加算器 31 低域通過フィルタ 41 外乱トルクオブザーバ 42 比例微分器
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年4月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、モータに加わる
外乱トルクを推定し、この推定値に基づきモータへの指
令値を補償するモータの速度制御方法及びモータ速度制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】工作機械や、ロボットシステムの高精度
な位置決め制御や力制御を実現するために、重力、慣性
力、摩擦力等の外力の影響を考慮し、サーボ系のロバス
トネスを向上させる方法として、外乱オブザーバを使用
した加速度制御系が提案されている「ロバスト高速サー
ボ制御技術」トリケップス社(平成3年9月27日):
154頁乃至163頁:「モーションコントロール」コ
ロナ社(1993年3月25日)57頁乃至59頁。
【0003】図7に示すブロック線図を用いて従来例を
説明する。図示しない制御装置より出力された速度指令
値ωref は、加算器7によリモータ速度帰還出力ωfb
加算された後、比例積分器5に入力される。比例積分器
5は、比例ゲインKp と、積分ゲインKI とを持ってい
る。
【0004】比例積分器5の出力は、モータ1に対する
電流指令値ref であり、加算器8で電流補償値ΔIc
と加算され、新たな電流指令値Ic となる。
【0005】電流指令値Ic は加算器9により、モータ
1の電機子電流検出値の符号を反転した値と加算された
後、低速増幅器10に入力され、所定の電力に増幅さ
れ、増幅器10の出力でモータ1を駆動する。
【0006】モータ1は、電機子部13の電機子インダ
クタンスL、電機子抵抗値R、トルク定数部11のトル
ク定数KT 、逆起電力定数部12の逆起電力定数KE
回転子14の慣性モーメントJM として図7のブロック
線図に示している。尚、モータ1の粘性定数は小さいも
のとして省略してある。
【0007】前記モータ1からは、検出出力として電機
子電流IM 、モータ速度ωM が出力され、また入力とし
て外乱トルクTd が存在する。モータ1のモータ速度ω
M は、速度帰還増幅器6で所定の値に増幅され加算器7
により速度指令値ωref から減算される。
【0008】図7に示す外乱トルクオブザーバ2では、
検出された電機子電流IM をトルク定数KT の公称値K
Tn(添字のnは公称値nomina1を表す、以下同
じ)に乗じて得たモータ1の発生トルクの推定値と、検
出されたモータ速度ωM をモータ回転子14の慣性モー
メントJM の積分特性の逆モデルを模擬してなる微分器
23により、モータ速度ωM を微分して得られたモータ
1の発生トルクの推定値とを加算器22に入力し、二つ
のトルクの推定値の差を外乱トルクTd の推定値d0
して下記数1の式で求める。微分器23ではモータ1の
回転子14の慣性モーメントJM の公称値JMnとする。
尚、数1において、sはラプラス演算子である。
【0009】
【数1】
【0010】そして、求めた外乱トルクTd の推定値
d0 を打ち消すように、この外乱トルクTd の推定値d0
に、増幅器3によりトルク定数KT の公称値KTnの逆数
1/KTnを乗じ、増幅器3の出力である電流補償値ΔI
c を加算器8により電流指令値Iref と加算することに
より、電流指令値Iref を補償し、補償された新たな電
流指令値Ic として出力する。
【0011】外乱トルクオブザーバ2と増幅器3とによ
り求めた電流補償値ΔIc により、電流指令値Iref
補償しない場合の電流指令値Iref 、及び外乱トルクT
d からモータ1のモータ速度ωM までの伝達関数ω
M (s)は、下記数2となる。
【0012】
【数2】
【0013】電流補償値ΔIc により補償した場合の電
流指令値Iref 及び外乱トルクTdからモータ1のモー
タ速度ωM までの伝達関数ωM (s)は、下記数3とな
る。
【0014】
【数3】
【0015】電流補償値ΔIc により電流指令値Iref
を補償しない場合の電流指令値Ire f からモータ速度ω
M までの伝達関数は、数2の第1項である。
【0016】また、電流補償値ΔIc により電流指令値
ref を補償した場合の電流指令値Iref からモータ速
度ωM までの伝達関数は、数3の第1項である。
【0017】数2、数3において、前記トルク定数KT
とその公称値KTn、前記慣性モーメントJM とその公称
値JMnとを各々略等しく設定すれば、数3におけるδは
略1となり、数2と数3の分母も略等しくなり、電流指
令値Iref からモータ速度ω M までの伝達関数ω
M (s)も略等しい考えてよい。
【0018】同様に、電流補償値ΔIc により電流指令
値Iref を補償しない場合の外乱トルクTd からモータ
1の速度出力ωM までの伝達関数は、数2第2項であ
り、補償した場合の外乱トルクTd からモータ1のモー
タ速度ωM までの伝達関数は数3第2項であり、分母は
略等しいと考えてよい。
【0019】電流補償値ΔIc により補償しない場合に
は、制御系の安定性を高くするために導入した電流増幅
器10のゲインA が数2第2項の分子にあるので、外
乱トルクTd の影響がA 倍されてモータ速度ωM に現
れている。
【0020】一方、電流補償値ΔIc により補償した場
合の外乱トルクTd からモータ1のモータ速度ωM まで
の伝達関数である数3第2項の分子には、電流増幅器1
0のゲインA が現れないので、外乱トルクTd のモー
タ速度ωM に与える影響が小さくなっている。
【0021】従って、外乱トルクオブザーバ2により求
めた電流補償値ΔIc により電流指令値Iref を補償す
ることにより、電流制御で制御系の安定性を高くするこ
とと、同時に外乱トルクTd がモータ速度ωM に与える
影響を小さくすることとの2つの効果を得ることができ
る。
【0022】しかし、モータ1のモータ速度ωM を純粋
に微分すると、高域においてノイズが大きくなるので、
現実には、図8に示すように積分動作を持つ低域通過フ
ィルタ26を使用して微分機能を持たせ、外乱トルクT
d を推定し推定値d0 を求める。
【0023】外乱トルクTd の推定値d0 を求める方法
を図8をも参照して説明する。検出されたモータ1の電
機子電流IM を、トルク定数KT の公称値KTnのゲイン
を持つ増幅器21に入力し、KTn倍して得た値と、検出
されたモータ速度ωM とを、回転子14の慣性モーメン
トJM の公称値JMnと、低域通過フィルタ26の遮断周
波数ωF1 とを乗じて得た値のゲインを持つ増幅器25に
入力して、ωF1 ・JMn倍して得た値を加算器24により
加算し、加算器24の出力を、遮断周波数ωF1 を持つ低
域通過フィルタ26に入力し、低域通過フィルタ26の
出力と、増幅器25の出力との差を加算器27で演算
し、その出力を外乱トルクTd の推定値 d0 として推定
する。推定した推定値d0 は、数4で表すことができ
る。
【0024】
【数4】
【0025】数4に示すように、積分動作を持つ低域通
過フィルタ26で構成した外乱トルクオブザーバ2は、
微分器23を用いて求めた外乱トルクTd である数1に
示す推定値Td0を低域通過フィルタ26を通したものと
等価となる。
【0026】この外乱トルクTd の推定値d0 を、トル
ク定数KT の公称値KTnの逆数1/KTnをゲインに持つ
増幅器3により1/KTn倍し電流補償値ΔIc を算出す
る。そして、電流補償値ΔIc を加算器8により電流指
令値Iref と加算することにより、電流指令値Iref
補償し、補償された新たな電流指令値Ic として出力す
る。低域通過フィルタ26の遮断周波数ωF1 は制御対象
の固有周波数よりも大きく、また、ノイズの影響を受け
ないように、できるだけ大きく設定すれば、外乱トルク
d の推定値d0 の遅れは非常に小さくなり、事実上遅
れを無視しても差し支えなく、かつ微分器を使用しない
のでノイズの影響を受けない外乱トルクオブザーバ2を
構成できる。
【0027】図9に実際にシミュレーションを行った時
の、速度制御系のモータ1等の諸定数を代入したブロッ
ク線図を示す。図9に示すブロック線図において、定数
はそれぞれ、L=5.7mH、R=18Ω、KT =0.
183Nm/A、KE =0.183Vs/rad、JM
=3.06×10-5kgm2 ωF1=1×104 rad
/s、A =32、KI =60、KP =3、KV =1.
72×10-2 とした。
【0028】図10は前記ブロック図に基づいて行った
シミュレーションの結果であり、横軸に各々時間(se
c)、縦軸にモータ1の回転速度(rpm)及びモータ
電流値をアンペア(A)で併せて示してある。モータ起
動後0.2秒で0.3Nmの大きさの外乱トルクTd
モータ軸に与え、モータ起動後0.5秒に外乱トルクT
d を取り去った場合のシミュレーションである。
【0029】図11は前記定数で表されるモータ1を2
台連結し、一台を被制御モータ、他方を負荷用モータと
して実験したときの被制御モータの実測値である。モー
タ1の回転速度をrpmで、モータ電流値をアンペア
(A)で併せて示してあることは図10に示すシミュレ
ーションの場合と同じである。
【0030】但し、モータ1は1000rpmで定常回
転しており、図11は外乱トルクT d を印加、除去した
ときのみを示している。両データとも外乱トルクTd
加時に約150rpmの回転速度低下、外乱トルクTd
除去時に約150rpmの回転速度増加が読み取られ
る。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】従来例に示されるよう
に、外乱トルクオブザーバ2により求めた、外乱トルク
d の推定値d0 により電流指令値ref を補償した制
御系は、特性の優れたものであるが、次のような課題が
ある。即ち、数2、数3の外乱トルクTd からモータ速
度ωM までの伝達関数ωM (s)を比較すると解るよう
に、電流指令値I ref を補償すると、外乱トルクTd
影響は補償しない場合の(Ls+R)/(Ls+R+K
A )倍となり、電流増幅器10のゲインKA の値を大き
くすれば外乱トルクTd の影響は限りなく小さくするこ
とができる。
【0032】しかしながら、ゲインKA を大きくすれば
制御系が不安定になることは理論的に明らかであって、
現実にも飽和等の問題があってゲインのおおきさには限
界があり、従って、外乱トルクTd の影響の抑圧にも限
界がある。
【0033】本発明は上記課題に鑑みて、電流増幅器の
ゲイン値によらず、モータ速度への外乱の影響を回避で
きる電流補償手段を備えたモータ速度制御方法及びモー
タ速度制御装置を提供することを目的とする。
【0034】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
モータ速度を制御する速度制御ループに対し、モータ電
機子電流を制御する電流制御ループをマイナーループ
して持つモータの制御装置を用いたモータの速度制御方
法において、モータの電機子電流検出値と、モータトル
ク定数の公称値とを乗じて得られたモータトルクの推定
値から、モータの回転子の慣性モーメントの積分特性の
逆モデルを模擬してなる微分器によりモータ速度検出値
を微分して得られた、モータトルクの推定値を減じて、
外乱トルクの推定値を求め、電流ループの逆モデルを模
擬してなる比例微分器と、モータトルク定数の公称値の
逆数のゲインを持つ増幅器とにより、前記外乱トルクの
推定値に所定の演算を施した値を電流指令信号の補償値
とすることを特徴とするものである。
【0035】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明の発明における前記電流ループの逆モデルを模擬して
なる比例微分器を、低域通過フィルタと増幅器と加算器
とにより比例微分機能を有するように構成し、この比例
微分機能とモータトルク定数の公称値の逆数のゲインを
持つ増幅器とにより、前記外乱トルクの推定値に所定の
演算を施した値を電流指令信号の補償値とすることを特
徴とするものである。
【0036】請求項3記載の発明は、モータ速度を制御
する速度制御ループに対し、モータ電機子電流を制御す
る電流制御ループをマイナーループとして持つ制御装置
を備えたモータの速度制御装置において、前記制御装置
は、外乱トルクの推定手段と、前記マイナーループの逆
モデルを模擬してなる比例微分器とからなる電流指令値
の補償手段を有することを特徴とするものである。
【0037】請求項1記載の発明の作用は以下の通りで
ある。即ち、モータの電機子電流検出値と、モータのト
ルク定数の公称値とを乗じて得たモータトルクの推定値
から、モータ回転子の慣性モーメントの積分特性の逆モ
デルを模擬してなる微分器によりモータの速度検出値を
微分して得たモータトルクの推定値を減じ、減じて求め
た外乱トルクの推定値を、電流ループの逆モデルを模擬
してなる比例微分器により比例微分して電流補償値を求
め、この電流補償値により電流指令値を補償することに
より、外乱トルクのモータ速度への影響を抑圧するもの
である。
【0038】請求項2の作用は以下の通りである。即
ち、モータの電機子電流検出値と、モータのトルク定数
の公称値とを乗じて得たモータトルクの推定値から、モ
ータ回転子の慣性モーメントの積分特性の逆モデルを模
擬してなる微分器によりモータの速度検出値を微分して
得たモータトルクの推定値を減じ、減じて求めた外乱ト
ルクの推定値を、低域通過フィルタと、加算器により構
成した電流ループの逆モデルを模擬してなる比例微分器
により比例微分して電流補償値を求め、この電流補償値
により電流指令値を補償することにより、外乱トルクの
モータ速度への影響を抑圧するものである。
【0039】請求項3の作用は以下の通りである。即
ち、制御装置は外乱トルクの推定手段と、前記マイナー
ループの逆モデルを模擬してなる比例微分器とからなる
電流指令値の補償手段を備えているので、この補償手段
により、電流指令値を補償することにより、外乱トルク
のモータ速度への影響を抑圧することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を詳細
に説明する。
【0041】[実施の形態1] (構成)図1は本発明の実施の形態1のモータ1の速度
制御装置のブロック図を示すものである。図1におい
て、比例微分器4以外の各制御要素は、図7に示す従来
例と同一の構成であるため同一の符号を付して示してい
る。
【0042】図1に示す実施の形態1のモータ1の速度
制御装置は、図7に示す従来例の構成に加えて、前記増
幅器3と加算器8との間のマイナーループに、比例微分
器4を付加したことが特徴である。
【0043】実施の形態1のモータ1の速度制御装置に
おいて、検出されたモータ1の電気子電流IM はトルク
定数KT の公称値KTnのゲインを持つ増幅器21に入力
される。また、検出されたモータ速度ωM は、回転子1
4の慣性モーメントJMnの積分特性の逆モデルを模擬し
てなる微分器23に入力される。そして、増幅器21の
出力と、微分器23の出力とは、加算器22に入力され
加算される。
【0044】前記加算器22の出力である推定値
d0 は、トルク定数KT の公称値KTnの逆数1/KTnのゲ
インを持つ増幅器3に入力される。増幅器3の出力は、
電流ループの逆モデルを模擬してなる比例微分器4に入
力され、その出力は電流補償値ΔIc として前記加算器
8に入力される。加算器8のもう一方の入力としては比
例積分器5からの出力が入力され、さらに、加算器8の
出力は加算器9へ送られる。
【0045】(作用)実施の形態1のモータ1の速度制
御装置によれば、モータ1の電機子電流IMと、トルク
定数KT の公称値KTnとを乗じて得たモータトルクの推
定値と、回転子14の慣性モーメントJM の積分特性の
逆モデルを模擬してなる微分器23により、モータ速度
ωM を微分して得たモータトルクの推定値とを用いて演
算し、外乱トルクTd の推定値d0 を求めることは、従
来例と同じでありその値は前記数1で求めた値と同様と
なる。
【0046】推定された外乱トルクTd の推定値
d0 は、トルク定数KT の公称値KTnの逆数値のゲイン1
/KTnを持つ増幅器3により増幅することにより、増幅
器3の出力は、d0/KTn =(KTn・IM −JMn・ωM
・s)/KTnとなり、電流ループの逆モデルを模擬して
なる比例微分器4に入力される。
【0047】そして、比例微分器4の出力である電流補
償値ΔIc は下記数5となる。但し、モータ1の電機子
インダクタンスLの公称値をLn 、電機子抵抗Rの公称
値をRn とする。
【0048】
【数5】
【0049】前記電流補償値ΔIc は加算器8に入力さ
れ、電流指令値Iref と加算され新たな電流指令値Ic
として加算器9に入力される。
【0050】前記数5で表される電流補償値ΔIc を考
慮し、図1の構成に基づいて求めた電流指令値Iref
び外乱トルクTd からモータ速度ωM までの伝達関数ω
M (s)は下記数6となる。
【0051】
【数6】
【0052】前記トルク定数KT とその公称値KTn、前
記慣性モーメントJM とその公称値JMnとを各々略等し
く設定すれば、数6におけるδは略1となり、また、
−L n 及びR−Rn も各々略0となり、電流指令値I
ref からモータ速度ωM までの伝達関数ωM (s)は下
記数7となる。
【0053】
【数7】
【0054】数7は、前記数3において、δを略1とし
た場合の第1項と等価であり、外乱トルクTd からモー
タ速度ωM までの伝達関数である数3の第2項に相当す
る項は消えることになる。
【0055】(効果)本実施の形態1によれば、推定し
求めた外乱トルクTd の推定値d0 を、電流ループの逆
モデルを模擬してなる比例微分器4と、トルク定数の公
称値KTnの逆数1/KTnのゲインを持つ増幅器3によ
り、比例微分して求めた値を、電流補償値ΔIc として
電流指令値Iref に加え、新たな電流指令値Ic とする
ことにより、数7に示すように、電流指令値Iref に対
するモータ1の応答特性を高くするための電流増幅器1
0のゲインを飽和等の問題のない最適値にすることがで
き、また外乱からモータ速度への影響を殆ど抑圧するこ
とができ、特性の優れたモータ1の速度制御装置を提供
できる。
【0056】[実施の形態2] (構成)図2は実施の形態2の速度制御装置のブロック
図を示す。比例微分器42以外の各制御要素は図8に示
す従来例と同一の構成である。
【0057】実施の形態2において、検出された電機子
電流IM はトルク定数の公称値KTnのゲインを持つ増幅
器21に入力される。モータ1のモータ速度ωM は、モ
ータ回転子の慣性モーメントJMnと低域通過フィルタ2
6の遮断周波数ωF1 との積をゲインに持つ増幅器25に
入力される。そして、増幅器21の出力と増幅器25の
出力とは、加算器24に入力され、加算器24の出力は
遮断周波数ωF1 の低域通過フィルタ26に入力される。
【0058】さらに、低域通過フィルタ26の出力と増
幅器25の出力とは加算器27により加算され、この加
算器27の出力である推定値d0 は、トルク定数の公称
値K Tnの逆数1/KTnのゲインを持つ増幅器3に入力さ
れる。この増幅器3の出力は、電流ループの逆モデルを
模擬してなる比例微分器42に入力され、その出力は電
流補償値ΔIc として加算器8に入力される。
【0059】比例微分器42では、モータ1の電機子イ
ンダクタンスの公称値Ln と低域通過フィルタ31の遮
断周波数ωF2 の積を電流増幅器10のゲインA で除し
た値ωF2・Ln /KA をゲインに持つ増幅器28と、電
流増幅器10のゲインA とモータ1の電機子抵抗の公
称値n との和を電流増幅器10のゲインA で除した
値をゲインに持つ増幅器29に、前記増幅器3の出力が
入力される。
【0060】前記増幅器28の出力と増幅器29の出力
とは加算器30に入力され、加算器30の出力は遮断周
波数ωF2 の低域通過フィルタ31に入力される。
【0061】さらに、低域通過フィルタ31の出力と増
幅器28の出力とは加算器32に入力され、この加算器
32の出力、即ち、比例微分器42の出力は電流補償値
ΔI c として前記加算器8に入力される。また、加算器
8のもう一方の入力には比例積分器5からの電流指令値
ref が入力され、加算器8の出力は加算器9に送られ
る。
【0062】(作用)本実施の形態2において、モータ
1の電機子電流IM と、モータ1のトルク定数KT の公
称値KTnとを乗じて得たモータトルクの推定値と、モー
タ1のモータ速度ωM と、モータ回転子の慣性モーメン
トの公称値JMnと低域通過フィルタ26の遮断周波数ω
F1 とを乗じて得た値とを加算する。
【0063】そして、この加算して得た値に遮断周波数
ωF1 の低域通過フィルタ26を作用させて得た値から、
検出したモータ速度ωM とモータ回転子の慣性モーメン
トの公称値JMnと低域通過フィルタ26の遮断周波数ω
F1 とを乗じて得た値を減算して、外乱トルクTd の推定
d0 を求めることは、図8に示す従来例と同じであり
この場合の演算は前記数4となる。
【0064】推定された外乱トルクTd の推定値
d0 は、トルク定数の公称値KTnの逆数1/KTnのゲイン
を持つ増幅器3により増幅することにより、この増幅器
3の出力は、d0/KTn=ωF1(KTn・IM −JMn・ω
M ・s)/KTn(s+ωF1となり、電流ループの逆モ
デルを模擬してなる比例微分器42に入力される。
【0065】次に、図2を参照して比例微分器42の伝
達関数を計算すると、ωF2/(s+ωF2)・(Ln ・s
+KA +Rn )/KA となり、これは電流ループの逆モ
デルを模擬してなる図1に示す比例微分器4と遮断周波
ωF2 の低域通過フィルタ26の各伝達関数の積になっ
ている。従って、前記比例微分器42の出力である電流
補償値ΔIc 下記数8で求めることができる。ただ
し、電機子インダクタンスの公称値をn 、電機子抵抗
の公称値をn とする。
【0066】
【数8】
【0067】前記電流補償値ΔIc は、加算器8に入力
され、電流指令値Iref と加算され新たな電流指令値I
c として加算器9に送られる。
【0068】前記低域通過フィルタ26の遮断周波数ω
F1 と、低域通過フィルタ31の遮断周波数ωF2とを制御
対象の固有周波数よりも充分大きく設定すれば、外乱ト
ルクTd の推定、及び電流補償値ΔIc の演算の遅れは
非常に小さくなり、事実上その遅れを無視しても差し支
えなく、電流補償値ΔIc として数5を採用しても合理
性を失わない。
【0069】また、遮断周波数ωF1、ωF2 は、制御対象
の固有周波数よりも充分大きいという条件を満足すれば
同一でも異なっていてもよい。電流補償値ΔIc を数5
とすれば、電流指令値Iref 及び外乱トルクTd からモ
ータ速度ωM までの伝達関数は数7となり、数3の第1
項と等しいと考えて良く、数3においてδを略1とした
場合の第1項と等価とであり、外乱トルクTd からモー
タ速度ωM までの伝達関数である数3の第2項に相当す
る項は消えることは実施の形態1の場合と同様である。
【0070】図3に実際にシミュレーションを行った時
の、速度制御系のモータ1の諸定数を代入したブロック
線図を示す。諸定数は従来例と同じくそれぞれ、L=
5.7mH、R=18Ω、KT =0.183Nm/A、
E =0.183Vs/rad、M =3.06×10
-5kgm2 、ωF1=1×104 rad/s、KA =3
2、KI =60、KP =3、KV =1.72×10-2
し、またωF2=1×104rad/sとした。
【0071】図4は前記ブロック図に基づいて行ったシ
ミュレーションの結果を示すものであり、モータ1の回
転速度をrpm、モータ電流値をアンペア(A)で併せ
て示してある。モータ1の起動後0.2秒で0.3Nm
の大きさの外乱トルクTd をモータ軸に与え、起動後
0.5秒で外乱トルクTd を取り去った場合のシミュレ
ーションである。
【0072】図5は前記定数で表されるモータ1を2台
連結し、一台を被制御モータ、他方を負荷用のモータと
して実験したときの被制御モータの実測値である。モー
タ1の回転速度をrpm、モータ電流値をアンペア
(A)で併せて示してあることは図4の場合と同様であ
る。但し、モータ1は1000rpmで定常回転してお
り、図5は外乱トルクTd を印加、除去したときのみを
示している。
【0073】図4、図5から明らかなように、シミュレ
ーション結果と実測値とはよく一致しており、また数7
が示すとおり外乱トルクTd からモータ1の回転出力へ
の影響は極小に抑圧されている。
【0074】尚、本実施の形態2では、前記比例微分器
42を図6に示す回路例に示すように合計4個の演算増
幅器51乃至55を用いて構成することができる。ま
た、回転速度や電機子電流等の値をアナログ/ディジタ
ル変換した後、ディジタルシグナルプロセッサを用いた
数値演算により前記比例微分器42と同様な比例微分機
能を実現するようにすることもできる。
【0075】また、推定して求めた外乱トルクd の推
定値d0 を、遮断周波数ωF1 の低域通過フィルタ26の
伝達関数との積を伝達関数として持つ比例微分器42
と、トルク定数KT の公称値KTnの逆数1/KTnのゲイ
ンを持つ増幅器3とにより、比例微分して求めた値を電
流補償値ΔIc として電流指令値Iref に加え、新たな
電流指令値Ic とすることにより、数7に示すように、
電流指令値Iref に対するモータ1の応答特性を高くす
るための電流増幅器10のゲインA を飽和等の問題の
ない最適値にすることができ、また外乱トルクd から
モータ速度ωF1 への影響を全て抑圧することができる。
【0076】このことは、コンピュータによるシミュレ
ーション、及び実験で確認されたとおりである。また、
前記比例微分器42を低域通過フィルタ31と増幅器2
8、29と加算器32とにより構成したので、ノイズの
影響の少ない特性の優れた速度制御装置を提供できる。
【0077】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、電流ルー
プの特性を補償し、外乱トルクオブザーバの特性を向上
させ、応答性が良く、外乱抑圧能力が高く、実用性の高
い高性能なモータの速度制御方法及び速度制御装置を提
供できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータ速度を制御する速度制御ループに
    対し、モータ電機子電流を制御する電流制御ループをマ
    イナーループとしてとして持つモータの制御装置を用い
    たモータの速度制御方法において、 モータの電機子電流検出値と、モータトルク定数の公称
    値とを乗じて得られたモータトルクの推定値から、 モータの回転子の慣性モーメントの積分特性の逆モデル
    を模擬してなる微分器によりモータ速度検出値を微分し
    て得られた、モータトルクの推定値を減じて、外乱トル
    クの推定値を求め、 電流ループの逆モデルを模擬してなる比例微分器と、モ
    ータトルク定数の公称値の逆数のゲインを持つ増幅器と
    により、前記外乱トルクの推定値に所定の演算を施した
    値を電流指令信号の補償値とすること、 を特徴とするモータ速度制御方法。
  2. 【請求項2】 前記電流ループの逆モデルを模擬してな
    る比例微分器を、低域通過フィルタと増幅器と加算器と
    により比例微分機能を有するように構成し、この比例微
    分機能とモータトルク定数の公称値の逆数のゲインを持
    つ増幅器とにより、前記外乱トルクの推定値に所定の演
    算を施した値を電流指令信号の補償値とすることを特徴
    とする請求項1記載のモータ速度制御方法。
  3. 【請求項3】 モータ速度を制御する速度制御ループに
    対し、モータ電機子電流を制御する電流制御ループをマ
    イナーループとして持つ制御装置を備えたモータの速度
    制御装置において、 前記制御装置は、外乱トルクの推定手段と、前記マイナ
    ーループの逆モデルを模擬してなる比例微分器とからな
    る電流指令値の補償手段を有することを特徴とするモー
    タ速度制御装置。
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Cited By (4)

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