JPH0923794A - 魚釣用リール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】実釣時におけるリールを把持した状態におい
て、スプールの制動操作を容易に行うことができ、しか
も制動調節用のダイアルが把持の邪魔にならず、リール
の把持感覚の向上を図ること。 【解決手段】リール本体の側板１ａ，１ｂ間に回転自在
に支持したスプール４に制動力を付与する制動力調節機
構９の調節ダイアルが反ハンドル側の側板に設けられて
いる魚釣用リールにおいて、調節ダイアル９２が前記ス
プールの軸支点より釣糸繰出し側の前方で、かつ、上方
の領域に配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は魚釣用リールに関
し、更に詳しくはスプールの制動力を調節する機構を備
えた魚釣用リールに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】リール本体に内蔵されたクラッチ機構の
切換えにより、リール本体側板間に回転自在に支承され
たスプールを回転フリー状態として、スプールに巻回さ
れた釣糸を放出するが、このスプールがフリー状態のと
き、スプールが過回転するとバックラッシュ現象が生じ
る。これを防止するためのものとして、例えば、実公平
４―１８３７７号、実公平６―１６５０８号、実開昭６
４―３２０６５号などの公報にはスプールの過回転防止
用の制動機構が開示されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記実
公平４―１８３７７号や実開昭６４―３２０６５号公報
に開示されたスプール制動機構においては、制動調節用
ツマミがハンドル駆動側の側板に設けられているため、
ハンドルが邪魔になって、釣糸放出時におけるリールを
把持した状態での制動操作が容易に行えないといった欠
点を有している。

【０００４】また、実公平６―１６５０８号公報に開示
されたスプール制動機構においては、制動調節用ツマミ
が反ハンドル側の側板の外側に設けられているため、ハ
ンドルが邪魔になることはないが、実釣時におけるリー
ル本体を把持した状態のときにおいては、この制動調節
用ツマミ自体がリールの把持の邪魔になる。この結果、
実釣時において、スプールの制動調節をするときには、
リールの把持位置を変えてから行わなければならず、操
作性が極めて悪いものとなっていた。

【０００５】本発明は上記従来技術の課題に着目してな
されたもので、実釣時におけるリールを把持した状態に
おいて、スプールの制動操作を容易に行うことのできる
魚釣用リールを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、リール本体の
側板間に回転自在に支持したスプールに制動力を付与す
る制動力調節機構の調節用ツマミが反ハンドル側の側板
に設けられている魚釣用リールにおいて、前記調節用ツ
マミが前記スプールの軸支点より釣糸繰出し側の前方
で、かつ、上方の領域に設けることを特徴とする。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。図１は本発明の魚釣用リールの一形態を示
した平面図、図２はハンドル側の側面図、図３は反ハン
ドル側の側面図、図４は一部切欠き部分平面図、図５は
把持状態における反ハンドル側の側面図である。

【０００８】なお、以下の記載における魚釣用リール
は、電動リール式のものを例にとって説明するが、本発
明はこれに限定されるものではなく、手動巻上げ式リー
ルにおいても同様の構成とすることができる。

【０００９】本発明の魚釣用リールは、図１〜図５に示
すように、リール本体１は、左右のフレーム体２ａ，２
ｂと該フレーム体２ａ，２ｂに固定取付けされた側板３
ａ，３ｂと、側板３ａ，３ｂ間に回転可能に支承された
スプール４を有する。このスプール４は従来の電動式リ
ールと同様に、モータＭの回転駆動あるいはハンドルＨ
の巻取り操作で回転する。図中、６は電動巻取り用の減
速機構で、７ａ，７ｂはモータ動力伝達用の歯車７であ
る。

【００１０】図２〜図４から最もよく分るように、レベ
ルワインド装置８は、従来から広く知られたものと同様
に、釣糸巻き取り時にスプールの回転に伴って回転する
トラバースカム軸８１と、フレーム体２ａ，２ｂ間に架
け渡されたロッド８２上をトラバースカム軸８１の回転
により往復摺動する釣糸案内体８３を有する。本実施形
態においては、トラバースカム軸８１は、スプール４の
軸支点より釣糸繰出し側の前方で、かつ、上方に支承さ
れている。このトラバースカム軸８１は、レベルワイン
ド動力伝達歯車８４ａ〜８４ｄを介してモータ動力伝達
歯車７に連結されており、スプール４の釣糸巻き取り回
転に同期して一方向に回転する。トラバースカム軸８１
の回転が駆動連結部材を介して釣糸案内体８３に伝達さ
れ、これにより該釣糸案内体８３がロッド８２上を往復
摺動して釣糸をスプールに均等に巻回させる。

【００１１】モータＭは、図２及び図３から分るよう
に、レベルワインド装置８の下方の側板３ａ，３ｂ間に
設けられている。このモータＭは、例えばフレーム体２
ａ，２ｂと一体に設けた筒状ケース内に収容されてい
る。なお、本発明においては、モータＭやモータ動力伝
達用歯車７などのレイアウトは図示のものに限定される
ものでないことはいうまでもない。

【００１２】本実施形態においては、反ハンドルＨ側の
側板３ａであってトラバースカム軸８１の軸芯位置に対
応する部分に、スプール４に制動力を付与する制動力調
節機構９が設けられている。すなわち、側板３ａの外側
面に形成された凹部９１が形成されており、この凹部９
１には、調節用ツマミ９２が配置されている。調節用ツ
マミ９２は該側板３ａに螺進退可能に取付けられたネジ
９３と一体固定的になっている。ネジ９３の先端には押
圧板９４が設けられており、この押圧板９４はトラバー
スカム軸８１の支承部側端部に付勢接触するように設け
られている。そして、調節用ツマミ９２を回してネジ９
３をトラバースカム軸８１方向に螺進させると、押圧板
９４がトラバースカム軸８１を軸方向に押圧し、該トラ
バースカム軸８１に回転抵抗を付与する。トラバースカ
ム軸８１にはレベルワインド動力伝達歯車８４ｄが固定
取付けされており、該歯車８４ｄに順次噛合する歯車８
４ｃ，８４ｂ，８４ａおよびスプール軸４ａを介して、
スプール４に回転抵抗を付与する。なお、図４において
参照番号９５は板バネであり、調節用ツマミ９２を回転
させたときにクリック音を発生させるものである。

【００１３】本発明においては、調節用ツマミ９２の設
置位置が重要なものであり、制動力調節機構９の具体的
構成は特に限定されるものではなく、したがって、調節
用ツマミ９２からスプール４までの制動力伝達歯車機構
は図示のものに限定されるものではないことはいうまで
もない。

【００１４】上記実施形態においては、調節用ツマミ９
２がトラバースカム軸８１の軸芯位置と対応する場所に
設けられているが、本発明はこれに限定されるものでは
なく、スプール４の軸支点より釣糸繰出し側の前方で、
かつ、上方の領域であれば、どこでもよい。すなわち、
実釣時におけるリール本体を把持した状態においては、
図５に示すように、親指Ｆ１はリール本体１の上面側に
掛かり、人差し指Ｆ２はリール本体１の側方から前方側
に位置することになる。この親指Ｆ１と人差し指Ｆ２と
の間が、前記したスプール４の軸支点より釣糸繰出し側
の前方で、かつ、上方の領域に対応するもので、この領
域に調節用ツマミ９２が位置するものとなる。したがっ
て、釣人がリールを把持した状態の時、制動力調節機構
の調節用ツマミ９２が把持の邪魔にならず、該調節用ツ
マミが指や手の平に当ることによる不快感がない。

【００１５】本実施形態における側板３ａ，３ｂのフレ
ーム体２ａ，２ｂへの取付け方は図４に示すのものに限
定されるものではないが、図４に示すように、反ハンド
ル側の側板３ａをフレーム体２ａの内側のハンドル側の
フレーム体２ｂから挿入されたネジ５１によって締結保
持されるように構成しておけば、側板３ａ取付用のネジ
が少なくて済み、また、反ハンドル側の側板３ａの外側
面にネジが露出させることなく該側板３ａをフレーム体
２ａに取付けることが可能となり、図５に示したように
釣人が実釣時におけるリール把持時に、手の平にネジや
ネジ孔などが当ることがなく、釣人がリール本体１を把
持したときの不快感が解消されると共に、美的外観上も
好ましいものとなる。また、ハンドル側の側板３ｂは前
記左側側板３ａ取付用ネジ５１の頭部を覆うように取付
けておくので、ハンドル側の美観も向上する。このよう
な側板３ａ，３ｂの取外しは、先ず、右側側板３ｂの固
定手段の固定を解除して該右側側板２ｂをフレーム体２
ｂから外す。そして、この後、ネジ５１を緩めて左側側
板３ａをフレーム体２ａから取外すことになる。

【００１６】本実施形態における魚釣用リールは電動リ
ールを例に取って説明しており、図示において、２１は
ハンドル側の側板３ｂに設けられたモータＭの出力調整
体の調整操作レバーであり、この操作レバー２１の変位
操作に基づいてスプール駆動モータＭのモータ出力を多
段階に制御可能とするためのものである。すなわち、ポ
テンショメータ２３は与えられた機械的変位でブラシを
動かし、固定した抵抗体の上を摺動させ、その抵抗値を
変化させることによってブラシの位置に対応する電圧を
取り出す。上記操作レバー２１の変位操作によってポテ
ンショメータ２３内のブラシの位置を変化させるように
構成されており、該操作レバー２１の作動によるポテン
ショメータ２３の抵抗値の変化を図示しない制御ユニッ
トの制御回路に入力し、操作レバー２１の変位量に応じ
たパルス信号のデューテー比としてモータＭへの駆動電
源通電時間率を制御回路で可変制御して、モータＭの回
転を多段階に制御できるように構成されている。なお、
本実施形態においては、操作レバー２１の操作によって
モータＭの出力を多段階に増減させるモータ出力調整手
段としてポテンショメータを用いたが、これに代えてボ
リュームスイッチ等の他の手段を用いても良いことはい
うまでもない。

【００１７】図示において参照番号７１は各種の設定状
態などを液晶表示する表示器の表示窓であり、また、参
照番号７２ａ〜７２ｄは各種の設定を行うためのスイッ
チである。これらのスイッチ７２ａ〜７２ｄは表示窓７
１を囲むように４隅に配置されており、かつ、表示窓７
１より上方に突出するように構成されている。これは、
リール携帯時等において、リールに物体が衝突した場合
に、物体が表示窓７１に直接衝突して表示窓が破損され
るのを防止するためである。なお、スイッチの個数や形
状は図示のものに限定されるものではないことはいうま
でもない。

【００１８】

【発明の効果】上記したように、本発明によれば、リー
ル本体の側板間に回転自在に支持したスプールに制動力
を付与する制動力調節機構の調節用ツマミが反ハンドル
側の側板のスプールの軸支点より釣糸繰出し側の前方
で、かつ、上方の領域に設けられているので、リールを
把持した状態を維持しながら、釣状況に最適なスプール
回転の制動操作を容易に行うことができ、しかも、調節
用ツマミが実釣時においても邪魔になることがなく、快
適な釣を楽しむことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の魚釣用リールの一形態を示した平面図
である。

【図２】本発明の魚釣用リールの一形態を示したハンド
ル側の側面図である。

【図３】本発明の魚釣用リールの一形態を示した反ハン
ドル側の側面図である。

【図４】を示した一部切欠き部分平面図である。

【図５】本発明の魚釣用リールの一形態におけるリール
把持状態における反ハンドル側の側面図である。

【符号の説明】

１ リール本体 ２ａ フレーム体 ２ｂ フレーム体 ３ａ 側板 ３ｂ 側板 ４ スプール ６ 減速機構 ７ａ モータ動力伝達歯車 ７ｂ モータ動力伝達歯車 ８ レベルワインド装置 ９ 制動力調節機構 ２１ モータ出力調整体の操作レバー ２３ ポテンショメータ ８１ トラバースカム軸 ８３ 釣糸案内体 ８４ａ レベルワインド動力伝達歯車 ８４ｂ レベルワインド動力伝達歯車 ８４ｃ レベルワインド動力伝達歯車 ８４ｄ レベルワインド動力伝達歯車 ９２ 調節用ツマミ Ｍ モータ Ｈ ハンドル

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 リール本体の側板間に回転自在に支持し
   たスプールに制動力を付与する制動力調節機構の調節用
   ツマミが反ハンドル側の側板に設けられている魚釣用リ
   ールにおいて、 前記調節用ツマミが前記スプールの軸支点より釣糸繰出
   し側の前方で、かつ、上方の領域に配置されていること
   を特徴とする魚釣用リール。