JP2022174502A - 魚釣用リールの表示制御装置及びそれを備えた魚釣用リール、表示制御方法、及び表示制御プログラム - Google Patents

魚釣用リールの表示制御装置及びそれを備えた魚釣用リール、表示制御方法、及び表示制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】魚釣用リールのスプールに一連の動作をさせたことによる釣糸の巻上距離を、数値として的確に把握できるようにする。【解決手段】釣糸の巻き上げに対応する回転方向によるスプールに与えられる所定の一連の動作が開始されてから終了するまでにおけるスプールの回転状態に基づいて、前記一連の動作を行う前記スプールにより釣糸が巻き上げられた巻上距離を算出する算出部と、前記算出部が算出する巻上距離に基づく表示が表示部にて行われるようにする表示制御部とを備えて魚釣用リールの表示制御装置を構成する。【選択図】図6

Description

本発明は、魚釣用リールの表示制御装置及びそれを備えた魚釣用リール、表示制御方法、及び表示制御プログラムに関する。
設定されたパラメータに従ってスプールが所定の一連の動作を行うように駆動制御することで、ユーザの意図に沿った自動さそい動作が行われるようにされた魚釣用リールが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2020-146025号公報
ユーザは、スプールに或る一連の動作をさせたことによる釣糸の巻上距離(巻上長さ)を、数値として的確に把握したい場合がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、スプールに一連の動作をさせたことによる釣糸の巻上距離を、数値として的確に把握できるようにすることを目的とする。
上述した課題を解決するための本発明の一態様は、釣糸の巻き上げに対応する回転方向によるスプールに与えられる所定の一連の動作が開始されてから終了するまでにおけるスプールの回転状態に基づいて、前記一連の動作を行う前記スプールにより釣糸が巻き上げられた巻上距離を算出する算出部と、前記算出部が算出する巻上距離に基づく表示が表示部にて行われるようにする表示制御部とを備える魚釣用リールの表示制御装置である。
上記構成によれば、例えばジャーク等に応じてスプールに所定の一連の動作をさせたことに応じて、釣糸が巻き上げられていくことに応じて変化する仕掛けの水深の差分を、ユーザが数値として的確に把握することが可能になる。
また、本発明の一態様は、上記の表示制御装置であって、前記表示制御部は、前記一連の動作が終了したときに対応して前記算出部が算出した巻上距離に基づいて、前記一連の動作が開始されたときから前記一連の動作が終了したときまでに対応する仕掛け位置の水深の差分を前記表示部に表示させてよい。
上記構成によれば、スプールが所定の一連の動作を完了した段階で、当該一連の動作の前と後とでの仕掛けの水深の差分を表示することができる。つまり、ユーザにとって適切なタイミングで仕掛けの水深の差分をユーザに提示することができる。
また、本発明の一態様は、上記の表示制御装置であって、前記表示制御部は、前記一連の動作が行われている間において前記算出部が算出する巻上距離に基づく表示が前記表示部にて行われるようにしてよい。
上記構成によれば、スプールが一連の動作に応じて回転している状態のときに、釣糸が巻き上げられることに応じて、水深の差分を変化させながら表示することが可能となる。
また、本発明の一態様は、上記の表示制御装置であって、前記算出部は、一連の動作が開始されてから終了するまでにおけるスプールの回転位置に対応する前記スプールの糸巻径に基づいて前記巻上距離を算出してよい。
上記構成によれば、スプールの回転位置によるスプールの糸巻径の変化が反映されるようにして巻上距離が算出されることから、当該巻上距離に基づいて表示される水深の差分の値の正確さを高めることが可能になる。
また、本発明の一態様は、上記の表示制御装置であって、前記一連の動作の開始から終了までの時間を計測する時間計測部を備え、前記表示制御部は、前記巻上距離に基づく表示とともに、前記時間計測部により計測された時間に基づく表示が前記表示部にて表示されるように制御してよい。
上記構成によれば、水深の差分とともに、スプールの一連の動作が行われる時間を表示させることができる。
また、本発明の一態様は、上記の表示制御装置を備えた魚釣用リールである。
また、本発明の一態様は、釣糸の巻き上げに対応する回転方向によるスプールに与えられる所定の一連の動作が開始されてから終了するまでにおけるスプールの回転状態に基づいて、前記一連の動作を行う前記スプールにより釣糸が巻き上げられた巻上距離を算出する算出ステップと、前記算出ステップが算出する巻上距離に基づく表示が表示部にて行われるようにする表示制御ステップとを備える魚釣用リールの表示制御方法である。
また、本発明の一態様は、魚釣用リールの表示制御装置としてのコンピュータを、釣糸の巻き上げに対応する回転方向によるスプールに与えられる所定の一連の動作が開始されてから終了するまでにおけるスプールの回転状態に基づいて、前記一連の動作を行う前記スプールにより釣糸が巻き上げられた巻上距離を算出する算出部、前記算出部が算出する巻上距離に基づく表示が表示部にて行われるようにする表示制御部として機能させるための表示制御プログラムである。
以上説明したように、本発明によれば、魚釣用リールのスプールに一連の動作をさせたことによる釣糸の巻上距離を、数値として的確に把握できるようになるという効果が得られる。
本実施形態の魚釣用電動リールの外観例を示す図である。 本実施形態の魚釣用電動リールの外観例を示す図である。 本実施形態の魚釣用電動リールにおける表示操作パネルの一例を示す図である。 本実施形態の自動巻き上げ動作における時間経過に応じたスプール挙動とモータ駆動信号のデューティ比との変化例を示す図である。 本実施形態の表示部における表示態様例を示す図である。 本実施形態の表示部における表示態様例を示す図である。 本実施形態の魚釣用電動リールの機能構成例を示す図である。 本実施形態における魚釣用電動リールが、巻き上げ操作に応じて実行する処理手順例を示すフローチャートである。 本実施形態における魚釣用電動リールが、駆動制御パラメータ対応スプール駆動制御として実行する処理手順例を示すフローチャートである。
<実施形態>
以下、図面を参照して、本実施形態のパラメータ設定装置としての魚釣用電動リール1について説明する。
本実施形態において、スプールの駆動とは、例えばモータ等を駆動して得られる動力によりスプールを回転させることをいう。
また、本実施形態において、スプールの駆動制御とは、スプールの駆動に関する制御をいう。このようなスプールの駆動制御には、スプールを回転させる制御、スプールの回転を停止させる制御、スプールの回転速度を変更する制御等が含まれる。
また、以降の説明において、スプールの「駆動」について、回転の動作を与えることを明確にすることなどを目的として「回転駆動」と記載する場合がある。
なお、以下の説明では、魚釣用電動リール1が両軸受リールである場合を例に挙げる。なお、図1、図2において、各構成部材を視認可能な大きさとするために必要に応じて各構成部材の縮尺を適宜変更している場合がある。
[魚釣用電動リールの構造例]
図1、2は、本実施形態の魚釣用電動リール1の外観例を示している。本実施形態の魚釣用電動リール1は、図示しない釣竿に装着可能なリール本体2と、リール本体2に対してハンドル軸線O1回りに回転可能に取り付けられたハンドル3と、リール本体2に対してハンドル軸線O1と平行なスプール軸線O2回りに回転可能とされ、且つ図示しない釣糸が巻かれるスプール4と、クラッチ操作レバー5を有するクラッチ機構6と、を主に備えている。
また、本実施形態の魚釣用電動リール1は、リール本体2に設けられたモータ収容筒7内に配置され、スプール4を回転駆動するモータ(図示せず)を備える。
また、魚釣用電動リール1は、モータ収容筒7を塞ぐようにリール本体2に組み合わされ、リール本体2に対してモータを固定するモータホルダ9と、を備えている。
本実施形態では、ハンドル軸線O1及びスプール軸線O2は互いに平行に配置され、これらの軸線に沿った方向を左右方向L1として定義する。さらに左右方向L1に直交し、且つスプール4に巻かれた釣糸が繰り出される方向に沿った方向を前後方向L2として定義する。
さらに、前後方向L2においてスプール4から釣糸が繰り出される方向を前方、その反対方向を後方として定義するとともに、魚釣用電動リール1を後方側(釣り人側)から見た視点で左右を定義する。従って、図1は、魚釣用電動リール1を斜め上、左後方から見た斜視図である。
リール本体2は、本体フレーム10と、本体フレーム10の左右両側を覆うサイドカバー20と、本体フレーム10の前部側を覆う前カバー30とを備えている。
本体フレーム10は、例えば合成樹脂あるいは金属製(例えばアルミニウムダイキャスト製)の成形部品とされている。本体フレーム10は、スプール4を挟んで左右方向L1に向かい合うように配置された第1側壁11及び第2側壁12と、第1側壁11及び第2側壁12同士を左右方向L1に連結する連結部材13とを備えている。
第1側壁11は、スプール4に対して左側(LH)に配置された左側壁とされている。これに対して第2側壁12は、スプール4に対して右側(RH)に配置された右側壁とされている。なお、ハンドル3は、第2側壁12よりもさらに右側(RH)に配置され、第2側壁12を利用して本体フレーム10に取り付けられている。
従って、本実施形態の魚釣用電動リール1は、右側ハンドルタイプのリールとされている。なお、第2側壁12は、コネクタ部23等が取り付けられる関係上、第1側壁11よりも下方に向けて突出するように形成されている。
連結部材13は、第1側壁11及び第2側壁12同士を左右方向L1に連結する板状に形成され、第1側壁11の下部付近に配置されている。これにより、第1側壁11及び第2側壁12は、連結部材13を介して強固に連結されている。
なお、連結部材13における左右方向L1の中央部分には、魚釣用電動リール1を釣竿に装着するための装着脚片14が前後方向L2に沿って延びるように形成されている。
上述のように構成された本体フレーム10において、第1側壁11と第2側壁12との間には、モータを内部に収容するモータ収容筒7、スプール4及びクラッチ操作レバー5等が少なくとも配置されている。
スプール4は、ハンドル軸線O1よりも後方側に位置するように第1側壁11と第2側壁12との間に配置されている。モータ収容筒7は、ハンドル軸線O1よりも前方側に位置するように第1側壁11と第2側壁12との間に配置されている。そのため、本実施形態の魚釣用電動リール1は、モータがスプール4よりも前方側に配置された、いわゆるスプールアウトモータタイプとされている。
サイドカバー20は、モータ収容筒7の開口部が形成された第1側壁11を左側(LH)から覆うように本体フレーム10に組み合わされた第1サイドカバー21と、第2側壁12を右側(RH)から覆うように本体フレーム10に組み合わされた第2サイドカバー22と、を備えている。
第1サイドカバー21は、左側(LH)に向けて膨らむように形成され、第1側壁11に対して例えばネジ止めされている。
第2サイドカバー22は、右側(RH)に向けて膨らむように形成され、第2側壁12に対して例えばネジ止めされている。
第2サイドカバー22のうち、前方下部に位置する部分には、外部電源からの電力を供給するための電源リールコード、あるいは携帯用バッテリーを接続するためのコネクタ部23が図示しない接続端を下向きにした状態で装着されている。なお各図面では、保護キャップ24によって接続端が保護されている状態を図示している。
前カバー30は、本体フレーム10の前部を前方から覆うように本体フレーム10に組み合わされている。具体的には、前カバー30は、モータ収容筒7を前方から覆うように第1側壁11及び第2側壁12の前部に組み合わされるとともに、第1側壁11及び第2側壁12に対して例えばネジ止めされている。なお、前カバー30は、後述するレベルワインド55の移動領域を塞がないように取り付けられている。
上述のように構成された本体フレーム10の上部には、カウンターケース40が設けられている。カウンターケース40は、第1側壁11と第2側壁12との間に配置された状態で、第1側壁11の上部及び第2側壁12の上部に例えばネジ止め等によって固定されている。
カウンターケース40の本体の上面は、表示操作パネル41として構成されている。表示操作パネル41は、魚釣用電動リール1を使用するユーザに向けての表示と、ユーザによるボタン、スイッチ等の操作子に対する操作が行われる部位である。
図3は、魚釣用電動リール1における表示操作パネル41を示している。同図に示されるように、表示操作パネル41は、操作部101と表示部102とを備える。
操作部101は、ユーザによるボタン操作が行われる部位である。同図の例では、操作部101において、ボタン操作が行われるボタンとして、第1ボタン111-1、第2ボタン111-2、第3ボタン111-3、の3つのボタンが配置されている。なお、以降の説明にあたり、第1ボタン111-1、第2ボタン111-2、第3ボタン111-3について特に区別しない場合には、ボタン111と記載する。
同図におけるボタン111の配置の態様としては、第2ボタン111-2が上で第3ボタン111-3が下となる位置関係により上下方向に沿って配置されている。第1ボタン111-1は、第2ボタン111-2と第3ボタン111-3とが配置される位置よりも左であって、上下方向においては、第2ボタン111-2と第3ボタン111-3との中間に対応する位置にて配置されている。
このようなボタン111の配置における第2ボタン111-2と第3ボタン111-3は、それぞれ、パラメータ値の変更や項目選択等の操作におけるアップボタン、ダウンボタンとして機能させても、ユーザの操作感覚としてなじみやすい。
また、操作部101においては、巻き上げスイッチ112が設けられている。巻き上げスイッチ112は、スプール4を回転させて釣糸を巻き上げるための操作が行われる操作子である。
巻き上げスイッチ112は、釣糸を自動で巻き上げるための操作が行われるスイッチである。巻き上げスイッチ112は、シーソー式の感圧スイッチであり、上側スイッチ部112aを押下する操作と、下側スイッチ部112bを押下する操作とが可能とされている。
表示部102は、魚釣用電動リール1の動作に応じて所定の内容の表示が行われる部位である。表示部102として備えられる表示デバイスについては特に限定されないが、例えば液晶表示デバイス、有機EL表示デバイス等を挙げることができる。
説明を図1、図2に戻す。ハンドル3は、手動により釣糸を巻き上げる操作に用いられる。ハンドル3は、本体フレーム10及び第1サイドカバー21よりも右側(RH)に配置されている。ハンドル3は、ハンドル軸線O1回りに回転可能に配置されたハンドル軸部50と、ハンドル軸部50に回転不能に装着されたハンドルアーム51と、ハンドルアーム51の端部にハンドル軸線O1と平行な軸線回りに回転可能に装着されたハンドルノブ52と、を備えている。
ハンドルアーム51と第1サイドカバー21との間には、ハンドル軸線O1と同軸に配置されたドラグ53(スタードラグ)が設けられている。このドラグ53は、釣糸の巻取りに際して、スプール4に対して任意のドラグ力を付与することでスプール4の回転制動を行い、釣糸の切断抑制に寄与する働きをしている。
このように構成されたハンドル3からの回転トルクは、クラッチ機構6がクラッチオン状態にあるときに、図示しない回転伝達機構を介してスプール4に直接伝達される。
なお、本実施形態では、ハンドルアーム51の一端部にハンドルノブ52が装着された、いわゆるシングルハンドルタイプを例に挙げて説明しているが、この場合に限定されるものではない。例えば、ハンドルアーム51の両端部にハンドルノブ52を装着し、且つハンドルアーム51の中央部をハンドル軸部50に回転不能に装着した、いわゆるダブルハンドルタイプの魚釣用電動リール1としても構わない。
スプール4は、フレーム本体における第1側壁11と第2側壁12との間に配置されているとともに、第1側壁11及び第2側壁12のそれぞれに図示しない軸受を介してスプール軸線O2回りに回転可能に支持されている。
スプール4は、スプール軸線O2回りに回転する図示しないスプール回転軸部と、スプール回転軸部と同軸に配置されるとともに、スプール回転軸部と連動して回転する糸巻胴部4aとを備えている。
クラッチ機構6は、クラッチ操作レバー5の操作によって、ハンドル3からの回転トルクを図示しない回転伝達機構を介してスプール4に伝達可能なクラッチオン状態と、伝達不能なクラッチオフ状態とに切換可能とされている。従って、クラッチオン状態において、ハンドル3を回転操作することで、ハンドル3の回転操作に伴う回転トルクをスプール4に伝達することができ、スプール4をスプール軸線O2回りに回転させることが可能とされている。これにより、手巻き操作が可能となる。
なお、クラッチ機構6がクラッチオフ状態である場合には、ハンドル3の回転操作に伴う回転トルクがスプール4に伝達されず、該スプール4は自由回転可能な状態(スプールフリーな状態)となる。
クラッチ操作レバー5は、クラッチ機構6をクラッチオン状態とクラッチオフ状態とに切り換え操作するための切換レバーである。クラッチ操作レバー5は、スプール4よりも後方において、第1側壁11と第2側壁12との間に配置されているとともに、スプール軸線O2回りに揺動するように上下に移動可能とされている。
なお、回転伝達機構は、ハンドル3の回転を増速した状態で回転トルクをスプール4に伝達するように構成されている。さらに回転伝達機構は、クラッチ機構6がクラッチオン状態にある場合、ハンドル3の回転操作に伴う回転トルクをスプール4に伝達するだけでなく、レベルワインド機構(不図示)にも伝達するように構成されている。レベルワインド機構は、釣糸をスプール4に偏りなく均等に巻き取らせるための機構である。
さらに回転伝達機構は、クラッチ機構6がクラッチオン状態にある場合においてモータが駆動されたときに、当該モータの駆動に伴う回転トルクをスプール4に伝達することが可能とされている。これにより、自動巻操作が可能となる。なお、回転伝達機構は、モータの回転を減速した状態で回転トルクをスプール4に伝達する。
[電動ジギングモードについて]
本実施形態の魚釣用電動リール1は、電動ジギングモードがオンの状態では、以下のようにしてユーザが行う巻き上げスイッチ112の操作に応じて、釣糸の巻き上げ動作を実行することができる。
電動ジギングモードでは、巻き上げスイッチ112の上側スイッチ部112aは、釣糸の巻き上げのためのスプール4の回転駆動をオンオフする操作に割り当てられる。
つまり、ユーザが上側スイッチ部112aの押圧を開始すると、スプール4の回転駆動が開始され、釣糸の巻き上げも開始される。そのままユーザが上側スイッチ部112aの押圧を継続している間は、スプール4も回転駆動が継続され、釣糸の巻き上げも継続される。ユーザが上側スイッチ部112aの押圧を解除すると、スプール4の回転駆動が停止され、釣糸の巻き上げも停止される。
電動ジギングモードにおいて、はじめに上側スイッチ部112aの押圧が行われたときには、電動マニュアルジギングとして、予め設定された最大速度未満のスプールの回転速度(中間巻き上げ速度)で釣糸の巻き上げが行われる。その後において、上側スイッチ部112aの押圧が継続されたままさらに押し込まれるようにして操作が行われると、巻き上げ速度が最大にまで増加した状態で釣糸の巻き上げが行われる。
また、電動ジギングモードでは、巻き上げスイッチ112の下側スイッチ部112bは、自動さそい動作(自動ジャーク)を実行させるための操作が割り当てられる。
つまり、ユーザが下側スイッチ部112bを1回押圧する操作(1クリック操作)を行うことに応じて、予め設定された駆動制御情報に従って、或る期間にわたってスプール4が回転駆動され、釣糸を巻き上げる動作が行われる。
本実施形態の自動さそい動作に対応する駆動制御情報を構成する駆動制御パラメータは、駆動時間[TIME]、速度[SPEED]、及び加速度[ACCEL]の3つである。
駆動時間[TIME]は、1回の自動さそい動作においてスプール4を回転駆動させる時間である。
速度[SPEED]は、自動さそい動作において釣糸を巻き上げる際のスプール4の回転速度である。
加速度[ACCEL]は、自動さそい動作においてスプール4が回転を開始してから速度[SPEED]に到達させる際の加速度(角加速度)である。
駆動時間[TIME]のパラメータ値(駆動時間パラメータ値VT)、速度[SPEED]のパラメータ値(速度パラメータ値VS)、加速度[ACCEL]のパラメータ値(加速度パラメータ値VA)は、それぞれ、後述するようにしてユーザが操作を行うことによって変更可能とされる。
駆動時間パラメータ値VTは、例えば所定の少数点以下の桁数による秒単位で示される値とされてよい。
速度パラメータ値VSは、例えば所定の速度にそれぞれ対応させた所定数の速度段階(例えば、30段階程度)ごとに応じた値とされてよい。
加速度パラメータ値VAは、所定の加速度にそれぞれ対応させた段階数に応じた値とされてよい。具体的に、本実施形態においては、加速度パラメータ値VAは、高加速度としての所定の加速度に対応するVA_H、中加速度として所定の加速度に対応するVA_M、低下速度に対応する所定の加速度に対応するVA_Lの3段階とした場合を例に挙げる。
例えば、加速度パラメータ値VAについて、加速度の値を指定するなどして細かに設定可能なようにされてもよい。しかしながら、この場合には、かえってユーザは、どの値が適正であるのかを判断しにくくなる。そこで、本実施形態においては、3段階程度の少なめの段階数により加速度パラメータ値VAを変更するようにして、各段階でのスプールの回転の挙動の違いがユーザにとって明確に把握されるようにしている。なお、加速度パラメータ値VAの段階数については特に限定されない。
図4(A)は、上記の駆動時間[TIME]、速度[SPEED]、及び加速度[ACCEL]の駆動制御パラメータの設定による1回の自動さそい動作に対応するスプール4の挙動の例を示している。同図においては、横軸が時間であり、縦軸が回転速度である。
同図においては、加速度パラメータ値VA_Hが設定された場合のスプール挙動GH、加速度パラメータ値VA_Mが設定された場合のスプール挙動GM、加速度パラメータ値VA_Lが設定された場合のスプール挙動GLのそれぞれが示されている。
加速度パラメータ値VA_Hが設定された場合のスプール挙動GHは以下のようになっている。
時刻t0において、ユーザにより巻き上げスイッチ112の下側スイッチ部112bを1回押圧する操作が行われたことに応じて、魚釣用電動リール1は、スプール4の回転駆動を開始させる。つまり、魚釣用電動リール1は、時刻t0からモータを駆動するための電圧(モータ駆動信号)の印加を開始する。ただし、時刻t0にてスプールの回転駆動を開始させたとしても、スプール4に回転が伝達されるまでには或る一定のタイムラグ(遅延)が生じる。このため、スプール4は、時刻t0から或る時間を経た時刻t1から回転を開始する。
時刻t1にて回転が開始されたスプール4は、設定された加速度パラメータ値VA_Hのパラメータ値に従った加速度で回転速度を増加させていく。そして、時刻t2(1)に至ってスプール4の回転速度が、設定された速度パラメータ値VSに対応する回転速度(目標回転速度vtg)に到達する。時刻t2(1)以降において、スプール4は、速度パラメータ値VSに対応する一定の回転速度で回転するように制御される。
魚釣用電動リール1は、時刻t0にてスプール4の回転駆動を開始させたタイミングで駆動継続時間Tの計測(計時)を開始する。そして、計測される駆動継続時間Tの値が時刻t3に至って駆動時間パラメータ値VTに達すると、スプール4の回転駆動を停止させるため、モータへの電流の供給を停止させる。
モータは、電流の供給を停止しても慣性により即座に停止せずに或る程度回転してから停止する、オーバーランと呼ばれる現象が生じる。同図の例では、時刻t3以降のオーバーランが生じた期間においてスプール4の回転速度が減速され、時刻t4にてスプール4の回転が停止している。
また、加速度パラメータ値VA_Mが設定された場合のスプール挙動GMは以下のようになる。
この場合にも、時刻t0において、ユーザにより巻き上げスイッチ112の下側スイッチ部112bを1回押圧する操作が行われたことに応じて、魚釣用電動リール1は、スプールの回転駆動を開始させるためのモータ駆動信号の印加と、駆動継続時間Tの計測を開始する。そして、時刻t0から或る一定の時間を経た時刻t1からスプール4が回転を開始する。
時刻t1にて回転が開始されたスプール4は、設定された加速度パラメータ値VA_Mのパラメータ値に従った加速度で回転速度を増加させていく。この場合には、時刻t(1)よりも後の時刻t2(2)に至ってスプール4の回転速度が、目標回転速度vtgに到達する。時刻t2(2)以降において、スプール4は、速度パラメータ値VSに対応する一定の回転速度で回転するように制御される。
そして、時刻t3に至って、計測された駆動継続時間Tが駆動時間パラメータ値VTに達すると、モータへの電流の供給が停止され、オーバーランの期間を経た時刻t4にてスプール4の回転が停止される。
また、加速度パラメータ値VA_Lが設定された場合のスプール挙動GLは以下のようになる。
この場合にも、時刻t0において、ユーザにより巻き上げスイッチ112の下側スイッチ部112bを1回押圧する操作が行われたことに応じて、魚釣用電動リール1は、スプールの回転駆動を開始させるためのモータ駆動信号の印加と、駆動継続時間Tの計測を開始する。スプール4は、モータ駆動信号の印加が開始された時刻t0から或る一定のタイムラグ(遅延)を経た時刻t1から回転を開始する。
時刻t1にて回転が開始されたスプール4は、設定された加速度パラメータ値VA_Lのパラメータ値に従った加速度で回転速度を増加させていく。この場合には、時刻t2(2)よりもさらに後の時刻t2(3)に至ってスプール4の回転速度が、目標回転速度vtgに到達する。時刻t2(3)以降において、スプール4は、速度パラメータ値VSに対応する一定の回転速度で回転するように制御される。
そして、時刻t3に至って、計測された駆動継続時間Tが駆動時間パラメータ値VTに達すると、モータへの電流の供給が停止され、オーバーランの期間を経た時刻t4にてスプール4の回転が停止される。
なお、加速度パラメータ値VAが異なることに応じてスプール4が回転を開始する時刻t1は異なりうる。しかしながら、同図においては図示を分かりやすくする便宜から、加速度パラメータ値VAにかかわらず、スプール挙動GH、GM、GLの時刻t1を同じタイミングとした例を示している。
本実施形態の魚釣用電動リール1はPWM(Pulse Width Modulation)制御によりモータを駆動することでスプール4を回転駆動させる。従って、魚釣用電動リール1は、モータの駆動にあたり、モータに印加する電圧(モータ駆動信号)について周期ごとのパルス幅のデューティ比を設定するようにされる。
図4(B)は、図4(A)に示したスプール挙動GH、GM、GLごとに対応するモータ駆動信号のデューティ比遷移DH、DM、DLの一例を示している。同図においては、横軸が時間であり、縦軸がデューティ比である。
スプール挙動GHに対応するデューティ比遷移DHとして、まず、時刻t0からスプールの回転速度が目標回転速度vtgに到達するまでの期間(初動期間の一例)は、加速度パラメータ値VA_Hに対応する初期デューティ比dhによるモータ駆動信号の印加が開始される。これにより、スプール4は、タイムラグを経た時刻t1から回転を開始し、初期デューティ比dhのモータ駆動信号に応じた加速度により回転速度が上昇していく。そして、時刻t2(1)に至り、スプール4の回転速度が目標回転速度vtgに到達すると、目標回転速度vtgで一定にスプール4を回転駆動させるための定速対応デューティ比dsに変化する。
時刻t2(1)以降においては、スプール4の回転速度を検出し、検出した回転速度が目標回転速度vtgとなるように定速対応デューティ比dsを変化させるフィードバック制御が行われる。同図では、図示を明解なものとすることの便宜上、定速対応デューティ比dsが事件経過に応じて変化せずに一定の状態デ示されているが、定速対応デューティ比dsはフィードバック制御により変動する。例えば、目標回転速度vtgを保たせるための定速対応デューティ比dsは、水中の仕掛けの状態や、糸巻径に応じたスプール4の一回転あたりの糸巻長さ等の影響で変動する。
ただし、速度パラメータ値VSの段階ごとに対応して制御可能な定速対応デューティ比dsの範囲は予め定められている。このように速度パラメータ値VSごとに定速対応デューティ比dsの範囲が定められていることで、低速設定のもとでモータに高荷重がかかる状態となっても、定速対応デューティ比dsが100%とならないように制限できる。これにより、速度パラメータ値VSを変更したのに実際の巻き上げ速度が変化しないという状態となることが避けられる。
なお、例えば張力一定で釣糸を巻き上げる張力一定モードのもとでは、デューティ比が所定値で一定となるように制御するようにされる。ただし、張力一定モードのもとでもスプール4の糸巻径によって張力が変化することから、このような張力変化に応じてデューティ比が変化するように制御される。
その後、計測された駆動継続時間Tが駆動時間パラメータ値VTに達する時刻t3に至ると、モータ駆動信号の印加が停止される。
また、スプール挙動GMに対応するデューティ比遷移DMとしては、まず、時刻t0から加速度パラメータ値VA_Mに対応する初期デューティ比dmによるモータ駆動信号の印加が開始される。初期デューティ比dmは中加速度に対応することから、高加速度に対応する加速度パラメータ値VA_Hに対応する初期デューティ比dhより小さくなる。この場合の時刻t1以降におけるスプール4の回転の加速度は、高加速度に対応する初期デューティ比dhの場合よりも低くなる。そして、目標回転速度vtgに到達した時刻t(2)以降において、定速対応デューティ比dsが維持される。その後、駆動継続時間Tが駆動時間パラメータ値VTに達する時刻t3に至ると、モータ駆動信号の印加が停止される。
また、スプール挙動GLに対応するデューティ比遷移DLとしては、まず、時刻t0から加速度パラメータ値VA_Lに対応する初期デューティ比dlによるモータ駆動信号の印加が開始される。初期デューティ比dlは低加速度に対応することから、中加速度に対応する加速度パラメータ値VA_Mに対応する初期デューティ比dmより小さくなる。この場合の時刻t1以降におけるスプール4の回転の加速度は、中加速度に対応する初期デューティ比dmの場合よりも低くなる。そして、目標回転速度vtgに到達した時刻t(3)以降において、定速対応デューティ比dsが維持される。その後、駆動継続時間Tが駆動時間パラメータ値VTに達する時刻t3に至ると、モータ駆動信号の印加が停止される。
同図から理解されるように、魚釣用電動リール1は、駆動制御パラメータにおける各パラメータ値(駆動時間パラメータ値VT、速度パラメータ値VS、加速度パラメータ値VA)に応じて、時間経過に応じてモータ駆動信号のデューティ比を変化させることで、自動さそい動作に応じたスプール4の回転駆動を行うようにされている。
駆動制御パラメータとして、加速度[ACCEL]を設けずに、例えば固定のデューティ比に応じた加速度であるとか、速度パラメータ値VSに対応するデューティ比ではじめからスプール4の回転を開始させるようにされてもよい。
しかしながら、例えば実際にユーザが釣竿を動かしながら行うさそい動作においては、状況に応じて、さそいにおけるはじめのシャクリの鋭さを変えることが釣果につながる場合がある。そこで、本実施形態のように加速度[ACCEL]の駆動制御パラメータを設けるようにすれば、自動さそい動作において、上記のようなさそいにおけるシャクリはじめの鋭さをユーザの意図に応じて変更できる。
巻き上げスイッチ112の下側スイッチ部112bが1回操作されたことに応じて、魚釣用電動リール1は、図4(B)に示されるようにして、駆動制御パラメータの各パラメータ値に従ってモータ駆動信号のデューティ比を変更させていくようにする。これにより、図4(A)のようにしてスプール4の回転速度が変化し、1回の自動さそい動作が実行される。このようなスプール4の回転速度に応じて変化する巻き上げ速度で釣糸の巻き上げが行われることで、自動によるさそいの動きが得られる。
[自動さそい動作に対応する駆動制御パラメータの設定について]
次に、自動さそい動作に対応する駆動制御パラメータ(駆動時間[TIME]、速度[SPEED]、及び加速度[ACCEL])の各パラメータ値(駆動時間パラメータ値VT、速度パラメータ値VS、加速度パラメータ値VA)の設定操作の手順例について説明する。本実施形態において、自動さそい動作に対応する駆動制御パラメータの設定操作は、電動ジギングモードがオンとされた状態のもとで行うことが可能とされている。
本実施形態における駆動制御パラメータの設定は、パラメータ値の変更対象とする駆動制御パラメータの選択と、変更対象として選択された駆動制御パラメータのパラメータ値の変更とを含む。
図5は、電動ジギングモードがオンの状態における表示部102の表示例を示している。同図の表示部102においては、速度・水深差エリアAR10、水深エリアAR20、及びパラメータ表示エリアAR30が配置される。
速度・水深差エリアAR10は、現在において設定されているスプール4の回転速度が段階数により表示されるエリアである。また、速度・水深差エリアAR10は、電動ジギングモードにおいて釣糸が巻き上げられたことによる仕掛けの水深差(水深の差分)を表示することも可能とされる。
具体的に、速度・水深差エリアAR10は、電動マニュアルジギングが行われた場合には、上側スイッチ部112aの押圧操作が開始されてスプール4の回転が開始されるときの仕掛けの水深と、その後に上側スイッチ部112aの押圧が解除されてスプール4の回転が停止したときの仕掛けの水深との差分である水深差を表示する。
また、速度・水深差エリアAR10は、自動さそい動作のために下側スイッチ部112bの1クリック操作が行われた場合には、駆動制御情報に従ってスプール4の回転が開始されるときの仕掛けの水深と、その後にスプール4の回転が停止したときの仕掛けの水深との差分である水深差を表示する。
図6は、電動ジギングモードがオンの状態のもとで、上記の電動マニュアルジギングまたは自動さそい動作が行われたことに応じて、スプール4の回転速度に代えて、速度・水深差エリアAR10において水深差が表示された態様例を示している。
なお、同図の水深差の表示の態様は一例である。水深差は、表示部102における他のエリアにて表示されてよい。
説明を図5に戻す。水深エリアAR20は、現在において仕掛けが位置している水深を表示するエリアである。
パラメータ表示エリアAR30は、駆動制御パラメータごとの現在において設定されているパラメータ値が表示されるエリアである。パラメータ表示エリアAR30においては、駆動時間表示エリアAR31-1、速度表示エリアAR31-2、加速度表示エリアAR31-3が含まれる。駆動時間表示エリアAR31-1、速度表示エリアAR31-2、加速度表示エリアAR31-3について、特に区別しない場合には、個別パラメータ表示エリアAR31と記載する。
駆動時間表示エリアAR31-1は、現在において設定されている駆動時間パラメータ値VTが表示されるエリアである。
速度表示エリアAR31-2は、現在において設定されている速度パラメータ値VSが表示されるエリアである。
加速度表示エリアAR31-3は、現在において設定されている加速度パラメータ値VAが表示されるエリアである。
同図においては、パラメータ表示エリアAR30において駆動時間表示エリアAR31-1が強調表示された状態となっている例が示されている。このように駆動時間表示エリアAR31-1が強調表示された状態は、駆動制御パラメータ(駆動時間[TIME]、速度[SPEED]、及び加速度[ACCEL])のうち、駆動時間[TIME]がパラメータ値の変更対象として選択されていることを示す。
パラメータ表示エリアAR30は、駆動制御パラメータ(駆動時間[TIME]、速度[SPEED]、及び加速度[ACCEL])のいずれが変更対象として選択されているかに応じて、駆動時間表示エリアAR31-1、速度表示エリアAR31-2、加速度表示エリアAR31-3のうちのいずれかが強調表示されている状態にある。
なお、強調表示の態様として、同図では、選択対象の個別パラメータ表示エリアAR31を他の個別パラメータ表示エリアAR31に対して明暗を反転させた表示としている。強調表示の態様としては、特に限定されるものではなく、例えば、選択対象の個別パラメータ表示エリアAR31の枠や文字を太くするなどしたり、カラー表示の場合には、背景色あるいは文字色を変更したりしてもよい。
なお、電動ジギングモードがオンとされたことに応じて初期表示されたときのパラメータ表示エリアAR30においては、例えば、最後に電動ジギングモードをオフとしたときの状態を引き継いで個別パラメータ表示エリアAR31の強調表示が行われるようにされてよい。あるいは、予め定められた特定の駆動制御パラメータに対応する個別パラメータ表示エリアAR31が強調表示されていてもよい。
電動ジギングモードにおいて図5の状態のパラメータ表示エリアAR30が表示されているとき、ユーザは、以下に説明する操作によって、変更対象として選択されている駆動時間[TIME]のパラメータ値(駆動時間パラメータ値VT)を変更することができる。
この場合、ユーザは、操作部101における第1ボタン111-1を押圧した状態を継続させる。つまり、ユーザは、第1ボタン111-1について押圧操作が継続される操作継続状態とする。これにより、魚釣用電動リール1は、第2ボタン111-2または第3ボタン111-3に対する操作を、パラメータ値を変更する操作として受け付け可能となる。
ユーザは、駆動時間パラメータ値VTを増加させる場合には、第1ボタン111-1を押圧した状態を継続させながら、第2ボタン111-2を操作する。第2ボタン111-2が1回押圧されるごとに、駆動時間パラメータ値VTがインクリメントされるように増加する。
また、ユーザは、駆動時間パラメータ値VTを減少させる場合には、第1ボタン111-1を押圧した状態を継続させながら、第3ボタン111-3を操作する。第3ボタン111-3が1回押圧されるごとに、駆動時間パラメータ値VTがデクリメントされるように減少する。
なお、ユーザが第2ボタン111-2を長押ししたことに応じて、第2ボタン111-2の押圧が解除されるまで駆動時間パラメータ値VTが連続的にインクリメントされてよい。また、ユーザが第3ボタン111-3を長押ししたことに応じて、第3ボタン111-3の押圧が解除されるまで駆動時間パラメータ値VTが連続的にデクリメントされてよい。
駆動時間表示エリアAR31-1においては、上記の操作により変更された駆動時間パラメータ値VTが反映されるようにして表示が行われる。これにより、ユーザは、自分の操作によって変更された駆動時間パラメータ値VTを確認できる。
ユーザは、上記のように駆動時間パラメータ値VTを所望の値に変更すると、これまで継続させていた第1ボタン111-1の押圧を解除する。これにより、魚釣用電動リール1は、駆動時間パラメータ値VTを変更する第2ボタン111-2と第3ボタン111-3に対する操作を受け付け不可とする。また、魚釣用電動リール1は、駆動時間パラメータ値VTを、第1ボタン111-1の押圧が解除されたときに駆動時間表示エリアAR31-1にて表示されていた値で確定させて、駆動制御パラメータの設定を完了させる。
なお、第1ボタン111-1が押圧されている状態においては、魚釣用電動リール1は、巻き上げスイッチ112に対する操作を無効としてよい。つまり、第1ボタン111-1が押圧されている状態においては、ユーザが上側スイッチ部112aを操作してもスプール4は回転せず、下側スイッチ部112bを操作しても自動さそい動作は行われないようにされてよい。
これにより、スプール4が回転中の状態において駆動制御パラメータが変更されることによりスプール4の回転が不安定となることを防ぐことができる。
また、電動ジギングモードにおいて、ユーザは、パラメータ値の変更対象とする駆動制御パラメータを以下の操作によって選択することができる。
ユーザは、電動ジギングモードにおいて、第1ボタン111-1については押圧せずに、第2ボタン111-2または第3ボタン111-3に対する操作を行う。
ユーザが第2ボタン111-2を1回押圧するごとに、パラメータ表示エリアAR30において、これまで強調表示されていた個別パラメータ表示エリアAR31の1つ上段の個別パラメータ表示エリアAR31が強調表示される状態に変化する。新たに強調表示された個別パラメータ表示エリアAR31に対応する駆動制御パラメータが、パラメータ値の変更対象として選択されることになる。
なお、最も上段の個別パラメータ表示エリアAR31が強調表示された状態において、第2ボタン111-2を1回押圧する操作が行われた場合、当該操作は無効とされてもよいし、巡回により最も下段の個別パラメータ表示エリアAR31が強調表示される状態に変化してもよい。
また、ユーザが第3ボタン111-3を1回押圧するごとに、パラメータ表示エリアAR30において、これまで強調表示されていた個別パラメータ表示エリアAR31の1つ下段の個別パラメータ表示エリアAR31が強調表示される状態に変化する。この場合にも、新たに強調表示された個別パラメータ表示エリアAR31に対応する駆動制御パラメータが、パラメータ値の変更対象として選択されることになる。
なお、最も下段の個別パラメータ表示エリアAR31が強調表示された状態において、第3ボタン111-3を1回押圧する操作が行われた場合、当該操作は無効とされてもよいし、巡回により最も上段の個別パラメータ表示エリアAR31が強調表示される状態に変化してもよい。
このようにして、本実施形態の魚釣用電動リール1は、駆動時間[TIME]、速度[SPEED]、及び加速度[ACCEL]それぞれの駆動制御パラメータのパラメータ値を変更する操作(パラメータ変更操作)が可能とされている。
そのうえで、上記の駆動制御パラメータのパラメータ値を変更する操作は、電動ジギングモードがオンとされている状態のもとで行われる。つまり、ユーザは、例えば電動ジギングモードから駆動制御パラメータを変更する設定モードに変更する操作を行うことなく、電動ジギングモードのもとで駆動制御パラメータのパラメータ値を変更する操作を行うことができる。これにより、ユーザは、実釣中においても自動さそい動作の駆動制御パラメータを迅速に変更できる。
また、パラメータ値を変更する操作と、パラメータ値の変更対象となる駆動制御パラメータを選択する操作とは、いずれも第2ボタン111-2と第3ボタン111-3とを用いるようにされている。このようにパラメータ値を変更する操作と、駆動制御パラメータを選択する操作とで共通の操作子が用いられるようにすることで、魚釣用電動リール1に設ける操作子の数を節減できる。
[魚釣用電動リールの機能構成例]
図7を参照して、魚釣用電動リール1の機能構成例について説明する。同図において、図1、図2と同一部分には、同一符号を付して適宜説明を省略する。
同図の魚釣用電動リール1は、操作部101、表示部102、制御部103、記憶部104、モータ駆動回路105、モータ8、スプール4、回転センサ106を備える。
制御部103は、魚釣用電動リール1における各種の制御を実行する。制御部103としての機能は、魚釣用電動リール1が備えるCPU(Central Processing Unit)がプログラムを実行することにより実現される。
制御部103は、パラメータ設定部131、スプール駆動制御部132、算出部133、表示制御部134、及び時間計測部135を備える。
パラメータ設定部131は、操作部101に対して行われた操作に応じて、駆動制御パラメータの各パラメータ値を設定する。
スプール駆動制御部132は、駆動制御情報に基づいて、スプール4の駆動制御を実行する。
算出部133は、釣糸の巻き上げに対応する回転方向によるスプール4に与えられる所定の一連の動作が開始されてから終了するまでにおけるスプール4の回転状態に基づいて、上記の一連の動作を行うスプール4により釣糸が巻き上げられた巻上距離を算出する。
具体的に、算出部133は、電動ジギングモードにおいて電動マニュアルジギングが行われた場合には、上側スイッチ部112aの押圧が開始されることに応じてスプール4が回転し、その後に上側スイッチ部112aの押圧が解除されることに応じてスプール4の回転が停止したことにより生じる巻上距離を算出する。
また、算出部133は、電動ジギングモードにおいて自動さそい動作のために下側スイッチ部112bの1クリック操作が行われた場合には、駆動制御情報に従ってスプール4の回転が開始され、その後にスプール4の回転が停止したことに応じて生じる巻上距離を算出する。
表示制御部134は、表示部102における表示を制御する。表示制御部134は、電動ジギングモードにおいて、算出部133により算出された巻上距離に基づく水深差を、速度・水深差エリアAR10に表示させることができる。
時間計測部135は、電動ジギングモードの自動さそい動作に対応してスプール4の回転が開始されてから停止するまでの時間を計測する。
記憶部104は、魚釣用電動リール1に対応する各種の情報を記憶する。記憶部104は、駆動制御情報記憶部141、デューティ比記憶部142、中間巻き上げ速度記憶部143、及び糸長・スプール回転位置テーブル記憶部144を備える。
駆動制御情報記憶部141は、駆動制御情報を記憶する。駆動制御情報は、自動さそい動作においてスプール4を駆動制御するのに利用される情報である。駆動制御情報には、前述のように、駆動時間[TIME]、速度[SPEED]、及び加速度[ACCEL]の駆動制御パラメータが含まれる。
デューティ比記憶部142は、加速度パラメータ値VAに対応するモータ駆動信号のデューティ比を記憶する。具体的に、デューティ比記憶部142は、加速度パラメータ値VA_H、VA_M、VA_Lごとに対応させて初期デューティ比dh、dm、dlを記憶する。
なお、デューティ比記憶部142は、速度パラメータ値VSごとに対応して定速対応デューティ比が定められている場合には、速度パラメータ値VSごとに定速対応デューティ比を対応付けて記憶してもよい。
中間巻き上げ速度記憶部143は、中間巻き上げ速度を記憶する。中間巻き上げ速度は、電動ジギングモードにおいて、上側スイッチ部112aが押圧されたことに応じてスプール4を回転駆動させる際に指定されるスプール4の回転速度についてのパラメータである。中間巻き上げ速度は、例えば、ユーザが操作を行うことで、スプール4の最大回転速度よりも低い範囲で任意に設定可能とされる。
糸長・スプール回転位置テーブル記憶部144は、糸長・スプール回転位置テーブルを記憶する。糸長・スプール回転位置テーブルは、スプール4の回転位置(スプール回転位置)ごとに対応させてスプール4に巻き付けられた釣糸の長さ(糸長)を示すテーブルである。スプール回転位置は、釣糸が巻きはじめられてから巻き終わるまでに回転センサ106により検出されるスプール4の通算の回転数の値が対応する。ここでの回転数とは、スプール4が1回転した回数を示す。
糸長・スプール回転位置テーブルは、制御部103による水深の算出、算出部133による巻上距離の算出等に利用される。
スプール回転位置ごとに対応するスプール4の単位回転数あたりの糸長は、一次直線に近似するものとして定義することができる。このことに基づいて、制御部103は、一例として、スプール4に釣り糸を巻き付ける際に糸巻が終了したスプール回転位置から引き出したときの糸長とスプール回転数との関係、巻き付けの際のスプール総回転数とにより、一次直線を求める。制御部103は、一次直線を積分処理することで糸長とスプール回転位置との関係を求める。このように求められた糸長とスプール回転位置との関係が糸長・スプール回転位置テーブルとして格納される。糸長・スプール回転位置テーブルを利用して算出される水深、釣糸巻上距離は、スプール回転位置に応じた糸巻径の変化が反映されたものとなる。
モータ駆動回路105は、スプール駆動制御部132の制御に応じてモータ8を駆動する。スプール駆動制御部132は、PWM制御によりモータ駆動信号のパルス幅のデューティ比を変化させることでモータ8の回転速度を変化させる。
回転センサ106は、スプール回転位置、スプール回転数、スプール4の回転速度(スプール回転速度)等を検出する。
[処理手順例]
図8のフローチャートを参照して、魚釣用電動リール1が、電動ジギングモードがオンとされた状態のもとでの巻き上げスイッチ112に対する操作に応じて実行する処理手順例について説明する。
ステップS101:魚釣用電動リール1においてスプール駆動制御部132は、巻き上げスイッチ112における上側スイッチ部112aに対する押圧操作が開始されたか否かを判定する。電動ジギングモードにおいては、前述のように、上側スイッチ部112aに対する押圧が継続されている間において、スプール4が回転駆動され、釣糸の巻き上げが行われる。
ステップS102:上側スイッチ部112aに対する押圧操作が開始されたことを判定すると、スプール駆動制御部132は、上側スイッチ部112aに対する押圧操作とともに、第1ボタン111-1が押圧された状態にあるか否かを判定する。
第1ボタン111-1が押圧された状態にあると判定された場合には、駆動制御パラメータの変更(インクリメント)が行われることになるが、同図では、駆動制御パラメータの変更の手順については便宜上省略し、ステップS112に処理が遷移するようにしている。この場合には、ステップS104がスキップされることとなってスプール4が回転駆動されないため、釣糸の巻き上げは行われない。つまり、スプール駆動制御部132は、第1ボタン111-1が押圧された状態のもとでは、上側スイッチ部112aを押圧する操作を、スプール4を回転させる操作として受け付けないようにされる。
ステップS103:第1ボタン111-1が押圧された状態にないと判定された場合、算出部133は、ステップS101に対応して上側スイッチ部112aの押圧操作が開始されたタイミングに対応して回転センサ106により検出されるスプール回転位置(開始時スプール回転位置)を取得する。
ステップS104:スプール駆動制御部132は、中間巻き上げ速度記憶部143が記憶する中間巻き上げ速度でスプール4を回転駆動するための駆動制御を開始する。
ステップS105:中間巻き上げ速度でステップS104によりスプール4を回転駆動するための駆動制御を開始させた後、スプール駆動制御部132は、押圧された状態にある上側スイッチ部112aにて検出される押力が増加するように変化したか否かを判定する。
ステップS106:押力が増加するように変化したことが判定された場合、スプール駆動制御部132は、スプール4の回転速度について現在よりも高い所定値を設定し、スプール4を回転駆動する。なお、現在のスプール4の回転速度が最大となっている場合には、ステップS106の処理がスキップされてよい。
ステップS107:スプール駆動制御部132は、これまで継続されていた上側スイッチ部112aの押圧された状態が解除されたか否かを判定する。
上側スイッチ部112aの押圧された状態が解除されていないと判定された場合には、ステップS105に処理が戻される。
ステップS108:ステップS107にて上側スイッチ部112aの押圧された状態が解除されたことが判定されると、スプール駆動制御部132は、スプール4の回転駆動を停止させる。
ステップS109:算出部133は、ステップS108によりスプール4の回転駆動が停止されたときに対応して回転センサ106により検出されるスプール回転位置(停止時スプール回転位置)を取得する。
ステップS110:算出部133は、今回の上側スイッチ部112aに対する押圧操作に応じてスプール4が回転駆動されたことによって巻き上げられた釣糸の長さ(巻上距離)を算出する。このために、算出部133は、ステップS104にて取得された開始時スプール回転位置からステップS109にて取得された停止時スプール回転位置までに対応するスプール回転位置ごとの糸長を糸長・スプール回転位置テーブルから取得する。算出部133は、取得したスプール回転位置ごとの糸長の積算結果に基づいて巻上距離を算出する。このようにして、算出部133は、開始時スプール回転位置と停止時スプール回転位置(スプール4の回転状態の一例)を用いて糸長・スプール回転位置テーブルから取得した糸長を積算することで巻上距離を算出することができる。開始時スプール回転位置と停止時スプール回転位置は、スプール4が上側スイッチ部112aに対する押圧操作に応じて回転されることによって得られることから、スプール4の一連の動作が開始されてから終了するまでにおけるスプール4の回転状態の1例となる。
ステップS111:ステップS110により巻上距離が算出されたことに応じて、表示制御部134は、回転速度の段階数に代えて、ステップS110により算出された巻上距離に基づく水深差を速度・水深差エリアAR10に表示させる。このように表示される水深差は、電動マニュアルジギングとしてユーザが上側スイッチ部112aの押圧操作を開始したときの水深と、上側スイッチ部112aの押圧操作を解除したときの水深との差分を示すものとなる。
表示制御部134は、ステップS110により算出された巻上距離に基づいて水深を表示するにあたり、巻上距離として算出された値の所定の小数点以下を四捨五入するなどして丸めた値を水深差としてよい。これにより、実用的で見やすい桁数により水深差をユーザに提示することができる。
ステップS112:ステップS101にて上側スイッチ部112aに対する押圧操作が開始されないことが判定された場合、あるいはステップS102にて第1ボタン111-1が押圧された状態にあることが判定された場合、あるいはステップS111の処理の後、スプール駆動制御部132は、下側スイッチ部112bを1回押圧する操作が行われたか否かについて判定する。下側スイッチ部112bを1回押圧する操作は、1回の自動さそい動作の実行を指示する操作である。
下側スイッチ部112bを1回押圧する操作が行われないと判定された場合には、ステップS101に処理が戻される。
ステップS113:下側スイッチ部112bを1回押圧する操作が行われたことが判定された場合、スプール駆動制御部132は、下側スイッチ部112bを1回押圧する操作とともに、第1ボタン111-1が押圧された状態にあったか否かを判定する。
第1ボタン111-1が押圧された状態にあったことが判定された場合には、駆動制御パラメータの変更(デクリメント)が行われることになるが、同図では、駆動制御パラメータの変更の手順については便宜上省略し、ステップS101に処理が戻されるようにしている。このように、スプール駆動制御部132は、第1ボタン111-1が押圧された状態のもとでは、下側スイッチ部112bを1回押圧する操作を、自動さそい動作の実行を指示する操作として受け付けないようにされる。
ステップS114:第1ボタン111-1が押圧された状態にないと判定された場合、算出部133は、ステップS112に対応して下側スイッチ部112bの押圧操作が行われたタイミングに対応する開始時スプール回転位置を取得する。
ステップS115:ステップS109にて第1ボタン111-1が押圧された状態にないことが判定された場合、スプール駆動制御部132は、駆動制御情報記憶部141が記憶する駆動制御情報に含まれる駆動制御パラメータと、デューティ比記憶部142が記憶する加速度パラメータ値VA対応のデューティ比とに従ってスプール4を回転駆動させる。これにより、下側スイッチ部112bを1回押圧する操作に応じた1回の自動さそい動作が実行される。
図9のフローチャートは、図8のステップS115としての駆動制御パラメータ対応スプール駆動制御の処理手順例を示している。
ステップS1101:スプール駆動制御部132は、現在設定されている加速度パラメータ値VAに対応する初期デューティ比を、デューティ比記憶部142から取得する。
ステップS1102:スプール駆動制御部132は、取得した初期デューティ比によりモータ8の駆動を開始させる。図4(A)、図4(B)に示されるように、時刻t0にてモータ8の駆動が開始されることに応じて、タイムラグを経た時刻t1からスプール4が回転を開始する。
ステップS1103:また、ステップS1102によるモータ8の駆動の開始とともに、時間計測部135は、駆動継続時間Tの計測を開始する。
ステップS1104:スプール駆動制御部132は、現在において計測される駆動継続時間Tが、駆動時間パラメータ値VT以上となったか否かを判定する。つまり、スプール駆動制御部132は、ステップS1102によりモータ8の駆動を開始させたタイミングからの経過時間の値が駆動時間パラメータ値VTに到達したか否かを判定する。
ステップS1105:駆動継続時間Tが駆動時間パラメータ値VTに到達していないと判定された場合、スプール駆動制御部132は、現在において検出されるスプールの回転速度vspが目標回転速度vtgに到達したか否かを判定する。
スプールの回転速度vspが目標回転速度vtgに到達していないと判定された場合には、ステップS1104に処理が戻される。
ステップS1106:スプールの回転速度vspが目標回転速度vtgに到達した場合には、スプール駆動制御部132は、そのままスプールの回転速度vspが目標回転速度vtgで維持されるように定速制御を実行する。この際、スプール駆動制御部132は、スプールの回転速度vspが目標回転速度vtgとなるようにモータ駆動信号のデューティ比を制御する。当該ステップS1106の処理の後は、ステップS1104に処理が戻される。
ステップS1107:ステップS1104にて駆動継続時間Tが駆動時間パラメータ値VTに到達したと判定された場合、スプール駆動制御部132は、モータ駆動を停止させる。ステップS1107の処理の後は、図8のステップ116に移行する。なお、時間計測部135は、ステップS1104にて駆動継続時間Tが駆動時間パラメータ値VTに到達したと判定されたことに応じて、駆動継続時間Tの計測を停止し、計測された駆動継続時間Tをリセットしてよい。
説明を図8に戻す。
ステップS116:算出部133は、ステップS110によるモータ駆動停止によってスプール4の駆動が停止されたときに対応するスプール回転位置(停止スプール回転位置)を取得する。
ステップS117:算出部133は、今回の下側スイッチ部112bに対する押圧操作に応じた自動さそい動作としてスプール4が回転駆動されたことによる巻上距離を算出する。
ステップS118:表示制御部134は、ステップS117により算出された巻上距離に基づく水深差を速度・水深差エリアAR10に表示させる。ステップS118の処理の後は、ステップS101に処理が戻される。
なお、ステップS111、S118にて表示される水深差は、所定のトリガの発生に応じて消去されてよい。例えば、表示制御部134は、ステップS111、S118により水深差を表示させた後において、所定時間が経過したことをトリガとして水深差の表示を消去させてよい。水深差の表示が消去されたことに応じて、速度・水深差エリアAR10には、そのときに設定されているスプール4の回転速度を示す段階数の表示に切り替えられてよい。
また、表示制御部134は、ステップS111、S118により水深差を表示させた後において、次の電動マニュアルジギングに対応する上側スイッチ部112aの押圧操作、あるいは自動さそい動作に対応する下側スイッチ部112bの押圧操作が行われたことをトリガとして消去するようにされてよい。つまり、表示制御部134は、巻上距離の算出対象となる次のスプール4の駆動を開始させる操作が行われたことに応じて、水深差の表示を消去するようにされてよい。
以上説明した本実施形態の構成によれば、電動ジギングモードにおいては、上側スイッチ部112aの継続的押圧操作による電動マニュアルジギングと、下側スイッチ部112bの1回の押圧操作による自動さそい動作が可能とされている。このような電動マニュアルジギングと、自動さそい動作は、釣法としては、それぞれ1ジャークに対応する。本実施形態においては、このような1ジャークが行われる都度に、1ジャークにより釣糸が巻き上げられたことに応じた仕掛けの水深差が表示部102にて表示される。表示される水深差は、例えば所定の小数位までによるメートル単位の数値により示される。これにより、ユーザは、自分が電動ジギングモードのもとで行った1ジャークに応じて仕掛けの水深がどれだけ変化した(浅くなった)のかを的確に把握できる。例えば、表示部102の水深エリアAR20には、仕掛けの水深が表示されている。ユーザは、1ジャークを行う前に水深エリアAR20にて表示される水深から、1ジャークを行った後に水深エリアAR20にて表示される水深を自分で減算することで1ジャークに対応する水深差を把握できる。しかしながら、この場合には、ユーザが1ジャークを行った前後の水深を覚えたうえで、自分で計算をしなければならないため、迅速さや正確さに欠ける。これに対して、本実施形態であれば、ユーザは、1ジャークに対応する水深差を迅速かつ正確に把握することができる。
<変形例>
以下、本実施形態の変形例について説明する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わされてよい。
[第1変形例]
上記実施形態では、魚釣用電動リール1は、電動ジギングモードのもとで、電動マニュアルジギングとしてのスプール4の回転が停止された段階で水深差を表示する、あるいは自動さそい動作としてのスプール4の回転が停止された段階で水深差を表示するようにされていた。つまり、上記実施形態の魚釣用電動リール1は、電動ジギングモードのもとで、スプール4が回転を開始してから停止するまでの一連の動作(1ジャーク対応動作)が終了した段階で水深差を表示するようにされていた。
これに対して、本変形例の魚釣用電動リール1は、電動ジギングモードにおけるスプール4の1ジャーク対応動作が行われている間において、釣糸の巻き上げに応じて変化する水深差を表示するようにされてよい。
本変形例の算出部133は、電動マニュアルジギングの場合には、上側スイッチ部112aの押圧操作が開始されてスプール4の回転が開始されたことに応じて巻上距離の算出を開始し、この後の上側スイッチ部112aの押圧操作の解除によりスプール4の回転が停止されるまで巻上距離の算出を行う。表示制御部134は、電動マニュアルジギングとして上側スイッチ部112aの押圧操作の継続に応じてスプール4が回転している間、上記のように算出部133が算出する巻上距離に基づく水深差を速度・水深差エリアAR10に表示させる。
また、算出部133は、自動さそい動作の場合には、下側スイッチ部112bが1回押圧操作されてスプール4が駆動時間パラメータ値VTに対応する時間にわたって回転されている間において巻上距離の算出を行う。表示制御部134は、上記のように自動さそい動作に応じてスプール4が回転している間、上記のように算出部133が算出する巻上距離に基づく水深差を速度・水深差エリアAR10に表示させる。
上記のようにして電動マニュアルジギングまたは自動さそい動作が行われる間に表示される水深差の数値は、スプール4の回転により釣糸が巻き上げられていくことに応じて、例えばゼロから増加していくように変化するものとなる。
なお、表示制御部134は、本変形例のように時間経過に応じて数値を変化させるようにして水深差を表示するにあたり、一例として0m、0.1m、0.3m・・・といったように、所定の長さ)単位で数値を変化させるようにしてもよい。例えば、算出部133がセンチメートル単位で巻上距離を算出可能である場合に、表示制御部134が算出された巻上距離をそのまま表示させた場合には、水深差が短時間で細かく変化してしまうため、ユーザにとって見づらい場合がある。そこで、上記のように所定の長さ単位で水深差が変化するように表示させることで、時間経過に伴って変化する水深差の値をユーザが把握しやすくなる。
[第2変形例]
例えば、スプール4の単位回転数(単位回転回数)に対応する所定の糸長(単位糸長)が定められたうえで、算出部133は、スプール4の一連の動作のもとで回転センサ106により検出されるスプール4の回転数と単位糸長とに基づいて、巻上距離を算出してよい。このようにスプール4の一連の動作のもとで回転センサ106により検出されるスプール4の回転数も、スプール4の一連の動作が開始されてから終了するまでにおけるスプール4の回転状態の一例となる。
[第3変形例]
本変形例の魚釣用電動リール1は、電動ジギングモードにおいてスプール4が一連の動作を行っている期間に対応する時間を、水深差とともに表示部102にて表示してよい。このように表示される時間は、1ジャークが行われる時間(ジャーク所要時間)に対応する。
ジャーク所要時間の表示として、魚釣用電動リール1は、電動ジギングモードにおいてスプール4が1ジャーク対応動作を終了した段階で、当該1ジャーク対応動作が行われた時間の長さを表示させてもよいし、1ジャーク対応動作が行われている間において計測している時間を表示させてもよい。
ジャーク所要時間の表示についても、水深差と同様に所定のトリガの発生に応じて消去されるようにしてよい。
[第4変形例]
本変形例の魚釣用電動リール1は、電動ジギングモードにおける電動マニュアルジギングの場合と自動さそい動作とのいずれか一方において水深差の表示を行うようにしてよい。
同様に、本変形例の魚釣用電動リール1は、電動ジギングモードにおける電動マニュアルジギングの場合と自動さそい動作とのいずれか一方において、第3変形例のジャーク所要時間の表示を行うようにしてよい。
[第5変形例]
本変形例の魚釣用電動リール1は、電動ジギングモードが設定されていない状態において、ユーザがハンドル3を操作しながらジャークによるさそい(ハンドル操作ジギング)を行っているときにも、水深差の表示を行うようにされてよい。この場合、算出部133は、ハンドル3により釣糸を巻き上げる操作の開始に応じてスプール4の回転が開始されてからスプール4の回転が停止されるまでの間に対応して巻上距離を算出し、表示制御部134が算出された巻上距離に基づく水深差の表示を行うようにされてよい。本変形例のもとでも、魚釣用電動リール1は、スプール4の回転が停止された段階で水深差を表示してもよいし、スプール4が回転しているときに釣糸の巻き上げに応じて変化する水深差を表示してもよい。
また、ハンドル操作ジギングのときにも、ジャーク所要時間が表示されるようにしてよい。
したがって、本実施形態の水深差、ジャーク所要時間等を表示する構成は、スプールをモータで駆動しない、非電動の魚釣用リールにも適用可能である。
[第6変形例]
上記実施形態において、算出部133による巻上距離の算出の対象となるスプール4の一連の動作は、1ジャークに対応する1回のスプール4の回転の開始から停止までの動作であった。しかしながら、算出部133による巻上距離の算出の対象となるスプール4の一連の動作は、上記のようなスプール4の動作に限定されない。例えば連続する複数回のジャークに対応して、スプール4の回転開始から停止までの動作の複数回の連続を、算出部133による巻上距離の算出の対象としてもよい。
一具体例として、魚釣用電動リール1は、自動さそい動作として、速度[SPEED]、駆動時間[DRIVE_TIME]、及び停止時間[STOP_TIME]の駆動制御パラメータを設定可能とされる。魚釣用電動リール1は、自動さそい動作の開始を指示する操作に応じて、速度[SPEED]により駆動時間[DRIVE_TIME]にわたってスプール4を回転させ、駆動時間[DRIVE_TIME]が経過すると停止時間[STOP_TIME]によりスプール4の回転を停止させる、という動作を繰り返し実行する。魚釣用電動リール1は、自動さそい動作の終了を指示する操作に応じて、スプール4の回転を停止させる。このような自動さそい動作が行われる場合には、自動さそい動作の開始を指示する操作が行われてから終了を指示する操作が行われるまでに得られるスプール4の回転の動作を、巻上距離の算出対象となるスプール4の一連の動作としてよい。
[第7変形例]
上記実施形態において、変更対象のパラメータの選択や変更対象の駆動制御パラメータのパラメータ値の変更の操作には、2つの第2ボタン111-2及び第3ボタン111-3がそれぞれアップボタン、ダウンボタンとして用いられていた。
しかしながら、変更対象のパラメータの選択や変更対象の駆動制御パラメータのパラメータ値の変更の操作に用いられる操作子の数は、2つに限定されるものではなく、例えば1つであってもよい。
操作子が1つである場合として、当該操作子がボタンである場合には、1回押圧操作されるごとに、選択される変更対象のパラメータ、あるいはパラメータ値が巡回的に変更されるようにしてよい。また、当該操作子がレバー等である場合には、所定の一方向にレバーを位置させることに応じて正順で変更対象のパラメータ、あるいはパラメータ値が変更され、もう1つの方向にレバーを位置させることに応じて逆順で変更対象のパラメータ、あるいはパラメータ値が変更されてよい。
[第8変形例]
上記実施形態においては、ボタン111(第1ボタン111-1、第2ボタン111-2、第3ボタン111-3)は、物理的な操作子として設けられた例を挙げている。しかしながら、ボタン111は、例えばタッチパネルとしての表示部102において表示される画像としての操作子であってよい。
なお、上記実施形態における魚釣用電動リール1としての機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述の魚釣用電動リール1としての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
1 魚釣用電動リール、4 スプール、8 モータ、41 表示操作パネル、101 操作部、102 表示部、103 制御部、104 記憶部、105 モータ駆動回路、106 回転センサ、131 パラメータ設定部、132 スプール駆動制御部、133 算出部、134 表示制御部、135 時間計測部、141 駆動制御情報記憶部、142 デューティ比記憶部、143 中間巻き上げ速度記憶部、144 糸長・スプール回転位置テーブル記憶部

Claims (8)

  1. 釣糸の巻き上げに対応する回転方向によるスプールに与えられる所定の一連の動作が開始されてから終了するまでにおけるスプールの回転状態に基づいて、前記一連の動作を行う前記スプールにより釣糸が巻き上げられた巻上距離を算出する算出部と、
    前記算出部が算出する巻上距離に基づく表示が表示部にて行われるようにする表示制御部と
    を備える魚釣用リールの表示制御装置。
  2. 前記表示制御部は、前記一連の動作が終了したときに対応して前記算出部が算出した巻上距離に基づいて、前記一連の動作が開始されたときから前記一連の動作が終了したときまでに対応する仕掛け位置の水深の差分を前記表示部に表示させる
    請求項1に記載の表示制御装置。
  3. 前記表示制御部は、前記一連の動作が行われている間において前記算出部が算出する巻上距離に基づく表示が前記表示部にて行われるようにする
    請求項1または2のいずれか一項に記載の表示制御装置。
  4. 前記算出部は、一連の動作が開始されてから終了するまでにおけるスプールの回転位置に対応する前記スプールの糸巻径に基づいて前記巻上距離を算出する
    請求項1から3のいずれか一項に記載の表示制御装置。
  5. 前記一連の動作の開始から終了までの時間を計測する時間計測部を備え、
    前記表示制御部は、前記巻上距離に基づく表示とともに、前記時間計測部により計測された時間に基づく表示が前記表示部にて表示されるように制御する
    請求項1から4のいずれか一項に記載の表示制御装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の表示制御装置を備えた魚釣用リール。
  7. 釣糸の巻き上げに対応する回転方向によるスプールに与えられる所定の一連の動作が開始されてから終了するまでにおけるスプールの回転状態に基づいて、前記一連の動作を行う前記スプールにより釣糸が巻き上げられた巻上距離を算出する算出ステップと、
    前記算出ステップが算出する巻上距離に基づく表示が表示部にて行われるようにする表示制御ステップと
    を備える魚釣用リールの表示制御方法。
  8. 魚釣用リールの表示制御装置としてのコンピュータを、
    釣糸の巻き上げに対応する回転方向によるスプールに与えられる所定の一連の動作が開始されてから終了するまでにおけるスプールの回転状態に基づいて、前記一連の動作を行う前記スプールにより釣糸が巻き上げられた巻上距離を算出する算出部、
    前記算出部が算出する巻上距離に基づく表示が表示部にて行われるようにする表示制御部
    として機能させるための表示制御プログラム。
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