JPH0923769A - 植物栽培用具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロックウールは燃えず、腐敗もしないため、
使用後に空き地に放置すると公害となり、使用後の廃棄
処分に適当な方法がなく、その処理に困惑している。ウ
レタン、スポンジ等は植物栽培用にわざわざ成型しなけ
ればならず、その分コスト高になる。 【解決手段】 請求項１では軟質発泡体の成型時に生ず
る成型屑、裁断時に生ずる裁断屑等の軟質発泡体屑を裁
断してなる裁断片１を集めて、加圧すると共に接着剤で
接着して植物の栽培に適した所望形状に成形してなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は葉菜植物、果菜植物
等の各種植物の栽培（育苗を含む）に使用できる植物栽
培用具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】植物の栽培方法には各種方法があり、近
年はロックウール栽培、水耕栽培などがある。ロックウ
ール栽培は図６に示す様に栽培用ベッドＡ内に任意の間
隔でロックウール（製鉄時に発生する鉄繊維屑）製のブ
ロックＢを配置し、そのロックウールブロックＢの上に
植物Ｃを育苗したロックウール製の育苗ブロックＤを設
置し、ロックウールブロックＢの上に配管した給水パイ
プＥからロックウールブロックＢに液肥を所定時に間欠
的に供給して植物Ｃを栽培するものである。水耕栽培は
図示されてないが液肥を流す栽培ベッドの上に定植板を
セットし、定植板に開けられた穴に、苗を植え付けたウ
レタン、スポンジ製の育苗ブロックＤを差込んで栽培す
るものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ロックウールＢは吸水
性、保水性等に優れるため植物の栽培に適し、しかも製
鉄時に生ずる繊維屑であるため安価である。しかし、ロ
ックウールＢは燃えず、腐敗もしないため、使用後に空
き地に放置すると公害となり、現状では使用後の廃棄処
分に適当な方法がなく、その処理に困惑している。この
ためヨーロッパの一部の国においてはロックウールＢの
使用後の廃棄処分の責任をメーカー或は販売者に持たせ
ている。

【０００４】ポリウレタン、スポンジ、ポリエチレン等
の軟質発泡体は吸水性、保水性等に優れ、植物の栽培に
適し、空き地等に廃棄すると時間の経過と共に腐敗状態
になるので、公害の心配も無く、これといった難点はな
い。しかし、しいて挙げれば、植物栽培用にわざわざ成
型しなければならず、その分コスト高になる。

【０００５】本発明の目的は、軟質発泡体であって、し
かもわざわざ所定形状に成型した軟質発泡体ではなく、
所定形状の軟質発泡体を成型するときに発生する成型
屑、軟質発泡体を何らかの用途に使用するために切断す
ることにより生ずる切断屑等の屑（通常は廃棄処分され
る屑）を植物栽培に利用して有効活用することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明のうち請求項１の
植物栽培用具は、軟質発泡体の成型時に生ずる成型屑、
裁断時に生ずる裁断屑等の軟質発泡体屑を裁断してなる
裁断片１を、図１に示す様に集めて加圧して接着剤で接
着して植物の栽培に適した所望形状に成形してなるもの
である。

【０００７】

【発明の実施の形態】図１に示す植物栽培用具は軟質発
泡体屑を裁断してなる裁断片１を多数集め、それに接着
剤をまぶし、加圧して接着して立方体のブロックに整形
したものである。この場合、接着剤には裁断片１が接着
し易くなるように、軟質発泡体と同じ性質或は種類のも
のを使用するのが好ましい。

【０００８】軟質発泡体にはポリウレタン、ポリエチレ
ン、スポンジ等があり、これらの軟質発泡体屑として
は、工場で軟質発泡体を成型する時にできる屑とか、軟
質発泡体をソファー、マットレス等の充填材として使用
する場合にそれらの寸法に合わせて裁断するときに生ず
る屑とかを使用する。

【０００９】裁断片１の寸法は用途、それを接着して得
られる植物栽培用具の形状や寸法等に合わせて任意に選
択することができる。裁断片１の寸法、形状等は全て一
定である必要は無く、所望形状に加圧接着するのに適し
たものであれば不均一であってもよい。

【００１０】裁断片１を接着して得られる植物栽培用具
の形状は、肉厚な板状、薄い板状、円柱状、円筒状等々
の所望形状に整形することができる。

【００１１】

【本発明の使用例】本発明の植物栽培用具はロックウー
ル栽培のロックウールの変わりに使用することができ
る。その場合は図２に示す様に、本発明の植物栽培用具
による直方体の栽培ブロック２を栽培用ベッド３の上に
任意の間隔で配置し、その栽培ブロック２の上に本発明
の植物栽培用具による直方体の育苗ブロック４を設置
し、栽培ブロック２の上に配管した給液管５から栽培ブ
ロック２に液肥を供給する。この場合の栽培ブロック２
のサイズとしては例えば縦１５ｃｍ、横１１．５ｃｍ、
高さ６ｃｍ程度に成形される。

【００１２】本発明の植物栽培用具を育苗ブロック４と
して使用する場合は、例えば図４に示す様に本発明の植
物栽培用具１０を大きめ（幅数１０ｃｍ〜１ｍ程度）に
整形し、それの上方から格子状に切込み６を入れて底部
が繋っている数ｃｍ角のサイコロ状に区分して分離可能
とし、各育苗ブロック４の上面中央部に十字状に切込み
を入れて播種部７を形成し、その播種部７に播種できる
ようにしておくのがよい。この播種部７を形成するとき
は切込みを育苗ブロック４の底面まで入れて苗８の根が
その底から下方に延び出し易くすることもできる。播種
部７は十字状の切込み以外でもよく、例えば表面中央部
を円弧状に窪ませたものでもよい。

【００１３】この育苗ブロック４の播種部７に播種して
発芽し、苗８が移植可能な状態まで生育したら図２のよ
うに栽培ブロック２上にのせたり、図５に示す様に水耕
栽培ベッド１１の上に設けた定植板１２の定植穴１３に
差込んだりする。

【００１４】

【発明の効果】本発明の植物栽培用具は次のような効果
がある。 ．従来は廃棄処分するだけであった大量の軟質発泡体
の屑を有効利用することができ、資源の有効利用に寄与
でき、安価でもある。 ．裁断片１を集めて加圧接着してなるため、裁断片１
間に適当な隙間が形成され、通気性、通水性が良くな
り、根の張りが良くなり、根腐れもしにくくなり、植物
の成長が促進される。 ．使用後に田畑に廃棄すると腐敗するので公害になら
ず、後処理に困らない。 ．軽量で持ち運び、取扱いが容易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の植物栽培用具の実施形態を示す斜視
図。

【図２】本発明の植物栽培用具を液肥栽培ベッド上に乗
せた状態を示す斜視図。

【図３】本発明の植物栽培用具を液肥栽培ベッド上に乗
せた状態の断面図。

【図４】本発明の植物栽培用具の育苗床の斜視図。

【図５】本発明の植物栽培用具を水耕栽培ベッド上に乗
せた状態を示す斜視図。

【図６】従来のロックウール栽培床を使用した液肥栽培
を表す斜視図。

【符号の説明】

１ 裁断片

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】軟質発泡体の成型時に生ずる成型屑、裁断
   時に生ずる裁断屑等の軟質発泡体屑を裁断してなる裁断
   片（１）を集めて、加圧すると共に接着剤で接着して植
   物の栽培に適した所望形状に成形してなることを特徴と
   する植物栽培用具。