JPH09237518A - 着色透明導電膜形成用組成物、着色透明導電膜の形成方法及び表示装置 - Google Patents

着色透明導電膜形成用組成物、着色透明導電膜の形成方法及び表示装置

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JPH09237518A
JPH09237518A JP35675896A JP35675896A JPH09237518A JP H09237518 A JPH09237518 A JP H09237518A JP 35675896 A JP35675896 A JP 35675896A JP 35675896 A JP35675896 A JP 35675896A JP H09237518 A JPH09237518 A JP H09237518A
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雅朗 浅野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カラーフイルターと透明電極との両方の機能
を有する着色透明導電膜の形成。 【解決手段】 加熱によって酸化物となる金属化合物、
黒色又は有彩色無機顔料及び液媒体とを含むことを特徴
とする着色着色透明導電膜形成用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、着色透明導電膜形
成用組成物、着色透明導電膜の形成方法及び表示装置に
関し、更に詳しくは塗工方法によって着色透明導電膜を
形成することができる着色透明導電膜形成用組成物、該
組成物を用いて任意のパターンの着色透明導電膜を形成
する方法及び表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プラズマディスプレイパネル(以
下PDPという)、液晶表示装置、エレクトロルミネッ
センス表示装置等の表示装置類の電極において、可視光
に対して高い透明性(透過性)を有する電極材料が使用
されている。従来このような透明性導電性材料として
は、例えば、酸化錫系、酸化亜鉛系、酸化アンチモン系
や酸化インジウム・酸化錫系(ITO)等が知られてい
る。これらの金属酸化物はガラスやセラミック基板上に
容易に膜を形成し、透明導電膜とすることができる。こ
のような透明導電膜の形成方法としては、例えば、真空
蒸着法、スパッタリング法、CVD法、及び塗工法等が
知られている。
【0003】上記従来方法において真空蒸着法、スパッ
タリング法、CVD法は、その膜形成装置が複雑で且つ
高価であり、コスト及び量産性において満足のいくもの
ではない。又、これらの問題点を解決する方法として、
所謂ゾル−ゲル法による塗工方法が提案されているが、
この塗工方法によって得られた透明導電膜は、その品質
において未だ十分良好なものとはいえない。
【0004】又、基板上に形成された透明導電膜をパタ
ーニングする方法としては、所謂ホトリソグラフ法が知
られている。即ち、従来のポジ型パターニング法におい
ては、基板上に形成された透明導電膜の表面にレジスト
(ポジ型感光性樹脂)を一様に塗工及び乾燥成膜して感
光層を形成し、該感光層に対して所定のパターンを有す
るマスクを介して露光を行い、露光部を現像液により除
去した後、非露光部のレジストをマスクとしてエッチン
グする方法が採用されている。更にネガ型パターニング
法においては、ネガ型感光性樹脂を使用し、上記と同様
にして露光し、非露光部を現像液により除去した後、露
光部のレジストをマスクとしてエッチングすることによ
りパターンを形成する方法が行われれている。
【0005】上記のような透明導電膜を有する表示装置
において、カラー画像を表示する場合には、画像表示面
を形成するガラス前面基板と前記透明電極との間に所謂
RGBのカラーマトリックスからなるカラーフィルター
を配置する必要があり、更に必要に応じて表示画像のコ
ントラストを向上させる目的でRGBの夫々の領域の境
界に遮光層が形成されている。このようなカラーフィル
ターを通して表示装置から発光される光をRGBの各色
に分光し、更にこれらのRGB光を任意の組み合わせで
加色混合することによってあらゆる色調のカラー画像を
表示することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記パターン状電極の
形成方法は広く行われている方法であるが、レジストの
保存性の問題、レジストの感度の問題、レジストの均一
塗工の問題、更には露光、現像というように問題のある
工程が多く、従って製造工程が繁雑化し、しかもコスト
が増大するという問題がある。このような問題を解決す
る方法として、透明導電膜を形成する成分を含む塗工液
を用いる塗工法を利用し、該塗工液を印刷方法によりパ
ターン状に印刷した後加熱処理する方法が考えられる
が、この方法ではミクロン単位或いはサブミクロン単位
の微細パターンの形成は困難であり、形成された微細パ
ターンはその精度の点で到底満足し得るものとは云えな
い。
【0007】又、従来の技術においては、カラー表示装
置に適用可能とするためには、透明電極とカラーフィル
ターとの組み合わせが必須であり、しかも該カラーフィ
ルターは僅かの欠陥も許容されず、その製造には厳格な
品質管理が要求される結果、コストがいきおい増大する
という問題がある。即ち、上記従来のの透明電極自体が
有する問題点と上記カラーフイルターの有する問題点と
が加重されているのである。
【0008】従って本発明の目的は、カラーフィルター
と透明電極との両方の機能を有する着色透明導電膜を容
易に形成することができると共に、高精度の微細パター
ンの形成も可能な着色透明導電膜形成用組成物、着色透
明導電膜の形成方法、及び該着色透明導電膜を有する表
示装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、加熱によって酸
化物となる金属化合物、黒色又は有彩色無機顔料及び液
媒体とを含むことを特徴とする着色透明導電膜形成用組
成物、該組成物を耐熱性基板上にパターン状に塗工し、
乾燥成膜する工程、形成された膜を加熱処理する工程を
含むことを特徴とする着色透明導電膜の形成方法、上記
組成物を耐熱性基板上に塗工し、乾燥成膜する工程、形
成された膜を所望のパターン状に露光してパターニング
する工程、及びパターニングされた膜を加熱処理する工
程を含むことを特徴とする着色透明導電膜の形成方法、
及び異なる複数種類の色光を発光し、表示面にカラー画
像を表示する表示装置において、その表示面の裏面に、
上記発光色に対応する色相の着色透明導電膜が上記方法
により形成されていることを特徴とする表示装置であ
る。
【0010】本発明によれば、本発明の組成物は着色透
明導電膜を構成する成分を含む。該組成物を耐熱性基板
上にパターン状に塗工又は印刷してパターン状の膜を形
成するか、又は本発明の組成物を耐熱性基板上に塗工し
て感光層を形成し、その状態でパターン露光及び現像す
る。上記印刷膜又はパターン現像された膜を加熱処理す
ると、パターンを形成している前駆体の膜は導電膜とな
り、着色透明導電膜が任意のパターン状に形成される。
【0011】又、本発明の別の導電膜形成用組成物は、
導電膜の前駆体として光に反応する官能基若しくは部位
(以下光官能基という)を有する金属化合物及び黒色又
は有彩色無機顔料を含む。該組成物を耐熱性基板上にパ
ターン状に印刷してパターン状の膜を形成するか、又は
該組成物を耐熱性基板上に塗工して感光層を形成し、そ
の状態でパターン露光すると、上記金属化合物の光官能
基が金属原子から離脱して、露光部分は現像液に不溶性
に変化する。非露光部を現像液によって除去して現像す
る。上記印刷膜又はパターン現像された膜を加熱処理す
ることによって膜の前駆体は導電膜となり、膜中に混在
している光官能基は熱によって分解及び気化して導電膜
から除去され、着色透明導電膜が任意のパターン状に形
成される。
【0012】従って、本発明によれば、着色透明導電膜
の形成に際して複雑高価な装置を必要とせず、且つパタ
ーニングに際してレジストを使用する必要がない。又、
本発明によって形成される着色透明導電膜は任意の色相
に、且つ任意のパターンに着色されるので、該導電膜は
カラーフィルターとしての機能も有し、従って表示装置
の構成に際して別途にカラーフィルターを用意する必要
がない。
【0013】
【発明の実施の形態】次に発明の実施の形態を挙げて本
発明を更に詳細に説明する。本発明の第一の組成物は、
加熱によって酸化物となる金属化合物、黒色又は有彩色
無機顔料及び液媒体とを含み、好ましくは更にバインダ
ーを含む。加熱によって酸化物となる金属化合物として
は、インジウム、錫、亜鉛又はアンチモンの化合物若し
くはこれらの化合物の2種以上の混合物が好ましく用い
られる。
【0014】加熱によって酸化物となる好ましいインジ
ウム化合物としては、例えば、ギ酸インジウム、酢酸イ
ンジウム、シュウ酸インジウム、硝酸インジウム、塩化
インジウム等のインジウムの有機又は無機塩或いはそれ
らの水和物、インジウムメトキシド、インジウムエトキ
シト、インジウムプロポキシド、インジウムブトキシド
等のインジウムアルコキシド、及びこれらの化合物とα
−ジケトン類、α−又はβ−ケトン酸類、前記ケトン酸
類のエステル類、α−又はβ−アミノアルコール等との
キレート化物、更には前記化合物を中和或いは加水分解
して得られる水酸化インジウム等が好ましく使用され
る。
【0015】加熱によって酸化物となる好ましい錫化合
物としては、例えば、ギ酸錫、酢酸錫、シュウ酸錫、硝
酸錫、塩化錫等の錫の有機又は無機塩或いはそれらの水
和物、錫メトキシド、錫エトキシト、錫プロポキシド、
錫ブトキシド等の錫アルコキシド、及びこれらの化合物
とα−ジケトン類、α−又はβ−ケトン酸類、前記ケト
ン酸類のエステル類、α−又はβ−アミノアルコール等
とのキレート化物、更には前記化合物を中和或いは加水
分解して得られる水酸化錫等が挙げられる。
【0016】加熱によって酸化物となる亜鉛化合物の好
ましい例としては、例えば、ギ酸亜鉛、酢酸亜鉛、シュ
ウ酸亜鉛、硝酸亜鉛、塩化亜鉛等の有機又は無機塩或い
はそれらの水和物、亜鉛メトキシド、亜鉛エトキシド、
亜鉛プロポキシド、亜鉛ブトキシド等の亜鉛アルキキシ
ド、及びこれらの化合物とα−又はβ−ケトン酸類、前
記ケトン酸類のエステル類、α−又はβ−アミノアルコ
ール等とのキレート化物、更には前記化合物を中和或い
は加水分解して得られる水酸化亜鉛が挙げられる。
【0017】加熱によって酸化物となるアンチモン化合
物の好ましい例としては、例えば、ギ酸アンチモン、酢
酸アンチモン、シュウ酸アンチモン、硝酸アンチモン、
塩化アンチモン等の有機又は無機塩或いはそれらの水和
物、アンチモンメトキシド、アンチモンエトキシド、ア
ンチモンプロポキシド、アンチモンブトキシド等のアン
チモンアルコキシド、及びこれらの化合物とα−又はβ
−ケトン酸類、前記ケトン酸類のエステル類、α−又は
β−アミノアルコール等とのキレート化物、更には前記
化合物を中和或いは加水分解して得られる水酸化アンチ
モンが挙げられる。
【0018】以上の各種金属化合物の組み合わせにおい
て、インジウム化合物と錫化合物との混合物を用いる場
合は、インジウム化合物と錫化合物との使用比率は、イ
ンジウムと錫との原子比において、インジウム1原子当
たり錫0.01〜0.20原子の比率で用いることが好
ましい。錫の使用量が不足すると、キャリヤー密度が低
くなり、導電性が悪化する等の点で不十分であり、一
方、錫の使用量が多すぎると、キャリヤー移動度が低下
して導電性が悪化する等の点で不十分である。
【0019】又、錫化合物とアンチモン化合物との混合
物を用いる場合は、錫化合物とアンチモン化合物の使用
比率は、錫とアンチモンとの原子比において、錫1原子
当たりアンチモン0.01〜0.20原子の比率で用い
ることが好ましい。アンチモンの含有量が不足すると、
電子の生成が低くなり、導電性が悪化する等の点で不十
分であり、一方、アンチモンの使用量が多すぎると、酸
素空孔の低下により導電性が悪化する等の点で不十分で
ある。又、亜鉛化合物を含有成分として使用する場合に
おいては、単独で用いるのが好ましい。
【0020】本発明の第二の着色透明導電膜形成用組成
物は、上記の金属化合物として、少なくとも1個の光官
能基を有する金属化合物を用いる。このような金属化合
物の好ましい例は、少なくとも1個の光官能基を有する
インジウム、錫、亜鉛又はアンチモンの化合物が挙げら
れる。光官能基を有するインジウム、錫、亜鉛又はアン
チモンの化合物としては、前記第一の組成物において例
示した金属化合物を、これらの金属とキレートを形成す
る有機物と反応させることによって得ることができる。
【0021】この場合の、これらの金属とキレートを形
成し且つ光によって離脱する有機化合物としては、例え
ば、アセチルアセトン、ベンゾイルトリフルオロアセト
ン、ピバロイルトリフルオロアセトン、アセト酢酸メチ
ル、アセチ酢酸エチル、フェノールアセト酢酸、安息香
酸、ナフトール、ナフトエ酸等が挙げられる。上記金属
化合物と上記キレート形成化合物との反応は、例えば、
インジウム化合物の場合について例示すると、インジウ
ム化合物としてアルコキシドを、そしてキレート形成化
合物としてアセチルアセトンを使用した場合は、以下の
ようにして行われる。 In(OR)n + xCH3COCH2COCH3
→In(OR)n-x(OC(CH3)=CH(OC
3x + ROH (Rは、アルコキシド基のアルキル基であり、nはイン
ジウムの価数である) 以上の如き光官能性基を有する金属化合物は、金属原子
の少なくとも1つの結合手が光官能基と結合していれば
よく、他の結合手は塩の状態でもよい。
【0022】上記のインジウム化合物と錫化合物との混
合物、及び錫化合物とアンチモン化合物の混合物の場合
の夫々の金属の使用比率は、前記第一の組成物の場合と
同様の理由で同様の比率である。本発明において前記の
金属化合物又は光官能性基を有する金属化合物は、酸化
物の状態で光透過性である。本発明において、「光透過
性」とは透明の場合を含めて画像表示用カラーフィルタ
ーに要求される光透過性を具備していることを意味す
る。
【0023】本発明の第一及び第二の組成物(以下単に
本発明の組成物いう場合がある)においては、必要に応
じて、更にバインダー樹脂を含有させることができる。
特に、上記の金属化合物がそれ自体感光性を有するもの
でない場合(即ち、第一の組成物)は、所望により、ポ
ジ型乃至ネガ型のバインダー樹脂を使用することが望ま
しい。金属化合物がそれ自体感光性を有するもの(即
ち、第二の組成物)である場合は、バインダー樹脂は必
須ではないが、必要に応じて、通常のバインダー機能を
有する樹脂、更にはポジ型乃至ネガ型のバインダー樹脂
を使用することができる。
【0024】例えば、本発明においてバインダー樹脂と
して使用し得る光崩壊性樹脂としては、所謂ポジ型感光
性樹脂が使用可能であり、例えば、ポリメチルビニルケ
トン、ポリビニルフェニルケトン、ポリスルホン、p−
ジアゾジフェニルアミン・パラホルムアルデヒド縮重合
物等のジアゾニウム塩類、1,2−ナフトキノン−2−
ジアジド−5−スルホン酸イソブチルエステル等のキノ
ンジアジド類、ポリメチルメタクリレト、ポリフェニル
メチルシラン、ポリメチルイソプロペニルケトン等の公
知のポジ型レジストが挙げられる。
【0025】一方、光重合性樹脂としては、所謂ネガ型
感光性樹脂が使用可能であり、例えば、ゼラチン、カゼ
イン、グルー卵白、アラビアゴム、デンプン等の天然水
溶性ポリマー又はポリビニルアルコール、ポリアクリル
アミド等の合成水溶性ポリマー等、水酸基、アミノ基、
カルボキシル基、スルホン酸基等の非共有電子対をもつ
基を有するポリマーと重クロム酸塩からなる重クロム酸
系感光性樹脂、ポリマー中にシンナモイル基又はシンナ
ミリデン基をもつ光二量化感光性樹脂、ビニル基、アク
ロイル基、アリル基、又は内部不飽和基等の不飽和二重
結合基を有する光重合性プレポリマー、光重合性単官能
モノマー、感光性ポリマー及び非重合性ポリマー材料を
組み合わせて得られる光重合系感光性樹脂が挙げられ
る。上述した感光性樹脂は、本発明の組成物に感光性を
付与すると共に、得られる組成物(塗工液)のバインダ
ーとしても機能し、塗工液に塗工適性を与える作用を有
する。
【0026】上記感光性樹脂の使用量は前記1種若しく
は2種以上の金属化合物又は光官能性基を有する金属化
合物の合計100重量部当たり10〜1,000重量部
の割合で使用することが好ましい。感光性樹脂の使用量
が不足すると、塗工液が固化する傾向が生じるので好ま
しくない。一方、感光性樹脂の使用量が多すぎると、パ
ターン化後に焼成して得られる酸化物膜の膜質が悪化す
る傾向が見られる場合があり、電気的特性の点で好まし
くない。
【0027】更に、本発明においては、熱分解性の樹脂
バインダーも使用することができる。例えば、エチルセ
ルロース、メチルセルロース、ニトロセルロース、アセ
チルセルロース、アセチルエチルセルロース、セルロー
スプロピオネート、ヒドロキシプロピルセルロース、ブ
チルセルロース、ベンジルセルロース、ニトロセルロー
ス等のセルロース系樹脂、又はメチルメタクリレート、
エチルメタクリレート、ノルマルブチルメタクリレー
ト、イソブチルメタクリレート、イソプロピルメタクリ
レート、2−エチルメタクリレート、2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート等の重合体若しくは共重合体からな
るアクリル系樹脂が好ましく用いられる。これらの樹脂
バインダーの使用量は、前記感光性樹脂の場合と同様で
ある。
【0028】本発明の組成物は、黒色又は有彩色の無機
顔料を必須成分として含有している。有彩色の無機顔料
としては、好ましくは、赤、緑及び青色顔料のいずれか
が用いられ得る。例えば、PDP用カラーフィルターへ
の用途に好適な着色剤としては、耐熱性の顔料であれば
何れも使用することができる。この場合、基板の作製工
程に依存するが、450〜600℃程度の耐熱性があれ
ばよい。又、薄い膜厚で波長選択性が確保できる色ガラ
スも使用することができる。
【0029】耐熱性顔料の種類は多いが、代表的なもの
としては、鉄系(赤色)、アルミン酸マンガン系(桃
色)、金系(桃色)、アンチモン−チタン−クロム系
(橙色)、鉄−クロム−亜鉛系(褐色)、鉄系(褐
色)、チタン−クロム系(黄褐色)、鉄−クロム−亜鉛
系(黄褐色)、鉄−アンチモン系(黄褐色)、アンチモ
ン−チタン−クロム系(黄色)、亜鉛−バナジウム系
(黄色)、ジルコニウム−バナジウム系(黄色)、クロ
ム系(緑色)、バナジウム−クロム系(緑色)、コバル
ト系(青色)、アルミン酸コバルト系(青色)、バナジ
ウム−ジルコニウム系(青色)、コバルト−クロム−鉄
系(黒色)等があり、これらを混合して色調を合わせる
ことも可能である。そして、粒径1μm以上の粒子が全
粒子の10重量%以下であることが望ましい。即ち、粒
径の大きな粒子が多いと透過度が低下して輝度の低下を
もたらすからである。更に、粒径0.01〜0.7μm
の粒子が全粒子の20重量%以上であることがより望ま
しい。
【0030】色ガラスは着色機構からも種類が非常に多
い。又、同じ原料でも条件によって色が変わる。一例を
示すと、フリットは珪酸(SiO2)、酸化鉛(Pb
O)、酸化カリウム(K25)、硼酸(B23)、フッ
化アルミ(AlF3)、酸化砒素(As23)等を含む
カリ鉛ガラスが主成分であり、原料としては、珪石、鉛
丹、黄色酸化鉛、鉛白、カリ硝石、硼酸、硼砂、重炭酸
ソーダ、フッ化物等が使用される。これに着色剤として
亜砒酸(白色)、酸化錫(白色)、酸化銅(緑色)、酸
化コバルト(青色)、重クロム酸カリ(黄色)、酸化ア
ンチモン(黄色)、酸化鉄(茶色)、二酸化マンガン
(紫色)、酸化ニッケル(紫色)、塩化金(赤色)、ウ
ラン酸ソーダ(橙色)、セレン赤(朱赤色)等が組み合
わされて混合される。そして、これらを混合し加熱溶融
してガラス化したものを冷却粉砕したものを使用するこ
とができる。
【0031】本発明の組成物は、上記の必須成分をそれ
ぞれ液媒体中に溶解又は分散させて調製され得る。又、
本発明の組成物には基板に対する顔料の結着性を向上さ
せるために、更にガラスフリットを添加してもよい。添
加可能なガラスフリットとしては、例えば、日本電気硝
子製の「PLS3162S8」(無色透明ガラスの微粉
砕物)等が挙げられる。
【0032】本発明において使用する液媒体としては、
水、有機溶剤、或いはそれらの混合物が挙げられる。有
機溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロピ
ルアルコール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル等の酢酸エステル類、アセトン、メチルエチルケト
ン、ジエチルケトン、アセチルアセトン等のケトン類、
メトキシエタノール、エトキシエタノール等のエーテル
類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、
トルエン、キシレン等の芳香族類等が挙げられる。液媒
体の種類、及び組成については、使用するインジウム化
合物、錫化合物、亜鉛化合物、アンチモン化合物、無機
顔料及びバインダー樹脂の種類に従って適宜選択して使
用することができる。
【0033】例えば、本発明の組成物に使用する金属化
合物がこれらの金属の塩であり、感光性樹脂が水溶性樹
脂である場合には、水又は水と有機溶剤との混合物を使
用し、必要に応じて塩類を中和して金属塩を水酸化物と
しておくことが好ましい。又、本発明の組成物に使用す
る金属化合物がアルコキシド等の如く有機金属化合物で
あり、感光性樹脂が有機溶剤可溶性樹脂である場合に
は、媒体としては有機溶剤又は有機溶剤と水との混合物
を使用し、必要に応じて有機金属化合物を加水分解して
水酸化物としておくことが好ましい。このように中和或
いは加水分解を行った場合には、金属成分は水酸化物又
は酸化物の状態となり、微粒子の分散液(ゾル或いはコ
ロイド)となる。
【0034】上記液媒体の使用量は、本発明の組成物に
使用する金属化合物、黒色又は有彩色無機顔料及び感光
性樹脂の種類によって変化するが、一般的には前記必須
成分の固形分が1〜30重量%の割合になる量で使用す
ることが好ましい。液媒体の使用量が不足すると、塗膜
の塗工性が低下する傾向が見られ、一方、液媒体の使用
量が多すぎると、塗膜を焼成して得られる酸化物の膜厚
が薄くなり、塗膜の欠陥が生じ易くなる傾向が見られる
ので好ましくない。
【0035】本発明の組成物は、上記成分を十分に混練
及び摩砕して顔料を微分散させることによって容易に得
ることができる。又、組成物の調製後に必要に応じて金
属化合物の中和や加水分解処理を行ってもよい。更にこ
の組成物は、必要に応じて、更に増感剤等の添加剤を含
み得る。以上の如くして得られた本発明の組成物は濃厚
状態で作製し、使用直前に適当な液媒体を添加して塗工
適性を付与してから使用することもできる。又、保存に
際しては冷暗所に保存することが望ましい。
【0036】次に、着色透明導電膜の形成方法について
具体的に説明する。本発明の第一の形成方法は、上記本
発明の組成物を耐熱性基板上にパターン状に印刷又は塗
工し、乾燥成膜する工程、形成された膜を加熱処理する
工程を含むことからなる。又、第二の形成方法は、前記
本発明の組成物を耐熱性基板上に塗工し、乾燥成膜する
工程、形成された膜を所望のパターン状に露光してパタ
ーニングする工程、及びパターニングされた膜を加熱処
理する工程を含むことからなる。
【0037】本発明において使用する耐熱性基板の素材
としては、ガラス、セラミック等の耐熱性基板であり、
用途的には、プラズマディスプレイのカラーフィルター
兼電極基板、液晶表示装置のカラーフィルター兼電極基
板等である。上記基板に前記本発明の組成物を塗工する
方法としては、前記第一の形成方法では、例えば、スク
リーン印刷方法等が、そして第二の形成方法では、例え
ば、ロールコート方法、ディップコート方法、スピンコ
ート方法等の公知の塗工方法がいずれも使用することが
できる。印刷膜厚又は塗工量としては、形成される電極
基板の用途によって異なるが、一般的には固形分塗工量
として各色ともに10〜100μm程度である。塗工後
の乾燥条件は任意であるが、通常は前記感光性樹脂に悪
影響を与えない温度、例えば、100〜200℃で0.
1〜1時間程度が適当である。
【0038】このように形成された膜は不透明であり且
つ殆ど絶縁性である。本発明の第一の形成方法では、パ
ターン状に印刷された膜を後述のように加熱処理すれば
よい。又、第二の形成方法では、上記のように形成され
た膜に対して、例えば、所望の微細パターンを有するホ
トマスクを密着させて露光する。露光に使用する光とし
ては通常波長約200〜500nmの光であり、例え
ば、高圧水銀灯等を光源として使用することができる。
前記組成物が光崩壊性樹脂を含む場合には、この露光に
よって露光部分の光崩壊性樹脂は分解し、露光部分の膜
が現像液に可溶性或いは剥離性となり、現像液を全面に
塗布、或いは露光基板を現像液に浸漬し、必要に応じて
表面を現像液によりスプレーすることによって露光部分
の膜は剥脱し、ポジ画像が形成される。一方、前記組成
物が光重合性樹脂を含有する場合には、露光部の膜が重
合し、現像液に対して不溶性となる。従って上記と同様
に現像すると、ネガ画像が形成される。又、組成物が、
少なくとも1個の光官能基を有する金属化合物を含む場
合は、露光においては上記金属化合物は光分解して、そ
の光官能基が離脱し、残った膜は現像液に不溶性とな
る。従って上記と同様に現像すると非露光部分は膜が剥
奪し、ネガ画像が形成される。
【0039】次に前記の印刷膜、上記ポジ画像又は上記
ネガ画像を加熱処理する。この加熱処理によって膜中に
残存しているバインダー樹脂、感光性樹脂、光官能基等
の有機物は分解及び気化し、一方、目的とする膜がIT
Oである場合には、インジウム化合物及び錫化合物は複
合酸化物(ITO)となり、パターン状膜に着色透明性
及び導電性が付与される。このような処理の好ましい加
熱条件は約400〜550℃において約0.1〜1.0
時間である。加熱条件が温和すぎると熱分解及び結晶化
が十分に進行しない等の点で不十分であり、一方、加熱
条件が過酷すぎると、基板に対する影響が大きく、且つ
酸化物自体の酸化が必要以上に進み、導電性の発現に必
要な酸素欠陥を確保することが不十分になる等の点で不
十分である。
【0040】本発明においては、更に上述のように加熱
処理された着色透明導電膜に波長400nm以下、好ま
しくは150〜400nmの光を照射するとより好まし
い。照射される光の波長が400nmを越え700nm
までの可視光領域では、照射された光が着色透明導電膜
を大部分透過し、更に700nmを越えると、着色透明
導電膜に吸収される波長はあるが、光のエネルギーが小
さいために着色透明導電膜内の伝導電子密度を高めるこ
とができない。
【0041】又、照射される光の波長が150nm未満
では、真空紫外領域となるため、工業上の利用価値がな
くなる。このような光照射の光源としては、超高圧、高
圧、中圧、低圧の金属蒸気ガス、希ガス、水素、X
、Kr−Cl、Xe−Clを用いた光源、例えば、
高圧水銀ランプ、エキシマランプ等の光源、或はエキシ
マレーザー、色素レーザー、Arイオンレーザー、F
レーザー等のレーザーを使用することができる。より具
体的には、Hg−Xe紫外線ランプ(波長のメインピー
ク=360nm)、低圧Hgランプ(波長のメインピー
ク=254nm)、Kr−Clエキシマランプ(波長の
メインピーク=222nm)或いはXe−Cl(308
nm)、Xe−F(351nm)、Xe−Br(282
nm)、Kr−F(249nm)、Kr−Cl(222
nm)等のエキシマレーザー、Arイオンレーザー第2
高周波(257.2nm)、色素レーザー第2高周波結
晶(β−BaB・BO、205nm)、Fレーザ
ー(157nm)等を挙げることができる。
【0042】この光照射における照射エネルギーは、着
色透明導電膜中の各粒界が相互に接続する等の、着色透
明導電膜中の伝導電子の密度を高めて電気抵抗率を低下
させるような条件であり、使用する着色透明導電膜材
料、着色透明導電膜の厚み、使用光源等、及び着色透明
導電膜の使用目的に応じて適宜設定することができる。
以上の工程を経て形成された本発明の着色透明導電膜
は、従来の真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法に
より形成される導電膜膜と同様に透明性に優れると共に
着色されており、導電性にも優れる。従って本発明によ
れば、高価な装置を使用することなく、又、煩雑なレジ
ストを使用することなく、簡便な工程によって種々の用
途に有用であるカラーフィルターの機能を併せ有するパ
ターン状着色透明電極が提供される。
【0043】以上の如き形成方法において、RGBの3
色又はBkを加えた4色の本発明の組成物を用意してお
き、上記工程を各色ごとに重ねて実施することによっ
て、カラーフィルターとしての機能を併せ有する本発明
の着色透明導電膜とすることができる。
【0044】上記方法の一例を図1を参照して説明す
る。図示の例は遮光層及びRGBの3色からなるカラー
フィルター兼電極を形成する例である。先ず表示装置の
前面となるガラス基板1に、赤色の前記組成物を塗工、
乾燥及びマスクを通して露光し、現像する。これで表示
陽極2a(R)が形成される。次に緑色の前記組成物を
塗工、乾燥及びマスクを通して露光し、現像する。これ
で表示陽極2b(G)が形成される。次に青色の前記組
成物を塗工、乾燥及びマスクを通して露光し、現像す
る。これで表示陽極2c(B)が形成される。必要によ
り、その間隙に遮光層3が形成される。アクティブマト
リックス液晶表示装置のように、全面電極である場合に
は、遮光層も黒色の同様の導電性組成物で形成して構わ
ないが、セグメント型、STN型液晶表示装置やPDP
のように、ストライプ状等に形成する必要がある場合に
はストライプ状にRGBを並べ、遮光層は設けないか、
若しくはストライプを区切るように絶縁性の遮光材料で
形成するとよい。
【0045】絶縁性の遮光層は、(イ)感光性樹脂中に
黒色顔料を分散させた材料をフォトリソ法によりパター
ニングしたり、(ロ)黒色顔料を分散させたガラスペー
ストによる印刷等によりパターニングしたり、(ハ)酸
化クロムを用いたり、(ニ)絶縁性のゾルゲル材料を用
いて形成することができる。最後に全体を前記のように
加熱処理することによって、RGBの膜はそれぞれ着色
透明導電膜となり、RGBの各領域がカラーフィルター
兼表示陽極として作用する。
【0046】本発明の表示装置の一例をPDPを例にし
て説明する。一般にPDPは、2枚の対向するガラス基
板にそれぞれ規則的に配列した一対の電極を設け、その
間にNe等を主体とするガス封入した構造になってい
る。そして、これらの電極間に電圧を印加し、電極周辺
の微小なセル内で放電を発生させることにより、各セル
を発光させて表示を行なうようにしている。情報表示す
るためには、規則的に並んだセルを選択的に放電発光さ
せる。このPDPには、電極が放電空間に露出している
直流型(DC型)と絶縁層で覆われている交流型(AC
型)の2タイプがあり、双方とも表示機能や駆動方法の
違いによって、更にリフレッシュ駆動方式とメモリー駆
動方式に分類される。
【0047】図2はDC型のPDPの例であり、前面ガ
ラス板11と背面ガラス板12とが、バリヤーリブ13
により一定の間隔に保持されている。バリヤーリブ13
の壁面にはRGB発光の蛍光体14a,b,cが塗布さ
れており、又、前面ガラス板11と背面ガラス板12に
互いに直交するように表示陽極15と陰極16とが設け
てあり、その表示陽極15と陰極16との間のセル空間
17にて気体放電を生じさせ、その気体放電により生成
した紫外線により蛍光体14a,b,cが励起されそれ
ぞれRGBに発光する。その蛍光体は、各放電セル毎
に、それぞれの発光色、赤(R)、緑(G)及び青
(B)に塗り分けられている(例えば、赤色発光蛍光体
14a、緑色発光蛍光体14b及び青色発光蛍光体14
c)。本発明の表示装置としては従来装置と同様のかか
る構成による各放電セルR、G及びBにそれぞれの発光
色を選択的に透過させる色フィルターR、G及びBを図
示のように表示陽極15と兼用させてある。
【0048】又、各放電セルの相互間には絶縁性の黒色
の遮光層3をバリヤーリブ13上に形成しており、表示
面における発光領域以外の反射を無くし、表示画像のコ
ントラストが高められている。陽極−陰極間に電圧を印
加することによって、各セルの壁面の蛍光体がそれぞれ
RGBに発光し、該発光したRGBはそれぞれRGBの
透明表示陽極によって不要な波長光が除去され、純粋な
RGB光が前面ガラス板を通して表示される。特に封入
ガスにNeを用いた場合、Ne放電に起因する580n
mの光を呈するため、これをカットする必要がある。
又、蛍光体自身は白色であり、点灯していない場合、白
色と見られ、外光反射が大きくなるので、コントラスト
を上げるために必要となる。
【0049】又、図3は、AC型PDPの一構成例を示
したものである。この図は前面板21と背面板22とを
離した状態で示したものであり、図示のようにガラスか
らなる前面板21と背面板22とが互いに平行に且つ対
向して配設されており、背面板22の前面側には、これ
に立設するバリヤーリブ23が固着され、このバリヤー
リブ23により前面板21と背面板22とが一定間隔で
保持されている。そして、前面板21の背面側には透明
電極である維持電極24と金属電極であるバス電極25
とからなる複合電極が互いに平行に形成され、更にこれ
を覆って誘電体層26が形成されており、更にその上に
保護層27(MgO層)が形成されている。
【0050】又、背面板22の前面側21には前記複合
電極と直交するようにバリヤーリブ23の間に位置して
アドレス電極28が互いに平行に形成されており、更に
バリヤーリブ23の壁面とセル底面を覆うようにして蛍
光体29が設けられている。このAC型PDPでは、前
面板21上の複合電極間に交流電源から所定の電圧を印
加して電場を形成することにより、前面板21と背面板
22とバリヤーリブ23とで区画される表示要素として
各セル内で放電が行なわれる。そしてこの放電により生
じる紫外線により蛍光体29を発光させ、前面板21を
透過してくる光を観察者が視認するようになっている。
【0051】図4は、前面板41を背面側からの示した
ものであり、前面板41の背面側には赤色、緑色、及び
青色の透明電極である維持電極47a、47b及び47
cがそれぞれ形成され、更に金属電極であるバス電極4
2とからなる複合電極が形成されている。又、図3と同
様にこれを覆って誘電体層、更にその上に保護層が形成
されている。背面板に隔設する障壁形成部(リブ)44
は異なる色の維持電極間に来るように保持されている。
又、各蛍光面形成部43,45,46は対応する色の維
持電極に配置されている。バリヤーリブ間の蛍光面の色
と一致させるために、図のように着色された透明電極は
バリヤーリブ方向に切断された構造となるが、導電性の
高いバス電極により通電されるものである。
【0052】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説
明する。尚、文中部又は%とあるのは特に断りのない限
り重量基準である。 実施例1 10.27部の硝酸インジウム、0.33部のシュウ酸
第一錫、5部のポジ型感光性樹脂(化学名:ポリメチル
イソプロペニルケトン)及び1.1部の表1中の各々の
有彩色無機顔料を30部のアセチルアセトン及び54.
4部のメチルイソブチルケトンに加え、常温で撹拌して
溶解し、濾過して不溶分を除去し、R、G及びBの3色
の固形分10%の本発明の組成物を得た。
【0053】実施例2〜5 実施例1における各成分に代えて下記表1の成分を使用
し、他は実施例1と同様にして本発明の組成物を得た。
表1
【0054】赤色顔料:大日精化工業製、透明酸化鉄T
OR(αFe23針状粉末の微粉砕物) 緑色顔料:大日精化工業製、TMグリーン#3330
(Co−Al−Cr−Tiの混合酸化物の微粉砕物) 青色顔料:大日精化工業製、TMブルー#3450(C
o−Alの混合酸化物の微粉砕物) 黒色顔料:大日精化工業製、ダイピロキサイドカラーブ
ラック#9565
【0055】実施例6 実施例1で作製した塗工液をガラス基板上に、スピンコ
ート法によって均一に塗布し、150℃で10分間乾燥
させる。次にフォトマスクを介して紫外線(波長340
nm)を照射した後、基板を実施例1におけると同じ溶
剤に浸漬して現像する。現像後、パターニングされた基
板を500℃で60分間空気中で焼成することにより、
ITOの微細パターンを保持したガラス基板を得ること
ができた。
【0056】実施例7〜10 実施例6における塗工液に代えて下記表2の塗工液を使
用し、他は実施例6と同様にしてパターン状電極を得
た。評価 これらのパターン状電極の膜厚、シート抵抗、密着性及
び解像性は下記表2の通りであった。又、着色透明性は
実施例7〜9(実施例2〜4の塗工液)のみについて行
った。その結果としては図3に示すとおりである。尚、
着色透明性は分光光度計による透過率測定値(単位:T
%)である。
【0057】表2
【0058】・膜厚:エリプソメトリーによる測定値。 ・シート抵抗:四探針法による測定値。 ・密着性及び評価基準:セロハンテープ剥離試験におい
て剥離を生じなかったものを「○(良好)」とした。 ・解像性及び評価基準:フォトマスクの解像度チャート
を用い、フォトリソグラフ法で露光、現像エッチングし
て、ライン&スペース10μmのパターンが形成されて
いるものを「○(良好)」とした。
【0059】実施例11 10.27部の硝酸インジウム、0.33部のシュウ酸
第一錫、15部の有機キレート化剤(化学名:アセチル
アセトン)、10部の樹脂バインダー(化学名:エチル
セルロース、商品名エトセルSTD−100、ダウケミ
カル社製)及び表3中の有彩色無機顔料2.5部をエチ
ルセロソルブに加え、常温で撹拌して溶解し、濾過して
不溶分を除去し、R、G及びBの3色の固形分15%の
本発明の組成物を得た。
【0060】実施例12〜15 実施例11における各成分に代えて下記表3の成分を使
用し、他は実施例11と同様にして本発明の組成物を得
た。表3
【0061】赤色顔料:大日精化工業製、透明酸化鉄T
OR(αFe23針状粉末の微粉砕物)。 緑色顔料:大日精化工業製、TMグリーン#3330
(Co−Al−Cr−Tiの混合酸化物の微粉砕物)。 青色顔料:大日精化工業製、TMブルー#3450(C
o−Alの混合酸化物の微粉砕物)。 黒色顔料:ダイピロキサイドカラーブラック#9565
【0062】実施例16 実施例11で作製した塗工液をガラス基板上に、ロール
コート法によって均一に塗布し、150℃で10分間乾
燥させる。次にフォトマスクを介して紫外線(波長30
0nm)を照射した後、基板を塩酸酸性エッチング液に
浸漬して現像する。現像後、パターニングされた基板を
500℃で60分間空気中で焼成することにより、光学
フィルター付のITOの微細パターンを保持したガラス
基板を得ることができた。
【0063】実施例17〜20 実施例16における塗工液に代えて下記表4の塗工液を
使用し、他は実施例16と同様にしてパターン状電極を
得た。これらのパターン状電極の膜厚、シート抵抗、密
着性、及び解像性は下記表4の通りであった。表4
【0064】・膜厚:エリプソメトリーによる測定値。 ・シート抵抗:四探針法による測定値。 ・密着性及び評価基準:セロハンテープ剥離試験におい
て剥離を生じなかったものを「○(良好)」とした。 ・解像性及び評価基準:フォトマスクの解像度チャート
を用い、フォトリソグラフ法で露光、現像エッチングし
て、ライン&スペース10μmのパターンが形成されて
いるものを「○(良好)」とした。
【0065】実施例21〜25 実施例6〜10で得られたパターン状電極にXe−Cl
エキシマレーザ(波長308nm)を大気雰囲気下にお
いて照射エネルギー200mJ/cmの密度で一回照
射した。 評価 これらのパターン状電極の膜厚、シート抵抗及び密着性
は下記表5の通りであった。
【0066】表5 一方、波長400nm以上の光照射(He−Neレーザ
ー(波長633nm)照射)を行った場合は、電気抵抗
率の低下は僅かであった。
【0067】応用例 AC型PDPは次のようにして作製した。ガラス基板上
に感光性Agペーストを塗布し、露光・現像・焼成して
アドレス電極を形成した。この上に、ダイコート法によ
り障壁形成層を形成し、耐サンドブラスト性のマスクを
介してサンドブラスト法により前記アドレス電極を狭む
ようにして障壁パターンを形成し焼成後、蛍光体ペース
トを塗布して焼成し、背面基板を作製した。又、前面基
板をガラス基板上にパターン状着色透明電極(膜厚:
0.6μm)を形成し、感光性Agペーストを塗布し、
露光・現像・焼成してバス電極(5μm)を形成した。
この上に、絶縁層及び酸化マグネシウム保護層を形成し
て作製した。
【0068】上記2種の基板をそれぞれの処理面を対向
させて張り合わせた。Ne−Ar(1.1%)ペニング
ガスを500Torr封入してAC型PDPを作製し
た。駆動周波数15kHzの駆動波形で、デューティ比
23%のパルスで駆動させた。その結果、従来のカラー
フィルターと透明電極の機能を分離させたパネルに比較
して、遜色のないパネルが得られた。
【0069】
【発明の効果】以上の如き本発明によれば、ホトマスク
のパターンと正確に一致したパターン状の着色透明導電
膜が基板上に形成され、この導電膜は、従来の真空蒸着
法、スパッタリング法、CVD法により形成された導電
膜と同様に透明性に優れると共に導電性にも優れる。従
って本発明によれば、高価な装置を使用することなく、
又、煩雑なレジストを使用することなく、簡便な工程に
よって種々の用途に有用であるパターン状着色透明電極
が提供される。又、本発明の組成物と方法を使用するこ
とによって、プラスマディスプレイパネル等の如く、異
なる複数種類の色光を発光し、表示面に画像を表示する
表示装置が容易に且つ低コストで提供される。
【0070】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の着色透明導電膜の断面を説明する
図。
【図2】 DC型PDP表示装置の1例を説明する図。
【図3】 AC型PDP表示装置の1例を説明する図。
【図4】 AC型PDPに本発明を適用した場合の具体
的な構成を説明する図。
【図5】 実施例2〜4の着色透明性を示すグラフ。
【符号の説明】
1,11,21:前面ガラス板 2,12,22:背面ガラス板 3:遮光層 14,29:蛍光体 15:表示陽極 16:陰極 17:セル空間 23:バリヤーリブ 24,47:維持電極 25,42:バス電極 26:誘電体層 27:保護層 28:アドレス電極 41:前面板 44:障壁形成部 43,45,46:各蛍光面形成部

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱によって酸化物となる金属化合物、
    黒色又は有彩色無機顔料及び液媒体とを含むことを特徴
    とする着色透明導電膜形成用組成物。
  2. 【請求項2】 金属化合物が、インジウム、錫、亜鉛又
    はアンチモンの化合物若しくはこれらの化合物の2種以
    上の混合物からなる群から選ばれる請求項1に記載の組
    成物。
  3. 【請求項3】 更にバインダーを含有する請求項1に記
    載の組成物。
  4. 【請求項4】 バインダーが、熱分解性樹脂、光崩壊性
    樹脂又は光重合性樹脂である請求項1に記載の組成物。
  5. 【請求項5】 金属化合物が、少なくとも1個の光に反
    応する官能基若しくは部位を有するインジウム、錫、亜
    鉛又はアンチモン化合物若しくはこれらの2種以上の混
    合物からなる群から選ばれる請求項1に記載の組成物。
  6. 【請求項6】 有彩色無機顔料が、赤、緑及び青のいず
    れかである請求項1に記載の着色透明導電膜形成用組成
    物。
  7. 【請求項7】 金属化合物が酸化物の状態で透明である
    請求項1に記載の組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7に記載の組成物を耐熱性基
    板上にパターン状に塗工し、乾燥成膜する工程、形成さ
    れた膜を加熱処理する工程を含むことを特徴とする着色
    透明導電膜の形成方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7に記載の組成物を耐熱性基
    板上に塗工し、乾燥成膜する工程、形成された膜を所望
    のパターン状に露光してパターニングする工程、及びパ
    ターニングされた膜を加熱処理する工程を含むことを特
    徴とする着色透明導電膜の形成方法。
  10. 【請求項10】 加熱処理された着色透明導電膜に波長
    400nm以下の光を照射する請求項8又は9に記載の
    着色透明導電膜の形成方法。
  11. 【請求項11】 異なる複数種類の色光を発光し、表示
    面にカラー画像を表示する表示装置において、その表示
    面の裏面に、上記発光色に対応する色相の着色透明導電
    膜が請求項8〜10に記載の方法により形成されている
    ことを特徴とする表示装置。
  12. 【請求項12】 着色透明導電膜の異なる色相の領域の
    境界に遮光層が形成されている請求項11に記載の表示
    装置。
  13. 【請求項13】 プラスマディスプレイパネルである請
    求項11又は12に記載の表示装置。
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