JPH09235442A - 耐摩耗性材料及び電子写真感光体用の電荷輸送層 - Google Patents

耐摩耗性材料及び電子写真感光体用の電荷輸送層

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JPH09235442A
JPH09235442A JP4520896A JP4520896A JPH09235442A JP H09235442 A JPH09235442 A JP H09235442A JP 4520896 A JP4520896 A JP 4520896A JP 4520896 A JP4520896 A JP 4520896A JP H09235442 A JPH09235442 A JP H09235442A
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charge transport
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butadiene
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JP4520896A
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Isao Tanaka
功 田中
Hiroshige Tanaka
博茂 田中
Yoshitaka Sakamaki
義孝 坂巻
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Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
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Nippon Steel Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 摩耗を伴う摺動部品や電子写真感光体の電荷
輸送層(保護層)のバインダーとして好適な耐摩耗性材
料を提供すること。 【解決手段】 スチレン成分の含有量が25〜55wt
%の範囲にあり、かつ、ポリブタジエンブロックのブタ
ジエン二重合結合部分が5wt%未満となるように水素
添加により飽和されたスチレンーブタジエン共重合体で
あって、JISK−7204で測定したテーバー摩耗量
が20mg未満である耐摩耗性材料、及び該耐摩耗性材
料をバインダー樹脂として使用した電子写真感光体用の
電荷輸送層及び/又は保護層。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐摩耗性材料に関
し、特にこれをバインダー樹脂とする電子写真感光体用
の電荷輸送層及び/又は保護層に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スチレン系樹脂は良成形性と透明性を兼
ね備え、ゴム変性することで耐衝撃性も付与されること
から弱電分野、機械部品、雑貨等に広く使用されてい
る。また、スチレン系エラストマーは、高いゴム弾性を
有し、他の樹脂との相容性も良好であることから成形性
を落とさずに耐衝撃性を付与する樹脂の改質用としてス
チレン系樹脂やオレフィン系樹脂,エンジニアリングプ
ラスチック等に添加されて弱電分野、機械部品、雑貨等
に広く使用されている。しかし、これらのスチレン系樹
脂やスチレン系エラストマーを摩擦や摩耗を伴う摺動部
品等に使用すると、耐摩耗性の特性が低いことから樹脂
の一部が変形したり削れたりして、耐摩耗性の要求され
る分野には使用できないという欠点があった。
【0003】そこでスチレン系樹脂やスチレン系エラス
トマーにポリジメチルシロキサン等の添加剤を配合する
ことにより耐摩耗性を向上させる試みが行われている
が、この方法によるとスチレン系樹脂の透明性が損なわ
れ、特に透明性が要求される分野には使用できないばか
りではなく、成形品表面にポリジメチルシロキサンがブ
リードアウトしたり、成形時に金型の汚染を引き起こし
たり、さらには添加剤の価格が高いことによる製品のコ
ストアップ等が問題とされていた。
【0004】ところで、透明性樹脂の用途の一つに電子
写真感光体用のバインダー樹脂がある。これは、樹脂の
溶媒に対する溶解性を利用して適度な粘度に調整し、こ
れに有機顔料や機能性有機顔料を分散させ電荷輸送層
(保護層)として基材に塗布させるものである。このバ
インダー樹脂を利用した電子写真感光体を複写プロセス
又は印字プロセスに適用する場合、帯電、感光、現像、
転写、除電・クリーニング等のプロセスが繰り返し行わ
れるため、感光体表面の電荷輸送層(保護層)に使用さ
れるバインダー樹脂としては、特に透明性と耐摩耗性に
優れることが要求される。近年の複写機の高性能高速化
に伴い、更に耐摩耗性に優れる樹脂の要求が強くなって
いる。
【0005】一般に、電子写真感光体の電荷輸送層のバ
インダー樹脂としては、ポリカーボネート系の材料を用
いることにより耐摩耗性、耐刷性を向上させる技術が提
案されている(特開平6−266143号公報、特開平
6−332234号公報)。しかしながら、上記の如き
樹脂は耐摩耗性は良好ながら、ジクロロメタン等のハロ
ゲン系の特殊溶剤に溶解させる必要があることから、ト
ルエン等の一般芳香族溶媒に溶けるバインダー樹脂が望
まれていた。
【0006】また特開平2−158746号公報には、
導電性基体上に感光層及び保護層を順次設けた電子写真
感光体において、該保護層にポリアリレート樹脂、ポリ
スルホン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体お
よびスチレンーブタジエン共重合体から選ばれる少なく
とも1種の樹脂バインダーと金属酸化物微紛を含有さ
せ、トナーなどの現像剤が表面固着しない鮮明な複写画
面を与える電子写真感光体が提案されている。しかし、
この場合にも繰り返し行われる複写プロセスに対する耐
摩耗性は十分なものではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる現状に
鑑みて、特に摩耗を伴う摺動部品や電子写真感光体の電
荷輸送層、保護層のバインダー樹脂として好適な耐摩耗
性材料を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために本発明者等は鋭意検討の結果、特定のスチレン系
エラストマーが耐摩耗性にすぐれ、特に電子写真感光体
用の電荷輸送層に使用されるバインダー樹脂にも適して
いることを見い出し本発明を完成した。即ち、本発明の
請求項1は、スチレンーブタジエン共重合体中のスチレ
ン成分の含有量が25〜55wt%の範囲にあり、か
つ、ポリブタジエンブロックのブタジエン二重結合部分
が5wt%未満となるように水素添加により飽和された
スチレンーブタジエン共重合体であって、JIS K−
7204で測定したテーバー摩耗量が20mg未満であ
ることを特徴とする耐摩耗性材料である。
【0009】また本発明の請求項2は、請求項1記載の
耐摩耗性材料(スチレンーブタジエン共重合体)50〜
99重量%と屈折率が1.5〜1.6の範囲にあるビニ
ル系共重合体1〜50重量%からなる樹脂組成物であっ
て、該樹脂組成物を成形して得られる3mm厚みの成形
板の曇価が35%以下であることを特徴とする耐摩耗性
材料である。
【0010】さらに本発明の請求項3は、引張強さ
(σ:単位kgf/mm2)と伸び(ε:単位%)の積
(σ・ε)が1000以上である請求項1または2記載
の耐摩耗性材料である。さらにまた本発明の請求項4
は、上記の請求項1〜3のいずれかに記載の耐摩耗性材
料をバインダー樹脂として使用した電子写真感光体用の
電荷輸送層及び/又は保護層である。
【0011】以下本発明を詳細に説明する。本発明で使
用するスチレンーブタジエン共重合体とは、スチレンー
ブタジエンのランダム共重合型又はブロック共重合型の
いずれかの共重合体中のポリブタジエンブロックの二重
結合を水素添加により5wt%未満となるように飽和さ
せたスチレン系エラストマー(以下水添スチレンーブタ
ジエン共重合体と略す)であって、スチレン成分(S
t)含有量が25〜55wt%の範囲で構成されている
ことが必要で、好ましくはスチレン成分(St)含有量
が30〜45wt%の範囲で構成されているスチレンー
ブタジエンブロック共重合体が好ましい。スチレン成分
(St)含有量が25〜55wt%の範囲を外れると耐
摩耗性が著しく悪化する。
【0012】本発明の水添スチレンーブタジエン共重合
体を構成するスチレンには、スチレン、スチレン誘導体
としてα−メチルスチレン等の側鎖アルキル置換スチレ
ン,ビニルトルエン等の核アルキル置換スチレン,クロ
ルスチレン等のハロゲン化スチレン,ジビニルベンゼン
等を上げることができる。
【0013】本発明の水添スチレンーブタジエン共重合
体のポリブタジエンブロックの二重結合の残存量は低い
ほど良く、二重結合部分が減少するほど耐候性が高くな
る性質を有する。特に電子写真感光体用の電荷輸送層の
バインダー樹脂やその上の保護層に用いる場合はコロナ
放電等により発生するオゾンや露光時の光により劣化を
受けるので、ポリブタジエンブロックの二重結合の残存
量が低いほうが好ましい。また、ポリブタジエンブロッ
クの二重結合の残存量が多いと透明性が著しく悪化する
ので低い方が望ましい。耐候性,透明性及び耐摩耗性の
バランスを両立させるためには、ポリブタジエンブロッ
クの二重結合の残存量は5wt%未満であることが必要
であり、好ましくは2wt%未満、更に好ましくは1.
5wt%未満の範囲である。
【0014】本発明で使用する水添スチレンーブタジエ
ン共重合体における、JIS K−7204で測定した
テーバー摩耗量は20mg未満であることが必要であ
り、好ましくは10mg未満である。テーバー摩耗量が
20mg以上となると、摩擦や摩耗を伴う摺動部品等に
使用した場合、削れた樹脂が製品中に混入したりするこ
とから好ましくない。
【0015】また、本発明に使用する耐摩耗材料はJI
S K−6301で測定した引張強さ(σ:単位kgf
/mm2)と伸び(ε:単位%)の積(σ・ε)が10
00以上あるものが好ましく、さらに好ましくは140
0以上である。引張強さ(σ:単位kgf/mm2)と
伸び(ε:単位%)の積(σ・ε)が1000以下とな
ると機械的強度と耐摩耗性のバランスのとれた材料とな
らない。
【0016】本発明の水添スチレンーブタジエン共重合
体は他の樹脂とブレンドしアロイ化しても耐摩耗性材料
として優れた特性を発現する。本発明の水添スチレンー
ブタジエン共重合体とブレンド可能な樹脂とは、屈折率
が1.5〜1.6の範囲内にあるものであれば特に限定
されるものではないが、水添スチレンーブタジエン共重
合体との相溶性、耐摩耗特性の観点からは、スチレン系
単量体及びこれと共重合可能な少なくとも1種以上のビ
ニル系単量体を構成成分とする共重合体であることが望
ましい。ここで屈折率が1.5〜1.6の範囲内にない
場合は、透明性を著しく損ねるために電子写真感光体の
電荷輸送層用や保護層用のバインダー樹脂のように透明
性が要求される部分には使用することができない。
【0017】上記、スチレン系単量体としては、スチレ
ン、スチレン誘導体としてα−メチルスチレン等の側鎖
アルキル置換スチレン,ビニルトルエン等の核アルキル
置換スチレン,クロルスチレン等のハロゲン化スチレ
ン,ジビニルベンゼン等を挙げることができる。また、
スチレン系単量体と共重合可能なビニル系単量体として
は,アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のシア
ン化ビニル単量体、メタクリル酸、アクリル酸類、メチ
ルメタクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類、
マレイン酸、マレイン酸エステル類、イタコン酸および
イタコン酸エステル類、シクロヘキシルマレイミド、N
−アルキルマレイミド類、N−フェニルマレイミド類等
が例示される。これらの単量体は単独で使用しても2種
以上併用しても良い。
【0018】また、本発明の耐摩耗性材料を製造する際
には、任意の工程で必要に応じて、n−octadec
yl 3−(3,5−di−tert−butyl−4
−hydroxyphenyl)propionate
, 2,6−di−tert−butyl−4−me
thylphenol 等のヒンダードフェノール系,
trisnonylphenyl phosphite
, tris(2,4−di−tert−butyl
phenyl) phosphite等のリン系,pe
ntaerythrityl tetrakis(3−
laurylthiopropionate)等の硫黄
系,2−[1−(2−hydroxy−3,5−di−
tert−pentylphenyl)ethyl]−
4,6−di−tert−pentylphenyl
acrylate等のフェノールアクリレート系等の酸
化防止剤などを添加してもよい。
【0019】次に本発明の水添スチレンーブタジエン共
重合体またはその樹脂組成物を電子写真感光体の電荷輸
送層用や保護層用のバインダー樹脂に使用する場合につ
いて説明する。前述した電子写真感光体は、特定の光に
よって電荷を発生するフタロシアニン系顔料等の光導電
性材料を樹脂バインダーで導電性基体上に形成させた電
荷発生層と更に電荷発生層の上に形成された電荷輸送層
とで構成されており、また、更に保護層を設けて構成さ
れる場合もある。
【0020】電荷輸送層は電荷発生層で生成した電荷を
電子写真感光体最外層へ運ぶ役目をするために電荷輸送
物質となるヒドラゾン系化合物等の有機光導電性材料を
含有したバインダーで形成されている。一方、電荷輸送
層及び保護層の耐摩耗性向上は樹脂バインダーに依存す
るところが大きく、電荷輸送物質である有機光導電性材
料との相溶性の他に製膜性と耐摩耗性が必要である。
【0021】本発明の耐摩耗性材料を電荷輸送層として
電子写真感光体に使用する場合、導電性基体としては、
特に制限がなく、一般に使用されているアルミ等の金属
板、金属ドラム、アルミ箔を積層したプラスチックフィ
ルム等を適宜使用することができる。また、導電性基体
上に形成される電荷発生層は一般にバインダー樹脂と電
荷発生物質である有機光導電性材料とから形成される。
【0022】電荷発生層に用いられるバインダー樹脂と
してはポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、
ポリエステル系樹脂、メタクリレート系樹脂、アクリレ
ート系樹脂等があるが特に限定されるものではない。電
荷発生物質としては、フタロシアニン系顔料、ビスアゾ
系顔料、ペリレン系顔料、スクアリック塩系顔料、アズ
レニウム塩系顔料、キノン系縮合多環化合物等が例示さ
れるが、特に限定されない。
【0023】また、電荷輸送層は、前記耐摩耗性材料で
あるスチレンーブタジエン共重合体またはその組成物を
バインダーとして電荷輸送物質となる有機光導電性材料
を適宜分散含有させたものである。ここで、電荷輸送物
質となる有機光導電性材料としては、公知のポリ−n−
ビニルカルバゾール系化合物、ピラゾリン系化合物、α
−フェニルスチルベン系化合物、ヒドラゾン系化合物、
ジアリールメタン系化合物、トリフェニルアミン系化合
物、ジアミノカルバゾール系化合物、フルオレイン系化
合物、アントラセン系化合物、オキサジアゾール系化合
物、ジビニルベンゼン系化合物などが例示される。ま
た、電荷輸送層には、必要に応じて電荷輸送物質と併用
して耐候性助剤,酸化防止剤および可塑剤等を配合する
こともできる。更に必要に応じて電荷輸送層の上から施
す保護層には、有機光導電性材料、耐候性助剤,酸化防
止剤および可塑剤等を配合することもできる。
【0024】本発明において、電荷輸送層や保護層に使
用するバインダー樹脂は、スチレンーブタジエン共重合
体中のスチレン成分(St)の含有量が25〜55wt
%の範囲にあり、かつ、ポリブタジエンブロックのブタ
ジエン二重結合部分が5wt%未満となるように水素添
加により飽和されたスチレンーブタジエン共重合体であ
って、JIS K−7204で測定したテーバー摩耗量
が20mg未満であるか、該スチレンーブタジエン共重
合体50〜99重量%と屈折率が1.5〜1.6の範囲
にあるビニル系共重合体1〜50重量%からなり、かつ
該樹脂を成形して得られる3mm厚の成型板の曇価が35
%以下のいずれかであることが必要である。
【0025】電荷輸送層や保護層に使用するバインダー
樹脂材料としては、JIS K−6301で測定した引
っ張り強さ(σ:単位kgf/mm2)と伸び(ε:単
位%)の積(σ・ε)が1000以上であることによ
り、より優れた耐摩耗性を示すことができ望ましい。本
発明で導電性基体に電荷輸送層や保護層を形成する方法
としては、浸漬塗工法、スプレー塗工法、ロールコータ
ーによる塗工法、アプリケーターによる塗工法等の公知
の塗工法により塗布し乾燥させて形成することができ
る。なお、この際溶媒が必要とされる場合には、樹脂成
分と有機光導電性材料とを溶解させることができる有機
溶剤を使用することができる。
【0026】本発明において電荷輸送層の膜厚は0.0
1〜30μm、更には0.1〜20μmの範囲にあるこ
とが好ましい。この厚さが0.01ミクロン以下である
と層の厚みを均一にすることが困難となるので好ましく
ない。また30ミクロンを越えると電子写真特性が低下
するので好ましくない。また保護層の膜厚は0.5〜1
0μm、更には1〜5μmの範囲にあることが好まし
い。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を実施
例とともに説明する。まず本発明の実施例に使用した樹
脂の製造法や特性評価方法を説明する。 (1)水添スチレン−ブタジエン共重合体の重合方法 スチレンとブタジエンを乳化重合や溶液重合により共重
合し、これをオートクレーブ内で高温で可塑化させ、水
素を高圧下で含浸して反応させ水添スチレン−ブタジエ
ン共重合体とする。
【0028】(2)ブレンド用(共)重合体の製造方法 下記〜に示す各重合体類については、単量体と溶
媒、反応助剤、連鎖移動剤の混合原料を完全混合型満液
式反応器に連続的に供給し反応器の一定の圧を保ちなが
ら反応器から重合物を抜き出し、減圧ベント口を有する
二軸押出機にて残存単量体、溶媒等を除去するラジカル
重合プロセスによりペレットを得た。
【0029】スチレン重合体の製造方法 上記製造方法において、溶媒にエチルベンゼン(EB)
を用い、開始剤にt−ヘキシルパーオキシイソプロピル
モノカーボネートを原料に対し200ppm添加する。
重合温度を120°Cとし転化率を80%程度に安定さ
せ、脱揮後ペレットを得た。
【0030】メチルメタクリレート(MMA)−スチ
レン(St)共重合体の製造方法 前記製造方法において、溶媒にエチルベンゼン(EB)
を用い、原料の混合比率を(A)MMA/St/EB=
74/16/10としたものと(B)MMA/St/E
B=19/76/5としたものを使用し、二種類の共重
合体を製造した。この際、開始剤にt−ブチルパーオキ
シイソプロピルモノカーボネートを原料に対し200p
pm添加し、重合温度を130°Cとし転化率を80%
程度に安定させた。また、分子量調節にはn−ドデシル
メルカプタン(NDM)を用いた。
【0031】シクロヘキシルマレイミド(CHMI)
−メチルメタクリレート(MMA)−スチレン(St)
共重合体の製造方法 前記製造方法において、溶媒にメチルエチルケトン(M
EK)を用い、原料の混合比率をCHMI/MMA/S
t/MEK=6.4/60.8/12.8/20.0と
した。開始剤にt−ブチルパーオキシイソプロピルモノ
カーボネートを原料に対し200ppm添加した。重合
温度を130°Cとし転化率を70%程度に安定させ
た。また、分子量調節にn−ドデシルメルカプタン(N
DM)を用いた。
【0032】(3)配合樹脂組成物の製造 水添スチレン−ブタジエン共重合体と共重合されたペレ
ットを任意の割合でブレンドし、適宜酸化防止剤を添加
し、二軸押し出し機にて混練し配合樹脂組成物を得た。
【0033】以下の実施例、比較例におけるスチレン系
共重合体(組成物)の特性評価方法は、下記の通りであ
る。 (a)樹脂(組成物)の組成分析 樹脂ペレットをメチルエチルケトン(MEK)溶媒に溶
かし、遠心分離機により15000回転,60分間処理
してMEK可溶分を分離する。MEK可溶分にメタノー
ルを加え再沈殿処理する。濾過後の沈殿物を真空乾燥機
に入れ70℃で24時間フルバキューム状態で揮発成分
を除去する。得られた処理後のMEK可溶分をパーキン
エルマー社製CHNO元素分析計にて測定し組成分析を
行った。
【0034】(b)スチレン含有量及び残存ブタジエン
ブロック(Bt)の測定 これらの測定は1H−NMR(日本電子製EX−40
0)により行った。約6.3〜7.4ppm付近に現れ
るスチレンの芳香族ピーク、約0.9〜2.3ppm付
近に現れるスチレン主鎖部分ピーク及び水添ブタジエン
のピーク、約5.4ppm付近に現れる二重結合ピーク
を未水添ブタジエンのピーク、0〜0.8ppm付近に
現れる末端メチルのピークより算出した。
【0035】(c)重量平均分子量(Mw)測定 MEK可溶分(0.02g)をテトラヒドロフラン溶媒
(20ml)に溶かし、東ソー製(GPCカラム:TS
K gel G2000H×L×3)を使用し、ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィー分析により、RI検
出器を用いてポリスチレン換算値として平均分子量及び
分子量分布を求めた。 (d)メルトフローレイト(MFR:g/10分) JIS K−7207に準じ200℃,5kgの条件で
求めた。 (e)引張試験 引張強度と破断伸びはJIS K6301に準じ、3号
ダンベル試験片を作成し試験速度500mm/分で引張
試験を行った。
【0036】(f)テーバー摩耗試験 スチレン系共重合体(組成物)と下記化学式化1の顔料
各5gを混合しジクロロベンゼン溶媒60mlに溶解し
塗布液を得た。塗布液をガラス基盤にコーターを用いて
塗布し、真空乾燥器にて溶媒除去後30ミクロン程度の
キャスト板を得た。JIS K−7204(摩耗輪によ
るプラスチック摩耗試験方法)に準じ、摩耗輪CS−1
0を用いてテーバー摩耗試験を行った。ターンテーブル
の回転数は60rpm,荷重は1000gfとした。試
験は3回行ない、試験値の平均値を算出し摩耗量(m
g)として示した。
【0037】
【化1】
【0038】(g)曇価算出 東芝機械IS−130F射出成形機にて、3.0mmt
×76.2mmL×50.8mmWのカラープレートを
成形し、そのカラープレートをスガ試験機ヘーズコンピ
ューターHGM−2D型にて厚み3mmの全光線透過率
と拡散光線透過率を測定し下記式にて求めた。 曇価=拡散光線透過率÷全光線透過率×100
【0039】
【実施例】以下本発明の具体的な実施例を説明する 実施例1 スチレン成分の含有量32.6wt%、残存ブタジエン
二重結合部分としての割合(残存Bt値)1wt%の水
添スチレン−ブタジエンブロック共重合体に、フェノー
ルアクリレート系酸化防止剤の2−[1−(2−hyd
roxy−3,5−di−tert−pentylph
enyl)ethyl]−4,6−di−tert−p
entylphenyl acrylateを3000
ppm及びヒンダードフェノール系酸化防止剤のn−o
ctadecyl 3−(3,5−di−tert−b
utyl−4−hydroxyphenyl)prop
ionateを1000ppm添加し、均一にするため
に二軸押出機で溶融混練しぺレット状として使用した。
得られたぺレットの性状を表1にまとめた。また引張試
験とテーバー摩耗試験結果を表2にまとめた。
【0040】実施例2 スチレン成分の含有量33.0wt%、残存ブタジエン
部分の割合0.8wt%の水添スチレン−ブタジエンブ
ロック共重合体を使用した以外は実施例1と同様に行っ
た。得られたぺレットの性状を表1にまとめた。また引
張試験とテーバー摩耗試験結果を表2にまとめた。
【0041】実施例3 樹脂成分に原料の単量体の混合比率MMA/St/EB
=74/16/10によって得られたメチルメタクリレ
ート(MMA)とスチレン(St)の共重合体(共重合
比;80/20)とスチレン成分の含有量32.6wt
%、残存ブタジエン部分の割合1.0wt%の水添スチ
レン−ブタジエンブロック共重合体を10/90で配合
したものを使用した以外は実施例1と同様に行った。得
られた透明ぺレットの性状を表1にまとめた。また引張
試験とテーバー摩耗試験結果を表2にまとめた。
【0042】実施例4 樹脂成分にシクロヘキシルマレイミド(CHMI)とメ
チルメタクリレート(MMA)とスチレン(St)の共
重合体(共重合比;1.0/7.1/1.9)とスチレ
ン成分の含有量32.6wt%、残存ブタジエン部分の
割合1.0wt%の水添スチレン−ブタジエンブロック
共重合体を10/90で配合したものを使用した以外は
実施例1と同様に行った。 得られた透明ぺレットの性
状を表1にまとめた。また引張試験とテーバー摩耗試験
結果を表2にまとめた。
【0043】比較例1 樹脂成分にスチレン(St)の単独重合体を使用した以
外は実施例1と同様に行った。得られたぺレットの性状
を表1にまとめた。また引っ張り試験とテーバー摩耗試
験結果を表2にまとめた。
【0044】比較例2 樹脂成分に原料の単量体の混合比率MMA/St/EB
=19/76/5によって得られたメチルメタクリレー
ト(MMA)とスチレン(St)の共重合体(共重合体
比;20/80)を使用した以外は実施例1と同様に行
った。得られた透明ぺレットの性状を表1にまとめた。
また引張試験とテーバー摩耗試験結果を表2にまとめ
た。
【0045】比較例3 水添していないスチレン成分の含有量75wt%、残存
ブタジエン二重結合部分としての割合(残存Bt値)2
5wt%のスチレン−ブタジエンブロック共重合体を使
用した以外は実施例1と同様に行った。得られた透明ペ
レット性状を表1にまとめた。また引張試験とテーバー
摩耗試験結果を表2にまとめた。
【0046】比較例4 樹脂成分にスチレン成分の含有量61.9wt%、残存
ブタジエン部分の割合0.5wt%の水添スチレン−ブ
タジエン共重合体を使用し、ヒンダードフェノール系酸
化防止剤であるn−octadecyl 3−(3,5
−di−tert−butyl−4−hydroxyp
henyl)propionateの添加量を3000
ppmにしたこと以外は、実施例1と同様に行った。得
られたぺレットの性状を表1にまとめた。また引張試験
とテーバー摩耗試験結果を表2にまとめた。
【0047】参考例1 耐摩耗性材料に分子量Mwが36000のポリカーボネ
ートZ型を使用し、ヒンダードフェノール系酸化防止剤
であるn−octadecyl−3−(3,5−di−
tert−butyl−4−hydroxypheny
l)propionateの添加量を3000ppmに
したこと以外は、実施例1と同様に行った。 得られた
ぺレットの性状を表1にまとめた。また引張試験とテー
バー摩耗試験結果を表2にまとめた。
【0048】参考例2 アクリロニトリル(AN)とスチレン(St)の共重合
を行った。溶媒にメチルエチルケトン(MEK)を用い
た。原料の混合比率はAN/St/MEK=42/38
/20とした。開始剤にt−ヘキシルパーオキシイソプ
ロピルモノカーボネートを原料に対し200ppm添加
した。重合温度を120°Cとし転化率を80%程度に
安定させた。また、分子量調節にn−ドデシルメルカプ
タン(NDM)を用いた。得られたぺレットの性状を表
1にまとめた。また引張試験とテーバー摩耗試験結果を
表2にまとめた。
【0049】実施例5 ポリアミド樹脂CM8000(東レ製)3.5gおよび
メラミンML2000(日立化成工業製)3.5gをメ
タノールと塩化メチレンの50/50の混合溶媒93g
で溶解し、アプリケーターで厚さ1mmのアルミニュウ
ム板からなる導電性基板に塗布後、120°Cで20分
間乾燥させ膜厚0.4μmの下引き層を形成した。次
に、電荷発生物質の化学式化2で示すビスアゾ顔料を1
0g、ポリビニルホルマール樹脂10gをボールミルを
用いて30時間混練し、これにテトラヒドロフラン(T
HF)100gを加え、この分散液をアプリケーターで
下引き層の上から塗布後、120°Cで30分間乾燥さ
せ、膜厚0.4μmの電荷発生層を形成した。
【0050】次に、有機光導電材料である化学式化3で
示すヒドラゾン系顔料10gと実施例1で使用した水添
SBR樹脂10gをジクロロベンゼン溶媒80gに溶解
し、アプリケーターで電荷発生層の上に塗布し、100
℃で1時間乾燥させ膜厚10μmの電荷発生層と電荷輸
送層を有する電子写真感光体を形成した。この電子写真
感光体の電荷輸送層の上から碁盤目テープ法(JIS
K−5400)に準じ電子写真感光体の密着性について
評価した。切り傷の間隔は2mmとし、ますめの数は2
5個とした。5回の試験の結果、評価点数は8〜10点
であり、切り口の交点にわずかな剥がれが確認されるも
のの正方形の一目一目に剥がれがなく、欠損部の面積は
全正方形面積の5%以内もしくは切り傷1升ごとが細か
く滑らかであり、切り傷の交点と正方形の一目一目に剥
がれがない状態であった。
【0051】
【化2】
【化3】
【0052】比較例5 電荷輸送層用の樹脂として比較例2で得られたメチルメ
タクリレート−スチレン共重合体を使用した以外は実施
例5と同様におこなった。碁盤目テープ法による密着性
の評価点数は5回の試験の結果4点であり、切り傷によ
るはがれの幅が広く欠損部の面積は全正方形面積の15
〜35%程度であった。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【発明の効果】本発明による耐摩耗性材料は、耐摩耗性
に優れかつ透明性も有していることから、電気、機械分
野の部品に広く使用することができる。また、電子写真
感光体用途においては、耐摩耗性、透明性の特性を生か
すことができ、さらに、基材との密着性にも優れること
から、その電荷輸送層や保護層のバインダーに使用する
場合、特に有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08F 297/00 MRC C08F 297/00 MRC

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレンーブタジエン共重合体中のスチ
    レン成分(St)の含有量が25〜55wt%の範囲に
    あり、かつ、ポリブタジエンブロックのブタジエン二重
    結合部分が5wt%未満となるように水素添加により飽
    和されたスチレンーブタジエン共重合体であって、JI
    S K−7204で測定したテーバー摩耗量が20mg
    未満であることを特徴とする耐摩耗性材料。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のスチレンーブタジエン共
    重合体50〜99重量%と屈折率が1.5〜1.6の範
    囲にあるビニル系共重合体1〜50重量%からなる樹脂
    組成物であって、該樹脂組成物を成形して得られる3m
    m厚みの成形板の曇価が35%以下であることを特徴と
    する耐摩耗性材料。
  3. 【請求項3】 引張強さ(σ:単位kgf/mm2)と
    伸び(ε:単位%)の積(σ・ε)が1000以上であ
    る請求項1または2記載の耐摩耗性材料。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の耐摩耗
    性材料をバインダー樹脂として使用した電子写真感光体
    用の電荷輸送層及び/又は保護層。
JP4520896A 1996-03-01 1996-03-01 耐摩耗性材料及び電子写真感光体用の電荷輸送層 Withdrawn JPH09235442A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7060404B2 (en) 2001-05-01 2006-06-13 Ricoh Company, Ltd. Electrophotographic photoreceptor, method for manufacturing the electrophotographic photoreceptor and image forming apparatus using the electrophotographic photoreceptor
JP2008107823A (ja) * 2006-09-29 2008-05-08 Dainippon Printing Co Ltd 光学素子、上記光学素子を用いた液晶表示装置用部材、上記液晶表示装置用部材を用いた液晶表示装置、上記光学素子の製造方法及び複屈折率機能層の評価方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7060404B2 (en) 2001-05-01 2006-06-13 Ricoh Company, Ltd. Electrophotographic photoreceptor, method for manufacturing the electrophotographic photoreceptor and image forming apparatus using the electrophotographic photoreceptor
US7127196B2 (en) 2001-05-01 2006-10-24 Ricoh Company, Ltd. Electrophotographic photoreceptor, method for manufacturing the electrophotographic photoreceptor and image forming apparatus using the electrophotographic photoreceptor
JP2008107823A (ja) * 2006-09-29 2008-05-08 Dainippon Printing Co Ltd 光学素子、上記光学素子を用いた液晶表示装置用部材、上記液晶表示装置用部材を用いた液晶表示装置、上記光学素子の製造方法及び複屈折率機能層の評価方法

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