JPH09235137A - 磁気ディスク用基板ガラスおよびその製造方法 - Google Patents

磁気ディスク用基板ガラスおよびその製造方法

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JPH09235137A
JPH09235137A JP8071388A JP7138896A JPH09235137A JP H09235137 A JPH09235137 A JP H09235137A JP 8071388 A JP8071388 A JP 8071388A JP 7138896 A JP7138896 A JP 7138896A JP H09235137 A JPH09235137 A JP H09235137A
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glass
magnetic disk
zno
sio
temperature
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JP8071388A
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English (en)
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Masatoshi Murakoso
正敏 村社
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AGC Techno Glass Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Glass Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C10/00Devitrified glass ceramics, i.e. glass ceramics having a crystalline phase dispersed in a glassy phase and constituting at least 50% by weight of the total composition
    • C03C10/0009Devitrified glass ceramics, i.e. glass ceramics having a crystalline phase dispersed in a glassy phase and constituting at least 50% by weight of the total composition containing silica as main constituent

Abstract

(57)【要約】 【課題】 テクスチャー処理を必要とせず磁気ディスク
基板に望ましい表面粗度が得られる磁気ディスク用基板
ガラスおよびその製造方法を提供する。 【解決手段】 SiO2 −Li2 O系ガラスを基礎ガラ
スとしてZnOを加えてなる組成を有するガラスを溶融
し、成形後加熱昇温し、当該ガラスの示差熱分析の第2
発熱ピーク温度から高温側40℃の温度範囲内で、かつ
850℃を上限として結晶化処理を行うことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、研磨により磁気デ
ィスク用基板に適した表面粗さが得られる磁気ディスク
用基板ガラスとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータ等の外部記憶媒体として用
いられている磁気ディスクは、円板状の基板に磁性膜お
よび保護膜を形成して構成され、この磁気ディスクに記
録・再生を行う磁気ヘッドと磁気ディスクを回転させる
モータを主要部品として磁気記憶装置が構成されてい
る。このような磁気記憶装置においては、一般にその動
作開始前と動作終了後、ヘッドと磁気ディスクは接触状
態で静止しており、磁気ディスクの回転動作によりヘッ
ドを浮上させ、ヘッドと磁気ディスク表面との間に気流
によるわずかな間隙をつくって、この状態で記録再生を
行う方式が採用されており、コンタクトスタートストッ
プ方式と呼ばれている。
【0003】この方式では、ヘッドと磁気ディスク間の
接触摩擦力がヘッドおよび磁気ディスクを損耗させ、ま
た磁気ディスクが極めて平滑な表面をもつ場合、雰囲気
中の水分の影響により停止中のヘッドが吸着現象を起こ
すことが知られている。これとは逆に磁気ディスク表面
に異常な突起があると、ヘッドが突起に衝突して浮上状
態が不安定になり、記録再生特性が悪化するほか損傷の
危険もある。しかし、一方では取扱情報量の増化に伴
い、磁気ディスク基板の小型・薄型化、ヘッド浮上量の
低下等による高密度記録化にも対応しなければならな
い。
【0004】以上から磁気ディスク用基板には、次のよ
うな特性が要求されている。 接触摩擦力低減、吸着現象防止のため、適度に制御さ
れた表面粗度をもつこと。 ヘッド浮上量の低下に対応できる平坦かつ平滑な表面
を持つこと。 磁気ディスク用基板素材は、結晶異方性、空隙、欠陥
がなく、緻密で均質であること。 高速回転、ヘッドクラッシュに耐える機械的強度をも
つこと。 製膜工程などの薬品による洗浄や加熱に耐える化学的
耐久性を有すること。 基板の厚さを薄くしても変形しない剛性を備えている
こと。
【0005】従来、磁気ディスク基板の材料としてアル
ミニウム合金が使用されてきたが、小型・薄型・高密度
化の進展につれて表面粗度、平坦性、剛性などの点で不
十分なことが明らかになり、これらの点をカバーできる
ガラス素材による磁気ディスク基板が提案されるように
なった。
【0006】ガラス素材による磁気ディスク基板には、
大別して化学強化ガラスによるものと結晶化ガラスによ
るものの2種がある。このうち化学強化ガラスを使用し
た磁気ディスク基板は、研磨の前に化学強化処理を行っ
た場合には化学強化層を安定して残すことが難しく、逆
に研磨後に化学強化処理を行うと表面性状に影響し、表
面粗度や平滑性を損なう虞がある。また通常のガラスは
表面が極めて平滑であるため、適度な表面粗度を与える
ために機械的または化学的なテクスチャー処理を行うこ
とが必要である。さらに、化学強化を可能にするため基
板ガラス中にナトリウムを含んでいることから、ナトリ
ウムイオンによる膜特性の悪化が懸念される。
【0007】他方、結晶化ガラスを使用した磁気ディス
ク基板では、結晶化により高い機械的強度を得ているた
め、強化処理に伴う上記のような問題がなく、熱処理条
件によって析出結晶を制御することで特性の調整が可能
である。結晶化ガラスを使用した磁気ディスク基板とし
ては、特開平2-247821号公報に記載されたものが知られ
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平2-247821号
公報に記載のものは、シート状ケイ酸塩ないしは鎖状ケ
イ酸塩のミクロ構造をもつ結晶相を生成する結晶化ガラ
スとして、フルオロフロゴバイト固溶体を主結晶とする
もの、四ケイ化フルオロマイカ結晶を主結晶とするも
の、カナサイトを主結晶とするもの、フルオロリッヒタ
イトを主結晶とするもの、フルオロリッヒタイトを主結
晶としてクリストバライトを実質的に含有するものを基
板としている。これらの結晶化ガラスを用いることによ
り、テクスチャー処理を必要とせず研磨のみで磁気ディ
スク基板として適度な表面粗度が得られる。しかしなが
ら、これらは析出結晶が柱状結晶または針状結晶となる
ため、異常突起が発生する問題があった。
【0009】以上のほかにもSiO2 −Li2 O系のL
2 O・SiO2 やLi2 O・2SiO2 を析出する結
晶化ガラスは、SiO2 −Al2 3 −Li2 O系のβ
−石英やβ−スポジュメン等を析出する低膨張結晶化ガ
ラスに比べて原ガラスの溶融温度が低く、生産性が高い
ため各種基板用としての利用が提案されているが、研磨
により平坦な面を得るものがほとんどであり、研磨のみ
で磁気ディスク基板に望ましい表面粗度が得られるもの
は少ない。
【0010】本発明の目的は、溶融温度が低く生産性が
高いSiO2 −Li2 O系の結晶化ガラスを用い、研磨
のみで磁気ディスク基板に望ましい表面粗度が得られる
磁気ディスク用基板ガラスおよびその製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、SiO2 −Li2 O系ガラスを基礎ガラス
としてZnOを加え、その添加量と核形成助剤および熱
処理条件を詳細に規定したものである。
【0012】すなわち、請求項1記載の発明は、質量百
分率で、SiO2 70〜85%,Li2 O 7〜13
%,ZnO 1.5〜7%,SiO2 +方向 77〜8
6%,K2 O 0〜6%,Al2 3 0〜5%,P2
5 0〜3%,Sb2 3 0〜3%,As2 3 0〜6%
からなる組成を有するガラスを熱処理して結晶化したも
のであって、その結晶相が二珪酸リチウム(Li2 O・
2SiO2 )および二酸化珪素(SiO2 )結晶を有す
ることを特徴としている。
【0013】以上のような請求項1記載の発明によれ
ば、結晶化後の基板に研磨を施すことによって所望とす
る一定の表面粗度が得られる。これは、結晶化処理後の
ガラスのX線回折にLi2 O・2SiO2 と同時にα−
石英、β−石英、二酸化珪素の各種SiO2 ピークが認
められることから、ZnOの存在によりLi2 O・2S
iO2 と各種SiO2 の結晶が析出する結果、その析出
状態によっては研磨速度に差が生じ、研磨することで磁
気ディスク基板に適当な表面粗度が得られるものと考え
られる。
【0014】このような作用効果は、ZnOに代えてB
aOまたはMgOを添加した場合にも見られるが、示差
熱分析による結晶化発熱ピークを比較すると、結晶化発
熱ピークが認められる温度はZnO添加の場合が最も低
く、研磨後の表面状態でも一定の表面粗度が得やすい。
より低温で結晶化処理が行えることは、処理時間の短
縮、省エネルギーの点で生産性向上になる。これはZn
Oを選択して組合せた場合の一つのメリットである。
【0015】次に本発明を構成するガラス組成を上記の
ように限定した理由を説明する。
【0016】SiO2 は結晶化によって二珪酸リチウム
と各種二酸化珪素の結晶を生成する成分であるが、70
%未満では析出する結晶が不安定で粗大化しやすくな
り、化学的耐久性も悪化する。また85%を越えると原
ガラスの溶融性が悪くなる。好ましくは73〜83%の
範囲である。
【0017】Li2 Oは二珪酸リチウム析出のための必
須成分であり、Li2 O含有量によって二珪酸リチウム
の析出量が影響される。含有量が7%未満では原ガラス
の溶融性が悪く、また二珪酸リチウムの析出量が不十分
となり、13%を越えると化学的耐久性が劣化し、析出
結晶が不安定で粗大化しやすくなる。
【0018】ZnOは各種二酸化珪素結晶の析出を促す
効果がある重要な成分であるが、1.5%未満ではその
効果が得られず、7%を越えると多量の結晶析出をまね
き所望の表面性状が得られなくなる。2〜4%の範囲が
特に好ましい。
【0019】この他にZnOはアルカリ土類金属の中で
も特に化学的耐久性を向上させる効果に優れるので、Z
nO含有により繰り返し洗浄やエッチングに強い基板が
得られる。。ただし、SiO2 とZnOの合計含有量が
大きくなると原ガラスの溶融温度が高くなり溶融性が悪
化してくる。上述のような緻密で高剛性かつ所望の表面
粗度をもつ基板を得ようとすれば、原ガラスが高い均質
性をもって溶融されていることが必要であり、溶融性の
悪化は本発明の目的達成の阻害要因となり得る。したが
って上記各限定範囲内で相対的にSiO2 が多いときに
はZnOを少なくすることが望ましく、SiO2 とZn
Oの合量は77〜86%であることが好ましい。
【0020】K2 Oはガラスの溶融性を向上させ、均質
な結晶化を促す効果があるが、6%を越えて含有させる
と、後の成膜工程によってはアルカリの拡散による膜特
性への悪影響の可能性が考えられるので、6%を上限と
する。
【0021】Al2 3 は結晶化ガラスの化学的耐久性
を向上させる成分であり、5%まで含有させることがで
きる。これ以上の添加は、溶融性を悪化させ、また所望
の結晶析出を阻害するので好ましくない。
【0022】P2 5 は結晶核形成の助剤として作用
し、均質な結晶化を促進するが、多量に含有させるとガ
ラスの失透化、結晶の粗大化を引き起こすため、他の成
分や後述する熱処理条件等との関係を勘案して3%まで
とする。
【0023】Sb2 3 およびAs2 3 は原ガラスの
溶融時に清澄剤として作用するが、3%を越えて添加し
てもその効果は変わらない。また、As2 3 は結晶化
助剤としても効果があるが、P2 5 と同様、結晶の粗
大化を防止し所望の表面粗度を得るために6%を上限と
する。なお、As2 3 を1%以上使用した場合にはP
2 5 を添加しなくても均質な結晶析出が可能である。
【0024】請求項2記載の発明は、請求項1記載の磁
気ディスク用基板ガラスを研磨した後の表面粗度(R
a)が1.2〜7.0nmの範囲であることを特徴とし
たものである。
【0025】請求項1記載の発明に係る磁気ディスク用
基板ガラスは、上述のように析出結晶が複数種に制御さ
れており、これを研磨することによって上記表面粗度の
基板が得られる。表面粗度(Ra)が1.2〜7.0n
mの範囲内にあることによって、コンタクトスタートス
トップ方式の磁気ディスクとしてヘッドの吸着やヘッド
クラッシュのない良好な始動・停止特性が得られる。
【0026】請求項3記載の発明は、質量百分率で、S
iO2 70〜85%,Li2 O 7〜13%,ZnO
1.5〜7%,SiO2 +ZnO 77〜86%,K2
O0〜6%,Al2 3 0〜5%,P2 5 0〜3%,
Sb2 3 0〜3%,As2 3 0〜6%からなる組成
を有するガラスを溶融し、成形後加熱昇温し、当該ガラ
スの示差熱分析の第2発熱ピーク温度から高温側40℃
の温度範囲内で、かつ850℃を上限として結晶化処理
を行うことを特徴とする磁気ディスク用基板ガラスの製
造方法である。
【0027】一般にSiO2 −Li2 O系のアルカリ土
類金属を含まない高膨脹結晶化ガラスでは、結晶化処理
温度が900℃を越える温度域でクリストバライトを析
出するようになるが、熱処理時にガラスが変形しやす
く、また結晶が粗大で不均質になりやすいため磁気ディ
スク用基板としての使用は難しいことがわかっている。
本発明者は、上記ガラス組成の開発とともに磁気ディス
ク用基板ガラスに好適する熱処理条件についても研究を
進めた結果、上記温度範囲で結晶化処理を行うことでL
2 O・2SiO2 と各種SiO2 の結晶が適度に析出
し、好ましい表面性状が得られることを見出した。
【0028】つまり、熱処理工程は、ガラスの示差熱分
析の第一発熱ピーク温度から低温側40℃の温度範囲を
目安として核形成処理を行い、次に第二発熱ピーク温度
から高温側40℃の温度範囲内で、かつ850℃を上限
として結晶化処理を行う。この温度で0.5〜8時間結
晶化処理することによって、研磨により上記表面粗度と
なる均質な結晶析出が可能となる。850℃を越える温
度で結晶化を行うとクリストバライトが析出しやすくな
り、均一な表面が得にくくなる。また、第二発熱ピーク
温度より低い温度で結晶化を行うとSiO2 結晶が析出
しても表面粗さが大きくなりにくく、所望の表面粗度と
ならない。このため第二発熱ピーク温度より高い温度で
結晶化することが望ましい。第二発熱ピーク温度から結
晶化温度を上げるにつれて表面粗さは大きくなる傾向を
示すが、均一な表面を安定して得るには高温側40℃の
温度範囲であることが好ましい。
【0029】前記表面粗度をより確実に再現するために
は、結晶化処理をガラスの示差熱分析の第二発熱ピーク
温度から高温側10〜30℃の温度範囲内で行うことが
より好ましい。
【0030】また、核形成処理温度は、比較的低温にす
ると表面粗度が1.0〜3.0nm程度の窪みが見られ
る研磨面となるので、第一発熱ピーク温度前後、特に第
一発熱ピーク温度から低温側40℃の温度範囲で行うこ
とが好ましい。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した磁気ディ
スク用基板ガラスの実施の形態について説明する。
【0032】ガラスの原料として、たとえばSiO2
LiCO3 ,ZnO,KNO3 ,Al(OH)3 ,Al
(PO3 3 ,Sb2 3 ,As2 3 などの酸化物、
炭酸塩、硝酸塩を用い上記ガラス組成となるように調合
し、原料混合物を白金るつぼに収容する。この白金るつ
ぼを電気炉内に入れ、1350〜1480℃の温度で溶
融し、十分に脱泡、清澄する。次に、この溶融ガラスを
型に流し入れて円板状に成形し、除冷後、放冷させる。
【0033】放冷したガラス円板に熱処理を行う。熱処
理は、上述のとおり、昇温して示差熱分析の第一発熱ピ
ーク温度から低温側40℃の温度範囲(およそ460〜
500℃)で結晶核形成した後、第二発熱ピーク温度か
ら高温側40℃の温度範囲内(およそ770〜850
℃)で0.5〜8時間保持し、結晶を成長させて結晶化
ガラスとする。得られた結晶化ガラスの円板に通常の光
学研磨を行い磁気ディスク用基板ガラスが完成する。
【0034】以上のようにして作成された磁気ディスク
用基板ガラスは、特別にテクスチャー処理等を行うこと
なく1.2〜7.0nmの表面粗度(Ra)を有し、磁
気ディスク用基板として好適な特性を示す。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。表
1に本発明の実施例とZnOを含まない比較例を示す。
なお、表中の組成は質量%で示してある。
【0036】これらのガラスは、上記実施の形態と同様
にして表中の組成となるよう原料を秤量、混合して白金
るつぼに収容し、1350〜1480℃の温度に加熱し
て6時間溶融を行い、十分に清澄した後、金型に流し入
れて円板状に成形し、除冷後、放冷させた。その後、示
差熱分析の第一発熱ピーク温度から低温側40℃の温度
範囲に相当する460〜500℃に昇温して結晶核を形
成させ、次いで表中に示す結晶化温度・時間に保持して
結晶化ガラスとした。
【0037】得られた結晶化ガラスは、X線回折により
析出結晶を同定する一方研磨処理を行って表面粗度測定
用サンプルを作成し、半径2.5μmの触針をもつ触針
式表面粗さ計で測定して表面粗度(Ra)を求めた。研
磨処理は、平均粒径7〜11μmの砥粒で約10分間の
ラッピングの後、平均粒径1〜1.5μmの砥粒で約2
0分間ポリシングした。これらの結果も併せて表1に示
す。
【0038】表1から明らかなように、本発明の実施例
のガラスはその結晶相が二珪酸リチウム(Li2 O・2
SiO2 )および二酸化珪素(SiO2 )結晶を有し、
磁気ディスク基板に適当な表面粗度が得られているのに
対し、比較例では析出結晶が二珪酸リチウム(Li2
・2SiO2 )のみで表面粗度も磁気ディスク基板とし
ては適当でない。
【0039】
【表1】
【表1】
【0040】また、結晶化ピーク温度に与える組成の影
響を調べるため、SiO2 ,Li2O,K2 O,Al2
3 ,P2 5 ,Sb2 3 成分を固定し、それぞれに
ZnO,MgO,BaO,PbOを等量添加したサンプ
ルを作成し、第二発熱ピーク温度と析出結晶を調査し
た。この結果を表2に示す。
【0041】本実施例のZnOを含むガラスは結晶化ピ
ーク温度が他のサンプルよりも低温であり、析出結晶も
二珪酸リチウム(Li2 O・2SiO2 )および複数種
の二酸化珪素(SiO2 )結晶を有していたのに対し、
PbO添加のものでは析出結晶が二珪酸リチウム(Li
2 O・2SiO2 )のみであった。
【0042】
【表2】
【発明の効果】以上のように、本発明の磁気ディスク用
基板ガラスはSiO2 −Li2 O系の結晶化ガラスであ
るため比較的溶融温度が低く、テクスチャー処理を必要
とせず研磨のみで磁気ディスク基板に望ましい表面粗度
が得られるので、生産性が高く磁気ディスク基板用とし
て極めて好適したものである。
【0043】また、本発明の磁気ディスク用基板ガラス
の製造方法によれば、磁気ディスク基板に望ましい表面
特性を安定して得ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量百分率で、SiO2 70〜85%,
    Li2 O 7〜13%,ZnO 1.5〜7%,SiO
    2 +ZnO 77〜86%,K2 O 0〜6%,Al2
    3 0〜5%,P2 5 0〜3%,Sb2 3 0〜3
    %,As2 30〜6%からなる組成を有するガラスを
    熱処理して結晶化したものであって、その結晶相が二珪
    酸リチウム(Li2 O・2SiO2 )および二酸化珪素
    (SiO2 )結晶を有することを特徴とする磁気ディス
    ク用基板ガラス。
  2. 【請求項2】 前記磁気ディスク用基板ガラスを研磨し
    た後の表面粗度(Ra)が1.2〜7.0nmの範囲で
    あることを特徴とする請求項1記載の磁気ディスク用基
    板ガラス。
  3. 【請求項3】 質量百分率で、SiO2 70〜85%,
    Li2 O 7〜13%,ZnO 1.5〜7%,SiO
    2 +ZnO 77〜86%,K2 O 0〜6%,Al2
    3 0〜5%,P2 5 0〜3%,Sb2 3 0〜3
    %,As2 30〜6%からなる組成を有するガラスを
    溶融し、成形後加熱昇温し、当該ガラスの示差熱分析の
    第2発熱ピーク温度から高温側40℃の温度範囲内で、
    かつ850℃を上限として結晶化処理を行うことを特徴
    とする磁気ディスク用基板ガラスの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103539357A (zh) * 2013-08-27 2014-01-29 中国科学院过程工程研究所 一种硅渣微晶玻璃及其制备方法
CN114450258A (zh) * 2019-09-25 2022-05-06 株式会社哈斯 具有抗等离子体腐蚀性的微晶玻璃及包括该微晶玻璃的干式蚀刻工艺部件

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